JP2514848B2 - 情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

情報記録媒体及びその製造方法

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JP2514848B2
JP2514848B2 JP1331550A JP33155089A JP2514848B2 JP 2514848 B2 JP2514848 B2 JP 2514848B2 JP 1331550 A JP1331550 A JP 1331550A JP 33155089 A JP33155089 A JP 33155089A JP 2514848 B2 JP2514848 B2 JP 2514848B2
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充 沢野
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、レーザーにより情報の記録または再生が可
能な情報記録媒体およびその製造方法に関するものであ
る。
[発明の技術的背景] 近年において、レーザー光等の高エネルギー密度のビ
ームを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。この情報記録媒体は、一般に光ディスクと称され、
ビデオ・ディスク、オーディオ・ディスク、さらには大
容量静止画像ファイルおよび大容量コンピュータ用ディ
スク・メモリーとして使用されうるものである。さら
に、光カード、光テープなども情報記録媒体として知ら
れている。
ビデオ・ディスク、オーディオ・ディスク(コンパク
ト・ディスク(CD))などは再生専用の光ディスクとし
て既に実用化されており、情報の書き込み可能なDRAW
(Direct Read After Write)型光ディスク、あるいは
情報の書き換えが可能な消去可能型光ディスクにもつい
ても開発が進んでおり、一部実用化されている。
このようなDRAW型情報記録媒体は、基本構造として、
プラスチック、ガラス等からる円盤状の透明基板と、こ
の上に設けられたBi、Sn、In、Te等の金属または半金
属、あるいは色素からなる記録層とを有する。光ディス
クへの情報の書き込みはた、とえばレーザービームを光
ディスクに照射することにより行なわれる。
レーザーの照射は、一般に記録または再生の際の塵埃
による読み誤りの発生などを緩和するため、通常透光性
材料で形成した基板を介して、記録層あるいは信号形成
面にレーザーをフォーカスすることにより行なわれる。
これは記録用光ディスクの場合でも、再生用光ディスク
の場合でも、同様に行なわれる。しかしながら、このよ
うに基板側からレーザーを照射することにより、記録ま
たは再生時に塵埃等の影響を受け難い反面、基板表面で
のレーザーの反射による光量の損失が起こるとの問題が
ある。
このため、記録可能な情報記録媒体においては、記録
時に大きなレーザーパワーを必要とし、また再生時には
反射信号量が小さくなるため、トラッキングエラーや読
み取りエラーが発生するとの問題がある。あるいは、基
板と記録層との間に屈折率の差が少ない場合は、フォー
カシングが記録層ではなく基板に行なわれ易いとの問題
もある。
このような問題を解決するため基板の表面に反射防止
層を設けることが、特開昭60−89844号公報および特開
昭60−138749号公報に開示されている。特開昭60−8984
4号公報には、再生用光デイスクで、反射防止層とし
て、屈折率が基板と異なる値を有し、層厚d′が、d′
=λ/4n(但し、λは再生時に用いるレーザーの波長を
表わし、nは反射防止層の屈折率を表わす)で表わされ
る値を有するMgF2等の材料からなる層が開示されてい
る。また、特開昭60−138749号公報には、記録または再
生用光ディスクであって、反射防止層としては、屈折率
が、 (但し、nsは基板の屈折率を表わし、nは反射防止層の
屈折率を表わす)で、層厚d′が、上記と同じd′=λ
/4nで表わされる値を有するMgF2、3NaF・AlF3等の材料
からなる層が開示されている。
上記のような反射防止層は、基板表面での反射率を低
下させることから、上記トラッキングエラーや読み取り
エラーの発生防止には有効であるが、該防止層の材料が
無機化合物であるため該層を形成するのに真空蒸着、ス
パッタリング等の真空成膜を行なう必要がある。このよ
うな無機化合物の蒸着膜は、工程基板との密着性が充分
でない、あるいは長期間保存した場合に変質し易い、ま
た表面に傷が付き易い等耐久性が充分でないとの問題が
ある。さらに、上記のような反射防止層の蒸着による形
成方法は、コスト高となる、工程が複雑になる等の製造
上の不利がある。
[発明の目的] 本発明は、塗布法により簡便に製造することができる
反射防止層を有する新規な情報記録媒体を提供すること
を目的とする。
また本発明は、基板と密着性に優れた反射防止層を有
する新規な情報記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、反射防止層を有する光ディスクであ
って、低い記録パワーで記録が可能で、且つサーボ信号
あるいは情報信号等の再生信号のゲインが増大した新規
な情報記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、高い反射率を有し且つ記録信号を再
生する際にトラッキングエラー等の再生エラーなどが発
生しない新規な情報記録媒体を提供することを目的とす
る。
さらに、本発明は、反射率の低下防止に加えて基板と
の密着性に優れ且つ表面の傷付きを低減できるなどの光
ディスクを保護する機能においても優れた高強度の反射
防止層を有する情報記録媒体を提供することを目的とす
る。
また、本発明は、基板との密着性に優れた反射防止層
を有する情報記録媒体を塗布法により簡便に製造するこ
とができる新規な情報記録媒体の製造法を提供すること
を目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、プラスチック基板上にレーザーにより情報
の書き込みまたは読み取りが可能な記録層が設けられ且
つ該基板の記録層が設けられていない側の表面に反射防
止層が設けられてなる情報記録媒体において、 該反射防止層の表面近傍の部分の屈折率が、該基板近
傍の部分の屈折率より低いことを特徴とする情報記録媒
体にある。
上記情報記録媒体は、基板上にレーザーにより情報の
書き込みまたは読み取りが可能な記録層を形成するこ
と、および該基板の記録層を形成させない側の表面に、
基板材料より屈折率の低い有機化合物と少なくとも基板
を溶解可能な有機溶剤とを含む塗布液を塗布乾燥するこ
とにより反射防止層を形成することからなる情報記録媒
体の製造方法により有利に得ることができる。
上記本発明の情報記録媒体の好ましい態様は以上下の
通りである。
1)上記反射防止層が、重合性二重結合を有する液状モ
ノマーおよび/またはオリゴマーの硬化物からなること
を特徴とする上記情報記録媒体。
2)上記反射防止層が、有機溶剤に可溶なフッ素含有樹
脂からなることを特徴とする上記情報記録媒体。
3)該反射防止層の表面近傍の部分が、該反射防止層の
表面から該層厚の1/100の深さ位置までの部分で、該基
板近傍の部分が、該層厚の9/10の深さ位置から基板との
界面までであることを特徴とする上記情報記録媒体。
4)上記反射防止層の形成材料の屈折率が、 下記の式(I): (但し、nsは基板の屈折率を表わし、nは反射防止層の
形成材料の屈折率を表わす) を満足する範囲にある屈折率を有することを特徴とする
情報記録媒体。
5)屈折率が該反射防止層の屈折率と該基板の屈折率と
の平均値以上の値を位置までの反射防止層の有効層厚
が、 下記の式(II): (λ/5.5)×0.9≦d≦(λ/5.5)×1.1 (II) (但し、λは再生時に用いるレーザーの波長を表わしそ
してdは該反射防止層の形成材料の屈折率と該基板の屈
折率との平均値を示す位置までの反射防止層の有効層厚
を表わす) を満足する範囲にある層厚を有することを特徴とする情
報記録媒体。
6)上記有機化合物が、有機溶剤に可溶で且つフッ素原
子含有モノマーを重合単位として含む重合体、共重合体
あるいはブロック重合体からなることを特徴とする上記
情報記録媒体。
7)上記有機化合物が、フッ素原子含有アクリルモノマ
ーとメタクリル酸エステルとからなるクシ型グラフト重
合体、フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体ま
たはフッ素原子含有エポキシ樹脂であることを特徴とす
る上記情報記録媒体。
8)上記λが500〜1000nmの範囲にあることを特徴とす
る上記情報記録媒体。
9)上記記録層が、色素からなる層であることを特徴と
する上記情報記録媒体。
10)上記記録層上に、反射層が積層されていることを特
徴とする上記情報記録媒体。
11)上記記録層上に、反射層および保護層がこの順で積
層されていることを特徴とする上記情報記録媒体。
上記本発明の情報記録媒体の製造方法の好ましい態様
は以下の通りである。
1)上記有機化合物が、重合性二重結合を有する液状の
モノマーおよび/またはオリゴマーからなることを特徴
とする上記情報記録媒体の製造方法。
2)上記有機化合物が、有機溶剤に可溶なフッ素含有樹
脂からなることを特徴とする上記情報記録媒体の製造方
法。
3)上記反射防止層の形成材料の屈折率が、 下記の式(I): (但し、nsは基板の屈折率を表わし、nは反射防止層の
形成材料の屈折率を表わす) を満足する範囲にある屈折率を有することを特徴とする
上記情報記録媒体の製造方法。
4)該反射防止層の屈折率と該基板の屈折率との平均値
を示す位置までの反射防止層の有効層厚が、 下記の式(II): (λ/5.5)×0.9≦d≦(λ/5.5)×1.1 (II) (但し、λは再生時に用いるレーザーの波長を表わしそ
してdは該反射防止層の形成材料の屈折率と該基板の屈
折率との平均値を示す位置までの反射防止層の有効層厚
を表わす) を満足する範囲にある層厚を有することを特徴とする情
報記録媒体の製造方法。
5)上記反射防止層が、重合性二重結合を有する液状モ
ノマーおよび/またはオリゴマーと少なくとも基板を溶
解可能な有機溶剤とを含う塗布液を塗布乾燥した後、該
塗布層に紫外線または電子線を照射して硬化させること
により形成されることを特徴とする上記情報記録媒体の
製造方法。
6)上記反射防止層が、有機溶剤に可溶なフッ素含有樹
脂を有機溶剤に溶解した溶液と少なくとも基板を溶解可
能な有機溶剤とを含む塗布液を塗布乾燥することにより
形成されるからなることを特徴とする上記情報記録媒体
の製造方法。
尚、本発明の各層の屈折率は以下のように測定した。
本発明の反射防止層および基板の屈折率の測定は、エ
リプソメーターを用いて行なった。基板はそのまま測定
し、反射防止層は表面を少しずつ研削等で除去しながら
所定の深さ位置での屈折率を測定した。
一般に、基板材料のプラスチックの屈折率は1.4〜1.6
である。
[発明の効果] 本発明は、上記のように記録層を有する基板表面と反
対側の表面であるレーザー光の入射側の基板表面に、該
反射防止層の表面近傍における屈折率が、基板との界面
近傍での屈折率より低い反射防止層が設けられている。
すなわち、本発明の反射防止層は、基板より屈折率が
低い反射防止層の形成材料である有機化合物と、基板を
溶解可能な有機溶剤を少なくとも含む塗布液を塗布して
形成される。このため、基板表面を溶解することによ
り、反射防止層材料である該有機化合物と該溶解した基
板材料とが混合されて、混合層の反射防止層が設けられ
ることから、反射防止層と基板との密着性が顕著に優れ
ている。従って、長期間保存した場合も剥離することが
なく、また表面に傷も付き難い等の耐久性の向上した反
射防止層付き光ディスクを得ることができる。さらに、
本発明の反射防止層は、基板との界面から表面方向に徐
々に屈折率が減少する傾向を有するため、屈折率が一定
の単層の反射防止層に比較して記録再生時に使用するレ
ーザービームの波長への適用性が少し広がる傾向示すと
の利点がある。
また特に、反射防止層形成材料に、重合性二重結合を
有するモノマーおよびオリゴマーからなる紫外線または
電子線硬化型樹脂あるいはフッ素含有樹脂からなる反射
防止層が設けた場合、塗布法により簡便に且つ低コスト
で製造することができることに加えて、紫外線(電子
線)硬化型樹脂では一般に高い硬度と大きい強度が得ら
れ、低い屈折率を有するフッ素含有樹脂では大きな反射
防止効果を得ることができる。
さらに本発明の反射防止層は、従来の反射防止層の有
する光ディスクと同様に基板表面での光の反射を防い
で、記録層表面での反射率の低下を防止する機能を有す
る。従って、情報を低いレーザーパワーで記録すること
ができ、且つトラッキング等のサーボ信号あるいは情報
信号等の再生信号のゲインを増大させることができる。
これにより、記録信号を再生する際、トラッキングエラ
ー等の再生エラーなどの発生を顕著に減少させることが
できる。
[発明の詳細な記述] 本発明者等は、小さなレーザーパワーで記録ができ、
得られた記録信号を再生した際の反射信号量が大きい、
すなわちトラッキングエラーや読み取りエラーが少ない
反射防止層付き情報記録媒体であって、反射防止層の基
板との密着性に優れた耐久性の向上した媒体を開発する
ため研究を重ねてきた。
再生した際の反射信号量を大きくするため、基板の記
録層のない側の表面に、反射防止層を設けることは前記
のように既に知られている。そして、その層厚d′が、
d′=λ=/4n(但し、λは再生時に用いるレーザーの
波長を表わし、nは反射防止層の屈折率を表わす)、屈
折率が、 (但し、nsは基板の屈折率を表わし、nは反射防止層の
屈折率を表わす)が好ましいことも知られている。しか
しながら、このような反射防止層は、MgF2等の無機化合
物の材料を使用しているため、この層を設けるには真空
蒸着、スパッタリング等による真空成膜を行なう必要が
あった。従って、コスト高でありまた製造に長時間を要
する、さらに形成された膜は基板との密着性が充分でな
く長期間保存した場合に剥離し易いなどの耐久性に劣っ
ているとの問題があった。本発明者等は基板表面に塗布
することにより形成できて、特にプラスチック基板との
密着性に優れた等の保護機能が向上した反射防止層を得
るため種々検討を行なってきた。
その結果、プラスチック基板より屈折率が低い反射防
止層の形成材料である有機化合物(液状のモノマー、オ
リゴマーあるいは溶剤に可溶な樹脂類など)と、基板を
溶解可能な有機溶剤を少なくとも含む塗布液を該基板上
に塗布して形成することにより、基板との密着性に優れ
た反射防止層を得ることができることが判明した。
すなわち、上記塗布時には該有機溶剤により基板表面
が溶解され、溶解された基板材料は上記反射防止層材料
である有機化合物と混合されるため、形成される反射防
止層はほとんど有機化合物と基板材料との混合層とな
る。このため反射防止層と基板は連続した層に近い状態
となり密着性が向上すると考えられる。そして、形成さ
れた反射防止層は表面近傍では反射防止層材料である有
機化合物の濃度が高く、基板表面近傍では基板材料の濃
度が高くなる。この濃度の程度は使用する基板を溶解可
能な有機溶剤の種類や量で制御することができる。本発
明の反射防止層は上記のような構成となるため、有機化
合物の濃度が高い反射防止層の表面近傍では屈折率が低
くなり、基板材料の濃度が高くなる基板表面近傍では屈
折率は高くなる。
従って、本発明の情報記録媒体は、プラスチック基板
上にレーザーにより情報の書き込みまたは読み取りが可
能な記録層が設けられ且つ該基板の記録層が設けられて
いない側の表面に反射防止層が設けられてなる情報記録
媒体であって、該反射防止層の表面近傍の部分の屈折率
が、該基板近傍の部分の屈折率より低いことを特徴とし
ている。好ましくは、該反射防止層の表面近傍の部分
が、該反射防止層の表面から該層厚の1/10の深さ位置ま
での部分で、該基板近傍の部分が、該層厚の9/10の深さ
位置から基板との界面までである。例えば、反射防止層
の層厚の1/10の深さ位置までの屈折率が、該層厚の9/10
の深さ位置から基板界面までの屈折率より低い。
このように基板表面を溶解して該表面に反射防止層材
料である該有機化合物と基板材料との混合層として反射
防止層が設けられることから、反射防止層と基板との密
着性が顕著に優れている。従って、長期間保存した場合
も剥離することがなく、また表面に傷も付き難い等の耐
久性の向上した反射防止層付き光ディスクを得ることが
できる。さらに、本発明の反射防止層は、基板との界面
から表面方向に徐々に屈折率が減少するため、屈折率が
一定の単層の反射防止層に比較して記録再生時に再生す
るレーザービームの波長への適用範囲が広がるとの利点
も有する。
本発明の反射防止層の形成材料としては、この反射防
止層を形成する材料として、重合性二重結合を有するモ
ノマーおよび/またはオリゴマーからなる紫外線(また
は電子線)硬化型樹脂またはフッ素含有樹脂を使用する
ことが、上記反射防止機能と保護機能を満足する反射防
止層を得る上で好ましい。
また上記反射防止層の形成材料の屈折率は、下記の式
(I): (但し、nsは基板の屈折率を表わし、nは反射防止層の
形成材料の屈折率を表わす) を満足する範囲にあることが好ましい。
また該反射防止層の層厚は、反射防止機能を発揮でき
るという観点から、屈折率が該防止層の屈折率と該基板
の屈折率との平均値以上を示す位置までの反射防止層の
有効層厚として、 下記の式(II): (λ/5.5)×0.9≦d≦(λ/5.5)×1.1 (II) (但し、λは再生時に用いるレーザーの波長を表わしそ
してdは該反射防止層の形成材料の屈折率と該基板の屈
折率との平均値を示す位置までの反射防止層の有効層厚
を表わす) を満足する範囲にあることが好ましい。従って、反射防
止層の形成材料は上記有効層厚より厚く、すなわち基板
側に広がって存在している。
このような構成を採ることにより、情報を低いレーザ
ーパワーで記録することができ、且つトラッキング等の
サーボ信号あるいは情報信号等の再生信号のゲインを増
大させることができるなどの反射防止機能を発揮するこ
とができる。これにより、記録信号を再生する際、トラ
ッキングエラー等の再生エラーなどの発生を顕著に減少
させることができる。
本発明の情報記録媒体を添付図面を参照しながら詳し
く説明する。
第1図および第2図は、本発明の情報記録媒体の基本
的構成を示す断面図の一例である。
第1図は、基板11、その上に設けられた記録層12およ
び記録層と反対側の基板表面に設けられた反射防止層13
からなる情報記録媒体の断面図である。
第2図は、基板21、その上に記録層22、反射層24およ
び保護層25が順に積層され、さらに基板の記録層が設け
られていない側の表面に反射防止層23が設けられた情報
記録媒体の断面図である。
上記第1図または第2図で示される情報記録媒体(光
ディスク)の基板は本発明ではポリカーボネート等のプ
ラスチック材料であり、記録層は金属、色素あるいは高
分子などのレーザーにより記録が可能な材料であればよ
い。第2図のように記録層上に、反射層および保護層が
設けられる場合は、一般に反射率の低い色素からなる記
録層である場合が多い。
第1図および第2図の反射防止層部分の拡大図を第3
図に示す。
反射防止層33の表面近傍の部分であるa、該基板近傍
の部分であるb、そして前記反射防止層の有効層厚dが
示されている。本発明では上記aまでの屈折率が上記b
より基板界面までの屈折率より低いことが必要である。
上記基板の記録層が設けられていない側の基板表面に
形成された反射防止層33、本発明では基板31の近傍では
の反射防止層の形成材料より基板材料の組成比の方が高
く、反射防止層33の表面近傍では反射防止層の形成材料
の組成比の方が高い。従って、反射防止層の表面では屈
折率は低く、底面では高くなっている。好ましくは表面
から底面に向って屈折率が漸増していることである。ま
た、前記反射防止層の有効層厚dは、基板の屈折率と防
止層の屈折率の平面値を示す位置までの距離であるの
で、第3図のaとbの間の前記(II)式を満足する位置
に存在することになる。
また、反射防止層は、屈折率nを (nsは基板の屈折率)に近い値にすれば基板表面での反
射率を0に近づけることができ好ましく、その有効層厚
(前記平均屈折率を示す位置までの層厚)dをλ/5.5
(λは再生時に用いるレーザーの波長)に近い値にする
ことにより、基板での反射光と反射防止層に反射光との
位相が互にほぼ逆相となる基板表面での反射率を低減す
ることができ好ましい。例えば、基板がポリカーボネー
ト製の場合、ポリカーボネートの屈折率は1.58なので反
射防止層の屈折率としては1.26付近(式(I)より1.01
〜1.51の範囲にあることが好ましく)であることが特に
好ましく、また上記有効層厚は、再生時レーザーの波長
(λ)が780nmの時、1420Å付近(式(II)より1280〜1
560Åの範囲であることが好ましく)であることが特に
好ましいと言える。
本発明の情報記録媒体は、たとえば以下に述べるよう
な方法で製造することができる。
本発明において使用する基板は、従来の情報記録媒体
の基板として用いられている各種の材料から任意に選択
することができる。基板材料の例としては、ガラス(n
=1.50〜1.55)、ポリメチルメタクリレート(n=1.4
9)等のアクリル樹脂(n=1.45〜1.50);ポリ塩化ビ
ニル(n=1.54〜1.55)、塩化ビニル共重合体等の塩化
ビニル系樹脂;エポキシ樹脂(n=1.55)ポリカーボネ
ート樹脂(n=1.58)、アルモファスポリオレフィン
(n=1.51〜1.55)およびポリエステル(n=1.52〜1.
57)を挙げることができる。好ましくは、基板の光学的
特性、平面性、加工性、取扱い性、経時安定性および製
造コストなどの点から、ポリカーボネート、ポリオレフ
ィンおよびセルキャストポリメチルメタクリレートを挙
げることができる。
本発明の反射防止層は、記録層が設けられない基板表
面に形成される必要がある。本発明では、重合性二重結
合を有するモノマーおよび/またはオリゴマーを含む紫
外線または電子線硬化型樹脂および基板を溶解可能な有
機溶剤あるいはさらに有機溶剤を加えて塗布液を調製す
る。あるいは、有機溶剤中に溶解したフッ素含有樹脂お
よび基板を溶解可能な有機溶剤からなる塗布液を調整す
る。この塗布液を基板上に塗布乾燥することにより、紫
外線または電子線硬化型樹脂の場合は更に光硬化するこ
とにより反射防止層が設けられる。尚、反射防止層の形
成は、基板上に記録層、所望により、反射層、保護層等
を形成した後該基板の記録層が設けられていない側に設
けても良いし、記録層を設ける前に基板の記録層が設け
られない側に先に設けても良い。
上記紫外線または電子線硬化型樹脂の硬化物からなる
反射防止層は、重合性二重結合を有するモノマーおよび
/またはオリゴマーを紫外線または電子線の照射により
硬化させることにより形成されるものである。本発明で
は、重合性二重結合を有する基としてはアクリロイル基
またはメタクリロイル基であることが好ましい。
本発明に用いられる重合性二重結合を有するモノマー
およびオリゴマーとしては下記の(a)〜(j)の(メ
タ)アクリレートを挙げることができる。
(a)脂肪族、脂環族および芳香族の2〜6価の多価ア
ルコールおよびポリアルキレングリコールのポリ(メ
タ)アクリレート; 例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−または1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、水素化ビスフェノールAなどの多価ア
ルコールおよびジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレング
リコールなどのような多価アルコールのポリ(メタ)ア
クリレートが挙げられる。
(b)脂肪族、脂環族および芳香族の2〜6価の多価ア
ルコールにアルキレンオキサイドを付加させた形の多価
アルコールのポリ(メタ)アクリレート; 例えばビスフェノールAジオキシエチルエーテルなど
のように、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、グリセリン、ビスフェノールAなどの多価アルコ
ールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付
加させて得られる多価アルコールのポリ(メタ)アクリ
レートがあげられる。
(c)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸
エステル; ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと五酸化リ
ンとの反応によって得られ、例えばポリ(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルリン酸エステル、ポリ(メタ)アク
リロイルオキシプロピルリン酸エステルなどがあげられ
る。
(d)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート; ポリエステルポリ(メタ)アクリレートは通常(メ
タ)アクリル酸と多価アルコールと多価カルボン酸とを
エステル化することによって合成される。ポリエステル
型多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートが主成分
であると想定される。
例えばコハク酸とエチレングリコールとのポリエステ
ルジオールのジ(メタ)アクリレート、マレイン酸とエ
チレングリコールとのポリエステルジオールのジ(メ
タ)アクリレート、フタル酸とジエチレングリコールと
のポリエステルジオールのジ(メタ)アクリレート、ア
ジピン酸とトリエチレングリコールとのポリエステルジ
オールのポリ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタ
ル酸とトリメチロールプロパンとのポリエステルポリオ
ールのポリ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル
酸とペンタエリスリトールとのポリエステルポリオール
のポリ(メタ)アクリレートなどがあげられる。これら
ポリエステルポリ(メタ)アクリレートの中では、フタ
ル酸のような芳香族多価カルボン酸系のものよりも、脂
肪族または脂環族多価カルボン酸系のポリエステルポリ
(メタ)アクリレートを用いた場合の方が架橋硬化物の
耐候性、強靭性などの物性に優れる利点がある。
(e)エポキシポリ(メタ)アクリレート; 分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
に、エポキシ基とほぼ当量の(メタ)アクリル酸、カル
ボキシル基を有する(メタ)アクリレート、もしくは
(メタ)アクリル酸またはカルボキシル基をもつ(メ
タ)アクリレートと多塩基酸との混合物を反応させるこ
とによって合成される。あるいはエポキシ基含有(メ
タ)アクリレートに多価カルボン酸を反応させるなどの
方法もある。
例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル型、グ
リセリンジグリシジルエーテル型、ポリアルキレングリ
コールジグリシジルエーテル型、多塩基酸ジグリシジル
エステル型、シクロヘキセンオキサイド型などの各エポ
キシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加反応生成物など
があげられる。
(f)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート; 主鎖にポリウレタン結合単位を有する多価アルコール
の(メタ)アクリレートの構造を有し、通常ヒドロキシ
ル基含有(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネート
及び必要により多価アルコールとを反応させるなどの方
法で合成される。
例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートま
たは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとジ
イソシアネートとの付加反応生成物、2−ヒドロキシル
エチル(メタ)アクリレートとジイソシアネートと2価
アルコールとの付加反応生成物などがこの例に相当す
る。
(g)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート; 主鎖にポリアミド結合単位を有する多価アルコールの
(メタ)アクリレートの構造を有し、通常、ポリアミド
型多価カルボン酸にヒドロキシ基含有(メタ)アクリレ
ート又はエポキシ基含有(メタ)アクリレートを反応さ
せるか、ポリアミド型多価アルコールに(メタ)アクリ
ル酸を反応させるなどの方法で合成される。
例えばエチレンジアミンとフタル酸との反応によって
得られるポリアミド型多価カルボン酸と2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートまたはグリシジル(メタ)
アクリレートの反応生成物などがこの例に相当する。
(h)ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート; 主鎖にポリシロキサン結合単位を有する多価アルコー
ルの(メタ)アクリレートの構造を有し、通常ポリシロ
キサン結合単位を有する多価アルコールに(メタ)アク
リレートを反応させるなどの方法で合成される。
(i)側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイルオキ
シ基を有するビニル系又はジエン系低重合体; ビニル系又はジエン系低重合体の側鎖又は末端に、エ
ステル結合、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合
などを介して(メタ)アクリロイルオキシ基が結合され
ている構造を有する。通常側鎖または端末にヒドロキシ
基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する低重合体
に、これらの基と反応性の(メタ)アクリル酸、カルボ
キシル基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基含有
(メタ)アクリレート、エポキシ基含有(メタ)アクリ
レート、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート、
アミノ基含有(メタ)アクリレートなどを反応させるこ
とによって合成される。
例えば(メタ)アクリル酸と他のビニルモノマーとの
共重合体にグリシジル(メタアクリレートを反応させた
反応生成物などがあげられる。
なお、この系に属する架橋性オリゴマーは、分子量が
高くなると一般に高粘度または固体状になり易いので、
後記のように液体低粘度のモノマー(架橋性単量体)な
どに溶解して用いるか、もしくは低分子量(通常数平均
分子量3000以下)の液体オリゴマーを用いることが好ま
しい。
(j)前記(a)〜(i)記載の架橋性モノマーの変性
物; 上記の各架橋性単量体中に残存するヒドロキシル基又
はカルボキシル基の少なくとも一部を、これらの基と反
応性の酸クロライド、酸無水物、イソシアネート又は、
エポキシ化合物と反応させることによって変性した変性
物であり、変性の方法及び具体例は例えば特開昭49−12
8994号公報、特開昭49−128088号公報などに示される。
化合物としては次のようなものである。
i)CH2=CH−COO−CnH2n+1 ただし、nは1〜12の整数 ii)CH2=CH−COO(CH2CH2OR R=CnH2n+1− ただし、nは1〜12の整数 iii)CH2=CH−COO(CH2CH2OR R=CnH2n+1− ただし、nは1〜12の整数 iv)ii)及びiii)の−CH2CH2−鎖を 鎖に変えたもの v)CH2=CH−COO−X−OH X=−CH2CH2−、 vi)その他 テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジシクロペン
タジエニロキシエチルアクリレート、水添ジシクロペン
タジエニロキシエチルアクリレート vii) viii)N−ビニルピロリドン ix)イソビニルアクリレート、ジシクロペンタジエニル
アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルアクリレー
ト x)スチレン これらオリゴマー、モノマー(単官能ビニル化合物)
は、被着材、ディスク構造等に応じ単独もしくは適宜混
合して用いることができる。
光重合開始剤は紫外線で硬化させる場合に必要であり
(電子線硬化には必要としない)、例としてはベンゾイ
ンアルキルエーテル、ベンジルケタール、アセタール
類、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、キ
サントン誘導体、ベンズアルデヒド誘導体などを挙げる
ことができる。また上記化合物の具体例としては、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、
ベンジル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、2,2−ジメトキシ−2−ヒドロキシアセトフェノ
ン、ジフェニルジスルフィド、2−ヒドロキシ−2−プ
ロピオフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフ
ェノン、ジメチルアミノベンズアルデヒド、エチル−4,
4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、エチルアン
トラキノン、2−クロロチオキサントンなどを挙げるこ
とができる。これらの増感剤は単独でも、あるいは適宜
組合わせても使用することができる。
又必要に応じてシランカップリング剤を用いることが
できる。シランカップリング剤としては、エポキシシラ
ン系のシランカップリング剤、例えばγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、アミノシラ
ン系のシランカップリング剤、例えばN−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、ビニルシラン系のシランカップリング剤、例え
ば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランな
どが好ましい。
上記以外に下記のフッ素含有モノマーを用いても良
い。
(1)CH2=C(CH3)COOCH2CF3 (2)CH2=CHCOOCH2CF3 (3)CH2=C(CH3)COOCH2(CF22F (4)CH2=CCOOCH2(CF22F (5)CH2=C(CH3)COOCH2(CF23F (6)CH2=C(CH3)COO(CH2(CF28F (7)CH2=CHCOO(CH2(CF28F (8)CH2=C(CH3)COOCH2(CF22H (9)CH2=CHCOOCH2(CF22H (10)CH2=C(CH3)COOCH2(CF24H (11)CH2=CHCOOCH2(CF24H 上記フッ素含有樹脂からなる反射防止層は、下記の材
料を用いて形成することができる。
上記フッ素含有樹脂としては、有機溶剤に可溶な樹脂
であって且つフッ素原子含有モノマーを重合単位として
含む重合体、共重合体あるいはブロック重合体などのい
わゆるフッ素樹脂、およびフッ素変性樹脂を挙げること
ができる。重合体であるフッ素樹脂の例としては、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチ
レン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体およびフルオレフィン−ビニリエーテル共重合体など
を挙げることができる。
上記フッ素樹脂のようなフッ素原子含有樹脂は、ポリ
フッ化ビニリデンのような特定の有機溶剤に可溶なもの
もあるが、一般に有機溶剤に不溶で、共重合体、ブロッ
ク重合体、グラフト重合体および変性樹脂として他の成
分を導入することにより有機溶剤に可溶にすることがで
きる。好ましくは、フッ素原子含有アクリルモノマーと
メタクリル酸エステルとからなるクシ型グラフト重合
体、フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体、ポ
リフッ化ビニリデンおよびフッ素変性樹脂としてフッ素
原子含有エポキシ樹脂を挙げることができる。
上記具体例として、クシ型グラフト重合体であるマク
ロマーF−3など(東亜合成化学工業(株)製)、フル
オロオレフィン・ビニルエーテル共重合体であるルミフ
ロンLF−100、同LF−200など(旭硝子(株)製)、テト
ラフルオロエチレン・ビス−2,2−トリフルオロメチル
−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソールであるテフロン
AF−1600(デュポン社製)などを挙げることができる。
一般に、上記フッ素原子含有樹脂を有機溶剤(例え
ば、クシ型グラフト重合体にはメチルセロソルブあるい
はポリフッ化ビニリデンにはN−メチル−2−ピロリジ
ノンを用いて)に溶解した溶液を上記オリゴマーおよび
モノマーを含む溶液中添加して、反射防止層形成用塗布
液を調製する。
上記フッ素原子含有樹脂を溶解するための溶剤として
は、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートな
どのエステル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブなどのセロソルブ、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどの
ケトン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロ
ロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラ
ン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノールなどのアルコール、ジメチルホルムアミドなど
のアミド、2、2、3、3−テトラフロロプロパノール
等フッソ系溶剤、N−メチル−2−ピロリジノンなどを
挙げることができる。上記フッ素樹脂と上記溶剤との組
合せは、溶剤の溶解力を考慮して適宜決定して、使用す
ればよい。なお、本発明の有機溶剤に可溶なフッ素含有
樹脂とは、使用する溶剤100gに25℃で0.01g以上溶解可
能な樹脂を意味する。
上記のようにして調製された、上記オリゴマーおよび
モノマーからなる紫外線(電子線)硬化型樹脂またはフ
ッ素含有樹脂溶液に、更にプラスチック基板を溶解する
ことが可能な有機溶剤を添加して反射防止層形成用塗布
液が調製される。
基板を溶解することが可能な有機溶剤は、使用するプ
ラスチック基板の材料によって異なるが、例えば、酢酸
エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、
ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム
などの極性溶剤であって沸点の低いものが好ましい。な
お、基板を溶解することが可能な有機溶剤とは、当該の
有機溶剤100gに25℃で基板材料を0.1g以上溶解可能な溶
剤を意味する。
なお、上記オリゴマーおよびモノマーを含む塗布液中
には、更に有機溶剤、帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収
剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。導電
性材料等の帯電防止剤を添加することにより、塵埃など
の付着防止に有効である。
上記塗布液は、スピンコート、ディップコート、エク
ストルージョンコートなどの塗布法により上記塗布液を
記録層のない基板表面に塗布(有機溶剤を含む場合は乾
燥後)後、紫外線照射して硬化させることにより形成す
ることができる。
上記塗布液を紫外線にて硬化させる場合、高圧水銀灯
などを用いて、0.1〜60秒間、その塗布層に紫外線を1
〜100cmの距離から照射することにより硬化させて、反
射防止層を形成することができる。電子線により硬化さ
せる場合は、線型加速装置、ハンデグラフ加速器などの
電子加速装置を用いて行なわれる。
本発明の反射防止層は、上記紫外線または電子線硬化
型樹脂およびフッ素原子含有樹脂以外に上記基板の屈折
率より低い範囲で形成できれば他の樹脂含んでいてもよ
いが、一般に屈折率が高くなる傾向があり充分な反射防
止効果が得難い。
基板上には、トラッキング用溝またはアドレス信号等
の情報を表わす凹凸の形成の目的で、プレグルーブ層お
よび/またはプレピット層が設けられてもよい。プレグ
ループ層等の材料としては、アクリル酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルの
うちの少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマー)
と光重合開始剤との混合物を用いることができる。
プレグルーブ層の形成は、まず精密に作られた母型
(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重
合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層
上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線
の照射により液層を硬化させて基板と液相とを固着させ
る。次いで、基板を母型から剥離することによりプレグ
ルーブ層の設けられた基板が得られる。プレグルーブ層
の層厚は一般に0.05〜100μmの範囲にあり、好ましく
は0.1〜50μmの範囲である。基板材料がプラスチック
の場合は、射出成形あるいは押出成形などにより直接基
板にプレグルーブおよび/またはプレピットが設けられ
てもよい。
反射防止層が設けられていない側の基板(またはプレ
グループ層等)上には、記録層が設けられる。
記録層に用いられる材料が金属の例としては、Te、Z
n、In、Sn、Zr、Al、Cu、Ge等の金属;Bi、As、Sb等の半
金属;Ge、Si等の半導体;およびこれらの合金またはこ
れらの組合せを挙げることができる。また、これらの金
属または半金属の硫化物、酸化物、ホウ化物、ケイ素化
合物、炭化物および窒化物等の化合物;およびこれらの
化合物と金属との混合物も記録層に用いることができ
る。さらに相変化記録に用いられる高分子化合物等を用
いてもよい。
記録層は、上記の記録材料を蒸着、スパッタリング、
イオンプレーティングなどの方法によって基板上または
中間塗布層上に形成することができる。高分子化合物等
は塗布により設けることができる。所望により、中間層
の下に下塗り層を介在させてもよい。記録層は単層また
は重層でもよいが、その層厚は光情報記録に要求される
光学濃度の点から一般に100乃至5500Åの範囲である。
記録層の材料が色素の場合、本発明に使用される色素
は、例えば、イミダゾキノキサリン系色素、インドリジ
ン系色素などのシアニン系色素、フタロシアニン系色
素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウ
ム系色素、スクワリリウム系色素、Ni,Crなどの金属錯
塩系色素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、イ
ンドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフ
ェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、メロシ
アン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジイ
ンモニウム系色素およびニトロソ化合物を挙げることが
できる。
色素層の形成は、上記色素、さらに所望により結合
剤、金属錯塩系色素またはアミニウム系・ジインモニウ
ム系色素(クエンチャー)を溶剤に溶解して塗布液を調
製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形
成したのち乾燥することにより行なうことができる。
上記色素塗布液調製用の溶剤としては、酢酸エチル、
酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン、ジクロルメタン、1,2−ジクロ
ルエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テ
トラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどの
エーテル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノールなどのアルコール、ジメチルホ
ルムアミドなどのアミド、2、2、3、3−テトラフロ
ロプロパノール等フッソ系溶剤などを挙げることができ
る。なお、これらの非炭化水素系有機溶剤は、50容量%
以内である限り、脂肪族炭化水素溶剤、脂環族炭化水素
溶剤、芳香族炭化水素溶剤などの炭化水素系溶媒を含ん
でいてもよい。
塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、
滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に結合剤としては、例えば、ゼ
ラチン、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロ
ース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有
機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル
・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリオレフィン、エ
ポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物
などの合成有機高分子物質を挙げることができる。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、デ
ィップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクタ
ーロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができ
る。
色素層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤
に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重量比)の範
囲にあり、好ましくは1.0〜95%(重量比)の範囲にあ
る。
上記色素層は単層でも重層でもよいが、その層厚は一
般に100〜5500Åの範囲にあり、好ましくは200〜3000Å
の範囲にある。
上記記録層の上には反射層が設けられてもよい。
反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対す
る反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金
属および半金属を挙げることができる。これらのうちで
好ましいものはAl、Au、CrおよびNiである。これらの物
質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せ
でまたは合金として用いてもよい。
反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッ
タリングまたはイオンプレーティングすることにより基
板の上に形成することができる。反射層の層厚は一般に
は100〜3000Åの範囲にある。
上記反射層上には保護層を設けてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、無機物質とし
ては、SiO、SiO2、Si3N4、MgF2、SnO2等を挙げることが
できる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができ、好まし
くはUV硬化性樹脂である。
上記保護層は、たとえばプラスチックの押出加工で得
られたフィルムを接着層を介して飽和炭化水素系溶剤に
可溶な樹脂からなる保護層上にラミネートすることによ
り形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタ
リング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当
な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を
塗布し、乾燥することによっても形成することができ
る。紫外線硬化型樹脂の場合には、そのままもしくは適
当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を
塗布し、前記と同様にしてUV光を照射して硬化させるこ
とによって形成することができる。紫外線硬化型樹脂と
しては、前記反射防止層で用いたモノマー、オリゴマー
等を使用することができる。これらの塗布液中には、更
に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を
目的に応じて添加してもよい。
上記別の保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲
にある。
また、保護層の代わりに樹脂フィルムを用いて、光デ
ィスクを覆うことによって保護してもよい。
本発明において、情報記録媒体は上述した構成からな
る単板であってもよいが、あるいは更に上記構成を有す
る二枚の基板を反射層が内側となるように向い合わせ、
接着剤等を用いて接合することにより、貼合せタイプの
記録媒体を製造することもできる。
また、本発明の反射防止層は、基板側からレーザーを
照射する際の基板の反射を防止する目的で設けられる。
従って、反射防止層を形成することができ、その効果が
得られるものであればどのような情報記録媒体にも適用
できる。このような情報記録媒体としては、再生専用
型、追記(DRAW)型、書換可能型、光磁気など、記録可
能か不可能あるいは記録層の種類等に依らず、どのよう
な媒体にも適用できる。また媒体の形状も、光ディス
ク、光カード、光テープ、フレキシブルディスク等何で
もよい。
上記情報記録媒体への記録は、例えば光ディスクの場
合下記のように行なわれる。
まず、情報記録媒体を定線速度または定角速度で回転
させながら、基板側から該プレグルーブのグルーブにレ
ーザー光を照射してCDフォーマットのEFM信号などの信
号を、該グルーブの記録層に種々の形状変化(金属記録
層および反射層のない色素記録層の場合には記録層にピ
ット、色素記録層および反射層を有する場合は色素記録
層および反射層の界面に空洞、等)を形成することによ
り記録する。一般に、記録光としては750〜850nmの範囲
の発振波長を有する半導体レーザービームが用いられ
る。一般に1〜15mWのレーザーパワーで記録される。
記録に際しては、上記トラッキング用プレグルーブを
用いてプッシュプル法などによるトラッキング制御が行
なわれる。情報の記録は、プレグルーブのグルーブまた
はグルーブ間のランドに行なわれる。
情報の再生は、例えば記録媒体を上記と同一の定線速
度または定角速度で回転させながら半導体レーザーなど
のレーザー光を基板側から照射してその反射光を検出す
ることにより、3ビーム法などによるトラッキング制御
を行ないながら情報を再生することができる。
以下に、本発明の実施例および比較例を記載する。た
だし、これらの各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] 1.7gと 0.17gとを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ml
に超音波を1時間付与しながら溶解して塗布液を調製し
た。
プレグルーブが設けられた円盤状のポリカーボネート
基板(外径:120mm、内径:15mm、圧さ:1.2mm、トラック
ピッチ:1.6μm、グルーブの深さ:800Å、グルーブ位
置:半径45mm〜116mmの範囲)上に、色素塗布液をスピ
ンコート法により回転数200rpmの速度で塗布を開始して
5秒間維持し、徐々に回転数を上げながら30秒間かけて
最終回転数1000rpmとした所で停止する方法で塗布を行
ない、次いで乾燥させてグルーブ内の層厚が1300Åの色
素記録層を形成した。
上記色素記録層上にAuをDCスパッタ装置を用いて、Ar
圧力が2Pa、電力が200Wの条件にてスッパタリングして
層厚1300Åの反射層を形成した。
反射層上にさらに紫外線硬化型樹脂(商品名:3070、
スリーボンド(株)製)をスピンコート法により回転数
200rpmの速度で塗布を開始して5秒間維持し、徐々に回
転数を上げながら30秒後最終回転数1000rpmとなった所
で停止するようにして塗布を行ない、次いで該塗布層に
紫外線を照射(200w/cm2の水銀灯を10秒間)することに
よって層厚2μmの紫外線硬化型樹脂からなる保護層を
形成した。
上記記録層が設けられなかった基板の反対側の表面
に、紫外線硬化型樹脂(商品名:UR−4502、三菱レイヨ
ン(株)製)4gと含フッ素系メタクリレートモノマー
(ライトエステルFA−108、共栄社油脂工業(株)製)1
gとをメチルセロソルブ50mlとメチルエチルケトン50ml
とに溶解して得られた塗布液をスピンコート法により回
転数200rpmの速度で塗布を開始して5秒間維持し、徐々
に回転数を上げながら30秒間かけて最終回転数1000rpm
とした所で停止するようにして塗布を行ない、次いで該
塗布層に紫外線を照射(200w/cm2の水銀灯を1秒間)す
ることによって層厚1400Åの反射防止層を形成した。
このようにして、基板上に、反射調整層、色素記録
層、反射層および保護層が設けられ、そして該基板の裏
側に反射防止層が設けられた情報記録媒体(第2図参
照)を製造した。
[比較例1] 実施例1において、反射防止層を下記のようにして設
けた以外は実施例1と同様にして情報記録媒体を製造し
た。
上記記録層が設けられなかった基板の反対側の表面
に、MgF2を真空蒸着にて、圧力が2×10-3Paの条件にて
蒸着して層厚1300Åの反射防止層を形成した。
[比較例2] 実施例1において、反射防止層を形成する際の溶剤を
メチルセロソルブ100mlにした以外は実施例1と同様に
して情報記録媒体を製造した。
[実施例2] 実施例1において、上記紫外線硬化型樹脂からなる反
射防止層の代わりに下記のフッ素含有重合体からなる反
射防止層を設けた以外は実施例1と同様にして情報記録
媒体(第2図参照)を製造した。
上記記録層が設けられなかった基板の反対側の表面
に、フッ素原子含有モノマーとメタクリル酸エステルの
グラフト重合体(商品名:マクロマーF−3、東亜合成
化学工業(株)製)1gをシクロヘキサン50mlとメチルエ
チルケトン50mlとに溶解して得られた塗布液をスピンコ
ート法により回転数200rpmの速度で塗布を開始して5秒
間維持し、徐々に回転数を上げながら30秒間かけて最終
回転数1000rpmとした所で停止し、次いで該塗布層を乾
燥することによりフッ素含有重合体からなる反射防止層
を形成した。
[比較例3] 実施例1において、反射防止層を形成する際の溶剤を
シクロヘキサン100mlにした以外は実施例1と同様にし
て情報記録媒体を製造した。
[参考例1] 実施例1において、反射防止層を設けなかった以外は
実施例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
上記で用いたポリカーボネート基板および形成された
反射防止層について下記のように屈折率を測定した。
ポリカーボネート基板はそのまま、反射防止層は、上
記で得られた反射防止層についてエリプソメーター用い
て屈折率を測定した。反射防止層の屈折率は、表面から
被膜を除去しながら層厚の1/10深さ位置および9/10深さ
位置で測定した。
上記の結果、ポリカーボネート基板の屈折率が1.58、
実施例1の反射防止層(層厚の1/10深さ位置)の屈折率
が1.51で、9/10深さ位置での屈折率が1.57、そして比較
例1の反射防止層(1/10深さ位置)および1/10深さ位置
の屈折率が共に1.51で、比較例2の反射防止層(1/10深
さ位置)の屈折率が1.51で、9/10深さ位置での屈折率が
屈折率が1.51であった。
また、上記に示した反射防止層の層厚は、上記1/10深
さ位置の屈折率とポリカーボネートの屈折率との平均値
を示す深さを上記エリプソメーター(島津製作所(株)
製)用いて表面から被膜を除去しながら屈折率と層厚を
測定して求めたものである。
[情報記録媒体の評価] 上記で得られた情報記録媒体について、光ディスク評
価機(パルステック工業(株)製)を用いて、発振波長
780nmのレーザーを用いて記録時のレーザーパワー(記
録パワー)7mW、線速度1.3m/秒にて、CDフォーマットの
EFM信号を記録した。
再生信号とトラックエラー信号が得られるように改造
したCDプレーヤーを用いて、発振波長780nmのレーザー
で再生パワー0.5mWにて上記記録信号の再生を行なっ
た。
1)グルーブ反射率(%) 未記録部分のグルーブにレーザーを照射し、入射レー
ザー光量に対して、反射光量を再生信号検出センサーで
検出して、その検出した出力から求めた。
2)トラックサーボゲイン(dB) 記録部分のグルーブにレーザーを照射するようにトラ
ッキングを行ない、該トラック信号に外乱を入力して、
その時に得られるトラックエラー信号をサーボアナライ
ザー(SR−200、小野測器(株)製)で測定した。
3)C1(誤り訂正信号)エラー(F/秒) 記録部分のグルーブにレーザーを照射するようにトラ
ッキングを行なって再生状態にし、EFMデコーダにより
出力されるC1フラグ(F)の回転数をカウンターでカウ
ントし、C1フラグを測定した時間(秒)で割った値で表
記した。
4)鉛筆硬度 得られた反射防止層を、種々の硬度の鉛筆(三菱ユニ
を使用)で、角度45度、荷重500gにて引っ掻きテストを
行ない傷が付かない最大硬度を示した。尚、参考例1は
反射防止層がないので基板表面をテストした。
5)セロテープ剥離テスト 得られた反射防止層を、ナイフで表面に100個の碁盤
目を形成し、その表面にセロテープ(ニチバン(株)
製)を密着させて表面に対して45度の方向に引っぱって
剥離した。碁盤目部分の反射防止層に内、セロテープに
より剥離された程度で付着性を判断した。
AA:剥離された碁盤目が10個以下 BB:剥離された碁盤目が11〜49個 CC:剥離された碁盤目が50個以上 上記測定結果を第1表に示す。
上記第1表より明らかなように、実施例1の基板、記
録層、反射層および保護層からなる基本構成を有する光
ディスクの基板の裏側に、塗布法による簡便な方法で反
射防止層が設けられた情報記録媒体は、従来の蒸着法の
反射防止層(比較例1)に比べて、容易に且つ安価に製
造できるにも拘らず、反射率やや劣るものの、C1エラー
に優れ、セロテープ剥離が良好であり密着性に優れてい
ることが分かる。UV樹脂の実施例1ではさらに鉛筆硬度
においても優れている。同じ塗布法でも基板を侵すこと
なくUV樹脂の反射防止層を設けた比較例2は、セロテー
プ剥離および鉛筆硬度で実施例1に劣っている。同じ塗
布法でも基板を侵すことなくフッ素樹脂の反射防止層を
設けた比較例3は、セロテープ剥離で実施例2に劣って
いる。
さらに、反射防止層を持たない参考例1は、実施例1
に比較して反射率およびトラックサーボゲインが低く、
C1エラーが小さいのは当然であるが鉛筆硬度でも劣って
おり、傷付き易いといえる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ本発明の情報記録媒体
の一例の断面図である。 第3図は、第1図または第2図における反射防止層の拡
大断面図である。 11、21:基板 12、22:記録層 13、23:反射防止層 24:反射層 25:保護層 h:反射防止層の層厚 d:反射防止層の有効層厚

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック基板上にレーザーにより情報
    の書き込みまたは読み取りが可能な記録層が設けられ且
    つ該基板の記録層が設けられていない側の表面に反射防
    止層が設けられてなる情報記録媒体において、 該反射防止層の表面近傍の部分の屈折率が、該基板近傍
    の部分の屈折率より低いことを特徴とする情報記録媒
    体。
  2. 【請求項2】プラスチック基板上にレーザーにより情報
    の書き込みまたは読み取りが可能な記録層を形成するこ
    と、および該基板の記録層を形成させない側の表面に、
    基板材料より屈折率が低い有機化合物と少なくとも基板
    を溶解可能な有機溶剤とを含む塗布液を塗布乾燥するこ
    とにより反射防止層を形成することからなる情報記録媒
    体の製造方法。
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