JPH10134419A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JPH10134419A
JPH10134419A JP8302420A JP30242096A JPH10134419A JP H10134419 A JPH10134419 A JP H10134419A JP 8302420 A JP8302420 A JP 8302420A JP 30242096 A JP30242096 A JP 30242096A JP H10134419 A JPH10134419 A JP H10134419A
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JP
Japan
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layer
substrate
recording layer
optical information
recording
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Application number
JP8302420A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 二枚の基板の外側端部において高い接着性を
実現することにより、剥れがなく、また良好な保存安定
性が付与された、より簡略化された構造の光情報記録媒
体を提供する。 【解決手段】 それぞれ、記録層及び反射層をこの順に
設け、かつ該記録層と反射層の外側端部の双方を内側に
後退させることによって外側端部表面に露出面を形成し
た、中央に孔部を持つ二枚の円盤状基板、もしくは記録
層及び反射層をこの順に設け、かつ該記録層と反射層の
外側端部の双方を内側に後退させることによって外側端
部表面に露出面を形成した、中央に孔部を持つ円盤状基
板と該基板と同一の形状を持つ円盤状保護板とを、それ
ぞれ記録層側が内側となるように前記反射層表面と露出
面とに接着剤層を接触させた状態で貼り合わせてなるサ
ンドイッチ型光情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれ、記録層
及び反射層をこの順に有する二枚の円盤状基板、もしく
は該基板と、該基板と同一の形状を持つ円盤状保護板と
をそれぞれ記録層側が内側となるように貼り合わせてな
る、レーザ光により情報の記録と読み出しが可能なサン
ドイッチ型光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一回限り情報の記録が可能であるが、一
旦書き込んだ情報の消去はできないと言う追記型光情報
記録媒体(CD−R)が実用化されている。この追記型
光情報記録媒体は、数枚から数十枚程度の少量の単位で
情報が記録されたCDを、手頃な価格でかつ迅速に提供
できるとのニーズに対応したものとして利用されてい
る。この媒体の一般的な構造は、円盤状基板上に色素か
らなる記録層及び金属からなる反射層をこの順に設け、
更に樹脂からなる保護層が塗布により反射層上にこれを
覆うように設けられた構造である。なお、基板の表面
(基板と記録層との界面)には通常、照射されるレーザ
光の走査を案内し、レーザ光が照射予定位置を正確にた
どるように予め凹状の案内溝(一般にプレグループと称
する)が形成されている。しかし上記の構造は、充分高
い耐久性を有しているとは言えず、また昨今の高い記録
容量の要望に対しては充分対応できないと言う問題があ
る。
【0003】上記のような要望に対し、大記録容量を持
つ光情報記録媒体として最近、追記型DVD(ディジタ
ル・ビデオ・ディスク:DVD−R)の開発が進められ
ている。この追記型光情報記録媒体は、例えば、医療用
カルテ、美術館や図書館の電子ライブライリー、公文書
などの大量の情報の保存に極めて有用性の高いものと期
待されている。DVD−Rの基本構造としては、例え
ば、図8に示す構造のものが提案されている(「日経ニ
ューメディア」別冊[DVD]、1995年発行)。即
ち、DVD−Rは、トラッキングのための案内溝(プレ
グループ)が形成された円盤状基板81a、該円盤状基
板上にスピンコート法で形成した有機色素層(記録層)
83a、更にその上に反射層84a及び保護層85aを
順に有するディスクを二枚(もう一方のディスクの符号
の説明は省略)、接着剤層86により記録層側を内側に
して貼り合わせた構造からなっている。上記のDVD−
Rへの情報の書き込み(記録)及び読み取り(再生)
は、ディスクの基板の両面側から行うことができるため
に、それだけでも前記CD−Rに比べて単純に二倍の情
報の保存が可能となる。また、図8で示されるDVD−
Rの別の態様として、上記文献には、一方のディスクを
円盤状保護板に代えて、一方の基板のみに記録層、反射
層及び保護層を順に設けた構成の光情報記録媒体の開示
もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記のよ
うな二枚の円盤状基板を貼り合わせてなる光情報記録媒
体の性能、特に、基板端部の接着性や保存安定性(耐久
性)について検討した。それによると、従来の光情報記
録媒体は、二枚の基板の端部で剥れが生じ易く、また保
存安定性(耐久性)も充分でないことが判明した。そし
て基板の端部の剥れは、以下の理由により生じることを
見出した。即ち、二枚の円盤状基板を貼り合わせてなる
光情報記録媒体の一つの態様としては、例えば、図7に
示す構造のものが考えられる。この媒体は、記録層73
および反射層74がこの順で設けられ、更にこれらの上
に反射層74を覆うようにして保護層75が設けられた
円盤状基板71と円盤状保護板72とを接着剤層76を
介して接合された構造のものである。そしてこの媒体
は、一般に下記の工程により製造されている。まず記録
層73を円盤状基板71の上に形成する。記録層73
は、通常スピンコータを用いて記録層用塗布液を塗布す
ることにより形成されるため、図のように、該円盤状樹
脂基板71上にほぼ全面に亙って塗布される。次に、金
属からなる反射層74をマスキングにより蒸着、スパッ
タリングなどの方法で記録層73上に、該記録層の外周
端部より反射層の外周端部が内側となるように設ける。
次いで、紫外線硬化性樹脂で反射層74を覆うようにし
て保護層75を設けた後、得られた基板71と該基板と
同一形状の保護板(基板)72とを記録層73を内側に
して接着剤(接着剤層76)で貼り合わせる。このよう
にして図7に示す構造のものを得ることができる。
【0005】一般にサンドイッチ型の光情報記録媒体に
おいては、反射層は、金属からなる層であるため、反射
層と記録層及び反射層と保護層とのそれぞれの界面では
充分な接合力を得ることができない。そのため、二枚の
基板の接合力は、反射層の介在しない領域、即ち、基板
の孔部周縁部近傍の外側領域及び基板の外周端部近傍の
内側領域における各層間のそれぞれの界面での接着力に
よって主に保持されている。このことは、例えば、媒体
が、衝撃や曲げによる変形を受けた時には、そのひずみ
が基板の端部、特に外周端部に剥れとなって現れること
をも意味する。従って二枚の基板で挟まれた端部の構造
はより強固に設計されていることが望ましい。しかし、
本発明者の更なる検討では、従来、このタイプの基板の
外周端部においては、図7に示されているように、保護
層は基板と直接接触しておらず、記録層を介して基板と
接合した状態にあり、また記録層自体は色素からなる層
であるため、充分な層間の接着力を得ることができず、
従って基板と記録層あるいは記録層と保護層の界面では
剥離が生じ易いことがわかった。また保護層が記録層と
接した部分においては、経時的に接着強度が低下して、
剥れ易くなり、充分な耐久性(保存安定性)が得られな
いこともわかった。その理由は明らかではないが、保護
層が接する記録層の部分では、保護層中の成分、例えば
ラジカル成分などの影響を受け易く、また記録層の端面
(側面)は露出した状態にあり、酸素などの影響を受け
易いため、経時的に記録層が劣化するためと考えられ
る。更に、光情報記録媒体の製造に際しては、媒体はで
きるだけ少ない工程で効率よく生産できることが望まし
い。しかし従来の光情報記録媒体には、記録層、反射
層、保護層、そして接着剤層が設けられており、従って
これらの各層を形成するための作業工程も多いことか
ら、生産性の点からも更なる改良が望まれる。
【0006】本発明の目的は、二枚の基板の外側端部に
おいて高い接着性を実現することにより、剥れがなく、
また良好な耐久性(保存安定性)が付与された光情報記
録媒体を提供することである。また本発明の目的は、よ
り簡略化された構造の光情報記録媒体を提供することで
もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
二枚の基板を貼り合わせる際に、記録層及び反射層を基
板の外側端部までその全面に設けることなく、外側端部
に基板表面を露出させた領域を残して記録層及び反射層
を設け、かつ反射層上及び該露出面に接着剤層を直接接
触させた状態で貼り合わせることにより、基板端部での
剥れが生じにくく、かつ保存安定性の高い光情報記録媒
体を得られることが見出された。また、反射層上及び該
露出面に直接接触させた状態で接着剤層を設けることに
より、保護層を設ける必要がなく、従来に比べてより簡
単な構造の光情報記録媒体を製造できることも見出さ
れ、本発明を完成させたものである。
【0008】本発明は、それぞれ、記録層及び反射層を
この順に設け、かつ該記録層と反射層の外側端部の双方
を内側に後退させることによって外側端部表面に露出面
を形成した、中央に孔部を持つ二枚の円盤状基板、もし
くは記録層及び反射層をこの順に設け、かつ該記録層と
反射層の外側端部の双方を内側に後退させることによっ
て外側端部表面に露出面を形成した、中央に孔部を持つ
円盤状基板と該基板と同一の形状を持つ円盤状保護板と
を、それぞれ記録層側が内側となるように前記反射層表
面と露出面とに接着剤層を接触させた状態で貼り合わせ
てなるサンドイッチ型光情報記録媒体にある。
【0009】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)記録層と反射層の内側端部の双方を外側に後退さ
せることにより、孔部周縁部近傍の外側領域の基板表面
に露出面を形成し、その露出面に接着剤層を接触させて
いる。 (2)記録層が色素記録層である。 (3)反射層が、金属または半金属からなる層(更に好
ましくは、金からなる層)である。 (4)接着剤層が、UV硬化性樹脂からなる層である。 (5)接着剤層が、0.1〜100μm(更に好ましく
は、20〜80μm、特に、30〜70μm)の範囲の
平均厚みとなるように設けられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体を添付図
面に示す各図を用いて説明する。図1及び図2は、それ
ぞれ本発明の光情報記録媒体の好ましい例を模式的に示
す断面図である。図1に示される光情報記録媒体1は、
記録層13及び反射層14がこの順で設けられた中央に
孔部10aを持つ円盤状基板11と、該基板と同一の形
状を持つ(中央に孔部10bを持つ)円盤状保護板12
とをそれぞれ記録層側が内側となるように接着剤層16
で貼り合わされてなるサンドイッチ型の例である。また
図2に示される光情報記録媒体2は、それぞれ記録層2
3a、23b、及び反射層24a、24bがこの順で設
けられた、中央に孔部20a、20bを持つ二枚の円盤
状基板21a、21bをそれぞれ記録層側が内側となる
ように接着剤層26で貼り合わされてなるサンドイッチ
型の例である。いずれの態様においても、接着剤層16
は、反射層14、24a、24bの表面と接触してお
り、また記録層と反射層の基板の外側端部には、基板端
部表面に露出させた領域(露出面)17、そして27
a、27bを形成し、接着剤層16、26の端部を、そ
れぞれこの露出面17、そして27a、27bと密着状
態で接合させている。なお、本発明においては、図1及
び図2に示されるように、記録層と反射層の基板の内側
端部(孔部周縁部の外側領域)においても基板表面を露
出させた領域(露出面)18、そして28a、28bを
形成し、接着剤層16、26の端部を、それぞれこの露
出面18、そして28a、28bに密着状態で接合させ
ることが好ましい。
【0011】本発明の光情報記録媒体は、例えば以下の
方法により製造することができる。本発明の光情報記録
媒体として図1に示される態様を例にとって、その製造
方法を図3〜図5を参照しながら詳述する。図3は、中
央に孔部10aを持つ円盤状基板11上に、記録層13
を塗布により設けた状態を模式的に示す部分断面図であ
る。色素からなる記録層は、中央に孔部を備えた円盤状
基板上に記録層形成用塗布液を通常スピンコート法を利
用して形成される。スピンコート法を利用することによ
り、中央孔部の周縁部外側領域の塗布位置(記録層の内
側端部)をある程度制御しながら塗布できる。従って中
央孔部の周縁部外側には、記録層が形成されない領域を
作ることができる。しかし、この記録層が形成されない
領域を充分確保するためには、記録層を塗布後、記録層
の内側端部の一定の領域を除去することが好ましい。な
お、塗布は、スピンコート法以外にロールコート法やデ
ィップコート法などの方法を用いても行うことができる
が、スピンコート法に比べて、これらの方法では塗布領
域を制御することは更に困難である。
【0012】次に、記録層上に金属からなる反射層を形
成する。図4は、記録層13の上に更に反射層14を形
成し、記録層と反射層の外側端部の双方を内側に後退さ
せた状態を模式的に示す部分断面図である。図4に示す
ように、記録層13と反射層14とを基板11上に所定
の範囲で設けるには、例えば、以下の方法を利用するこ
とができる。 1)記録層の外側端部を所定の位置まで適当な溶剤を用
いてスピンコート法による洗浄(スピン洗浄)により洗
い流し、その領域の記録層を除去する。その後、マスキ
ングにより反射層を形成する。反射層は、蒸着、スパッ
タリング、あるいはイオンプレーティングなどの方法を
利用して形成することができる。 2)上記と同様にして反射層をマスキングにより記録層
上に形成した後、反射層からはみ出した部分(記録層の
外側端部)の記録層を上記スピン洗浄により洗い流し、
そのはみ出した部分の記録層を除去する。 3)上記と同様にして反射層をマスキングにより記録層
上に形成した後、次の接着剤層形成用塗布液を塗布する
工程で、この塗布液をスピンコート法で塗布しながら同
時に外側端部の記録層を洗い流し、その領域の記録層を
除去する。この方法を利用することで、外側端部の記録
層の除去と同時に、接着剤層の塗布を行うことができ
る。
【0013】外側端部の記録層を除去するには、上記の
ようにスピン洗浄の他に、塗布の後記録層が乾燥する前
に、拭き取る方法、あるいはレーザ光により燃焼させる
方法を利用しても良い。また中央孔部の周縁部外側領域
に、記録層が形成されない領域を作る場合にはこれらの
方法を組み合わせて利用することができる。なお、上記
のように外側端部の記録層を除去し、所定の範囲に記録
層を形成する方法については、例えば、特開平2−18
3442号公報及び同2−236833号公報に記載さ
れており、これらの方法を利用することができる。以上
の方法により、記録層13と反射層14の外側端部の双
方を内側に後退させることができ、基板端部に基板表面
を露出させた領域(露出面)17を形成することができ
る。基板端部に形成した露出面は、接着剤層が直接基板
表面と接触した領域となるが、この領域は、基板の全円
周の外側端部に沿って0.05mm〜10mmの範囲の
巾で設けられることが好ましい。更に好ましくは、この
領域は、0.2mm〜1.0mmの範囲の幅で設けられ
ることが好ましい。
【0014】図3及び図4に示したように、記録層13
及び反射層14をこの順に設けた基板11を次に、別に
用意したこの基板と同一の形状を持つ円盤状保護板(基
板)12に記録層を内側にして重ね合わせ、接着剤によ
り貼り合わせる。二枚の基板の貼り合わせは、一方、あ
るいは双方の基板上に接着剤を塗布した後、この基板同
士の接着面を重ね合わせ、例えば、図5に示す圧着装置
50の加圧板51a、51bの間に挟み、加圧処理する
ことにより、行うことができる。接着剤は、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、あるいはUV(紫外線)硬化性樹脂
などの接着剤から適宜選択して利用できる。生産性や得
られる媒体の強度などの点から、UV(紫外線)硬化性
樹脂の使用が好ましい。UV硬化性樹脂を用いた場合に
は、この樹脂液をスピンコート法などを利用して塗布し
た後、UV光を照射させることにより、接着剤層を形成
することができる。但し、図2に示すような構成の光情
報記録媒体を作成する場合には、双方の基板上に記録層
を有するため、UV硬化性樹脂接着剤の使用は困難にな
る。このため図2に示されるタイプの場合には、UV硬
化性樹脂接着剤以外の接着剤が用いられる。なお、UV
硬化性樹脂を用いる場合には、加圧処理しながらUV光
を照射するため、加圧板は、透明な材料が用いられる。
例えば、白板ガラス、石英ガラス、青板ガラスを好まし
いものとして挙げることができる。
【0015】二枚の基板の貼り合わせに際して、基板端
部表面を露出させた領域(露出面)のすべての領域(全
円周に渡った露出面の領域)を用いて接着剤層と接合さ
せることが、より高い接着強度を得る上で好ましいが、
必ずしもこの領域のすべてが接着剤層と接触している必
要はない。即ち、基板の露出面において接着剤層が設け
られていない部分があっても良い。好ましくは、基板端
部表面を露出させた領域の少なくとも半分の領域が、接
着剤層と接触するように接着剤層を設けることが好まし
い。なお、図のように、接着剤層16は、その内側端部
が中央孔部の周縁部外側領域の記録層が形成されない領
域(露出面)18に接触するように設けることが好まし
い。また接着剤層は、その端面(側面)が通常両基板の
端面(側面)とほぼ同じ面(面一)か、あるいは若干内
側となるように形成されるが、この側面形状は、幾分凹
状であっても凸状であっても特に問題とならない。
【0016】本発明の光情報記録媒体は、マスキングの
位置を調節することにより、例えば、図6(a)に示す
ように、記録層13を全面に覆った形状の反射層14と
することもできる。また図6(b)に示すように、記録
層13を中間層19を介して二層構成(記録層13A、
13B)にすることもできる。更に、図6(c)に示す
ように、記録層13を中間層19を介して二層構成(記
録層13A、13B)にすると共に、上に位置する各層
が、下層に位置する層を全体に覆うように構成すること
もできる。これらの光情報記録媒体も前述した製造方法
を利用することにより、製造することができる。
【0017】以上の光情報記録媒体の製造方法の説明
は、図1に示されるサンドイッチ型の例についてのもの
であるが、記録層及び反射層がこの順で設けられた中央
に孔部を持つ二枚の円盤状基板をそれぞれ記録層側が内
側となるように接着剤層を介して貼り合わされてなるサ
ンドイッチ型の場合(図2)においても同様に製造する
ことができる。また、図2に示されるサンドイッチ型の
光情報記録媒体においても、前述したように、記録層を
中間層を介して二層構成にすることもできるし、また反
射層を記録層を全面に覆った形状となるように設けるこ
ともできる。
【0018】本発明の光情報記録媒体の製造に際して
は、従来から光情報記録媒体に用いられていた材料を選
択して用いることができる。以下、簡単にこれらの材料
について説明する。円盤状基板材料としては、例えば、
アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと他のポリ
マーとの共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹
脂;ポリカーボネート樹脂;アモルファスポリオレフィ
ン及びポリエステルを挙げることができる。好ましいも
のは、ポリカーボネート、ポリオレフィン及びセルキャ
ストポリメチルメタクリレートである。
【0019】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改良、接着性の向上、基板の耐溶剤性の改良及び
記録層の変質の防止を目的に、下塗り層を設けても良
い。下塗り層を形成するための材料としては、ポリメチ
ルメタクリレート、アクリル酸・メタクリ酸共重合体、
スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ
ール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニ
ルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、
ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル、塩化ビ
ニ共重合体、エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート等の高分子物質、及び無機酸化物(SiO2 、Al
23 )、無機フッ化物(MgF2 )などの無機物質を
挙げることができる。下塗り層は、上記の材料を用いて
公知の方法(スピンコート、ディップコート、エクスト
ルージョンコートなどの塗布法、あるいは蒸着、スパッ
タリング、イオンプレーティングなどの真空製膜法)を
利用して形成することができる。
【0020】基板(又は下塗り層)上には、トラッキン
グ用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸を形成する
ために、プレグループ層及び/又はプレピット層が形成
されていても良い。プレグループを形成するための材料
としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、ト
リエステル、及びテトラエステルのうちの少なくとも一
種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混
合物を用いることができる。プレグループ層は、従来か
ら行われている方法で形成することができる。
【0021】記録層は、色素からなる層で構成されてい
ることが好ましい。用いられる色素は、特に限定されな
い。例えば、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、
イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリ
リウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系
色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン
系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色
素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、ナイン
ドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリア
リルメタン系色素、アルミニウム系・ジインモニウム系
色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これら
の色素のうちでは、シアニン系色素、フタロシアニン系
色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オ
キソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好
ましい。記録層の形成は、上記の色素、及び必要により
結合剤を溶剤に溶解して塗布液を調製し、この塗布液を
前述した方法で基板上に塗布し、乾燥することによって
行うことができる。記録層は、一般に10〜550nm
の範囲の厚さとなるように設けられる。なお、図6の
(b)及び(c)で示したように、中間層は、前記下塗
り層を形成するために用いた材料を用いて形成すること
ができる。中間層は、一般に1〜100μmの範囲の厚
さとなるように設けられる。
【0022】反射層の材料である光反射性物質は、レー
ザ光に対する反射率が高い物質である。具体的には、反
射層は、金属及び半金属からなる層であることが好まし
い。これらの例としては、Mg、Se、Y、Ti、H
f、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、C
u、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、S
i、Ge、Te、Pb、Po、Sn及びBiなどを挙げ
ることができる。これらのうちでは、Au、Ag、C
u、Pt、Al、Cr及びNiであることが好ましく、
特にAuであることが好ましい。これらは単独で用いて
も良いし、あるいは二種以上を組み合わせて用いても良
い。反射層は、一般に10〜300nmの範囲の厚さと
なるように設けられる。
【0023】接着剤層の形成に用いられる材料(接着
剤)としては、前記のように、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、UV(紫外線)硬化性樹脂、あるいはこれらの樹
脂からなる接着剤を挙げることができる。これらの中で
は、特にUV硬化性樹脂の使用が好ましい。UV硬化性
樹脂の例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリレートのオリゴマー類、
(メタ)アクリル酸エスエル等のモノマー類等、更に光
重合開始剤等の通常UV硬化性樹脂を使用することがで
きる。接着剤層は、その平均厚みが、一般に0.1μm
〜100μmの範囲、好ましくは、20〜80μmの範
囲、更に好ましくは、30〜70μmの範囲となるよう
に設けられる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を記載す
る。 [実施例1]下記の構造式で示される色素
【0025】
【化1】
【0026】を2,2,3,3−テトラフロロプロパノ
ールに溶解して色素記録層形成用塗布液(色素2.65
重量%)を調製した。トラッキングガイドが設けられた
円盤状のポリカーボネート基板(外径:120mm、厚
さ:0.6mm、内径15mm、グルーブの幅:0.4
μm、深さ:200nm)上に、上記塗布液をスピンコ
ート法により回転数を1000rpmの速度で塗布し
た。その後、該塗布層を70℃の温度で10分間乾燥し
て膜厚が、120nmの記録層を形成した(図3参
照)。上記色素記録層上にマスクを用いてAuを蒸着し
て膜厚が100nmの反射層を形成した。この操作によ
って、反射層は、その外周端部が記録層の外周端部から
内側に位置するように設けられた。上記反射層が設けら
れた基板表面に、2,2,3,3−テトラフロロプロパ
ノールの溶剤をスピンコート法にて噴射して、該反射層
が設けられた領域以外の領域に塗布されている記録層を
除去した。これにより、基板の外側端部に基板表面が露
出した領域(外側端部の露出面)を形成した。この露出
面は、基板の円周の外側端部に沿って0.5mmの幅で
形成された(図4参照)。次に、反射層上に、UV硬化
性接着剤(商品名:3070、(株)スリーボンド製)
をスピンコート法により回転数1500rpmの速度で
塗布した。そして接着剤が塗布された基板と、別に用意
した円盤状のポリカーボネート基板(保護板)(外径:
120mm、厚さ:0.6mm)とを接着剤が塗布され
た面を内側にして重ね合わせ、図5に示す圧着装置の加
圧板(石英ガラス)の間に挟み、セットした。そして加
圧した状態(0.2kg/cm2 )で、保護板と接触し
た加圧板の上から高圧水銀灯にて紫外線を照射して硬化
させ、層厚が8μmとなるように接着剤層を形成した。
このようにして、図1に示す構造を持つ光情報記録媒体
を製造した。
【0027】[比較例1]実施例1において、反射層を
形成後、該反射層が設けられた領域以外の領域に塗布さ
れている記録層の除去を行わなかったこと、及び反射層
上にUV硬化性接着剤(商品名:3070、(株)スリ
ーボンド製)をスピンコート法により塗布し、塗布後、
高圧水銀灯にて紫外線を照射して硬化させ、層厚が5μ
mとなるように保護層を形成したこと以外は、実施例1
と同様にして光情報記録媒体を製造した。このようにし
て、図7に示す構造を持つ光情報記録媒体を製造した。
【0028】[光情報記録媒体としての評価]上記のよ
うにして得られた光情報記録媒体について、(1)落下
テスト、(2)基板の外側端部のC/Nの測定を行い、
評価した。 (1)落下テスト コンクリート床に10回、1mの高さから落下させ、基
板の外側端部の剥れを観察した。評価基準は、下記の通
りである。 A:基板外側端部の剥れが殆ど観察されなかった。 B:基板外側端部の剥れがわずかに観察された。 C:基板外側端部の剥れがかなり観察された。 (2)基板の外側端部(グルーブの最外周部分)のC/
Nの測定 DDU1000(パルステック社製)を用い、1.2m
/秒で11T記録を行った後、再生し、スペクトラムア
ナライザTR4135(アドバンテスト(株)製)で測
定した。また製造後、80℃、85%RH条件下で24
0時間保存後の媒体の基板外側端部の剥れの状態、及び
基板外側端部のC/Nの測定を行い、同様な基準で評価
した。評価の結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 落下テスト 端部C/N 保存後の外観 保存後の端部C/N ──────────────────────────────────── 実施例1 A 55dB A 53dB 比較例1 C 52dB C 49dB ────────────────────────────────────
【0030】上記表1の結果から、接着剤層を基板の露
出面と直接接合するように設けた本発明に従う光情報記
録媒体(実施例1)は、保護層を記録層を介して基板端
部と接合するように設けた比較の光情報記録媒体(比較
例1)に比べて、基板端部の剥れが殆どなく、また高い
端部C/Nの値を得ることができることがわかる。また
これらの光情報記録媒体を長期間保存(特に、高温高湿
下での保存)した場合にも本発明に従う媒体の方が、比
較例の媒体に比べてその基板端部の剥れも殆どなく、ま
た同様に高い端部C/N値が維持されている。従って本
発明に従う光情報記録媒体は、高い保存安定性を有して
いるということができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の光情報記録媒体は、その二枚の
基板が、反射層上及び外側端部の記録層及び反射層が設
けられていない領域(露出面)に直接接触するような状
態で形成された接着剤層により、貼り合わせてなるた
め、基板の外側端部では、高い接着力が付与されてい
る。従って、基板端部での剥れは殆ど生じることがな
い。また、接着剤層によって記録層及び反射層は完全に
覆われた状態になるため、記録層が接着剤層と接触して
いる領域は、記録層の外周端面(側面)のみであり、ま
たこの面は、直接外気とも遮断されており、高い保存安
定性をも確保することができる。従って高い耐久性を得
ることができる。更に本発明の光情報記録媒体の製造に
際しては、保護層を設けることなく製造することができ
るため、作業工程を簡略化できる利点があり、これに伴
ってコストの削減化や生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光情報記録媒体の好ましい例
を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の光情報記録媒体の好ましい別
の例を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、円盤状樹脂基板上に記録層を塗布によ
り設けた状態を模式的に示す部分断面図である。
【図4】図4は、記録層の上に更に反射層を形成し、記
録層と反射層の外側端部の双方を内側に後退させた状態
を模式的に示す部分断面図である。
【図5】図5は、圧着装置の加圧板の間に二枚の基板を
挟み、加圧処理する状態を模式的に示す断面図である。
【図6】図6(a)は、記録層を全面に覆った形状の反
射層を持つ光情報記録媒体を模式的に示す部分断面図で
ある。図6(b)は、記録層を中間層を介して二層構成
にした場合の光情報記録媒体を模式的に示す部分断面図
である。図6(c)は、記録層を全面に覆った形状の反
射層とし、且つ記録層を中間層を介して二層構成にした
場合の光情報記録媒体を模式的に示す部分断面図であ
る。
【図7】図7は、記録層が、基板の外側端部の先端まで
設けられた従来の光情報記録媒体を模式的に示す部分断
面図である。
【図8】図8は、従来から提案されていた光情報記録媒
体(DVD−R)の基本構造を模式的に示す部分断面図
である。
【符号の説明】
1、2 光情報記録媒体 10a、10b、20a、20b 孔部 11、21a、21b、71、81a 円盤状基板 12、72 円盤状保護板 13、13A、13B、23a、23b、73、83a
記録層 14、24a、24b、74、84a 反射層 75、85a 保護層 16、26、76、86 接着剤層 17、18、27a、27b、28a、28b 露出面 19 中間層 50 圧着装置 51a、51b 加圧板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ、記録層及び反射層をこの順に
    設け、かつ該記録層と反射層の外側端部の双方を内側に
    後退させることによって外側端部表面に露出面を形成し
    た、中央に孔部を持つ二枚の円盤状基板、もしくは記録
    層及び反射層をこの順に設け、かつ該記録層と反射層の
    外側端部の双方を内側に後退させることによって外側端
    部表面に露出面を形成した、中央に孔部を持つ円盤状基
    板と該基板と同一の形状を持つ円盤状保護板とを、それ
    ぞれ記録層側が内側となるように前記反射層表面と露出
    面とに接着剤層を接触させた状態で貼り合わせてなるサ
    ンドイッチ型光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 更に記録層と反射層の内側端部の双方を
    外側に後退させることにより、孔部周縁部近傍の外側領
    域の基板表面に露出面を形成し、その露出面に接着剤層
    を接触させた請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録層が、色素記録層である請求項1に
    記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 接着剤層が、UV硬化性樹脂からなる層
    である請求項1に記載の光情報記録媒体。
JP8302420A 1996-09-24 1996-10-28 光情報記録媒体 Pending JPH10134419A (ja)

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JP8302420A JPH10134419A (ja) 1996-10-28 1996-10-28 光情報記録媒体
EP19970116651 EP0831473B1 (en) 1996-09-24 1997-09-24 Optical information recording disc
CNB971214492A CN1190785C (zh) 1996-09-24 1997-09-24 光信息记录盘
US08/937,010 US5989669A (en) 1996-09-24 1997-09-24 Optical information recording disc
DE1997631705 DE69731705T2 (de) 1996-09-24 1997-09-24 Optische Informationsaufzeichnungsplatte
US09/427,264 US6238764B1 (en) 1996-09-24 1999-10-26 Optical information recording disc

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JP8302420A JPH10134419A (ja) 1996-10-28 1996-10-28 光情報記録媒体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1324591C (zh) * 2002-06-07 2007-07-04 富士胶片株式会社 光信息记录介质

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Effective date: 20031209