JP3391613B2 - クレープ織物及びその製法 - Google Patents

クレープ織物及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機溶媒より紡糸さ
れた高強力セルロ−スマルチフィラメント糸からなるク
レープ織物およびその製法に関するもので、さらに詳し
くは、均一でシボ感の良好なクレープ織物及びその製法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の再生セルロ−ス系繊維は、均一か
つ良好なシボを有するクレープ織物が得られにくかっ
た。その改善方法としては、液流、ワッシャ−染色機等
での揉み効果による積極的なシボ立てなど、解撚力を増
加させる工夫がなされていたが、このようにして得られ
たクレープ織物は、シボが立ちにくく、シボの形態も不
均一であるという問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の様な問題を解消し得る、即ち均一でシボ感の良好でか
つクレープ織物であるセルロ−スマルチフィラメント糸
からなるクレープ織物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、有機溶
媒より紡糸された、高強力セルロ−スマルチフィラメン
ト糸とクレープ織物について鋭意検討を重ねるうちに、
シボ立て性が布帛を構成する糸物性によって大きく左右
される事を見いだした。即ち、有機溶媒より紡糸された
高強力セルロ−スマルチフィラメント糸は、一度応力が
かかってついた歪みは形状として保持されやすいという
特徴を持つために、撚糸することによってついた歪み、
すなわち撚りを、布帛の状態でシボを立たせようとして
も、解撚力が乏しいために、シボが均一に立たないとい
う問題が起こる。
【0005】これらの問題を解決する為には、応力がか
かってできた歪みを取りやすくしてやればよい事がわか
り、本発明に至った。即ち、本発明の第1は、布帛を構
成する経糸及び/又は緯糸が、乾燥時の破断強度2.8
〜4.0g/d、乾燥時の破断伸度13〜20%であ
り、かつ該糸の強伸度曲線が、伸度5%時の強度が0.
2〜1.0g/dを、伸度10%時の強度が0.4〜
2.5g/dの領域を通ることを特徴とする有機溶媒よ
り紡糸されたセルロ−スマルチフィラメントを用いたク
レープ織物であり、第2は、有機溶媒より紡糸された高
強力セルロ−スマルチフィラメントからなる、撚り係数
Kが8500<K(但し、K=T×D1/2 (T:撚り数
T/m;D:デニ−ル)とする)を満足する撚糸を経
糸及び/又は緯糸に用いて成る布帛を解撚、シボ立てし
た後、該フィラメントの膨潤剤または溶剤を含む溶液に
接触させることを特徴とする有機溶媒より紡糸されたセ
ルロースマルチフィラメントを用いたクレープ織物の製
法、である。
【0006】以下本発明を詳述する。本発明に用いられ
るセルロ−スマルチフィラメントは、乾燥時の破断強度
2.8〜4.0g/d、乾燥時の破断伸度13〜20%
であることを大きな特徴とする。有機溶媒より紡糸され
たセルロ−ス繊維の持つ強力の高さを生かし、かつ優れ
たシボ立ち性を有するためには、乾燥時の破断強度2.
8〜3.5g/d、乾燥時の破断伸度13〜16.5%
であることがさらに好ましい。
【0007】また、本発明に用いられるセルロ−スマル
チフィラメントは、後述する方法で測定した該糸の強伸
度曲線が特定の挙動をとる、すなわち特定の領域を通る
ことを大きな特徴とする。特定の領域というのは、伸度
5%時の強度が0.2〜1.0g/d、好ましくは0.
3〜0.8g/dを、伸度10%の強度が0.4〜2.
5g/d、好ましくは1.0〜2.5g/dの領域のこ
とをいう。本発明に用いられるセルロ−スマルチフィラ
メント(後述する実施例2)の強伸度曲線の一例を図1
に示す。糸の強伸度曲線が当該領域を通るということ
は、強伸度曲線の初期の立ち上がりがゆるやかであり、
また、破断に至るまでの曲線の立ち上がりは大きく、破
断強伸度共に大きい。このことにより、当該セルロ−ス
マルチフィラメントを用いたクレープ織物は、糸に撚糸
することによってついた歪み、すなわち撚りを、布帛の
状態でシボを立たせようとした場合、解撚力に優れ、得
られたシボは均一である。
【0008】このような有機溶媒より紡糸されたセルロ
−スマルチフィラメント糸は、天然セルロ−スを溶解す
る有機溶媒に、セルロ−スを溶解させてセルロ−ス溶液
となし、この溶液を紡糸液として用いる湿式紡糸さらに
は乾式紡糸によって得ることができる。この際の有機溶
媒は公知の溶媒であってよく、例えば特公昭60−28
848号公報に開示されている第3級アミン−N−オキ
シド等であっても差し支えなく、また別種の溶媒であっ
てもよい。本発明のクレープ織物は、上記セルロ−スマ
ルチフィラメントを少なくとも経糸、又は緯糸に用いて
なるものであり、他素材との複合については、セルロ−
ス繊維の混率が50%以上であることが望ましい。
【0009】次に、本発明のクレープ織物の製法につい
て詳述する。すなわち、有機溶媒より紡糸された高強力
セルロ−スマルチフィラメントからなる、撚り係数Kが
8500<K(但し、K=T×D1/2 (T:撚り数 T
/m;D:デニ−ル)とする)を満足する撚糸を経糸及
び/又は緯糸に用いて成る布帛を解撚、シボ立てした
後、該フィラメントの膨潤剤または溶剤を含む溶液に接
触させることを特徴とする。 本発明で用いる撚糸は撚
り係数Kが8500以上でなければならない。それ以下
であると十分なシボ感が得られない。好ましくは、85
00〜27000である。
【0010】該撚糸を用いて布帛にし、続いて、解撚、
シボ立て処理を行う。これらは、公知のワッシャー染色
機、液流染色機等を用いて行うことができる。その後、
該布帛を高強力セルロ−ス繊維の膨潤剤、又は溶剤を用
いて処理する。該膨潤剤又は溶剤としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ剤、液体アンモニウ
ム、更にはNN’−ジメチルホルムアミド、NN’−ジ
メチルスルホキシド、N−モルホリン−N−オキシド等
の有機溶媒等であり、中でもアルカリ溶液処理が最も好
ましい態様である。該膨潤剤又は、溶剤を使用するにあ
たっては、原糸物性が極端に低下しない条件にて実施す
る。
【0011】該膨潤剤又は、溶剤で処理をするのは、解
撚シボ立て後、精練後、染色後、仕上げ加工後、最終製
品後等の、解撚シボ立て後以降のどの工程にて行っても
シボ立て性には影響しない。しかしながら、極端な強度
低下や、製品の品位を著しく損なうことを考慮すると、
解撚シボ立て後から染色前までに行うのが好ましい。ま
た処理後は完全に、該膨潤剤又は、溶剤を完全に除去し
なければならない。該膨潤剤又は、溶剤の処理濃度は、
例えば、アルカリ剤を用いた処理の場合、アルカリ剤濃
度90〜150g/L以下となした特定の濃度のアルカ
リ水溶液を用いる。アルカリ剤が150g/Lを越える
濃度では均一なシボ立てに良好な効果が認められるが、
製品布帛として要求される実用的な強度を保持し得な
い。又、90g/L未満の濃度では本発明目的を達成し
得るシボ立て効果を得難い。
【0012】本発明におけるアルカリ処理温度は30〜
80℃が好ましく、30℃より低温では処理布帛の強度
低下が大きく、80℃を越えると黄変が発生するために
好ましくない。アルカリ処理時間は5〜90分が好まし
く、それ以上では強度が低下する可能性が大きい。アル
カリ処理後は酸もしくは温水で、中和し水洗を行う。こ
のアルカリ水溶液で布帛を処理する場合、アルカリ水溶
液により処理、および中和の工程は拡布状態で行わなけ
ればならない。拡布状態であれば、連続式、バッチ式と
ともに可能である。例えば、連続式には連続精練機、バ
ッジ式にはジッガ−染色機やパッドバッチ機等を用いれ
ばよい。しかし、処理時間が短時間であることから、連
続式の方がより好ましい。
【0013】
【実施例】以下、実施例を以って本発明を詳細する。
尚、物性評価は以下の方法で行った。 (1)布帛から解体した糸の強伸度測定;JIS−L−
1013に従い、布帛から解体した緯糸の乾燥時の強伸
度を測定した。 (2)加工後の生地のシボ立て性;加工後の生地を広
げ、目視によってシボ立ての判定を行った。判定基準と
しては以下のとおりで合格については○のみとする。 また、もちいた試験糸は次のように製造した。すなわ
ち、特公昭60−28848号公報に記載されている製
造方法にしたがい、パルプとN−モルホリンN−オキシ
ド水溶液を混合槽にいれて減圧下で混合し、セルロ−ス
濃度10.0%のセルロ−ス溶液を製造した。該セルロ
−ス溶液を124℃の吐出速度で表1の条件によってエ
アギャップ紡糸を行った。紡糸された糸は、水洗によっ
て精練を行い、乾燥、巻き取りを経て表1の物性値をも
つ75d/50fのマルチフィラメント糸を得た。
【0014】
【実施例1〜2、比較例1〜3】表1記載の試験糸を、
イタリ−撚糸機で、撚り数2500T/m(撚り係数K
=21650)で、S撚り、Z撚りの2種類を撚糸を作
り、経密度85本/インチ(SZ)、緯密度80本/イ
ンチ(SZ)の平ジョ−ゼットを試料として、ワッシャ
ーを用い、解撚シボ立てを行い、液流染色機を用いて、
表2記載の条件で精練、アルカリ処理、次に表3記載の
条件で染色を行う。さらに柔軟加工剤(ニッカMS−1
F(メチロ−ルアマイド系柔軟剤))10g/L水溶液
をディップニップし、ピンテンタ−型乾燥機にて130
℃×2分の乾燥仕上げ加工を行った。
【0015】
【実施例3】表1記載の試験糸を、イタリ−撚糸機で、
撚り数1000T/m(撚り係数K=8660)で、S
撚り、Z撚りの2種類を撚糸を作り、経密度85本/イ
ンチ(SZ)、緯密度80本/インチ(SZ)の平ジョ
−ゼットを試料として、それ以外は実施例1と同様の操
作を行った。
【0016】
【実施例4】表1記載の試験糸を、イタリ−撚糸機で、
撚り数2000T/m(撚り係数K=17320)で、
S撚り、Z撚りの2種類を撚糸を作り、経密度85本/
インチ(SZ)、緯密度80本/インチ(SZ)の平ジ
ョ−ゼットを試料として、それ以外は実施例1と同様の
操作を行った。
【0017】
【比較例4】表1記載の試験糸を、イタリ−撚糸機で、
撚り数850T/m(撚り係数K=7361)で、S撚
り、Z撚りの2種類を撚糸を作り、経密度85本/イン
チ(SZ)、緯密度80本/吋(SZ)の平ジョ−ゼッ
トを試料として、それ以外は実施例1と同様の操作を行
った。
【0018】
【実施例5】実施例1で得られた撚糸を経糸に、また表
1記載の試験糸を無撚の状態で、緯糸に用い、経密度8
5本/インチ(SZ)、緯密度80本/インチの平ジョ
−ゼットを試料として、それ以外は実施例1と同様の操
作を行った。
【0019】
【実施例6】表1記載の試験糸を無撚の状態で経糸に、
実施例1で得られた撚糸を緯糸に用い、経密度85本/
インチ、緯密度80本/インチ(SZ)の平ジョ−ゼッ
トを試料として、それ以外は実施例1と同様の操作を行
った。得られた織物の物性測定結果は表2に示した。表
2からも明らかなように、本発明のクレープ織物は、均
一でシボ感の良好な布帛にすることができる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明は以上詳述したように、クレープ
織物について、均一でシボ感の良好なものを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるセルロ−スマルチフィラメ
ント糸の強伸度曲線の一例を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛を構成する経糸及び/又は緯糸が、
    乾燥時の破断強度2.8〜4.0g/d、乾燥時の破断
    伸度13〜20%であり、かつ該糸の強伸度曲線が、伸
    度5%時の強度が0.2〜1.0g/dを、伸度10%
    時の強度が0.4〜2.5g/dの領域を通ることを特
    徴とする有機溶媒より紡糸されたセルロ−スマルチフィ
    ラメントを用いたクレープ織物。
  2. 【請求項2】 有機溶媒より紡糸された高強力セルロ−
    スマルチフィラメントからなる、撚り係数Kが8500
    <K(但し、K=T×D1/2 (T:撚り数 T/m;
    D:デニ−ル)とする)を満足する撚糸を経糸及び/又
    は緯糸に用いて成る布帛を解撚、シボ立てした後、該フ
    ィラメントの膨潤剤または溶剤を含む溶液に接触させる
    ことを特徴とする有機溶媒より紡糸されたセルロースマ
    ルチフィラメントを用いたクレープ織物の製法。
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