JPH10140431A - タスラン加工糸 - Google Patents

タスラン加工糸

Info

Publication number
JPH10140431A
JPH10140431A JP31261796A JP31261796A JPH10140431A JP H10140431 A JPH10140431 A JP H10140431A JP 31261796 A JP31261796 A JP 31261796A JP 31261796 A JP31261796 A JP 31261796A JP H10140431 A JPH10140431 A JP H10140431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
taslan
loop
kurtosis
lyocell fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31261796A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Uto
博司 宇都
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31261796A priority Critical patent/JPH10140431A/ja
Publication of JPH10140431A publication Critical patent/JPH10140431A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タスラン加工糸を織物の経糸に使用すると
き、製織時のファスナー現象を抑制し、更に膨らみ感を
損なわないタスラン加工糸の提供。 【解決手段】 リヨセル繊維マルチフィラメントのタス
ラン加工糸であって、該加工糸のループ毛羽面積の平均
値が0.2〜0.4mm2 であり、ループ毛羽面積の度
数分布曲線と標準分布曲線との相対的な鋭角度を表した
尖度が8〜12であるタスラン加工糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファスナー現象を
抑制したリヨセル繊維からなるタスラン加工糸に関する
ものである。更に詳しくは、本発明は、製織時のファス
ナー現象を抑制しつつ、織物の膨らみ感を損なわないリ
ヨセル繊維からなるタスラン加工糸に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、リヨセル繊維のような再生セルロ
ース系繊維よりなるタスラン加工糸は製織時、加工糸の
ループ毛羽同士が絡み合い、ファスナー現象の原因にな
っていた。また、ファスナー現象を抑制しようと撚りを
掛けてループ毛羽を小さくすると本来のバルキー性が損
なわれ、布帛の特長を生かせた製品ができないという問
題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、該リ
ヨセル繊維のタスラン加工糸を経糸にそのまま使用する
とき、製織時のファスナー現象を抑制し、膨らみ感を損
なわないタスラン加工糸を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リヨセル
繊維のタスラン加工糸について一定の嵩高性を維持し、
製織時のファスナー現象を抑制すべく鋭意研究した結
果、水膨潤度をコントロールし、沸水収縮率を小さくす
ることにより、水付与タスラン加工時に均一で微細なル
ープ毛羽を作り、またできた布帛を熱水で処理してもル
ープ毛羽の形態を均一で一定の範囲内の面積で維持する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、リヨセル繊維セルロース
マルチフィラメントのタスラン加工糸であって、該加工
糸のループ毛羽面積の平均値が0.2〜0.4mm2
あり、ループ毛羽面積の度数分布曲線と標準分布曲線と
の相対的な鋭角度を表した尖度が8〜12であるタスラ
ン加工糸に関する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
リヨセル繊維マルチフィラメント糸よりなるループ毛羽
面積及び尖度の解析法は、パソコン版画像解析システム
IP−1000PCによるもので、糸長5mm間の糸側
面からでているループ毛羽形状を画像入力してループ毛
羽面積を定量評価したものであり、また、尖度はこのル
ープ毛羽面積を統計処理して求めたものであり、このル
ープ毛羽面積が0.2〜0.4mm2 、好ましくは0.
25〜0.35mm2 であることを要する。
【0007】このループ毛羽面積が0.2mm2 未満で
は嵩高性に乏しく、また、0.4mm2 を越えると製織
時のファスナー現象が発生し、従来のタスラン加工糸同
様に、製織性が大幅に低下する。また、尖度とは、対象
となるデータの分布を標準分布と比較して、度数分布曲
線の相対的な鋭角度または平坦度を数値で表したもので
ある。尖度が正の数になる場合には、度数分布曲線が相
対的に鋭角になっていることを表し、また、負の数にな
る場合には、相対的に平坦になっていることを表すもの
である。
【0008】この尖度値が8〜12、好ましくは8.5
〜11.0であることを要する。この尖度が8未満では
ループ毛羽の形状のバラツキが大きく、製織時のファス
ナー現象につながる恐れがあり、また、尖度12を越え
るものを製造することは極めて困難である。また、本発
明におけるリヨセル繊維マルチフィラメント繊維とは、
有機溶媒紡糸により得られたセルロース繊維のことを意
味する。リヨセル繊維には、例えば、特公昭60−28
848号公報に記載されているように、基本的にセルロ
ースの有機溶媒に溶解されたセルロースと水等の非溶媒
を含む溶液を空気中又は非沈殿性媒体中に紡糸し、(紡
糸口金から出た繊維形成溶液を送出速度より速い速度で
3倍以上の延伸倍率に引張って)延伸した後に非溶液で
処理することにより得られたセルロース繊維を挙げるこ
とができる。
【0009】この際の有機溶媒は公知の溶媒であって良
く、例えば、特公昭60−28848公報に開示されて
いる下記アミンオキシド類であっても差し支えなく、ま
た別種の溶媒であっても良い。この場合に、有機溶媒と
して使用できるアミンオキシド類には、例えば、第3級
アミンN−オキシド(例えばトリメチルアミンの、トリ
エチルアミンの、トリプロピルアミンの、モノメチルジ
エチルアミンの、ジメチルモノエチルアミンの、モノメ
チルジプロピルアミンのオキシド);N−ジメチル、N
−ジエチル、N−ジプロピルシクロヘキシルアミンのオ
キシド;ピリジンのオキシド;N−メチルモルホリンN
−オキシド等の環状モノ(N−メチルアミン−N−オキ
シド)などが挙げられる。N−メチルモルホリンN−オ
キシドの使用が好ましい。
【0010】また、本発明におけるリヨセル繊維は、そ
の繊維形態がマルチフィラメントでなければならない
が、繊維の太さ、断面形状などについては特に制限され
ることはない。一般に繊維構造体として用いられるマル
チフィラメント糸のトータルデニールでは20〜300
d、好ましくは100〜300dの範囲であり、単糸デ
ニールでは0.5〜10d、好ましくは1.8〜10d
の範囲である。
【0011】本発明では、該リヨセル繊維に水付与した
後、タスラン加工することによって、平均ループ毛羽面
積0.2〜0.4mm2 、尖度8〜12のタスラン加工
糸が得られる。ここで、タスラン加工とは、流体を使用
してループ状の毛羽を発生させ嵩高性を付与する方法で
あって、流体攪拌室に供給された糸が、高圧乱流体によ
ってフィラメントの開繊混繊が行なわれ、糸が流体と共
にノズルから排出され、糸を流体の進行方向に対してほ
ぼ直角に引き取ることによって、開繊混繊された糸ハそ
の進路変換点において流体の渦の中で激しく動き回り、
巻き込みと絡みが発生し、流体から離脱する時に流体に
よる引取りと糸への仮撚りが入り、絡みの強い紡績糸様
の糸になる。
【0012】また、流体攪拌室に入る前に、水を付与す
ることにより開繊性が更に良くなり、絡みの強さも向上
する。なお、水の付着量は1〜4%owf、好ましくは
2〜3%owf程度でよく、付着方法としては通常、噴
水式の水の中を通過させる方式である。
【0013】また、その他のタスラン加工糸の製造条件
として、フィード率は+6〜+10%、空気圧は4〜6
kg/cm2 のヘマージェットノズルを通過させ、テイ
クアップ率−1.0〜−2.0%で加工する。また、2
プライの糸を得るには、芯糸のフィード率=+4.0〜
+6.0%、鞘糸のフィード率=+10〜+15%が好
ましい。水を付与しない時は糸の開繊性が悪く、平均ル
ープ毛羽面積が0.2mm2 未満、尖度が8未満とな
り、バルキー性の不足及びファスナー現象の原因とな
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明の範囲は実施例のみに限定されるものではな
い。 平均ループ毛羽面積と尖度は、タスラン加工糸を画
像解析システムIP−1000PCにてN=20本とっ
て糸1本につきループ毛羽面積測定回数を5回(トータ
ルN数=100)とし求めた。
【0015】 ファスナー現象は、エアージェットル
ームで回転数を500rpmにおける経因停台回数で評
価した。 嵩高性の評価は、一口編地を作り、洗濯前と洗濯5
回後の膨らみ感を官能評価し、以下の判定とした。
【0016】(リヨセル繊維の製造)特公昭60−28
848号公報に記載されている製造方法に従い、パルプ
とN−メチルモルホリンN−オキシド水溶液を混合槽に
入れて減圧下で混合し、セルロース濃度10.0%のセ
ルロース溶液を製造した。該セルロース溶液を124℃
の吐出温度で、表1の条件によってエアーギャップ紡糸
を行った。紡糸された糸は水洗によって精練を行い、乾
燥、巻取りを経て表1に示す物性値をもつ67d/50
fのリヨセル繊維マルチフィラメント糸を得た。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例1〜3)表1記載の試験糸を芯糸
及び鞘糸に用いて、芯糸のフィード率+4.0%、鞘糸
のフィード率+10%、2%owf水付与後、各種のヘ
マージェットノズルを通過させ、空気圧を変化させてリ
ヨセル繊維のタスラン加工糸を得た。得られたタスラン
加工糸を評価した結果を表2に示す。
【0019】(比較例1)表1記載の試験糸を用いて、
水付与せずにその他の加工条件は実施例1と同条件でタ
スラン加工した加工糸を実施例1と同様に評価した結果
を表2に示す。
【0020】(比較例2)ビスコースレーヨンマルチフ
ィラメント(75d/33f)を用いて、実施例1と同
条件にて2%owf水付与してからタスラン加工した加
工糸を実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0021】
【表2】 表2からも明らかなように、製織時、本発明のリヨセル
繊維のタスラン加工糸をそのまま経糸に用いてもループ
毛羽による経因停台を防止することができ、かつ洗濯後
の膨らみ感を損なわない布帛を製造できる。
【0022】
【発明の効果】以上の通り、本発明のリヨセル繊維のタ
スラン加工糸は、膨らみ感を損なわずに製織時のファス
ナー現象を抑制し、かつこのタスラン加工糸でできた布
帛を洗濯しても膨らみ感も維持する効果を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リヨセル繊維マルチフィラメントのタス
    ラン加工糸であって、該加工糸のループ毛羽面積の平均
    値が0.2〜0.4mm2 であり、ループ毛羽面積の度
    数分布曲線と標準分布曲線との相対的な鋭角度を表した
    尖度が8〜12であることを特徴とするタスラン加工
    糸。
JP31261796A 1996-11-11 1996-11-11 タスラン加工糸 Pending JPH10140431A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31261796A JPH10140431A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 タスラン加工糸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31261796A JPH10140431A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 タスラン加工糸

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10140431A true JPH10140431A (ja) 1998-05-26

Family

ID=18031365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31261796A Pending JPH10140431A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 タスラン加工糸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10140431A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6306334B1 (en) Process for melt blowing continuous lyocell fibers
US5403530A (en) Elongate member production method
WO1995024520A1 (en) Fibre production process and fibre produced thereby
US2249745A (en) Cellulosic structures and method of producing same
EP3564417A1 (en) Lyocell fiber, nonwoven fabric aggregate comprising same, and mask pack sheet comprising same
US2515834A (en) Cellulose filaments and method of producing same
US3277226A (en) Viscose rayon fiber and method of making same
JPH09143836A (ja) フィブリル化芯鞘複合紡績糸織編物
CN114174572A (zh) 生产莱赛尔短纤维的方法
EP0362825B1 (en) Viscose rayon fiber having superior appearance
JPH10140431A (ja) タスラン加工糸
JP2012077406A (ja) ポリエステル潜在捲縮加工糸及びその製造方法
EP4092185A1 (en) Fibrillated regenerated cellulose fiber, and fabric using same
JPH06306764A (ja) 化合繊複合布帛
JP2010216061A (ja) セルロース極細繊維綿
JPH1037029A (ja) 先撚嵩高加工糸
JP3285696B2 (ja) 特殊レーヨン糸の製造法
JP3059656B2 (ja) ポリエステル系混繊糸
JPH10259568A (ja) 改質アセテート繊維織編物及びその製造方法
JPH09111646A (ja) スパン調布帛
JPH1077570A (ja) セルロースマルチフィラメントと綿とを含有する繊維構造物の製法
US3420814A (en) Process for producing artificial staple fibers
JP3391613B2 (ja) クレープ織物及びその製法
JP3748090B2 (ja) 混繊糸の製造法
JPS5839928B2 (ja) タンセンイソクノ セイゾウホウホウ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20031202

A521 Written amendment

Effective date: 20040130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040202