JPH10142053A - 分光反射率測定装置における補正方法 - Google Patents

分光反射率測定装置における補正方法

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JPH10142053A
JPH10142053A JP29476096A JP29476096A JPH10142053A JP H10142053 A JPH10142053 A JP H10142053A JP 29476096 A JP29476096 A JP 29476096A JP 29476096 A JP29476096 A JP 29476096A JP H10142053 A JPH10142053 A JP H10142053A
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JP
Japan
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spectral reflectance
wavelength
spectral
interference filter
correction
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Application number
JP29476096A
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English (en)
Inventor
Seiichi Taguchi
誠一 田口
Akira Yoda
章 依田
Keijiro Kimura
慶次郎 木村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10142053A publication Critical patent/JPH10142053A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2次元画像からの反射光を干渉フィルタによっ
て分光し、各位置の分光反射率を測定する装置におい
て、前記分光反射率を高精度に測定することのできる方
法を提供する。 【解決手段】干渉フィルタに対する反射光の入射角度に
よる基準分光波長からの波長シフト量を求めるととも
に、測定装置固有のフレア光に対するフレア広がり関数
を求めておき、カラーチャートを測定して得られた分光
反射率に対して、前記フレア広がり関数を用いてフレア
補正処理を行った後、波長補間処理を行い、次いで、ス
ペクトル幅補正を行って得られた分光反射率を、前記波
長シフト量により補正された干渉フィルタの実効分光波
長に対応させることにより、分光反射率を高精度に求め
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次元画像からの
反射光を干渉フィルタによって分光し、各測定領域の分
光反射率を測定する装置における補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、所望の画像を写真や印刷によって
再現する手段に加え、電子写真プリンタ、インクジェッ
トプリンタ、昇華型プリンタ、CRT、スキャナ、電子
カメラ等のように、カラー画像を記録しあるいは読み取
るための種々の手段が出現している。この場合、所望の
出力装置により原画像の色を忠実に再現するためには、
前記各手段の特性を考慮した変換データを予め作成して
おく必要がある。
【0003】そこで、既知のカラー画像データを用いて
所望の出力装置によりカラーチャートを作成し、前記カ
ラーチャートの分光反射率を測定し、前記分光反射率か
ら測色値(測色値L* 、a* 、b* 等)を求める。そし
て、この測色値と前記カラー画像データとの関係から前
記変換データを作成し、当該出力装置に設定すれば、所
望の色のカラー画像を再現出力することが可能となる。
【0004】ところで、再現画像の精度を確保するため
には、できるだけ多くの測色値と前記カラー画像データ
との関係を求めておく必要がある。そのためには、色の
異なる多数のカラーパッチを前記カラーチャート上に形
成し、それらの分光反射率を全て求めておかなければな
らない。しかも、前記カラーチャートの測色値は、紙や
インク等の出力媒体によって異なるため、これらの出力
媒体と出力装置との組み合わせに応じてカラーチャート
を作成し、それを測色して変換データを作成する必要が
ある。
【0005】ここで、分光反射率を測定する従来装置で
は、1つのカラーパッチの分光反射率を測定してはカラ
ーチャートを動かし、次のカラーパッチの測定を行うと
いう作業を繰り返していたため、1枚のカラーチャート
の測定に長時間を要していた。しかも、このようなカラ
ーチャートは、出力媒体と出力装置との組み合わせに応
じて必要となるため、分光反射率の測定に膨大な時間を
要するという問題があった。
【0006】このような問題点を解決する手段として、
CCDエリアセンサのような2次元光センサを用いて、
複数のカラーパッチの分光反射率を一度に測定すること
が考えられる。この場合、カラーパッチを1つずつ測定
するよりもはるかに短時間での処理が可能となる。
【0007】しかしながら、このようにして得られた分
光反射率は、各カラーパッチを単独で測定したものに比
べて精度が低下することが知られている。この精度は、
カラーチャートを構成する各カラーパッチの位置や色の
異なるカラーパッチ同士の相互の配置関係に依存してい
る。そこで、例えば、従来装置を用いてカラーパッチの
1つ1つを測定して得られた分光反射率と、前記2次元
光センサにより一度に測定して得られた分光反射率との
差を補正量として求めておけば、この補正量を用いて、
パターンが同じであるカラーチャートに対する分光反射
率を高精度且つ高速度に求めることができる。
【0008】しかしながら、前記カラーチャートの種類
が多くなると、その度に補正量を求めておかなければな
らなくなるため、前記従来装置を使用する頻度が増え、
2次元光センサを用いた装置を使用する意義が半減する
だけでなく、設備面等においても負担が増大する不具合
が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、2次
元画像からの反射光を干渉フィルタによって分光し、各
位置の分光反射率を測定する装置において、前記分光反
射率を高精度に測定することのできる分光反射率測定装
置における補正方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、2次元画像の各測定領域での分光反射
率を、前記2次元画像からの反射光を干渉フィルタによ
って分光して測定する装置における補正方法であって、
所定の測定領域の位置に対する前記干渉フィルタの基準
分光波長からの波長シフト量を求めておき、前記干渉フ
ィルタを介して得られた分光反射率を、前記位置および
前記波長シフト量の関係から導かれる実効分光波長に対
する分光反射率として設定することを特徴とする。
【0011】干渉フィルタにより分光される光の波長
は、前記光の干渉フィルタに対する入射角度によって、
設定された当該干渉フィルタの基準分光波長からシフト
することが知られている。この波長シフト量は、様々な
方向から干渉フィルタに入射する光の総合効果として把
握する必要がある。本出願人は、本発明が適用される分
光反射率測定装置では、分光反射率の測定対象の測定範
囲が2次元的に分布しており、測定領域の位置によって
当該干渉フィルタにより分光される光の実効分光波長が
基準分光波長からずれるため、そのずれが分光反射率の
精度に誤差として現れてしまうことを見出した。
【0012】一方、干渉フィルタの実効分光特性は、光
学的共役関係で決まるため、装置構成が決まれば一意に
決定される。すなわち、前記実効分光特性は、測定対
象、干渉フィルタ、レンズ、光検出センサ等の幾何学的
相互関係に対して固有のものとなっている。従って、装
置構成が決定されれば、干渉フィルタの実効分光波長を
測定対象の測定領域の位置のみに依存する物理量として
求めることができる。
【0013】そこで、装置毎に基準分光波長からの波長
シフト量と測定対象の測定領域の位置との関係をテーブ
ル若しくは計算式として求めておけば、この関係を用い
て実効分光波長に対する分光反射率を高精度に求めるこ
とができる。
【0014】なお、注目測定領域には、その測定領域以
外からのフレア光が入射するため、前記分光反射率に誤
差が混入してしまう。従って、前記フレア光による補正
関係を2次元画像の位置毎に求めておき、この補正関係
を用いて前記分光反射率を補正した後、測定領域の位置
に対する実効分光波長を求めることで、実効分光波長に
対する分光反射率を一層高精度に求めることができる。
【0015】また、分光反射率は、波長の関数として連
続的に測定することは不可能であるため、得られた分光
反射率のデータを補間処理することが望ましい。
【0016】さらに、干渉フィルタによって抽出された
光は、その分光波長に関してある程度幅を有しているた
め、得られた分光反射率のデータに対してスペクトル幅
補正を行うことが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本実施形態の分光反射率
測定装置の全体構成を示す図である。この分光反射率測
定装置は、測定対象シートであるカラーチャートCHの
分光反射率を測定する測定装置10と、前記測定装置1
0を構成する干渉フィルタ12の切り替えを行う干渉フ
ィルタ切替装置14と、前記測定装置10を構成する冷
却CCDカメラ16を制御する冷却CCDカメラ制御装
置18と、前記測定装置10により得られたデータを処
理し、前記カラーチャートCHを構成する各反射率測定
領域の分光反射率を求める計算処理装置20とから基本
的に構成される。
【0018】測定装置10は、カラーチャートCHが配
置される試料台22と、照明光をカラーチャートCHに
対して略45゜の角度で異なる2方向から照射するキセ
ノン光源等からなる照明光源24a、24bと、カラー
チャートCHからの反射光を受光する冷却CCDカメラ
16と、前記冷却CCDカメラ16のレンズ前面に配設
され、所定の波長の反射光のみを抽出して冷却CCDカ
メラ16に導く干渉フィルタ12とを備える。
【0019】干渉フィルタ12は、例えば、透過中心波
長である基準分光波長が380nm、400nm、…、
780nmに設定された21枚の多層膜干渉フィルタを
円盤上に配設したものであり、各多層膜干渉フィルタに
は、多重反射防止のための反射防止(AR)コーティン
グが施されている。なお、基準分光波長とは、多層膜干
渉フィルタに対して反射光が垂直に入射した場合におけ
る透過光の波長である。多層膜干渉フィルタを保持する
円盤は、カラーチャートCHの面に対して所定角度(例
えば、10゜)傾斜して配置されており、ステッピング
モータ26により回動可能に構成される。この場合、回
動されることで干渉フィルタ12の各多層膜干渉フィル
タを切り替え、所望の波長の光を冷却CCDカメラ16
に導く。冷却CCDカメラ16は、例えば、ペルチェ素
子を用いてCCDを冷却することで測定精度を向上させ
ている。試料台22上に配置されるカラーチャートCH
には、図2に示すように、複数の異なる色からなる19
×13のカラーパッチ28が形成されている。
【0020】干渉フィルタ切替装置14は、計算処理装
置20からの指令に基づきステッピングモータ26を制
御し、冷却CCDカメラ16に対して所定の波長の光を
導く多層膜干渉フィルタを選択的に切り替えて設定す
る。冷却CCDカメラ制御装置18は、冷却CCDカメ
ラ16の制御を行う。
【0021】計算処理装置20は、実質的にCPUから
なる全体制御部36と、干渉フィルタ切替装置14の制
御を行う干渉フィルタ切替制御部38と、冷却CCDカ
メラ制御装置18の制御を行うCCDカメラ制御部40
と、CCDカメラ制御部40から供給される測定データ
と測定領域の位置データとから当該測定領域での分光反
射率を計算する分光反射率計算部44と、測定結果であ
る分光反射率を表示する測定結果表示部46と、測定結
果である分光反射率を記憶する測定結果記憶部48と、
干渉フィルタ12の基準分光波長からの波長シフト量を
測定領域の位置に対する関係として記憶する波長シフト
量記憶部50と、前記分光反射率を補正するためのフレ
ア広がり関数を記憶するフレア広がり関数記憶部52と
から基本的に構成される。
【0022】本実施形態の分光反射率測定装置は、基本
的には以上のように構成されるものであり、次に、当該
装置を用いた分光反射率の補正方法につき図3に示すフ
ローチャートに基づいて説明する。
【0023】ステップS1:測定装置10に固有の干渉
フィルタ12の波長シフト量を求め、計算処理装置20
の波長シフト量記憶部50に設定する。
【0024】例えば、図4に示すように、試料台22上
のa〜c点にB(青色)、G(緑色)、R(赤色)の単
色からなる基準板を配置し、干渉フィルタ12を構成す
る多層膜干渉フィルタを順次切り替えて分光反射率を測
定する。なお、この分光反射率は、試料台22上に基準
白板を載置してその分光反射光量を測定する一方、前記
基準板の分光反射光量を測定し、これらの分光反射光量
の比として求めることができる。図5Aは、B(青色)
の基準板から得られたa〜c点での干渉フィルタ12の
基準分光波長に対する分光反射率、図5Bは、G(緑
色)の基準板から得られたa〜c点での干渉フィルタ1
2の基準分光波長に対する分光反射率、図5Cは、R
(赤色)の基準板から得られたa〜c点での干渉フィル
タ12の基準分光波長に対する分光反射率を示す。図5
A〜図5Cの結果を各基準板毎に平均化し、干渉フィル
タ12の入射角度θa、θb、θcに対する前記基準分
光波長からの波長シフト量をプロットしたものを図6に
示す。この結果から、波長シフト量は、入射角度に依存
することが了解される。
【0025】そこで、干渉フィルタ12に対する光の入
射角度をカラーチャートCH上の位置データに換算し、
前記位置データと当該干渉フィルタ12の基準分光波長
からの波長シフト量との関係を波長シフト量記憶部50
に記憶させる。すなわち、干渉フィルタ12の各多層膜
干渉フィルタの基準分光波長をλ0n(0は基準分光波
長であることを表し、nは各多層膜干渉フィルタの個別
番号を表すものとする。)、所望の測定領域の位置デー
タを(x,y)、波長シフト量をΔλ(x,y)とする
と、前記測定領域に対する多層膜干渉フィルタの実効分
光波長λn(x,y)は、 λn(x,y)=λ0n+Δλ(x,y) …(1) として求めることができる。なお、波長シフト量は、カ
ラーチャートCH上の測定領域からの光の干渉フィルタ
12に対する入射角度の関数あるいはテーブルとして設
定しておくこともできる。また、波長シフト量の代わり
に、実効分光波長を測定領域の位置あるいは入射角度の
関係として設定しておいてもよい。この場合には、測定
領域の位置あるいは入射角度から実効分光波長を直接求
めることができる。
【0026】ステップS2:フレア光による分光反射率
の誤差を補正するため、測定装置10に固有のフレア広
がり関数を求め、計算処理装置20のフレア広がり関数
記憶部52に設定する。
【0027】2次元画像からなるカラーチャートCHを
構成する各カラーパッチ28の分光反射率を測定しよう
とすると、注目するカラーパッチ28以外のカラーパッ
チ28からの反射光が冷却CCDカメラ16に入射する
ことでフレアが生じてしまう。そこで、このフレアの影
響をフレア広がり関数として事前に求めておき、得られ
た前記フレア広がり関数を用いて、分光反射率の補正を
行う。以下に、フレア広がり関数を求める方法を説明す
る。
【0028】先ず、冷却CCDカメラ16の撮像域を所
定のサイズからなる複数の面要素に分割し、前記面要素
の大きさからなる白領域54が中央部分に設定され、そ
の周囲の十分に広い範囲に前記面要素の大きさからなる
多数の黒領域56が設定されたサンプル58(図7)を
用意し、前記サンプル58を試料台22の位置に置いて
撮影し、各面要素の見かけの照度を測定する。
【0029】次に、前記白領域54および前記各黒領域
56から得られた見かけの照度に対応する反射光量デー
タB(i,j)を、白領域54の反射光量データW
(i)で割ることにより、前記各黒領域56に対する前
記白領域54からのフレア量であるフレア広がり関数f
{r(i,j)}を、 f{r(i,j)}=B(i,j)/W(i) …(2) として求める。なお、(i,j)は、図7において、白
領域54の位置をiとした場合における黒領域56の位
置jを表し、r(i,j)は、位置iの白領域54から
位置jの黒領域56までの距離を表す。また、前記各反
射光量データB(i,j)およびW(i)は、白領域5
4および各黒領域56の境界部分でのボケやイラジエー
ションの影響を可及的に少なくするため、白領域54お
よび各黒領域56の周辺部分の画素からの反射光量デー
タを除く中央部分の画素からの反射光量データを平均し
て求める。
【0030】図8は、上記のようにして求められたフレ
ア広がり関数f{r(i,j)}を連続関数として表し
たものである。この場合、前記フレア広がり関数f{r
(i,j)}は、白領域54からの距離rのみの関数と
なっている。このようにして求められたフレア広がり関
数f{r(i,j)}は、計算処理装置20のフレア広
がり関数記憶部52に記憶される。
【0031】ステップS3:ステップS1およびS2の
準備作業を終了した後、所望のカラーチャートCHを試
料台22上に載置し、各カラーパッチ28の補正前の分
光反射率を測定する。
【0032】干渉フィルタ切替制御部38からの指令に
基づき、干渉フィルタ切替装置14によりステッピング
モータ26を駆動し、干渉フィルタ12を回動させるこ
とにより、所定の基準分光波長λ0nを有する多層膜干
渉フィルタを冷却CCDカメラ16の光軸上に配置す
る。次いで、分光反射率計算部44において、各カラー
パッチ28からの反射光を前記干渉フィルタ12を介し
て冷却CCDカメラ16により受光することで得られた
分光反射光量を基準白板の分光反射光量により割ること
で、各カラーパッチ28の補正前の分光反射率を求め
る。
【0033】図9は、干渉フィルタ12の基準分光波長
λ0nに対する補正前の分光反射率R0(x,y)と、
理想的な状態で高精度に求めた分光反射率R(x,y)
とをプロットしたものである。なお、(x,y)は、各
カラーパッチ28の位置データである。
【0034】ステップS4:ステップS3で得られた分
光反射率R0(x,y)に対してフレア補正処理を行
う。
【0035】分光反射率計算部44において、フレア広
がり関数記憶部52に記憶されたフレア広がり関数f
{r(i,j)}を用いて、前記分光反射率R0(j)
を補正し、フレア補正された分光反射率R1(i)を、
【0036】
【数1】
【0037】として求める。なお、mは、カラーパッチ
28の数である。また、iは、分光反射率R1(i)を
求めるカラーパッチ28の位置データ(x,y)を表
し、jは、前記カラーパッチ28以外のカラーパッチ2
8の位置データ(x,y)を表す。
【0038】ここで、(3)式について説明する。実際
の画像の照度Sが、図10の実線で示すように、その輪
郭部において先鋭である場合、前記画像を測定装置10
により読み取ると、点線で示す照度S’からなる画像が
得られる。この場合、点線で示す画像に対する周知の輪
郭強調処理においては、実際に得られた照度S’からな
る画像を平滑化処理することにより、一点鎖線で示す照
度S”からなる画像を作成し、これらの画像に係る照度
S’およびS”のデータを用いて、 L=S’+K(S’−S”) …(4) とする処理を行うことにより、照度Sの画像に近い輪郭
の強調された照度Lからなる画像を生成するようにして
いる。なお、Kは、輪郭強調処理の程度を決める係数で
ある。一方、照度SおよびS’の関係は、 S=S’−(S’−S) …(5) と表すことができる。ここで、 S’−S=S”−S’ …(6) の関係が近似的に成立するものと仮定すると、(5)式
から、 S=2・S’−S” …(7) が得られる。そこで、求める分光反射率R1(i)、補
正前の分光反射率R0(i)および前記分光反射率R0
(i)を平滑化して得られる分光反射率R0’(i)の
関係は、(7)式から、 R1(i)=2・R0(i)−R0’(i) …(8) とすることができる。この場合、平滑化して得られる分
光反射率R0’(i)を、
【0039】
【数2】
【0040】とすれば、(3)式を得ることができる。
ここで、(3)式の関係が高精度に成立することは、本
出願人の実験により確認された。
【0041】なお、(3)式は、i≠jとすることによ
り、
【0042】
【数3】
【0043】と記述することができる。この場合、(1
0)式における右辺第2項は、測定された分光反射率R
0(i)に対するフレア補正量を表すことになる。
【0044】以上のようにして、フレアの影響を除去し
た分光反射率R1(i)を得ることができる。この場
合、前記フレア補正量は、分光反射率R0(j)を含む
ために他のカラーパッチ28の色に依存するが、フレア
広がり関数f{r(i,j)}自体は位置のみの関数で
あり、カラーチャートCHの構成には依存していない。
従って、前記フレア広がり関数f{r(i,j)}は、
測定装置10の構成に依存した固有のものとなるため、
測定装置10毎にフレア広がり関数f{r(i,j)}
を求めておけば、他の任意の構成からなるカラーチャー
トCHに対して、高精度にフレア補正された分光反射率
R1(i)を求めることができる。
【0045】図11は、干渉フィルタ12の基準分光波
長λ0nに対するフレア補正された分光反射率R1
(x,y)と、理想的な状態で高精度に求めた分光反射
率R(x,y)とをプロットしたものである。
【0046】ステップS5:ステップS4で得られた分
光反射率R1(x,y)に対して波長補間処理を行う。
【0047】干渉フィルタ12により分光して得られる
サンプリング波長は、多層膜干渉フィルタの枚数によっ
て10〜30程度に制限されてしまうため、前記サンプ
リング波長の中間の波長に対する分光反射率を求める必
要がある。そこで、分光反射率計算部44において、前
記のようにして求められた基準分光波長毎の分光反射率
R1(x,y)を補間処理することにより、所望の波長
に対する分光反射率R2(x,y)を求める。この補間
処理としては、例えば、スプライン補間法がある。
【0048】図12は、フレア補正処理によって得られ
た分光反射率R1(x,y)に対して3次スプライン補
間処理を施して得られた分光反射率R2(x,y)と、
理想的な状態で高精度に求めた分光反射率R(x,y)
とをプロットしたものである。
【0049】ステップS6:ステップS5で得られた分
光反射率R2(x,y)に対してスペクトル幅補正処理
を行う。
【0050】干渉フィルタ12によって理想的な単色光
を得ることは不可能である。すなわち、干渉フィルタ1
2によって分光して得られるサンプリング波長は、図1
3に示すように、所定のバンド幅を有しており、これに
起因して、分光反射率の測定に際し誤差が生じる。そこ
で、図13に示す干渉フィルタ12を構成する各多層膜
干渉フィルタの広がり関数をgn(λ)とし、分光反射
率R2(x,y)と広がり関数gn(λ)とのコンボリ
ューション演算を行うことにより、バンド幅を狭くする
先鋭化処理が施された分光反射率R3(x,y)を、
【0051】
【数4】
【0052】として求めることができる。
【0053】図14は、スペクトル幅補正処理によって
得られた分光反射率R3(x,y)と、理想的な状態で
高精度に求めた分光反射率R(x,y)とをプロットし
たものである。
【0054】ステップS7:ステップS6で得られた分
光反射率R3(x,y)に対して、ステップS1で求め
た波長シフト量の補正を行うことにより、実効分光波長
λn(x,y)に対する分光反射率R4(x,y)を求
める。
【0055】分光反射率計算部44において、分光反射
率R3(x,y)に係るカラーパッチ28の位置データ
(x,y)に基づき、波長シフト量記憶部50から対応
する波長シフト量Δλ(x,y)を読み出す。そして、
前記分光反射率R3(x,y)に係る干渉フィルタ12
の基準分光波長λ0nを用いて、(1)式から対応する
実効分光波長λn(x,y)を求め、前記実効分光波長
λn(x,y)に対する分光反射率R4(x,y)を求
める。
【0056】図15は、波長シフト量Δλ(x,y)だ
け分光反射率R3(x,y)をシフトして得られた分光
反射率R4(x,y)と、理想的な状態で高精度に求め
た分光反射率R(x,y)とをプロットしたものであ
る。
【0057】この場合、分光反射率R4(x,y)と分
光反射率R(x,y)とは、極めてよく一致している。
従って、以上のような補正処理を行うことにより、各カ
ラーパッチ28に対して極めて高精度な分光反射率R4
(x,y)を求めることができる。なお、前記分光反射
率R4(x,y)を求める処理において、波長補間処理
(ステップS5)を行った後、スペクトル幅補正処理
(ステップS6)を行うようにすることで、計算時間の
短縮を図ることができる。その他の補正処理順序につい
ては、図3に示す処理順序に限定されるものではない。
【0058】以上のようにして求められた分光反射率R
4(x,y)は、測定結果表示部46において表示され
るとともに、測定結果記憶部48に記憶される。なお、
このようにして求められた分光反射率R4(x,y)か
ら、例えば、刺激値データX、Y、Zが求められ、前記
刺激値データX、Y、ZとカラーチャートCHを作成す
るために提供された画像データC、M、Yとの関係が変
換データとして画像処理システムに提供されることにな
る。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、2次元
画像からの反射光を干渉フィルタによって分光し、各位
置の分光反射率を測定する装置において、前記干渉フィ
ルタに対する前記反射光の入射角度に依存した波長ずれ
を考慮した分光反射率を高精度に測定することができ
る。また、フレア光の影響を補正することにより、2次
元画像上の多数の測定領域の分光反射率を高速度且つ高
精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の分光反射率測定装置の全体構成を
示す図である。
【図2】本実施形態において使用されるカラーチャート
の説明図である。
【図3】本実施形態の分光反射率の補正方法のフローチ
ャートである。
【図4】波長シフト量を求める処理に供せられる説明図
である。
【図5】図5A〜図5Cは、B(青色)、G(緑色)、
R(赤色)の各基準板を異なる位置に配置して得られた
干渉フィルタの基準分光波長と分光反射率との関係説明
図である。
【図6】干渉フィルタに対する光の入射角度と波長シフ
ト量との関係説明図である。
【図7】フレア広がり関数を求めるために供せられるサ
ンプルの説明図である。
【図8】フレア広がり関数の説明図である。
【図9】干渉フィルタの基準分光波長に対する補正前の
分光反射率の説明図である。
【図10】フレア補正の説明図である。
【図11】干渉フィルタの基準分光波長に対するフレア
補正された分光反射率の説明図である。
【図12】干渉フィルタの基準分光波長に対する波長補
間処理された分光反射率の説明図である。
【図13】干渉フィルタの波長に対する透過率の特性説
明図である。
【図14】干渉フィルタの基準分光波長に対するスペク
トル幅補正処理された分光反射率の説明図である。
【図15】干渉フィルタの実効分光波長に対する分光反
射率の説明図である。
【符号の説明】
10…測定装置 12…干渉フィ
ルタ 14…干渉フィルタ切替装置 16…冷却CC
Dカメラ 18…冷却CCDカメラ制御装置 20…計算処理
装置 24a、24b…照明光源 26…ステッピ
ングモータ 36…全体制御部 38…干渉フィ
ルタ切替制御部 40…CCDカメラ制御部 44…分光反射
率計算部 46…測定結果表示部 48…測定結果
記憶部 50…波長シフト量記憶部 52…フレア広
がり関数記憶部 CH…カラーチャート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2次元画像の各測定領域での分光反射率
    を、前記2次元画像からの反射光を干渉フィルタによっ
    て分光して測定する装置における補正方法であって、 所定の測定領域の位置に対する前記干渉フィルタの基準
    分光波長からの波長シフト量を求めておき、前記干渉フ
    ィルタを介して得られた分光反射率を、前記位置および
    前記波長シフト量の関係から導かれる実効分光波長に対
    する分光反射率として設定することを特徴とする分光反
    射率測定装置における補正方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、 前記関係を構成する前記所定の測定領域の位置は、前記
    2次元画像上の位置データとして設定されることを特徴
    とする分光反射率測定装置における補正方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法において、 前記関係を構成する前記所定の測定領域の位置は、前記
    干渉フィルタに対する前記反射光の入射角度データとし
    て設定されることを特徴とする分光反射率測定装置にお
    ける補正方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の方法において、 前記2次元画像の注目測定領域に対する当該注目測定領
    域以外からのフレア光による補正関係を求め、前記分光
    反射率を前記補正関係により補正することを特徴とする
    分光反射率測定装置における補正方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の方法において、 前記干渉フィルタの基準波長間の波長に対する分光反射
    率を補間処理により求めることを特徴とする分光反射率
    測定装置における補正方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の方法において、 前記分光反射率に対するスペクトル幅補正処理を行うこ
    とを特徴とする分光反射率測定装置における補正方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の方法において、 前記2次元画像の注目測定領域に対する当該注目測定領
    域以外からのフレア光による補正関係を求め、前記分光
    反射率を前記補正関係により補正し、前記干渉フィルタ
    の基準波長間の波長に対する分光反射率を補間処理し、
    さらに、分光反射率に対するスペクトル幅補正処理を行
    うことを特徴とする分光反射率測定装置における補正方
    法。
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