JPH10137283A - 吸収性シート材料 - Google Patents

吸収性シート材料

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JPH10137283A
JPH10137283A JP8294799A JP29479996A JPH10137283A JP H10137283 A JPH10137283 A JP H10137283A JP 8294799 A JP8294799 A JP 8294799A JP 29479996 A JP29479996 A JP 29479996A JP H10137283 A JPH10137283 A JP H10137283A
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JP
Japan
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sheet material
absorbent
pocket
sheet
pockets
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JP8294799A
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English (en)
Inventor
Shigemi Iijima
茂美 飯島
Sachiko Nakazawa
幸子 中澤
Yoshio Hirai
好夫 平井
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 尿や体液などの液体吸収性能に優れ、吸収性
物質が外部に漏れることなく、カットシートとして使用
可能であり、簡単なインライン式プロセスで製造可能と
なり、さらに、コンパクト化できる吸収性シート材料を
提供することにある。 【解決手段】 熱可塑性であって、かつ複数個の吸収性
物質収納用のポケットが形成されている第1シート材料
と、前記第1シート材料の前記ポケットが開口する表面
に接合されて、前記ポケットとの間に吸収性物質を収容
するため第2シート材料と、前記ポケットに収容された
吸収性物質とを具える吸収性シート材料であって、前記
第1シート材料および前記第2シート材料の少なくとも
一方が液透過性であることを特徴とする吸収性シート材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収性シート材料
に関するものであり、特に使いすておむつ、失禁者用パ
ッド、生理用ナプキン、ベットシート、外科用パッド、
ペットシート等の吸収性物品の主要部分である吸収部分
に適用可能であり、着用者にとって不必要の水分を吸収
および保持したり、また、食品、生け花、皮製品等の保
存性を大にするため、水分の調節を行って、その変動を
少なくするための吸収性物品に使用される吸収性シート
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の吸収性物品の1つである使いすて
おむつは、液透過性のトップシ−トと液不透過性のバッ
クシ−トの間に、綿状パルプ、吸収性物質(例えば、高
吸収性ポリマー)等からなる吸収性シート材料を配置し
た構成になっており、尿や体液は、トップシートを通っ
て吸収性シート材料に吸収される。この時、吸収性シー
ト材料は、尿や体液を受け取り、皮膚を逆に再び濡らす
ことなく保持する必要がある。ここで用いられる吸収性
シート材料としては、吸収性物質を綿状パルプ中に分散
し全体を圧縮してシートとするか、または、綿状パルプ
と綿状パルプの間に吸収性物質を層状にはさみこんだシ
ート、2枚の吸収紙の間に吸収性物質をはさみこんで固
定したシート、吸収紙の表面に接着剤で吸収性物質を固
着しシートとするなどにより吸収性物品に使用される。
【0003】しかし、従来の吸収性物品では、尿や体液
が完全に吸収されるまでの速度(以下、吸収速度とい
う)が遅く、吸収体から表面への尿や体液の戻り(以
下、ウエットバックという)も生じやすい。これは、特
に吸収性物品の着用者が乳児の場合には、皮膚かぶれの
一因ともなっている。また、吸収性シート材料の間で吸
収性物質が移動して、液が十分吸収されず漏れてしまっ
たり、吸収性物質が外部に漏れるなど、着用者に不快感
を与える。
【0004】さらに、従来の使いすておむつ等に用いら
れる吸収性シート材料は、綿状パルプから慣用の方法で
作られているため、着用者の股間部に当たる部分の嵩が
比較的大きく、その結果、着用者の体への密着性が低下
し、着用者の快適さが悪くなる。
【0005】また、近年では、使いすておむつ等の吸収
性物品では、使い易さと物流コストの削減の観点から段
々と薄型化、コンパクト化が進んでいる。その結果、吸
収性シート材料に用いられる体積の大きい綿状パルプの
使用割合を減らし、体積が小さく吸収容量の大きい吸収
性物質の割合を増やす傾向にある。しかしながら、吸収
性物質はそれ自体、尿や体液を吸収する速度が遅いた
め、吸収性物質の割合の高い薄型吸収性シート材料から
構成される使いすておむつは、吸収速度も遅くなり、そ
のため尿や体液が漏れ出すという問題が生じている。
【0006】吸収性物質は、吸収性を高めるために、粒
子などの形状にして表面積を大きくすることが好まし
い。しかし、粒子状の吸収性物質を吸収性シート材料の
中に入れると、最終製品である吸収性物品の製造、包
装、輸送などの間に吸収性シート材料内の吸収性物質が
始めの位置から吸収性シート材料の遠い部分へ移動する
ため、尿や体液が漏れ出す、吸収性物品が変形するなど
問題が生じている。
【0007】これらの問題点を解決するためにさまざま
な方法が提案されてきた。例えば、吸収速度について
は、上面液透過性のトップシートをできるだけ親水化す
ること、薄くする、あるいは細孔を施すなどにより、ま
た上部綿状パルプの密度をできるだけ下げ0.08〜
0.1g/cm3 に調整するか、あるいは綿状パルプの
表面の性質をできるだけ親水性とすることが知られてい
る。ウエットバックを少なくするためには、多孔性液透
過性シートをできるだけ疎水化したり、ある程度の厚み
をもたせるなどし、さらに綿状パルプの層中での液の拡
散を速める工夫により実施されており、具体的にはフラ
ッフパルプ間に有孔仕切層を配置することなどが提案さ
れている(特開昭61−186505号公報)。上記の
性質に関する提案についてはそのほかに有孔構造体を上
面シートと裏面シートの間に配置する(特開昭60−2
53447号公報)、上部綿状パルプの密度を0.03
〜0.07g/cm3 にまで下げる(特開昭56−85
401号公報)、一対の熱可塑性湿式不織布の間に吸収
性物質を有して熱圧着して構成した吸収性シート材料
(特開昭63−139741号公報)などが挙げられ
る。
【0008】また、吸収性物質が外部に漏れるという問
題点を解決するため、例えば、特開平7−73591号
公報では、多数の吸収性物質を縦及び横方向にほぼ一定
間隔をおいて支持シート上に配置し、これに波形状のカ
バーシートをかぶせて、吸収性物質を覆う方法を用いて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−1865
05号公報、特開昭60−253447号公報、特開昭
56−85401号公報および特開昭63−13974
1号公報に開示されたものは、特に吸収能力の低下、吸
収性物質が外部に漏れる、実用上、接触している所が汚
れるという現象が観察される、という問題がある。
【0010】また、特開平7−73591号公報に開示
されたものは、カバーシートで吸収性物質をかぶせるた
め、吸収性物質が膨潤することを妨げ、吸収量が不十分
となり、漏れやすくなるという問題がある。さらに、支
持シート上に箱型格子構造物を配置後、吸収性物質を適
切に配置させる必要があり、操業性の低下や、最終製品
が不均一になるという問題がある。また、着用者が使用
中に吸収性シート材料が揉まれることもあり、カバーシ
ートと支持シートが外れ易く、吸収性物質が吸収性シー
ト内で移動するため尿や体液が漏れ出たり、吸収性物品
が変形することがあるという問題もある。
【0011】したがって、本発明の目的は、上記のよう
な問題点を解決しようとするものである。すなわち、
尿、体液、水分などの着用者にとって不必要な液体の吸
収性能に優れ、吸収性物質が外部に漏れることなく、ま
た、カットシートとして使用可能であり、そして簡単な
インライン設備に適用可能であり、さらに、製品のコン
パクト化ができる吸収性シート材料を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めの本発明の吸収性シート材料は、熱可塑性であって、
かつ複数個の吸収性物質収納用のポケットが形成されて
いる第1シート材料と、前記第1シート材料の前記ポケ
ットが開口する表面に接合されて、前記ポケットとの間
に吸収性物質を収容するための第2シート材料と、前記
ポケットに収容された吸収性物質とを具える吸収性シー
ト材料であって、前記第1シート材料および前記第2シ
ート材料の少なくとも一方が液透過性であることを特徴
とする。
【0013】
【発明の実施の形態】上記の本発明の吸収性シート材料
において、前記第1シート材料の坪量が20〜300g
/m2 であってもよく、最も好ましくは40〜200g
/m2 であってもよい。第1シート材料の坪量が300
g/m2 を越えると、第1シート材料は硬く、柔軟性が
なくなるため、吸収性シート材料の圧縮、コンパクト化
ができなくなり、また、着用者にとって肌触りが悪く、
適当ではない。一方、第1シート材料の坪量が20g/
2 未満の場合には、第1シート材料と第2シート材料
とを熱接着する際に、熱可塑性である第1シート材料が
溶けて切断することがあり、製造上好ましくない。第1
シート材料の坪量を上記の範囲に設定することにより、
ポケット構造を形成しても十分に柔軟性のあるシートが
得られ、最終的な製品である吸収性物品になった場合に
も、コンパクト化された、持ち運び性や使用感等に優れ
た製品とすることができる。
【0014】さらに、上記の本発明の吸収性シート材料
において、前記ポケットが、その開口部分の最も短い径
に対して10〜500%の深さを有していてもよく、最
も好ましくは20〜200%であってもよい。ポケット
の深さが開口部分の最も短い径に対して500%を越え
ると、収容された吸収性物質がポケットのくぼみ内を移
動し、吸収性物質が存在する区域と存在しない区域がで
き、均一に吸収することができず、吸収性能の改善効果
がみられないので不適当である。また、ポケットの深さ
が開口部分の最も短い径に対して10%未満では、第1
シート材料のポケットに吸収性物質を均一に収容するこ
とができないので、吸収性能が十分に発揮できず、さら
に製造上好ましくない。
【0015】
【実施例】以下、図面により、本発明の吸収性シート材
料を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0016】図1、図2、図3および図4は、それぞれ
本発明による吸収性シート材料1の具体例の一部切り欠
き斜視図である。
【0017】(実施例1)図1は、本発明の吸収性シー
ト材料1の1つの具体例の一部切り欠き斜視図である。
【0018】図1において、吸収性シート材料1は、熱
可塑性であり、かつポケット7および該ポケット7の開
口部分5とを複数個有する第1シート材料2と、ポケッ
ト7に収容された吸収性物質4と、第1シート材料2の
開口部分5の表面上に該開口部分5を覆うように接合さ
れた第2シート材料3とを具え、第1シート材料2と第
2シート材料3とが、開口部分5以外の領域である接合
面6で接合され、一体化されている。上記複数個のポケ
ット7は、第1シート材料2の長手方向と、これを直行
する方向とに所定の間隔で形成されている。ポケット7
の開口部5は楕円形であり、その楕円形の長径が第1シ
ート材料2の長手方向に沿って配列している。
【0019】したがって、吸収性シート材料1では、第
1シート材料2と第2シート材料3との間に形成される
ポケット7に吸収性物質4が封じ込められているので、
従来の吸収性シート材料のように綿状パルプ中に吸収性
物質を保持する場合よりも、高密度で多量の吸収性物質
4をシート材料の間に保持することができ、吸収性シー
ト材料1の吸収能力を高めることができる。吸収性物質
4は該吸収性物質4の占める空間よりも大きい一定の空
間内に閉じ込められるので、これにより吸収性物質4は
十分に膨潤することが可能になる。
【0020】また、本実施例の吸収性シート材料1は、
第1シート材料2および第2シート材料3の少なくとも
一方が透水性(あるいは液透過性)のあるシート材料を
使用し、その透水性のシート材料側を吸収面とすること
で、水分浸透拡散性に優れ、多量の水分に対しても水分
拡散能力が低下せず、広い面積にわたって分布する吸収
性物質4に対して尿、体液や水分等の液体を拡散させる
ことができ、この点でも吸収性能が著しく向上する。
【0021】さらに、本実施例の吸収性シート材料1
は、第1シート材料2に形成されるくぼみと第2シート
材料3との間に形成される密閉されたポケット7に吸収
性物質4を収容しているので、第1シート材料2側の面
は、使用目的に応じて上面および下面のいずれにも使用
してもよい。
【0022】また、本実施例の吸収性シート材料1は、
吸収性物質4を第1シート材料2のポケット7と第2シ
ート材料3との間に封じ込めているので、使用中に吸収
性物質4が該吸収性シート材料1の内部で大きく移動し
たり外部に漏れるのを防止できる。また、この吸収性シ
ート材料1を、使用に際して任意の場所を断裁(カッ
ト)しても、その吸収性物質4が吸収性シート材料1か
らこぼれ落ちる損失量はごく限られたものであるので、
吸収性シート材料1のカット使用が可能となる。
【0023】本実施例の第1シート材料2は、ポリプロ
ピレンをスパンボンド法によって積層した乾式不織布に
よって構成されている。しかし、第1シート材料2は、
これ以外にも、適度な密度でシート化したフィルムであ
ってもよい。第1シート材料2として使用されるシート
は単一のシートで構成される必要はなく、複数のシート
の貼り合わせでもよい。さらに、本実施例の第1シート
材料2の素材はポリプロピレンであるが、これ以外に
も、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンまたは、ポ
リエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレン、ナイ
ロン等の2成分以上からなる複合材料等でも良く、特に
ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチ
レン、ポリプロピレン/ポリエチレンが強度の面から好
ましい。
【0024】また、第1シート材料2は、一方の表面に
薄い接着性の樹脂層を積層させてフィルム状にし、接着
性を付与してもよい。
【0025】第1シート材料2を液透過性にする場合に
は、不織布やフィルムを液透過性にするための公知の処
理方法が適用可能である。例えば、これらを親水性にす
る場合、親水性化剤を不織布の繊維および複合繊維にス
プレーで塗布したり、あるいは製造したシートにスプレ
ー塗布、泡塗工、含浸などによって処理する方法等があ
る。
【0026】上記のようにして製造された熱可塑性の第
1シート材料2に対し、熱延伸によって、複数個の、吸
収性物質4を収容するためのくぼみ、すなわちポケット
7を形成する。本実施例では、ポケット7の、シート表
面上への開口部分5の形状は楕円形としたが、特に限定
されるものではなく、これ以外にも、例えば、正方形、
長方形、五角形、丸形、ダイヤモンド形などにしてもよ
い。また、この第1シート材料2のポケット7の開口部
分5の長さ、幅および間隔は使用目的に応じて適宜決定
できる。また、ポケット7の深さも、吸収性シート材料
1の使用目的およびポケット7に収容される後述の吸収
性物質4の収容量等に応じて適宜決定される。本実施例
におけるポケット7は、その開口部分5の最も短い径に
対して100%の深さに熱延伸により形成している。
【0027】親水性のある第2シート材料3としては、
綿状パルプ、乾式不織布、湿式不織布、ティシュペーパ
ーなどが挙げられる。また、親水性のない第2シート材
料3としては、プラスチックフィルムなどが挙げられ
る。本実施例の第2シート材料3は、ポリエステル繊維
をカード法によって積層し、親水化処理された透水性の
ある乾式不織布である。
【0028】第2シート材料3も、第1シート材料2と
同様に、一方の表面に薄い接着性の樹脂層を積層してフ
ィルム状にし、接着性を付与しても良い。
【0029】第2シート材料3として綿状パルプが使用
される場合、化学パルプシートもしくは、機械パルプシ
ートを粉砕機で解繊することにより得られる繊維長5m
m以下の繊維から構成されるものである。パルプ原料と
しては、針葉樹に限らず、広葉樹、わら、竹およびケナ
フも適用される。この綿状パルプの使用量は、目的によ
り、例えば、単独で用いるか、複数積層して用いるか、
他の不織布と併用するか等の条件により異なるが、一般
的には、50〜500g/m2 である。
【0030】また、前記綿状パルプを用いた吸収性シー
ト材料1が使用中に破けたり損傷を受けるのを防止する
ために、該綿状パルプのマット層中に熱融着性物質を含
有させて、熱接着することにより保持しても良い。熱融
着性物質としては、綿状パルプと混合することを考慮し
て繊維状のものが好ましい。例えば、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニリデン、アクリ
ル樹脂、ナイロン樹脂等があげられる。または、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上
からなる複合繊維等でも良く、特には、ポリエステル/
ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロ
ピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好まし
い。このような繊維状の熱融着物質の繊維径は1〜5デ
ニール程度が好ましく、繊維長は3〜30mmのもの
が、綿状パルプと混合するのに好適であるが、特に制限
をうけるものではない。熱融着物質を含有する綿状パル
プのマット層を一定の圧力以上で熱圧着することによ
り、熱融着性物質による所定の嵩高さを保持する骨格構
造を形成し、湿潤時においてもマット層自体の強度を持
つことが可能となる。熱圧着の手段は、熱プレスロー
ル、熱風乾燥機、マイクロ波加熱機、赤外線ヒータ等、
特に限られていないが、マット層に均一に熱が伝わり、
熱融着性物質が融けて骨格構造が形成することが出来れ
ば良い。
【0031】第2シート材料3として乾式不織布が使用
される場合、構成繊維の繊維径が10デニール以下の親
水性繊維が好ましい。この繊維は、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステル、または、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複
合繊維等でも良く、特にポリエステル/ポリエステル、
ポリエステル/ポリエチレンおよびポリプロピレン/ポ
リエチレンのような複合繊維が強度の面から好ましい。
これを熱溶解して繊維化した後に適度な密度で積層させ
た乾式不織布により構成される。
【0032】上記した材料を親水性処理するための方法
としては、繊維および複合繊維に親水化剤をスプレーで
塗布したり、シートに形成した後で該シートに親水性化
剤をスプレー塗布、泡塗工、含浸などによって処理する
方法が挙げられる。
【0033】第2シート材料3は湿式不織布であっても
よく、例えば、綿状パルプと、熱可塑性および接着性を
有するアクリル系樹脂繊維とを原料として、ティシュペ
ーパー状に形成したものなどが挙げられる。また、第2
シート材料3は非親水性のプラスチックフィルムであっ
てもよく、例えば、上記した第1シート材料として使用
可能なプラスチックフィルムが挙げられる。
【0034】上記したように、吸収性シート材料1は、
上記の第1シート材料2と第2シート材料3との間に形
成されるポケット7に吸収性物質4を収容する。このよ
うな吸収性物質4は高吸収性ポリマーであり、例えばデ
ンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン
−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デン
プン−メタクル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、
デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化
物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体のケン
化物、デンプン−アクリロニトリル−2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸グラフト共重合体の
ケン化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋
されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメ
チルセルロースの架橋物、ポリビニルアルコール−無水
マレイン酸反応物の架橋物などが挙げられる。これらの
中でも、自重の20倍以上の尿、体液及び水等の液体を
吸収可能なポリアクリル酸ナトリウム系の物質が吸収性
能の点から最も適当である。
【0035】吸収性物質4の形状は、繊維状、粒状な
ど、使用目的に応じて選定すればよく、特に限定するも
のではない。
【0036】吸収性物質4のポケット7への収容量は、
本実施例ではポケット7の内部容積の10%としたが、
特に限定されない。しかし、吸収性物質4の量は、吸収
性物質4が液体を吸収して膨潤することを考慮して、ポ
ケット7全体を充填しないような量である。
【0037】吸収性シート材料1は、複数個のポケット
7を有する第1シート材料2をガイドロールに沿って移
送しながら、吸収性物質散布器より吸収性物質4を第1
シート材料2のくぼみの開口部分5上に均一に散布する
ことにより製造される。第1シート材料2における吸収
性物質4の不存在区域に相当する区域を第2シート材料
3との接合面とし、かつ吸収性物質4の存在区域に相当
する区域をポケット7内部とし、そこへ第1シート材料
2上に均一に吸収性物質4を散布すれば第2シート材料
3の接合部分では吸収性物質4がポケット7内にすべり
落ち、吸収性物質4の不存在区域と存在区域とを形成す
ることができる。また、吸収性物質4は、概して、水蒸
気の付与により粘着性を示す場合が多く、この粘着性を
利用すれば、第2シート材料3との接着面にのっている
吸収性物質4は接着剤として機能し、積層物として一体
化にすることもできる。その後、第2シート材料3がそ
の上に積層される。
【0038】この第2シート材料3と第1シート材料2
との接合は、第1シート材料2の各ポケット7の開口部
分5以外の領域を第2シート材料3に熱圧着するか、あ
るいは該開口部分5以外の領域に接着剤を塗布すること
により達成できる。このような接合により、ポケット7
は第2シート材料3で塞がれ、ポケット7に収容されて
いる吸収性物質4が外部に漏れないようになっている。
あるいはまた、第1シート材料2および第2シート材料
3のいずれか一方の面の上に接着性の樹脂層を設けて熱
圧着して、第1シート材料2と第2シート材料3とを溶
着し、これによりポケット7を第2シート材料3で塞
ぎ、吸収性物質4が外部に漏れないようにしてもよい。
【0039】熱圧着の手段としては、熱プレスロール、
熱風乾燥機、マイクロ波加熱機、赤外線ヒーター等、特
に制限はなく、シートの接着面に均一に熱が伝わり、一
部が融けて一体構造が形成することが可能な手段であれ
ば如何なるものも適用できる。
【0040】また、第1シート材料2と第2シート材料
3との接着は、熱接着の他に、ホットメルト接着などに
よる接着でよい。このような接着剤としては、澱粉系ま
たはCMC(カルボキシメチルセルロース)などの水溶
性の糊又は、流動性の高い接着剤等が挙げられる。本実
施例では、第1シート材料2の開口部分5以外の領域を
ホットメルトによって第2シート材料3に接着してポケ
ット7を塞ぐ。
【0041】このように、吸収性シート材料1は、第1
シート材料2と第2シート材料3との熱圧着または接着
剤の塗布によって第1シート材料2のくぼみと第2シー
ト材料3との間に、それぞれ離隔して密閉されたポケッ
ト7を形成することにより、各ポケット7毎に尿や体液
を吸収拡散させるようにしている。
【0042】例えば、吸収性シート材料1において、各
ポケット7が第1シート材料2の長手方向に延びた形状
に形成された場合には、この吸収性シート材料1は該長
手方向を直交する幅方向の端部からの液の漏れ防止に効
果がある。一方、各ポケット7が幅方向に延びた形状に
形成された場合には、この吸収性シート材料1は長手方
向端部からの尿や体液の漏れ防止に効果がある。吸収性
シート材料1の中央部に存在するポケット7をそれぞれ
長手方向に延びるような形状に形成し、かつ吸収性シー
ト材料1の両側部に存在するポケット7をそれぞれ幅方
向へ延びるような形状に形成した場合でも、前記の効果
を併有する。
【0043】(実施例2)図2は、本発明の吸収性シー
ト材料1の図1とは別の具体例を示す。
【0044】第1シート材料2は、ポリプロピレンをス
パンボンド法によって積層した乾式不織布によって構成
されており、さらに薄い樹脂層のフィルム8を積層して
貼り合わせてある。ポケット7の開口部分5は楕円形で
あり、一定間隔で複数有している。ポケット7の深さ
は、開口部分5の最も短い径に対して200%の深さで
熱延伸によって形成している。また、第2シート材料3
は、ポリエステル繊維をカード法によって積層し、親水
化処理した透水性のある乾式不織布である。第1シート
材料2の各ポケット7に吸収性物質4として高吸収性ポ
リマーをポケット7の内部容積の30%に収容し、第1
シート材料2の開口部分5以外の部分を熱圧着によって
第2シート材料3と接着してポケット7を塞ぎ、この構
造により、吸収した尿、体液や水分を漏らさず、さらに
吸収性物質4が外部に漏れないようにしている。
【0045】(実施例3)図3は、本発明による吸収性
シート材料の図1および図2とは別の具体例を示す。
【0046】第1シート材料2は、ポリプロピレンをス
パンボンド法により積層した層およびメルトブロー法に
より積層した層の2層を積層した乾式不織布によって構
成されており、スパンボンド法で得られた不織布側を外
側とした。ポケット7の開口部分5は六角形であり、一
定間隔で複数個有している。ポケット7の深さは、開口
部分5の最も短い径に対して70%の深さで熱延伸によ
って形成している。また、第2シート材料3は、ティシ
ュを層状に積層した親水性シートである。第1シート材
料2の各ポケット7に、吸収性物質4として高吸収性ポ
リマーを、ポケット7の内部容積の10%に収容する。
第1シート材料2の開口部分5以外の部分は、各ポケッ
ト7に直交する方向に適度な間隔で第2シート材料3に
線接着して区画部を形成し、ポケット7が複数個単位で
適度に区画されるようにする。このように、ポケット7
を適度に区画することにより、吸収性シート材料1を所
望の長さで切断した場合に、両切断端に位置する各ポケ
ット7中の吸収性物質4が漏れ出ても、他の領域に位置
するポケット7は区画されているので内部の吸収性物質
4が漏れ出ない。従って、吸収性物質4の損失量がさら
に低減できる。
【0047】(実施例4)図4は、本発明による吸収性
シート材料1の図1、図2および図3とは別の具体例を
示す。
【0048】第1シート材料2は、ポリエステルのフィ
ルムによって構成されている。ポケット7の開口部分5
は長方形であり、一定間隔で複数個有している。ポケッ
ト7の深さは、開口部分5の最も短い径に対して100
%の深さで熱延伸によって形成している。また、第2シ
ート材料3は、綿状パルプを50g/m2 を積層し、さ
らにその周囲をティシュペーパーで包みこんだ構成にな
っている。第1シート材料2の各ポケット7に、吸収性
物質4として高吸収性ポリマーを、ポケット7の内部容
積の10%に収容し、第1シート材料2の開口部分5以
外の部分をホットメルトによって第2シート材料3に接
着してポケット7を塞ぐ。このような構造にすることに
より、ポケット7内に収容された吸収性物質4が外部に
漏れないようにしている。
【0049】
【発明の効果】本発明の吸収性シート材料を使い捨てお
むつ等の吸収性物品に適用した場合、着用者が触れる表
面部分における尿、体液や水分などは、吸収シート材料
の透水性のあるシート材料にいち早くスポット吸収され
て早い速度で通り、それが直ちに吸収性物質に至る。し
たがって、尿、体液や水分などが停滞することがなく、
表面のドライタッチ性が著しく向上する効果を有する。
また、第1シート材料のポケットと第2シート材料との
間に吸収性物質を収容するため、着用者の動きが激しく
なっても、尿、体液や水分などが漏れ出すことがなく、
吸収性物質も外部に漏れ出さない。さらに、各ポケット
構造の開口部分を適度に区画すると、吸収性シート材料
をカットシートとして所望の長さで切断した場合に、両
切断端に位置するポケット内の吸収性物質が漏れ出て
も、他のポケットは区画されているので内部の吸収性物
質が外部に漏れ出ない効果を有する。さらに、柔軟性の
あるシート材料を使用することにより、ポケット構造部
分を圧縮することができるため、製品のコンパクト化
と、使用感の向上の効果を有する。
【0050】さらに、本発明の吸収性シート材料は、接
着剤の塗布または熱圧着等で容易に形成できるので、イ
ンライン設備に適用可能である。したがって、使い捨て
おむつ等の吸収性物品の製造ラインに一連に組み込ん
で、該吸収性シート材料を吸収材として用いた製品を製
造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性シート材料の1つの具体例の一
部切り欠き斜視図である。
【図2】本発明の吸収性シート材料の図1とは別の具体
例の一部切り欠き斜視図である。
【図3】本発明の吸収性シート材料の図1および図2と
は別の具体例の一部切り欠き斜視図である。
【図4】本発明の吸収性シート材料の図1、図2および
図3とは別の具体例の一部切り欠き斜視図である。
【符号の説明】
1 吸収性シート材料 2 第1シート材料 3 第2シート材料 4 吸収性物質 5 開口部分 6 接合面 7 ポケット 8 薄い樹脂層のフィルム 9 接合線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性であって、かつ複数個の吸収性
    物質収納用のポケットが形成されている第1シート材料
    と、 前記第1シート材料の前記ポケットが開口する表面に接
    合されて、前記ポケットとの間に吸収性物質を収容する
    ため第2シート材料と、 前記ポケットに収容された吸収性物質とを具える吸収性
    シート材料であって、 前記第1シート材料および前記第2シート材料の少なく
    とも一方が液透過性であることを特徴とする吸収性シー
    ト材料。
  2. 【請求項2】 前記第1シート材料の坪量が20〜30
    0g/m2 であることを特徴とする請求項1に記載の吸
    収性シート材料。
  3. 【請求項3】 前記ポケットが、その開口部分の最も短
    い径に対して10〜500%の深さを有することを特徴
    とする請求項1に記載の吸収性シート材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008119049A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Kao Corp 吸収性物品
JP2012527267A (ja) * 2009-05-20 2012-11-08 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 吸水性貯蔵層

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