JPH10140536A - 水中マット布設用架台と水中マット布設方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な装置により、能率よく作業ができ
る水中マット布設用架台を提供することにある。 【解決手段】 自重により水中マットを沈設することが
できる懸架材と、水中マットの浮上を抑止する水平材
と、水中マットを包囲する垂直材と、前記垂直材間を連
結する斜材とにより、底部開放構造の函体を構成したこ
とを特徴とする、水中マット布設用架台、および前記水
中マット布設用架台を使用して水中マットを沈設、布設
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水中に堆積したヘ
ドロ等を処理するための、水中マット布設用架台と水中
マット布設方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】河川、港湾等水中に堆積したヘドロの処
理、あるいは湖沼地の埋め立て等において、非常に軟弱
な地盤の表層１〜２ｍを安定処理する場合、マットを布
設し、その上に土砂等を載置して、軟弱地盤の表層を安
定処理する方法がある。水中において前記マットを布設
する場合、水面に一旦水中マットを浮かせた後、潜水夫
により水中マットを水底面に沈め、その後、水底面に布
設していた。しかし、この方法によると水中マットに浮
力が働き、水底面に布設するための時間がかかり、能率
が悪いという問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、簡単な
装置により、能率よく作業ができる水中マット布設用架
台と水中マット布設方法を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、水底面の軟弱
地盤の表層に水中マットを布設して、安定処理する水中
マット布設用架台であって、自重により水中マットを沈
設することができる懸架材と、水中マットの浮上を抑止
する水平材と、水中マットを包囲する垂直材と、前記垂
直材間を連結する斜材とにより、底部開放構造の函体に
構成したことを特徴とする、水中マット布設用架台であ
り、また、前記函体が、内部に収容した水中マットの落
下防止用の懸吊材を具備することを特徴とする、水中マ
ット布設用架台であり、また、前記懸架材に、マット懸
吊材の掛止具を取り付けたことを特徴とする、水中マッ
ト布設用架台であり、また、前記函体の下端に、ガイド
ローラーを取り付け、函体の中央部に回転軸を取り付け
たことを特徴とする、水中マット布設用架台であり、ま
た、水底面の軟弱な地盤表層に水中マットを布設し、布
設マット上に土砂等を載置して、軟弱地盤の表層を安定
処理する水中マット布設方法において、前記記載の水中
マット布設用架台を使用し、前記水中マット布設用架台
と共に、水底面に水中マットを布設することを特徴とす
る、水中マット沈設方法であり、さらにまた、水中マッ
ト沈設後、水中マットの端部を水底面に固定し、水中マ
ット布設用架台を移動させて水中マットを引きだしなが
ら、水中マットを布設することを特徴とする、水中マッ
ト布設方法である。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら本発明の
実施の形態について説明する。

【０００６】＜全体構成＞図１は本発明による水中マッ
ト布設用架台１の斜視図を示し、図２はその側面図を示
す。水中マット布設用架台１は、その自重だけで水中に
沈下する必要があるため、構成部材はすべて鋼材を使用
している。懸架材２はたとえばＨ形鋼を利用し、布設し
ようとする水中マット７の幅よりやや長めのものとす
る。懸架材２には、所定箇所に掛止具４が設けられてい
る。掛止具４は、前記懸架材２を懸吊材３で懸吊するた
めの掛止具と、水中マット７を懸吊するための掛止具と
の２つの役割を持っている。懸架材２の下側には、水平
材５が所定間隔に設けられている。図３の平面図に示す
ように、この水平材５は水中マット布設用架台１を水中
に降下していく時、水中マット７がその浮力で浮上しな
いように抑える役目を果たすものである。前記水中マッ
ト７を包み込むように収納するために、図４の断面図で
示すように、水中マット布設用架台１の底部は開放構造
となっており、水平材５には、斜材６、垂直材８が設け
られている。また、前記垂直材８の下端には、水中マッ
ト７を水底に布設の際、布設のガイドの役割と破損を防
止する役割を果たすガイドローラー１１が設けられてい
る。さらに、水中マット布設用架台１長手方向両端部の
斜材６交差部に、回転軸１２が取り付けられている。

【０００７】＜水中マット布設用架台の沈設＞図５は、
水中マット布設用架台１の沈設状況を示す側面図であ
る。水中マット布設用架台１及びその内部に収容された
水中マット７は、クレーン船９により懸吊材３で懸吊さ
れ、その自重により水底面１０に沈設される。水中マッ
ト布設用架台１を沈設の際、水中マット７の浮力は水平
材５により抑止され、また、斜材６、垂直材８による包
囲、及び懸吊材３による水中マット布設用架台１への固
定により、水中マット７は水中マット布設用架台１から
はみだすことなく水底面１０に沈設されるものである。

【０００８】＜水中マットの布設＞図６は、水中マット
７を水底面１０に布設している状況を示す側面図であ
る。水中マット布設用架台１内に収容された水中マット
７を水底面１０に沈設後、懸吊材３の掛止具４を取り外
す。水中マット布設用架台１の長手方向両端部の斜材６
交差部間には、マット７の中心部に挿通する回転軸１２
が設けられており、水中マット布設用架台１内で自由に
なった水中マット７の端部７ａをガイドローラー１１の
下から引きだし、ピン１３により水底面１０に固定す
る。水中マット７の端部７ａをピン１３により水底面１
０に固定後、図５に示すクレーン船９を移動させなが
ら、水中マット７を水底面１０に順次布設するものであ
る。

【０００９】

【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから、
次のような効果を得ることができる。 ＜イ＞ 水中マットは水中マット布設用架台内に収容さ
れ、水底面に沈設されるため、沈設作業の能率が向上す
る。 ＜ロ＞ 水中マットの布設作業は、水中マット端部をピ
ンで水底面に固定後、クレーン船を移動するだけで布設
できるので、布設作業の能率が向上する。 ＜ハ＞ 水中マット布設用架台の下端にガイドローラー
が設けられているので、クレーン船を移動の際、水中マ
ットの布設作業が能率よく施工できる。 ＜ニ＞ 潜水夫の作業は、水中マット端部をピンで水底
面に固定する作業と、水中マットの布設状況を監視する
作業だけでよいので、省人化作業となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る水中マット布設用架台の斜視
図。

【図２】 同上側面図。

【図３】 同上平面図。

【図４】 同上断面図。

【図５】 水中マット布設用架台の沈設状況を示す側面
図。

【図６】 水中マットを水底面に布設している状況を示
す側面図。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水底面の軟弱地盤の表層に水中マット
   を布設して、地盤を安定処理する水中マット布設用架台
   であって、 自重により水中マットを沈設することができる懸架材
   と、 水中マットの浮上を抑止する水平材と、 水中マットを包囲する垂直材と、 前記垂直材間を連結する斜材とにより、 底部開放構造の函体に構成したことを特徴とする、 水中マット布設用架台。
2. 【請求項２】 請求項１の水中マット布設用架台にお
   いて、 前記函体が、内部に収容した水中マットの落下防止用の
   懸吊材を具備することを特徴とする、 水中マット布設用架台。
3. 【請求項３】 請求項１の水中マット布設用架台にお
   いて、 前記懸架材に、マット懸吊材の掛止具を取り付けたこと
   を特徴とする、 水中マット布設用架台。
4. 【請求項４】 請求項１の水中マット布設用架台にお
   いて、 前記函体の下端にガイドローラーを取り付け、函体の中
   央部に回転軸を取り付けたことを特徴とする、 水中マット布設用架台。
5. 【請求項５】 水底面の軟弱な地盤表層に水中マット
   を布設し、布設マット上に土砂等を載置して、軟弱地盤
   の表層を安定処理する水中マット布設方法において、 前記請求項１〜請求項４の何れかに記載の水中マット布
   設用架台を使用し、 前記水中マット布設用架台と共に、水底面に水中マット
   を布設することを特徴とする、 水中マット布設方法。
6. 【請求項６】 請求項５に記載の水中マット布設方法
   において、 水中マット沈設後、水中マットの端部を水底面に固定
   し、 水中マット布設用架台を移動させて水中マットを引きだ
   しながら、水中マットを布設することを特徴とする、 水中マット布設方法。