JPH10140985A - スクリューコンベアの凍結による点検方法及び凍結の確認方法 - Google Patents

スクリューコンベアの凍結による点検方法及び凍結の確認方法

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JPH10140985A
JPH10140985A JP31868396A JP31868396A JPH10140985A JP H10140985 A JPH10140985 A JP H10140985A JP 31868396 A JP31868396 A JP 31868396A JP 31868396 A JP31868396 A JP 31868396A JP H10140985 A JPH10140985 A JP H10140985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな土水圧を受けるスクリューコンベアに
故障が発生した場合に、その点検・修理作業を、短期間
で、かつ低廉に行うことができるスクリューコンベアの
凍結による点検方法を提供すること。 【解決手段】 スクリューコンベア4の点検・修理を行
う箇所より切り羽側の位置でスクリューコンベア4を外
周から冷却することにより、スクリューコンベア4内の
土砂を凍結させて止水プラグを形成し、止水プラグによ
り切り羽からの土水圧を遮断した状態でスクリューコン
ベア4を分解し、点検・修理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土圧式又は泥土圧
式のシールド掘進機(本明細書において、単に「シール
ド掘進機」という。)の一部として配置され、切り羽等
からの大きな土水圧を受けるスクリューコンベアの凍結
による点検方法及び凍結の確認方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機は、図9に示すように、
多数のカッターを備えたカッターヘッド102を回転駆
動することにより地山を掘削するとともに組み立てが完
了したセグメント105から反力を得ながら油圧ジャッ
キ106を伸張することにより、シールド掘進機101
を掘進させた後、シールド掘進機101の後部において
エレクター107を用いることにより順次セグメントを
組み立て、トンネルを構築するようにしている。この場
合において、カッターヘッド102の後方のカッターチ
ャンバ103内に取り込まれた土砂を、バルクヘッド1
08に形成した開口部に接続したスクリューコンベア1
04によりシールド掘進機101の後部に移送し、外部
に排出するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このシール
ド掘進機101において、スクリューコンベア104に
故障が発生した場合、スクリューコンベア104内の土
砂には、切り羽からの大きな土水圧が作用しているた
め、スクリューコンベア104の故障箇所をそのまま分
解し、点検・修理を行うことができない。
【0004】このため、スクリューコンベア104に故
障が生じた場合には、切り羽前方の地盤を薬液注入工法
や凍結工法によって改良し、スクリューコンベア104
に切り羽からの土水圧がかからないようにした後、スク
リューコンベアを分解し、点検・修理を行う必要があっ
た。しかしながら、薬液注入工法や凍結工法といった広
範囲に亘る地盤改良は、掘進作業の再開までに日数を要
する(例えば、直径:600cmのシールド掘進機の場
合では、掘進作業の再開までに2週間程度を要する。)
だけでなく、工費も高くなり、さらに、地盤改良の確認
が困難である等の問題点を有していた。
【0005】本発明は、上記従来のシールド掘進機の有
する問題点に鑑み、シールド掘進機の一部として配置さ
れ、切り羽等から大きな土水圧を受けるスクリューコン
ベアに故障が発生した場合に、その点検・修理作業を、
短期間で、かつ低廉に行うことができるスクリューコン
ベアの凍結による点検方法を提供することを第1の目的
とする。
【0006】また、本発明は、このスクリューコンベア
の凍結による点検方法の信頼性を高め、スクリューコン
ベアの点検・修理作業を安全かつ確実に行うことができ
るようにするための凍結の確認方法を提供することを第
2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本第1発明のスクリューコンベアの凍結による
点検方法は、スクリューコンベアの点検・修理を行う箇
所より切り羽側の位置でスクリューコンベアを外周から
冷却することにより、スクリューコンベア内の土砂を凍
結させて止水プラグを形成し、該止水プラグにより切り
羽からの土水圧を遮断した状態でスクリューコンベアを
分解し、点検・修理を行うことを特徴とする。
【0008】本第1発明のスクリューコンベアの凍結に
よる点検方法は、スクリューコンベアに故障が発生した
場合に、その故障箇所より切り羽側の位置で部分的にス
クリューコンベアを外周から冷却することにより、スク
リューコンベア内の土砂を凍結させて止水プラグを形成
し、止水プラグにより切り羽からの土水圧を遮断した状
態でスクリューコンベアを分解し、点検・修理を行うた
め、凍結・解凍作業を含むスクリューコンベアの点検・
修理作業を、短期間で、かつ低廉に行うことができる。
【0009】この場合において、スクリューコンベアの
冷却には、ドライアイス、液体窒素のほか、機械的な冷
却機構を用いることができるが、特に、シールド掘進機
のような狭小な密閉空間内に設置されるスクリューコン
ベアの冷却には、ドライアイスを使用することが望まし
い。
【0010】ドライアイスは、取り扱いが容易で、スク
リューコンベアを任意位置で冷却することができ、ま
た、一度に気化することがないため、シールド掘進機の
ような狭小な密閉空間内で使用しても酸欠状態になりに
くく、凍結作業を含むスクリューコンベアの点検・修理
作業を安全に行うことができる。
【0011】また、上記第2の目的を達成するため、本
第2発明のスクリューコンベア内の土砂の凍結の確認方
法は、スクリューコンベアの外周面に衝撃を加えること
によって生じる振動を、スクリューコンベアの外周面に
設置した振動ピックアップにより測定し、測定した振動
スペクトルの卓越周波数の変化特性によりスクリューコ
ンベア内の土砂の凍結を確認することを特徴とする。
【0012】本第2発明のスクリューコンベア内の土砂
の凍結の確認方法は、スクリューコンベアの外周面に設
置した振動ピックアップにより測定した振動スペクトル
の卓越周波数の変化特性によりスクリューコンベア内の
土砂の凍結を確認するようにしているため、周囲の騒音
の影響を受けずにスクリューコンベア内の土砂の状態を
正確に検知することができる。
【0013】ところで、このスクリューコンベア内の土
砂の凍結の確認方法の原理について説明する。従来よ
り、土の凍結を確認する方法としては、土の温度を測定
する方法が簡便、かつ確実であるため、広く一般に用い
られているが、本発明が対象としているスクリューコン
ベア内の土砂の場合には、直接その温度を測定できな
い。ところで、一般に、物体に一定の衝撃を与えたと
き、物体の内部状態の違いによって、発生する振動の特
性は異なる。これを容器に入った粘土を例に説明する
と、粘土が周囲から中心部へ凍結する過程で、容器の見
かけの肉厚は増加する。また、粘土を含む容器全体の剛
性は増大し、振動の減衰も大きくなる。この振動をスペ
クトル解析すると、振動スペクトルのピーク(卓越周波
数)は、凍結前より凍結後の方が、はるかに高い値を示
すことから、容器に衝撃を与え、振動を測定・分析する
ことにより、容器内の粘土の状態変化を知ることができ
る。これを、図5に示す試験装置を用いて確認した。こ
の試験装置は、突き固め試験用モールド(直径:15c
m、高さ:15cm)に粘土(含水比40%)を充填し
た供試体Wと、モールドの外周面に設置した振動ピック
アップ61と、チャージアンプ62と、FFT(高速フ
ーリエ変換)アナライザー63とで構成され、供試体W
内の中央部に水平に温度センサ65を1cm間隔に配置
する。まず、実験開始前に、供試体W全体が+2℃の均
一温度になるようにした。実験開始と同時に、供試体W
の周囲の雰囲気を所定の温度に冷却し、実験中常に一定
に保った。供試体Wは、上面及び下面を厚さ5cmの断
熱材で覆うことにより、円筒状の側面から冷却され、こ
れにより、周囲から中心部へ向けて凍結が進行するよう
にした。実験は全部で4例を行い、各々冷却温度を、−
10、−20、−30、−40℃とした。冷却の過程に
おいて、モールドの側面にできるだけ一定の衝撃を加え
るために、振り子状の鋼球64を定位置から振り下ろす
ことにより、衝撃を加えるようにした。測定は、l0回
衝撃を与え、その平均値から振動スペクトルを算出し、
その時点での卓越周波数を特定した。図6(a)に凍結
開始前、図6(b)に凍結完了後の典型的な振動スペク
トルを示す。卓越周波数は、凍結開始前:937.5H
z(図3の)、凍結完了後:2737.5Hz(図3
の)が得られた。図7は、全実験について、実験開始
からの卓越周波数の経時変化をまとめたものである。例
えば、冷却温度が−10℃について、実験開始から2時
間は周波数の値はほぼ一定であるが、2〜6時間に上昇
し、6〜9時間に一定値を示した後(この周波数の値が
一定値を示す区間を「PLA1」という。)、9〜10
時間に再び上昇し、10時間以降は約2700Hzで一
定値を示した(この周波数の値が一定値を示す区間を
「PLA2」という。)。24時間以上経過し、モール
ドから粘土を取り出して凍結を確認する直前の測定で
も、約2700Hzで変わりはなかった。冷却温度の異
なる他の3例も、冷却温度が−10℃の場合と同様、卓
越周波数の変化速度は異なるものの、PLA1,PLA
2が現れる点で共通している。また、卓越周波数の最終
値も、いずれも、2700〜3000Hzになり、冷却
温度によって大差はなかった。一方、同じ実験におい
て、上記温度センサ65の内、供試体Wの中心部に配置
した温度センサにより測定した温度の記録を図8に示
す。冷却温度が−10℃について、実験開始から2時間
は温度が低下し、2〜10時間はほぼ0℃(最低温度−
0.2℃)で一定となり、10時間以降は再び低下し
た。この温度の記録は、実験開始から2時間は供試体W
の冷却、2〜10時間は周囲からの凍結の進行、10時
間で凍結完了を示している。上記実験結果に基づいて、
図7の卓越周波致が、供試体Wの凍結・未凍結の状態を
示すと仮定して、粘土の凍結範囲の変化を類推する。冷
却温度が−10℃の実験において、2〜6時間は凍結範
囲が拡大するが、6〜9時間のPLA1では凍結範囲は
ほとんど変化せず、9時間を過ぎると再ぴ凍結範囲は拡
大し、10時間以降PLA2では変化が少ない。この一
連の過程を、図8の温度変化と併せて考察すると、6時
間のとき拡大した凍土によって、中心部の未凍結部分が
閉塞され、PLA1では凍結範囲の拡大がほぽ停止する
ものの冷却は継続されるため、未凍土の圧力は増加す
る。そして、9時間のとき、凍土は圧力に耐えきれず、
亀裂が生じ内部の圧力が開放されると同時に、残った未
凍土の凍結が進み、10時間で凍結が完了したと考えら
れる。PLA1での未凍土の最低温度−0.2℃から、
Clausius-Clapeyronの式によって、供試体Wの中心部の
圧力は2.64MPaと計算される。ところで、この圧
力は、−10℃の粘土凍土の曲げ強度2.45MPaに
相当し、PLA1の出現を裏付けている。なお、未凍土
の圧カ増加がなけれぱPLA1は存在せず、卓越周波数
の増加の後PLA2が現れ、その時点が凍結完了と判断
できる。以上のとおり、卓越周波数を測定することによ
って、モールド内に充填した粘土の凍結状態を、卓越周
波数の変化特性により把握でき、凍結完了の判定が行え
ることから、これをスクリューコンベア内の土砂の凍結
の確認方法に適用することとした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスクリューコンベ
アの凍結による点検方法及び凍結の確認方法の実施の形
態を、シールド掘進機に配設されるスクリューコンベア
を例に、図面に基づいて説明する。
【0015】このシールド掘進機1は、図1に示すよう
に、多数のカッターを備えたカッターヘッド2を回転駆
動することにより地山を掘削しながらトンネルを構築す
る、従来公知の方式のもので、カッターヘッド2の後方
のカッターチャンバ3内に取り込まれた土砂を、バルク
ヘッド8に形成した開口部に接続したスクリューコンベ
ア4によりシールド掘進機1の後部に移送し、外部に排
出するように構成されている。
【0016】ところで、このシールド掘進機1におい
て、スクリューコンベア4に故障が発生した場合、スク
リューコンベア4内の土砂には、切り羽からの大きな土
水圧が作用しているため、スクリューコンベア4の故障
箇所をそのまま分解し、点検・修理を行うことができな
い。
【0017】そこで、スクリューコンベア4の点検・修
理を行う箇所より切り羽側の位置で、スクリューコンベ
ア4を外周から冷却することにより、スクリューコンベ
ア4内の土砂を凍結させて止水プラグを形成し、止水プ
ラグにより切り羽からの土水圧を遮断した状態でスクリ
ューコンベア4を分解し、点検・修理を行うようにす
る。
【0018】この場合において、スクリューコンベア4
の冷却には、ドライアイス、液体窒素のほか、冷媒を充
填したヒートパイプや循環パイプからなる機械的な冷却
機構を用いることができる。特に、シールド掘進機1の
ような狭小な密閉空間内に設置されるスクリューコンベ
ア4の冷却には、取り扱いが容易で、スクリューコンベ
ア4を任意位置で冷却することができ、また、一度に気
化することがないため、密閉空間内で使用しても酸欠状
態になりにくく、凍結作業を含むスクリューコンベア4
の点検・修理作業を安全に行うことができる、ドライア
イスを使用することが望ましい。
【0019】スクリューコンベア4の冷却にドライアイ
スを用いる場合は、図2に示すように、スクリューコン
ベア4のケーシング42の外周に、ドライアイス収容ケ
ース5を設置する。このドライアイス収容ケース5は、
所要量のドライアイス54を充填することができる空間
をスクリューコンベア4のケーシング42との間に設け
て設置される鉄筋籠51と、鉄筋籠51の周囲に配設し
た蓋付の断熱部材52とからなる。
【0020】ところで、スクリューコンベア4内の土砂
を凍結させて形成する止水プラグの大きさ、すなわち、
凍結範囲の長さは、切り羽から作用する土水圧P1の大
きさによって決定するが、通常、スクリューコンベア4
のケーシング42の内径の2倍の長さを基準とし、スク
リューコンベア4のスクリュー41の2ピッチ分、例え
ば、スクリューの1ピッチ:60cmのスクリューコン
ベアの場合では120cmを確保するようにする。
【0021】参考として、切り羽から作用する土水圧P
1と、止水プラグによる耐力P2の関係を試算すると、以
下のとおりである。なお、止水プラグによる耐力P2
は、止水プラグ、すなわち、凍土とスクリューコンベア
4のケーシング42の内面に働く凍着力のみを考慮する
ものとし、スクリュー41による抵抗力等は、安全性を
考え、考慮しないものとする。切り羽から作用する土水
圧P1は次式によって算出される。 P1=p×πr2 =4.0×π×332 =13700kgf ここで、ケーシング42内の土水圧力度:p=4.0k
g/cm2 ケーシング42の内法半径:r=33cm とする。一方、凍土とスクリューコンベア4のケーシン
グ42の内面に働く凍着力P2は次式によって算出され
る。 P2=τa×2πrL =3.3×2×π×33×130 =88900kgf ここで、凍土とスクリューコンベア4のケーシング42
の内面に働く 平均凍着力度:τa=3.3kg/cm2 凍結範囲の長さ:L=130cm とする。このように、切り羽から作用する土水圧P1に
比較して、凍土とスクリューコンベア4のケーシング4
2の内面に働く凍着力P2の方が十分大きいため、止水
プラグにより切り羽からの土水圧を完全に遮断すること
ができる。
【0022】スクリューコンベア4内の土砂の凍結の確
認は、スクリューコンベア4の外周面に衝撃を加えるこ
とによって生じる振動を、スクリューコンベア4の外周
面に設置した振動ピックアップにより測定し、測定した
振動スペクトルの卓越周波数の変化特性によりスクリュ
ーコンベア4内の土砂の状態を確認することにより行う
ことができる。
【0023】これに用いる装置は、図3に示すように、
ドライアイス収容ケース5の断熱部材52の蓋53を外
し、スクリューコンベア4のケーシング42の外周面に
設置した振動ピックアップ61と、チャージアンプ62
と、FFT(高速フーリエ変換)アナライザー63とで
構成される。
【0024】そして、打撃具64を用いて、スクリュー
コンベア4のケーシング42の外周面にできるだけ一定
の衝撃を加え、これによる振動を、振動ピックアップ6
1により測定し、振動スペクトルの卓越周波数の変化特
性によりスクリューコンベア4内の土砂の凍結を確認す
るようにする。これにより、周囲の騒音の影響を受けず
にスクリューコンベア4内の土砂の状態を正確に検知す
ることができる。
【0025】次に、実際にスクリューコンベア(内径:
72cm)の凍結を行い、振動を測定したところ、卓越
周波数は、凍結開始前は2000Hzであったが、凍結
の進行に伴って増加し、凍結完了と推定される時点以降
は7500Hzで一定値を示すことを確認できた。この
卓越周波数の絶対値はスクリューコンベアの径や土砂の
性状等によって異なるものの、測定した振動から卓越周
波数を調ぺることにより、スクリューコンベア内の土砂
の状態、特に、凍結完了時点を正確に検知することがで
きることが確認できた。
【0026】このようにして、スクリューコンベア4内
の土砂の凍結を確認した後、スクリューコンベア4の故
障箇所に切り羽からの土水圧がかからないようにした状
態で、スクリューコンベア4を分解し、点検・修理を行
う。その後、掘進作業を再開するには、凍土からなる止
水プラグを溶解させる必要があるが、これには、図4に
示すように、スクリューコンベア4のケーシング42の
外周に循環パイプ71を配設し、貯湯槽72との間で温
水を循環させる加熱機構7を用いることができる。な
お、加熱機構は、上記のものに限定されず、電気ヒータ
ー等任意の加熱手段を用いることができる。
【0027】ところで、このスクリューコンベア4の凍
結による点検方法及び凍結の確認方法を適用することに
より、掘進作業の再開までの日数を短縮化できる(例え
ば、直径:600cmのシールド掘進機の場合では、従
来の工法では推進作業の再開までに2週間程度を要する
のに対して、推進作業の再開までの日数を1週間程度に
短縮することができる。)だけでなく、工費も低廉にな
り、さらに、スクリューコンベア4内の土砂の凍結状態
を高い信頼性を以て正確に検知することができものとな
る。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、切り羽等
から大きな土水圧を受けるスクリューコンベアに故障が
発生した場合に、スクリューコンベア内の土砂の凍結・
解凍作業を含むスクリューコンベアの点検・修理作業
を、短期間で、かつ低廉に行うことができる。
【0029】また、請求項2記載の発明によれば、ドラ
イアイスを用いるため、取り扱いが容易で、スクリュー
コンベアを任意位置で冷却することができ、また、一度
に気化することがないため、シールド掘進機のような狭
小な密閉空間内で使用しても酸欠状態になりにくく、凍
結作業を含むスクリューコンベアの点検・修理作業を安
全に行うことができる。
【0030】また、請求項3記載の発明によれば、周囲
の騒音の影響を受けずに、スクリューコンベア内の土砂
の状態を高い信頼性を以て正確に検知することができ、
このため、土砂の凍結を確認した後、直ちに、スクリュ
ーコンベアの点検・修理作業を開始することができるこ
とと相俟って、スクリューコンベアの点検・修理作業
を、安全、確実に、かつ、効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクリューコンベアの凍結による点検
方法及び凍結の確認方法を実施するシールド掘進機の一
例を示す断面図である。
【図2】スクリューコンベアにドライアイス収容ケース
を設置した状態を示す断面図である。
【図3】振動測定装置の一例を示す説明図である。
【図4】止水プラグを溶解するために使用する加熱機構
を設置した状態を示すシールド掘進機の断面図である。
【図5】振動測定試験装置の一例を示す説明図である。
【図6】(a)は凍結開始前、(b)は凍結完了後の振
動スペクトルを示すグラフ図である。
【図7】卓越周波数を示すグラフ図である。
【図8】供試体の中心部の温度を示すグラフ図である。
【図9】従来のシールド掘進機を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 2 カッターヘッド 3 カッターチャンバ 4 スクリューコンベア 5 ドライアイス収容ケース 6 振動測定装置 7 加熱機構 8 バルクヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 淳二 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号 株式会社鴻池組技術研究所内 (72)発明者 岡村 昭彦 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号 株式会社鴻池組技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリューコンベアの点検・修理を行う
    箇所より切り羽側の位置でスクリューコンベアを外周か
    ら冷却することにより、スクリューコンベア内の土砂を
    凍結させて止水プラグを形成し、該止水プラグにより切
    り羽からの土水圧を遮断した状態でスクリューコンベア
    を分解し、点検・修理を行うことを特徴とするスクリュ
    ーコンベアの凍結による点検方法。
  2. 【請求項2】 スクリューコンベアの冷却にドライアイ
    スを用いることを特徴とする請求項1記載のスクリュー
    コンベアの凍結による点検方法。
  3. 【請求項3】 スクリューコンベアの外周面に衝撃を加
    えることによって生じる振動を、スクリューコンベアの
    外周面に設置した振動ピックアップにより測定し、測定
    した振動スペクトルの卓越周波数の変化特性によりスク
    リューコンベア内の土砂の凍結を確認することを特徴と
    するスクリューコンベア内の土砂の凍結の確認方法。
JP31868396A 1996-11-13 1996-11-13 スクリューコンベア内の土砂の凍結の確認方法 Expired - Fee Related JP3157471B2 (ja)

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