JPH10140454A - 拭き取り媒体 - Google Patents

拭き取り媒体

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JPH10140454A
JPH10140454A JP8299954A JP29995496A JPH10140454A JP H10140454 A JPH10140454 A JP H10140454A JP 8299954 A JP8299954 A JP 8299954A JP 29995496 A JP29995496 A JP 29995496A JP H10140454 A JPH10140454 A JP H10140454A
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JP
Japan
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wiping
support
cleaning component
nonwoven fabric
medium
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JP8299954A
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English (en)
Inventor
Yasuro Yokota
泰朗 横田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、利便性に優れ、拭き取り性が
高く、また人体や環境への悪影響を少なくした拭き取り
媒体を提供することである。 【解決手段】常温で液体または固体の付着物を拭き取る
ことが可能な支持体に、洗浄成分を内包したマイクロカ
プセルを担持させたことを特徴とする拭き取り媒体。付
着物が親油性の場合、および特に付着物が親油性の固体
の場合、洗浄成分は、揮発性の有機溶剤が好ましく用い
られる。支持体は、不織布が好ましく、分割型複合繊維
を主成分とする不織布および水流交絡不織布が特に好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、取り扱い性に優
れ、拭き取り性能の高い拭き取り布に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】汚れ等液体または固体の付着物の拭き取
りには、織布、不織布、紙等の拭き取り媒体が広く用い
られている。付着物が蒸発し易かったり、付着物と被付
着物の親和性が低い場合には、織布、不織布、紙等で容
易に付着物を拭き取ることができる場合もあるが、油、
インク、塗料等の様に完全に付着物を拭き取ることが困
難な場合もある。この様な場合、溶剤や洗剤等の洗浄成
分を拭き取り媒体に含浸させて拭き取ると良好な拭き取
りを行うことができる。しかし、この場合、洗浄成分と
拭き取り媒体をそれぞれ用意する必要があり、利便性が
低かった。この問題に対し、あらかじめ洗浄成分を拭き
取り媒体に含浸しておき、これを密封可能な容器に入れ
た物が考案、実用化されているが、使用時に洗浄成分が
手に付いたり、使用後再使用する場合に密閉容器に入れ
て保管する必要があり、利便性の点で十分ではなかっ
た。また、何れの場合に於いても、洗浄成分が有毒であ
る場合、大量に使用すると使用者の健康や環境を害する
という問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決しようと
する課題は、利便性に優れ、拭き取り性が高く、また人
体や環境への悪影響を少なくした拭き取り媒体を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意検討した結果、支持体に、常温で液
体の洗浄成分を内包したマイクロカプセルを担持させた
ことを特徴とする拭き取り媒体により解決した。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の拭き取り媒体は、常温で
液体の洗浄成分を内包するマイクロカプセルを、支持体
に担持させることにより得ることができる。常温で液体
の洗浄成分をマイクロカプセルに内包させることによ
り、常温で液体の洗浄成分であっても、支持体上に安定
に保持することができる。常温で液体の洗浄成分を内包
するマイクロカプセルは、拭き取り時の圧力により破壊
して、内包した洗浄成分が流れ出して、洗浄成分として
の作用を発現する。洗浄成分は、付着物を溶解またはミ
セル化等の作用により被付着物から除去し、支持体に吸
収させることにより、拭き取り性を向上する。従って、
拭き取りを行うまでは洗浄成分は全く作用せず安定に保
持されているので、密閉容器内に保管する等の特別な取
り扱いは必要ない。また、洗浄成分は拭き取り時に、付
着物のごく近傍で作用を発現するので、少量の洗浄成分
で十分な作用を発現する。それ故、洗浄成分の量を少な
くすることができ、使用者の健康や環境に与える悪影響
を小さくすることができる。
【0006】本発明の拭き取り媒体に係わる常温で液体
の洗浄成分を内包したマイクロカプセルは、常温で液体
の洗浄成分を既知のマイクロカプセル化法によりマイク
ロカプセル化することにより得られ、洗浄成分をマイク
ロカプセル内に内包させる方法は、特に限定されない。
マイクロカプセル化の具体的方法としては、相分離法、
液中乾燥法、融解分散冷却法、パンコーティング法、界
面重合法、in situ法、液中硬化被覆法等が挙げ
られ、内包する洗浄成分の種類に合わせて、マイクロカ
プセル化の方法を適宜選択することが望ましい。
【0007】また、マイクロカプセル化の方法は、所望
のマイクロカプセルの膜の性質も考慮に入れて選択する
のが好ましい。マイクロカプセル化の方法により作製可
能なマイクロカプセル壁の材質が異なり、拭き取り時の
マイクロカプセルの壊れ易さが異なる。本発明に係わる
常温で液体の洗浄成分を内包するマイクロカプセルは、
拭き取り時以外はマイクロカプセルが破壊せず、拭き取
り時の適当な拭き取り圧によりマイクロカプセルが破壊
する必要がある。
【0008】マイクロカプセルの壊れ易さに影響を与え
る要因としては、マイクロカプセル壁の材質以外に、マ
イクロカプセルの粒径、マイクロカプセル壁の厚さ等が
挙げられる。また、拭き取り時に、洗浄成分を内包した
マイクロカプセルが破壊する最適な拭き取り圧は、拭き
取り方法、拭き取る付着物および被付着物の種類、性質
等により異なる。したがって、洗浄剤を内包したマイク
ロカプセルは、マイクロカプセルの壊れ易さに影響を与
える要因を制御することにより、拭き取り時以外でのマ
イクロカプセルの安定性も考慮に入れて、使用目的に合
った最適なマイクロカプセルの壊れ易さに調整される。
【0009】マイクロカプセル壁の材質の具体例として
は、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、エチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリウレタン、メラミンホルマリン樹脂、尿素
ホルマリン樹脂、ワックス類等が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。
【0010】次にマイクロカプセルに内包する常温で液
体の洗浄成分について説明する。洗浄成分は、拭き取ろ
うとする付着物の拭き取り性を向上させる物であれば特
に限定されない。洗浄成分の具体例としては、陰イオン
界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性
剤、両性イオン界面活性剤等の界面活性剤類およびその
溶液、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール
類、エーテル類、ケトン類、エステル類脂肪酸類、動植
物油等の有機溶剤等が挙げられる。これらは、単独また
は2種以上併用して使用することもできる。2種以上の
洗浄成分を併用して使用する場合、これらを同一のマイ
クロカプセル内に混合して含有させることも、それぞれ
単独でマイクロカプセル化し、支持体に担持させること
もできる。
【0011】本発明の拭き取り媒体を用いて親油性の付
着物を拭き取る場合、マイクロカプセルに内包する洗浄
成分は、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコー
ル類、エーテル類、ケトン類、エステル類、脂肪酸類、
動植物油等から選ばれる揮発性の有機溶剤が、洗浄能
力、マイクロカプセル化のし易さの点で特に好ましく用
いられる。また、付着物が親油性の固体の場合には、付
着物の溶解性が高い有機溶剤を洗浄成分として用いれ
ば、界面活性剤類を用いた場合に比べ非常に高い洗浄性
が得られる利点もある。
【0012】有機溶剤の具体例としては、ヘキサン、2
−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−
ジメチルブタン、ヘプタン、ヘプタン異性体、オクタ
ン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、
ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、不
飽和脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、o−キシ
レン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、
クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p
−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼ
ン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシル
ベンゼン、スチレン、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシル、
シクロヘキセン、α−ピネン、ジペンテン、デカリン、
石油エーテル、石油ベンジン、石油ナフサ、リグロイ
ン、工業ガソリン、灯油、ソルベントナフサ、ショウノ
ウ油、テレビン油等の炭化水素類、
【0013】ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、塩化エチル、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジ
クロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラク
ロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジク
ロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチ
レン、臭化メチル等のハロゲン化炭化水素類、
【0014】メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタ
ノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルア
ルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル
−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキ
サノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル
−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1
−ドデカノール、アリルアルコール、ベンジルアルコー
ル、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノー
ル、フーゼル油、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチレングリコール、等のアルコール類、
【0015】フェノール、クレゾール等のフェノール
類、
【0016】ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエー
テル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、
ベンジルエチルエーテル、プロピレンオキシド、1,2
−エポキシブタン、1,4−ジオキサン、1,3,5−
トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエ
タン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセタ
ール等のエーテル類、
【0017】アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノ
ン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、メシチル
オキシド、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノ
ン、アセトフェノン等のケトン類、
【0018】ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、2
−エチルヘキサン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、
【0019】ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、
ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸
ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセ
テート、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセ
テート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸シクロヘ
キシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオ
ン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペ
ンチル、酪酸エステル類、イソ酪酸エステル類、イソ吉
草酸エステル類、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安
息香酸プロピル、安息香酸ブチル、ケイヒ酸メチル、ア
ジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−ブチロラク
トン、シュウ酸エステル類、マロン酸ジエチル、マレイ
ン酸エステル類、クエン酸トリブチル、フタル酸エステ
ル類、エチレングリコールモノアセタート、二酢酸エチ
レン、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等のエステル類、
アマニ油、キリ油、スクワラン等の動植物油等が挙げら
れる。これらの中でも揮発性の有機溶剤が好ましく用い
られる。
【0020】次に本発明に係わる支持体について説明す
る。支持体は、織布、不織布、紙、皮革等が挙げられ、
洗浄成分により被付着物から除去された付着物を、洗浄
成分と共に吸収できれば、特に限定されずに用いること
ができる。従って、プラスチックフィルムやガラス板の
ような、液体の吸収性が極めて低いものは好ましくな
い。液体の吸収性のある織布、不織布、紙、皮革等であ
っても、より液体の吸収性の高いものほどより好ましく
用いられ、洗浄成分により被付着物から除去された付着
物と、洗浄成分と共に吸収できるだけの吸収量が必要で
ある。支持体の材質としては、綿、麻、木材パルプ等の
植物繊維、羊毛、絹等の動物繊維、ビスコースレーヨ
ン、アセテート、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
メチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
およびこれらのモノマーの共重合体等の人工繊維、牛
皮、鹿皮等の皮革類等が挙げられる。
【0021】支持体は、拭き取ろうとする付着物と洗浄
成分にあわせて適宜選択するのが好ましい。支持体の材
質と、拭き取ろうとする付着物および洗浄成分との親和
性が低いと、これらの吸収性が低く、拭き取り性が悪
い。また、支持体と付着物が付着している被付着物との
摩擦が大きい場合にはスムースな拭き取りが行えない。
また、支持体の機械的強度、柔軟性等も拭き取り性に影
響を与える。
【0022】また、支持体の材料が繊維である場合、繊
維の断面形状、繊維の太さ等も、拭き取り性に影響を与
える。一般に、断面形状は、円形より角張った形状の方
が拭き取り性がよい。また、繊維径は細い方が拭き取り
性が良好である。
【0023】支持体は、拭き取り性能と、使いやすさ、
破れ難さ、多く種類の付着物および被付着物とのマッチ
ッグ、製造コストの点で、不織布が特に優れている。不
織布の材質は、綿、麻、羊毛、絹、ビスコースレーヨ
ン、アセテート、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
メチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
およびこれらのモノマーの共重合体等を用いることがで
き、これらを単独あるいは2種以上組み合わせて使用す
ることもできる。不織布の原料の繊維の繊度は、0.1
〜30デニールが好ましく、0.2〜15デニールが特
に好ましい。不織布の原料の繊維は、細いほど拭き取り
性が向上するが、細いほど不織布の強度が低下したり製
造が困難になる。また、繊維が太いと拭き取り性が低下
するので、所望する拭き取り性能とのバランスを考慮し
て原料繊維の太さを調節するのが好ましい。
【0024】不織布の原料の繊維の繊維長は、特に限定
されないが、不織布の強度、均一性の点で1〜50mm
が好ましい。
【0025】本発明に係わる支持体に用いる不織布の製
造方法としては、カード法、エアレイ法、スパンボンド
法、メルトブロー法等の乾式抄造法、湿式抄造法等を用
いることができる。
【0026】支持体に、分割型複合繊維を主成分とする
不織布を用いると、特に優れた拭き取り性能を得ること
ができる。分割型複合繊維の断面形状は、主に角張った
多角形であり、容易に繊維径の細い不織布を得ることが
できる。
【0027】支持体に、水流交絡不織布を用いると、強
度の大きい拭き取り媒体を得ることができる。それ故、
より細い原料繊維を用いることができ、拭き取り性が向
上する。また、洗浄成分を内包したマイクロカプセルを
担持する力が向上するメリットも得られる。水流交絡法
は、分割型複合繊維を主成分とする不織布にも用いるこ
とができ、強度を低下させずに、非常に拭き取り性の高
い拭き取り媒体を得ることができる。
【0028】洗浄成分を内包したマイクロカプセルを支
持体に担持させる方法は、既知の方法を用いることがで
きる。具体例としては、洗浄成分を内包したマイクロカ
プセルの分散液をエアナイフコーター等の塗抹装置で支
持体に塗布する方法、洗浄成分を内包したマイクロカプ
セルの分散液中に支持体をディップする方法、洗浄成分
を内包したマイクロカプセルの粉体を支持体に吹き付け
る方法、支持体が湿式抄造不織布である場合には、支持
体抄造時に洗浄成分を内包したマイクロカプセルを一緒
に抄き込む方法等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0029】支持体が、洗浄成分を内包したマイクロカ
プセルを担持する力を増強する目的で、バインダーを用
いることもできる。バインダーの具体例としては、デン
プン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩ま
たはアンモニウム塩、エチレン/無水マレイン酸共重合
体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、アルギン酸アン
モニウム、アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸ア
ミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド
/アクリル酸エステル/メタクリル酸共重合体、オレフ
ィンビニルアルコール共重合体、アルキッド樹脂、塩素
化ポリエーテル、クマロン樹脂、塩素化ポリエチレン、
アリル樹脂、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合
体、エチレン/塩化ビニル共重合体、エポキシ樹脂、エ
チレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体、ケトン樹脂、メタクリル/スチレン共重
合体、ニトリル樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂、ポリ
アセタール、ポリアミド、ポリアリレート、ポリブタジ
エン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタ
レート、メタクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン/ア
クリロニトリル共重合体、ブタジエン/スチレン共重合
体、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタ
ール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げら
れる。これを洗浄成分を内包したマイクロカプセルとと
もに支持体に塗布、含浸または抄き込むことにより洗浄
成分を内包したマイクロカプセルを担持する力を増強す
ることができる。
【0030】また、支持体が、洗浄成分を内包したマイ
クロカプセルを担持する力を増強する目的で、ミクロフ
ィブリル化セルロースを用いることもできる。ミクロフ
ィブリル化セルロースとは、結晶度の高いセルロース繊
維を高度に微細化した繊維である。ミクロフィブリル化
セルロースは木材パルプ等を、コニカルリファイナー等
の機械的せん断力による方法等で粉砕して得ることがで
きる。これを洗浄成分を内包したマイクロカプセルとと
もに支持体に塗布、含浸または抄き込むことにより洗浄
成分を内包したマイクロカプセルを担持する力を増強す
ることができる。
【0031】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳しく説明
する。
【0032】実施例1 (A)洗浄成分を内包したマイクロカプセルの分散液の
作製 [初期縮合物の調製]メラミン粉末5gに37%ホルム
アルデヒド水溶液6.5gと水10gを加え、pHを8
に調製した後、約70℃まで加熱しメラミン−ホルムア
ルデヒド初期縮合物水溶液を得た。
【0033】[乳化工程]pHを4.5に調整した5%
のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水
溶液100g中に、洗浄成分としてオクタン80gを激
しく攪拌しながら添加し、粒子径が10μmになるまで
乳化を行なった。
【0034】[カプセル化工程]上記乳化液に上記メラ
ミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加し
70℃で2時間攪拌を施した後、pHを9に調整して、
洗浄成分を内包したマイクロカプセルカプセルの分散液
を得た。
【0035】(B)拭き取り媒体の作製 (A)で調製した洗浄成分を内包したマイクロカプセル
カプセルの分散液を、平均繊度5デニール、平均繊維長
15μm、坪量50g/m2、厚み0.5mmのポリプ
ロピレン繊維不織布に、固形分塗抹量30g/m2とな
る様に塗抹し、50℃のオーブンで乾燥して拭き取り媒
体を得た。
【0036】実施例2 実施例1の(B)で平均繊度5デニール、平均繊維長1
5μm、坪量50g/m2、厚み0.5mmのポリプロ
ピレン繊維不織布を用いる代わりに、ワイピング紙(十
條キンバリー製キムタオル)を用いた他は、実施例1と
同様にして拭き取り媒体を得た。
【0037】実施例3 実施例1の(B)で平均繊度5デニール、平均繊維長1
5μm、坪量50g/m2、厚み0.5mmのポリプロ
ピレン繊維不織布を用いる代わりに、布ウエスを用いた
他は、実施例1と同様にして拭き取り媒体を得た。
【0038】実施例4 実施例1の(B)で平均繊度5デニール、平均繊維長1
5μm、坪量50g/m2、厚み0.5mmのポリプロ
ピレン繊維不織布を用いる代わりに、ポリプロピレンと
エチレン−ビニルアルコール共重合体とからなる平均繊
度5デニール、繊維分割後0.3デニール、平均繊維長
15μm、坪量50g/m2、厚み0.5mmの分割型
複合繊維を用いた他は、実施例1と同様にして拭き取り
媒体を得た。
【0039】実施例5 実施例1の(B)で平均繊度5デニール、平均繊維長1
5μm、坪量50g/m2、厚み0.5mmのポリプロ
ピレン繊維不織布を用いる代わりに、平均繊度5デニー
ル、平均繊維長15μm、坪量50g/m2、厚み0.
5mmのポリプロピレン繊維不織布に水流交絡処理を施
した不織布を用いた他は、実施例1と同様にして拭き取
り媒体を得た。
【0040】実施例6 実施例1の(A)の[乳化行程で]でオクタンを用いる
代わりに、炭化水素系溶剤(エクソン化学製エクソール
D80)を用いた他は、実施例1と同様にして拭き取り
媒体を得た。
【0041】実施例7 実施例1の(A)の[乳化行程で]でオクタンを用いる
代わりに、キリ油を用いた他は、実施例1と同様にして
拭き取り媒体を得た。
【0042】実施例8 (C)洗浄成分を内包したマイクロカプセルの分散液の
作製 洗浄成分である5%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム水溶液100gに、ジエチレントリアミン3gを溶
解した。この溶液を、5%ポリビニルブチラールのキシ
レン溶液100g中に添加し、体積平均粒子径が8μm
になるまで乳化した。ついで、この乳化液を撹拌しなが
ら、ビュレット型脂肪族イソシアネートプレポリマー
(住友バイエルウレタン製スミジュールN−3200)
6gを含むキシレン溶液50gを添加し、60℃で1時
間加熱撹拌を施して洗浄成分を内包したマイクロカプセ
ルの分散液を得た。
【0043】(D)拭き取り媒体の作製 (C)で調製した洗浄成分を内包したマイクロカプセル
カプセルの分散液を、平均繊度5デニール、平均繊維長
15μm、坪量50g/m2、厚み0.5mmのポリプ
ロピレン繊維不織布に、固形分塗抹量30g/m2とな
る様に塗抹し、50℃のオーブンで乾燥して拭き取り媒
体を得た。
【0044】比較例1 平均繊度5デニール、平均繊維長15μm、坪量50g
/m2、厚み0.5mmのポリプロピレン繊維不織布を
拭き取り媒体としてそのまま用いた。
【0045】比較例2 ワイピング紙(十條キンバリー製キムタオル)を拭き取
り媒体としてそのまま用いた。
【0046】比較例3 布ウエスを拭き取り媒体としてそのまま用いた。
【0047】比較例4 ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体
とからなる平均繊度5デニール、繊維分割後0.3デニ
ール、平均繊維長15μm、坪量50g/m2、厚み
0.5mmの分割型複合繊維をそのまま用いた。
【0048】比較例5 平均繊度5デニール、平均繊維長15μm、坪量50g
/m2、厚み0.5mmのポリプロピレン繊維不織布に
水流交絡処理を施した不織布をそのまま用いた。
【0049】比較例6 平均繊度5デニール、平均繊維長15μm、坪量50g
/m2、厚み0.5mmのポリプロピレン繊維不織布に
オクタンをしみこませ拭き取り媒体として用いた。
【0050】試験1(機械油の拭き取り性) 実施例1〜8および比較例1〜6の拭き取り媒体を用い
て、ガラス板に付着した機械油を拭き取った。拭き取り
性、使用感を表1に示した。
【0051】試験2(マーキングペンのインクの拭き取
り性) 実施例1〜8および比較例1〜6の拭き取り媒体を用い
て、ガラス板にマーキングペン(ゼブラ製ZEBRAマ
ッキー油性 黒色)を用いて書いた落書きを拭き取っ
た。拭き取り性、使用感を表2に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】表1、2に示した様に、支持体に、常温
で液体の洗浄成分を内包したマイクロカプセルを担持さ
せたことを特徴とする拭き取り媒体により、利便性に優
れ、拭き取り性が高く、また人体や環境への悪影響を少
なくした拭き取り媒体を提供することができた。また、
洗浄成分に、揮発性の有機溶剤を用いることにより、付
着物が親油性の場合、および特に付着物が親油性の固体
の場合に、非常に高い拭き取り性を有する拭き取り媒体
を提供することができた。さらに、支持体に、不織布を
用いることにより、拭き取り性能、使いやすさ、破れ難
さ等に優れた拭き取り媒体を提供することができた。支
持体に用いる不織布を、分割型複合繊維を主成分とする
不織布とすることにより、拭き取り性能を向上すること
ができ、支持体に用いる不織布を、水流交絡不織布とす
ることにより、強度に優れた拭き取り媒体を提供するこ
とができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体に、常温で液体の洗浄成分を内包
    したマイクロカプセルを担持させたことを特徴とする拭
    き取り媒体。
  2. 【請求項2】 洗浄成分が、揮発性の有機溶剤であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の拭き取り媒体。
  3. 【請求項3】 支持体が、不織布であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の拭き取り媒体。
  4. 【請求項4】 不織布が、分割型複合繊維を主成分とす
    ることを特徴とする請求項3記載の拭き取り媒体。
  5. 【請求項5】 不織布が、水流交絡不織布であることを
    特徴とする請求項3記載の拭き取り媒体。
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