JPH10132765A - 電子線を用いた炭素分析装置 - Google Patents

電子線を用いた炭素分析装置

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JPH10132765A
JPH10132765A JP8288221A JP28822196A JPH10132765A JP H10132765 A JPH10132765 A JP H10132765A JP 8288221 A JP8288221 A JP 8288221A JP 28822196 A JP28822196 A JP 28822196A JP H10132765 A JPH10132765 A JP H10132765A
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JP
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rays
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JP8288221A
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Noriko Makiishi
規子 槇石
Akira Yamamoto
山本  公
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、試料表面の汚染を除去して炭素分析
時のバック・グラウンドを低減し、従来より炭素の検出
感度を高めた「電子線を用いた炭素分析装置」を提供す
ることを目的としている。 【解決手段】真空に排気された装置本体内に、電子線を
試料面に照射する電子銃と、該試料面から発生した分析
対象元素のX線を特性X線に分解する分光器と、分光さ
れた特性X線を検出し、その強度を電流に変える検出器
及びプリアンプとを備えた電子線を用いた炭素分析装置
において、上記装置本体内を高真空度まで排気するター
ボ・ポンプと試料面にイオンを照射するイオン銃とを備
え、且つ上記検出器をガス・フロー型にすると共に、該
検出器及びプリアンプを囲む小部屋を設け、該小部屋と
装置本体内との境界に、該小部屋内の真空度が装置本体
内より低真空になるよう差動排気手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線を用いた炭
素分析装置に関し、詳しくは、鉄鋼等、金属材料の微小
域に存在する炭素を分析するのに有効な技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼材料は、建材、家電製品、自動車等
多くの工業製品に、材料として広く利用されている。そ
して、その利用に際しては、用途に応じ種々の元素が添
加されたり、金属組織の調整が行われるので、従来よ
り、該鉄鋼材料が含有する組成をミクロ的に観察する多
くの研究が行われてきた。このミクロ観察に不可欠な手
段が、試料に電子線を照射し、該試料に含まれる元素の
発する特性X線を検出して分析するX線マイクロ・アナ
ライザ(以下、EPMAと略する)である。このEPM
Aは、原理上、サブミクロン〜数μmの空間分解能で局
所的なバルク情報が得られると共に、元素の定量方法も
確立されており、試料の局所的な組成分析装置として、
1970年代から広く利用されてきた。
【0003】しかしながら、EPMAは,元素の検出に
特性X線を用いるので、軽元素を分析対象にした場合、
その特性X線の発生確率が低い上に、波長も長い(エネ
ルギーが小さい)ので、検出感度が悪いという問題があ
った。そこで、特開昭63−191951号公報は、
「軽元素から発する特性X線の分光素子に、格子状の膜
を重ねた所謂「人工累積膜」を利用する」手法を提案
し、この手法が一般化された現在では、上記感度が悪い
という問題は解消されつつある。
【0004】ところで、このような軽元素のうち、炭素
元素(以下、Cという)は、金属組織や機械的強度に大
きな影響を与えるので、鉄鋼材料にとって、特に重要な
元素である。従って、EPMAで鉄鋼材料におけるCの
挙動(例えば、浸炭程度、偏析程度等)を低いC濃度ま
で知ることができれば、研究上、非常に有用である。し
かし、Cの分析においては、現在、以下に述べるような
種々の問題があり、結局のところEPMAによる鋼中C
の分析可能な下限は、0.2〜0.3重量%程度と高い
濃度になっている。 (1) Cは、人工累積膜を用いても、十分な検出感度
が得られない。 (2) 電子線照射によりCのパイル・アップ現象が起
き、Cの検出強度が経時的に変化する。
【0005】ここで、Cのパイル・アップ現象とは、
「X線マイクロ・アナライザでは、装置本体の排気に、
一般に振動問題の少ないオイル拡散ポンプが用いられる
が、このポンプを用いた場合、装置内真空部にオイル・
ミストが浮遊する。このオイル・ミストが、電子ビーム
で加熱され、試料の電子ビーム照射部にCとして焼付く
こと」を言う。そして、この現象は、測定電流及び測定
時間が大きくなれば、その程度が大きくなり、C分析に
とって不利になる。この対策に、液体窒素を用いたオイ
ル・ミストのトラップ装置を、試料近傍に組み込む技術
があるが、その効果は小さく、現在はあまり使用されて
いない。
【0006】(3)試料表面の汚染Cが、分析値を高く
する。つまり、試料表面には、研磨時に大なり小なりC
による汚れがつくので、微量のC分析ではその汚れの影
響を受け易い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を鑑み、試料表面の汚染を除去して炭素分析時のバック
・グラウンドを低減し、従来より炭素の検出感度を高め
た「電子線を用いた炭素分析装置」を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、前記問題点の解決手段を研究した。その結
果、(1)については、検出系の改善が困難な現在、電
子ビームの大電流化が唯一の解決策である。しかも、そ
のためには、(2)のCパイル・アップ現象を軽減しな
ければならず、また(3)のためには、イオン・スパッ
タリングで試料表面を清浄化する必要があると結論し
た。そして、これらを具体化するためには、現在10-5
torrであるEPMA分光室内の真空度を、10-8
orrという超高真空に維持できるようにすることと考
えた。
【0009】しかしながら、現在入手可能な部品では、
分光室内を上記のような超高真空に保つことが難しいと
いう問題が別途生じた。何故ならば、CのKα線の分光
及び検出には、現在、前記した人工累積膜の分光器とF
−PC(ガスフロー型検出器)を用いるのが、最も感度
が高い状態で分析できるが、該F−PCの窓材は、極め
て薄いマイラー膜で形成されているので、強度が低くて
前述の10-8torrという超高真空を保つことは困難
だからである。また、検出器の近傍に配置するプリアン
プも、超高真空には、対応が困難である。なお、超高真
空装置内でのX線検出装置としては、現在、エネルギー
分散型の検出器(EDX)があり、Cの特性X線強度も
ある程度得られる装置が開発されているが、鋼中の0.
1重量%程度のCの検出を試みるには、強度及び波長分
解能が劣り、ここでは使用できない。
【0010】そこで、発明者は、この困難な状況の克服
に鋭意努力し、超高真空に対応できない人工累積膜とF
−PCとを組み合わせた現在入手可能な分光−検出系
に、差動排気を用いることを着想し、本発明を完成させ
た。すなわち、本発明は、真空に排気された装置本体内
に、電子線を試料面に照射する電子銃と、該試料面から
発生した分析対象元素のX線を特性X線に分解する分光
器と、分光された特性X線を検出し、その強度を電流に
変える検出器及びプリアンプとを備えた電子線を用いた
炭素分析装置において、上記装置本体内を10-8tor
rの高真空度まで排気するターボ・ポンプと試料面を清
浄にするイオンを照射するイオン銃とを備え、且つ上記
検出器をガス・フロー型にすると共に、該検出器及びプ
リアンプを囲む小部屋を設け、該小部屋と装置本体内と
の境界に、該小部屋内の真空度が装置本体内より低真空
になるよう差動排気手段を設けたことを特徴とする電子
線を用いた炭素分析装置である。
【0011】また、本発明は、上記差動排気手段を、ロ
ータリ・ポンプに支援されたターボ・ポンプとしたこと
を特徴とする電子線を用いた炭素分析装置でもある。本
発明では、電子線を用いた炭素分析装置を上記のような
構成にしたので、Cの検出感度が向上し、金属試料の微
小領域に存在するCの分析可能な下限を、従来より低濃
度側にすることができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る電子線を用
いた炭素分析装置の実施形態を示す。それは、真空に排
気された装置本体1内に、電子線2を試料3面に照射す
る電子銃4と、該試料3面から発生した分析対象元素の
X線5を特性X線に分解する分光器6と、分光された特
性X線を検出し、その強度を電流に変える検出器7及び
プリアンプ8とを備えていることでは、従来のEPMA
と同様である。 本発明は、かかる装置に以下に述べる
改造を加えたことが重要ポイントである。
【0013】まず、装置本体1内の排気手段9を、従来
の拡散ポンプからオイル・フリーのターボ・ポンプに変
更した。これによって、従来から問題になっていたオイ
ル・ミストの装置本体1内での浮遊を防止し、前記した
Cのパイル・アップ現象の発生を抑制した。次に、試料
面の汚れを、分析中にクリーニングできるように、Ar
イオンを試料面に照射するイオン銃10を新しく設置し
た。
【0014】さらに、極めつけとしては、検出器7に現
在入手可能なもののうち、最も高感度のガスフロー型の
検出器を採用し、該検出器7とプアンプ8と装置本体1
内と切り離すように、小部屋13で囲んだ。その理由
は、該検出器7が真空度10-6torrでしか使用でき
ないためである。そして、本発明では、装置本体1内の
10-8torrという超高真空と該小部屋13内の真空
度の圧力差を調整するため、小部屋13の前面に差動排
気手段14を組み込むようにした。これによって、検出
器周辺の真空度が10-6torr程度であっても、試料
3周辺の真空度は高く保てるようになった。この差動排
気手段14としては、公知のもので良く、オイル・フリ
ーのターボ.ポンプをロータリ・ポンプで支援した方式
で十分である。いる。なお、本炭素分析装置には、研究
を補助するために、同一試料から炭素以外の元素も同時
に分析できる配慮がしてある。つまり、電子線の照射で
生じたX線を受けるエネルギー分散型検出器(EDX)
15を、分光器と別の位置に配置してある。
【0015】最後に、本発明に係る電子線を用いた炭素
分析装置を用いて、低炭素鋼から採取した試料の分析を
実施した。まず、図2(a)及び(b)は、炭素鋼の標
準試料を従来装置と本発明に係る装置を用いて分析し、
検量線を作成した結果である。従来装置で得た測定値
は、バラツキが多く、また検量線の勾配が緩い。一方、
本発明装置での測定値は、バラツキが少なく、且つ勾配
が急である。また、バックグランドの3σ(標準偏差)
は、従来装置では0.15%と大きく、本発明の装置で
は0.03%と小さい。従って、本発明装置での分析値
は、従来装置での値に比べて、大幅に信頼できると判断
する。
【0016】また、炭素鋼の板厚方向における脱炭状況
を、本発明装置と従来装置とを用いて調査した。その結
果、図3に示すように、本発明装置を用いた測定値は、
従来装置でのものより、低い値になっている。さらに、
それらの値は、正確さの確認のために行った湿式化学分
析での値と良く一致している。これは、従来0.2〜
0.3重量%までしか分析できなかったのに対し、本発
明により0.02重量%まで分析可能な下限が広まった
ことを示唆している。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、検出感度不足、試料
表面の汚染及び装置内での汚染等で、鉄鋼材料中炭素の
分析下限が0.2〜0.3重量%であったが、本発明に
より、0.02重量%程度まで分析できるようになっ
た。従って、本発明は、今後の鉄鋼材料の特性研究に有
効使用されるものと期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子線を用いた炭素分析装置の説
明図である。
【図2】炭素鋼を分析して得た検量線を示す図であり、
(a)は従来装置、(b)は本発明装置を用いての結果
である。
【図3】炭素鋼の板厚方向での脱炭状況の調査結果を示
す図である。
【符号の説明】
1 装置本体 2 電子線 3 試料 4 電子銃 5 X線 6 分光器(人工累積膜) 7 検出器(f−PC) 8 プリアンプ 9 排気手段 10 イオン銃 13 小部屋 14 作動排気手段 15 エネルギー分散型検出器 16 信号処理系

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空に排気された装置本体内に、電子線
    を試料面に照射する電子銃と、該試料面から発生した分
    析対象元素のX線を特性X線に分解する分光器と、分光
    された特性X線を検出し、その強度を電流に変える検出
    器及びプリアンプとを備えた電子線を用いた炭素分析装
    置において、 上記装置本体内を10-8torrの高真空度まで排気す
    るターボ・ポンプと試料面を清浄にするイオンを照射す
    るイオン銃とを備え、且つ上記検出器をガス・フロー型
    にすると共に、該検出器及びプリアンプを囲む小部屋を
    設け、該小部屋と装置本体内との境界に、該小部屋内の
    真空度が装置本体内より低真空になるよう差動排気手段
    を設けたことを特徴とする電子線を用いた炭素分析装
    置。
  2. 【請求項2】 上記差動排気手段を、ロータリ・ポンプ
    に支援されたターボ・ポンプとしたことを特徴とする請
    求項1記載の電子線を用いた炭素分析装置。
JP8288221A 1996-10-30 1996-10-30 電子線を用いた炭素分析装置 Withdrawn JPH10132765A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006170771A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Jeol Ltd 試料表面分析装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006170771A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Jeol Ltd 試料表面分析装置
JP4607568B2 (ja) * 2004-12-15 2011-01-05 日本電子株式会社 試料表面分析装置

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Effective date: 20040106