JPH10136619A - モータ用ロータの製造装置 - Google Patents

モータ用ロータの製造装置

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JPH10136619A
JPH10136619A JP8303596A JP30359696A JPH10136619A JP H10136619 A JPH10136619 A JP H10136619A JP 8303596 A JP8303596 A JP 8303596A JP 30359696 A JP30359696 A JP 30359696A JP H10136619 A JPH10136619 A JP H10136619A
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fiber bundle
rotor
temperature
winding
viscosity
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JP8303596A
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Morimichi Miura
守道 三浦
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Toyota Motor Corp
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K1/00Details of the magnetic circuit
    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/27Rotor cores with permanent magnets
    • H02K1/2706Inner rotors
    • H02K1/272Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis
    • H02K1/274Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets
    • H02K1/2753Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets the rotor consisting of magnets or groups of magnets arranged with alternating polarity
    • H02K1/278Surface mounted magnets; Inset magnets
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K15/00Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines
    • H02K15/02Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies
    • H02K15/03Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies having permanent magnets

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化性樹脂が含浸された繊維束を回転子に
巻き付ける際に、繊維束の切れを可及的に抑制できるモ
ータ用ロータの製造装置を提供する。 【解決手段】 ガラス繊維束にエポキシ樹脂を含浸させ
る含浸装置と、磁石が取り付けられたロータを保持し、
かつ、エポキシ樹脂が含浸されたガラス繊維束記を磁石
またはロータに巻き付けて磁石とロータとを固定する巻
付装置とを備えたモータ用ロータの製造装置において、
ガラス繊維束にエポキシ樹脂が含浸されてから繊維束が
磁石またはロータに巻き付けられるまでの工程の温度
を、予め定めた所定の温度範囲に制御する温度制御手段
(ステップ3,4,5,6)が備えられていることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータ用ロータ
に固定された磁石の外周に繊維束を巻き付けることによ
り、磁石の固定力を増大させることのできるモータ用ロ
ータの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種の産業機械に用いられる永
久磁石形同期モータは、磁石が取り付けられたロータ
と、ロータの周囲に配置されるステータと備えている。
ステータには巻線が巻き付けられており、巻線に通電す
ることで回転磁界が形成されてロータが回転する。
【0003】一方、各種の産業機械は、その稼働効率を
高めるために永久磁石形同期モータが高速回転状態で長
時間連続的に使用される場合が多い。このため、高速回
転により遠心力が生じた場合でも磁石の振動や脱落が生
じないように、ロータに対する磁石の固定力を可及的に
高め、ロータの耐久性を向上させる必要がある。
【0004】このように、永久磁石同期モータ用ロータ
の耐久性を向上させる技術の一例が特開昭61−124
6号公報に記載されている。この公報に記載された永久
磁石回転子は、円筒形ヨークと、円筒形ヨークの外周に
接着剤により固定された複数個の永久磁石と、永久磁石
の外周面に巻き付けられたガラス繊維とを備えている。
ガラス繊維には熱硬化性樹脂が含浸されており、ガラス
繊維が回転子に巻き付けられてから加熱硬化させるもの
である。
【0005】上記構成の永久磁石同期モータの回転子に
よれば、ガラス繊維が永久磁石の回転子の外周面に複数
層巻き回されているため、高速回転時の遠心力によって
永久磁石の振動や脱落が抑制されて耐久性を向上するこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報のよ
うにガラス繊維を強化している熱硬化性樹脂は、低温に
なるほど粘度が高まるという特性を備えている。このた
め、ガラス繊維に含浸された熱硬化性樹脂が硬化される
までの過程でその温度が低下して粘度が可及的に高ま
り、熱硬化性樹脂の含浸性が低下する可能性がある。そ
の結果、ガラス繊維の強度が不十分になってガラス繊維
を回転子の外周に巻き付ける際の張力によりガラス繊維
の切れが生じ、回転子の固定力、回転特性、耐久性が低
下する問題があった。
【0007】この発明は上記事情を背景としてなされた
もので、熱硬化性樹脂が含浸された繊維束を回転子に巻
き付ける際に、繊維束の切れを可及的に抑制することの
できるモータ用ロータの製造装置を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記目的
を達成するため請求項1の発明は、繊維束に熱硬化性樹
脂を含浸させる含浸装置と、磁石が取り付けられたロー
タを保持し、かつ、前記熱硬化性樹脂が含浸された前記
繊維束を前記磁石または前記ロータに巻き付けて前記磁
石と前記ロータとを固定する巻付装置とを備えたモータ
用ロータの製造装置において、前記繊維束に熱硬化性樹
脂が含浸されてから前記繊維束が前記磁石または前記ロ
ータに巻き付けられるまでの工程の温度を、予め定めた
所定の温度範囲に制御する温度制御手段が備えられてい
ることを特徴とする。
【0009】請求項1の発明によれば、繊維束に熱硬化
性樹脂が含浸されてから繊維束が磁石または磁石に巻き
付けられるまでの工程の温度が、予め定めた所定の温度
範囲に制御され、工程内での熱硬化性樹脂の粘度が所定
値に維持される。したがって、繊維束に対する熱硬化性
樹脂の含浸性が可及的に向上して繊維束の強度を高める
ことができる。その結果、繊維束を磁石またはロータに
巻き付ける際の張力により繊維束が切れることを抑制で
き、磁石の固定力が高められてロータの回転特性やロー
タの耐久性を向上させることができる。また、繊維束の
切れが抑制されるため、繊維束をロータまたは磁石に巻
き付ける速度を可及的に高速化することが可能になり、
ロータの生産性を向上することができる。
【0010】請求項2の発明は、前記熱硬化性樹脂の粘
度を検出する第1粘度検出手段を備え、前記温度制御手
段が前記熱硬化性樹脂の粘度に基づいて前記工程の温度
を制御することを特徴とする。
【0011】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の作用を得られるほか、熱硬化性樹脂の粘度に基づいて
工程の温度が制御されるため、熱硬化性樹脂の粘度を、
繊維束に対する含浸性の良好な状態に制御することが可
能になり、熱硬化性樹脂の含浸性が一層向上する。
【0012】請求項3の発明は、繊維束に熱硬化性樹脂
を含浸させる含浸装置と、磁石が取り付けられたロータ
を保持し、かつ、前記熱硬化性樹脂が含浸された前記繊
維束を前記磁石または前記ロータに巻き付けて前記磁石
と前記ロータとを固定する巻付装置とを備えたモータ用
ロータの製造装置において、前記熱硬化性樹脂の粘度を
検出する第2粘度検出手段と、前記熱硬化性樹脂の粘度
が所定値以上の場合には、前記熱硬化性樹脂が含浸され
た前記繊維束を前記磁石または前記ロータに巻き付ける
動作を停止させる第1巻付停止手段とが備えられている
ことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明によれば、熱硬化性樹脂の
粘度が所定値以上になり、繊維束に対する熱硬化性樹脂
の含浸性が低下した場合には、繊維束を磁石またはロー
タに巻き付ける動作が停止される。したがって、繊維束
を磁石またはロータに巻き付ける際の張力により繊維束
が切れることを抑制でき、磁石の固定力が高められてロ
ータ回転特性や耐久性を向上させることができる。
【0014】請求項4の発明は、前記熱硬化性樹脂の放
置時間を検出する放置時間検出手段を備え、前記熱硬化
性樹脂の粘度および放置時間に基づいて前記第1巻付停
止手段が前記繊維束の巻き付け動作を停止させることを
特徴とする。
【0015】請求項4の発明によれば、請求項3と同様
の作用を得られるほか、熱硬化性樹脂は放置時間が長く
なるにともなって粘度が高まる物性を備えているため、
粘度自体および放置時間に基づいて繊維束の巻き付け動
作を停止すれば、熱硬化性樹脂の粘度を検出する精度が
一層高められる。
【0016】請求項5の発明は、繊維束に熱硬化性樹脂
を含浸させる含浸装置と、磁石が取り付けられたロータ
を保持し、かつ、前記熱硬化性樹脂が含浸された前記繊
維束を前記磁石または前記ロータに巻き付けて前記磁石
と前記ロータとを固定する巻付装置とを備えたモータ用
ロータの製造装置において、前記繊維束に熱硬化性樹脂
が含浸されてから前記繊維束が前記磁石または前記磁石
に巻き付けられるまでの工程の温度を検出する温度検出
手段と、前記工程の温度が所定値以下の場合には、前記
熱硬化性樹脂が含浸された前記繊維束を前記磁石または
前記ロータに巻き付ける動作を停止させる第2巻付停止
手段とが備えられていることを特徴とする。
【0017】請求項5の発明によれば、繊維束に熱硬化
性樹脂が含浸されてから繊維束が磁石または磁石に巻き
付けられるまでの工程で、その工程の温度が所定値以下
になった場合には、繊維束を磁石またはロータに巻き付
ける動作が停止される。つまり、熱硬化性樹脂の粘度が
高まって繊維束に対する熱硬化性樹脂の含浸性が低下す
る状態での繊維束の巻き付け動作が回避される。したが
って、繊維束を磁石またはロータに巻き付ける際の張力
により繊維束が切れることを抑制でき、磁石の固定力が
高められて、ロータの回転特性や耐久性を向上させるこ
とができる。
【0018】請求項6の発明は、前記熱硬化性樹脂の放
置時間を検出する放置時間検出手段を備え、前記工程の
温度および放置時間に基づいて前記第2巻付停止手段が
前記繊維束の巻き付け動作を停止させることを特徴とす
る。
【0019】請求項6の発明によれば、請求項5と同様
の作用を得られるほか、熱硬化性樹脂は放置時間が長く
なるにともなって粘度が高まる物性を備えているため、
工程の温度および熱硬化性樹脂の放置時間に基づいて繊
維束の巻き付け動作を停止すれば、熱硬化性樹脂の粘度
を管理する精度が一層高められる。
【0020】なお、請求項1ないし請求項4に記載され
た工程の温度には、工程の熱硬化性樹脂自体の温度、工
程の構成部品の温度、工程の空間温度などが含まれる。
また、請求項2または請求項3で検出される熱硬化性樹
脂の粘度は、熱硬化性樹脂の粘度を直接検出したもので
もよいし、ほかのデータから間接的に算出されたもので
もよい。
【0021】また、請求項4または請求項6に記載され
た放置時間は、熱硬化性樹脂の主剤、硬化剤、触媒、希
釈剤などが混合された時点を基準として検出される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明を添付図面に基づ
いて説明する。図2は、この発明の請求項1ないし請求
項4に適用されるモータ用ロータの製造装置を示す概略
構成図である。図2において、1はボビンであり、ボビ
ン1は張力付与モータ2により図中反時計方向に回転さ
れる。ボビン1の外周にはガラス繊維束3が巻き付けら
れている。
【0023】ガラス繊維束3の素材となるガラス繊維と
しては(SiO2 )60〜70重量%、アルミナ(Al
2 )5〜30重量%、酸化マグネシウム(MgO)5
〜15重量%、その他数%を成分としたガラスが使用さ
れている。また、ガラス繊維の1本の繊維太さは直径2
0ミクロン以下で、1束の繊維本数が1000本以下の
糸状の繊維束に調製されている。
【0024】ボビン1よりもガラス繊維束3の移送方向
の下流にはガイドローラ4が配置されている。また、ガ
イドローラ4はボビン1から繰り出されたガラス繊維束
3の移送を案内するためのものである。
【0025】ガイドローラ4よりも移送方向の下流には
恒温室5が配置されている。恒温室5は、内部を所定温
度に維持可能に構成されており、その内部が以下のよう
に構成されている。恒温室5の内部にはエポキシ樹脂貯
溜槽6が設けられており、エポキシ樹脂貯溜槽6には、
ガラス繊維束3に含浸させる熱硬化性樹脂、例えばエポ
キシ樹脂7が貯溜されている。このエポキシ樹脂7は、
主剤、硬化剤、触媒、希釈剤などを成分とするものであ
る。また、エポキシ樹脂貯溜槽6の下部には、エポキシ
樹脂貯溜槽6内のエポキシ樹脂7を所定温度に加熱する
ヒータ8が設けられている。
【0026】さらに、エポキシ樹脂貯溜槽6の内部に
は、エポキシ樹脂7の温度を検出する温度検出センサ9
と、エポキシ樹脂7の粘度を検出する粘度検出センサ1
0とが設けられている。さらにまた、エポキシ樹脂貯溜
槽6の内部には、ガイドローラ4により案内されたガラ
ス繊維束3をエポキシ樹脂7内に浸漬させる浸漬ローラ
11が設けられている。
【0027】浸漬ローラ11の下流には、ガラス繊維束
3に対するエポキシ樹脂7の含浸量が一定になるように
調整する一対の絞りローラ12が設けられている。そし
て、絞りローラ12の間をガラス繊維束3が通過する過
程で、ガラス繊維束3から余分なエポキシ樹脂7が絞り
出されてエポキシ樹脂貯溜槽6内に回収される。
【0028】一対の絞りローラ12のうちの一方にはヒ
ータ13が内蔵されており、ヒータ13の熱が絞りロー
ラ12を介してガラス繊維束3に伝達されるように構成
されている。また、ヒータ13が内蔵された絞りローラ
12には、絞りローラ12の温度を検出する温度検出セ
ンサ14が取り付けられている。
【0029】さらに、絞りローラ12の下流には、ガラ
ス繊維束3を案内する一対のガイド板15が立設されて
いる。さらに、ガイド板15の下流には図中時計方向に
回転する巻付モータ16が設けられており、巻付モータ
16の主軸16Aには円筒状のロータ17が保持されて
いる。
【0030】ロータ17の外周には図示しない永久磁石
が複数個固定されており、ロータ17はボックス18内
に配置されている。このボックス18内には、ボックス
18内を加熱するヒータ19と、ボックス18内の温度
を検出する温度検出センサ20とが設けられている。ま
た、ボックス18は、恒温室5の外部に設けられた真空
ポンプ21に接続され、かつ、ボックス18の内部と恒
温室5の外部とを接続する通気路22にはバルブ23が
設けられている。このように構成されたボックス18は
気密性が維持されている。
【0031】真空ポンプ21は、ボックス18の内部を
真空脱気してガラス繊維束3に対するエポキシ樹脂7の
浸透を促進するためのものである。バルブ23は真空ポ
ンプ21によりボックス18の内部を真空脱気する際に
は閉じられており、真空脱気終了後に開かれる。バルブ
23が開かれるとボックス18の内部が大気圧に復帰さ
れる。
【0032】前記巻付モータ16およびロータ17は可
動台24に取り付けられており、モータ25の回転がサ
ーボ機構26により可動台24に伝達され、可動台24
がロータ17の軸線方向に往復移動する構成になってい
る。
【0033】上記のように、ガラス繊維束3に熱硬化性
樹脂7を含浸させるエポキシ樹脂貯溜槽6から、ガラス
繊維束3をロータ17または磁石に巻き付けるボックス
18に至る全ての工程が恒温室5の内部に配置されてい
る。
【0034】一方、恒温室5の外部には、モータ用ロー
タの製造装置の動作を制御する中央制御装置27が配置
されている。この中央制御装置27は、中央演算処理装
置、記憶装置、入出力インタフェースを主体とするマイ
クロコンピュータにより構成されている。中央制御装置
27は、エポキシ樹脂貯溜槽6にエポキシ樹脂7が供給
された時点から作動し、エポキシ樹脂7の放置時間を検
出するタイマー機能を備えている。エポキシ樹脂7の放
置時間は、主剤、硬化剤、触媒、希釈剤などが混合され
てからの時間を基準として検出される。
【0035】エポキシ樹脂貯溜槽6に対するエポキシ樹
脂7の供給を検出するためには、作業者の手動により操
作されるスイッチの信号が中央制御装置27に転送され
る構成を採用することが可能である。また、エポキシ樹
脂貯溜槽6の底部に重量を検出するセンサを設けてお
り、エポキシ樹脂7の重量検出信号が中央制御装置27
に転送される構成を採用することも可能である。さら
に、中央制御装置27には、エポキシ樹脂7の放置時間
と温度と粘度とを対応させたデータが予め記憶されてい
る。
【0036】そして、モータ用ロータの製造装置の稼働
時には、温度検出センサ9,14,20の検出信号、お
よび粘度検出センサ10の検出信号が中央制御装置27
に入力される。中央制御装置27は、検出されたエポキ
シ樹脂7の放置時間、温度、粘度および予め記憶された
データに基づいて、張力付与モータ2、巻付モータ1
6、モータ25の制御、およびヒータ8,13,19の
制御を行うように構成されている。なお、バルブ23の
開閉および真空ポンプ21の起動・停止は、中央制御装
置27による制御または手動による制御の両方を選択可
能に構成されている。
【0037】ここで、図1のモータ用ロータ製造装置の
構成と各請求項との対応関係を説明すれば、エポキシ樹
脂貯溜槽6または浸漬ローラ11の少なくとも一方が、
請求項1、請求項3、請求項5の含浸装置に相当し、巻
付モータ16または主軸16Aの少なくとも一方が請求
項1、請求項3、請求項5の巻付装置に相当する。ま
た、請求項1、請求項2、請求項5の工程の温度には、
恒温室5の内部空間の温度、または恒温室5内に設けら
れた構成部品の温度、エポキシ樹脂7自体の温度の少な
くとも一つが含まれる。
【0038】つぎに、図1に示されたモータ用ロータの
製造装置によりロータを製造する動作を説明する。ま
ず、ボビン1から繰り出されたガラス繊維束3はガイド
ローラ4によりガイドされて恒温室5の内部に移送され
る。恒温室5の内部に移送されたガラス繊維束3は、浸
漬ローラ11によりエポキシ樹脂貯溜槽6のエポキシ樹
脂7内に浸漬される。ここで、ヒータ8により加熱され
ているエポキシ樹脂7がガラス繊維束3に付着する。
【0039】エポキシ樹脂7が付着されたガラス繊維束
3は、一対の絞りローラ12の間に移送され、一対の絞
りローラ12によりガラス繊維束3に付着されている余
分なエポキシ樹脂7が絞り出される。一対の絞りローラ
12の間を通過したガラス繊維3は、一対のガイド板1
5により案内されてボックス18の内部に移送される。
【0040】ボックス18の内部に移送されたガラス繊
維束3の端部は、ロータ17の外周に固定されている。
そして、モータ16が時計方向に回転し、ロータ17が
同方向に回転してガラス繊維束3がロータ17または永
久磁石の外周に巻き付けられ、永久磁石がロータ17に
固定される。なお、上記動作中、張力付与モータ2によ
りボビン1が図中反時計方向に回転され、ガラス繊維束
3に所定の張力が付与される。
【0041】ガラス繊維束3をロータ17または永久磁
石の外周に巻き付ける際には、モータ25の駆動により
稼働台24がロータ17の軸線方向に移動され、ガラス
繊維束3がロータ17の軸線方向に万遍なく巻き付けら
れる。ガラス繊維束3が巻き付けられたロータ17は所
定時間放置され、時間の経過に伴ってエポキシ樹脂7が
硬化しガラス繊維3の強度が確保される。
【0042】(第1制御例)つぎに、上記構成のモータ
ローラの製造装置を稼働させるにあたり、請求項1、請
求項2に対応する第1制御例を図1のフローチャートに
基づいて説明する。まず、エポキシ樹脂貯溜槽6内のエ
ポキシ樹脂7の温度が温度検出センサ9により検出され
るとともに、温度検出センサ14により、絞りローラ1
2の温度が検出される(ステップ1)。
【0043】ついで、温度検出センサ9,14の検出信
号に基づいて温度が判断され(ステップ2)、検出され
た温度と中央制御装置27に記憶されているデータとの
比較が行われ、エポキシ樹脂貯溜槽6内のエポキシ樹脂
7の温度、および絞りローラ12の温度が、予め定めら
れた温度範囲に維持されているか否かの判断が行われる
(ステップ3)。
【0044】すなわち、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹
脂7は、温度が高まるほど粘度が低下する特性を備えて
いるため、検出される温度からエポキシ樹脂7の粘度を
算出し、粘度に基づいてガラス繊維束3に対するエポキ
シ樹脂7の含浸性を良好に維持できるか否かが判断され
る。
【0045】この第1制御例では、温度から算出される
エポキシ樹脂7の粘度が適正である場合にはステップ3
で肯定判断される。そして、ヒータ8の状態がそのまま
維持され、ガラス繊維束3の高張力巻き付け動作が継続
され(ステップ4)、この制御ルーチンを終了する。
【0046】一方、ステップ3で否定判断される状況に
は、検出される温度が所定の温度範囲よりも低い場合と
高い場合とがある。例えば、製造装置の稼働開始時にヒ
ータ13による加熱が不足していて所定の温度範囲未満
の場合には、絞りローラ12の温度が低いためエポキシ
樹脂7の粘度が高く、ガラス繊維束3に含浸されたエポ
キシ樹脂7が絞りローラ13に巻き付く可能性がある。
この条件下ではヒータ13をオンするか、またはヒータ
13が既にオンされている場合には加熱温度を高める制
御が行われ(ステップ5)、ステップ1に戻る。
【0047】また、検出された温度が所定の温度範囲を
超えている場合には、温度の検出時点ではエポキシ樹脂
7の粘度は含浸性の良好な状態であると考えられる。し
かし、時間の経過とともにエポキシ樹脂7の成分である
主剤と硬化剤とが急激に反応して高分子化する。その結
果、エポキシ樹脂7の粘度が高められて絞りローラ12
に巻き付いたり、ガラス繊維束3に対する含浸性が低下
する可能性がある。そこで、ヒータ8,13をオフする
か、またはヒータ8,13の温度を低下させる制御が行
われ(ステップ6)、ステップ1に戻る。
【0048】なお、上記ステップ1では、エポキシ樹脂
7の粘度を粘度検出センサ10により直接検出し、検出
された粘度をステップ2で判断し、かつ、ステップ3で
この粘度が適正か否かを判断する制御を行うことも可能
である。この場合、ステップ3で粘度が適正であると判
断された場合にはステップ4に進む制御が行われる。ま
た、ステップ3で粘度が所定値以上であると判断された
場合はステップ6に進み、ステップ3で粘度が所定値以
下であると判断された場合は、ステップ5に進む。上記
ステップ3,4,5,6が請求項1,2の温度制御手段
に相当し、ステップ1が請求項2の第1粘度検出手段に
相当する。
【0049】このように、図1の制御例によれば、エポ
キシ樹脂貯溜槽6および絞りローラ12の温度を所定温
度に制御することが可能になり、エポキシ樹脂7の粘度
を所定値に維持することができる。したがって、エポキ
シ樹脂7が絞りローラ12に巻き付くことを抑制できる
うえ、ガラス繊維束3に対するエポキシ樹脂7の含浸性
が可及的に向上してガラス繊維束3の強度を高めること
ができる。
【0050】このため、ガラス繊維束3をロータ17の
外周に巻き付ける際の張力によりガラス繊維束3が切れ
ることを抑制できる。その結果、ロータ17の製品時に
おける永久磁石の固定力が向上して、ロータ17の回転
時に永久磁石の振動や脱落を防止でき、ロータ17の回
転特性および耐久性を向上させることができる。
【0051】また、図1の制御例によれば、エポキシ樹
脂7の粘度を検出または演算し、エポキシ樹脂7の粘度
に基づいて、エポキシ樹脂貯溜槽6および絞りローラ1
2の温度が制御され、エポキシ樹脂7の粘度が所定値に
維持される。したがって、絞りローラ12に対するエポ
キシ樹脂7の巻き付き防止機能、およびガラス繊維束3
に対するエポキシ樹脂7の含浸性が一層向上する。
【0052】さらに、図2の実施例では、エポキシ樹脂
貯溜槽6からボックス18に至る工程が恒温室5の内部
に配置されているため、恒温室5の内部温度がほぼ均一
に維持される。したがって、工程のどの箇所でもエポキ
シ樹脂7の粘度がほぼ均一に維持され、エポキシ樹脂7
に対する粘度の制御機能が一層向上する。
【0053】図3は第1制御例により製造したロータの
ガラス繊維束の張力および寿命と、比較例により製造し
たロータのガラス繊維束の張力および寿命とを比較する
線図である。なお、比較例のガラス繊維束は、エポキシ
樹脂の含浸から巻き付けまでの工程の温度制御が行われ
ていない場合を示す。図3により明らかなように、実施
例のガラス繊維束は比較例のガラス繊維束に比べて、ロ
ータに巻き付ける際の切れを抑制できるため、実施例で
は比較例に比べて高い張力でガラス繊維束をロータに巻
き付けることが可能である。また、実施例のロータは、
回転中にガラス繊維束の切れが生じにくく、ロータの製
品寿命は比較例のロータの製品寿命よりも長く維持でき
た。
【0054】図4は第1制御例によりロータを製造する
場合のサイクルタイムと、比較例によりロータを製造す
る場合のサイクルタイムとを比較するグラフ図である。
実施例のガラス繊維束は比較例のガラス繊維束に比べ
て、ロータに巻き付ける際に切れが生じにくい。このた
め、ロータにガラス繊維束を巻き付ける際に、実施例で
行う巻き付け速度を、比較例の巻き付け速度よりも高速
化することが可能である。したがって、ロータの1個あ
たりの生産に要するサイクルタイムが約50%以上減少
され、大幅な生産性の向上が可能である。
【0055】図5は第1制御例により製造したロータの
ガラス繊維束の耐久性と、比較例により製造したロータ
のガラス繊維束の耐久性とを比較するグラフ図である。
このグラフ図は、ロータを所定の回転数で回転させて永
久磁石に作用する遠心力をガラス繊維束に荷重として与
えた場合の実験結果である。上記のように、実施例のガ
ラス繊維束は比較例のガラス繊維束に比べて、エポキシ
樹脂の含浸性およびガラス繊維束の強度が高い。このた
め、実施例のガラス繊維束は比較例のガラス繊維束に比
べて約20%以上耐久性、言い換えれば疲労強度が向上
していた。
【0056】(第2制御例)図6は、この発明の請求項
3,4,5,6に対応する第2制御例を示すフローチャ
ートである。この第2制御例では、工程中の温度、また
はエポキシ樹脂7の粘度、工程中の温度およびエポキシ
樹脂7の粘度、またはエポキシ樹脂7の粘度および放置
時間の両方、または工程中の温度およびエポキシ樹脂7
の放置時間、のいずれかを基準にしてガラス繊維束3の
巻き付けを停止させる制御が行われる。
【0057】まず、図1に示すモータ用ロータの製造装
置の稼働前、または稼働中に、中央制御装置27により
温度検出センサ9および粘度検出センサ10を作動させ
(ステップ11)、エポキシ樹脂7の温度および粘度を
検出する(ステップ12)。そして、中央制御装置27
により、エポキシ樹脂7の温度および粘度および放置時
間が適正か否かが判断される(ステップ13)。
【0058】ステップ13で行われる判断は、図7に示
すようなエポキシ樹脂7の粘度cPと、エポキシ樹脂7
の放置時間との関係に基づいて行われる。この第2実施
例では、エポキシ樹脂7がガラス繊維束3に含浸されて
から硬化するまでの過程で、6時間程度の放置時間を想
定している。そして、この放置時間内において、エポキ
シ樹脂7の粘度が250cP以下であるか否かを判断基
準にしている。
【0059】例えば、エポキシ樹脂7の粘度が250c
P以下、温度が45℃であることが検出された場合に
は、6時間程度の間、エポキシ樹脂7の粘度が巻き付け
領域に維持されるため、ステップ13で肯定判断され
る。したがって、巻付モータ16が駆動されてエポキシ
樹脂7が含浸されたガラス繊維束3がロータ17に巻き
付けられる動作が開始または継続される(ステップ1
4)。なお、エポキシ樹脂7が混合されてから2ないし
3時間程度で巻き付け動作を完了させることが好まし
い。
【0060】一方、ステップ13において、エポキシ樹
脂7の粘度が250cP以下であっても、温度が40℃
以下の場合には、エポキシ樹脂7の粘度が、短時間のう
ちにガラス繊維束3に含浸しにくい値に高まる可能性が
あるため否定判断される。そして、ヒータ8をオンさせ
るかまたはヒータ8の加熱温度を高める制御と、巻付モ
ータ16を停止してガラス繊維束3をロータ17に巻き
付ける動作を停止する制御とが並行して行われ(ステッ
プ15)、ステップ12に戻る。
【0061】また、ステップ13において、エポキシ樹
脂7の粘度が250cP以下であっても、温度が50℃
以上の場合にも否定判断される。その理由は、この条件
下では放置時間が長くなるにともなってエポキシ樹脂7
の成分である主剤と硬化剤とが急激に反応して高分子化
し、エポキシ樹脂7の粘度が高められて絞りローラ12
に巻き付いたり、ガラス繊維束3に対する含浸性が低下
する可能性があるためである。そこで、ヒータ8をオフ
するか、またはヒータ8の加熱温度を低下させ、かつ、
巻付モータ16を停止してガラス繊維束3をロータ17
に巻き付ける動作を停止する制御が行われ(ステップ1
6)、ステップ12に戻る。
【0062】なお、第2制御例では、ステップ11にお
いて温度検出センサ9のみを動作させ、ステップ12に
おいてエポキシ樹脂7の温度のみを検出し、ステップ1
3において、温度に基づくエポキシ樹脂7の粘度の算出
と、エポキシ樹脂7の粘度が適正であるか否かの判断と
を行なうことも可能である。
【0063】また、ステップ11において粘度検出セン
サ10のみを作動させ、ステップ12において粘度のみ
を検出し、ステップ13において粘度のみが適正か否か
の判断を行うことも可能である。
【0064】さらに、温度を検出する場合には、温度検
出センサ9,14,20のうちの少なくとも一つの温度
検出センサを作動させたり、複数の温度検出センサを組
み合わせて作動させることも可能である。
【0065】ここで、第2制御例と請求項3,4,5,
6との対応関係を説明すれば、ステップ11,12が請
求項3の第2粘度検出手段に相当し、ステップ13が請
求項5,6の放置時間検出手段に相当し、ステップ1
5,16が請求項3,4の第1巻付停止手段に相当す
る。また、ステップ11,12が請求項5の温度検出手
段に相当し、ステップ15,ステップ16が請求項5,
6の第2巻付停止手段に相当する。
【0066】このように、第2制御例によれば、ガラス
繊維束3にエポキシ樹脂7が含浸されてからガラス繊維
束3が磁石またはロータ17に巻き付けられるまでの工
程で、エポキシ樹脂7の温度または粘度の少なくとも一
方が所定値を外れた場合には、巻付モータ16が停止さ
れてガラス繊維束3を磁石またはロータ17に巻き付け
る動作が停止される。
【0067】このため、エポキシ樹脂7の粘度が高まっ
てガラス繊維束3に対するエポキシ樹脂7の含浸性が低
下する状態での巻き付け動作が回避される。したがっ
て、ガラス繊維束3を磁石またはロータ17に巻き付け
る際の張力によりガラス繊維束3が切れることを抑制で
き、磁石の固定力およびロータ17の耐久性を向上させ
ることができる。
【0068】また、エポキシ樹脂7の粘度および温度の
両方を基準としてガラス繊維束3の巻き付け動作を実行
・停止させる制御を行った場合には、ガラス繊維束3に
対するエポキシ樹脂7の含浸時の温度のみならず、所定
の放置時間内におけるエポキシ樹脂7の粘度を所定値に
維持することが可能になり、ガラス繊維束3に対するエ
ポキシ樹脂7の含浸性が一層良好に維持される。
【0069】さらにまた、エポキシ樹脂7の温度と放置
時間、またはエポキシ樹脂7の粘度と放置時間のいずれ
か一方を基準にして巻付モータ16を停止させ、ガラス
繊維束3を磁石またはロータ17に巻き付ける動作を停
止させる制御を行えば、エポキシ樹脂7の粘度の管理精
度が一層高められる。
【0070】(第3制御例)図8は、請求項1ないし請
求項6に対応する第3制御例を示すフローチャートであ
り、この第3制御例は第1制御例と第2制御例とを組み
合わせ、さらにほかの制御内容が付加されている。この
第3制御例が適用されるモータ用ロータの製造装置は、
図2の温度検出センサ14に代えて粘度検出センサ14
(A)が用いられ、温度検出センサ20に代えて粘度検
出センサ20(A)が用いられる。
【0071】この第3制御例においては、まず、粘度検
出センサ10によりエポキシ樹脂7の粘度が検出され
(ステップ21)、中央制御装置27により粘度が適正
であるか否かが判断される(ステップ22)。ステップ
22の判断を行う場合には、第2制御例のステップ13
と同様の基準が適用される。
【0072】ステップ22で肯定判断された場合には、
ガラス繊維束3をロータ17または永久磁石に巻き付け
る動作が継続される(ステップ23)。また、エポキシ
樹脂7の粘度が所定値未満でありステップ22で否定判
断された場合は、第1制御例のステップ6または第2制
御例のステップ16と同様の制御が行われ(ステップ2
4)、ステップ21に戻る。一方、エポキシ樹脂7の粘
度が所定値を超えていてステップ22で否定判断された
場合は、第1制御例のステップ5または第2制御例のス
テップ15と同様の制御が行われ(ステップ25)、ス
テップ21に戻る。
【0073】ステップ23についで、絞りローラ12付
近でのエポキシ樹脂7の粘度が粘度検出センサ14
(A)により検出される(ステップ26)。そして、こ
の粘度が適正であるか否かが判断される(ステップ2
7)。ステップ27の判断を行う場合には、第2制御例
のステップ13と同様の基準が適用される。ステップ2
7で肯定判断された場合は、ガラス繊維束3をロータ1
7または永久磁石に巻き付ける動作が継続されるととも
に、巻付モータ16が停止されてガラス繊維束3の巻き
付けが終了する(ステップ28)。
【0074】また、エポキシ樹脂7の粘度が所定値未満
であることによりステップ27で否定判断された場合
は、ステップ24と同様の制御が行われ(ステップ2
9)、ステップ26に戻る。一方、エポキシ樹脂7の粘
度が所定値を超えていることによりステップ22で否定
判断された場合は、ステップ25と同様の制御が行われ
(ステップ30)、ステップ26に戻る。
【0075】ステップ28でガラス繊維束3の巻き付け
が終了すると、ロータ17に巻き付けられたガラス繊維
束3のエポキシ樹脂7の粘度が粘度検出センサ20
(A)により検出され(ステップ31)、検出された粘
度が適正であるか否かが判断される(ステップ32)。
この判断基準は前述と同様である。
【0076】エポキシ樹脂7の粘度が所定値未満である
ことによりステップ32で否定判断された場合は、ステ
ップ24と同様の制御が行われ(ステップ33)、ステ
ップ31に戻る。一方、エポキシ樹脂7の粘度が所定値
を超えていることによりステップ32で否定判断された
場合は、ステップ25と同様の制御が行われ(ステップ
34)、ステップ31に戻る。
【0077】そして、ステップ32で肯定判断された場
合は、バルブ23が閉じられ、かつ、真空ポンプ21が
駆動されてボックス18内の真空脱気が行われる(ステ
ップ35)。この真空脱気によりボックス18内が真空
状態になってエポキシ樹脂7の含浸性が一層促進され
る。真空脱気が終了した後、真空ポンプ21が停止さ
れ、かつバルブ23が開放されてボックス18の内部が
大気圧に戻され(ステップ36)、この制御ルーチンが
終了する。
【0078】なお、ステップ21,26,31ではエポ
キシ樹脂7の粘度を粘度検出センサ10,14(A),
20(A)により検出しているが、温度検出センサ9,
14,20により温度を検出し、温度から粘度を算出す
る制御を行うことも可能である。
【0079】ここで、第3制御例と請求項1ないし請求
項6との対応関係を説明すれば、ステップ24,25,
29,30,33,34が請求項1の温度制御手段に相
当し、ステップ21,26,31が請求項2の第1粘度
検出手段に相当する。また、ステップ21,26,31
が請求項3の第2粘度検出手段に相当し、ステップ2
4,25,29,30,33,34が請求項3,4の第
1巻付停止手段に相当する。さらに、ステップ21,2
6,31が請求項5の温度検出手段に相当し、ステップ
24,25,29,30,33,34が請求項5,6の
第2巻付停止手段に相当し、ステップ22,27,32
が請求項4,6の放置時間検出手段に相当する。
【0080】この第3制御例においても、第1制御例ま
たは第2制御例と同様の効果を得られる。また、第3制
御例では、エポキシ樹脂貯溜槽6におけるエポキシ樹脂
7の温度または粘度を検出し、かつ、絞りローラ12付
近でのエポキシ樹脂7の温度または粘度を検出し、さら
にボックス18内でのエポキシ樹脂7の温度または粘度
を検出している。さらにまた、エポキシ樹脂貯溜槽6に
エポキシ樹脂7が供給されてからの放置時間が検出され
ている。
【0081】そして、複数の温度または粘度の検出セン
サのうち、少なくとも1つの検出センサにより、所定値
を外れる温度または粘度が検出された場合には、工程の
温度を所定温度に制御したりあるいは巻付モータ16を
停止してガラス繊維束3の巻き付け動作を停止する制御
が行われるから、一層ガラス繊維束3に対するエポキシ
樹脂7の含浸性が良好に維持される。さらに、エポキシ
樹脂7の温度および放置時間、またはエポキシ樹脂7の
粘度および放置時間を基準としてガラス繊維束3の巻き
付けが停止される。
【0082】さらに、第3制御例では、エポキシ樹脂7
の粘度が可及的に低粘度に維持された状態でボックス1
8内の真空脱気が行われるため、その含浸性が一層向上
する。さらに、第3制御例では、ボックス18の内部が
大気圧に戻る際に、大気圧によってエポキシ樹脂7が押
圧されてガラス繊維束3の内部に浸入しやすくなり、一
層含浸性が向上する。
【0083】なお、第1制御例または第2制御例を適用
する場合には、製造装置の構成のうち、真空ポンプ2
1、ボックス18、通気路22、バルブ23は設けられ
ていなくてもよい。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、繊維束に熱硬化性樹脂が含浸されてから繊維束
が磁石または磁石に巻き付けられるまでの工程の温度が
予定めた所定の温度範囲に制御され、工程内での熱硬化
性樹脂の粘度が所定値に維持される。したがって、繊維
束に対する熱硬化性樹脂の含浸性が可及的に向上して繊
維束の強度を高めることができる。その結果、繊維束を
磁石またはロータに巻き付ける際の張力により繊維束が
切れることを抑制でき、磁石の固定力が高められて、ロ
ータの回転特性やロータの耐久性を向上させることがで
きる。また、繊維束の切れが抑制されるため、繊維束を
ロータまたは磁石に巻き付ける速度を可及的に高速化す
ることが可能になり、ロータの生産性を向上することが
できる。
【0085】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果を得られるほか、熱硬化性樹脂の粘度に基づいて
工程の温度が制御されるため、熱硬化性樹脂の粘度を、
繊維束に対する含浸性の良好な状態に制御することが可
能になり、熱硬化性樹脂の含浸性が一層向上する。
【0086】請求項3の発明によれば、熱硬化性樹脂の
粘度が所定値以上になり、繊維束に対する熱硬化性樹脂
の含浸性が低下した場合には、繊維束を磁石またはロー
タに巻き付ける動作が停止される。したがって、繊維束
を磁石またはロータに巻き付ける際の張力により繊維束
が切れることを抑制でき、磁石の固定力が高められてロ
ータの回転特性や回転子の耐久性を向上させることがで
きる。
【0087】請求項4の発明によれば、請求項3と同様
の効果を得られるほか、熱硬化性樹脂は放置時間が長く
なるにともなって粘度が高まる物性を備えているため、
粘度自体および放置時間に基づいて繊維束の巻き付け動
作を停止すれば、熱硬化性樹脂の粘度を管理する精度が
一層高められる。
【0088】請求項5の発明によれば、繊維束に熱硬化
性樹脂が含浸されてから繊維束が磁石または磁石に巻き
付けられるまでの工程で、その工程の温度が所定値以下
になった場合には、繊維束を磁石またはロータに巻き付
ける動作が停止される。つまり、熱硬化性樹脂の粘度が
高まって繊維束に対する熱硬化性樹脂の含浸性が低下す
る状態での繊維束の巻き付け動作が回避される。したが
って、繊維束を磁石またはロータに巻き付ける際の張力
により繊維束が切れることを抑制でき、磁石の固定力が
高められて、ロータの回転特性および耐久性を向上させ
ることができる。
【0089】請求項6の発明によれば、請求項5と同様
の効果を得られるほか、熱硬化性樹脂は放置時間が長く
なるにともなって粘度が高まる物性を備えているため、
工程の温度および放置時間に基づいて繊維束の巻き付け
動作を停止すれば、熱硬化性樹脂の粘度を管理する精度
が一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のモータ用ロータの製造装置の第1制
御例を示すフローチャートである。
【図2】この発明のモータ用ロータの製造装置を示す概
略構成図である。
【図3】第1制御例により製造されるロータのガラス繊
維束の張力および寿命と、比較例により製造されるロー
タのガラス繊維束の張力および寿命との関係を示す線図
である。
【図4】第1制御例によりロータを製造する場合のサイ
クルタイムと、比較例によりロータを製造する場合のサ
イクルタイムとを比較するグラフ図である。
【図5】第1制御例により製造したロータの耐久性と、
比較例により製造したロータの耐久性とを比較するグラ
フ図である。
【図6】この発明のモータ用ロータの製造装置の第2制
御例を示すフローチャートである。
【図7】第2制御例でガラス繊維束の巻き付け動作を停
止するか否かを判断する場合の基準になるエポキシ樹脂
の粘度と放置時間との関係を示す線図である。
【図8】この発明のモータ用ロータの製造装置の第3制
御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 ガラス繊維束 6 エポキシ樹脂貯溜槽 11 浸漬ローラ 16 巻付モータ 16A 主軸 17 ロータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させる含浸
    装置と、磁石が取り付けられたロータを保持し、かつ、
    前記熱硬化性樹脂が含浸された前記繊維束を前記磁石ま
    たは前記ロータに巻き付けて前記磁石と前記ロータとを
    固定する巻付装置とを備えたモータ用ロータの製造装置
    において、 前記繊維束に熱硬化性樹脂が含浸されてから前記繊維束
    が前記磁石または前記ロータに巻き付けられるまでの工
    程の温度を、予め定めた所定の温度範囲に制御する温度
    制御手段が備えられていることを特徴とするモータ用ロ
    ータの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂の粘度を検出する第1
    粘度検出手段を備え、前記温度制御手段が前記熱硬化性
    樹脂の粘度に基づいて前記工程の温度を制御することを
    特徴とする請求項1に記載のモータ用ロータの製造装
    置。
  3. 【請求項3】 繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させる含浸
    装置と、磁石が取り付けられたロータを保持し、かつ、
    前記熱硬化性樹脂が含浸された前記繊維束を前記磁石ま
    たは前記ロータに巻き付けて前記磁石と前記ロータとを
    固定する巻付装置とを備えたモータ用ロータの製造装置
    において、 前記熱硬化性樹脂の粘度を検出する第2粘度検出手段
    と、前記熱硬化性樹脂の粘度が所定値以上の場合には、
    前記熱硬化性樹脂が含浸された前記繊維束を前記磁石ま
    たは前記ロータに巻き付ける動作を停止させる第1巻付
    停止手段とが備えられていることを特徴とするモータ用
    ロータの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化性樹脂の放置時間を検出する
    放置時間検出手段を備え、前記熱硬化性樹脂の粘度およ
    び放置時間に基づいて前記第1巻付停止手段が前記繊維
    束の巻き付け動作を停止させることを特徴とする請求項
    3に記載のモータ用ロータの製造装置。
  5. 【請求項5】 繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させる含浸
    装置と、磁石が取り付けられたロータを保持し、かつ、
    前記熱硬化性樹脂が含浸された前記繊維束を前記磁石ま
    たは前記ロータに巻き付けて前記磁石と前記ロータとを
    固定する巻付装置とを備えたモータ用ロータの製造装置
    において、 前記繊維束に熱硬化性樹脂が含浸されてから前記繊維束
    が前記磁石または前記磁石に巻き付けられるまでの工程
    の温度を検出する温度検出手段と、前記工程の温度が所
    定値以下の場合には、前記熱硬化性樹脂が含浸された前
    記繊維束を前記磁石または前記ロータに巻き付ける動作
    を停止させる第2巻付停止手段とが備えられていること
    を特徴とするモータ用ロータの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記熱硬化性樹脂の放置時間を検出する
    放置時間検出手段を備え、前記工程の温度および放置時
    間に基づいて前記第2巻付停止手段が前記繊維束の巻き
    付け動作を停止させることを特徴とする請求項5に記載
    のモータ用ロータの製造装置。
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