JPH10139947A - ポリエチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物

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JPH10139947A
JPH10139947A JP29601696A JP29601696A JPH10139947A JP H10139947 A JPH10139947 A JP H10139947A JP 29601696 A JP29601696 A JP 29601696A JP 29601696 A JP29601696 A JP 29601696A JP H10139947 A JPH10139947 A JP H10139947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性と耐衝撃性のバランスに優れる射出成形
に適したポリエチレン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)下記(a)〜(f)を満足するエ
チレン(共)重合体98〜50重量%、 (a)密度 0.86〜0.
97g/cm3 (b)メルトフローレート(MFR) 0.01〜10
0g/10min (c)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5 (d)組成分布パラメーターCb 2.00以下 (e)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(重量%)と密度dおよびMFRが イ)d-0.008 ×logMFR≧0.93の場合X<2.0 ロ)d-0.008 ×logMFR<0.93の場合X<9.8 ×103 ×
(0.9300 −d +0.008 ×log MFR)2+2.0 (f)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数である、および (B)プロピレン系重合体2〜50重量%未満を配合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛性と耐衝撃性の
バランスが良く、耐熱性に優れ射出成形に好適なポリエ
チレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】食料品や種々の日用雑貨品用の容器など
においては、内容物が充填された時や荷重がかかった時
に容易に変形せず構造物としての形状を維持するだけの
剛性が要求される。構造物としての剛性は材料固有の剛
性と構造物の形状に左右される。特にコストダウンのた
めに構造物の肉厚を薄くした場合には構造物としての剛
性が低くなるために剛性の高い材料を使用する必要があ
る。一方、肉厚が薄くなると構造物としての強度が低下
するため、耐衝撃性に優れた材料を使用する必要があ
る。また肉厚が薄くなることにより、射出成形を行う場
合に充填圧力が高くなって残留ひずみやフローマークが
発生しやすくなるため、流動性に優れた材料を使用する
必要がある。しかも高温での使用が可能なように耐熱性
が要求されている。従来、このような用途には各種ポリ
エチレン系材料が使用されてきたがいずれも以下のよう
な問題点をもっている。高圧法によって製造される低密
度ポリエチレンでは剛性が低く耐熱性も十分ではない。
またいわゆるチグラー系触媒によって製造される線状ポ
リエチレンでは成形性が悪く、密度を高くすることによ
り剛性を高くすることができるが、耐衝撃性が悪くな
る。ポリプロピレン系材料をブレンドすることにより剛
性や成形性を改良することもできるが、耐衝撃性が不十
分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題点を解決することにあり、特に剛性
と耐衝撃性のバランスに優れる射出成形に好適なポリエ
チレン系樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に沿って鋭意検討した結果、狭い分子量分布と適度な広
さの組成分布を有し、市販のメタロセン触媒により重合
された極めて狭い組成分布を有するものとは異なるエチ
レン(共)重合体にポリプロピレン系重合体を配合する
ことにより、剛性と耐熱性のバランスに優れる射出成形
に好適なポリエチレン系樹脂組成物が得られることを見
いだした。またさらに、これらの組成物を部分架橋する
ことにより、より優れた衝撃強度を有する組成物が得ら
れることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、第1に、 (A)下記(a)〜(f)を満足するエチレン(共)重
合体98〜50重量%、 (a)密度 0.86〜0.97g/cm3 (b)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min (c)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5 (d)組成分布パラメーターCb 2.00以下 (e)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(重量%)と密度dおよびMFRが イ)d-0.008 ×logMFR≧0.93の場合 X<2.0 ロ)d-0.008 ×logMFR<0.93の場合 X<9.8 ×103 ×(0.9300 −d +0.008 ×log MFR)2
+2.0 (f)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数である、および (B)プロピレン系重合体2〜50重量%未満からなる
ことを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物である。
【0006】本発明は、第2に、上記(A)エチレン
(共)重合体が少なくとも共役二重結合を持つ有機環状
化合物および周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触
媒の存在下に、エチレンを単独重合するかまたはエチレ
ンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合するこ
とにより得られるエチレン(共)重合体であることを特
徴とする第1に記載されたポリエチレン系樹脂組成物で
ある。
【0007】本発明は、第3に、第1または第2に記載
の(A)エチレン(共)重合体98〜50重量%および
(B)プロピレン系重合体2〜50重量%未満からなる
組成物を部分架橋させて得られることを特徴とするポリ
エチレン系樹脂組成物である。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の(A)エチレン(共)重合体はエチレン単独重合
体、あるいはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィ
ンより選ばれた一種以上との共重合体を含むものであ
る。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好
ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロ
ピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1な
どが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有
量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル
%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0009】本発明の(A)エチレン(共)重合体の密
度(a)は、0.86〜0.97g/cm3 、好ましく
は0.88〜0.945g/cm3 、より好ましくは
0.895〜0.93g/cm3 の範囲である。密度が
0.86g/cm3 未満では剛性、耐熱性が劣り、0.
97g/cm3 以上では耐衝撃性、耐環境応力劣化(E
SCR)が十分でない。
【0010】本発明の(A)エチレン(共)重合体のM
FR(b)は0.01〜100g/10min、好まし
くは0.1〜40g/10min、さらに好ましくは
0.5〜30g/10minの範囲にあることが望まし
い。なおMFRが0.01g/10min未満では成形
加工性が劣り、100g/10minを超えると耐衝撃
性、耐環境応力劣化などの機械的強度が低下する。
【0011】該エチレン(共)重合体の分子量分布Mw
/Mn(c)の算出方法は、ゲルパーミエイションクロ
マトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)を求め、この比Mw/Mn
を求めるものである。本発明のエチレン(共)重合体の
Mw/Mnは1.5〜4.5であり、好ましくは2.0
〜3.0、さらに好ましくは2.2〜2.9の範囲にあ
ることが望ましい。Mw/Mnが1.5未満では成形加
工性が劣り、4.5以上では耐衝撃性が劣る。
【0012】本発明のエチレン(共)重合体の組成分布
パラメーターCb(d)は2.00以下であり、共重合
体の場合には1.08〜2.00の範囲、好ましくは
1.10〜1.80、さらに好ましくは1.12〜1.
70の範囲にあることが望ましい。Cb値が2.00以
上では、耐衝撃性、耐環境応力劣化性の悪化や、成形品
のべたつき、熱収縮が大きくなる恐れがある。また共重
合体においてはCb値が1.08未満では耐熱性が低下
する恐れがある。
【0013】前記、該エチレン(共)重合体の組成分布
パラメーターCbの測定法は下記の通りである。
【0014】試料に耐熱安定剤を加え、ODCBに試料
濃度が0.2重量%となるように135℃で加熱溶解す
る。この加熱溶液を、けい藻土(セライト545)を充
填したカラムに移送し充満後0.1℃/minで25℃
まで冷却し、試料をセライト表面に析出沈着する。次
に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カ
ラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温しな
がら、各温度において、試料を溶解した溶液を採取す
る。この溶液を冷却後メタノールで試料を再沈後、ろ
過、乾燥し、各溶出温度における試料を得る。この分別
された試料の重量分率および分岐度(炭素数1000個
あたりの分岐数)を測定する。分岐度の測定は13C−
NMRにより求める。
【0015】このような方法で30℃から90℃で採取
した各フラクションについては次のような、分岐度の補
正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度
をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、
検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。
この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度と
する。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクショ
ンについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成
立しないのでこの補正は行わない。
【0016】次にそれぞれのフラクションの重量分率w
i を、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(bi
−bi-1 )で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対し
て相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組
成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラ
メーターCbを算出する。
【数1】 ここで cj とbj はそれぞれj番目の区分の相対濃度
と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組
成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がる
に従って値が大きくなる。
【0017】なお、エチレン・α−オレフイン共重合体
の組成分布を記述する方法は多くの提案がなされてい
る。例えば特開昭60−88016号では、試料を溶剤
分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分
率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値
処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度
(Cn)の比を求めている。この近似計算は、試料の分
岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が
下がり、市販のLLDPEについて測定を行うと相関係
数R2 はかなり低く、値の精度は充分でない。このCw
/Cnと本発明のCbとは、定義および測定方法が異な
る。
【0018】本発明の(A)エチレン(共)重合体の、
25℃におけるODCB可溶分量X(e)は、エチレン
(共)共重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量
成分の割合を示すものであり、耐熱性の低下や成形品表
面のベタツキあるいは強度の低下の原因となるため少な
いことが望ましい。ODCB可溶分の量は、共重合体全
体のα−オレフィンの含有量および平均分子量、すなわ
ち密度とMFRに影響される。従って、前記ODCB可
溶分の量X(重量%)は密度dとMFRの関係が、d-0.
008 ×logMFR≧0.93を満たす場合は2重量%未満、好ま
しくは1重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未
満であることが望ましい。また、dとMFRの関係が、
d-0.008 ×logMFR<0.93を満たす場合は X<9.8 ×10
3 ×(0.9300 −d +0.008 ×log MFR)2+2.0の関係を
満足し、好ましくはX<7.4 ×103 ×(0.9300 −d +0.
008 ×log MFR)2+1.0、さらに好ましくはX<5.6 ×
103 ×(0.9300 −d +0.008 ×log MFR)2+0.5の範囲
であることが望ましい。密度、MFRとODCB可溶分
の量が上記の関係を満たすことは、共重合体全体に含ま
れているα−オレフィンが遍在していないことを示して
いる。
【0019】なお、前記の25℃におけるODCB可溶
分量Xは、下記の方法により測定する。すなわち試料
0.5gを20mlのODCBに加え135℃で2時間
加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却す
る。この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン製フィル
ターでろ過してろ液を採取する。試料溶液であるろ液を
赤外分光器によりメチレンの非対称伸縮振動の波数29
25cm-1付近の吸収ピーク強度を測定し、あらかじめ
作成した検量線によりろ液中の試料濃度を算出する。こ
の値より、25℃におけるODCB可溶分を求める。
【0020】本発明のエチレン(共)重合体が、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体の場合は連続昇温溶出分別
法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線にお
いて、ピークが複数個ある(f)ことが必要であり、さ
らにその高温側のピークが85℃から100℃の間に存
在することが特に好ましい。このピークが存在すること
により、融点が高くなりまた結晶化度が上昇し成形体の
耐熱性および剛性が向上する。本発明の代表的な共重合
体の溶出温度−溶出量曲線を図1に示す通りであり、図
2のいわゆるメタロセン触媒による共重合体の溶出温度
−溶出量曲線とは明確に相違している。
【0021】本発明にかかわるTREFの測定方法は下
記の通りである。試料に耐熱安定剤を加え、ODCBに
試料濃度0.05重量%となるように135℃で加熱溶
解する。この加熱溶液5mlを、ガラスビーズを充填し
たカラムに注入した後、0.1℃/minの冷却速度で
25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着す
る。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しなが
ら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温し、各
温度において溶液に溶解可能な試料を順次溶出させる。
この際、溶剤中の試料濃度はメチレンの非対称伸縮振動
の波数2925cm-1に対する吸収を赤外検出器で連続
的に検出される。この濃度から、溶出温度−溶出量曲線
を得ることができる。TREF分析は極少量の試料で、
温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来る
ため、分別法では検出出来ない比較的細かいピークの検
出が可能である。
【0022】本発明の(A)エチレン(共)重合体の製
造法は、前記(a)〜(f)の条件を満たす(共)重合
体が得られれば、特に制限はないが、好ましくは少なく
とも共役二重結合を持つ有機環状化合物および周期律表
第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、エチレ
ンを単独重合するかまたはエチレンと炭素数3〜20の
α−オレフィンを共重合することが望ましい。具体的に
は以下のE1〜E4からなる触媒を用いて重合すること
が望ましい。すなわち、E1:一般式Me1 1 p 2
q (OR3 r 1 4-p-q-r で表される遷移金属化合物
化合物(式中Me1 は周期律表第IV族の遷移金属を示
し、R 1 およびR3 は各々炭素数1〜24の炭化水素基
を示し、R2 は2,4−ペンタンジオナト配位子または
その誘導体、またはジベンゾイルメタナト配位子、ベン
ゾイルアセトナト配位子などの誘導体を示し、X1 はハ
ロゲン原子を示し、p、qおよびrは各々0≦p<4、
0≦q<4、0≦r<4、0≦p+q+r≦4の範囲を
満たす整数である)、E2:一般式Me2 4 m (OR
5 n 2 z-m-nで表される化合物(式中Me2 は周期
律表第I〜III 族元素を示し、R4 およびR5 は各々炭
素数1〜24の炭化水素基を示し、X2 はハロゲン原子
または水素原子(ただし、X2 が水素原子の場合はMe
2 は周期律表第III 族元素の場合に限る)を示し、zは
Me2 の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0
≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n
≦zである)、E3:共役二重結合を持つ有機環状化合
物、およびE4:有機アルミニウム化合物と水との反応
によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機ア
ルミニウムオキシ化合物および、またはホウ素化合物を
相互に接触させて得られる触媒である。
【0023】上記触媒成分(E1)の一般式Me1 1
p 2 q (OR3 r 1 4-p-q-rで表される化合物の
式中Me1 は好ましくはジルコニウム、チタン、ハフニ
ウムを示す。これらの遷移金属の種類は限定されるもの
ではなく、複数を用いることもできるが、得られる共重
合体の耐候性に優れる点でジルコニウムが含まれること
が特に好ましい。R1 およびR3 は各々炭素数1〜2
4、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜
8の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニ
ル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリ
チル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル
基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル
基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。R
2 は2,4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導
体、またはジベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルア
セトナト配位子などの誘導体を示す。X1 はフッ素、ヨ
ウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示し、p、
qおよびrは各々0≦p<4、0≦q<4、0≦r<
4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たす整数である。
【0024】上記触媒成分(E1)の化合物の例として
は、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニ
ウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラプロポキシ
ジルコニウム、トリプロポキシモノクロロジルコニウ
ム、ジプロポキシジクロロジルコニウム、テトラブトキ
シジルコニウム、トリブトキシモノクロロジルコニウ
ム、ジブトキシジクロロジルコニウム、テトラブトキシ
チタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げられ、こ
れらを2種以上混合して用いても差し支えない。
【0025】また、前記2,4−ペンタンジオナト配位
子またはその誘導体の具体例としては、テトラ(2,4
−ペンタンジオナト)ジルコニウム、トリ(2,4−ペ
ンタンジオナト)クロライドジルコニウム、ジ(2,4
−ペンタンジオナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニ
ウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジ−n−ブトキ
サイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)
ジベンジルジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナ
ト)ジネオフィルジルコニウム、テトラ(ジベンゾイル
メタナト)ジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)
ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナ
ト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾ
イルアセトナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ベ
ンゾイルアセトナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニ
ウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−ブトキサイ
ドジルコニウム等が挙げられる。これらを2種以上混合
して用いても差し支えない。
【0026】上記触媒成分(E2)の一般式Me2 4
m (OR5 n 2 z-m-n で表される化合物の式中Me
2 は周期律表第I〜III 族元素を示し、具体的にはリチ
ウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。R4 およ
びR5 は各々炭素数1〜24、好ましくは炭素数1〜1
2、さらに好ましくは1〜8の炭化水素基であり、具体
的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基な
どのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル
基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリ
ール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチ
リル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフ
イル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは
分岐があってもよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素およ
び臭素などのハロゲン原子または水素原子を示すもので
ある。ただし、X2 が水素原子の場合はMe2 はホウ
素、アルミニウムなどに例示される周期律表第III 族元
素の場合に限るものである。また、zはMe2 の価数を
示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲
を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0027】上記触媒成分(E2)の化合物の例として
は、メチルリチウム、エチルリチウムなどの有機リチウ
ム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウ
ム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウ
ムクロライドなどの有機マグネシウム化合物;ジメチル
亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;トリメチル
ボロン、トリエチルボロンなどの有機ボロン化合物;ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロラ
イド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミ
ニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキ
サイド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機
アルミニウム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0028】上記触媒成分(E3)の共役二重結合を持
つ有機環状化合物としては、環状で共役二重結合を2個
以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個
有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜2
4、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前
記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残
基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはア
ラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二
重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好まし
くは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭
素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水
素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が
部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩
(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ
素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれか
にシクロペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0029】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0030】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式で表示することができる。 AL SiR4-L ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される環状炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜24、好
ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基
などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ
基;ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。Lは
1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0031】上記成分(E3)の有機環状炭化水素化合
物の具体例としては、シクロペンタジエン、メチルシク
ロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−
ジメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−
1−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプ
タトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオク
タテトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレ
ンのような炭素数7〜24のシクロポリエンまたは置換
シクロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビ
スシクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジ
エニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニル
シラン、トリスインデニルシラン等が挙げられる。
【0032】触媒成分(E4)の有機アルミニウム化合
物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を
含む変性有機アルミニウムオキシ化合物としては、通常
アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムがあ
り、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個
のAl−O−Al結合を含有する。また、変性有機アル
ミニウム化合物は線状、環状のいずれでもよい。
【0033】有機アルミニウムと水との反応は通常不活
性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族または芳
香族炭化水素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物
との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜
1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であること
が望ましい。
【0034】触媒成分(E4)のホウ素化合物として
は、例えば、トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ブチルアンモ
ニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテ
トラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート等が挙げ
られる。
【0035】本発明では上記触媒成分(E1)〜(E
4)を相互に接触させることにより得られる触媒を、無
機担体および/または粒子状ポリマー担体(E5)に接
触させて重合反応に用いることもできる。
【0036】前記(E5)の無機物担体および/または
粒子状ポリマー担体としては、炭素物質、金属、金属酸
化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あ
るいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該
無機物担体に用いることができる好適な金属としては、
鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。具体的
にはSiO2 、Al2 3 、MgO、ZrO2 、TiO
2 、B2 3 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 等ま
たはこれらの混合物が挙げられ、SiO 2 −Al
2 3 、SiO2 −V2 5 、SiO2 −TiO2 、S
iO2 −V2 5 、SiO2 −MgO、SiO2 −Cr
2 3 等が挙げられる。これらの中でもSiO2 および
Al2 3 からなる群から選択された少なくとも1種の
成分を主成分とするものが好ましい。また、有機化合物
としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用
でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アク
リル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種
天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0037】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このまま使用することもできるが、好まし
くは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化
合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
化合物などに接触処理させた後に成分(E5)として用
いることもできる。
【0038】前記(A)エチレン(共)重合体は、気相
法、スラリー法、溶液法等で製造され、その際一段重合
法、多段重合法など特に限定されるものではない。
【0039】本発明の(B)プロピレン系重合体として
は、ポリプロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレ
フィンのブロック共重合体、プロピレンとα−オレフィ
ンのランダム共重合体等があり、プロピレンと炭素数2
〜8(但し炭素数3を除く)のα−オレフィンの1種ま
たは2種以上との共重合体、中でも特にプロピレン・エ
チレンブロック共重合体が剛性と耐衝撃強度を要求され
る用途には好ましいものである。該プロピレン系重合体
は、公知技術によりチグラー・ナッタ型触媒を用いて重
合される。
【0040】プロピレン・エチレンブロック共重合体は
エチレン含量は0.5〜15重量%が好ましい。このブ
ロック共重合体は曲げ弾性率と衝撃強度のバランスを要
求される場合に特に好ましく用いられる。
【0041】プロピレン・エチレンランダム共重合体の
α−オレフィンとして用いられるエチレンやブテン−1
の含量はそれぞれ1〜15重量%が好ましい。α−オレ
フィンの含量が1重量%未満の場合は衝撃強度が十分で
はない。また、α−オレフィンの含量が15重量%を超
える場合は剛性が低くなる虞が生じる。
【0042】プロピレン単独重合体は高い弾性率と耐熱
性を特に重視する用途に用いられる。
【0043】前記(B)プロピレン系重合体のメルトフ
ローレート(MFR)は通常0.1〜70g/10mi
n、好ましくは0.5〜60g/10minのものが用
いられる。MFRが0.1g/10min未満の場合は
流動性が悪く成形が難しくなる。また70g/10mi
nを超える場合は衝撃強度が弱く不適当である。これら
のMFRは重合された重合体を有機過酸化物とともに加
熱分解し調製したものであっても差し支えない。
【0044】本発明の(A)エチレン(共)重合体98
〜50重量%、(B)プロピレン系重合体2〜50重量
%未満からなる組成物をさらに架橋剤を添加して部分架
橋することにより、より衝撃強度に優れた組成物が得ら
れる。
【0045】本発明に用いられる架橋剤としては、通常
有機過酸化物が用いられる。具体的には2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ジイソプロピルベンゼン、(t−ブチルパーオキ
シ)ジイソブチルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t
−ブチルクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシド
ベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、p−クロルベンゾイルパーオキシドなどが
挙げられる。また架橋剤を使用しても良い。具体的には
液状ポリブタジエン、ジビニルベンゼン、エチレンジメ
タクリレート、ジアリールフタレートなどを挙げること
ができる。
【0046】これらの架橋剤の使用量は樹脂100重量
部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.03〜
1重量部である。0.01重量部未満では衝撃強度の改
良効果が充分ではなく、2重量部を超えると架橋が進行
しすぎて流動性が低下する。
【0047】部分架橋物を製造する方法としては、任意
の公知技術が使用できる。代表的な例は、上記組成物に
架橋剤を添加して機械的な混練を行う方法であり、一軸
および二軸押出機、バンバリーミキサー、各種ニーダ
ー、ロールなどを用いて部分架橋させることができる。
溶融混練の温度は一般に300℃以下であり、好ましく
は使用する架橋剤の半減期が1分以下となる温度で、通
常100〜300℃である。また架橋剤を含浸等により
混合した後、熱あるいは放射線によって部分架橋しても
よい。
【0048】本発明においては、発明の特性を本質的に
損なわない範囲において、必要に応じて、カーボンブラ
ック、炭酸カルシウム、シリカ、金属繊維、炭素繊維な
どの各種フィラーや酸化防止剤、難燃剤、滑剤、帯電防
止剤、防曇剤、顔料、紫外線吸収剤、分散剤などの公知
の添加剤や、フィラーの分散を助け、柔軟性や弾性を増
す目的でパラフィン系、ナフテン系あるいは芳香族系の
植物油などを配合してもよい。また部分架橋を行う場合
には、架橋の前後、ないし架橋時(特に混練時)に上記
添加剤を必要に応じ配合してもよい。さらに発明の特性
を本質的に損なわない範囲において、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンな
どの結晶性ポリオレフィン、天然ゴム、各種合成ゴム、
スチレン系熱可塑性樹脂などの各種樹脂やゴムを必要に
応じ配合してもよい。
【0049】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお本実施例に用いた試験法は以下の通りである。 (物性試験方法) エチレン・α−オレフィン共重合体および組成物 密度 :JIS K6760に準拠した。 MFR :JIS K6760に準拠した。 Mw/Mn :GPC ウォータース150型 溶媒:ODCB 135℃ カラム:東ソー(株)製GMM HR−H(S) 検量線:PS標準試料による 耐熱性(熱変形温度):JIS K7207に準拠した。 曲げ弾性率 :ASTM D790に準拠した。 アイゾット衝撃試験 :JIS K6758に準拠した。 ポリプロピレン MFR :JIS K6758に準拠した。
【0050】 (射出成形機による物性試験片の作成条件) 射出成形機 :(株)日本製鋼所 JSW100 型締力100 TON 成形樹脂温度 :220℃ 金型温度 :50℃ スパイラルフロー :樹脂温度 230℃ 金型温度 50℃ 射出圧力 1000kgf/cm2 流路断面 3.9mm(上辺)×3.2mm(下 辺)×2.4mm(厚み)
【0051】(エチレン・α−オレフィン共重合体の重
合) 固体触媒の調製窒素下で電磁誘導撹拌機付き触媒調製器
(No.1)に精製トルエンを加え、ついでジプロポキ
シジクロロジルコニウム(Zr(OPr)2 Cl2 )2
8gおよびメチルシクロペンタジエン48gを加え、0
℃に系を保持しながらトリデシルアルミニウムを45g
を滴下し、滴下終了後、反応系を50℃に保持して16
時間撹拌した。この溶液をA液とする。次に窒素下で別
の撹拌器付き触媒調製器(No.2)に精製トルエンを
加え、前記A溶液と、ついでメチルアルミノキサン6.
4molのトルエン溶液を添加し反応させた。これをB
液とする。次に窒素下で撹拌器付き調製器(No.1)
に精製トルエンを加え、ついであらかじめ400℃で所
定時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社製、グレー
ド#952、表面積300m2 /g)1400gを加え
た後、前記B溶液の全量を添加し、室温で攪拌した。つ
いで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の良い固体触
媒粉末を得た。これを触媒Cとする。
【0052】試料A1、A2の重合 連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度70
℃、全圧20kgf/cm2 Gでエチレンとブテン−1
の共重合を行った。前記触媒Cを連続的に供給して重合
を行ない、系内のガス組成を一定に保つため、各ガスを
連続的に供給しながら重合を行った。なお、試料量が足
りない場合はこれらの操作を繰り返して必要量を得た。
また、生成した共重合体の物性は以下の通りである。 A1 A2 MFR (g/10分) : 10.0 9.8 密度 (g/cm3 ) : 0.920 0.901 分子量分布(Mw/Mn): 2.8 2.8 ODCB可溶分(W%) : 2.7 10.2 Xの限界値(W%) : 5.2 16.1 Cb : 1.3 1.3 TREFピーク数 : 複数 複数 TREFピーク温度(℃): 95、75 95、55
【0053】試料A3の重合コモノマーとしてヘキセン
−1を用いてA1の重合と全く同様にして重合し試料A
3を得た。なお、生成した共重合体の物性は以下の通り
である。 A3 MFR (g/10分) : 10.0 密度 (g/cm3 ) : 0.920 分子量分布(Mw/Mn): 2.9 ODCB可溶分(W%) : 2.6 Xの限界値(W%) : 5.2 Cb : 1.3 TREFピーク数 : 複数 TREFピーク温度 : 96、86.5、62
【0054】使用したポリプロピレンは以下の通り (B1)プロピレン・エチレンブロック共重合体(BP
Pと称す) MFR:10g/10min.、エチレン含有量:7.
8重量% (B2)プロピレン・単独重合体(HPPと称す) MFR:10g/10min. (B3)プロピレン・エチレンランダム共重合体(RP
Pと称す) MFR:8g/10min.、エチレン含有量:4.3
重量% 他のエチレン・α−オレフィン共重合体 (A4)低密度線状ポリエチレン(LLDPEと称す) 四塩化チタン、トリエチルアルミニウム触媒を用いて気
相法にてエチレンとブテン−1を共重合して得た。(M
FR:10.0g/10min.、密度0.920g/
cm3 、ODCB可溶分7.8重量%)
【0055】(実施例1〜7)表1に示したように
(A)エチレン・α−オレフィン共重合体、(B)プロ
ピレン系重合体に酸化防止剤としてチバガイギー(株)
製イルガノックス10100.1重量%、チバガイギー
(株)製イルガフォス168 0.05重量%、酸吸収
剤としてステアリン酸カルシウム0.08重量%を加え
ヘンシェルミキサーで約30秒間混合した後、一軸押出
機で200℃でペレット化し、その後射出成形を行っ
た。結果を合わせて表1に示す。
【0056】(実施例8)(A)成分として(A1)8
0重量%、(B)成分として(B1)20重量%、酸化
防止剤としてチバガイギー(株)製イルガノックス10
10 0.1重量%、チバガイギー(株)製イルガフォ
ス168 0.05重量%、酸吸収剤としてステアリン
酸カルシウム0.08重量%、架橋剤として日本油脂
(株)製パーブチルP0.1重量%を加えヘンシェルミ
キサーで約30秒間混合した後、30mmφの二軸押出
機で210℃で押し出しとともに部分架橋を行った。そ
の後射出成形をし物性測定を行った。 組成物はMFR:7.9g/10min.、曲げ弾性率
4,500kgf/cm2 、アイゾット衝撃強さ(−3
0℃):11.0kgf・cm/cm2 、熱変形温度:
55℃、スパイラルフロー:440mmであり、曲げ弾
性率と衝撃強度のバランスがよい組成物である。
【0057】(比較例1)(A)成分としてエチレン・
α−オレフィン共重合体(A4)を用い実施例1と同様
の操作を行った。結果を表2に示す。曲げ弾性率が低い
(柔らかい)割にはアイゾット衝撃値が低い。
【0058】(比較例2)上記比較例1にて使用したエ
チレン・α−オレフィン共重合体(A4)を用いその他
は実施例2と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
アイゾット衝撃値が低い。
【0059】(比較例3)(A)成分として(A1)を
用い(B)成分を添加せず実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表2に示す。耐熱性、剛性が劣る。
【0060】(比較例4)(A)成分を配合せず(B)
成分として(B1)を使用し実施例1と同様の操作を行
った。結果を表2に示す。アイゾット衝撃値が極めて低
い。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】分子量分布が狭く、組成分布が適度な広
さを有する特定のエチレン(共)重合体にプロピレン系
重合体を配合することにより、剛性と衝撃強度のバラン
スの良い組成物を提供することが可能となる。また該組
成物をさらに部分架橋することにより、より耐衝撃性に
優れた組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(A)成分のエチレン共重合体の代表
的なTREF曲線。
【図2】メタロセン触媒によるエチレン共重合体のTR
EF曲線。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記(a)〜(f)を満足するエチ
    レン(共)重合体98〜50重量%、 (a)密度 0.86〜0.97g/cm3 (b)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min (c)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5 (d)組成分布パラメーターCb 2.00以下 (e)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分の量X(重量%)と密度dおよびMFRが イ)d-0.008 ×logMFR≧0.93の場合 X<2.0 ロ)d-0.008 ×logMFR<0.93の場合 X<9.8 ×103 ×(0.9300 −d +0.008 ×log MFR)2
    +2.0 (f)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数である、および (B)プロピレン系重合体2〜50重量%未満からなる
    ことを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A)エチレン(共)重合体が少な
    くとも共役二重結合を持つ有機環状化合物および周期律
    表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、エチ
    レンを単独重合するかまたはエチレンと炭素数3〜20
    のα−オフィンとを共重合することにより得られるエチ
    レン(共)重合体であることを特徴とする請求項1記載
    のポリエチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の(A)エチレ
    ン(共)重合体98〜50重量%および(B)プロピレ
    ン系重合体2〜50重量%未満からなる組成物を部分架
    橋させて得られることを特徴とするポリエチレン系樹脂
    組成物。
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