JPH10134334A - 磁気ディスク及びそれを用いた磁気記録装置 - Google Patents

磁気ディスク及びそれを用いた磁気記録装置

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JPH10134334A
JPH10134334A JP22911997A JP22911997A JPH10134334A JP H10134334 A JPH10134334 A JP H10134334A JP 22911997 A JP22911997 A JP 22911997A JP 22911997 A JP22911997 A JP 22911997A JP H10134334 A JPH10134334 A JP H10134334A
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recording medium
magnetic
film
resin substrate
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JP22911997A
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Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Nobuyuki Inaba
信幸 稲葉
Kyo Akagi
協 赤城
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
Masaaki Futamoto
正昭 二本
Takeshi Maro
毅 麿
Makoto Aihara
誠 相原
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂基板を用いた磁気ディスクにおける磁気
記録膜の腐食防止の困難性を改善する。 【解決手段】 樹脂基板1上に、水や腐食性イオンを遮
断する腐食成分遮断層2を設け、その上に下地膜3、配
向制御膜4、磁気記録膜5及び保護膜6を設ける。腐食
成分遮断層2は、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化ク
ロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの内より選
ばれる少なくとも1種類の化合物、又は複数の化合物か
らなる複酸化物、複窒化物、或いは酸窒化物からなる無
機化合物により形成する。 【効果】 樹脂基板を用いた磁気ディスクの腐食を防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大量の情報を迅速
かつ正確に格納するための情報記録媒体に係り、特に、
安価でかつ高信頼性を有する磁気ディスクの構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。これを支える情報記録
装置の1つに磁気ディスク装置がある。磁気ディスク装
置は、磁気ディスクの記録密度を向上させつつ小型化が
図られている。それと並行して、磁気ディスク装置の低
価格化が急速に進められている。現在の磁気ディスク
は、基板としてアルミニウム円板やガラス円板を用いて
いるが、将来の低価格の磁気ディスク基板材としては樹
脂が有望である。
【0003】しかし、樹脂の吸水率や透水係数は、金属
やガラスよりも著しく大きく、大気中の水や酸素が樹脂
基板を介して磁気ディスク中に侵入し、磁気記録膜をア
タックして腐食させる。その結果、磁気ディスクに記録
したデータが消失したり、再生できない場合があった。
これは、現在用いられているアルミニウム基板やガラス
基板を用いた磁気ディスクには見られない、樹脂基板を
用いた磁気ディスクに特有の現象である。
【0004】なお、磁気記録膜の腐食を抑制する方法、
例えばCo系金属磁気記録膜の耐食性を向上させる方法
としては、桐野、北田「まてりあ」第34巻、第2号、
195〜202頁(1995)に記載されているよう
に、磁性元素以外の元素を添加する方法が知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】樹脂基板を用いた磁気
ディスクの製造において、樹脂基板はガラス基板やAl合
金基板と異なり、柔軟性を有するので、磁気記録媒体が
有する内部応力により基板表面に凹凸の皺が生じる。ま
た、基板にはすでに基板成型時のスタンパの形状を反映
した凹凸も合わせて存在している。このあらかじめ基板
に存在していた凹凸が、磁気記録媒体の形成によりさら
に増大される場合がある。また、ガラス基板やAl基板と
樹脂基板とでは、濡れ性が異なっており、これは表面エ
ネルギーの違いに基づいている。これにより、磁気記録
媒体の組織が、ガラス基板やAl基板と樹脂基板とで異な
る。特に、基板表面の凹凸を反映して、結晶粒子の異常
成長が生じる。これらにより、ヘッドクラッシュやサー
マルアスペリティーが生じ、情報の記録や再生の信頼性
の低下をきたしていた。これに加えて、樹脂基板を用い
て磁気ディスクを作製すると、基板を介して大気中の水
分が侵入し、磁気記録膜に到達する。そのとき、樹脂中
に残留している重合開始剤や重合禁止剤が水をキャリア
として運ばれてくる。重合開始剤や重合禁止剤には、一
般に、塩素イオンなどのハロゲンイオンが含まれてい
る。これらのイオンが水により運ばれ、磁気記録膜に到
達し、腐食を発生させる。或いは、基板と磁気記録媒体
との界面から、毛細管現象により大気中の水分が侵入す
ることも考えられる。この場合、侵入してきた水は樹脂
中のハロゲンイオン等を溶かし込みながら移動してくる
ために、磁気記録膜が腐食する。その結果、記録してあ
った情報が消失したり、再生信号出力が低下したりする
ので、安定した記録再生ができない場合があった。
【0006】上記の従来技術では、これらの腐食に対し
ては、上記した磁気記録膜に各種元素を添加する方法で
対処していた。しかし、磁性膜に生じる腐食を必ずしも
十分に抑制することができなかった。また、上記各種元
素を添加して腐食を抑制する方法は、ガラス基板やアル
ミニウム基板を用いた磁気ディスクに対するものであ
り、そもそも樹脂基板を介して腐食成分を含む大気中の
水分が侵入するような事態を想定したものではない。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、樹脂基板上に形成された磁気記録膜の腐食
を抑制し、高信頼性な磁気ディスク及び磁気ディスク装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題に対して、本
発明においては、樹脂基板と磁気記録膜の間に金属ある
いは無機化合物の層、または、金属あるいは無機化合物
の2層からなる層を設けることにより、磁気記録媒体の
表面の凹凸を膜面に垂直方向に5nmp−p以下、凹凸
の周期が1μm以上となるように制御することができ
る。これは、樹脂基板と磁気記録媒体の間に、金属ある
いは無機化合物の層を設けると、樹脂基板から垂直方向
に柱状の組織を成長させることができるので、磁気記録
媒体の断面組織及び媒体表面の平坦性を制御することが
できる。特に、樹脂基板固有の課題でもある結晶粒子の
異常成長を抑制することもできる。さらに、このように
磁気記録媒体の結晶成長を制御した結果、磁気記録媒体
の表面の側から見た結晶粒子サイズの分布を制御するこ
ともできる。特に、粒子サイズを統計的標準偏差で表す
とσ=5以下になり、粒子サイズの分布を小さくするこ
とができる。これは、金属や無機化合物層を樹脂基板表
面に設けることにより、基板表面の表面エネルギーを変
化させることができたためである。さらに、金属や無機
化合物層を樹脂基板表面に設けることにより、基板を介
して侵入してくる水分の遮断、及び基板と磁気記録媒体
との接着強度の向上により基板と磁気記録媒体界面から
水分が侵入してくるのを抑制することにより、前記目的
を達成できる。
【0009】ずなわち、本発明は、樹脂基板と磁気記録
膜とを含む磁気ディスクにおいて、樹脂基板と磁気記録
膜の間に金属や無機化合物層を設けることにより、磁気
記録媒体の組織制御を行うことができ、結果として磁気
記録媒体の表面の凹凸を膜面に垂直方向に5nmp−p
以下であり、凹凸の周期が1μm以上に制御できると同
時に、水分や腐食成分を含む水による磁気記録媒体の腐
食を抑制できることを特徴とする。
【0010】上記の制御層は、窒化シリコン、酸化シリ
コン、酸化クロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウ
ムの内より選ばれる少なくとも1種類の化合物、又は複
数の化合物からなる複酸化物、複窒化物、或いは酸窒化
物からなる無機化合物によって構成することができる。
特に好ましい無機化合物は、窒化物である。これは、膜
中に遊離の酸素を含まないため、磁気記録膜を酸化する
ことがないからである。さらに、窒化シリコン、酸化シ
リコン、酸化クロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニ
ウムの内より選ばれる少なくとも1種類の化合物、又は
複数の化合物からなる複酸化物、複窒化物、或いは酸窒
化物からなる無機化合物を主体とし、これに、Zr,Ti,T
a,Nb,Mo,Wのうちより選ばれる少なくとも1種類の金属
元素を含ませてもよい。これは、これらの金属がゲッタ
ー作用を有するためである。これらの無機化合物以外
に、Zr,Ti,Ta,Nb,Mo,Wのうちより選ばれる少なくとも1
種類の金属元素あるいはZr,Ti,Ta,Nb,Mo,Wのうちより選
ばれる少なくとも1種類の金属元素を主体とする合金で
あることが好ましい。その合金が、 Zr,Ti,Ta,Nb,Mo,W
のうちより選ばれる少なくとも1種類の母金属以外の元
素であればよい。さらに、窒化シリコン、酸化シリコ
ン、酸化クロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム
の内より選ばれる少なくとも1種類の化合物、又は複数
の化合物からなる複酸化物、複窒化物、或いは酸窒化物
からなる無機化合物を形成した後に、Zr,Ti,Ta,Nb,Mo,W
のうちより選ばれる少なくとも1種類の金属元素あるい
はZr,Ti,Ta,Nb,Mo,Wのうちより選ばれる少なくとも1種
類の金属元素を主体とする合金であり、該合金における
添加元素として、母金属以外の合金元素であり、Zr,Ti,
Ta,Nb,Mo,Wのうちより選ばれる少なくとも1種類の金属
元素層とからなる2層から構成してもよい。これによ
り、磁気ディスクの信頼性をさらに向上させる効果があ
る。
【0011】ここで、基板表面の凹凸は、磁気ヘッドの
浮上の安定性を支配するので重要である。特に、50n
m以下の低浮上磁気ヘッドで記録再生を行おうとする
と、ディスク表面の凹凸は最大で浮上量の10%程度に
する必要がある。したがって制御層の表面凹凸も5nm
p−p以下にする必要がある。無機化合物薄膜は、通常
の方法で成膜すると平坦性に優れた膜を得るのが困難な
場合が多い。そこで、本発明における制御層の成膜方法
としては、ECRスパッタ法や、スパッタと同時に膜表
面をミリングする等の成膜方法が特に有効である。
【0012】また、磁気記録媒体の断面組織及び表面の
平坦性を制御するための層、あるいは/及び、樹脂基板
を介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体の
界面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を遮
断する遮断層の結晶構造は、X線的に非晶質であること
が特に好ましい。これは、非晶質では結晶粒界が存在し
ないのに対して、結晶性の薄膜では結晶粒界が存在し、
この結晶粒界を介して酸素などに代表される腐食成分が
侵入してくる。この結晶粒界を介する腐食成分の侵入を
防ぐために、遮断層は非晶質膜であることが好ましい。
この他に、磁気記録媒体の成膜時に、膜の成長が成膜初
期の核生成がランダムに生じるので異常成長の抑制に有
効である。
【0013】制御層についで形成する磁気記録媒体は、
少なくとも下地膜、磁気記録膜の配向性制御膜、磁気記
録膜、そして保護膜の4つの層から構成されるのが好ま
しい。磁気記録膜としては、Coに代表される遷移金属
を主体とする金属膜を用いると特に有効である。
【0014】制御層の膜厚は、3nm以上、50nm以
下であることが好ましい。これは、制御層が3nmより
薄くては腐食成分を遮断する効果は得られない。また、
50nmより厚いと膜の内部応力により膜が基板から剥
離する原因になるとともに、膜表面の凹凸を上述の値の
範囲内に保つことが困難だからである。
【0015】磁気記録膜は、Coを主体とする合金を用
い、Coに Ta,Cr,Pt,Ni,Si,V の内より選ばれる少なくと
も2種類の元素を含ませた結晶質の材料を用いることが
好ましい。この他に、磁性を有する結晶粒子の粒界に窒
化シリコン、酸化シリコン、酸化クロム、酸化アルミニ
ウム、窒化アルミニウムの内より選ばれる少なくとも1
種類の化合物、又は複数の化合物からなる複酸化物、複
窒化物、或いは酸窒化物からなる無機化合物粒子を分散
させた金属の結晶粒子の集合体とすることができる。ま
た、逆に、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化クロム、
酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの内より選ばれる
少なくとも1種類の化合物、又は複数の化合物からなる
複酸化物、複窒化物、或いは酸窒化物からなる無機化合
物中に、磁性を有する結晶粒子を分散させたものを用い
ても良い。
【0016】さらに、制御層に、水分あるいは腐食成分
の遮断と同時に基板と磁気記録媒体との密着力を向上さ
せる機能を持たせることができる。それにより、基板と
磁気記録媒体との界面から腐食成分が侵入するのを抑制
することができる。
【0017】このようにして作製した磁気ディスクは、
磁気ヘッド、制御及び信号処理のための電気回路等を付
加して磁気ディスク装置を構成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0019】〔実施の形態1〕図1に断面構造を模式図
を示す磁気ディスクを作製した。磁気ディスク用の樹脂
基板1としては、アモルファスポリオレフィン(AP
O)基板を用いた。基板のサイズは、直径3.5″、基
板表面は平坦である。成膜に先立って、基板1を70℃
で3時間、真空中でベーキングした。これは、樹脂中に
含まれる水分を除去することにより、基板上に形成され
る膜の諸特性を安定化させるためである。
【0020】成形したAPO基板1上に、制御層2とし
て、窒化シリコン層をスパッタ法により作製した。この
とき、ターゲットに純Siを、放電ガスにAr/N2
混合ガス(混合比:90/10)を使用した。投入DC
電力密度は1000W/150mmφ、放電ガス圧力は
10mTorrである。制御層2の膜厚は、30nmで
ある。
【0021】制御層2の結晶構造をX線回折法により調
べたところ、2Θ=44°付近に非常にブロードなピー
クが観測されただけであり、この膜はX線的には非晶質
であった。窒化シリコン層は、Si3N4をターゲットに
用いて成膜する方法があるが、ここで述べたように、S
iから反応性スパッタ法により作製する方が、膜の内部
応力がストレスフリーに近く、かつ、欠陥密度が小さ
い。そのため、制御層2としては、反応性スパッタ法に
より成膜した窒化シリコン膜の方が有効である。これに
引き続き、下地膜3として、Cr膜を30nmの膜厚に
形成した。ターゲットにCrを、放電ガスに純Arガス
を使用した。スパッタの条件は、投入DC電力密度が1
000W/150mmφ、放電ガス圧力が30mTor
rである。次に、磁気記録膜の配向性制御膜4として、
Cr85Ti15合金膜を25nmの膜厚に形成した。ター
ゲットにCr85Ti15合金を、放電ガスに純Arガスを
使用した。スパッタの条件は、投入DC電力密度が10
00W/150mmφ、放電ガス圧力が30mTorr
であり、下地膜3から磁気記録膜5まで同一条件で作製
した。ここで、下地膜及び配向性制御膜として、2層形
成した。また、配向性制御膜の組成が、 Cr85Ti15
である。これらの下地膜の構造や組成は、本実施例に示
したものに限らず、磁気記録膜を構成する元素や組成、
さらには用いる成膜装置により変化するものであり、絶
対的に決まるものではない。
【0022】その上に、磁気記録膜5としてCo69Cr
19Pt12合金膜を20nmの膜厚に形成した。ここで、
スパッタ中は基板を80℃に加熱した。この温度は、基
板の軟化温度により決定され、絶対的なものではない。
ターゲットにCo69Cr19Pt12合金を、放電ガスに純
Arガスを使用した。
【0023】最後に、保護膜6として、カーボン膜を1
0nmの膜厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC
電力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が
30mTorrである。このようにして作製した磁気デ
ィスク基板上に潤滑剤を塗布した。
【0024】作製された磁気記録膜5の磁気特性は、保
磁力が2.5kOe、Isvが2.5×10emu、S
が0.8、S†が0.9であり、良好であった。X線回
折によると、Coの(110)面が強く配向していた。
また、下地膜3及び配向性制御膜4の無い磁気記録媒体
では、保磁力が1.5kOeと著しく小さかった。この
磁気ディスクに基準信号を書き込み、それを再生して、
信号強度と所定の周波数帯域で積分したノイズによりS
/Nを評価したところ、38dBであった。
【0025】試作したディスクの表面の形状を表面粗さ
計により面分析により評価した。その結果、制御層の表
面凹凸は、4nmp−p以下であった。また、凸〜凸の
周期は、平均で15μmであった。これに対して、制御
層を有していない磁気ディスクでは、制御層の表面凹凸
は、10nmp−p以下であった。また、凸〜凸の周期
は、平均で0.1μmであり、平坦性が向上しすること
がわかる。このように、制御層を形成することにより、
樹脂基板上での磁気記録媒体の成長を制御することによ
り、媒体表面の異常成長が抑制されたためで、このこと
は、断面SEM観察から明らかになった。
【0026】次に、上記により作製した磁気ディスクの
耐食性を評価した。用いた手法は、ディスクを60℃−
95%RH中に放置し、ジッタ幅の経時変化を測定する
ものである。この評価法は、一定間隔でデータを記録
し、そのデータとデータの間隔(ジッタ)を測り、ジッ
タ幅の分布の変化により磁気記録膜の耐食性を評価しよ
うとするものである。データを予め記録しておき、再生
のみを一定時間ごとに行っても、或いは、一定時間間隔
ごとにデータを記録、再生しても良い。いずれの方法を
用いても、磁気記録膜に腐食等が発生するとその部分に
は記録できなかったり、記録データが消失するために、
ジッタ幅が増大することが予想できる。直径3.5″の
ディスクを3600rpmで回転させ、薄膜磁気ヘッド
を用いて記録を行い、そのデータを磁気抵抗効果型(M
R)ヘッドを用いて再生した。記録ヘッドに用いた軟磁
性材料のBsは1.6Tである。ディスクの作製初期の
ジッタ幅は60nsであった。
【0027】図2は、ジッタ幅の経時変化を調べた結果
を示す図である。図中白丸は本実施の形態の磁気ディス
クの特性を表し、黒丸は制御層2を有していないこと以
外は本実施の形態の磁気ディスクと同一の構造を有する
比較例の磁気ディスクの特性を表す。
【0028】制御層2を設けた磁気ディスクでは、上記
の環境中に500時間以上放置しても、ジッタ幅の変化
は見られなかった。これに対して、制御層2を有してい
ない比較例の磁気ディスクでは、60℃−95%RH環
境中へ放置すると、時間の経過とともにジッタ幅は増大
し、500時間後で120nsになった。腐食の形状を
光学顕微鏡により観察したところ、円形の孔食が発生し
ていた。このように、制御層2を設けることにより磁気
ディスクの信頼性が向上することが分かる。
【0029】この窒化シリコン層2には、ディスクの表
面の平坦性を向上させたり、腐食性のイオンを遮断する
効果以外に、基板と磁気記録媒体との接着力を増大させ
る効果がある。基板と磁気記録媒体との接着力が弱い
と、基板と磁気記録媒体の界面から水分が侵入し、媒体
を腐食する場合があった。この腐食を抑制するために
は、基板と媒体との接着強度を増す必要がある。この点
についてクロスハッチテストを行なうことにより検討し
たところ、制御層2が無い場合は、クロスハッチカッタ
ーにより形成した100メッシュのうち30メッシュは
剥がれたが、制御層2を設けると剥離するメッシュは1
つも見られず、基板と磁気記録媒体の接着力が増大して
いることがわかる。この効果は、60℃−95%RH環
境中へ放置すると、さらに顕著に表れる。すなわち、こ
の制御層2を設けないと、ディスクに剥離が生じた。し
かし、制御層2を設けると、500時間以上放置しても
クラックや剥離などの発生は見られなかった。このこと
は、基板と磁気記録媒体との接着性が向上したことを意
味する。
【0030】樹脂基板1の磁気記録膜5を形成していな
い方の面を封止して、先の高温高湿度環境中に放置する
と、制御層2を形成していない磁気記録膜5には腐食が
発生した。これに対して、制御層2を形成することによ
り、磁気記録膜5の腐食の発生を抑制することできた。
これは、基板と磁気記録媒体間の密着力が増したため
に、この隙間から水分が侵入するのを抑制できたためで
ある。
【0031】以上は、制御層2として窒化シリコンを用
いた場合であるが、窒化シリコンに代えて、酸化シリコ
ン、酸化クロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム
等の化合物、或いは、複数の化合物からなる複酸化物、
複窒化物、或いは酸窒化物を用いても窒化シリコンを用
いた場合と同様の効果が得られた。
【0032】〔実施の形態2〕図3に断面構造を模式的
に示す磁気ディスクを作製した。この実施の形態は、媒
体表面の平坦性向上と腐食性イオンの遮断するための制
御層として、2層制御膜を用いた場合についてのもので
ある。磁気ディスク用の樹脂基板としては、アモルファ
スポリオレフィン(APO)基板を用いた。基板のサイ
ズは、直径3.5″、基板表面は平坦である。成膜に先
立って、基板を70℃で3時間、真空中でベーキングし
た。これは、樹脂中に含まれる水分を除去することによ
り、基板上に形成される膜の諸特性を安定化させるため
である。
【0033】成型したAPO基板1上に、実施例1と同
様に、第1の制御層7として、窒化シリコン層をスパッ
タ法により作製した。このとき、ターゲットに純Si
を、放電ガスにAr/N2 混合ガス(混合比:90/
10)を使用した。投入DC電力密度は1000W/1
50mmφ、放電ガス圧力は10mTorrである。こ
の第1の制御層7の膜厚は、30nmである。
【0034】これに引き続き、第2の制御膜8として、
Ti膜を10nmの膜厚に形成した。ターゲットに純Ti
を、放電ガスに純Arガスを使用した。スパッタの条件
は、投入DC電力密度が1000W/150mmφ、放
電ガス圧力が30mTorrである。
【0035】ここで重要なのは、第1制御膜7上に第2
制御膜8の構造を制御するために、成膜に用いるターゲ
ット中の不純物濃度、特に、酸素濃度を100 ppm 以下に
抑制する必要がある。しかし、それぞれの下地膜の役割
は異なり、第1の制御膜7の役割は腐食イオンを遮断す
ること及び基板の表面エネルギーを制御することである
のに対し、第2の制御膜8の役割は磁気記録媒体の結晶
構造、表面平坦性及び組織を制御するためである。
【0036】次に、磁気記録膜の配向性制御膜4とし
て、Cr85Ti15合金膜を50nmの膜厚に形成した。
ターゲットにCr85Ti15合金を、放電ガスに純Arガ
スを使用した。スパッタの条件は、投入DC電力密度が
1000W/150mmφ、放電ガス圧力が30mTo
rrであり、配向性制御膜から磁気記録膜5まで同一条
件で作製した。
【0037】その上に、磁気記録膜5としてCo69Cr
19Pt12合金膜を25nmの膜厚に形成した。ここで、
スパッタ中は基板を80℃に加熱した。この温度は、基
板の軟化温度により決定され、絶対的なものではない。
ターゲットにCo69Cr19Pt12合金を、放電ガスに純
Arガスを使用した。
【0038】最後に、保護膜6として、カーボン膜を1
0nmの膜厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC
電力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が
10mTorrである。
【0039】このようにして作製したディスクを評価し
た。作製した磁気記録膜の磁気特性は、保磁力が2.5
kOe、Isvが2.5×10~15emu、Sが0.
8、S†が0.9であり、良好であった。X線回折によ
ると、Coの(110)面が強く配向していた。また、
第1下地膜7及び第2下地膜8を設けないこと以外、本
実施の形態の磁気ディスクと同一の構造を有する比較例
の磁気ディスクでは、保磁力が1.5kOeと著しく小
さかった。
【0040】試作した磁気ディスクのS/Nを潤滑剤を
塗布した後に、前実施例と同様の手法にして評価した。
S/Nは、38dBであった。このように、S/Nは制御
層の構造、材質や成膜プロセスなどには依存しないこと
がわかる。
【0041】次に、上記により作製した磁気ディスクの
耐食性を評価した。用いた手法は、ディスクを80℃−
95%RH中に放置し、ジッタ幅の変化を測定するもの
で、実施の形態1の場合と同様の手法である。得られた
結果を図4に示す。本実施例の2層よりなる制御膜を用
いた磁気ディスクでは、上記の環境中に1000時間以
上放置しても、ジッタ幅の変化は見られなかった。これ
に対して、下地膜として第1の制御膜のみのディスク及
び第2の制御膜のみのディスクのジッタ幅の経時変化
は、前者が600時間経過後から、また、後者が450
時間経過後からそれぞれ増加を始めた。そして、100
0時間後には 85 ns になった。比較のために、これら
制御層を有していないディスクを上記の環境中に放置し
たところ、時間の経過とともにジッタ幅は増大した。そ
して、450時間後には、200nsとなり、それ以上の
時間では、測定できなかった。腐食の形状を光学顕微鏡
で観察したところ、円板全面に円形の孔食が発生して
た。このように、制御膜を設けることにより磁気ディス
クの信頼性は向上し、特に、制御層を1層より2層設け
る方が磁気ディスクの保護効果が大きいことがわかる。
【0042】また、第2の制御層には、先の保護効果に
加えて、磁気記録媒体表面の平坦性を向上させる効果が
ある。特に、制御層を1層より2層設けた方が、磁性膜
の耐食性が向上し、かつ、それと同時に、ディスクとし
ての性能を向上させることができた。一般に、耐食性と
ディスク性能とは矛盾するパラメータであり、いずれか
一方を向上させると、他方が劣化するので、両立させる
ことが困難であった。しかし、制御層を2層にして、各
層に役割を負荷することで、両者の特性を同時に向上さ
せることができた。
【0043】この第1の制御膜7には、腐食性のイオン
を遮断する効果以外に、基板と磁気記録媒体との接着力
を増大させる効果がある。クロスハッチテストを行う
と、第1の制御膜7が無い場合は、100メッシュのう
ち20メッシュは剥がれたが、第1の制御膜7を設ける
と剥離するメッシュは1つも見られず、基板と磁気記録
媒体の接着力が増大していることがわかる。この効果
は、80℃−95%RH環境中へ放置すると、さらに顕
著に表れる。すなわち、この第1の制御膜7を設けない
と、ディスクに剥離が生じた。しかし、第1の制御膜7
を設けると、500時間以上放置してもクラックや剥離
などの発生は見られなかった。このことは、基板と磁気
記録媒体との接着性が向上したことを意味する。
【0044】樹脂基板1の磁気記録膜5を形成していな
い方の面を封止して、先の高温高湿度環境中に放置する
と、第1の制御膜7を形成していない磁気ディスクの磁
気記録膜5には腐食が発生した。これに対して、第1の
制御膜7を形成することにより、磁気記録膜5の腐食の
発生を抑制することができた。これは、基板と磁気記録
媒体間の密着力が増したために、この隙間から水分が侵
入するのを抑制できるためである。
【0045】〔実施の形態3〕図1に断面構造を模式的
に示す磁気ディスクを作製した。ここで説明する実施の
形態は、樹脂基板1上に制御層2を形成に加えて、無機
化合物中に磁性を有する結晶粒子を分散させた磁気記録
膜を用いた場合である。無機化合物中に磁性を有する結
晶粒子を分散させることにより、粒界腐食などの腐食の
進行を抑制させる機能を持たせた磁気記録膜を用いる例
である。樹脂基板としてアモルファスポリオレフィン
(APO)基板を用いた。基板のサイズは、直径3.
5″、基板表面は平坦である。成膜に先立って、基板を
70℃で3時間、真空中でベーキングした。これは、樹
脂中に含まれる水分を除去することにより、基板上に形
成される膜の諸特性を安定化させるためである。
【0046】成形したAPO基板1上に、制御層2とし
て、窒化シリコン層をスパッタ法により作製した。ター
ゲットに純Siを、放電ガスにAr/N2 混合ガス
(混合比:90/10)を使用した。投入DC電力密度
は1000W/150mmφ、放電ガス圧力は10mT
orrである。遮断層の膜厚は、30nmである。
【0047】この膜の結晶構造をX線回折法により調べ
たところ、2Θ=44°付近に非常にブロードなピーク
が観測されただけであり、この膜はX線的には非晶質で
あった。窒化シリコンは、Si3N4をターゲットに用い
て作製する方法があるが、ここで採用したように、Si
から反応性スパッタ法により作製する方が、膜の内部応
力がストレスフリーに近く、かつ、欠陥密度が小さい。
そのため、遮断層としては、反応性スパッタ法により作
製した窒化シリコン膜の方が有効である。
【0048】これに引き続き、下地膜3として、Cr膜
を30nmの膜厚に形成した。ターゲットにCrを、放
電ガスに純Arガスを使用した。スパッタの条件は、投
入DC電力密度が1000W/150mmφ、放電ガス
圧力が30mTorrである。次に、磁気記録膜の配向
性制御膜4として、Cr85Ti15合金膜を25nmの膜
厚に形成した。ターゲットにCr85Ti15合金を、放電
ガスに純Arガスを使用した。スパッタの条件は、投入
DC電力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧
力が30mTorrであり、下地膜3から磁気記録膜5
まで同一条件で作製した。
【0049】その上に、磁気記録膜5として、SiO2
中にCo69Cr19Pt12合金粒子を分散させた膜を20
nmの膜厚に形成した。ここで、スパッタ中は基板を9
0℃に加熱した。この温度は、基板の軟化温度により決
定され、樹脂の性質により変化するので絶対的なもので
はない。ターゲットには、石英上に、Co69Cr19Pt
12合金のチップを均一になるように配置した複合体ター
ゲットを用い、放電ガスに純Arガスをそれぞれ使用し
た。
【0050】得られた磁気記録膜の構造を示す模式図を
図5に示す。図示するように、10〜15nmサイズの
Co69Cr19Pt12合金の粒子が磁気記録膜中に均一に
分散している。結晶質の金属材料における腐食は、結晶
粒界を進行していく場合が多い。そのため、このような
無機化合物中に磁性粒子を結晶粒界に分散させた構造に
すると、この無機化合物により腐食の進行が止められ
る。そのため、磁気記録膜の耐食性を向上させることが
できる。このことは、電気化学的な酸化還元電位が膜構
造により変化を測定してもわかる。
【0051】最後に、保護膜6として、カーボン膜を1
0nmの膜厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC
電力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が
30mTorrである。このようにして作製した磁気デ
ィスク基板上に潤滑剤を塗布した。
【0052】作製した磁気記録膜の磁気特性は、保磁力
が2.3kOe、Isvが2.1×10~15emu、S
が0.75、S†が0.88であり、良好であった。X
線回折によると、Coの(110)面が強く配向してい
る。また、下地膜3及び配向性制御膜4の無い磁気記録
媒体では、保磁力が1.5kOeと著しく小さかった。
このディスクのS/Nを前述と同様の方法で評価したと
ころ、36dBであった。先のSiO2を分散させてい
ない磁気記録膜を用いた磁気ディスクのS/Nより2d
B小さいのは、ノイズが増大したためではなく、信号レ
ベルが減少したことに起因していた。
【0053】上記の磁気記録膜の耐食性を評価した。こ
こでは、磁気記録膜自身の耐食性を評価するために、ガ
ラス基板上に下地膜のCr膜、配向性制御膜のCr−T
i合金膜、そして、磁気記録膜を順次積層し、カーボン
保護膜は形成していないものを試料として用いた。これ
を60℃−95%RH環境中へ放置し、飽和磁化の経時
変化を測定した。比較のために、無機化合物を分散させ
ていない磁気記録膜を用いた試料の磁化の経時変化を合
わせて測定した。
【0054】その結果を図6に示す。図6から明らかな
ように、 SiO2中に磁性粒子を分散させていないCo
69Cr19Pt12合金のみの比較例の磁気記録膜の試料で
は、この環境中に放置すると、時間の経過とともに飽和
磁化は緩やかに減少し、500時間後には初期値の80
%になった。これに対して、SiO2中に磁性粒子を分
散させた磁気記録膜では、同一の条件に放置しても飽和
磁化の変化は見られなかった。試料を顕微鏡観察したと
ころ、SiO2中にCo69Cr19Pt12合金の磁性粒子
を分散させていない磁気記録膜の試料では、腐食はCo
の結晶粒界に発生し、粒界を介して進行していることが
見出された。SiO2中にCo69Cr19Pt12合金を分
散させた試料では、この腐食の発生及び進行を抑制する
ことができた。
【0055】上記の効果は、SiO2 以外にも窒化シ
リコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、SiO
などのいずれの化合物を用いても得られ、また、これら
の複酸化物や複窒化物、或いは、酸窒化物等を用いても
同様の効果が得られた。また、実施の形態2で説明した
2層の下地膜を用いた磁気ディスクに適用しても同様の
効果が得られた。
【0056】〔実施の形態4〕この実施の形態は、媒体
表面の平坦性向上と腐食性イオンの遮断するための制御
層として、2層からなる膜を用いた場合についてのもの
である。特に、本実施例では、基板として表面に凹凸の
ある樹脂基板を用いた場合である。断面構造を模式的に
示す図7の構造の磁気ディスクを作製した。磁気ディス
ク用の樹脂基板としては、アモルファスポリオレフィン
(APO)基板を用いた。基板のサイズは、直径3.
5″、基板表面には、図8に示すような凹凸が形成され
ている。これは、あらかじめ形成したピットによりその
周囲に形成される磁界分布の乱れを検出することでサー
ボ信号などを得ようとする方法である。これにより、サ
ーボトラックライターでディスク1枚1枚サーボ信号を
記録しなくてすむので、量産性の向上及び低価格化を図
ることができる。成膜に先立って、基板を70℃で3時
間、真空中でベーキングした。これは、樹脂中に含まれ
る水分や酸素などの空気の成分を除去することにより、
基板上に形成される膜の諸特性を安定化を図るためであ
る。
【0057】成型したAPO基板9上に、制御膜7とし
て、窒化シリコン膜をスパッタ法により形成した。ター
ゲットに純Siを、放電ガスにAr/N2混合ガス(混
合比:90/10)を使用した。投入DC電力密度は1
000W/150mmφ、放電ガス圧力は10mTor
rである。遮断層の膜厚は、30nmである。
【0058】この膜の結晶構造をX線回折法により調べ
たところ、2Θ=44°付近に非常にブロードなピーク
が観測されただけであり、この膜はX線的には非晶質で
あった。窒化シリコンは、Si3N4をターゲットに用い
て作製する方法があるが、ここで採用したように、Si
から反応性スパッタ法により作製する方が、膜の内部応
力がストレスフリーに近く、かつ、欠陥密度が小さい。
そのため、遮断層としては、反応性スパッタ法により作
製した窒化シリコン膜の方が有効である。これに引き続
き、第2の制御膜8として、Cr膜を30nmの膜厚に
形成した。ターゲットにCrを、放電ガスに純Arガス
を使用した。スパッタの条件は、投入RF電力密度が1
000W/150mmφ、放電ガス圧力が30mTor
rである。
【0059】それぞれの制御膜の役割は異なり、第1制
御膜7の役割は腐食イオンを遮断することであるのに対
し、第2制御膜8の役割は磁気記録膜の結晶性を制御す
ることである。さらに、磁気記録媒体の応力を考慮し
て、制御膜の内部応力を制御すると、ディスク全体で
は、見かけ蒸ストレスフリーになる。その結果として、
膜剥離やクラックを抑制することができる。
【0060】次に、磁気記録膜の配向性制御膜4とし
て、Cr85Ti15合金膜を25nmの膜厚に形成した。
ターゲットにCr85Ti15合金を、放電ガスに純Arガ
スを使用した。スパッタの条件は、投入DC電力密度が
1000W/150mmφ、放電ガス圧力が30mTo
rrであり、配向性制御膜3から磁気記録膜5まで同一
条件で作製した。
【0061】その上に、磁気記録膜5としてCo69Cr
19Pt12合金膜を20nmの膜厚に形成した。ここで、
スパッタ中は基板を80℃に加熱した。この温度は、基
板の軟化温度により決定され、絶対的なものではない。
ターゲットにCo69Cr19Pt12合金を、放電ガスに純
Arガスを使用した。本実施例の場合、用いた基板の表
面に凹凸が形成されているので、平坦な基板上に形成し
た場合に生じる凹凸に加えて、基板が有する凹凸も現れ
る。この場合、後者の凹凸が著しく大きく、制御層のみ
ではとりにくい。そこで、制御層の効果を最大限に発揮
させるために、成膜にマイクロ波による励起法をを用い
たECRスパッタ法が特に有効である。磁性膜より下の制
御膜や配向性制御膜の作製に、この手法を用いると、磁
性膜を平坦な面に形成することになるので、凹凸を有す
る基板を用いるメリットがなくなってしまう。そのた
め、この成膜法を用いることが有効なのは、少なくとも
磁性膜と保護膜である。
【0062】最後に、保護膜6として、カーボン膜を1
0nmの膜厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC
電力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が
30mTorrである。作製した磁気ディスクには潤滑
剤を塗布した。
【0063】このようにして作製した磁性膜の構造と磁
気特性をディスク特性の評価に先だって測定した。作製
した磁気記録膜の磁気特性は、保磁力が2.5kOe、
Isvが2.5×10~15emu、Sが0.8、S†が
0.9であり、良好であった。X線回折によると、Co
の(110)面が強く配向していた。また、第1の制御
膜7及び第2の制御膜8を設けずに、直接、基板の上に
配向性制御膜、磁気記録膜、保護膜を順次積層した比較
例の磁気記録媒体では、保磁力が1.5kOeと著しく
小さかった。
【0064】次に、上記の構造の磁気記録媒体を樹脂基
板上に形成したディスクの記録再生特性を測定した。本
実施例の磁気ディスクのS/Nを前述と同様の条件によ
り評価したところ38dBであった。このことから、S
/Nは基板の凹凸に依存していないことがわかる。
【0065】上記により作製した磁気ディスクの耐食性
を評価した。用いた手法は、ディスクを60℃−95%
RH中に放置し、ジッタ幅の変化を測定するもので、実
施の形態1の場合と同様の手法である。得られた結果を
図9に示す。第1の制御膜7を設けたディスクでは、上
記の環境中に500時間以上放置しても、ジッタ幅の変
化は見られなかった。これに対して、第1の制御膜7を
有していない比較例の磁気ディスクでは、60℃−95
%RH環境中へ放置すると、時間の経過とともにジッタ
幅は増大し、500時間後で120nsになった。腐食
の形状を光学顕微鏡により観察したところ、円形の孔食
が媒体全面に発生していた。このように、第1の制御膜
7を設けることにより磁気ディスクの信頼性、特に、腐
食に対する耐性を向上させることができる。
【0066】この第1の制御膜7には、腐食性のイオン
を遮断する効果以外に、基板と磁気記録媒体との接着力
を増大させる効果がある。クロスハッチテストを行う
と、第1の制御膜7が無い場合は、100メッシュのう
ち20メッシュは剥がれたが、第1の制御膜7を設ける
と剥離するメッシュは1つも見られず、基板と磁気記録
媒体の接着力が増大していることがわかる。この効果
は、60℃−95%RH環境中へ放置すると、さらに顕
著に表れる。すなわち、この第1の制御膜7を設けない
と、ディスクから媒体の剥離が生じた。しかし、第1の
制御膜7を設けると、500時間以上放置してもクラッ
クや剥離などの発生は見られなかった。このことは、基
板と磁気記録媒体との接着性が向上したことを意味す
る。
【0067】樹脂基板1の磁気記録膜5を形成していな
い方の面を封止して、先の高温高湿度環境中に放置する
と、第1の制御膜7を形成していない磁気ディスクの磁
気記録膜5には腐食が発生した。これに対して、第1の
制御膜7を形成することにより、磁気記録膜5の腐食の
発生を抑制することができた。これは、基板と磁気記録
媒体間の密着力が増したために、この隙間から水分が侵
入するのを抑制できるためである。
【0068】〔実施の形態5〕この実施例は、制御膜2
に金属膜を用いた場合である。作製した磁気ディスクの
断面構造の模式図は、実施例1と同様で、図1に示すと
おりである。磁気ディスク用の樹脂基板として、アモル
ファスポリオレフィン(APO)基板を用いた。ディスクの
サイズは、3.5″直径、基板表面は平坦である。成膜に
先立って、基板を70℃で1時間、真空中でベーキングし
た。これは、樹脂中に含まれる水分や空気を除去するこ
とにより、基板上に形成される膜の諸特性が安定に得ら
れるようになる。
【0069】ベーキングしたAPO基板(1)上に、金属の制
御層(2)として、チタン層をスパッタ法により作製し
た。ターゲットに純Tiを、放電ガスにArガスを使用し
た。投入DC電力密度は1000W/150mmφ、放電ガス圧力
は2mTorrである。膜厚は、10 nmである。この膜の結
晶構造をX線回折法により調べたところ、2Θ=44°付近
に非常にブロードなピークが観測されただけであり、こ
の膜はX線的には非晶質に近い膜であることがわかる。
これらのスパッタの条件は、絶対的なものではなく、用
いるスパッタ装置により異なるものであることはいうま
でもない。
【0070】次に、磁気記録媒体の作製方法について説
明する。金属の制御膜(2)上に、磁性膜の配向性制御
膜(3)として、Cr80Ti20合金膜を75 nm の膜厚に
形成した。ターゲットにCr80Ti20合金を、放電ガス
に純Arガスを使用した。スパッタの条件は、投入DC電
力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が30 mTorrであ
り、配向性制御膜(3)から磁性膜(4)まで同一条件で作
製した。
【0071】その上に、磁性膜(4)としてCo69Cr19
Pt12合金膜を20 nm の膜厚に形成した。ここで、スパ
ッタ中は基板を80℃に加熱した。この温度は、基板の軟
化温度により決定されるものであり、基板の材質が変わ
れば変化するので絶対的な値ではない。ターゲットにCo
69Cr19Pt12合金を、放電ガスに純Arガスを使用し
た。この膜のX線回折プロファイルを測定したところ、
図10に示すようにCrの(110)が強く配向してい
ることがわかった。この膜を形成していないと、比較例
に示すように、Crの(110)のピークがブロードで
あり、しかも、ピーク強度も弱いので、結晶配向性が悪
いことがわかる。このように、金属の制御膜を樹脂基板
上に形成すると、CrTi合金及び磁性膜の配向性を大
きく向上させることができることがわかる。さらに、磁
性膜の結晶粒子の粒径分布が、σで金属コート膜を用い
ると5以下になるが、用いない場合は15以上と大きく
ディスクにおけるノイズの向上を引き起こすことがわか
る。
【0072】最後に、保護膜(5)として、C膜を10 nm
の膜厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC電力密
度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が30 mTorrである。
ここでは、スパッタガスにArを使用したが、窒素を含
むガスを用いてもよいことは言うまでもない。これは、
粒子が微細化するために、得られる膜が緻密化し、保護
性能を向上させることができる。この保護膜の膜質は、
用いたスパッタの方式に加えて、用いる装置にも大きく
依存して変化するので、この条件や手法は絶対的なもの
ではない。
【0073】まず、作製した磁性膜の磁気特性は、保磁
力が2.5 kOe、Isvが2.5×10 ̄16emu、M−Hヒステリ
シスにおけるヒステリシスの角型性の指標のSが0.8、S
†が0.9であり、良好な磁気特性を有していた。また、X
線回折によると、Coの(101)面が強く配向していること
がわかる。また、金属の制御膜(2)の無い磁気記録媒体
では、保磁力が1.5 kOe と著しく小さく、配向性もCoの
(101)面の優先配向性が金属の制御膜(2)を有するデ
ィスクより低下していた。
【0074】このようにして作製した磁気ディスク表面
に潤滑剤を塗布した後に、ディスクの特性を評価した。
このディスクのS/Nは38dB であった。このS/Nは、記録
面密度:3GB/inchEX2に相当する信号を記録した場合で
ある。このディスクの欠陥レートを測定したところ、EC
Cを用いない場合で、2×10以下であった。これに対
して、金属の制御膜(2)を用いないで作製したディス
クの欠陥レートは6×10と1桁以上大きかった。作製
したディスク上の欠陥レートのマップから、欠陥の原因
を調べたところ、微小な異物が付着していることがSEM
観察より明らかになった。また、この効果は、樹脂基板
の他にガラスのような導電性を有していない基板に対し
ても得られ、特に帯電しやすい樹脂基板に対して最も大
きな効果が得られる。さらに、金属の制御膜は、樹脂基
板から滲出してくる水などの腐食成分が磁気記録媒体を
腐食するのを抑制する効果も有することは言うまでもな
い。この層を設けないで作製したディスクと設けたディ
スクとの間には、記録、再生特性、特に、ノイズレベル
が、この金属の制御層を設けない場合は、設けた場合よ
り3dB高かった。これは、ディスク表面が凹凸である
ために安定した浮上ができないためである。これに加え
て、ディスクと基板間の距離を離して測定しているの
で、その分だけ再生出力が低下する。そこで、磁気ヘッ
ドの浮上量を30nmにしてディスクを回転させたところ、
本発明のディスクは3600rpmで1000時間以上回転させて
もヘッドクラッシュを生じることなく、安定に記録再生
を行うことができた。これに対して、本発明を用いない
で作製したディスクでは、5〜20時間でヘッドクラッシ
ュが発生した。この原因をSEMにより断面観察により調
べたところ、磁気録媒体の表面に凹凸ができているため
にクラッシュが生じたと考えられる。金属の制御層を設
けると、図11に示すように基板と垂直方向に磁性膜の
柱状組織が成長しているが、本発明の金属の制御層を介
して樹脂基板上に形成すると、基板と平行方向への成長
は見られなかった。すなわち、結晶粒子サイズが膜厚に
より変化しないことを意味している。図11の比較例に
示すように、金属の制御層を有していないと、基板と平
行な方向への成長が見られ、粒子サイズが磁性膜厚や配
向性制御膜の膜厚により変化していることがわかる。そ
の結果、この膜を用いて記録再生を行うと、ノイズレベ
ルが大きく増大した。これは、粒径分布の幅が大きい
と、遷移領域の磁区形状が乱れているためである。この
効果以外に、この層には、基板を介して侵入してくる水
や、その水がキャリアとなって運んでくる樹脂基板中に
残留している重合開始剤等の腐食成分を遮断する効果、
さらにこれに加えて、この膜の表面エネルギーが、ガラ
スの表面の濡れ角と同じであった。ガラスとAPOとでは
濡れ角が異なっているために、基板表面に直接磁気記録
媒体を作製すると、配向性制御膜及び磁性膜が異常成長
する部分が存在する場合がある。そこで、この上に磁気
記録膜などを作製して磁気ディスクを作製したところ、
ディスク表面の凹凸が大きくなり、基板表面に凹凸が存
在していない平坦な部分で垂直方向に平均で50 nm p-p
の凹凸が存在しており、その周期も100nmであった。
潤滑剤を塗布して、磁気ディスク装置として組み立てて
動作させたところ、動作とほぼ同時にヘッドクラッシュ
を生じ、記録や再生ができなくなった。このような現象
は、ガラス基板やAl合金基板を用いた場合には見られな
かった。このように、APO基板を用いて金属の制御層
を設けることなく、直接磁気記録膜を作製した場合のみ
に磁性膜に異常成長が生じるのは、基板表面の濡れ角が
ガラス基板と異なるためである。さらに、この金属コー
ト膜は、記録媒体の異常成長の抑制に加えて、導電性が
あるので帯電防止作用がある。これは、スパッタのフレ
ークの吸着の防止に効果がある。
【0075】以上の結果は、Tiを金属コート膜に用いた
場合であるが、この効果はTa, Zr,Nb, W, Mo などのbcc
やhcpなどの結晶構造を有する材料を用いて、樹脂表面
をこれら金属によりコートしても同様の効果が得られ
る。
【0076】〔実施の形態6〕本実施例は、基板表面に
は凹凸のピットが形成された樹脂基板を用い、制御層と
して Zr を用いた場合である。作製した磁気ディスクの
断面構造の模式図を図12に示す。まず、磁気ディスク
用の樹脂基板として、アモルファスポリオレフィン(AP
O)基板を用いた。ディスクのサイズは、3.5″直径、基
板表面には凹凸のピットが形成されている。このピット
の存在の有無は、本発明により得られる効果には変化を
生じない。成膜に先立って、基板を70℃で1時間、真空
中でベーキングした。これは、樹脂中に含まれる水分や
空気を除去することにより、基板上に形成される膜の諸
特性が安定に得られるようになる。ベーキングしたAPO
基板(1)上に、金属の制御層(2)として、ジルコニウム層
をスパッタ法により作製した。ターゲットに純Zrを、
放電ガスにArガスを使用した。投入DC電力密度は1000
W/150mmφ、放電ガス圧力は2mTorrである。膜厚は、1
0 nm である。この膜の結晶構造をX線回折法により調べ
たところ、2Θ=44°付近に非常にブロードなピークが観
測されただけであり、この膜はX線的には非晶質である
ことがわかる。これらのスパッタの条件は、絶対的なも
のではなく、用いるスパッタ装置により異なるものであ
る。
【0077】次に、磁気記録媒体の作製方法について説
明する。金属の制御膜(2)上に、磁性膜の配向性制御
膜(3)として、Cr80Ti20合金膜を25 nm の膜厚に形
成した。ターゲットにCr80Ti20合金を、放電ガスに
純Arガスを使用した。スパッタの条件は、投入DC電力
密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が30 mTorrであ
り、配向性制御膜から磁性膜まで同一条件で作製した。
ここで、スパッタ中は基板を80℃に加熱した。この温度
は、基板の軟化温度により決定されるものであり、基板
の材質が変われば変化するので絶対的な値ではない。
【0078】その上に、磁性膜(4)としてCo69Cr19
Ta12合金膜を20 nm の膜厚に形成した。ターゲット
にCo69Cr19Ta12合金を、放電ガスに純Arガスを
使用した。本実施例では、磁性膜にCoCrTa系を用
いたので2層の配向性制御膜を用いた。この膜のX線回
折プロファイルを測定したところ、先の実施例と同様
に、Crの(110)が強く配向していることがわかっ
た。この膜を形成していないと、比較例に示すように、
Crの(110)のピークがブロードであり、結晶配向
性が悪いことがわかる。このように、金属コート膜を樹
脂基板上に形成すると、Cr及びCrTi合金及び磁性
膜の配向性を大きく向上させることができることがわか
る。さらに、磁性膜の結晶粒子の粒径分布が、σで金属
コート膜を用いると5以下になるが、用いない場合は1
5以上と大きくディスクにおけるノイズの向上を引き起
こすことがわかる。
【0079】最後に、保護膜(5)として、C膜を10 nm
の膜厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC電力密
度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が30 mTorrである。
【0080】磁性膜の磁気的な特性を評価した。まず、
作製した磁性膜の磁気特性は、保磁力が2.5 kOe、Isvが
2.5×10 ̄16emu、M−Hヒステリシスにおけるヒステ
リシスの角型性の指標のSが0.8、S†が0.9であり、良好
な磁気特性を有していた。また、X線回折によると、Co
の(101)面が強く配向していることがわかる。また、金
属制御膜(2)の無い磁気記録媒体では、保磁力が1.5 kO
e と著しく小さく、配向性もCoの(101)面の優先配向
性が金属制御膜を有するディスクより低下していた。
【0081】このようにして作製した磁気ディスク上に
潤滑剤を塗布した後に、このディスクのS/Nを評価した
ところ、38dB であった。このS/Nは、記録面密度:3GB
/inchEX2に相当する信号を記録した場合である。金属の
制御膜を設けていないディスクのS/Nは3dB低かった。
次に、このディスクの欠陥レートを測定したところ、信
号処理を行わない場合の値で、2×10EX-7以下であっ
た。これに対して、本発明の金属コート膜を用いないで
作製したディスクの欠陥レートは6×10EX-6と1桁
以上大きかった。このように、記録できない部分は、微
小な異物が付着していることがSEM観察より明らかにな
った。また、この効果は、樹脂基板の他にガラスのよう
な導電性を有していない基板に対して有効であり、特に
帯電しやすい樹脂基板に対して最も効果が大きい。
【0082】このように、金属の制御層を設けないで作
製したディスクと設けたディスクとの間には、記録、再
生特性に違いが見られた。特に、ノイズレベルが、この
金属の制御層を設けない場合は、設けた場合より3dB
高かった。これは、表面に凹凸が存在しているために、
磁気ヘッドが安定した浮上ができない。そのため、ヘッ
ドと媒体間の距離が離れたためにS/Nが低下したためで
ある。また、結晶粒子サイズに分布が存在するために、
磁化遷移領域の磁区形状が乱れているためにノイズレベ
ルが上昇したためである。そこで、磁気ヘッドの浮上量
を30nmにしてディスクを回転させたところ、本発明のデ
ィスクは3600rpmで1000時間以上回転させてもヘッドク
ラッシュを生じることなく、安定に記録再生を行うこと
ができた。これに対して、本発明を用いないで作製した
ディスクでは、5〜20時間でヘッドクラッシュが発生し
た。この原因をSEMにより断面観察により調べたとこ
ろ、磁気録媒体の表面に凹凸ができているためにクラッ
シュが生じたと考えられる。金属の制御層を設けると、
前実施例と同様に、基板と垂直方向に磁性膜の柱状組織
が成長しているが、本発明の金属の制御層を介して樹脂
基板上に磁気記録媒体を形成すると、基板と平行方向へ
の成長は見られない。すなわち、結晶粒子サイズが膜厚
により変化しない。金属の制御層を有していないと、基
板と平行方向への成長が見られ、粒子サイズが磁性膜厚
や配向性制御膜の膜厚により変化する。その結果、この
膜を用いて記録再生を行うと、ノイズレベルが大きく増
大した。これは、粒径分布の幅が大きいと、遷移領域の
磁区形状が乱れているためである。この効果以外に、こ
の層には、基板を介して侵入してくる水や、その水がキ
ャリアとなって運んでくる樹脂基板中に残留している重
合開始剤等の腐食成分を遮断する効果、さらにこれに加
えて、この膜の表面エネルギーが、ガラスの表面の濡れ
角と同じであった。ガラスとAPOとでは濡れ角が異なっ
ているために、基板表面に直接磁気記録媒体を作製する
と、配向性制御膜及び磁性膜が異常成長する部分が存在
する場合がある。
【0083】そこで、磁気ディスクを作製したところ、
ディスク各層を積層するにつれて、ディスク表面の凹凸
が大きくなり、基板表面に凹凸が存在していない比較的
平坦な部分で垂直方向に平均で50 nm p-pの凹凸が存在
していた。その周期も100nmであった。潤滑剤を塗布
して、磁気ディスク装置として組み立てて動作させたと
ころ、動作とほぼ同時にヘッドクラッシュを生じ、記録
や再生ができなくなった。このような現象は、ガラス基
板を用いた場合には見られなかった。このように、AP
O基板を用いて金属の制御層を設けることなく、直接磁
気記録膜を作製した場合のみに磁性膜に異常成長が生じ
るのは、基板表面の濡れ角がガラス基板と異なるためで
ある。さらに、この金属の制御膜は、記録媒体の異常成
長の抑制に加えて、導電性があるので帯電防止作用があ
る。これは、スパッタのフレークの吸着の防止にも効果
がある。
【0084】以上の結果は、Zrを金属コート膜に用い
た場合であるが、この効果は、 Ta,Ti,Nb,W,Moなどのbc
cやhcpなどの結晶構造を有する金属を用いて樹脂基板表
面をコートしても同様の効果が得られる。
【0085】
【発明の効果】本発明によると、樹脂基板を用いる磁気
ディスクに特有の基板を介して侵入してくる水や腐食性
イオンによる腐食を効果的に防止することができる。そ
の結果、磁気記録膜の磁気特性を劣化させないで、高信
頼性を有する磁気ディスクを得ることができる。また、
無機化合物を磁気記録膜中に均一に分散させると、結晶
粒界を介して発生及び進行する腐食を抑制でき、磁気記
録膜の耐食性を向上さることができ、磁気ディスクの高
信頼化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスクの断面構造を示す模式図。
【図2】本発明による磁気ディスクと比較例の磁気ディ
スクのジッタ幅の経時変化を示す図。
【図3】磁気ディスクの断面構造を示す模式図。
【図4】本発明による磁気ディスクと比較例の磁気ディ
スクのジッタ幅の経時変化を示す図。
【図5】磁気記録膜の構造を示す模式図。
【図6】本発明による磁気ディスクと比較例の磁気ディ
スクの飽和磁化の経時変化を示す図。
【図7】磁気ディスクの断面構造を示す模式図。
【図8】凹凸を有する基板を用いた磁気ディスクのサー
ボ情報を再生した例を示す図。
【図9】本発明による磁気ディスクと比較例の磁気ディ
スクのジッタ幅の経時変化を示す図。
【図10】本発明による磁気ディスクと比較例の磁気デ
ィスクの記録媒体の構造を示す図。
【図11】断面SEMによる本発明による磁気ディスクと
比較例の磁気ディスクの記録媒体の断面構造を示す図。
【図12】本発明による磁気ディスクと比較例の磁気デ
ィスクの記録媒体の構造を示す図。
【符号の説明】
1…樹脂基板、2…制御層、3…下地膜、4…配向性制
御膜、5…磁気記録膜、6…保護膜、7…第1の制御
膜、8…第2の制御膜、9…凹凸を有する樹脂基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤城 協 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 小礒 良嗣 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 二本 正昭 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 麿 毅 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 相原 誠 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂基板と結晶質の磁気記録媒体とを含む
    磁気ディスクにおいて、前記樹脂基板と前記磁気記録媒
    体の間に、前記磁気記録媒体の断面組織及び媒体表面の
    平坦性を制御するための層を形成することにより、磁気
    記録媒体の表面の凹凸が膜面に垂直方向に5nmp−p
    以下であり、前記凹凸の周期が1μm以上となるように
    磁気記録媒体の表面の平坦性を制御したことを特徴とす
    る磁気ディスク。
  2. 【請求項2】樹脂基板と結晶質の磁気記録媒体とを含む
    磁気ディスクにおいて、前記樹脂基板と前記磁気記録媒
    体の間に、前記請求項1記載の磁気記録媒体の断面組織
    及び媒体表面の平坦性を制御するための層を形成し、樹
    脂基板から垂直方向に柱状の組織を成長させることによ
    り前記記載の磁気記録媒体の断面組織及び媒体表面の平
    坦性を制御したことを特徴とする請求項1記載の磁気デ
    ィスク。
  3. 【請求項3】請求項1及び2記載の樹脂基板と結晶質の
    磁気記録媒体とを含む磁気ディスクにおいて、前記樹脂
    基板と前記磁気記録媒体の間に、請求項1及び2記載の
    磁気記録媒体の断面組織及び媒体表面の平坦性を制御す
    るための層を形成し、樹脂基板から垂直方向に柱状の組
    織を成長させることにより、磁気記録媒体の表面の側か
    ら見た結晶粒子サイズの分布を制御したことを特徴とす
    る請求項1または2記載の磁気ディスク。
  4. 【請求項4】請求項1から3記載の樹脂基板と結晶質の
    磁気記録媒体とを含む磁気ディスクにおいて、前記樹脂
    基板と前記磁気記録媒体の間に、請求項1から3記載の
    磁気記録媒体の断面組織及び表面の平坦性を制御するた
    めの層を形成することにより、磁気記録媒体の表面から
    見た結晶粒子サイズの統計学的な分布である標準偏差:
    σが5以下となるように制御したことを特徴とする請求
    項1から3までのいずれかに記載の磁気ディスク。
  5. 【請求項5】請求項1から4記載の樹脂基板と磁気記録
    媒体とを含む磁気ディスクにおいて、前記の樹脂基板と
    前記の結晶質の磁気記録媒体の間に設ける磁気記録媒体
    の断面組織及び表面の平坦性を制御するための層に、前
    記の樹脂基板を介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁
    気記録媒体の界面から侵入してくる水分又は腐食成分を
    含む水分を遮断する役割を持たせたことを特徴とする請
    求項1から4までのいずれかに記載の磁気ディスク。
  6. 【請求項6】前記の磁気記録媒体の断面組織及び表面の
    平坦性を制御するための層あるいは/及び、樹脂基板を
    介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体の界
    面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を遮断
    する遮断層に用いる材料が、窒化シリコン、酸化シリコ
    ン、酸化クロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム
    の内より選ばれる少なくとも1種類の化合物、又は複数
    の化合物からなる複酸化物、複窒化物、或いは酸窒化物
    からなる無機化合物であることを特徴とする請求項1か
    ら5までのいずれかに記載の磁気ディスク。
  7. 【請求項7】前記の磁気記録媒体の断面組織及び表面の
    平坦性を制御するための層あるいは/及び、樹脂基板を
    介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体の界
    面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を遮断
    する遮断層に用いる材料が、窒化シリコン、酸化シリコ
    ン、酸化クロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム
    の内より選ばれる少なくとも1種類の化合物、又は複数
    の化合物からなる複酸化物、複窒化物、或いは酸窒化物
    からなる無機化合物を主体とし、これに、Zr,Ti,Ta,Nb,
    Mo,Wのうちより選ばれる少なくとも1種類の金属元素を
    含ませたことを特徴とする請求項1から5までのいずれ
    かに記載の磁気ディスク。
  8. 【請求項8】前記の磁気記録媒体の断面組織及び表面の
    平坦性を制御するための層あるいは/及び、樹脂基板を
    介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体の界
    面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を遮断
    する遮断層に用いる材料が、Zr,Ti,Ta,Nb,Mo,Wのうちよ
    り選ばれる少なくとも1種類の金属元素あるいはZr,Ti,
    Ta,Nb,Mo,Wのうちより選ばれる少なくとも1種類の金属
    元素を主体とする合金であり、該合金が母金属以外の合
    金元素がZr,Ti,Ta,Nb,Mo,Wのうちより選ばれる少なくと
    も1種類の金属元素であることを特徴とする請求項1か
    ら5までのいずれかに記載の磁気ディスク。
  9. 【請求項9】前記の磁気記録媒体の断面組織及び表面の
    平坦性を制御するための層あるいは/及び、樹脂基板を
    介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体の界
    面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を遮断
    する遮断層の構造が、窒化シリコン、酸化シリコン、酸
    化クロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの内よ
    り選ばれる少なくとも1種類の化合物、又は複数の化合
    物からなる複酸化物、複窒化物、或いは酸窒化物からな
    る無機化合物を形成した後に、Zr,Ti,Ta,Nb,Mo,Wのうち
    より選ばれる少なくとも1種類の金属元素あるいはZr,T
    i,Ta,Nb,Mo,Wのうちより選ばれる少なくとも1種類の金
    属元素を主体とする合金であり、該合金における添加元
    素として、母金属以外の合金元素であり、Zr,Ti,Ta,Nb,
    Mo,Wのうちより選ばれる少なくとも1種類の金属元素層
    とからなる2層から構成されることを特徴とする請求項
    1から5までのいずれかに記載の磁気ディスク。
  10. 【請求項10】請求項7から8記載の無機化合物の層の
    結晶構造が、X線的に非晶質であることを特徴とする請
    求項1から9までのいずれかに記載の磁気ディスク。
  11. 【請求項11】前記の磁気記録媒体の断面組織及び表面
    の平坦性を制御するための層あるいは/及び、樹脂基板
    を介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体の
    界面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を遮
    断する遮断層に磁気記録媒体の有する内部応力を吸収さ
    せる役割を持たせたことを特徴とする請求項1から10
    までのいずれかに記載の磁気ディスク。
  12. 【請求項12】前記の磁気記録媒体の断面組織及び表面
    の平坦性を制御するための層、あるいは/及び、樹脂基
    板を介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体
    の界面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を
    遮断する遮断層が有する内部応力と前記の磁気記録媒体
    の有する内部応力の向きが正反対であり及び大きさの絶
    対値が等しいことを特徴とする請求項1から10までの
    いずれかに記載の磁気ディスク。
  13. 【請求項13】前記の磁気記録媒体の断面組織及び表面
    の平坦性を制御するための層、あるいは/及び、樹脂基
    板を介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体
    の界面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を
    遮断する遮断層は、前記樹脂基板と前記磁気記録膜の間
    の接着力を向上させる機能を有することを特徴とする請
    求項1から12までのいずれかに記載の磁気ディスク。
  14. 【請求項14】前記樹脂基板上に形成する磁気記録媒体
    として、少なくとも磁気記録膜の配向性を制御するため
    の膜、磁気記録膜、及び保護膜を備えることを特徴とす
    る請求項1から13までのいずれかに記載の磁気ディス
    ク。
  15. 【請求項15】Coを主体とする合金を用い、Coに Ta,C
    r,Pt,Ni,Si,V の内より選ばれる少なくとも2種類の元
    素を含ませたことを特徴とする請求項14記載の磁気デ
    ィスク。
  16. 【請求項16】用いる磁気記録膜が結晶質であることを
    特徴とする請求項15記載の磁気ディスク。
  17. 【請求項17】前記磁気記録膜が磁性を有する結晶粒子
    を窒化シリコン、酸化シリコン、酸化クロム、酸化アル
    ミニウム、窒化アルミニウムの内より選ばれる少なくと
    も1種類の化合物、又は複数の化合物からなる複酸化
    物、複窒化物、もしくは酸窒化物からなる無機化合物中
    に分散させた金属の結晶粒子の集合体であることを特徴
    とする請求項14記載の磁気ディスク。
  18. 【請求項18】前記磁気記録膜が磁性を有する結晶粒子
    を窒化シリコン、酸化シリコン、酸化クロム、酸化アル
    ミニウム、窒化アルミニウムの内より選ばれる少なくと
    も1種類の化合物、又は複数の化合物からなる複酸化
    物、複窒化物、もしくは酸窒化物からなる無機化合物中
    に分散させることにより、磁性粒子間の電気化学的な相
    互作用を除去させたことを特徴とする請求項17記載の
    磁気ディスク。
  19. 【請求項19】前記磁気記録膜が磁性を有する結晶粒子
    を窒化シリコン、酸化シリコン、酸化クロム、酸化アル
    ミニウム、窒化アルミニウムの内より選ばれる少なくと
    も1種類の化合物、又は複数の化合物からなる複酸化
    物、複窒化物、もしくは酸窒化物からなる無機化合物中
    に分散させることにより磁性膜の内部応力を除去したこ
    とを特徴とする請求項17または18記載の磁気ディス
    ク。
  20. 【請求項20】前記の磁気記録媒体の断面組織及び表面
    の平坦性を制御するための層、あるいは/及び、樹脂基
    板を介して、あるいは、前記の樹脂基板と磁気記録媒体
    の界面から侵入してくる水分又は腐食成分を含む水分を
    遮断する遮断層の膜厚が3nm以上、50nm以下であ
    ることを特徴とする請求項1から19までのいずれかに
    記載の磁気ディスク。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000068941A1 (fr) * 1999-05-11 2000-11-16 Hitachi Maxell, Ltd. Support d'enregistrement magnetique et son procede de fabrication; enregistreur magnetique
JP2001172760A (ja) * 1999-10-14 2001-06-26 Satis Vacuum Ind Vertriebs Ag 合成樹脂表面の真空下での被覆法
EP1760699A1 (en) * 2005-08-30 2007-03-07 Konica Minolta Opto, Inc. Substrate for magnetic information recording medium, and producing method of substrate for magnetic information recording medium

Cited By (4)

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