JPH10138398A - 防錆処理方法及びこれにより処理した鋼材 - Google Patents

防錆処理方法及びこれにより処理した鋼材

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JPH10138398A
JPH10138398A JP29547996A JP29547996A JPH10138398A JP H10138398 A JPH10138398 A JP H10138398A JP 29547996 A JP29547996 A JP 29547996A JP 29547996 A JP29547996 A JP 29547996A JP H10138398 A JPH10138398 A JP H10138398A
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Tsugio Mizuma
次雄 水間
Kazuhiko Usuki
和彦 臼杵
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境汚染の問題を生じない水性樹脂系防錆剤
を塗布するが、該樹脂乾燥後に発生する微細孔に基づく
腐食の問題が生じることなく、しかも耐久性のある防錆
鋼材を提供する。 【解決手段】 亜鉛系被覆鋼材又は亜鉛系被覆を施さな
い無被覆鋼材に、水性樹脂系防錆剤を乾燥時の塗布量が
0.5g/m2 〜10g/m2 になるように塗布した
後、更に、防錆油を塗布して二層の防錆膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防錆処理方法及び
これにより処理した鋼材、特に亜鉛系被覆鋼材又は亜鉛
系被覆を施さない無被覆鋼材に用いるのに適した防錆処
理方法及びこれにより処理した鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛を含む金属をメッキ又は溶射により
表面に該金属を被覆した亜鉛系被覆鋼材若しくは該被覆
を施さない無被覆鋼材の一次防錆処理又は塗装下地処理
には、最近では環境問題を考慮して有機溶剤を使用しな
い水性樹脂系防錆剤が広く用いられるようになった。ま
た、このような鋼材の処理剤としては従来から防錆油が
知られている。
【0003】しかし、水性樹脂系防錆剤は、塗布後の乾
燥時に水分が抜けることにより、塗布膜に微細孔発生
し、そのため腐食液の浸透防止が困難になり次の問題が
生じた。すなわち、これらの鋼材は輸送、保管中の厳し
い条件下でも長期間錆を防止する必要があるが、特に、
屋外において段積状態の鋼材(例えば、多数の鋼管を結
束して保管)であって段積内部に位置する鋼材は、降雨
後晴天になっても毛細管現象により微細孔に入った水分
が長期に亘って除去されないため、鋼材に白錆、赤錆が
発生した。また、屋内保管しても結露が生じた場合には
塗布膜の微細孔に水分が入り、同様の問題が生じた。ま
た、防錆油は、塗布膜に微細孔は発生しないものの、耐
久性に乏しいという問題があり、特に上記屋外において
段積状態に置かれた鋼材のうち外部に位置する鋼材は、
降雨によって簡単に除去されてしまうので、防錆効果を
短期間しか維持できない難点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明のうち
請求項1記載の発明は、環境汚染の問題を生じない水性
樹脂系防錆剤を用いるが、前記微細孔による腐食の問題
が生じることなく、しかも耐久性のある鋼材の防錆処理
方法を、請求項2記載の発明は、請求項1の解決課題に
加えて、水性樹脂系の防錆効果延いては全体としての防
錆効果を更に高めた防錆処理方法を、請求項3記載の発
明は、請求項1、2の解決課題に加えて、防錆油の防錆
効果延いては全体としての防錆効果を更に高めた防錆処
理方法を、請求項4記載の発明はこれら防錆処理方法に
より処理した鋼材を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、鋭意研究した結果、本発明を完成させた。すなわ
ち、本発明のうち請求項1記載の発明は、亜鉛系被覆鋼
材又は亜鉛系被覆を施さない無被覆鋼材に、水性樹脂系
防錆剤を乾燥時の塗布量が0.5g/m2 〜10g/m
2 になるように塗布した後、更に、防錆油を塗布して二
層の防錆膜を形成することを特徴とする前記鋼材の防錆
処理方法である。ここで、亜鉛系被覆鋼材とは亜鉛を含
む金属により被覆した鋼材をいい、具体的には亜鉛を含
む金属をメッキ又は溶射によりその表面に被覆した鋼材
が例示される。鋼材としては、鋼管、鋼板、鋼棒、鋼線
等が例示される。
【0006】本発明に使用される水性樹脂系防錆剤と
は、いわゆる水溶液系、水分散系又はエマルジョン系
等、水を媒体として使用する水性樹脂組成物のことであ
り、具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、
アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、アルキド樹脂等の一種若しくは二種以上
からなる水性樹脂の水溶液、水分散液又はエマルジョン
が例示される。なお、該水性樹脂組成物としては、上記
水性樹脂以外に顔料、界面活性剤等の他の成分が含まれ
ていてもよい。また、水媒体には、必要に応じ、アルコ
−ル系、エ−テル系等の有機溶剤が添加されていてもよ
い。
【0007】本発明において使用される水性樹脂系防錆
剤の塗布量は、乾燥時において0.5g/m2 〜10g
/m2 であり、好ましくは3g/m2 〜6g/m2 であ
る。0.5g/m2 より低塗布量では鋼材の防錆効果が
十分発揮されず、また塗布量が10g/m2 を越えると
塗装下地処理としては不経済であるばかりか、塗装作業
にも不都合を生じたり、被膜のべとつきの問題等を生じ
るからである。なお、乾燥とは常温、大気中で塗布膜の
重量がほぼ恒量になる程度をいう。
【0008】本発明に使用される防錆油としては、石油
系の油にさび止め剤を添加した、いわゆる「さび止め
油」を挙げることができる。さび止め剤としては従来使
用されている、スルフォネ−ト、エステル、ラノリン誘
導体、石油酸化物、炭酸カルシウンム分散体等が例示さ
れる。なお、石油系の油には、アスファルト、パラフィ
ンワックス、ペトロラクタム等の通常使用される油膜調
製剤や溶剤等の配合剤が配合されていても良い。具体的
にはJIS−K−2246「さび止め油」のNP−0か
らNP−20の16種類の防錆油が例示されるがこれに
限定されるものではない。適用温度は常温のものであっ
て加熱を必要としないものが、塗装作業上、或いは既に
塗布された水性樹脂膜保護の観点から好ましい。本発明
において、塗布方法は特に限定されず、一般に使用され
るロ−ルコ−ト法、エア−スプレ−法、エア−レススプ
レ−法、浸漬法等のいずれの方法も採用できる。
【0009】この様に形成することにより、水性樹脂の
塗布後乾燥時に水分の脱離による微細孔が発生しても、
防錆油の塗布によりその微細孔が密封され、しかも微細
孔に入った防錆油は微細孔内部に入って保護される故自
然環境に晒されても破壊されたり除去されることはな
い。したがって、本発明の防錆処理方法を用いると、こ
のような二層の防錆膜が作用するので、屋内保管はもち
ろん例え鋼材が前記屋外段積状態に置かれてもその置か
れた位置に関係なく、鋼材には長期に亘り防錆効果が認
められる。
【0010】また、本発明のうち請求項2記載の発明
は、前記水性樹脂系防錆剤が、エチレン−アクリル酸共
重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂から選択され
た少なくとも一種からなる水性樹脂の水溶液若しくは水
分散液又はエマルジョンに、該水性樹脂固形分100重
量部に対し、リン酸イオンとクロム酸イオンの双方又は
一方の0.01〜2重量部を含有させてなる組成物であ
ることを特徴とする請求項1記載の防錆処理方法であ
る。
【0011】本発明に使用されるリン酸イオンの供給源
としては、水中においてリン酸イオンを供給できる物で
あれば特に限定されず、例えば、リン酸、リン酸ナトリ
ウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二
水素カリウム、リン酸アンモニウム、リン酸一水素アン
モニウム、リン酸二水素アンモニウム等が挙げられ、更
にリン酸ヒドラジニウム等のリン酸の低分子アミン塩、
リン酸エチル等の比較的低分子のリン酸エステル等を挙
げることができる。これらのうち、アンモニウム等の揮
発性塩基とのリン酸塩、リン酸の低分子アミン塩等が、
供給源として特に好ましい。本発明に使用されるクロム
酸イオンの供給源としては、水中においてクロム酸イオ
ンを供給できる物であれば特に限定されず、例えば、ク
ロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、クロム酸
鉛、塩基性クロム酸亜鉛、無水クロム酸、クロム酸アン
モニウム、重クロム酸アンモニウム、クロム酸カルシウ
ム、重クロム酸カルシウム、クロム酸カリウム、重クロ
ム酸カリウム、クロム酸ナトリウム、重クロム酸ナトリ
ウム等が挙げられる。
【0012】本発明においては、リン酸イオンとクロム
酸イオンの双方又は一方を水性樹脂固形分100重量部
に対し、0.01重量部〜2重量部含有させることが必
要である。これらのイオンは、被塗物である金属と水性
樹脂塗膜との界面において金属塩(例えば、リン酸亜
鉛)層を形成し防錆効果を発揮するが、0.01重量部
未満であると該金属塩層の形成が不十分となりこれらの
イオンに基づく防錆効果が十分発揮できなくなるからで
あり、一方、2重量部を越えると、塗膜中の電解質量が
増大し塗膜の透水性が増すので、塩水噴霧試験(以下S
STという)における評価や耐水性の低下を引き起こす
からである。さらに、これらのイオンの過剰添加は、水
性樹脂を経時的にゲル化させるので水性樹脂防錆剤の貯
蔵安定性を悪化させる。これらのイオンは、水性樹脂固
形分100重量部に対し、0.05重量部〜1重量部含
有させることが好ましい。
【0013】このように形成することにより、リン酸イ
オンとクロム酸イオンの双方又は一方が被塗物である金
属と水性樹脂塗膜との界面において金属塩(例えば、リ
ン酸亜鉛)層を形成し防錆効果を発揮するので、これら
のイオンが使用されていない場合に比べ、水性樹脂防錆
剤の防錆効果延いては防錆油を含めた全体としての防錆
効果を、更に高めることができる。特に、耐酸性の向上
をもたらす。
【0014】また、本発明において、防錆油は、請求項
3記載の発明のように、JIS−K−2246のNP−
2規格品であることが好ましい。JIS−K−2246
のNP−2規格品の防錆油は、適用温度が常温であり塗
装作業上取り扱いやすいばかりでなく、水性樹脂との親
和性もよく、水性樹脂の微細孔の密封効果に優れ、水性
樹脂の防錆効果との相乗的防錆効果が認められるからで
ある。したがって、全体として優れた防錆効果を発揮す
る。
【0015】また、本発明のうち請求項4記載の発明
は、請求項1、2又は3記載の防錆処理方法により処理
し、これらの処理による前記二層の防錆膜を形成したこ
とを特徴とする鋼材である。このように形成することに
より、水性樹脂又は水性樹脂とリン酸イオン等との前記
作用と防錆油の前記作用が相俟って、処理鋼材は、例え
屋外段積状態で保管されてもその置かれた位置(外部、
内部)に関係なく、長期に亘り前記防錆効果を発揮す
る。
【0016】
【実施の形態】以下、本考案の実施の形態について説明
する。 (1) 湯等による通常行われている洗浄後40℃〜95℃
程度に予備加熱された鋼管、鋼板等の鋼材に、エチレン
−アクリル酸共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹
脂の一種又は二種以上からなる水性樹脂を含み、水を媒
体とする(水分散系又はエマルジョン)組成物を、ロ−
ルコ−ト、エア−スプレ−、エア−レススプレ−によ
り、塗布膜の塗布量が乾燥時において3g/m2 〜6g
/m2 になるように塗布し風乾する。この場合、前記組
成物には、リン酸イオン(例えば、供給源としてリン酸
アンモニウム)若しくはクロム酸イオン(例えば、供給
源としてクロム酸アンモニウム)の双方又は一方を、前
記水性樹脂固形分100重量部に対し0.01〜2重量
部を含有させることが防錆効果を高める上で好ましい。
【0017】次に、JIS−K−2246のNP−2規
格品の防錆油を、水性樹脂の乾燥塗膜上に、エア−スプ
レ−、エア−レススプレ−により、塗布し常温又は強制
乾燥する。塗布時の塗布量は0.5g/m2 〜50g/
2 とするのが好ましい。下限値未満では封孔効果に乏
しく、上限値を越えると不経済であるばかりか、塗装作
業にも不都合を生じたり、第2次処理(塗料による塗装
等)前に行う脱脂性が困難になる問題を生じるからであ
る。
【0018】(2) 本願に係る防錆処理方法より処理され
た鋼材(例えば鋼管)を自動化された生産ラインで連続
生産する場合、鋼管の防錆処理は、鋼帯挿入装置、フォ
−ミング装置、溶接装置、メッキ装置、矯正装置、切断
装置、検査装置の順を経て生産される周知の鋼管生産ラ
インにおいて、通常は鋼管の切断装置による切断の直
前、直後に行うのがよい。その場合、防錆処理は、ま
ず、鋼管を高温湯洗し、続いて乾燥エア−を吹き付けて
の水切り、高周波による予備加熱(80℃)をし、次
に、鋼管の長さ方向垂直面内においてその周囲に等間隔
に設置された4個のノズルによる4方向からの前記水性
樹脂組成物のエア−レススプレ−塗装、数秒の風乾、同
様に4方向からの前記防錆油のエア−レススプレ−塗装
の順を経て、最後に自然乾燥する方法を採用するのがよ
い。
【0019】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 水性樹脂系防錆剤としては、水性樹脂がエチレン−アク
リル酸共重合体樹脂とアクリル樹脂の混合樹脂であり、
該水性樹脂固形分100重量部に対しリン酸イオンの
0.2重量部を含有し、水媒体がエマルジョンである日
本ペイント社製のサ−フコ−ト5000P(以下、SC
T−Pという。)を用いた。これを、80℃に予熱した
市販の溶融亜鉛めっき鋼板(日本テストパネル社製、Z
−27、70×150×2.3mm)に、バ−コ−ト
(#3)にて、乾燥時の塗布量が1g/m2 となるよう
に塗布し乾燥後、直ちに出光興産株式会社製ダフニアル
ファクリ−ナ−Mとエバ−コ−トPLの体積比で1対1
の混合物からなる防錆油(以下、DCTという。これ
は、JIS−K−2246のNP−2規格品である。)
をバ−コ−ト(#36)にて塗布し、室内乾燥した。防
錆油の塗布量は、塗布時において、20g/m2 であ
る。
【0020】実施例2、3 乾燥時の塗布量が、それぞれ3g/m2 、5g/m2
なるようにSCT−Pを塗布した以外は実施例1と同様
の処理を行った。 実施例4、5 乾燥時の塗布量が、いずれも3g/m2 になるようにS
CT−Pを塗布し、DCTの塗布はそれぞれバ−コ−ト
(#18)とバ−コ−ト(#60)とを使用し、その塗
布量をそれぞれ10g/m2 、40g/m2 とした以外
は実施例1と同様の処理を行った。
【0021】実施例6 水性樹脂系防錆剤としては、SCT−Pに、SCT−P
固形分100重量部に対しクロム酸イオンの0.1重量
部を配合したもの(以下、SCT−PCという)を用い
た。ここで、クロム酸イオンの供給源としてはクロム酸
アンモニウムを用いた。このSCT−PCを、乾燥時の
塗布量が3g/m2 となるように塗布した以外は実施例
1と同様の処理を行った。 実施例7 水性樹脂系防錆剤としては、水性樹脂がエチレン−アク
リル酸共重合体樹脂とアクリル樹脂の混合樹脂であり
(リン酸イオン若しくははクロム酸イオンの一方又は双
方を含んでいない)、水媒体がエマルジョンである日本
ペイント社製のサ−フコ−ト5000P(以下、SCT
という。)を用いた。このSCTを、乾燥時の塗布量が
3g/m2 となるように塗布した以外は実施例1と同様
の処理を行った。
【0022】比較例1〜3 乾燥時の塗布量が、それぞれ1g/m2 、3g/m2
5g/m2 になるようにSCT−Pを塗布し、DCTを
いずれも塗布しなかった以外は実施例1と同様の処理を
行った。 比較例4、5 SCT−Pをいずれも塗布せず、DCTの塗布はそれぞ
れバ−コ−ト(#18)とバ−コ−ト(#60)とを使
用し、その塗布量をそれぞれ10g/m2 、40g/m
2 とした以外は実施例1と同様の処理を行った。
【0023】実施例1〜7、比較例1〜5の処理鋼板を
用い下記試験項目の評価をした。結果を表1に示す。 (1) 耐温水性試験 恒温器を用い40℃に維持した温水内に10日間試験鋼
板を浸漬後、白錆の発生の程度を下記基準にて目視観測
により評価した。 10点:異常なし 9点:10点と8点の間 8点:わずかに白錆発生 7〜6点:8点と5点の間 5点:鋼板面積の半分に白錆発生 4〜2点:5点と1点の間 1点:鋼板全面に白錆発生
【0024】(2) SST 5%食塩水を35℃で試験鋼板に噴霧し、8時間経過後
の白錆の発生の程度を下記基準にて目視観測により評価
した。 10点:異常なし 9点:10点と8点の間 8点:わずかに白錆発生 7〜6点:8点と5点の間 5点:鋼板面積の半分に白錆発生 4〜2点:5点と1点の間 1点:鋼板全面に白錆発生
【0025】表1に示すように、水性樹脂系防錆剤(S
CT−P)処理のみの場合(比較例1〜3)、微細孔の
存在のため長期間温水中に浸漬すると水が微細孔内に浸
入し鋼板表面に達するので耐温水性評価が顕著に悪く、
防錆油(DCT)処理のみの場合(比較例4、5)は、
温水中への浸漬による油膜の除去は少なく耐温水性評価
があまり下がらないが、噴霧水によって油膜が洗い流さ
れやすいためSSTの評価が顕著に悪くなっている。
【0026】しかし、水性樹脂系防錆剤処理と防錆油処
理の双方を行った本発明に係る実施例1〜7は水性樹脂
膜の微細孔中に防錆油が入っているため、微細孔中に水
や空気の侵入を防止するとともに、防錆油が噴霧水によ
って洗い流されにくくなっている。そのため、耐温水性
の評価も、SSTの評価も共に良好でありバランスのよ
い結果を得ている。また、リン酸イオンやリン酸イオン
とクロム酸イオンの双方を添加した場合の実施例1〜
5、6はこれらのイオンが含まれていない実施例7に比
べ更に防錆効果が向上している。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1又は4記載の発明は、環境汚染の問題を生じない水
性樹脂系防錆剤を用いるが、該水性樹脂系防錆剤を塗布
後更に防錆油を塗布することにより前記微細孔による腐
食の問題が生じることなく、しかも耐久性のある防錆鋼
材を、請求項2又は4記載の発明は、リン酸イオン等の
配合により、請求項1の発明の効果に加えて、防錆効果
をより高めた鋼材を、請求項3又は4記載の発明は、所
定の防錆油を用いることにより、請求項1、2の発明の
効果に加えて、防錆効果を更に高めた鋼材を、提供でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系被覆鋼材又は亜鉛系被覆を施さな
    い無被覆鋼材に、水性樹脂系防錆剤を乾燥時の塗布量が
    0.5g/m2 〜10g/m2 になるように塗布した
    後、更に、防錆油を塗布して二層の防錆膜を形成するこ
    とを特徴とする前記鋼材の防錆処理方法。
  2. 【請求項2】 前記水性樹脂系防錆剤が、エチレン−ア
    クリル酸共重合体樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、
    ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂から選
    択された少なくとも一種からなる水性樹脂の水溶液若し
    くは水分散液又はエマルジョンに、該水性樹脂固形分1
    00重量部に対し、リン酸イオンとクロム酸イオンの双
    方又は一方の0.01〜2重量部を含有させてなる組成
    物であることを特徴とする請求項1記載の防錆処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記防錆油がJIS−K−2246のN
    P−2規格品であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の防錆処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の防錆処理方法
    により処理し、前記二層の防錆膜を形成したことを特徴
    とする鋼材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007016268A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Jfe Steel Kk 脱脂性に優れた鋼板の製造方法及び鋼板
KR101428144B1 (ko) * 2011-10-24 2014-08-07 정재룡 녹 발생 강재의 표면처리 공법

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