JPH10141375A - 樹脂含浸軸受部材及びその製造方法 - Google Patents

樹脂含浸軸受部材及びその製造方法

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JPH10141375A
JPH10141375A JP8298793A JP29879396A JPH10141375A JP H10141375 A JPH10141375 A JP H10141375A JP 8298793 A JP8298793 A JP 8298793A JP 29879396 A JP29879396 A JP 29879396A JP H10141375 A JPH10141375 A JP H10141375A
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resin
bearing metal
bearing
sintered layer
impregnated
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JP8298793A
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Yoshio Jinbo
嘉雄 神保
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JATCO Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】固体潤滑性樹脂の脱落を防止可能な樹脂含浸軸
受部材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】裏金鋼板11の表面に形成の軸受メタル焼
結層12に固体潤滑性樹脂14を充填した樹脂含浸軸受
部材であって、前記軸受メタル焼結層12内に形成され
た多数の空孔12aに固体潤滑性樹脂14が充填されて
いる。前記裏金鋼板上に熱硬化性樹脂からなり且つ先端
部側の断面積が基端部側の断面積より少なく形成されて
いる小塊を規則的に配列設置した後、裏金鋼板の表面に
粉末軸受メタルを散布し、次に前記裏金鋼板、粉末軸受
メタル及び小塊を所定の温度にて加熱して粉末軸受メタ
ルを焼結させることにより、裏金鋼板の表面に軸受メタ
ル焼結層を形成するとともに、焼結時の熱により前記小
塊を燃焼除去し、軸受メタル焼結層に表面部から内部に
向かって広がった空孔を形成させ、該空孔に潤滑性樹脂
液を含浸して硬化させて固体潤滑性樹脂を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体潤滑性樹脂が保持
された樹脂含浸軸受部材及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のものとして、図7乃至図
9に示すような軸受メタル焼結層に固体潤滑性樹脂を混
在させた軸受部材がある。
【0003】図7の軸受部材は、裏金鋼板1の一面に鉛
青銅焼結合金層(軸受メタル焼結層)2の一面側を固着
し、鉛青銅焼結合金層2の空孔2a内に固体のフェノー
ル樹脂4を充填保持させている。
【0004】図8の軸受部材は、裏金鋼板1の一面に鉛
青銅焼結合金層(軸受メタル焼結層)5の一面を固着
し、この鉛青銅焼結合金層5の他面に凹部5aを設け、
この凹部5aを介してフェノール樹脂6を鉛青銅焼結合
金層5の凹部5aに充填させている。この種の軸受部材
は、無供給油、高荷重、低速などの摩耗に厳しい条件下
に対応できる特徴を持っている。
【0005】また、図9の軸受部材は、実公昭45−2
号公報に記載されたものであり、固体潤滑剤4が軸受の
軸線方向に平行に有しており、固体潤滑剤4の摺動面へ
の出口を狭めることで、固体潤滑剤4の脱落を防止して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7の軸受部
材では、焼結による空孔2aに樹脂含浸したもので、焼
結密度(空孔率)のバラツキにより空孔2aの断面形状
が種々の形状をしていて、一定していないために、固体
潤滑性樹脂すなわちフェノール樹脂4の分布のバラツキ
となって、耐摩耗性がバラツキ易い問題があった。
【0007】図8の軸受部材は、凹部5aが鉛青銅焼結
合金層5の表面に向って拡開する形状に形成されている
ために、凹部5aに保持されたフェノール樹脂6が鉛青
銅焼結合金層5の表面から脱落し易いものである。しか
も、樹脂が脱落した場合には、耐摩耗性が損なわれる問
題点があった。
【0008】また、図9の軸受部材では、軸線方向と直
角方向への荷重に対しては、固体潤滑剤4の脱落を有効
に防止できるものの、軸線方向と平行に荷重がかかる場
合には、固体潤滑剤4が脱落し易くなっている。
【0009】そこで、この発明の第1の目的は、このよ
うな従来の問題点を解決するためになされたもので、固
体潤滑性樹脂の脱落を防止可能な樹脂含浸軸受部材を提
供することにある。
【0010】また、この発明の第2の目的は、予め規則
的な配列で固体潤滑性樹脂を含浸するための空孔を設置
することができるととともに、耐摩擦性のバラツキの原
因となる固体潤滑性樹脂の分布のバラツキを解決でき、
その上、保持された固体潤滑性樹脂の脱落を確実に防止
して耐摩擦性が損なわれることを防止可能とし得る樹脂
含浸軸受部材の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この第1の目的を達成す
るため、この発明の請求項1は、裏金鋼板の表面に形成
の軸受メタル焼結層に固体潤滑性樹脂を充填した樹脂含
浸軸受部材において、前記軸受メタル焼結層に表面部か
ら内部に向かって広がった空孔が形成され、前記空孔に
固体潤滑性樹脂が充填されていることを特徴としてい
る。
【0012】この構成によれば、空孔の内部側が出口側
よりも広がっているので、固体潤滑性樹脂は全周にわた
り軸受メタル焼結層に支持されるので、軸受の受ける荷
重の方向にかかわらず固体潤滑性樹脂の空孔からの脱落
が阻止される。
【0013】請求項2の樹脂含浸軸受部材は、前記空孔
が前記軸受メタル焼結層の表面部から内部に向かって広
がったテーパ形状としたことを特徴としている。
【0014】この構成によれば、空孔がテーパ形状の簡
単な形状としたので、複雑な形状とせずとも固体潤滑性
樹脂の空孔からの脱落が阻止される。
【0015】また、第2の目的を達成するために、請求
項3の発明は、裏金鋼板の表面に形成の軸受メタル焼結
層に固体潤滑性樹脂を充填した樹脂含浸軸受部材の製造
方法において、前記裏金鋼板上に熱硬化性樹脂からなり
且つ先端部側の断面積が基端部側の断面積より少なく形
成されている小塊を規則的に配列設置した後、前記裏金
鋼板の表面に粉末軸受メタルを散布し、次に前記裏金鋼
板、粉末軸受メタルおよび小塊を所定の温度にて加熱し
て前記粉末軸受メタルを焼結させることにより、前記裏
金鋼板の表面に軸受メタル焼結層を形成するとともに、
焼結時の熱により前記小塊を燃焼除去することにより、
軸受メタル焼結層に表面部から内部に向かって広がった
空孔を形成させ、該空孔に潤滑性樹脂液を含浸して硬化
させることにより、前記空孔内に固体潤滑性樹脂を充填
することを特徴としている。
【0016】この構成によれば、予め規則的な配列で固
体潤滑性樹脂を含浸するための空孔を設置することがで
きると共に、耐摩耗性のバラツキの原因となる固体潤滑
性樹脂の分布のバラツキを解決でき、その上、保持され
た固体潤滑性樹脂の脱落を確実に防止して耐摩耗性が損
なわれない。
【0017】また、請求項4の発明は、裏金鋼板の表面
に形成の軸受メタル焼結層に固体潤滑性樹脂を充填した
樹脂含浸軸受部材の製造方法において、前記裏金鋼板上
に熱硬化性樹脂からなる円錐形状の小塊を規則的に配列
設置した後、前記裏金鋼板の表面に粉末軸受メタルを散
布し、次に前記裏金鋼板、粉末軸受メタルおよび小塊を
所定の温度にて加熱して前記粉末軸受メタルを焼結させ
ることにより、前記裏金鋼板の表面に軸受メタル焼結層
を形成するとともに、焼結時の熱により前記小塊を燃焼
除去することにより、軸受メタル焼結層に表面部から内
部に向かって広がったテーパ形状の空孔を形成させ、該
空孔に潤滑性樹脂液を含浸して硬化させることにより、
前記空孔内に固体潤滑性樹脂を充填することを特徴とし
ている。
【0018】この構成によれば、予め規則的な配列で固
体潤滑性樹脂を含浸するための空孔を設置することがで
きると共に、耐摩耗性のバラツキの原因となる固体潤滑
性樹脂の分布のバラツキを解決でき、その上、簡単な形
状に形成できる空孔のテーパ部が固体潤滑性樹脂の脱落
を確実に防止して耐摩耗性が損なわれることを防止でき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図6に基づいて説明する。
【0020】図1は、この発明の実施の形態を示したも
のである。図1(a)は、この発明の軸受部材を用いた
ブッシュ10を示している。
【0021】<樹脂含浸軸受部材の構造>その軸受部材
は、ブッシュ10の破断面を拡大した図1(b)に示す
ように、裏金鋼板11、この裏金鋼板11の表面に添着
(固着)した軸受メタル焼結層12と、軸受メタル焼結
層12の空孔12a内に充填される固体潤滑性樹脂14
を有する。
【0022】この軸受メタル焼結層12は、例えば鉛青
銅からなり、略100%焼結密度となっている。また、
空孔12aは、軸受メタル焼結層12の表面部から内部
に向かって広がったテーパ形状に形成されていると共
に、縦横に規則的に配列されている。しかも、空孔12
a内には、例えばフェノール樹脂等の固体潤滑性樹脂1
4が充填されていて、油量の少ない状態でも優れた耐摩
耗性を保つ役割を発揮する。しかも、空孔12aは、上
述のように表面部から内部に向かって広がったテーパ形
状を有しているために、固体潤滑性樹脂14は全周にわ
たり軸受メタル焼結層12に支持されるので、軸受の受
ける荷重の方向にかかわらず固体潤滑性樹脂14が空孔
12a内から脱落するのを防止している。なお、軸受メ
タル焼結層12の空孔12aは、図1(c)に示すよう
な、凸形状に形成しても良い。
【0023】<樹脂含浸軸受部材の製造方法>図2乃至
図6は、本発明の樹脂含浸軸受部材を効果的に製造する
方法を説明する図である。
【0024】(1)裏金鋼板11の洗浄 板状の裏金鋼板11を図示しない洗浄装置で洗浄した
後、この裏金鋼板11を図2に示す樹脂塊供給機構20
に供給する。
【0025】(2)小塊の供給整列 この樹脂塊供給機構20には、図示しない搬送装置によ
り連続して供給される裏金鋼板11の表面に熱硬化性樹
脂の円錐状の小塊21を供給するローラ22と、ローラ
22に熱硬化性樹脂からなる小塊21を供給する樹脂塊
供給装置23が配設されている。
【0026】そして、時計方向に回転するローラ22
は、図3(a)に示すように、例えば、外周面に浅い多
数のテーパ形状とした保持穴22aからなる保持穴列b
1,b2,……bnが規則的に多数形成され、この保持
穴22aには円錐状の小塊21の先端部が樹脂塊供給装
置23によって嵌合されるようになっている。
【0027】ここで、各保持穴列b1,b2,……bn
の保持穴22aのローラ22の長手方向への配列位置を
(b11,b12,b13,b14),(b21,b22,b23),
(b31,b32,b33,b34),……(bn1,bn2,bn
3)とすると、配列位置(b11,b12,b13……b1n)
と(b21,b22,b23……b2n-1)は配置方向に半ピッ
チずれていると共に、各保持穴列b1,b2,……bn
の保持穴22aの配列位置は一列置きに同じに設定され
ている。
【0028】即ち、ローラ22の長手方向への保持穴2
2aの配列位置を各保持穴列b1,b2,……bnにつ
いて見ると、各保持穴列b1,b3,b5……bn-1の
保持穴22aの配列位置は同じに設定され、各保持穴列
b2,b4,b6……bnの保持穴22aの配列位置は
同じに設定されている。
【0029】また、図3(b)に示すように、ローラ2
2内に固設した小塊21の保持・開放部材24があり、
ローラ22の複数の保持穴列b1,b2,……bnの配
列ピッチをBとすると、樹脂塊供給装置23の位置から
ローラ22の下端に臨む僅か手前の位置までの間は、保
持穴22aに吸引負圧を作用させて、保持穴22aに保
持された小塊21が保持穴22aから脱落しないように
する。そして、各保持穴列b1,b2,……bnがロー
ラ22の回転に伴って下端に位置させられたときに、こ
の各保持穴列b1,b2,……bnの下端に位置させら
れたものの保持穴22aを大気に開放して、この位置の
保持穴22aの小塊21を下方に落下させて裏金鋼板1
1上に規則的に載置させる。尚、小塊21の底面に接着
剤等を塗布しておくことで、小塊21の位置が裏金鋼板
11上でずれないようにして置くとよい。あるいは、小
塊21の底面に低温度で熱溶融性する樹脂層を形成して
おいて、裏金鋼板11上に載置した後に、裏金鋼板11
を低温度で加熱して樹脂層を溶融させて小塊21を裏金
鋼板11上に接着させるようにしてもよい。
【0030】樹脂塊供給装置23は、図2に示したよう
に、下端がローラ22に微小間隙を置いて近接する板状
の傾斜ガイド本体25を設けると共に、この傾斜ガイド
本体25上に多数の仕切壁26…で区画された多数の小
塊スライド降下溝C1,C2,C3,……Cnを設けた
構成としている。各小塊スライド降下溝C1,C2,C
3,……Cnには先端を下方に向けた多数の円錐状の小
塊21が配列されていて、この各小塊スライド降下溝C
1,C2,C3,……Cnの多数の円錐状の小塊21は
自重により下方にスライド降下させられるようになって
いる。そして、最下端の小塊21は、常にローラ22の
外周面に接していて、ローラ22の回転と共にローラ2
2の保持穴22aに臨んだときに、自重により降下して
保持穴22aに嵌合するようになっている。尚、小塊2
1が小塊スライド降下溝C1,C2,C3,……Cn内
をよりスムースに降下し得るようにするために、傾斜ガ
イド本体25に微小振動を与えると良い。
【0031】樹脂塊供給装置23が供給する熱硬化性樹
脂の小塊21は、その後の焼結熱によって燃焼除去する
ためのものであるため、800℃〜850℃の焼結温度
で燃焼される樹脂であれば、その種類に制限はなく、例
えば含浸に用いるフェノール樹脂でもよい。
【0032】樹脂塊供給機構20により小塊21を設置
配列した裏金鋼板11が図示しない搬送装置によって図
4に示す粉末軸受メタルの供給機構30へ供給される。
【0033】(3)粉末軸受メタルの供給 粉末軸受メタルの供給機構30には、小塊21を設置配
列した裏金鋼板11の表面に粉末軸受メタル33を散布
する散布ローラ31と、散布ローラ31の上部に配設さ
れて散布ローラ31に粉末軸受メタル33を供給するホ
ッパー32が配設されている。なお、散布ローラ31
は、その下面を裏金鋼板11表面に設置配列した小塊2
1より少し高めとした位置に設けられている。
【0034】そして、円錐状の熱硬化性樹脂である小塊
21が配列された裏金鋼板11の表面には、時計方向に
回転する散布ローラ31を介して上方に配置されたホッ
パー32から供給される粉末軸受メタル33が均等の厚
みに散布される。この粉末軸受メタル33の散布は、既
に裏金鋼板11の上に設置配列されている小塊21の先
端が僅かに表面に出る状態となるまで実行される。即
ち、粉末軸受メタル33の散布厚さは、裏金鋼板11上
に載置された小塊21の先端が僅かに表面に出る状態に
設定されている。
【0035】粉末軸受メタルの供給機構30により粉末
軸受メタル33を設置配列した小塊21先端が僅かに表
面に出る状態に散布した裏金鋼板11が図示しない搬送
装置によって図5に示す粉末軸受メタル23の焼結炉3
5へ供給される。
【0036】(4)粉末軸受メタルの焼結 前行程で粉末軸受メタル33が裏金鋼板11上に供給し
た後、裏金鋼板11及び粉末軸受メタル33を焼結炉3
5内を通過させて、裏金鋼板11上の粉末軸受メタル3
3を焼結炉35中で800℃〜850℃の焼結温度で焼
結させる。この際、粉末軸受メタル33は略100%密
度になるまで焼結される。また、この際の焼結熱で円錐
状樹脂である小塊21は燃焼除去され、結果的に裏金鋼
板11の表面には、表面から内部に向かって広がったテ
ーパ形状の空孔12aが規則的に配列された軸受メタル
焼結層12が形成される。
【0037】この軸受メタル焼結層12を表面に形成し
た裏金鋼板11が図6に示す潤滑性樹脂液の充填機構4
0へ供給される。
【0038】(5)空孔12aへの潤滑性樹脂液の充填 潤滑性樹脂液の充填機構40では、ホッパー41の下端
から例えばフェノール樹脂等の所定の潤滑性樹脂液43
をローラ42上に供給すると共に、このローラ42を軸
受メタル焼結層12の表面に軽圧接させながら回転させ
て、潤滑性樹脂液43を軸受メタル焼結層12の表面に
供給する。この潤滑性樹脂液43はローラ42の作用に
より軸受メタル焼結層12a内に含浸、即ち潤滑性樹脂
液43が軸受メタル焼結層12内の空孔12a内に含浸
により充填される。
【0039】(6)潤滑性樹脂液の硬化 次に、この軸受メタル焼結層12及び裏金鋼板11を図
示しない炉内を通過させて、この炉内で軸受メタル焼結
層12の空孔12a内に充填された潤滑性樹脂液43を
約80℃程度の熱で固体に硬化させ、空孔12a内に固
体潤滑性樹脂14を形成させる。
【0040】(7)樹脂含浸軸受部材のブッシュ(軸
受)への加工 その後、裏金鋼板11と軸受メタル焼結層12からなる
樹脂含浸軸受部材を所定の形状寸法に切断してプレス成
形等を行うことにより、軸受としてのブッシュが製造さ
れる。尚、一般にブッシュは、使用される部品に組み込
まれた後、所定の寸法精度に表面を機械加工されて使用
されるため、使用時には、本製造方法によるブッシュの
断面構成は図1(b)に示す断面構造となる。
【0041】なお、小塊21はテーパ形状に限定するこ
と無く、表面部から内部に向かって広がる空孔を形成で
きるものならば適用できる。例えば、小塊21を凸型の
ものを用いると、本製造方法によるブッシュの断面構成
は図1(c)に示す断面構造となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明
は、裏金鋼板の表面に形成の軸受メタル焼結層に固体潤
滑性樹脂を充填した樹脂含浸軸受部材において、前記軸
受メタル焼結層に表面部から内部に向かって広がった空
孔が形成され、前記空孔に固体潤滑性樹脂が充填されて
いるので、空孔の内部側が出口側よりも広がっているの
で、固体潤滑性樹脂は全周にわたり軸受メタル焼結層に
支持されるので、軸受の受ける荷重の方向にかかわらず
固体潤滑性樹脂の空孔からの脱落が阻止される。
【0043】請求項2の発明は、前記空孔が前記軸受メ
タル焼結層の表面部から内部に向かって広がったテーパ
形状としたので、空孔が簡単な形状で固体潤滑性樹脂の
空孔からの脱落が阻止できる。
【0044】また、請求項3の発明は、裏金鋼板の表面
に形成の軸受メタル焼結層に固体潤滑性樹脂を充填した
樹脂含浸軸受部材の製造方法において、前記裏金鋼板上
に熱硬化性樹脂からなり且つ先端部側の断面積が基端部
側の断面積より少なく形成されている小塊を規則的に配
列設置した後、前記裏金鋼板の表面に粉末軸受メタルを
散布し、次に前記裏金鋼板、粉末軸受メタルおよび小塊
を所定の温度にて加熱して前記粉末軸受メタルを焼結さ
せることにより、前記裏金鋼板の表面に軸受メタル焼結
層を形成するとともに、焼結時の熱により前記小塊を燃
焼除去することにより、軸受メタル焼結層に表面部から
内部に向かって広がった空孔を形成させ、該空孔に潤滑
性樹脂液を含浸して硬化させることにより、前記空孔内
に固体潤滑性樹脂を充填する構成としたので、予め規則
的な配列で固体潤滑性樹脂を含浸するための空孔を設置
することができると共に、耐摩耗性のバラツキの原因と
なる固体潤滑性樹脂の分布のバラツキを解決でき、その
上、保持された固体潤滑性樹脂の脱落を確実に防止して
耐摩耗性が損なわれることを防止できる。
【0045】さらに、請求項4の発明は、裏金鋼板の表
面に形成の軸受メタル焼結層に固体潤滑性樹脂を充填し
た樹脂含浸軸受部材の製造方法において、前記裏金鋼板
上に熱硬化性樹脂からなる円錐形状の小塊を規則的に配
列設置した後、前記裏金鋼板の表面に粉末軸受メタルを
散布し、次に前記裏金鋼板、粉末軸受メタルおよび小塊
を所定の温度にて加熱して前記粉末軸受メタルを焼結さ
せることにより、前記裏金鋼板の表面に軸受メタル焼結
層を形成するとともに、焼結時の熱により前記小塊を燃
焼除去することにより、軸受メタル焼結層に表面部から
内部に向かって広がったテーパ形状の空孔を形成させ、
該空孔に潤滑性樹脂液を含浸して硬化させることによ
り、前記空孔内に固体潤滑性樹脂を充填する構成とした
ので、予め規則的な配列で固体潤滑性樹脂を含浸するた
めの空孔を設置することができると共に、耐摩耗性のバ
ラツキの原因となる固体潤滑性樹脂の分布のバラツキを
解決でき、その上、簡単な形状に形成できる空孔のテー
パ部が固体潤滑性樹脂の脱落を確実に防止して耐摩耗性
が損なわれることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の樹脂含浸軸受部材を示す図で、
(a)は樹脂含浸軸受部材を用いたブッシュの拡大斜視
図、(b)はテーパ形状の空孔が規則的に配列した軸受
メタル焼結層を形成した樹脂含浸軸受部材の拡大断面
図、(c)は凸形状の空孔が規則的に配列した軸受メタ
ル焼結層を形成した樹脂含浸軸受部材の拡大断面図であ
る。
【図2】樹脂含浸軸受部材の製造方法に係わる樹脂塊供
給機構の説明図である。
【図3】樹脂塊供給機構の詳細図で、(a)はローラ外
周面の穴孔の配列説明図、(b)は樹脂塊供給機構の断
面図である。
【図4】樹脂含浸軸受部材の製造方法に係わる粉末軸受
メタルの供給機構の説明図である。
【図5】樹脂含浸軸受部材の製造方法に係わる粉末軸受
メタル焼結の説明図である。
【図6】樹脂含浸軸受部材の製造方法に係わる潤滑性樹
脂液の充填機構の説明図である。
【図7】従来の多空孔の軸受メタル層を形成した軸受部
材の拡大断面図である。
【図8】従来の凹部の軸受メタル層を形成した軸受部材
の拡大断面図である。
【図9】従来の軸受の軸線方向に平行に固体潤滑剤を形
成した軸受部材の拡大断面図である。
【符号の説明】
11…裏金鋼板 12…軸受メタル焼結層 12a…空孔 14…固体潤滑性樹脂 21…小塊 33…粉末軸受メタル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】裏金鋼板の表面に形成の軸受メタル焼結層
    に固体潤滑性樹脂を充填した樹脂含浸軸受部材におい
    て、前記軸受メタル焼結層に表面部から内部に向かって
    広がった空孔が形成され、前記空孔に固体潤滑性樹脂が
    充填されていることを特徴とする樹脂含浸軸受部材。
  2. 【請求項2】前記空孔が前記軸受メタル焼結層の表面部
    から内部に向かって広がったテーパ形状としたことを特
    徴とする請求項1記載の樹脂含浸軸受部材。
  3. 【請求項3】裏金鋼板の表面に形成の軸受メタル焼結層
    に固体潤滑性樹脂を充填した樹脂含浸軸受部材の製造方
    法において、前記裏金鋼板上に熱硬化性樹脂からなり且
    つ先端部側の断面積が基端部側の断面積より少なく形成
    されている小塊を規則的に配列設置した後、前記裏金鋼
    板の表面に粉末軸受メタルを散布し、次に前記裏金鋼
    板、粉末軸受メタルおよび小塊を所定の温度にて加熱し
    て前記粉末軸受メタルを焼結させることにより、前記裏
    金鋼板の表面に軸受メタル焼結層を形成するとともに、
    焼結時の熱により前記小塊を燃焼除去することにより、
    軸受メタル焼結層に表面部から内部に向かって広がった
    空孔を形成させ、該空孔に潤滑性樹脂液を含浸して硬化
    させることにより、前記空孔内に固体潤滑性樹脂を充填
    することを特徴とする樹脂含浸軸受部材の製造方法。
  4. 【請求項4】裏金鋼板の表面に形成の軸受メタル焼結層
    に固体潤滑性樹脂を充填した樹脂含浸軸受部材の製造方
    法において、前記裏金鋼板上に熱硬化性樹脂からなる円
    錐形状の小塊を規則的に配列設置した後、前記裏金鋼板
    の表面に粉末軸受メタルを散布し、次に前記裏金鋼板、
    粉末軸受メタルおよび小塊を所定の温度にて加熱して前
    記粉末軸受メタルを焼結させることにより、前記裏金鋼
    板の表面に軸受メタル焼結層を形成するとともに、焼結
    時の熱により前記小塊を燃焼除去することにより、軸受
    メタル焼結層に表面部から内部に向かって広がったテー
    パ形状の空孔を形成させ、該空孔に潤滑性樹脂液を含浸
    して硬化させることにより、前記空孔内に固体潤滑性樹
    脂を充填することを特徴とする樹脂含浸軸受部材の製造
    方法。
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