JPH10134438A - 光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体の製造方法

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JPH10134438A
JPH10134438A JP8290559A JP29055996A JPH10134438A JP H10134438 A JPH10134438 A JP H10134438A JP 8290559 A JP8290559 A JP 8290559A JP 29055996 A JP29055996 A JP 29055996A JP H10134438 A JPH10134438 A JP H10134438A
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magneto
magnetic
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rare earth
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JP8290559A
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Masaji Suwabe
正次 諏訪部
Yoshihito Fukushima
義仁 福島
Yoshihiro Muto
良弘 武藤
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Original Assignee
Sony Corp
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    • G11B11/10Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field
    • G11B11/105Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field using a beam of light or a magnetic field for recording by change of magnetisation and a beam of light for reproducing, i.e. magneto-optical, e.g. light-induced thermomagnetic recording, spin magnetisation recording, Kerr or Faraday effect reproducing
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/06Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the coating material
    • C23C14/14Metallic material, boron or silicon
    • C23C14/18Metallic material, boron or silicon on other inorganic substrates
    • C23C14/185Metallic material, boron or silicon on other inorganic substrates by cathodic sputtering
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/54Controlling or regulating the coating process
    • C23C14/548Controlling the composition

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光強度変調ダイレクトオーバーライトが可能
な光磁気記録媒体や、磁気超解像技術が適用された光磁
気記録媒体等のように、稀土類−遷移金属合金からなる
複数の磁性層が積層された積層磁性膜を有する光磁気記
録媒体の製造方法として、良好な特性の光磁気記録媒体
を安定して作製することが可能な方法を提供する。 【解決手段】 積層磁性膜の成膜に用いる蒸発源とし
て、稀土類元素を主体とする1つ以上の蒸発源と、遷移
金属元素を主体とする1つ以上の蒸発源とを含む3つ以
上の蒸発源を使用する。そして、積層磁性膜の成膜中に
常に、稀土類元素を主体とする蒸発源と、遷移金属元素
を主体とする蒸発源とを含む2つ以上の蒸発源から放出
された粒子を被成膜面に入射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光強度変調ダイレ
クトオーバーライトが可能な光磁気ディスクのように、
稀土類−遷移金属合金からなる複数の磁性層が積層され
た積層磁性膜を有する光磁気記録媒体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光磁気記録の分野においては、高
転送レート化や高記録密度化といった高機能化の要望が
高まっており、これに対応するために様々な技術が実用
化されつつある。例えば、高転送レート化に対応するも
のの中で代表的なのは、光強度変調ダイレクトオーバー
ライト技術であり、高密度化に対応するものの中で代表
的なのは、磁気超解像技術(MSR:magnetically ind
uced super resolution)である。
【0003】これらの技術は何れも、従来は一つの磁性
層で構成されていた光磁気記録膜を、稀土類−遷移金属
合金からなる組成の異なる複数の磁性層を互いに交換相
互作用により結合するように積層した積層磁性膜で構成
することで実現される。
【0004】そして、このような積層磁性膜は、通常、
一つの成膜室の中に複数のターゲットを有するスパッタ
リング装置を用いて成膜される。このとき、各ターゲッ
トに構成元素の異なる材料が配されるとともに、それら
のターゲットに対向する位置に基板が配される。そし
て、各ターゲットから放出された粒子が基板上に堆積す
ることにより、様々な組成の磁性層が順次成膜される。
【0005】このようにスパッタリングによって積層磁
性膜を成膜する際、通常は、円形状のパレットに複数の
基板を取り付け、各基板が各ターゲット上を順次移動す
るようにパレットを回転させながら、それらの基板に対
して同時に成膜する。また、各磁性層の組成は、通常、
ターゲットの直上に配されたシャッターを開閉したり、
或いは、各ターゲットに投入するパワーを変化させたり
することによって制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、光強
度変調ダイレクトオーバーライトや磁気超解像等のよう
な技術は、稀土類−遷移金属合金からなる組成の異なる
複数の磁性層を積層した積層磁性膜を用いることによっ
て実現される。しかしながら、このような積層磁性膜を
有する光磁気記録媒体を実際に作製してみると、理論的
に予想されるような特性が安定に得られるとは限らな
い。
【0007】すなわち、このような光磁気記録媒体を実
際に作製してみると、積層磁性膜の面内において特性の
ばらつきが生じたり、或いは、多数の光磁気記録媒体を
作製したときに、光磁気記録媒体毎に特性にばらつきが
生じてしまう。このため、従来は、このような積層磁性
膜を有する光磁気記録媒体として、良好な特性を有する
ものを安定して作製することができなかった。
【0008】本発明はこのような従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、稀土類−遷移金属合金からなる複
数の磁性層が積層された積層磁性膜を有する光磁気記録
媒体の製造方法として、良好な特性の光磁気記録媒体を
安定して作製することが可能な方法を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】積層磁性膜を有する光磁
気記録媒体では、積層磁性膜を構成する各磁性層間に働
く交換相互作用と、各磁性層の磁気異方性とによって決
まる界面磁壁エネルギーσwを利用して、光強度変調ダ
イレクトオーバーライトや磁気超解像等を実現するよう
にしている。したがって、積層磁性膜を形成する際は、
界面磁壁エネルギーσwを制御することが非常に重要と
なっている。ここで、界面磁壁エネルギーσwは、交換
スティフネス定数をA、実効的な磁気異方性定数をK、
垂直磁気異方性定数をKu、磁化をMsとすると、下記の
数1で表される。
【0010】
【数1】
【0011】この界面磁壁エネルギーσwは、隣接した
二つの磁性層の境界部分である界面がどのような状態で
あるかによって大きく変化するが、磁性層と磁性層の間
になんらかの層(以下、界面層と称する。)が形成さ
れ、界面磁壁の大半がこの界面層の中にあるならば、界
面磁壁エネルギーσwは、界面層を構成する材料の交換
スティフネス定数A、垂直磁気異方性定数Ku及び磁化
Msによって決定される。すなわち、界面層が形成され
ているならば、上記数1の交換スティフネス定数A、垂
直磁気異方性定数Ku及び磁化Msは、界面層の特性とな
る。
【0012】したがって、例えば、二つの磁性層の界面
に、非磁性元素や希土類元素等のように交換スティフネ
ス定数Aが非常に小さい材料からなる界面層が形成され
ると、上記数1から分かるように、界面磁壁エネルギー
σwが急激に減少する。或いは、例えば、二つの磁性層
の界面に、FeやCoといった遷移金属元素等のように
磁化Msが非常に大きい材料からなる界面層が形成され
た場合にも、上記数1から分かるように、界面磁壁エネ
ルギーσwが急激に減少する。
【0013】そして、本発明者は、上述の目的を達成す
るために鋭意研究を重ねた結果、稀土類−遷移金属合金
からなる複数の磁性層を積層して積層磁性膜を成膜する
と、想定していた磁性層以外に、各磁性層の界面に界面
層が形成されてしまい、この界面層の影響により、良好
な特性の光磁気記録媒体を安定して作製することができ
なくなっていることを見いだした。
【0014】このような界面層の形成について、Gd
(FeCo)からなる第1の磁性層と、Tb(FeC
o)からなる第2磁性層とを積層した積層磁性膜をスパ
ッタリングによって成膜する場合を例に挙げて具体的に
説明する。
【0015】ここで、積層磁性膜は、成膜材料の蒸発源
となるTb、Gd、Fe及びFeCoの4つのターゲッ
トが一つの成膜室の中に配されたスパッタリング装置を
用いて成膜する。また、これらのターゲットの直上には
開閉可能なシャッターをそれぞれ設けておき、基板はこ
れらのターゲットに対向する位置に配しておく。
【0016】そして、第1磁性層を成膜する際は、Gd
ターゲット、Feターゲット及びFeCoターゲットの
3つのターゲットから放出された粒子のみを基板上に堆
積させる。すなわち、第1の磁性層を成膜する際は、G
dターゲット、Feターゲット及びFeCoターゲット
の直上にそれぞれ配された各シャッターを開き、Tbタ
ーゲットの直上に配されたシャッターを閉じ、Tbター
ゲットから放出された粒子が基板に到達しないようにす
る。これにより、Gd(FeCo)からなる第1の磁性
層が成膜される。
【0017】次いで、第2の磁性層を成膜する際は、T
bターゲット、Feターゲット及びFeCoターゲット
の3つのターゲットから放出された粒子のみを基板上に
堆積させる。すなわち、第2の磁性層を成膜する際は、
Tbターゲット、Feターゲット及びFeCoターゲッ
トの直上にそれぞれ配された各シャッターを開き、Gd
ターゲットの直上に配されたシャッターを閉じ、Gdタ
ーゲットから放出された粒子が基板に到達しないように
する。これにより、Tb(FeCo)からなる第2の磁
性層が成膜される。
【0018】ここで、通常のスパッタリング装置では、
シャッターの開閉制御は逐次処理され、各シャッターは
決まった順番で一つずつ開閉される。したがって、シャ
ッターの開閉動作が常に、Gdターゲット上のシャッタ
ー、Tbターゲット上のシャッター、Feターゲット上
のシャッター、FeCoターゲット上のシャッターの順
で行われるとすると、シャッターの動作は表1に示すよ
うになる。なお、表1において、○はシャッターが開い
ている状態を示し、×はシャッターが閉じている状態を
示している。また、中間状態は、第1の磁性層の成膜終
了後であって第2の磁性層の成膜開始前の状態を示して
いる。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示すように、第1の磁性層を成膜し
ているときは、Gdターゲット上のシャッターが開き、
Tbターゲット上のシャッターが閉じ、Feターゲット
上のシャッターが開き、FeCoターゲット上のシャッ
ターが開いた状態となっており、第1の磁性層の成膜が
終了したら、Gdターゲット上のシャッターが閉じら
れ、その後、第2の磁性層を成膜するために、Tbター
ゲット上のシャッターが開かれる。
【0021】ここで重要なのは、このような方法で成膜
を行った場合、各磁性層の成膜間に中間状態が生じてし
まう点である。上述の例において、中間状態のときに
は、希土類元素のターゲット(Gdターゲット及びTb
ターゲット)から放出された粒子は基板へ到達すること
ができず、遷移金属元素のターゲット(Feターゲット
及びFeCoターゲット)から放出された粒子のみが基
板上に堆積する。したがって、この方法で成膜を行った
場合には、第1の磁性層と第2の磁性層の界面の少なく
とも一部に、遷移金属元素だけからなる界面層が必ずで
きてしまう。
【0022】なお、上述の例ではシャッターの開閉によ
って、成膜される磁性層の組成を制御したが、成膜され
る磁性層の組成は、各ターゲットに投入するパワーを変
えることによって制御するようにしてもよいし、更に
は、シャッターの開閉による制御と、各ターゲットに投
入するパワーによる制御とを併用するようにしてもよ
い。そして、各ターゲットに投入するパワーを変えると
きにも、中間状態が生じる点は上述の例と同様であり、
このときも、第1の磁性層と第2の磁性層の界面の少な
くとも一部に、遷移金属元素だけからなる界面層が必ず
できてしまう。
【0023】そして、上述したように、遷移金属元素の
磁化は非常に大きく、界面磁壁エネルギーσwを減少さ
せる効果が非常に大きい。したがって、このような界面
層が形成されてしまうと、界面層が形成された部分の界
面磁壁エネルギーσwが非常に小さくなってしまう。す
なわち、このような界面層が形成されてしまうと、界面
層が形成されることなく第1の磁性層と第2の磁性層が
積層された積層磁性膜に比べて、界面磁壁エネルギーσ
wが非常に小さくなってしまい、積層磁性膜が第1の磁
性層と第2の磁性層だけからなるものとして予想してい
たような特性が得られなくなってしまう。
【0024】しかも、界面層は、各磁性層の成膜間の非
常に短い時間にだけ形成されるので、基板全面にわたっ
て均一に形成される訳ではなく、通常は、基板上の一部
だけに形成される。更に、複数の基板に対して同時に積
層磁性膜を形成したときには、各基板に同じように界面
層が形成される訳ではなく、通常、界面層の形成状態は
基板毎に異なるものとなる。このため、界面層が形成さ
れた部分と、形成されていない部分とが一つの基板内に
できてしまったり、各基板毎に界面層の形成状態が異な
るものとなってしまったりしてしまう。このため、従来
の製造方法では、積層磁性膜の特性にばらつきが生じて
しまっていた。
【0025】本発明は、以上のような知見に基づいて成
されたものであり、本発明に係る光磁気記録媒体の製造
方法は、稀土類−遷移金属合金からなる複数の磁性層が
積層された積層磁性膜を有する光磁気記録媒体の製造方
法において、積層磁性膜の成膜に用いる蒸発源として、
稀土類元素を主体とする1つ以上の蒸発源と、遷移金属
元素を主体とする1つ以上の蒸発源とを含む3つ以上の
蒸発源を使用し、積層磁性膜の成膜中に常に、稀土類元
素を主体とする蒸発源と、遷移金属元素を主体とする蒸
発源とを含む2つ以上の蒸発源から放出された粒子を被
成膜面に入射させることを特徴としている。
【0026】上記光磁気記録媒体の製造方法では、例え
ば、積層磁性膜を構成する各磁性層の界面のうちの少な
くとも一つに界面磁壁が形成されるように積層磁性膜を
形成する。そして、このような光磁気記録媒体の製造方
法は、具体的には、光強度変調ダイレクトオーバーライ
トが可能な光磁気記録媒体や、磁気超解像技術が適用さ
れた光磁気記録媒体等を製造する際に特に好適である。
【0027】以上のような本発明に係る光磁気記録媒体
の製造方法では、上述のように、積層磁性膜の成膜中に
常に、稀土類元素を主体とする蒸発源と、遷移金属元素
を主体とする蒸発源とを含む2つ以上の蒸発源から放出
された粒子を被成膜面に入射させるようにしている。し
たがって、本発明を適用したときには、遷移金属だけか
らなる界面層や稀土類金属だけからなる界面層が形成さ
れるようなことはなく、界面層が形成されるとしても、
遷移金属と稀土類金属の両方を含む界面層が形成され
る。
【0028】そして、稀土類−遷移金属合金からなる複
数の磁性層が積層された積層磁性膜において、界面磁壁
エネルギーσwは、遷移金属だけからなる界面層や稀土
類金属だけからなる界面層が形成されると大きく変動す
るが、遷移金属と稀土類金属の両方を含む界面層の影響
はあまり受けない。したがって、本発明によれば、界面
層による界面磁壁エネルギーσwの変動を抑えることが
できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態として、外部からの初期化磁界を必要とする
ことなく光強度変調ダイレクトオーバーライトが可能な
光磁気ディスクを例に挙げて、図面を参照しながら詳細
に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変
更可能であることは言うまでもない。
【0030】外部からの初期化磁界を必要とすることな
く光強度変調ダイレクトオーバーライトが可能な光磁気
ディスクは、特開昭63−268103号公報に開示さ
れているように、少なくとも4つの磁性層を積層した積
層磁性膜を用いることで実現できる。すなわち、このよ
うな光磁気ディスクは、ディスク基板上に、記録時に記
録信号に応じて磁化されるメモリ層と、記録時に一時的
に磁化方向が記録信号に応じて変化する記録層と、記録
時に一時的に消磁されるスイッチ層と、記録時にも磁化
方向が変化しない初期化層との4つの磁性層を積層する
ことで実現できる。ただし、動作の安定性や成膜マージ
ンの広さを考慮すると、メモリ層と記録層の間の交換相
互作用による磁気的結合状態を調整するために、メモリ
層と記録層の間に中間層と呼ばれる磁性層を設けること
が好ましい。
【0031】そこで、以下の説明では、メモリ層と、中
間層と、記録層と、スイッチ層と、初期化層との5つの
磁性層からなる積層磁性膜を有する光磁気ディスクを例
に挙げて、その製造方法について説明する。なお、実際
の光磁気ディスクでは、以上のような積層磁性膜の他
に、光磁気ディスクの光学特性や熱特性の向上等を目的
として、後述するように、誘電体層や熱伝導層等も積層
される。
【0032】まず、本実施の形態において作製される光
磁気ディスクの構成について、図1を参照して説明す
る。
【0033】この光磁気ディスクは、図1に示すよう
に、ポリカーボネートからなる円盤状のディスク基板1
の上に第1の誘電体層2と、メモリ層3と、中間層4
と、記録層5と、スイッチ層6と、初期化層7と、第2
の誘電体層8と、熱伝導層9とがこの順に積層され、更
に、熱伝導層9の上に紫外線硬化樹脂からなる保護層1
0が形成されて構成される。
【0034】ここで、第1の誘電体層2及び第2の誘電
体層8はSiNからなり、熱伝導層9はAlTiからな
る。一方、メモリ層3、中間層4、記録層5、スイッチ
層6及び初期化層7は、稀土類−遷移金属アモルファス
合金からなる磁性層であり、図2に示すように、一つの
成膜室内にTbターゲット21と、Gdターゲット22
と、Feターゲット23と、Fe20Co80ターゲット2
4とがセットされたスパッタリング装置により、DCマ
グネトロンスパッタによって、スパッタガスとしてAr
を用いて、真空を破らずに連続して成膜される。
【0035】ここで、各磁性層の組成の調整は、各ター
ゲット21,22,23,24に投入するパワーを制御
することにより行うとともに、図示していないが各ター
ゲット21,22,23,24の直上にシャッターを配
して、それらのシャッターの開閉動作を制御することに
よって行う。すなわち、本実施の形態では、シャッター
の開閉による制御と、各ターゲット21,22,23,
24に投入するパワーによる制御とを併用して、各磁性
層の組成の調整を行う。
【0036】また、各磁性層の成膜時には、各磁性層の
膜厚や組成のむらを抑えるために、図2に示すように、
円形状の金属板からなるパレット25に取り付けられた
基板ホルダ26にディスク基板1をセットし、パレット
25の中心を公転中心として、図2の矢印A1に示すよ
うに、基板ホルダ26が取り付けられたパレット25を
公転させるとともに、基板ホルダ26の中心を自転中心
として、図2の矢印A2に示すように、基板ホルダ26
に取り付けられたディスク基板1を自転させる。
【0037】このような光磁気ディスクを構成する第1
の誘電体層2、メモリ層3、中間層4、記録層5、スイ
ッチ層6、初期化層7、第2の誘電体層8及び熱伝導層
9について、それらの組成、膜厚、TM/RE、飽和磁
化、キュリー温度をまとめて表2に示す。なお、TM/
REとは、遷移金属元素の成膜量と稀土類元素の成膜量
との比のことである。すなわち、Feターゲット23や
Fe20Co80ターゲット24による成膜量と、Tbター
ゲット21やGdターゲット22による成膜量との比が
TM/REである。
【0038】
【表2】
【0039】つぎに、以上のような光磁気ディスクを製
造する際に本発明を適用した具体的な実施例と、その比
較例について説明する。
【0040】実施例1 本実施例では、ポリカーボネートからなるディスク基板
1を、図2に示したようなスパッタリング装置にセット
して、パレット25及び基板ホルダ26を回転させなが
ら、図1に示した各層を積層する。
【0041】すなわち、先ず、ディスク基板1上に、反
応性RFスパッタによってSi34からなる第1の誘電
体層2を65nm成膜する。次に、DCマグネトロンス
パッタによって、スパッタガス圧を7mTorrとし
て、第1の誘電体層2の上に、Tb(Fe94Co6)か
らなる膜厚30nmのメモリ層3と、GdFeからなる
膜厚10nmの中間層4と、(Gd25Tb75)(Fe
87.5Co12.5)からなる膜厚15nmの記録層5と、T
b(Fe93Co7)からなる膜厚10nmのスイッチ層
6と、Tb(Fe20Co80)からなる膜厚40nmの初
期化層7とを真空を破らずに連続して順次積層する。次
に、初期化層7上に、反応性RFスパッタによって、S
34からなる第2の誘電体層8を30nm成膜し、更
に、第2の誘電体層8上に、DCマグネトロンスパッタ
によって、AlTiからなる熱伝導層9を40nm成膜
する。その後、ディスク基板1をスパッタリング装置か
ら取り出して、熱伝導層9上に紫外線硬化樹脂からなる
保護層10を形成する。これにより、図1に示したよう
な構成の光磁気ディスクが完成する。
【0042】ここで、メモリ層3、中間層4、記録層
5、スイッチ層6及び初期化層7を成膜する際、それら
の組成の制御は、各ターゲット21,22,23,24
の直上に配されたシャッターの開閉と、各ターゲット2
1,22,23,24に投入するパワーとを制御するこ
とによって行う。そして、シャッターの開閉やターゲッ
トに投入するパワーの制御は、各ターゲット毎に逐次処
理し、決まった順番で一つずつ制御する。具体的には、
本実施例において、これらの制御は、Gdターゲット2
2、Tbターゲット21、Feターゲット23、Fe20
Co80ターゲット24の順に行うようにする。
【0043】そして、特に本実施例では、各シャッター
の開閉動作を表3に示すように行う。なお、表3並びに
後掲する表4及び表5において、○はシャッターが開い
ている状態を示し、×はシャッターが閉じている状態を
示している。また、第1の中間状態及び第2の中間状態
は、メモリ層3の成膜終了後であって中間層4の成膜開
始前の状態を順次示しており、第3の中間状態は、中間
層4の成膜終了後であって記録層5の成膜開始前の状態
を示している。
【0044】
【表3】
【0045】表3に示すように、本実施例において、メ
モリ層3を成膜するときは、Gdターゲット22上のシ
ャッターを閉じ、Tbターゲット21上のシャッターを
開き、Feターゲット23上のシャッターを開き、Fe
20Co80ターゲット24上のシャッターを開いた状態と
する。そして、メモリ層3の成膜が終了したら、先ず、
Gdターゲット22上のシャッターを開き、次に、Tb
ターゲット21上のシャッターを閉じ、その後、Fe20
Co80ターゲット24上のシャッターを閉じて中間層4
の成膜を開始する。
【0046】そして、中間層4の成膜が終了したら、先
ず、Tbターゲット21上のシャッターを開き、その
後、Fe20Co80ターゲット24上のシャッターを開い
て記録層5の成膜を開始する。そして、記録層5の成膜
が終了したら、Gdターゲット22上のシャッターを開
いてスイッチ層6の成膜を開始する。そして、スイッチ
層6の成膜が終了したら、Feターゲット23上のシャ
ッターを閉じて初期化層7の成膜を開始する。
【0047】以上のようにシャッターを開閉することに
より、メモリ層3、中間層4、記録層5、スイッチ層6
及び初期化層7の成膜中には、稀土類元素を主体とする
蒸発源であるTbターゲット21及びGdターゲット2
2のうちの少なくとも一方と、遷移金属元素を主体とす
る蒸発源であるFeターゲット23及びFe20Co80
ーゲット24のうちの少なくとも一方とを含む2つ以上
のターゲットから放出された粒子が、常に被成膜面に入
射することとなる。したがって、本実施例では、各磁性
層の界面に、それらの磁性層と組成の異なる界面層が形
成されたとしても、当該界面層は遷移金属元素と稀土類
元素の両方を含むこととなる。
【0048】実施例2 本実施例では、Tbターゲット21が配されるカソード
と、Gdターゲット22が配されるカソードとを交換
し、シャッターの開閉やターゲットに投入するパワーの
制御を、Tbターゲット21、Gdターゲット22、F
eターゲット23、Fe20Co80ターゲット24の順に
行うようにし、各シャッターの開閉動作を表4に示すよ
うに行う。そして、この他は実施例1と同様に光磁気デ
ィスクを作製する。
【0049】
【表4】
【0050】表4に示すように、本実施例において、メ
モリ層3を成膜するときは、Tbターゲット21上のシ
ャッターを開き、Gdターゲット22上のシャッターを
閉じ、Feターゲット23上のシャッターを開き、Fe
20Co80ターゲット24上のシャッターを開いた状態と
する。そして、メモリ層3の成膜が終了したら、先ず、
Gdターゲット22上のシャッターを開き、次に、Tb
ターゲット21上のシャッターを閉じ、その後、Fe20
Co80ターゲット24上のシャッターを閉じて中間層4
の成膜を開始する。
【0051】そして、中間層4の成膜が終了したら、先
ず、Tbターゲット21上のシャッターを開き、その
後、Fe20Co80ターゲット24上のシャッターを開い
て記録層5の成膜を開始する。そして、記録層5の成膜
が終了したら、Gdターゲット22上のシャッターを開
いてスイッチ層6の成膜を開始する。そして、スイッチ
層6の成膜が終了したら、Feターゲット23上のシャ
ッターを閉じて初期化層7の成膜を開始する。
【0052】以上のようにシャッターを開閉することに
より、メモリ層3、中間層4、記録層5、スイッチ層6
及び初期化層7の成膜中には、稀土類元素を主体とする
蒸発源であるTbターゲット21及びGdターゲット2
2のうちの少なくとも一方と、遷移金属元素を主体とす
る蒸発源であるFeターゲット23及びFe20Co80
ーゲット24のうちの少なくとも一方とを含む2つ以上
のターゲットから放出された粒子が、常に被成膜面に入
射することとなる。したがって、本実施例では、各磁性
層の界面に、それらの磁性層と組成の異なる界面層が形
成されたとしても、当該界面層は遷移金属元素と稀土類
元素の両方を含むこととなる。
【0053】比較例 本比較例では、各磁性層を成膜する際の各シャッターの
開閉動作を表5に示すように行い、その他は実施例2と
同様に光磁気ディスクを作製する。
【0054】
【表5】
【0055】表5に示すように、本比較例において、メ
モリ層3を成膜するときは、Tbターゲット21上のシ
ャッターを開き、Gdターゲット22上のシャッターを
閉じ、Feターゲット23上のシャッターを開き、Fe
20Co80ターゲット24上のシャッターを開いた状態と
する。そして、メモリ層3の成膜が終了したら、先ず、
Tbターゲット21上のシャッターを閉じ、次に、Gd
ターゲット22上のシャッターを開き、その後、Fe20
Co80ターゲット24上のシャッターを閉じて中間層4
の成膜を開始する。
【0056】そして、中間層4の成膜が終了したら、先
ず、Tbターゲット21上のシャッターを開き、その
後、Fe20Co80ターゲット24上のシャッターを開い
て記録層5の成膜を開始する。そして、記録層5の成膜
が終了したら、Gdターゲット22上のシャッターを閉
じてスイッチ層6の成膜を開始する。そして、スイッチ
層6の成膜が終了したら、Feターゲット23上のシャ
ッターを閉じて初期化層7の成膜を開始する。
【0057】以上のようにシャッターを開閉したとき
は、第1の中間状態のときに、遷移金属元素を主体とす
る蒸発源であるFeターゲット23及びFe20Co80
ーゲット24から放出された粒子だけが、被成膜面に入
射することとなる。したがって、本比較例では、メモリ
層3と中間層4の界面に、遷移金属元素だけからなる界
面層が形成される。
【0058】実施例及び比較例の評価 外部からの初期化磁界を必要とすることなく光強度変調
ダイレクトオーバーライトが可能な光磁気ディスクに、
情報信号を記録する際は、情報信号に対応する記録磁区
が記録層に一旦記録され、その後、記録層に形成された
記録磁区がメモリ層に転写される。そして、光強度変調
ダイレクトオーバーライトが可能な光磁気ディスクで
は、このような転写の特性がディスク全面にわたって均
一であり、記録層に形成された記録磁区がメモリ層に確
実に転写されるなっている必要がある。
【0059】そこで、上述のような実施例及び比較例で
作製された光磁気ディスクについて、このような転写特
性の評価を行った。ここで、転写特性の評価は、レーザ
光の波長が680nm、開口数NAが0.55の評価機
を用いて、転写感度の面内ばらつきを調べた。
【0060】具体的には、先ず、線速を9.4m/sと
して、マーク長2.6μmの繰り返しパターンを最適記
録条件で光磁気ディスクに記録し、次に、300Oeの
外部磁界を記録方向に印加した状態で、レーザ光のパワ
ーを少しずつ上昇させながら、光磁気ディスクにレーザ
光を連続照射し、これにより、記録された信号の消去が
開始されるときのレーザ光のパワー、すなわち消去開始
パワーを求めた。そして、このように求められた消去開
始パワーで、光磁気ディスクに記録された信号を消去し
た後、光磁気ディスクに対して再生処理を行い、その再
生波形をオシロスコープで観察して、消去感度の面内ば
らつきの有無を確認した。
【0061】以上のような評価を行った結果、実施例1
及び実施例2で作製した光磁気ディスクでは、消去感度
の面内ばらつきが少なく、レーザ光のパワーに換算する
と、そのばらつきは0.1mW程度であった。このこと
から、実施例1及び実施例2で作製した光磁気ディスク
は、転写特性がディスク全面にわたってほぼ均一になっ
ていることが分かる。
【0062】一方、比較例で作製した光磁気ディスク
は、消去感度の面内ばらつきが大きく、レーザ光のパワ
ーに換算すると、そのばらつきは0.5mW程度であっ
た。このことから、比較例で作製した光磁気ディスク
は、転写特性がディスク面内において不均一になってし
まっていることが分かる。
【0063】さらに、各光磁気ディスクについて、転写
動作の強さを最大記録磁界を測定することで確認した。
【0064】ここで、最大記録磁界とは、記録時に印加
することができる磁界の最大値である。光強度変調ダイ
レクトオーバーライトでは、記録時に外部から磁界が印
加されるが、このような外部磁界の存在に関わらず、記
録層に形成された記録磁区がメモリ層に転写される必要
がある。しかしながら、外部磁界が大きすぎると、この
ような転写動作が正常に行われなくなってしまう。した
がって、記録時に外部から印加する磁界は、転写動作が
正常に行われるような大きさとする必要があり、その最
大許容値が最大記録磁界である。
【0065】そして、最大記録磁界を測定したところ、
実施例1及び実施例2で作製した光磁気ディスクでは、
最大記録磁界がディスク面内の全ての領域にわたって6
00Oe以上となっていたが、比較例で作製した光磁気
ディスクでは、最大記録磁界が部分的に300Oe程度
になっていた。
【0066】以上のように、比較例で作製した光磁気デ
ィスクにおいて、転写特性がディスク面内において不均
一になり、最大記録磁界が部分的に変動してしまってい
る原因は、メモリ層3の成膜と記録層4の成膜の間の第
1の中間状態において、遷移金属元素のみからなる界面
層が部分的に形成されてしまい、このような界面層が形
成された部分の界面磁壁エネルギーσwが減少したため
と考えられる。
【0067】換言すれば、実施例1や実施例2のよう
に、各磁性層間に界面層が形成されたとしても当該界面
層が遷移金属元素と稀土類元素の両方を含むようにする
ことにより、界面層による界面磁壁エネルギーσwの変
動を抑えることが可能となり、この結果、積層磁性膜の
面内における特性のばらつきを抑えることが可能とな
る。
【0068】また、このように、界面層が遷移金属元素
と稀土類元素の両方を含むようにすることにより、単一
の光磁気ディスクの面内における特性のばらつきを抑え
ることができるだけでなく、複数の光磁気ディスクを同
時に作製したときに、各光磁気ディスク毎の特性のばら
つきを抑えることができることは言うまでもない。
【0069】なお、以上の説明では、5層構造の積層磁
性膜を有する光磁気ディスクを例に挙げたが、積層磁性
膜が5層構造であることは本発明の本質ではなく、本発
明は、2以上の磁性層が積層された積層磁性膜を有する
光磁気ディスクを製造する際に広く適用可能である。
【0070】具体的には、例えば、再生信号特性を改善
するために、第1の誘電体層2とメモリ層3との間に再
生層と呼ばれる磁性層を設け、積層磁性膜を6層構造と
した光磁気ディスクを作製する際にも、本発明は適用可
能である。ここで、再生層は、より大きな再生出力を得
られるようにするためのものであり、GdFeCo等の
ように大きなカー回転角が得られる磁性材料によって形
成する。
【0071】或いは、本発明は、外部から初期化磁界を
印加することによって光強度変調ダイレクトオーバーラ
イトが可能となる光磁気ディスクを作製する際にも適用
可能である。このような光磁気ディスクでは、初期化層
が不要であり、積層磁性膜は2層程度とされる。
【0072】更に、本発明が適用可能な光磁気記録媒体
は、光強度変調ダイレクトオーバーライトが可能な光磁
気ディスクに限られるものではなく、本発明は、稀土類
−遷移金属合金からなる複数の磁性層が積層された積層
磁性膜を有する光磁気記録媒体を製造する際に広く適用
可能である。
【0073】具体的には、例えば、磁気超解像技術が適
用された光磁気ディスクを製造する際にも、本発明を適
用することができる。
【0074】磁気超解像技術は、光磁気ディスクの記録
膜を工夫することによってビームスポット径よりも短い
ピッチで記録されたマークを再生する技術である。一般
に、レーザ光を照射したときには、ビームスポットの前
方部分よりも後方部分のほうが高温になるので、温度差
に応じて磁気的なマスクとして働く磁性層を、実際に情
報信号が記録される磁性層の上に形成しておくと、ビー
ムスポットの一部を磁気的に覆い隠すことができる。そ
こで、温度差に応じて磁気的なマスクとして働く磁性層
を形成しておくことにより、信号が検出される領域を限
定でき、より小さい記録マークを再生できる。これが磁
気超解像技術である。
【0075】このような磁気超解像技術を用いた光磁気
ディスクでは、温度差に応じて磁気的なマスクとして働
く磁性層と、実際に情報信号が記録される磁性層とを積
層し、これらの間に室温付近で界面磁壁が存在できるよ
うにする必要がある。そして、磁気超解像技術が適用さ
れた光磁気ディスクを製造する際に、本発明を適用する
ことにより、温度差に応じて磁気的なマスクとして働く
磁性層と、実際に情報信号が記録される磁性層とからな
る積層磁性膜中の界面磁壁エネルギーσwのばらつきを
抑えることができる。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、積層磁性膜の成膜中に常に、稀土類元素を主体と
する蒸発源と、遷移金属元素を主体とする蒸発源とを含
む2つ以上の蒸発源から放出された粒子が被成膜面に入
射するようにしているので、積層磁性膜の特性のばらつ
きを抑えることができる。したがって、本発明によれ
ば、良好な特性を有する光磁気記録媒体を安定して作製
することが可能となる。しかも、特性のばらつきが抑え
られるので、媒体設計時の自由度が広くなるとともに、
記録再生時のマージンも拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタリング装置の一例を模式的に示す斜視
図である。
【図2】本発明を適用して作製される光磁気ディスクの
一例について、その積層構造を示す図である。
【符号の説明】
1 ディスク基板、 2 第1の誘電体層、 3 メモ
リ層、 4 中間層、5 記録層、 6 スイッチ層、
7 初期化層、 8 第2の誘電体層、9 熱伝導
層、 10 保護層、 21 Tbターゲット、 22
Gdターゲット、 23 Feターゲット、 24
Fe20Co80ターゲット、 25 パレット、 26
基板ホルダ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 稀土類−遷移金属合金からなる複数の磁
    性層が積層された積層磁性膜を有する光磁気記録媒体の
    製造方法において、 上記積層磁性膜の成膜に用いる蒸発源として、稀土類元
    素を主体とする1つ以上の蒸発源と、遷移金属元素を主
    体とする1つ以上の蒸発源とを含む3つ以上の蒸発源を
    使用し、 上記積層磁性膜の成膜中に常に、稀土類元素を主体とす
    る蒸発源と、遷移金属元素を主体とする蒸発源とを含む
    2つ以上の蒸発源から放出された粒子を被成膜面に入射
    させることを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記積層磁性膜をスパッタリングによっ
    て成膜することを特徴とする請求項1記載の光磁気記録
    媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記積層磁性膜を構成する各磁性層の界
    面のうちの少なくとも一つに界面磁壁が形成されるよう
    に積層磁性膜を形成することを特徴とする請求項1記載
    の光磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 光強度変調ダイレクトオーバーライトが
    可能な光磁気記録媒体を製造することを特徴とする請求
    項1記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 磁気超解像技術が適用された光磁気記録
    媒体を製造することを特徴とする請求項1記載の光磁気
    記録媒体の製造方法。
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