JPH10134278A - 火災検出装置 - Google Patents

火災検出装置

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JPH10134278A
JPH10134278A JP29034496A JP29034496A JPH10134278A JP H10134278 A JPH10134278 A JP H10134278A JP 29034496 A JP29034496 A JP 29034496A JP 29034496 A JP29034496 A JP 29034496A JP H10134278 A JPH10134278 A JP H10134278A
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fire
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JP29034496A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Yamagishi
貴俊 山岸
Misaki Kishimoto
美咲 岸本
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Nohmi Bosai Ltd
Original Assignee
Nohmi Bosai Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 監視カメラの画像から監視対象以外の人工光
源などを省いて、火災(炎)領域だけを抽出できるよう
にすること。 【解決手段】 画像から一時的に火災らしい領域を抽出
する火災候補領域抽出手段(41)と、火災らしい領域
を外接矩形で囲む外接矩形作成手段(43)と、外接矩
形の横方向の最大長を演算する外接矩形横方向最大長演
算手段(50)と、所定時間における外接矩形の横方向
最大長の変化量を演算する最大長変化量演算手段(5
1)と、外接矩形の横方向最大長の変化量に基づいて火
災らしい領域が本当の火災領域であるか否かを判別する
火災判別手段(49A)とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は火災検出に画像処
理を用いた火災検出装置に関し、特に監視領域に監視対
象である炎以外の光源が混在する場合等に用いて好適な
火災検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像処理装置を利用して火災を検出する
従来装置として、例えば特開平5−20559号公報に
記載されているようなものがある。このような従来装置
の主な原理は、撮影される画像から所定の明度を有する
領域を抽出することで、火災時の炎を捕らえるものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来装置の場合、監視画像の輝度信号から火災による炎
部分を抽出して火災と認識するようにしているので、監
視領域、例えばトンネル内にこのような火災検出装置を
設ける場合、所定の明度を有する光源として炎以外の例
えば照明用人工光源(ナトリウム灯)、車両後部光源
(テールランプ,ポジションランプ)、車両前部光源
(ヘッドライト、ハロゲンランプ、フォグランプ)、或
いは緊急車両光源(回転灯)等が存在するので、これら
の光源を炎と認識し、誤報を発生する虞れがあるという
問題点があった。
【0004】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、炎の擬似光源に影響されることな
く、炎のみを正確に捕らえることのできる火災検出装置
を得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる火災検
出装置は、監視領域を撮影する撮影手段と、この撮影手
段により撮影された画像を格納するための画像メモリと
を備え、この画像メモリに格納された画像を処理するこ
とにより火災を検出する火災検出装置において、画像か
ら一時的に火災らしい領域を抽出する火災候補領域抽出
手段と、火災らしい領域の横方向の最大長を演算する横
方向最大長演算手段と、所定時間に亙って横方向の最大
長の変化を検出する最大長変化検出手段と、この最大長
変化検出手段の出力に基づいて火災らしい領域が本当の
火災領域であるか否かを判別する火災判別手段とを備え
たものである。
【0006】また、この発明に係わる火災検出装置は、
火災らしい領域を外接矩形で囲む外接矩形作成手段と、
外接矩形を高さ方向に複数個のブロックに分割するブロ
ック分割手段とを備え、最大長変化検出手段を、所定時
間に亙り画像毎に火災らしい領域の横方向の最大長が属
するブロックの位置を検出する横方向最大長ブロック位
置検出手段と、検出された火災らしい領域の横方向の最
大長が属するブロックの変位を検出する最大長ブロック
変位検出手段と、検出された火災らしい領域の横方向の
最大長が属するブロックの変位に対して順次所定の評価
値を与える評価値付与手段とで構成したものである。
【0007】また、この発明に係わる火災検出装置は、
火災らしい領域を外接矩形で囲む外接矩形作成手段と、
外接矩形を高さ方向に複数個のブロックに分割するブロ
ック分割手段とを備え、最大長変化検出手段を、所定時
間に亙り画像毎に火災らしい領域の横方向の最大長が属
するブロックの位置を検出する横方向最大長ブロック位
置検出手段と、検出された火災らしい領域の横方向の最
大長が属するブロックに対して順次所定の評価値を与え
る評価値付与手段とで構成したものである。
【0008】また、この発明に係わる火災検出装置は、
火災らしい領域を外接矩形で囲む外接矩形作成手段を備
え、最大長変化検出手段を、所定時間における外接矩形
の横方向最大長の変化量を演算する最大長変化量演算手
段で構成したものである。
【0009】また、この発明に係わる火災検出装置は、
撮影手段により所定の時間間隔をおいて撮影された少な
くとも2つの火災らしい領域同士の関係が対応するか否
かを判別する対応判別手段を備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
図を参照して説明する。先ず、各実施の形態を説明する
前に、火災領域の検出原理について図12を参照して説
明する。なお、図12において、撮影時間T2は撮影時
間T1に対してそれ程ずれていない時間である。通常、
炎の特徴には、代表的には次の6点がある。 炎の形状は下部の幅が上部の幅に比べて大きい。 炎は縦の変化が大きく、横の変化が少ない。 炎、特にその下部は位置的変化がほとんどない。 炎、特にその上部は位置的変化が大きい。 炎、特にその上部は形状や面積が絶えず変化する。 炎、特にその下部は形状や面積が変化しにくい。 このように炎は、その領域の部分(上部、下部)によっ
て変化が異なり、下部の変化に比べ上部の変化が大き
い。
【0011】これに対し、例えば、車両の光源は、その
車両が移動していれば(移動光源)、位置も形状も変化
するが(形状(輪郭)を保ちつつ大きさが変化する)、
炎のように領域の部分によって変化が異なるということ
はない。また、その車両が停止していれば(固定光
源)、位置も形状も変化することはない。これは照明用
光源でも同じことになる。そこで、以下に述べる実施の
形態1では、炎の形状は下部の幅が上部の幅に比べて大
きい、つまり、上部が細くて下部が太く、実質的に三角
形状をしているという特徴を持つことに着目し、また、
実施の形態2では、炎は横の変化が少ないという特徴を
持つことに着目して火災領域を検出する。
【0012】実施の形態1.図1はこの発明の第1の実
施の形態を示す構成図である。図において、1は撮影手
段としての監視カメラであって、例えばCCDカメラな
どが使用され、所定のサンプリング周期で監視領域を撮
影するものである。この監視カメラ1は例えば監視領域
としてのトンネル内の監視区域全体を見渡せる位置に設
置され、トンネル内で発生する火災を監視し、撮影した
画像内に火災の領域があるか否かは後述する画像処理部
で検出される。
【0013】図2は、監視カメラ1により撮影された画
像を示す図面で、この図からもわかるように監視カメラ
1は車両Cが走り去って行く方向を映すように、例えば
トンネル内の側壁上部に設置されている。これは、車両
Cのヘッドライトが監視カメラ1に入射するのを防止す
るためで、このように設置することで画像処理する際に
ヘッドランプが火災領域として捕らえられることがなく
なる。なお、図2において、CTは車両のテールランプ
を表している。
【0014】2は監視カメラ1に接続されたアナログー
デジタル変換器であって、監視カメラ1から得られた画
像のそれぞれを画素単位で多階調、例えば255階調の
デジタル信号に変換するものである。3はアナログーデ
ジタル変換器2に接続され、デジタル化された画像を記
憶する画像メモリであって、監視カメラ1で撮影された
画像の1画面分を格納する。この画像メモリ3は複数の
画像を格納できるようにするため図に示すように複数個
で構成され、一番古い画像を削除しながら、順次新しい
画像を更新格納していく。
【0015】41は画像メモリ3に接続され、画像処理
部4の構成要素の1つである火災候補領域抽出手段であ
って、この火災候補領域抽出手段41は画像メモリ3か
ら読み出された画像信号を所定値で二値化処理し、所定
値を越える領域、つまり明るい領域を火災らしい領域
(火災の可能性のある領域)として抽出する。即ち、火
災らしい領域を“1”、画像のそれ以外の部分(所定値
未満の部分)を“0”で表す。なお、以下の説明におい
て、火災らしい領域を抽出領域と呼ぶ場合がある。この
二値化処理で使用される所定値は、画像から所定の明る
さを有する領域だけ抽出できるように設定された値であ
り、トンネルのように暗い環境下では例えば200位
(255階調の場合)に設定される。なお、図3は図2
の画像を二値化処理した二値化画像で、後述の二値化メ
モリに格納されている。このように二値化処理により所
定の明るさをもつ領域だけが元の画像から抽出されるこ
とがわかる。
【0016】5は火災候補領域抽出手段41に接続さ
れ、この火災候補領域抽出手段41によって二値化され
た画像を格納するための二値化メモリであって、画像メ
モリ3と同様に複数個で構成され、実質的に画像メモリ
3からの最新の画像を火災候補領域抽出手段41を介し
て順次複数個分格納する。6および7は上述の火災候補
領域抽出手段41等を含む画像処理部4にそれぞれ接続
されたROMおよびRAMであって、画像処理部4にお
ける各種演算処理等は、ROM6に格納された後述のプ
ログラム(図5参照)に基づいて行われ、その際、演算
された値はRAM7に格納される。またROM6は二値
化処理をする際の所定値や火災判別をする際に使う所定
値などが記憶されている。
【0017】42は二値化メモリ5に接続された対応判
別手段であって、監視カメラ1により周期的に撮影され
た画像に火災らしい領域が連続してある場合、つまり二
値化メモリ5に火災らしい領域が連続して格納される場
合に、ある時間の前後にわたる火災らしい領域同士の対
応関係、即ち同じ炎により抽出された領域なのかどうか
を判別する、言い換えると、監視領域内に所定時間に渡
って火災らしい領域があるかどうかを判別するもので、
この対応判別手段を設けることで、監視領域内に所定時
間に亙って火災らしい領域が存在するかどうかを判別す
ることが可能となる。 43は二値化メモリ5および対
応判別手段42に接続された外接矩形作成手段であっ
て、二値化メモリ5に格納された火災らしい領域を外接
する最小の矩形で囲み、矩形の対角(例えば左上、右
下)の隅の画素の座標(フィレ値)から矩形の高さdy
と矩形の幅dx(フィレ径)を演算して、それらの値を
RAM7に格納する(図3参照)。
【0018】44は外接矩形作成手段43に接続され、
外接矩形をその高さ方向に複数個のブロック、例えば図
4に示すように3つのブロックに例えば均等に分割する
ブロック分割手段である。もっとも、このブロックの分
割は、必ずしも均等にしなくてもよい。なお、この図4
の見方に付いては後述する。45はブロック分割手段4
4に接続され、所定時間における所定数例えば6枚の画
像に亙って火災らしい領域即ち抽出領域の横方向の最大
長を逐次画像毎に演算する抽出領域横方向最大長演算手
段、46は抽出領域横方向最大長演算手段45に接続さ
れ、ここで演算された火災らしい領域の横方向の最大長
が属するブロックの位置を検出する横方向最大長ブロッ
ク位置検出手段である。47は横方向最大長ブロック位
置検出手段46に接続され、ここで検出された火災らし
い領域の横方向の最大長が属するブロックの変位を検出
する最大長ブロック変位検出手段である。
【0019】48は横方向最大長ブロック変位検出手段
47に接続され、所定時間に亙り所定数例えば6枚の画
像毎に検出された上述の火災らしい領域の横方向の最大
長が属するブロックの変位に対して順次所定の評価値を
与える評価値付与手段である。即ち、この評価値付与手
段48は、例えば上述の図4に示すようなブロック化の
場合を考えると、図4(a)に示すように、時間T1の
画像の場合に火災らしい領域の横方向の最大長が属する
ブロックが上部のブロックAであり、このブロックAが
次の時間T2の画像では同じくブロックA、または異な
る中央のブロックB或いは下部のブロックCに変位した
場合には、それぞれこれらの変位に対して−2、ー2、
0を与える。同様に、図4(b)に示すように、時間T
1の画像の場合に火災らしい領域の横方向の最大長が属
するブロックが中央のブロックBであり、このブロック
Bが次の時間T2の画像では異なるブロックA、または
同じ中央のブロックB或いは異なる下部のブロックCに
変位した場合には、それぞれこれらの変位に対して0、
ー1、+1を与える。
【0020】また、図4(c)に示すように、時間T1
の画像の場合に火災らしい領域の横方向の最大長が属す
るブロックが下部のブロックCであり、このブロックC
が次の時間T2の画像では異なるブロックA、または中
央のブロックB或いは同じく下部のブロックCに変位し
た場合には、それぞれこれらの変位に対してー2、+
1、+2を与える。このように、評価値付与手段48は
実質的に上述のような9つのパターンを用いてブロック
間の変位に評価値を与えるものであり、この評価値の与
え方は、上述の炎の形状の特徴、即ち下部の幅が上部の
幅に比べて大きいという特徴に鑑み、火災らしい領域の
横方向の最大長が属するブロックが下部で且つ連続した
領域に変位する場合、または、下部の方ほど大きな値を
与えている。勿論、この9つのパターンは一例であっ
て、これに限定されるものでない。
【0021】49は評価値付与手段48に接続され、そ
の出力に基づいて火災らしい領域が実際の火災領域であ
るか否かを判別する火災判別手段である。火災判別手段
49は、各画像間における火災らしい領域の横方向の最
大長が属するブロックの変位に付与された評価値を合計
した値と所定値の大小関係を調べ、所定値より評価値の
合計値の方が大きい場合に火災であると判定し、出力端
子8を介して図示しない表示部や音響部から火災の発生
を警報する。なお、上述の構成要素41〜49により画
像処理部4を構成し、この画像処理部4としては、例え
ばMPU(マイクロプロセッサ)が用いられる。また、
構成要素46〜48は所定時間に亙って横方向の最大長
の変化を検出する最大長変化検出手段を構成する。
【0022】次に動作について、図4〜図6を参照しな
がら説明する。今、監視カメラ1が撮影した画像には、
所定の明るさを有する光源として3つの明度を有するも
の、例えば車両CのテールランプCT、照明用のナトリ
ウム灯N、火災時の炎Fが映し出されている(図2参
照)。監視カメラ1によって撮影された監視領域の画像
は、カラー画像信号がアナログーデジタル変換器2によ
ってデジタル化された後、画像メモリ3に取り込まれる
(ステップS1)。
【0023】次いで画像メモリ3に取り込まれた画像は
火災候補領域抽出手段41に供給され、その出力された
値を基に火災候補領域抽出手段41により二値化処理が
行われ、所定値以上の領域を火災らしい領域として抽出
する(ステップS2)。この抽出された火災らしい領域
は、何らかの光を放つ光源がある領域である。二値化処
理後の画像を二値化メモリ5に格納し(ステップS
3)、この二値化メモリ5に所定数、例えば5枚〜8枚
の画像が格納されたかを判断する(S4)。もし8枚分
の画像が格納されているならば、ステップS5において
対応判別手段42が抽出領域の対応判別を行う。なお火
災候補領域抽出手段41によって抽出され、二値化メモ
リ5に格納された抽出領域にはラベリング処理が行われ
る。つまりある時間に撮影した画像に火災らしい領域が
複数ある場合、その領域毎に異なる番号(ラベル)を付
与する。そしてこの後、行われる領域の横方向最大長の
演算結果などは、この番号と共にRAM7に格納され
る。また、火災候補領域抽出手段41は、撮影した画像
の中から明るい領域だけを抽出するものなので、これだ
けで火災検出することは難しい。このため火災候補領域
抽出手段41はあくまでも原画像から火災らしい領域を
一時的に抽出する手段とし、その抽出された領域が本当
の火災領域であるか否かの判断は、後段に設けた構成要
素42〜49を用いることが望ましい。
【0024】ここで、対応判別手段42における対応判
別の仕方を図6を参照して説明する。図6は監視カメラ
1の画像を撮影するタイミング(図6a)と、そのタイ
ミング(撮影時間)によって撮影された画像(図6bお
よびc)を示した図面である。図6(b)および(c)
に描かれた画像は、一例として監視カメラ1によって炎
Fと車両前部光源としてのヘッドライトCFを、それぞ
れ所定の撮影間隔をおきながら8枚づつ撮影したもので
ある。なおこの画像は火災候補領域抽出手段41によっ
て抽出され、二値化メモリ5に格納された画像で、わか
りやすくするために抽出領域の部分だけを拡大してあ
る。対応判別手段42は、二値化メモリ5に所定数、例
えば8枚の画像が格納されたら、それらの画像に同じ光
源により抽出された領域が存在するかどうかを判別す
る。ここでは、二値化メモリ5に、8枚画像が格納され
る度に対応関係を1回判別する。なおこの1回の処理
を、以下、1処理という。撮影時間Tの後に続く2桁の
数字のうち、前の数字は何回目の処理かを示す数字で、
後の数字は1処理中における何枚目の画像かを示す数字
である。例えばT25なら2回目の処理の5枚目の画像
を示す。
【0025】いま、撮影時間T21〜T28の画像を考
えると、対応判別手段42は、二値化メモリ5に8枚分
(T21〜T28)の画像が格納されたのを判別した
ら、まず時間T28と時間T26で撮影された画像を比
較し、対応関係を調べる。ここでは時間T28と時間T
26の二値化メモリ5に格納された画像を重ね合わせ、
それぞれ抽出された火災らしい領域同士がわずかでも重
なり合えば、時間T28の領域と時間T26の領域とは
対応関係があるものとし、同じ光源により抽出された領
域であると判断する。時間T28と時間T26の対応関
係を判別したら、次は時間T26と時間T24の対応関
係を判別し、順次、時間T24と時間T23、時間T2
3と時間T22、時間T22と時間T21まで対応関係
を調べる。ここで、合わせて5つの対応関係が調べら
れ、この5つの全てが対応関係有りと判別されれば、時
間T21から時間T28の間において、抽出された領域
は、この1処理中において対応するものであると判別す
る。また5つのうち4つ以下しか対応関係がとれなかっ
たものは、対応関係はないものと判別する。なお、移動
する物体(図6(c)参照)でも、その移動速度が遅
く、また周期tが非常に短い場合には、直前の画像とい
う時間的に非常に短い間隔でしか対応関係の判別をしな
いと、対応関係が有りと判別されやすい。そこで、この
ような場合には、1処理中において、2つの異なる時間
間隔で対応関係をとるようにしている。
【0026】さて、このようにして1処理中の対応判別
が終わると、ステップS6において1処理中の全ての画
像の対応がとれたか否かを判別する。そして、1処理中
の全て、つまり上述の5回の画像の対応関係がとれてい
るならば、前回処理の画像と対応するかを、1処理中の
最後の画像同士を比較して対応関係を判別する(ステッ
プS9)。すなわち、この場合はその1処理中における
最後の画像同士、つまり時間T18と時間T28とで撮
影された画像の火災らしい領域同士を上記と同じ方法で
対応関係を調べ、ここで対応関係がとれれば、前回処理
(第1回目)と今回処理(第2回目)の画像は対応する
ものと判別する。なお時間T18と時間T28で対応関
係がとられなかった場合には、時間T21〜T28の領
域は今回新しく発生した領域として扱われ、RAM7に
そのラベリング番号と発生時期、つまり何回目の処理か
ら出現した領域であるかが格納される(ステップS
8)。すなわち、ステップS7で前処理の画像と対応関
係がとれなかった場合には、ステップS8で今回処理に
おける抽出領域は新しく発生したものとして新規に登録
した後、ステップS1に戻る。
【0027】このようにして第1回目の処理と第2回目
の処理の対応関係の判別が終わり、この間に第3回目の
処理分の8枚の画像が二値化メモリ5に格納されていれ
ば、第2回目の処理と同様に第3回目の8枚の画像にお
ける対応関係を判別し、その最後に、時間T38と時間
T28における画像の対応関係を判別する(ステップS
9)。このようにして火災らしい領域同士の対応する回
数が連続して所定回、例えば5回(画像の枚数にして4
0枚)を越えたことを判別したら、ステップS10に進
む。一方、ここでまだ4回以下しか対応関係がとれてい
ない場合は、ステップS1に戻り新しい画像を取り込
む。なおステップS4で二値化メモリ5に画像が所定数
格納されていない場合やステップS6で1処理中の対応
関係が4回以下しかとれない場合には、同様にステップ
S1に戻る。
【0028】ステップS10において、外接矩形作成手
段43は二値化メモリ5に格納された火災らしい領域を
外接する最小の矩形で囲み、矩形の対角(例えば左上、
右下)の隅の画素の座標(フィレ値)から矩形の高さd
yと矩形の幅dx(フィレ径)を演算して、それらの値
をRAM7に格納する。次いで、ブロック分割手段44
は外接矩形作成手段43で形成された外接矩形をその高
さ方向に複数個のブロック、例えば図4に示すように3
つのブロックに分割する(ステップS11)。抽出領域
横方向最大長演算手段45は外接矩形内を行毎に画素単
位で左から右へと走査し、“1”になっている画素数を
数える。この走査を外接矩形内で上から下へと行い一番
“1”の数が多い行を横方向最大長のある行と判断する
(ステップS12)。
【0029】横方向最大長ブロック位置検出手段46
は、抽出領域横方向最大長演算手段45の出力に基づい
て、逐次画像毎に火災らしい領域の横方向の最大長が属
するブロックの位置を検出する(ステップS13)。即
ち、横方向最大長ブロック位置検出手段46は、抽出領
域横方向最大長演算手段45で検出された火災らしい領
域の横方向の最大長が図4の3つのブロックA、B、C
の内どのブロックに属しているかを6枚の画像に亙って
逐次検出する。この6枚の画像とは、例えば上述の1処
理中の1〜4枚目、6枚目、8枚目の画像とする。最大
長ブロック変位検出手段47は横方向最大長ブロック位
置検出手段46で検出された火災らしい領域の横方向の
最大長が属するブロックの変位を検出する(ステップS
14)。
【0030】評価値付与手段48は横方向最大長ブロッ
ク変位検出手段47により6枚の画像毎に検出された上
述の火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロック
の変位に対して順次所定の評価値を与える(ステップS
15)。例えば図4(a)においては、第1番目の画像
(時間T1)と第2番目の画像(時間T2)における火
災らしい領域の横方向の最大長が属するブロックの変位
がブロックAから同じブロックAへの変位であればこれ
にー2を与え、またブロックBへの変位であればこれに
ー2を与え、或いはブロックCへの変位であればこれに
0を与え、以下同様にして第2番目の画像と第3番目の
画像における火災らしい領域の横方向の最大長が属する
ブロックの変位、第3番目の画像と第4番目の画像にお
ける火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロック
の変位と、順次第6番目までの画像に対して同様の処理
を行い、これら5回分の評価値を合計する。
【0031】また、図4(b)においては、第1番目の
画像(時間T1)と第2番目の画像(時間T2)におけ
る火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロックの
変位がブロックBから同じブロックBへの変位であれば
これにー1を与え、またブロックAへの変位であればこ
れに0を与え、或いはブロックCへの変位であればこれ
に+1を与え、以下この場合も同様にして第2番目の画
像と第3番目の画像における火災らしい領域の横方向の
最大長が属するブロックの変位、第3番目の画像と第4
番目の画像における火災らしい領域の横方向の最大長が
属するブロックの変位と、順次第6番目までの画像に対
して同様の処理を行い、これら5回分の評価値を合計す
る。
【0032】また、図4(c)においては、第1番目の
画像(時間T1)と第2番目の画像(時間T2)におけ
る火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロックの
変位がブロックCから同じブロックCへの変位であれば
これに+2を与え、またブロックAへの変位であればこ
れに−2を与え、或いはブロックCへの変位であればこ
れに+2を与え、以下この場合も同様にして第2番目の
画像と第3番目の画像における火災らしい領域の横方向
の最大長が属するブロックの変位、第3番目の画像と第
4番目の画像における火災らしい領域の横方向の最大長
が属するブロックの変位と、順次第6番目までの画像に
対して同様の処理を行い、これら5回分の評価値を合計
する。
【0033】火災判別手段49では、評価値付与手段4
8で与えられた評価値の合計値と所定値の大小関係を調
べ(ステップS16)、評価値の合計値が所定値より大
きい場合にはその抽出領域は炎であると判断し、出力端
子8を介して図示しない表示部や音響部から火災の発生
を警報する(ステップS17)。一方、評価値の合計値
が所定値より小さい場合には、その抽出領域は炎以外の
光源であると判断し、ステップS1に戻る。
【0034】この火災判別手段49の判別の仕方を一例
として図4の如く評価値を与える場合を例に説明する。
いま、6枚の画像を用いた場合に第1番目から第6番目
までの画像の火災らしい領域の横方向の最大長が属する
ブロックが、例えばC→B→C→C→C→Cと変位した
場合、これらの変位に対してそれぞれ1、1、2、2、
2の評価値が与えられ、その合計値は8となり、6枚の
画像を用いる場合には所定値を7程度とすると、この場
合火災と判断される。
【0035】また、第1番目から第6番目までの画像の
火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロックが、
例えばB→C→C→C→C→Cと変位した場合、これら
の変位に対してそれぞれ1、2、2、2、2の評価値が
与えられ、その合計値は9となり、この場合も火災と判
断される。一方、車両光源や照明光源は、監視カメラの
設置位置に拘わらず、横方向最大長が真ん中のブロック
Bに発生しやすい。このため、第1番目から第6番目ま
での画像の火災らしい領域の横方向の最大長が属するブ
ロックが、例えばB→B→B→B→B→Bと変位した場
合(後述の図7(b)に示す車両光源の場合)、これら
の変位に対してそれぞれー1、ー1、ー1、ー1、ー1
の評価値が与えられ、その合計値はー5となり、この場
合は明らかに非火災と判断される。
【0036】このように本実施の形態では、炎の形状は
下部の幅が上部の幅に比べて大きいということに着目
し、撮影した画像をブロック化し、火災らしい領域の横
方向の最大長が属するブロックを検出し、各画像間にお
けるブロックの変位に対して順次所定の評価値を与えて
その合計値に基づいて火災を検出するようにしたので、
火災を確実に検出でき、特に炎以外の光源で丸や四角等
の三角形状以外の形状の光源を確実に監視領域から除外
できる。この監視領域から除外できるとは、図3に示す
ように、複数の光源が存在する画像から炎以外の光源を
省けるということであり、換言すれば、炎かそれ以外の
光源であるかを識別できるということである。また、画
像処理に際して画像全体を処理する必要がなく、外接矩
形で囲まれた火災らしい領域のみを処理すればよいの
で、処理が簡単で効率よく行うことができる。
【0037】なお、上述では、各画像間におけるブロッ
クの変位に対して順次所定の評価値を与えてその合計値
に基づいて火災を検出する場合であるが、横方向最大長
ブロック位置検出手段46で検出された火災らしい領域
の横方向の最大長が属するブロックに対して評価値付与
手段48で所定の評価値を画像毎に順次与え、その評価
値の合計値に基づいて火災を検出するようにしてもよ
い。なお、この場合、画像処理部4は上述の構成要素4
1〜46、48および49により構成され、また、構成
要素46と48により所定時間に亙って横方向の最大長
の変化を検出する最大長変化検出手段を構成する。この
ことを、図7を参照して説明する。図7(a)および
(b)はそれぞれ3つのブロックに分割された火災らし
い領域としての炎と炎以外の光源例えば車両の光源の画
像に対する外接矩形を拡大して示している。勿論、この
外接矩形の大きさは、監視領域における光源の状態で変
化し、炎のように光源の状態が変化すれば、その外接矩
形の大きさは異なる。また、光源が動いている場合もそ
の外接矩形の大きさは異なり(例えば、車両が動いてい
る状態)、光源が停止しておればその外接矩形の大きさ
は同じである(例えば、車両が停止している状態)。
【0038】この場合には、評価値付与手段48は横方
向最大長ブロック位置検出手段46で検出された火災ら
しい領域の横方向の最大長が属するブロックに対して順
次画像毎に所定の評価値を与えるものとする。例えば、
評価値付与手段46は、上述の図7に示すようなブロッ
ク化の場合を考えると、ある時間の画像に火災らしい領
域の横方向の最大長が上部のブロックAにあればこれに
ー2を与え、またある時間の画像の場合に火災らしい領
域の横方向の最大長が中央のブロックBにあればこれに
+1を与え、或いはある時間の画像の場合に火災らしい
領域の横方向の最大長が下部のブロックCにあればこれ
に+2を与えるものとする。
【0039】つまり、評価値付与手段48では、抽出領
域横方向最大長演算手段45で検出された火災らしい領
域の横方向の最大長が属するブロックに対して下部のブ
ロック程値が高くなる所定の評価値を画像毎に順次与え
て行く(ステップS14)。例えば図7において、第1
番目の画像の場合に火災らしい領域の横方向の最大長が
属するブロックがCであればこれに+2を与え、第2番
目の画像の場合に火災らしい領域の横方向の最大長が属
するブロックがAであればこれにー2を与え、第3番目
の画像の場合に火災らしい領域の横方向の最大長が属す
るブロックがBであればこれに+1を与え、以下同様に
して第6番目までの画像に対して同様の処理を行い、こ
れら6回分の評価値を合計する。
【0040】火災判別手段49では、評価値付与手段4
8で与えられた評価値の合計値と所定値の大小関係を調
べ(ステップS15)、評価値の合計値が所定値より大
きい場合にはその抽出領域は炎であると判断し、出力端
子8を介して図示しない表示部や音響部から火災の発生
を警報する(ステップS16)。一方、評価値の合計値
が所定値より小さい場合には、その抽出領域は炎以外の
光源であると判断し、ステップS1に戻る。この火災判
別手段49の判別の仕方を更に一例として図7に示す評
価値を与える場合を例に具体的に説明する。火災判別手
段49はその所定値をαとすると、次式に従って判別を
行い、この式が成立するときを火災と判断する。
【0041】 FA×(−1)+FB×(+1)+FC×(+2)≧α ・・・(1)
【0042】上記(1)式において、FA,FB,FC
図7における各ブロックA,B,Cにおけるそれぞれ火
災らしい領域の横方向の最大長を有する頻度数である。
いま、6枚の画像を用いた場合に各ブロックの頻度数F
A,FB,FCがそれぞれ0、1、5の場合には上記
(1)式の左辺の値、即ち評価値の合計値は11とな
り、この場合も所定値αを7程度とすると、上記(1)
は成立し、図7(a)に示すような炎、即ち火災と判断
できる。一方、各ブロックの頻度数FA,FB,FCがそ
れぞれ0、5、1の場合には上記(1)式の左辺の値、
即ち評価値の合計値は7となり、上記(1)は成立す
る。従って、この場合には上記(1)式の条件からする
と、一応火災らしいとは判断できる。しかしながら、こ
の場合には、上述した炎の形状は下部の幅が上部の幅に
比べて大きいという特徴に鑑みると、頻度数FBが5
で、外接矩形の中央のブロックBに火災らしい領域の横
方向の最大長が6回の内5回も現れる領域なので、火災
と判断するには疑わしい。そこで、このような場合に
は、さらに、次式が成立することを条件とする。
【0043】 FA<FB<FC ・・・(2)
【0044】すると、各ブロックの頻度数FA,FB,F
Cがそれぞれ0、5、1の場合には上記(2)式は成立
せず、従って、最終的にこの場合は火災でないと判断す
る。また、この(2)式単一で火災を判断することも可
能である。例えば、各ブロックの頻度数FA,FB,FC
がそれぞれ1、2、3の場合には、評価値の合計値が7
で上記(1)式でも火災と判断されるが、上記(2)式
でも1<2<3と(2)式が成立し、火災と判断され
る。因に、火災らしい領域が図7(b)に示すような車
両の光源の場合は、常に、その火災らしい領域の横方向
の最大長が属するブロックはBに属するので、6枚の画
像を用いた場合に各ブロックの頻度数FA,FB,FC
0、6、0で、その合計値は6であり、上記(1)式お
よび(2)式は成立しない。従って、この場合は、非火
災で、炎以外の光源即ち車両の光源であると判断され
る。勿論、この場合は上述の各画像間におけるブロック
の変位による判別の場合も、その評価値の合計値がー5
であるので、非火災と判断される。なお、この場合、画
像処理部4を上述の構成要素41〜49により構成し、
この画像処理部4としては、例えばMPU(マイクロプ
ロセッサ)が用いられる。また、構成要素46〜48は
所定時間に亙って横方向の最大長の変化を検出する最大
長変化検出手段を構成する。
【0045】従って、本実施の形態では、火災の判別に
際しては、各画像間におけるブロックの変位による判別
の外に、上記(1)式または(2)式による判別を用い
てもよく、或いはこれらを少なくとも1つ用いる判別と
してもよく、これらの判別方法を組み合わせることによ
り、更にその判別精度を向上することができる。
【0046】実施の形態2.ところで、上述した実施の
形態1では、炎の形状は下部の幅が上部の幅に比べて大
きい、つまり、上部が細くて下部が太く、実質的に三角
形状をしているという特徴を持つことに着目する場合で
あったので、監視領域に炎以外の三角形状の発光体が存
在する場合、例えば工事現場等で使用されているパイロ
ンや車両が故障の場合に危険防止に使用される三角形状
の停車表示板に夜間車両のライトが反射して生じる発光
体等が存在する場合は、これを炎と誤認し、誤報を発生
する虞れがある。本実施の形態では、炎は横の変化が少
ないという特徴を持つことに着目し、上述のような場合
でも、確実に火災を判別できるようにしようとするもの
である。
【0047】図8はこの発明の第2の実施の形態を示す
構成図である。図において、図1と対応する部分には同
一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、
4Aは上述の火災候補領域抽出手段41等を含む画像処
理部、6Aは画像処理部4Aに接続されたROMであっ
て、画像処理部4Aにおける各種演算処理等は、ROM
6Aに格納された後述のプログラム(図11参照)に基
づいて行われ、また、ROM6Aには二値化処理をする
際の所定値や火災判別をする際に使う所定値などが記憶
されている。
【0048】50は外接矩形作成手段43に接続され、
所定時間に亙り外接矩形作成手段43で形成される外接
矩形の横方向最大長(つまり外接矩形の幅)を演算する
外接矩形横方向最大長演算手段、51は外接矩形横方向
最大長演算手段50に接続され、所定時間における外接
矩形の横方向最大長の変化量を演算する最大長変化検出
手段としての最大長変化量演算手段である。49Aは最
大長変化量演算手段51に接続され、その出力に基づい
て火災らしい領域が実際の火災領域であるか否かを判別
する火災判別手段である。火災判別手段49Aは、所定
時間に亙り各画像の火災らしい領域に対する外接矩形の
横方向の最大長の変化量が所定範囲にあるか否かを判別
し、変化量が所定範囲内であれば火災であると判定し、
出力端子8を介して図示しない表示部や音響部から火災
の発生を警報する。なお、上述の構成要素41〜43、
50、51および49Aにより画像処理部4Aを構成
し、この画像処理部4Aとしては、例えばMPU(マイ
クロプロセッサ)が用いられる。その他の構成は図1と
同様である。
【0049】次に動作について、図9〜図11を参照し
ながら説明する。なお、図11のステップS1からステ
ップS10の動作については図5の場合と同様であるの
で、その説明を省略する。ステップS18において、外
接矩形横方向最大長演算手段50によりステップS10
で求められた外接矩形の横方向最大長を演算する。図9
は一例として外接矩形作成手段43で形成される外接矩
形の横方向最大長、即ち矩形の幅dxの推移を概略的に
示したもので、外接矩形の大きさは、監視領域における
光源の状態で変化し、図9の右側部分に示す炎のように
光源の状態が変化すれば、その外接矩形の大きさは異な
る。しかし、炎に対する外接矩形の横方向最大長の変化
は、上述の炎は横の変化が少ないという特徴を持つこと
に鑑みると、図10(a)に示すように極めて小さいも
のである。図10(a)では、一例として撮影時間にお
いて時間t3で外接矩形の横方向最大長dxの最大値dx
MAXが存在し、時間t3で外接矩形の横方向最大長dxの
最小値dxMINが存在することを示している。
【0050】一方、光源が動いている場合もその外接矩
形の大きさは異なり、例えば、図9の左側部分に示すよ
うに、車両が動いている状態の車両の光源に対する外接
矩形の横方向最大長の変化は図10(b)に示すように
大きい。図10(b)では、一例として撮影時間におい
て時間t1で外接矩形の横方向最大長dxの最大値dx
MAXが存在し、時間tnで外接矩形の横方向最大長dxの
最小値dxMINが存在することを示している。また、光源
が停止しておればその外接矩形の大きさは同じであり
(図9には特に図示していない)、例えば、車両が停止
している状態の車両の光源に対する外接矩形の横方向最
大長の変化は図10(c)に示すように一定である。図
10(c)では、一例として全ての時間に亙って外接矩
形の横方向最大長dxの最大値dxMAXと最小値dxMIN
等しく、一定であることを示している。
【0051】さて、次にステップS19において、最大
長変化量演算手段51により外接矩形横方向最大長演算
手段50で演算された外接矩形の横方向最大長の変化量
を演算する。ここで、外接矩形の横方向最大長の変化量
をVTMLとすると、最大長変化量演算手段51は、その
変化量VTMLを例えば外接矩形の横方向最大長dxの最
大値dxMAXと最小値dxMINの比即ち次式によって演算
する。
【0052】 VTML=dxMAX/dxMIN ・・・(3)
【0053】次いで、火災判別手段49Aは、最大長変
化量演算手段51で演算された外接矩形の横方向最大長
の変化量VTML、つまり外接矩形の横方向最大長dxの
最大値dxMAXと最小値dxMINの比が所定範囲にあるか
否かを判別し(ステップS20)、その変化量VTML
所定範囲内であればその抽出領域は炎であると判断し、
出力端子8を介して図示しない表示部や音響部から火災
の発生を警報する(ステップS17)。一方、その変化
量VTMLが所定範囲外であれば、その抽出領域は炎以外
の光源であると判断し、ステップS1に戻る。ここで、
この火災判別手段49Aにおける所定範囲は、一例とし
て経験値から次式の範囲とする。
【0054】 1.2<VTML≦1.8 ・・・(4)
【0055】従って、外接矩形の横方向最大長の変化量
TMLが上記(4)式を満たす値であれば炎即ち火災と
判断される。なお、経験的にVTML≦1.2の場合は大体炎
以外の光源例えば固定光源であり、一例として照明用の
光源や停止中の車両光源といった(横方向の)変化のな
い光源である。なお、上述のパイロンや停車表示板によ
る発光体等はこれに該当する。また、VTML≧3の場合
は必ず移動する車両の光源であることが分かっている。
従って、監視領域に三角形状のパイロンや停車表示板に
よる発光体等が存在しても、これを確実に判別でき、非
火災報(誤報)の発生が防止される。
【0056】このように本実施の形態では、炎は横の変
化が少ないという特徴を持つことに着目し、撮影した画
像の火災らしい領域を囲む外接矩形の横方向最大長を演
算し、各画像間における外接矩形の横方向最大長の変化
量を演算し、その変化量に基づいて火災を検出するよう
にしたので、上記実施の形態の効果に加えて、さらに、
監視領域に炎以外の三角形状の発光体等が存在する場合
でもこれを確実に判別でき、火災の判別精度をさらに向
上できる。
【0057】なお、本実施の形態では外接矩形の横幅を
横方向最大長としたが、実施の形態1のように、火災ら
しい領域の横方向最大長を演算してその値をもとに変化
を見るようにしてもよい。また、横方向最大長の最大値
と最小値の比をとることで、横方向最大長の変化量を演
算したが、例えば次式を用いてその変化量を求めてもよ
い。
【0058】
【0059】即ち、n回例えば10回程度横方向最大長
Liを求め、次いで、その横方向最大長の平均値を求め
る。そして、上記(5)式に10回分の値を代入し、演
算された値により火災判別を行う。つまり、上記(5)
式は横方向最大長の平均値に対する横方向最大長のずれ
を実質的に見るもので、上記(5)式で表される横方向
最大長の変化量は、通常0から1の間の値をとり、移動
光源程1の値に近づき、また、固定光源では0に近づ
き、そして、炎の場合はその中間の値をとる。
【0060】実施の形態3.なお、上述の各実施の形態
では、監視領域として例えばトンネルに監視カメラを設
置した場合を説明したが、その他の監視領域例えば球
場、アトリウムといった大空間に監視カメラを設けるよ
うにしてもよい。また、上述の各実施の形態では、いつ
くかある光源から炎だけを検出する火災検出装置として
説明したが、いくつかある光源から、それが何の光源で
あるかを識別できる光源識別装置としてこの発明を適用
してもよい。
【0061】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、画像
から抽出した火災らしい領域の横方向の最大長を演算
し、その変化の検出出力に基づいて火災らしい領域が本
当の火災領域であるか否かを判別しているので、炎以外
の光源で丸や四角等の三角形状以外の形状の光源を確実
に監視領域から除外でき、しかも、監視領域に炎以外の
三角形状の発光体等が存在する場合でもこれを確実に判
別でき、非火災報(誤報)の発生が防止され、精度の高
い火災検出が可能になるという効果がある。
【0062】また、この発明によれば、火災らしい領域
を囲む外接矩形を高さ方向に複数個のブロックに分割
し、火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロック
の位置を検出し、更にそのブロックの変位を検出し、そ
の検出された変位に対して所定の評価値を与えて火災判
別しているので、火災を確実に検出でき、特に炎以外の
光源で丸や四角等の三角形状以外の形状の光源を監視領
域から除外でき、火災の検出精度を向上できるという効
果がある。また、画像処理に際して画像全体を処理する
必要がなく、外接矩形で囲まれた火災らしい領域のみを
処理すればよいので、処理が簡単で効率よく行うことが
できるという効果がある。
【0063】また、この発明によれば、火災らしい領域
を囲む外接矩形を高さ方向に複数個のブロックに分割
し、火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロック
の位置を検出し、その検出されたブロックに対して所定
の評価値を与えて火災判別しているので、火災を確実に
検出でき、特に簡単な構成で炎以外の光源で丸や四角等
の三角形状以外の形状の光源を確実に監視領域から除外
でき、火災の検出精度を向上できるという効果がある。
また、画像処理に際して画像全体を処理する必要がな
く、外接矩形で囲まれた火災らしい領域のみを処理すれ
ばよいので、処理が簡単で効率よく行うことができると
いう効果がある。更に、火災の判別に際して、複数の判
別方式((1)式および(2)式)を組み合わせて判別
することもできるので、更にその判別精度を向上するこ
とができるという効果がある。
【0064】また、この発明によれば、火災らしい領域
を囲む外接矩形の横方向最大長の変化量を演算し、この
変化量に基づいて火災判別しているので、火災を確実に
検出でき、特に簡単な構成で炎以外の光源で丸や四角等
の三角形状以外の形状の光源を確実に監視領域から除外
でき、火災の検出精度を向上できるという効果がある。
また、画像処理に際して画像全体を処理する必要がな
く、外接矩形で囲まれた火災らしい領域のみを処理すれ
ばよいので、処理が簡単で効率よく行うことができると
いう効果がある。しかも、監視領域に炎以外の三角形状
の発光体等が存在する場合でもこれを確実に判別でき、
非火災報(誤報)の発生が防止され、火災の判別精度を
さらに向上できるという効果がある。
【0065】また、この発明によれば、撮影された少な
くとも2つの火災らしい領域同士の関係が対応するか否
かを判別するようにしているので、同じ炎により抽出さ
れた領域なのかどうかを確実に判別でき、検出精度を向
上できるという効果がある。また、異なる時間いおける
火災らしい領域つまり抽出領域が重なるか、重ならない
かによりその対応関係を判別するようにしているので、
時間当たりの移動量の大きい領域を横方向最大長を演算
する前に、抽出する対象から省くことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す構成図である。
【図2】監視カメラにより映される画像(原画像)の一
例を示す図である。
【図3】二値化メモリに格納された画像処理(抽出処
理)後の画像の一例を示す図である。
【図4】火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロ
ックの変位を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態1の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図6】抽出領域の二値化画像の時間的経過を示す図で
ある。
【図7】抽出領域を含む外接矩形をブロックした一例を
示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2を示す構成図である。
【図9】外接矩形の横方向最大長の推移を概略的に示す
図である。
【図10】外接矩形の横方向最大長の変化量を説明する
ための図である。
【図11】この発明の実施の形態2の動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図12】この発明における火災領域の検出原理を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 監視カメラ、3 画像メモリ、5 二値化メモリ、
6,6A ROM、7RAM、41 火災候補領域抽出
手段、42 対応判別手段、43 外接矩形作成手段、
44 ブロック分割手段、45 抽出領域横方向最大長
演算手段、46 横方向最大長ブロック位置検出手段、
47 最大長ブロック変位検出手段、48 評価値付与
手段、49,49A 火災判別手段、50 外接矩形横
方向最大長演算手段、51 最大長変化量演算手段。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 監視領域を撮影する撮影手段と、該撮影
    手段により撮影された画像を格納するための画像メモリ
    とを備え、該画像メモリに格納された画像を処理するこ
    とにより火災を検出する火災検出装置において、 前記画像から一時的に火災らしい領域を抽出する火災候
    補領域抽出手段と、 前記火災らしい領域の横方向の最大長を演算する横方向
    最大長演算手段と、 所定時間に亙って前記横方向の最大長の変化を検出する
    最大長変化検出手段と、 該最大長変化検出手段の出力に基づいて前記火災らしい
    領域が本当の火災領域であるか否かを判別する火災判別
    手段とを備えたことを特徴とする火災検出装置。
  2. 【請求項2】 前記火災らしい領域を外接矩形で囲む外
    接矩形作成手段と、 前記外接矩形を高さ方向に複数個のブロックに分割する
    ブロック分割手段とを備え、 前記最大長変化検出手段を、所定時間に亙り画像毎に前
    記火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロックの
    位置を検出する横方向最大長ブロック位置検出手段と、
    前記検出された火災らしい領域の横方向の最大長が属す
    るブロックの変位を検出する最大長ブロック変位検出手
    段と、前記検出された火災らしい領域の横方向の最大長
    が属するブロックの変位に対して順次所定の評価値を与
    える評価値付与手段とで構成したことを特徴とする請求
    項1記載の火災検出装置。
  3. 【請求項3】 前記火災らしい領域を外接矩形で囲む外
    接矩形作成手段と、 前記外接矩形を高さ方向に複数個のブロックに分割する
    ブロック分割手段とを備え、 前記最大長変化検出手段を、所定時間に亙り画像毎に前
    記火災らしい領域の横方向の最大長が属するブロックの
    位置を検出する横方向最大長ブロック位置検出手段と、
    前記検出された火災らしい領域の横方向の最大長が属す
    るブロックに対して順次所定の評価値を与える評価値付
    与手段で構成したことを特徴とする請求項1記載の火災
    検出装置。
  4. 【請求項4】 前記火災らしい領域を外接矩形で囲む外
    接矩形作成手段を備え、 前記最大長変化検出手段を、所定時間における前記外接
    矩形の横方向最大長の変化量を演算する最大長変化量演
    算手段で構成したことを特徴とする請求項1記載の火災
    検出装置。
  5. 【請求項5】 前記撮影手段により所定の時間間隔をお
    いて撮影された少なくとも2つの前記火災らしい領域同
    士の関係が対応するか否かを判別する対応判別手段を備
    えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    火災検出装置。
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