JP2023010249A - 卓越周波数の抽出装置、卓越周波数の抽出方法、卓越周波数の抽出プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
<1-1.路面平坦性計測システムの全体構成>
図1は、卓越周波数の抽出装置の一例である路面平坦性計測装置60を含む路面平坦性計測システム10(以下では、「システム10」という)の概略構成図である。システム10は、クォーターカーシミュレーションに基づいて、国際ラフネス指数(以下では、IRI(International Roughness Index)という)を再現性高く算出できるように構成されるシステムである。より詳細には、システム10は、クォーターカーシミュレーションに用いる路面プロファイルを再現性高く算出できるように構成されるシステムである。路面プロファイルは、道路上のある仮想線に沿って路面を切断した場合の2次元の表面形状であり、一定距離毎の路面の高さに関するデータである。システム10を構成する主な要素は、上下方向センサ20、左右方向センサ30、車速パルス発生装置40、取得装置50、および、路面平坦性計測装置60である。システム10の一部または全部は、計測対象の路面を走行する試験車100に搭載される。計測対象の路面は、例えば、舗装された公道における補修を検討している区間の路面、舗装された公道における任意の区間の路面、または、舗装された私有地の路面を含む。
上下方向センサ20は、試験車100の車軸またはサスペンション120(図12参照)の下部に取り付けられ、車軸方向に対して直交する上下方向の加速度および速度の少なくとも一方を検出する。本実施形態では、上下方向センサ20は、試験車100の左側前輪110(図12参照)のサスペンション120の下部に取り付けられ、車軸方向に対して直交する上下方向の加速度を検出する加速度センサである。上下方向センサ20は、試験車100の右側前輪のサスペンション、左側後輪のサスペンション、または、右側後輪のサスペンションに取り付けられてもよい。上下方向センサ20は、試験車100の左側前輪の車軸、右側前輪の車軸、左側後輪の車軸、または、右側後輪の車軸に取り付けられてもよい。また、上下方向センサ20は、車軸方向に対して直交する上下方向の速度を検出する速度センサであってもよい。上下方向センサ20は、検出した加速度に関する信号を取得装置50に出力する。
左右方向センサ30は、試験車100の車軸またはサスペンション120(図12参照)の下部に取り付けられ、上下方向と直交する左右方向の加速度および速度の少なくとも一方を検出する。本実施形態では、左右方向センサ30は、試験車100の左側前輪110のサスペンション120の下部に取り付けられ、上下方向に対して直交する左右方向の加速度を検出する加速度センサである。左右方向センサ30は、上下方向センサ20と隣接して配置される。左右方向センサ30は、上下方向に対して直交する左右方向の速度を検出する速度センサであってもよい。左右方向センサ30は、検出した加速度に関する信号を取得装置50に出力する。
車速パルス発生装置40は、例えば、試験車100の速度メーター(図示略)の背面に配置され、試験車100の車軸の回転数に比例した周波数のパルス信号を発生させる。車速パルス発生装置40は、パルス信号を取得装置50、および、試験車100のエンジンを制御する制御装置(図示略)に出力する。
取得装置50は、上下方向センサ20から出力された上下方向の加速度に関する信号、左右方向センサ30から出力された左右方向の加速度に関する信号、および、車速パルス発生装置40が出力したパルス信号を取得し、これらの信号を路面平坦性計測装置60に出力する。
路面平坦性計測装置60は、取得装置50と有線通信または無線通信できるように接続される。路面平坦性計測装置60は、本体61、入力装置62、および、出力装置63を有する。
制御部61Bが記憶部61Aに記憶されている路面プロファイル算出ソフトを実行することによって構成される機能ブロックは、例えば、路面プロファイル算出部70を含む。路面プロファイル算出部70は、上下方向センサ20および左右方向センサ30によって検出される加速度に基づいて、路面プロファイル算出処理を実行する。路面プロファイル算出処理は、ローパスフィルタ処理、変位算出処理、リサンプリング処理、タイヤ回転成分除去処理、横力成分除去処理、および、バンドパスフィルタ処理を含む。また、後述するように、路面プロファイル算出部70は、タイヤ回転成分除去処理においてタイヤ回転成分を除去するために、路面プロファイル算出処理よりも前に、空間周波数スペクトルから卓越周波数を抽出する車両特性推定処理を実行する。路面プロファイル算出部70は、車両特性推定処理において、テンプレートとの演算値を評価するマッチング法(以下では、「テンプレートマッチング法」という)を用いて卓越周波数を抽出する。以下では、各処理の詳細について説明する。
ローパスフィルタ処理は、変位算出処理、リサンプリング処理、タイヤ回転成分除去処理、横力成分除去処理、および、バンドパスフィルタ処理よりも前に実行される処理である。路面プロファイル算出部70は、ローパスフィルタ処理において、上下方向センサ20によって検出された加速度、および、左右方向センサ30によって検出された加速度に双方向のローパスフィルタを施すことによって、路面凹凸に起因する試験車100の振動成分に関する周波数帯よりも高い周波数成分を除去する。路面凹凸に起因する試験車100の振動成分に関する周波数帯よりも高い周波数成分は、例えば、300Hz以上の周波数成分である。
変位算出処理は、ローパスフィルタ処理よりも後、かつ、リサンプリング処理よりも前に実行される処理である。路面プロファイル算出部70は、変位算出処理において、上下方向センサ20によって検出される加速度(以下では、「ばね下加速度」という)を積分することによって、サスペンション120の上下方向の速度(以下では、「ばね下速度」という)を算出し、ばね下速度を積分することによって、サスペンション120の上下方向の変位(以下では、「ばね下変位」という)を算出する。
ばね下加速度 f(t)=X’’(t)・・・(1)
ばね下速度 ∫f(t)dt=X’(t)+C1・・・(2)
ばね下変位 ∫∫f(t)dtdt=X(t)+C1・t+C2・・・(3)
リサンプリング処理は、変位算出処理よりも後に実行される処理である。本実施形態では、路面プロファイル算出部70は、リサンプリング処理において、試験車100の累積移動距離に基づいて、等間隔距離軸を有する等間隔距離データを作成し、算出したばね下変位を等間隔距離データの等間隔距離軸と対応付ける。
タイヤ回転成分除去処理は、ローパスフィルタ処理よりも後の任意のタイミングで開始される。本実施形態では、タイヤ回転成分除去処理は、リサンプリング処理よりも後に開始される。路面プロファイルの算出においては、試験車100のタイヤおよび車輪の組み合わせの重心位置が回転中心に位置していない場合、遠心力による振動が車輪の回転周期毎に発生する。この振動は、ばね下加速度に重畳されるため、路面プロファイルの計測には不要な成分であり、除去されることが好ましい。このため、路面プロファイル算出部70は、タイヤ回転成分除去処理において、車両特性推定処理で抽出した卓越周波数に基づいて、タイヤ回転成分に相当する卓越周波数成分を除去する。
図6は、車両特性推定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
路面プロファイル算出部70は、例えば、試験車100の走行が開始されたことに基づいて車両特性推定処理を開始する。別の例では、路面プロファイル算出部70は、試験車100の走行が終了し、かつ、入力装置62から入力される要求に基づいて、車両特性推定処理を開始する。なお、車両特性推定処理において試験車100が走行する路面は、平坦路または基準路である。なお、計測対象の路面が平坦路である場合、車両特性推定処理において、試験車100は、計測対象の路面を走行してもよい。
なお、値MRxは、基本波テンプレート80Xと基本波200Xとのマッチング値である。値MR1は、第1テンプレート81と第1高調波210とのマッチング値である。値MR2は、第2テンプレート82と第2高調波220とのマッチング値である。値MR3は、第3テンプレート83と第3高調波230とのマッチング値である。値MR4は、第4テンプレート84と第4高調波240とのマッチング値である。
横力成分除去処理は、変位算出処理よりも後、かつ、リサンプリング処理よりも前または後に実行される処理である。本実施形態では、路面プロファイル算出部70は、横力成分除去処理を実施することによって、左右方向センサ30によって検出される左右方向の加速度に基づいて、上下方向センサ20によって検出される加速度を補正している。
Ay=az・sinθB+ay・cоsθB・・・(7)
az/ay=tanθB・・・(9)
θB=tan-1(az/ay)・・・(10)
θB=tan-1(dz/dy)・・・(12)
バンドパスフィルタ処理は、リサンプリング処理よりも後に実行される処理である。路面プロファイル算出部70は、バンドパスフィルタ処理において、算出したばね下変位に双方向のバンドパスフィルタを施すことによって、路面凹凸に起因する試験車100の振動成分に関する空間周波数帯よりも高い空間周波数成分、および、低い空間周波数成分を除去する。路面凹凸に起因する試験車100の振動成分に関する空間周波数帯よりも高い空間周波数成分は、例えば、10cycle/m以上の空間周波数成分である。路面凹凸に起因する試験車100の振動成分に関する空間周波数帯よりも低い空間周波数成分は、例えば、0.01cycle/m以下の空間周波数成分である。
図13を参照して、路面プロファイル算出処理の処理手順の一例について説明する。
路面プロファイル算出部70は、例えば、試験車100の走行が開始されたことに基づいて路面プロファイル算出処理を開始する。別の例では、路面プロファイル算出部70は、試験車100の走行が終了し、かつ、入力装置62から入力される要求に基づいて、路面プロファイル算出処理を開始する。
以上のように構成された卓越周波数の抽出装置の一例である路面平坦性計測装置60によれば、次の効果を得ることができる。
路面平坦性計測装置60は、車両特性推定処理において、テンプレートマッチング法を用いるため、空間周波数スペクトルから卓越周波数を精度よく抽出できる。
本実施形態では、一定間隔毎に入力される成分を含む信号が、一定距離毎に入力される試験車100のばね下加速度であり、算出処理によって算出された空間周波数スペクトルのスペクトル強度は、車速および計測区間によって異なる。このため、SSD(Sum of Squared Difference)およびSAD(Sum of Absolute Difference)等のテンプレートマッチング法によって、抽出処理を実行する場合、用意したテンプレートとの差分値も、車速および計測区間によって増減するため、目的とする卓越成分以外の特徴点の周波数を抽出するおそれがある。
路面平坦性計測装置60によれば、車両特性推定処理の抽出処理において、テンプレート81~84と、第1高調波210~第4高調波240とのマッチング値MR1~MR4を考慮して卓越周波数を抽出する。このため、基本波200Xの空間周波数スペクトルが卓越していない場合でも、第1高調波210~第4高調波240を考慮することによって、卓越周波数を好適に抽出できる。なお、高調波の数は、一例である。高調波は、1つ~3つ、または、5つ以上の場合を含む。
図14~図29を参照して、第1試験~第8試験における空間周波数スペクトルの卓越周波数の抽出結果について説明する。なお、第1試験~第4試験は、車両特性推定処理に関する試験であり、第5試験~第8試験は、タイヤ回転成分除去処理に関する試験である。
図14~図16は、第1試験に関する図である。図14は、距離軸で等間隔のばね下加速度データをフーリエ変換することによって算出された空間周波数スペクトルである。図15は、図14からばね下加速度に関する空間周波数スペクトルのトレンド成分を除去したデータである。なお、トレンド成分とは、卓越成分のような局所的な特徴点とは異なり、広範囲にわたる分布および傾向に相当する成分である。図16は、空間周波数スペクトルの卓越成分の抽出結果である。第1試験では、試験車100の車速は、比較的高速の約80km/hである。第1試験では、抽出処理において、基本波のみに対してテンプレートマッチング法を適用した。
図17~図19は、第2試験に関する図である。図17は、距離軸で等間隔のばね下加速度データをフーリエ変換することによって、算出された空間周波数スペクトルである。図18は、図17からばね下加速度に関する空間周波数スペクトルのトレンド成分を除去したデータである。図19は、空間周波数スペクトルの卓越成分の抽出結果である。第2試験では、試験車100の車速は、比較的高速の約80km/hである。第1試験では、抽出処理において、基本波および高調波に対してテンプレートマッチング法を適用した。
図20~図22は、第3試験に関する図である。図20は、距離軸で等間隔のばね下加速度データをフーリエ変換することによって、算出された空間周波数スペクトルである。図21は、図20からばね下加速度に関する空間周波数スペクトルのトレンド成分を除去したデータである。図22は、空間周波数スペクトルの卓越成分の抽出結果である。第3試験では、試験車100の車速は、比較的低速の0~50km/hである。第3試験では、抽出処理において、基本波のみに対してテンプレートマッチング法を適用した。
図23~図25は、第4試験に関する図である。図23は、距離軸で等間隔のばね下加速度データをフーリエ変換することによって、算出された空間周波数スペクトルである。図24は、図23からばね下加速度に関する空間周波数スペクトルのトレンド成分を除去したデータである。図25は、空間周波数スペクトルの卓越成分の抽出結果である。第4試験では、試験車100の車速は、比較的低速の0~50km/hである。第4試験では、抽出処理において、基本波および高調波に対してテンプレートマッチング法を適用した。
図26~図29は、第5試験~第8試験に関する図である。図26~図29は、車両特性推定処理の抽出処理(ステップS35)において抽出した卓越周波数を試験車100の特性値として用いてばね下加速度データをフィルタリングした空間周波数スペクトルを示している。第5試験~第8試験では、試験車100の車速が異なる場合のばね下加速度の空間周波数スペクトルについて、テンプレートマッチング法によって抽出した卓越周波数に基づいて、卓越周波数成分と、それ以外の周波数成分とに分別した。図26は、第5試験の結果である。第5試験では、試験車100の車速は、20km/hである。図27は、第6試験の結果である。第6試験では、試験車100の車速は、40km/hである。図28は、第7試験の結果である。第7試験では、試験車100の車速は、60km/hである。図29は、第8試験の結果である。第8試験では、試験車100の車速は、80km/hである。
図30を参照して、第9試験におけるばね下変位の空間周波数スペクトルの卓越周波数成分の抽出結果について説明する。
上記実施形態は本発明に関する卓越周波数の抽出装置、卓越周波数の抽出方法、および、卓越周波数の抽出プログラムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する卓越周波数の抽出装置、卓越周波数の抽出方法、および、卓越周波数の抽出プログラムは、実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の幾つかの例を示す。
上記実施形態では、卓越周波数の抽出装置は、テンプレートマッチング法によって、試験車100のばね下加速度の空間周波数スペクトルの卓越成分を抽出したが、卓越成分を抽出する周波数スペクトルは、一定間隔毎に入力される成分の周波数スペクトルであれば、これに限定されない。例えば、卓越周波数の抽出装置は、変位、または、試験車100のばね下加速度とは異なる加速度に関する空間周波数スペクトルの卓越成分を抽出してもよい。変位は、例えば、路面形状の変位、舗装継ぎ目の変位、鉄道の線路の継ぎ目の変位、回転軸のブレである。これらの空間周波数スペクトルから卓越成分を除去することによって、平坦区間を算出できる。試験車100のばね下加速度とは異なる加速度は、例えば、無限軌道の履板、階段状または平坦状のエスカレータのステップによる振動である。これらの空間周波数スペクトルから卓越成分を除去することによって、定常成分を算出できる。その他、テンプレートマッチング法によって空間周波数スペクトルの卓越成分を抽出する技術は、例えば、ねじり共振、階段の昇降等の歩行に伴う負荷、および、視覚刺激等にも適用可能である。
上記実施形態では、卓越周波数の抽出装置は、テンプレートマッチング法によって、基本波および高調波の卓越周波数を抽出したが、抽出する複数の周波数の関係を予め予測できる場合であれば、テンプレートマッチング法によって、卓越周波数を抽出できる。本実施形態のように,基本波が存在し得る周波数帯を予め予測できる場合、マッチングの精度向上、および、計算回数削減(処理の高速化)が可能となる。また、基本波の周波数に基づいて周波数を予測できる成分であればマッチング対象にできるため、高調波だけではなく、低調波の抽出においても有効である。なお、テンプレートマッチング法を適用できる予測できる成分の他の例としては、ナイキスト周波数で折り返された周波数に存在するエイリアシングノイズ等が挙げられる。
上記実施形態では、車両特性推定処理を路面プロファイル算出部70が実行したが、車両特性推定処理を実行する主体は、路面プロファイル算出部70に限定されない。例えば、車両特性推定処理は、制御部61Bに構築される別の機能ブロック、または、路面平坦性計測装置60以外の別の装置に搭載される制御部に構築される機能ブロックが実行してもよい。この変形例では、制御部61Bに構築される別の機能ブロック、または、路面平坦性計測装置60以外の別の装置に搭載される制御部に構築される機能ブロックによって抽出された卓越周波数は、路面プロファイル算出部70に記録される。
上記実施形態では、路面プロファイル算出処理の前に実行される車両特性推定処理によって抽出された卓越周波数を用いてタイヤ回転成分除去処理を実行した。しかし、路面プロファイル算出処理において、タイヤ回転成分除去処理よりも前に車両特性推定処理を実行して、その都度、抽出される卓越周波数を更新してもよい。
上記実施形態では、テンプレートマッチング法において、テンプレート80の複数の点T1~T9における値AT1~AT9と、テンプレート80の複数の点T1~T9と対応する空間周波数スペクトル90の複数の点S1~S9におけるスペクトル強度BS1~BS9と、を乗算した値の和に基づいてマッチング値Mνを算出した。しかし、テンプレートマッチング法の具体的な方法は、任意に変更可能である。例えば、差分和または相関係数等に基づいて、マッチング値Mνを算出してもよい。
上記実施形態における総マッチング値MTを算出する式(5)は、例えば、以下の式(13)に変更可能である。
MT=Wx・MRx+W1・MR1+W2・MR2+W3・MR3+W4・MR4・・・(13)
路面プロファイル算出処理の内容は、任意に変更可能である。例えば、図13に示される路面プロファイル算出処理において、ローパスフィルタ処理、横力成分除去処理、および、バンドパスフィルタ処理の少なくとも1つを省略できる。また、横力成分除去処理を変位算出処理よりも後、かつ、リサンプリング処理よりも前に実行してもよい。
上記実施形態では、路面プロファイル算出部70は、リサンプリング処理において、車速パルスに基づいて試験車100の移動の累積距離を算出したが、試験車100の車速に基づいて、試験車100の移動の累積距離を算出してもよい。ただし、本実施形態のように車速パルスに基づいて試験車100の移動の累積距離を算出する場合よりも、累積距離の算出精度は、試験車100の車速が変化する場合は、特に低くなる傾向にある。
上記実施形態では、車速パルス係数は、記憶部61Aに予め記憶されていたが、例えば、計測対象の路面の長さが予め把握できている場合、路面プロファイル算出部70は、計測対象の路面の長さを試験車100が計測対象の路面を走行している間に得られる車速パルスエッジの累積値で除算することによって、車速パルス係数を算出してもよい。また、路面プロファイル算出部70は、GPS(Global Positioning System)等を用いて計測された試験車100の車速を車速パルス周波数で除算することによって、車速パルス係数を算出してもよい。路面プロファイル算出部70は、車速パルス周波数の算出において、例えば、任意の車速パルスエッジと次の車速パルスエッジとの間隔時間TXを求め、間隔時間TXの逆数1/TXをその間隔の平均周波数として算出する。路面プロファイル算出部70は、好ましい例では、算出された複数の平均周波数にローパスフィルタを施して平滑化することによって、車速パルス周波数を算出する。
上記実施形態では、路面平坦性計測装置60は、取得装置50と有線通信または無線通信できるように接続されていたが、路面平坦性計測装置60と取得装置50とは、通信可能に接続されていなくてもよい。この場合、取得装置50によって取得された計測データ等の情報は、例えば、USBフラッシュメモリまたはSDメモリカード等の補助記憶装置に保存される。路面平坦性計測装置60は、補助記憶装置から計測データ等の情報を取得することによって、路面プロファイルを算出する。
Claims (5)
- 一定間隔毎に入力される成分を含む信号をフーリエ変換することによって、周波数スペクトルを算出する算出処理と、
テンプレートマッチング法によって、前記周波数スペクトルから卓越周波数を抽出する抽出処理と、を実行する
卓越周波数の抽出装置。 - 前記抽出処理では、
前記周波数スペクトルのピーク波形を模したテンプレートの複数の点における値と、前記テンプレートの複数の点と対応する前記周波数スペクトルの複数の点におけるスペクトル強度とに基づいてマッチング値を算出し、
前記マッチング値に基づいて前記卓越周波数を抽出する。
請求項1に記載の卓越周波数の抽出装置。 - 前記周波数スペクトルは、基本波、および、前記基本波の周波数に基づいて周波数を予測できる高調波または低調波を含み、
前記抽出処理では、前記テンプレートと前記基本波との前記マッチング値、および、前記テンプレートと前記高調波または前記低調波との前記マッチング値に基づいて、前記卓越周波数を抽出する
請求項2に記載の卓越周波数の抽出装置。 - 一定間隔毎に入力される成分を含む信号をフーリエ変換することによって、周波数スペクトルを算出する算出ステップと、
テンプレートマッチング法によって、前記周波数スペクトルから卓越周波数を抽出する抽出ステップと、を含む
卓越周波数の抽出方法。 - 一定間隔毎に入力される成分を含む信号をフーリエ変換することによって、周波数スペクトルを算出する算出ステップと、
テンプレートマッチング法によって、前記周波数スペクトルから卓越周波数を抽出する抽出ステップと、をコンピュータに実行させる
卓越周波数の抽出プログラム。
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JP2021114245A JP2023010249A (ja) | 2021-07-09 | 2021-07-09 | 卓越周波数の抽出装置、卓越周波数の抽出方法、卓越周波数の抽出プログラム |
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Citations (1)
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---|---|---|---|---|
JPH10140985A (ja) * | 1996-11-13 | 1998-05-26 | Konoike Constr Ltd | スクリューコンベアの凍結による点検方法及び凍結の確認方法 |
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2021
- 2021-07-09 JP JP2021114245A patent/JP2023010249A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10140985A (ja) * | 1996-11-13 | 1998-05-26 | Konoike Constr Ltd | スクリューコンベアの凍結による点検方法及び凍結の確認方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
永井将紀: "卓越周波数を利用した方向推定", 土木学会論文集F3(土木情報学), vol. 67, no. 2, JPN6023046265, 2011, pages 162 - 1, ISSN: 0005195860 * |
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