JPH10141669A - 解凍制御方法 - Google Patents

解凍制御方法

Info

Publication number
JPH10141669A
JPH10141669A JP30009896A JP30009896A JPH10141669A JP H10141669 A JPH10141669 A JP H10141669A JP 30009896 A JP30009896 A JP 30009896A JP 30009896 A JP30009896 A JP 30009896A JP H10141669 A JPH10141669 A JP H10141669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
heating
thawed
thawing
surface temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30009896A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Ando
有司 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP30009896A priority Critical patent/JPH10141669A/ja
Publication of JPH10141669A publication Critical patent/JPH10141669A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Ovens (AREA)
  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度検出器の検出精度を必要とせず、少量の
被解凍物においても良好に解凍することのできる解凍制
御方法を提供する。 【解決手段】 加熱開始時に被解凍物の表面温度を検出
し、その表面温度から予め定める第1の温度差K1がつ
くまで加熱を行う。次に、加熱停止時の表面温度および
一定時間T2経過後の表面温度の差である第2の温度差
K2を検出する。そして、第2の温度差K2に基づいて
算出される第3の温度差K3がつくまで加熱を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被解凍物の表面温
度に基づいて解凍のための加熱を行う加熱器に適用され
る解凍制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、高周波加熱器においては、赤外線検出器等によっ
て被解凍物の表面温度を検出し、その表面温度に基づい
て解凍が行われている。一般に、被解凍物の解凍は、被
解凍物の水分が凍った状態より溶け出した状態、すなわ
ち、氷の0℃より水の0℃に変わった時点に実質的にあ
ると言われている。そのため、0℃付近の解凍温度を検
知して解凍制御に利用しようとすれば、高性能の検出器
が必要となり大幅なコストがかかる。
【0003】また、比較的低価格で一般的な赤外線検出
器では、検出器自身の温度と被解凍物の温度との温度差
が出力として現れる。そのため、被解凍物の温度に換算
するためには、検出器自身の温度を検出するため感温素
子が必要となる。このように、解凍のために絶対的な温
度を検出しようとすれば、多少ともコストのかかるもの
となる。
【0004】ところで、被解凍物の解凍のための制御方
法には、特公昭60−10706号公報に記載の解凍制
御方法がある(以下、「従来例1」という。)。この解
凍制御方法は、予め設定された温度になるまで被解凍物
を加熱し、設定された温度に達すれば一定時間加熱を停
止し、再度設定された温度になるまで加熱するというサ
イクルを繰り返して、加熱から停止までの時間間隔ある
いは加熱の停止時および再開時の温度差が所定値より小
さくなった場合に解凍を終了するといった方法である。
この解凍制御方法によれば、加熱によって生じる被解凍
物の表面と内部との温度差を、加熱のオン、オフの繰り
返しにより平準化することができ、被解凍物の種類や初
期温度に関係なく均一な解凍を行うことができる。
【0005】上記従来例1の解凍制御方法では、加熱開
始直後は予め設定された温度になるまで比較的高出力で
かつ連続的に加熱を行う。高出力で被解凍物を加熱する
と、例えば相対的に大きな被解凍物(約1kg以上)で
あれば解凍終了時に充分な仕上がりが期待できる。しか
しながら、一般家庭で行う被解凍物は重量が100〜5
00g程度でかつ厚さが薄いもの(約2cm未満)が多
く、高出力で連続的に被解凍物を加熱すると煮え等が部
分的に発生し、満足のいく仕上がりが得られないという
欠点がある。
【0006】そこで、一般の高周波加熱器においては、
加熱出力を断続的にオン、オフして加熱する方法が実施
されている。これにより、被解凍物の表面と内部との温
度差を小さくし部分的な煮えの発生を防止している。そ
のため、設定温度を低くしなければならない。
【0007】通常、冷凍状態にある被解凍物の表面温度
(−10〜−1℃)は、内部温度(−20〜−10℃)
に比べ外気や人に触れている分高めになっており、被解
凍物の冷凍状態を反映した温度とはなっていない。その
ため、上記のように設定温度を低く設定して解凍を行う
と、被解凍物の大きさによっては、設定温度に達してい
ても十分に内部まで解凍が行き届いていなかったり、設
定温度に達していなくても解凍が完了していたりする場
合がある。したがって、特に少量の被解凍物における解
凍ではその仕上がりが十分でないことが多かった。ま
た、例えば赤外線検出器の指示温度がばらついていた
り、計測感度がばらついていたりした場合、設定温度を
正確に検出することはできなかった。このように、絶対
的な温度に基づいて解凍制御を行っても必ずしも良好な
解凍ができるとは限らない。
【0008】一方、特開昭61−119926号公報
(以下、「従来例2」という。)には、赤外線検出器で
検出される検出信号は微弱であるためにノイズに影響さ
れやすく、その影響を解消するための技術が記載されて
いる。すなわち、赤外線検出器では通常被解凍物の表面
温度に応じた赤外線量を検出してその温度を計測してい
る。しかし、その赤外線検出信号は極めて微弱であるた
め、マグネトロン等から発生される高周波ノイズ等に極
めて弱い。そのため、上記従来例2の加熱器ではマグネ
トロンがオフ動作するタイミングで上記赤外線検出信号
を増幅して、高周波ノイズの影響を避けている。
【0009】しかし、赤外線検出信号を処理する回路
は、高周波ノイズ以外にも赤外線検出器および増幅回路
等へ供給する電源の変動にも影響を受けやすい。一般に
高周波加熱器では加熱の制御にリレー等の開閉装置を用
いており、リレーのオン、オフ動作で供給電源が変動す
るときがある。このリレーのオン、オフ動作が赤外線検
出信号の処理回路に影響を与え、従来例2の加熱器では
解凍中の温度変化を正確につかめず検出誤差を生じると
いう不都合を生じる。
【0010】また、通常、高周波加熱器では、回転可能
な載置台に被解凍物を載置させて回転させながら加熱を
行っている。赤外線検出器の載置台上の検出エリアはほ
ぼ決まっているので、被解凍物の載置台上の位置によっ
ては被解凍物の表面温度の検出出力が変動する場合があ
る。
【0011】そこで、特開昭56−45593号公報
(以下、「従来例3」という。)記載の技術では、所定
期間における検出器の出力をサンプリングして最大値、
最小値、または平均値のいずれかの値を選択しその値を
被解凍物の表面温度として用い加熱時の温度制御を行っ
ている。この方法によれば、検出温度は載置台の回転に
対しても安定した状態で出力される。
【0012】ところが、一般に高周波加熱器における解
凍では、氷は加熱されにくく、水は加熱されやすいとい
う高周波加熱の特性により、解凍が進んでいる箇所は一
層加熱が進みやすくなり、解凍完了時には十分解凍され
た箇所と未だ凍った箇所が存在するようになる。特に、
解凍完了前では上述したように部分的な解凍、いわゆる
加熱むらが起こることによって検出温度の出力に変動が
生じる。
【0013】このような検出温度出力の変動に対して、
上記従来例3のように所定回転中における最大値、最小
値、または平均値を算出してもその変動を把握すること
はできず加熱むらを検出できない。特に、平均値では加
熱による上昇であるか、あるいは載置台の回転により検
出温度の変動であるかを判別することができないという
欠点がある。
【0014】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、検出
器の検出精度や供給電源の変動に左右されず少量の被解
凍物においても良好に、かつ加熱むらを抑制して解凍す
ることのできる解凍制御方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、請求項1記載のように、被解凍物の表面温度に基
づいて解凍のための加熱を行う加熱器に適用される解凍
制御方法であって、加熱開始後の被解凍物の表面温度の
変化量に基づいて加熱制御を行うことを特徴とするもの
である。
【0016】この方法によれば、解凍のための加熱制御
は、絶対的な温度ではなく温度の変化量に基づいて行わ
れるので、温度を検出するための検出器の高い精度を必
要としない。そのため、安価な温度検出器が利用でき
る。また、温度の変化量によって制御すれば微小な温度
差の検出も可能であるので、微小な温度差で解凍制御を
行う必要のある少量の被解凍物に対しても良好な解凍が
行える。
【0017】また、請求項2記載の解凍制御方法は、請
求項1記載の解凍制御方法であって、加熱開始時に被解
凍物の表面温度を検出し表面温度から予め定める第1の
温度差がつくまで加熱を行う第1工程と、加熱停止時の
表面温度および一定時間経過後の表面温度の差である第
2の温度差を検出する第2工程と、第2の温度差に基づ
いて算出される第3の温度差がつくまで加熱を行う第3
工程とを有することを特徴とするものである。
【0018】この方法によれば、上記第1工程において
は、被解凍物の表面温度がその内部温度とある程度平準
化されるよう加熱される。また、第2または第3工程に
おいては、それぞれ第1、第2または第3の温度差に基
づいて加熱制御が行われる。各温度差は被解凍物の重量
等に基づいて取得されるものであるので、被解凍物に応
じた最適な解凍を行うことができる。
【0019】また、請求項3記載の解凍制御方法は、請
求項2記載の解凍制御方法であって、第1工程において
第1の温度差がつくまで加熱を行う代わりに、加熱開始
から予め定める時間まで加熱を行うことを特徴とするも
のである。
【0020】この方法によれば、例えば被解凍物の冷凍
状態や重量に応じて加熱時間を予め設定しておけば、被
解凍物に応じた解凍が可能となる。
【0021】また、請求項4記載の解凍制御方法は、請
求項2または3記載の解凍制御方法であって、被解凍物
を加熱する場合は加熱出力を断続的にオン、オフさせ、
そのオフ時に被解凍物の表面温度を検出することを特徴
とするものである。
【0022】この方法によれば、例えば供給電源の変動
がない加熱出力のオフ時に表面温度を検出するので、安
定した検出を行うことができる。
【0023】また、請求項5記載の解凍制御方法は、請
求項4記載の解凍制御方法であって、解凍実行中には被
解凍物を載置した載置台を回転させ、加熱出力のオフ時
間は載置台の回転周期より長くされることを特徴とする
ものである。
【0024】この方法によれば、加熱出力のオフ時間内
に載置台は必ず1回転するので、例えば温度検出器の検
出エリアから被解凍物がずれて載置されていても、被解
凍物の表面温度を確実に検出することができる。
【0025】また、請求項6記載の解凍制御方法は、請
求項2記載の解凍制御方法であって、被解凍物を載置し
た載置台を回転させその回転中における被解凍物の表面
温度を検出し、そのうちの最高温度および最低温度の温
度差が予め定める所定値を越えるか否かを判別し、所定
値を越える場合に加熱出力のオン時間を減らすかまたは
加熱を停止することを特徴とするものである。
【0026】この方法によれば、載置台の回転中におけ
る最高温度と最低温度との差から被解凍物における加熱
むらを判別することができる。そして、その判別結果に
基づいて加熱出力のオン時間を減らしたり、加熱を停止
したりすることができるので、被解凍物の加熱むらを抑
えることができる。
【0027】さらに、本発明による課題解決手段は、請
求項7記載のように、被解凍物の表面温度に基づいて解
凍のための加熱を行う加熱器に適用される解凍制御方法
であって、加熱開始前に被解凍物を載置した載置台を回
転させて温度状況を判断し、加熱開始後に被解凍物の表
面温度の変化量に基づいて加熱制御を行うことを特徴と
するものである。
【0028】この方法によれば、加熱開始前に被解凍物
の温度状況、特に表面温度を確認し、真正の被解凍物の
表面温度を基準にしてその表面温度の変化量に基づいて
加熱制御が行われる。そのため、加熱制御を行う上での
解凍不良を未然に防止することができる。
【0029】また、請求項8記載の解凍制御方法は、請
求項7記載の解凍制御方法であって、加熱開始前に載置
台の回転中における温度を検出し、そのうちの最低温度
を加熱開始時の被解凍物の表面温度とすることを特徴と
するものである。
【0030】この方法によれば、回転中の最低温度を被
解凍物の表面温度とみなすことにより、載置台上の被解
凍物が温度検出器の検出エリアからずれていても、誤っ
て載置台の温度を被解凍物の表面温度とすることがない
ので、正確な解凍制御を行うことができる。
【0031】また、請求項9記載の解凍制御方法は、請
求項7記載の解凍制御方法であって、加熱開始前に載置
台の回転中における温度を検出し、そのうちの最高温度
および最低温度の温度差が予め定める所定値を越えるか
否かを判別し、所定値を越える場合に加熱を実行しない
ことを特徴とするものである。
【0032】この方法によれば、最高温度と最低温度と
の差によって載置台上の被解凍物が温度検出器の検出エ
リアからずれていることを加熱開始前に判別できる。そ
のため、例えばユーザにより載置位置を修正することに
よって、以降の解凍制御を良好に行うことができ、解凍
不良を未然に防止することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して詳細に説明する。
【0034】図1は、本発明の一実施形態にかかる解凍
制御方法が適用される高周波加熱器の内部構成を示す概
略図である。この高周波加熱器は、被解凍物を解凍する
ために高周波により加熱するものであり、ケース1と、
ケース1内に設けられた加熱室2と、被解凍物を載置す
るための回転自在に設けられた載置台3と、被解凍物の
表面温度を検出するための焦電型検出器あるいはサーモ
パイル等の赤外線検出器4と、高周波を発生するための
マグネトロン5と、マグネトロン5のアンテナ5aから
発生した高周波を加熱室2に導く導波管6と、赤外線検
出器4からの検出信号に基づいてマグネトロン5を制御
する制御部7とによって構成されている。
【0035】この構成により、被解凍物の載置された載
置台3が回転すると、加熱室2の天井中央部に設けられ
た赤外線検出器4によって被解凍物の表面温度が検出さ
れる。この場合、赤外線検出器4は、被解凍物から放射
されている赤外線からその検出エリア内の平均温度を測
定する。制御部7は、検出された表面温度に基づいて高
周波を発生するよう制御し、被解凍物に高周波を放射す
ることにより被解凍物は解凍される。
【0036】図2は、図1に示す制御部7の回路構成を
示す図である。図中11は高周波加熱器のオン、オフ制
御用のリレー、12は赤外線検出器4で検出した信号を
増幅するための増幅回路、13はマイクロコンピュータ
を有する制御回路、R1〜12は回路配線上の内部抵
抗、Vc は電源、GNDはグランドである。なお、図2
には説明の便宜上、赤外線検出器4が制御部7の一部と
して記載されているが、実際には図1に示すように制御
部7とは独立して設けられている。
【0037】図3は上記制御部7によって行われる解凍
制御方法の内容を示すフローチャートであり、図4は検
出された表面温度と時間との関係を示した特性図であ
る。以下、図3および図4を参照して解凍手順について
説明する。
【0038】ユーザによって被解凍物が載置台3に載置
され解凍開始スイッチ(図示せず)が操作されると、解
凍のための加熱が開始される。まず、第1工程において
は、赤外線検出器4は加熱開始時の被解凍物の表面温度
0 (以下、「基準温度t0」という。)を検出し(ス
テップS1)、制御部7はその検出温度データを取り込
む。次に、制御部7は予め定められた第1の温度差K1
を決定する(ステップS2)。
【0039】ここで、第1の温度差K1とは、被解凍物
を所定の加熱出力で解凍実施したときの温度特性に基づ
いて予め実験的に求められた値であり、通常、5〜10
℃に設定されている。例えば、被解凍物の表面温度−時
間特性は、図5に示すように、被解凍物の基準温度が高
い場合(線A参照)、基準温度が低い場合(線B参
照)、または被解凍物の量が多い場合(線C参照)等、
被解凍物の表面温度や重量によって種々示されるが、常
に確実に温度差が検出できるような値Kを設定するよう
にしている。
【0040】図3にもどり、載置台3が回転しマグネト
ロン5から高周波が発生され、基準温度t0 から第1の
温度差K1がつくまで被解凍物が加熱される(ステップ
S3)。この場合の加熱出力は、被解凍物の表面温度と
被解凍物の内部温度とをある程度平準化させるため、一
定の周期で断続的にオン、オフを繰り返す(図4参
照)。
【0041】ステップS4において、第1の温度差K1
がついたか否かが判別される。第1の温度差K1がつい
たと判別されれば、加熱出力をオフにし(ステップS
5)、第2工程に進む。
【0042】第2工程では、加熱出力をオフにしたとき
の被解凍物の表面温度が検出される(ステップS6)。
次いで、予め定められた時間T2だけ加熱を停止し、図
示しないタイマ等でその停止時間T2を計時する。そし
て、停止時間T2が経過したか否かの判別を行う(ステ
ップS8)。
【0043】ステップS8において、停止時間T2が経
過したと判別されれば、停止時間T2経過した後の被解
凍物の表面温度を検出し、加熱出力をオフにしてから停
止時間T2経過後の表面温度の変化量である第2の温度
差K2を取得する(ステップS9)。通常、この第2の
温度差K2は被解凍物の重量が小さければ小さく、重量
が大きければ大きい値を示す傾向にある。そのため、被
解凍物の重量に応じた温度差が得られることになる。な
お、第2工程においては、加熱を停止させる代わりに微
弱出力させてもよい。
【0044】第3工程では、上記第2の温度差K2に基
づいて第3の温度差K3が求められ(ステップS1
0)、加熱を再開してから上記第3の温度差K3がつく
まで加熱が続けられる(ステップS11)。
【0045】ここで、第3の温度差K3とは、第2の温
度差K2から被解凍物の種類等によって予め実験的に求
められたものである。すなわち、第3の温度差K3は関
数的に表すことができ、例えば、 K3=f(K2)=N*K2 という式で表される。ただし、Nは被解凍物の種類等に
よって決まる定数である。つまり、被解凍物の重量が小
さければ第3の温度差K3になるまでの時間は比較的短
時間で済み、重量が大きければ長時間を要する。したが
って、被解凍物の重量、大きさに応じた解凍が可能とな
る。
【0046】ステップS12において、加熱が再開され
た後第3の温度差K3がつくか否かの判別が行われ、第
3の温度差K3がつけば加熱を停止し(ステップS1
3)、解凍を終了する。
【0047】このように、上記方法によれば、解凍のた
めの加熱制御は絶対的な温度を設定して行うものではな
く、被解凍物の重量等から得られる温度の変化量に基づ
いて行われる。そのため、赤外線検出器4の指示温度の
ばらつきや計測感度のばらつきに左右されない。例え
ば、図6に示すように、真正の温度に対してずれた温度
を指示する赤外線検出器を用いる場合、その温度変化
(線分E参照)は、真正の温度変化(線分D参照)に対
して、温度変化量としては同じ値を示すことになる。ま
た、真正の温度に対して感度のずれた温度を指示する赤
外線検出器を用いる場合、その温度変化(線分F参照)
は、真正の温度変化(線分D参照)に対して、温度変化
量の割合が異なるのみであり、温度変化量を検出する上
で支障はない。そのため、赤外線検出器の検出精度を必
要とせず、高価な赤外線検出器は必要としない。
【0048】また、第2工程および第3工程における第
2の温度差K2および第3の温度差K3は、被解凍物の
重量に応じてそれぞれ取得され、その温度変化量に基づ
いて制御がされる。そのため、被解凍物に応じた良好な
解凍を行うことができる。
【0049】さらに、上述のように温度の変化量によっ
て制御すれば微小な温度差の検出も可能であるので、微
小な温度差での解凍制御を行う必要のある少量の被解凍
物に対しても良好な解凍が行える。
【0050】ところで、載置台3上の赤外線検出器4の
検出エリアSは、赤外線検出器4の加熱室2内における
取り付け位置により異なる場合がある。例えば、図7に
示すように、赤外線検出器4を加熱室2内の隅部に設け
ると、赤外線検出器4による検出は載置台3に対して斜
め方向から行うようになる。そのため、図1で示すよう
な高周波加熱器に適用された赤外線検出器4よりもその
検出エリアSが略楕円形状に広がるようになる(図8参
照)。
【0051】この場合、例えば図8に示すように被解凍
物が載置台3上の検出エリアSを外れているときがあ
る。そのため、被解凍物の載置台3上の載置位置によっ
ては、載置台3そのものの温度を被解凍物の表面温度と
誤って検出してしまう場合がある。そこで、被解凍物の
表面温度は載置台3の温度よりも十分低いので、加熱開
始前において、載置台3を少なくとも1回転させ、その
回転中における温度を検出し、そのうちの最低温度を被
解凍物の表面温度とみなす。そして、その最低温度を上
述した基準温度に採用するようにする。そうすることに
より、解凍制御をより正確に行うことができる。
【0052】また、高周波加熱器においては、「従来の
技術」の欄で説明したように、赤外線検出器4からの検
出信号を処理する回路へ供給する電源は、加熱制御用リ
レーのオン、オフ動作によって変動しやすくなってい
る。具体的には、図2に示すリレー11のオン、オフ時
には通常グランドGNDに流れる電流が異なり、赤外線
検出器4のグランド点H(図2参照)の電位が変動す
る。
【0053】本高周波加熱器の制御においては、上記変
動に対し以下の対策を施している。すなわち、図9に示
すように、供給電源の変動のない加熱出力のオフ時に被
解凍物の表面温度の検出を行うようにしている。このよ
うにすれば、赤外線検出器4の検出信号は供給電源の変
動に左右されず、被解凍物の表面温度を安定して検出す
ることができる。
【0054】また、同じく図9に示すように加熱出力の
オフ時の時間幅Toff を載置台3の回転周期Tk より長
く設定するようにしてもよい。そうすることにより、加
熱出力のオフ時間Toff 内に載置台3は必ず1回転する
ので、赤外線検出器4の検出エリアSから被解凍物がず
れて載置されていても被解凍物の表面温度を確実に検出
することができる。
【0055】また、高周波加熱器においては、「従来の
技術」の欄で説明したように特に解凍終了前において加
熱むらが発生しやすい。本実施形態においては、この問
題点に対して図10に示すような制御を施している。す
なわち、解凍完了前では、被解凍物の加熱むらにより載
置台3の回転周期にほぼ同期して温度出力が変動する。
そこで、載置台3の回転中に温度を検出し、そのうちの
最高温度および最低温度の温度差dt が予め設定された
所定値を越えるか否かを判別する。そして、上記温度差
dt がその所定値を越える場合に加熱のオン時間を減ら
すようにする。そうすることにより被解凍物における加
熱むらを抑えることができる。また、加熱のオン時間を
減らす代わりに加熱を停止するようにしてもよい。さら
に、その旨をユーザに報知するようにしてもよい。
【0056】また、加熱開始前に被解凍物の載置台3上
の載置位置が適切な位置になされていない場合、上述し
た被解凍物の表面温度に基づく解凍制御を行ってもその
制御効果が十分に現れない。そのため、加熱開始前にお
いて載置台3を少なくとも1回転させその回転中におけ
る温度を検出し、そのうちの最高温度および最低温度の
温度差dtks が予め設定された所定値を越えるか否かを
判別し、上記温度差dtks が所定値を越える場合に加熱
を開始しないようにしてもよい。この場合も、その旨を
ユーザに報知するようにしてもよく、この報知によりユ
ーザは適切な位置に被解凍物を載置し直すことができ、
以降の解凍制御を良好に行うことができ、解凍不良を未
然に防止することができる。
【0057】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。例え
ば、図3に示す解凍制御手順において、加熱開始から上
記第1の温度差K1になるまで加熱する(ステップS
3,S4)代わりに、例えば被解凍物の冷凍状態や重量
に応じた加熱時間を予め設定しておき、この時間に基づ
いて加熱するようにしてもよい。そうすることにより、
被解凍物に応じた最適な解凍が可能となる。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、請求項1
記載の発明によると、解凍のための加熱制御は絶対的な
温度ではなく温度の変化量に基づいて行われるので、検
出器の検出精度を必要とせず、安価な検出器が利用でき
る。また、温度の変化量によって制御すれば微小な温度
差の検出も可能であるので、微小な温度差での解凍制御
を行う必要のある少量の被解凍物に対しても良好な解凍
が行える。
【0059】また、請求項2記載の発明によれば、温度
の変化量は被解凍物の重量等に応じて取得されるもので
あるので、被解凍物に応じた最適な解凍を行うことがで
きる。
【0060】また、請求項3記載の発明によれば、例え
ば被解凍物の冷凍状態や重量に応じた加熱時間を予め設
定しておけば、被解凍物に応じた解凍が可能となる。
【0061】また、請求項4記載の発明によれば、温度
検出信号の処理回路に与える供給電源の変動がない加熱
出力のオフ時に被解凍物の表面温度を検出するので、安
定した検出を行うことができる。
【0062】また、請求項5記載の発明によれば、加熱
出力のオフ時間内に載置台は必ず1回転するので、例え
ば温度検出器の検出エリアから被解凍物がずれていて
も、被解凍物の表面温度を確実に検出することができ
る。
【0063】また、請求項6記載の発明によれば、被解
凍物における加熱むらを載置台の回転中における最高温
度と最低温度との差から判別することができるので、判
別結果に基づいて加熱を停止する等の処置を行うことに
より加熱むらを抑えることができる。
【0064】さらに、請求項7記載の発明によれば、加
熱開始前に被解凍物の温度状況、特に表面温度が確認さ
れ、真正の被解凍物の表面温度を基準にしてその表面温
度の変化量に基づいて加熱制御が行われるので、解凍制
御を行う上での解凍不良を未然に防止することができ
る。
【0065】また、請求項8記載の発明によれば、載置
台の温度を被解凍物の表面温度と誤ることなく検出でき
るので、より正確な制御を行うことができる。
【0066】また、請求項9記載の発明によれば、最高
温度と最低温度との差によって載置台上の被解凍物が温
度検出器の検出エリアからずれていることを加熱開始前
に判別できるので、例えばユーザにより載置位置を修正
することによって、以降の解凍制御を良好に行うことが
でき、解凍不良を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の解凍制御方法が適用された高周波加熱
器の内部構成を示す概略図
【図2】高周波加熱器の制御部の回路構成を示す図
【図3】制御部によって行われる制御の内容を示すフロ
ーチャート図
【図4】検出された被解凍物の表面温度と時間との関係
を示す特性図
【図5】被解凍物の異なる種類による表面温度−時間特
性図
【図6】異なる赤外線検出器による表面温度−時間特性
【図7】他の高周波加熱器の内部構成を示す概略図
【図8】他の高周波加熱器による温度の検出エリアを示
す図
【図9】赤外線検出器の検出するタイミングを表す図
【図10】加熱むらを抑制する制御を説明するための表
面温度と時間との関係を示す特性図
【符号の説明】
1 ケース 3 載置台 4 赤外線検出器 6 マグネトロン 7 制御部 K1 第1の温度差 K2 第2の温度差 K3 第3の温度差

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被解凍物の表面温度に基づいて解凍のた
    めの加熱を行う加熱器に適用される解凍制御方法であっ
    て、加熱開始後の前記被解凍物の表面温度の変化量に基
    づいて加熱制御を行うことを特徴とする解凍制御方法。
  2. 【請求項2】 加熱開始時に前記被解凍物の表面温度を
    検出し該表面温度から予め定める第1の温度差がつくま
    で加熱を行う第1工程と、加熱停止時の表面温度および
    一定時間経過後の表面温度の差である第2の温度差を検
    出する第2工程と、前記第2の温度差に基づいて算出さ
    れる第3の温度差がつくまで加熱を行う第3工程とを有
    することを特徴とする請求項1記載の解凍制御方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程において前記第1の温度差
    がつくまで加熱を行う代わりに、加熱開始から予め定め
    る時間まで加熱を行うことを特徴とする請求項2記載の
    解凍制御方法。
  4. 【請求項4】 前記被解凍物を加熱する場合は加熱出力
    を断続的にオン、オフさせ、そのオフ時に前記被解凍物
    の表面温度を検出することを特徴とする請求項2または
    3記載の解凍制御方法。
  5. 【請求項5】 解凍実行中には前記被解凍物を載置した
    載置台を回転させ、加熱出力のオフ時間は前記載置台の
    回転周期より長くされることを特徴とする請求項4記載
    の解凍制御方法。
  6. 【請求項6】 前記被解凍物を載置した載置台を回転さ
    せその回転中における前記被解凍物の表面温度を検出
    し、そのうちの最高温度および最低温度の温度差が予め
    定める所定値を越えるか否かを判別し、前記所定値を越
    える場合に加熱出力のオン時間を減らすかまたは加熱を
    停止することを特徴とする請求項2記載の解凍制御方
    法。
  7. 【請求項7】 被解凍物の表面温度に基づいて解凍のた
    めの加熱を行う加熱器に適用される解凍制御方法であっ
    て、加熱開始前に前記被解凍物を載置した載置台を回転
    させて温度状況を判断し、加熱開始後に前記被解凍物の
    表面温度の変化量に基づいて加熱制御を行うことを特徴
    とする解凍制御方法。
  8. 【請求項8】 加熱開始前の前記載置台の回転中におけ
    る温度を検出し、そのうちの最低温度を加熱開始時の前
    記被解凍物の表面温度とすることを特徴とする請求項7
    記載の解凍制御方法。
  9. 【請求項9】 加熱開始前の前記載置台の回転中におけ
    る温度を検出し、そのうちの最高温度および最低温度の
    温度差が予め定める所定値を越えるか否かを判別し、前
    記所定値を越える場合に加熱を実行しないことを特徴と
    する請求項7記載の解凍制御方法。
JP30009896A 1996-11-12 1996-11-12 解凍制御方法 Pending JPH10141669A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30009896A JPH10141669A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 解凍制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30009896A JPH10141669A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 解凍制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10141669A true JPH10141669A (ja) 1998-05-29

Family

ID=17880694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30009896A Pending JPH10141669A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 解凍制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10141669A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003169646A (ja) * 2001-12-06 2003-06-17 Toshiba Corp 真空マイクロ波解凍機、及び真空マイクロ波解凍方法
WO2005046362A1 (ja) * 2003-11-13 2005-05-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 解凍方法
JP2011127824A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Panasonic Corp 食品加熱調理方法
EP3754453A4 (en) * 2018-03-22 2021-03-17 Foshan Shunde Midea Electrical Heating Appliances Manufacturing Co., Limited TEMPERATURE CONTROL PROCESS AND DEVICE FOR COOKWARE AND COOKWARE AND STORAGE MEDIUM

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003169646A (ja) * 2001-12-06 2003-06-17 Toshiba Corp 真空マイクロ波解凍機、及び真空マイクロ波解凍方法
WO2005046362A1 (ja) * 2003-11-13 2005-05-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 解凍方法
JP2011127824A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Panasonic Corp 食品加熱調理方法
EP3754453A4 (en) * 2018-03-22 2021-03-17 Foshan Shunde Midea Electrical Heating Appliances Manufacturing Co., Limited TEMPERATURE CONTROL PROCESS AND DEVICE FOR COOKWARE AND COOKWARE AND STORAGE MEDIUM

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6229130B1 (en) Heating apparatus for cooking
JP2909399B2 (ja) 電子レンジの自動調理制御方法
JP2004340571A (ja) 電子レンジの自動解凍制御方法
KR100354069B1 (ko) 전자렌지의 데이터 획득방법
KR100186390B1 (ko) 전자레인지의 냉동식품 해동방법
US5702626A (en) Automatic cooking controlling apparatus and method employing a narrow viewing angle of an infrared absorptive thermopile sensor
JPH10141669A (ja) 解凍制御方法
EP0645942B1 (en) Method for thawing food in microwave oven
KR100214598B1 (ko) 써모파일형 온도센서를 이용한 전자레인지 및 그의 자동해동방법
JPH11118156A (ja) 電子レンジ
JPH04273916A (ja) 加熱調理装置
JPH04288414A (ja) 電子レンジ
JP2957782B2 (ja) 加熱調理器
JP2553659B2 (ja) 高周波加熱装置
KR100353354B1 (ko) 전자레인지의해동제어방법
JPH04350421A (ja) 加熱調理装置
JP4023265B2 (ja) 高周波加熱装置
KR970006078B1 (ko) 마이크로웨이브오븐의 자동조리 제어방법
JP2697262B2 (ja) 高周波加熱装置
JPH0638015B2 (ja) 冷蔵庫の運転制御装置
KR100533272B1 (ko) 전자레인지의 팝콘요리제어방법
JPS5928460A (ja) 高周波加熱装置
JPH0124355B2 (ja)
JPH10270162A (ja) 高周波加熱装置
JPH074671A (ja) 加熱装置