JPH10131342A - 建築物の外壁用パネル - Google Patents
建築物の外壁用パネルInfo
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- JPH10131342A JPH10131342A JP28415896A JP28415896A JPH10131342A JP H10131342 A JPH10131342 A JP H10131342A JP 28415896 A JP28415896 A JP 28415896A JP 28415896 A JP28415896 A JP 28415896A JP H10131342 A JPH10131342 A JP H10131342A
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- thickness
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 防火性能および断熱性能の両者に優れた建築
物の外壁用パネルの提供を目的とする。 【解決手段】 建築躯体に取付けられる建築物の外壁用
パネルであって、有機発泡体からなり厚さT1 が3〜3
00mmの断熱層(1)の一面側に、耐火組成物からなり
厚さT2 が1〜5mmの外耐火層(2)が積層されている
とともに、他面側に耐火組成物からなり厚さT3 が1〜
30mmの内耐火層(3)が積層されていることを特徴と
する。
物の外壁用パネルの提供を目的とする。 【解決手段】 建築躯体に取付けられる建築物の外壁用
パネルであって、有機発泡体からなり厚さT1 が3〜3
00mmの断熱層(1)の一面側に、耐火組成物からなり
厚さT2 が1〜5mmの外耐火層(2)が積層されている
とともに、他面側に耐火組成物からなり厚さT3 が1〜
30mmの内耐火層(3)が積層されていることを特徴と
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば建築物の
大壁施工用等に好適に使用できる建築物の外壁用パネル
に関する。
大壁施工用等に好適に使用できる建築物の外壁用パネル
に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の壁部は、建築基準法に基づいて
一定の防火性能を備える必要があるが、その一方で居住
性の向上を図るために断熱構造が採用されている。
一定の防火性能を備える必要があるが、その一方で居住
性の向上を図るために断熱構造が採用されている。
【0003】一般に、断熱構造は、外壁部と内壁部との
間に断熱材を介在させる内断熱構造と、建物躯体の外側
に断熱材を配置する外断熱構造に大別される。前記内断
熱構造は外壁部の内側に結露しやすく、その結露が要因
となって外壁部の合板が腐食したり、内壁部の化粧板等
に染みが発生したりする等の不具合があるため、内壁部
と外壁部との間で結露を防止しうる外断熱構造が注目さ
れている。
間に断熱材を介在させる内断熱構造と、建物躯体の外側
に断熱材を配置する外断熱構造に大別される。前記内断
熱構造は外壁部の内側に結露しやすく、その結露が要因
となって外壁部の合板が腐食したり、内壁部の化粧板等
に染みが発生したりする等の不具合があるため、内壁部
と外壁部との間で結露を防止しうる外断熱構造が注目さ
れている。
【0004】従来の外断熱構造としては、所定の防火性
能を有し、かつ断熱性も良い軽量発泡コンクリート板、
いわゆるALC板を取付けることにより形成されたもの
がある。
能を有し、かつ断熱性も良い軽量発泡コンクリート板、
いわゆるALC板を取付けることにより形成されたもの
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記A
LC板は、防水性や防湿性が悪く、水を含浸しやすいと
いう欠点がある。そのため、乾燥状態においては断熱性
が良好であっても、水を含浸すると断熱性が急激に低下
し、所定の断熱性能を得ようとすれば板厚を厚くしなけ
ればならず、高重量化をきたすという問題点があった。
また、特に寒冷地では、含浸した水分が凍結して膨脹
し、爆裂、破壊が生じるという問題点もあった。
LC板は、防水性や防湿性が悪く、水を含浸しやすいと
いう欠点がある。そのため、乾燥状態においては断熱性
が良好であっても、水を含浸すると断熱性が急激に低下
し、所定の断熱性能を得ようとすれば板厚を厚くしなけ
ればならず、高重量化をきたすという問題点があった。
また、特に寒冷地では、含浸した水分が凍結して膨脹
し、爆裂、破壊が生じるという問題点もあった。
【0006】ところで一般に、断熱材としては、ロック
ウール、グラスウール、発泡ポリスチレン等の有機発泡
体等が用いられている。これらの断熱材のうち、有機発
泡体はロックウール等よりも格段に断熱性に優れ、かつ
防水性、防湿性に優れ殆ど水を含浸せず、しかも軽量、
安価であることから、広範囲で使用されている。このよ
うな有機発泡体を建築用に使用すれば、優れた断熱構造
を形成できると考えられる。しかしながら、有機発泡体
は、有機物であり耐熱性が悪く低温で軟化するため、所
定の防火性能を要する建築物の外壁部あるいは外断熱構
造の材料として採用することができなかった。
ウール、グラスウール、発泡ポリスチレン等の有機発泡
体等が用いられている。これらの断熱材のうち、有機発
泡体はロックウール等よりも格段に断熱性に優れ、かつ
防水性、防湿性に優れ殆ど水を含浸せず、しかも軽量、
安価であることから、広範囲で使用されている。このよ
うな有機発泡体を建築用に使用すれば、優れた断熱構造
を形成できると考えられる。しかしながら、有機発泡体
は、有機物であり耐熱性が悪く低温で軟化するため、所
定の防火性能を要する建築物の外壁部あるいは外断熱構
造の材料として採用することができなかった。
【0007】この発明は、このようような技術背景に鑑
み、防火性能および断熱性能の両者に優れた建築物の外
壁用パネルの提供を目的とする。
み、防火性能および断熱性能の両者に優れた建築物の外
壁用パネルの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、建築躯体に取付けられる建築物の外壁
用パネルであって、有機発泡体からなり厚さT1 が3〜
300mmの断熱層(1)の一面側に、耐火組成物からな
り厚さT2 が1〜5mmの外耐火層(2)が積層されてい
るとともに、他面側に耐火組成物からなり厚さT3 が1
〜30mmの内耐火層(3)が積層されていることを基本
要旨とする。
達成するために、建築躯体に取付けられる建築物の外壁
用パネルであって、有機発泡体からなり厚さT1 が3〜
300mmの断熱層(1)の一面側に、耐火組成物からな
り厚さT2 が1〜5mmの外耐火層(2)が積層されてい
るとともに、他面側に耐火組成物からなり厚さT3 が1
〜30mmの内耐火層(3)が積層されていることを基本
要旨とする。
【0009】図1に示すこの発明の一例である外壁用パ
ネル(P)において、断熱層(1)を形成する有機発泡
体は、多くの独立気泡を含み、かつ吸湿性が極めて低く
ほとんど水を含浸しないために、外気の状態にかかわら
ず優れた断熱性を示す材料である。また、含浸水分の凍
結膨脹による爆裂や破壊のおそれがないため、寒冷地の
建築物にも適している。さらに、軽量であるため建築躯
体への荷重負担も少ない。このような発泡有機体は、6
0℃以下で熱変形しないもの、換言すれば炎天時にも変
形しないものであれば任意のものを使用でき、特に断熱
性能に優れた発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発泡ポ
リ塩化ビニルを推奨できる。これらの有機発泡体は、1
種を単独で使用しても良く、また2種以上を貼合せ等に
より組合わせて使用しても良い。前記断熱層(1)の厚
さT1 は、必要とされる断熱性によって決まり、3mm未
満では外壁用パネルとしての断熱性が低すぎて実用性に
乏しく、また外耐火層(2)と内耐火層(3)との距離
が短くなるため、内耐火層(3)への熱伝導が早くなっ
て防火性能も悪くなる。一方、300mmを超えると嵩高
くなり過ぎてやはり実用性に乏しいものとなる。従っ
て、断熱層(1)の厚さT1 は、3〜300mmとする必
要があり、好ましくは5〜200mmである。
ネル(P)において、断熱層(1)を形成する有機発泡
体は、多くの独立気泡を含み、かつ吸湿性が極めて低く
ほとんど水を含浸しないために、外気の状態にかかわら
ず優れた断熱性を示す材料である。また、含浸水分の凍
結膨脹による爆裂や破壊のおそれがないため、寒冷地の
建築物にも適している。さらに、軽量であるため建築躯
体への荷重負担も少ない。このような発泡有機体は、6
0℃以下で熱変形しないもの、換言すれば炎天時にも変
形しないものであれば任意のものを使用でき、特に断熱
性能に優れた発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発泡ポ
リ塩化ビニルを推奨できる。これらの有機発泡体は、1
種を単独で使用しても良く、また2種以上を貼合せ等に
より組合わせて使用しても良い。前記断熱層(1)の厚
さT1 は、必要とされる断熱性によって決まり、3mm未
満では外壁用パネルとしての断熱性が低すぎて実用性に
乏しく、また外耐火層(2)と内耐火層(3)との距離
が短くなるため、内耐火層(3)への熱伝導が早くなっ
て防火性能も悪くなる。一方、300mmを超えると嵩高
くなり過ぎてやはり実用性に乏しいものとなる。従っ
て、断熱層(1)の厚さT1 は、3〜300mmとする必
要があり、好ましくは5〜200mmである。
【0010】前記断熱層(1)の両面に積層させる耐火
層(2)(3)は内外でその存在意義が異なる。
層(2)(3)は内外でその存在意義が異なる。
【0011】即ち、建築物の外面側の施工される外耐火
層(2)は、外からの火災時に断熱層(1)の即時の発
火を防止し、断熱層(1)の焼失を遅延させることを主
目的とする被覆層である。火災時において、断熱層
(1)は外耐火層(2)を隔てて加熱されると軟化変形
するが、このとき、図2に示すように、外耐火層(2)
は多数の微細なクラックを生じて断熱層(1)の変形に
追従し、断熱層(1)からの剥離脱落を一定時間防止す
るとともに、断熱層(1)の一部が溶けて流れ落ちても
両耐火層(2)(3)の間に空洞を作って、内部への熱
伝達を遅らせる。外耐火層(2)が厚いと、外耐火層
(2)単独の防火性能は高くなるが、剛性が高く、かつ
重くなるために断熱層(1)の熱変形に追従できず短時
間で剥離脱落してしまい、却って防火性能を低下させる
結果となる。このため、前記外耐火層(2)は厚すぎな
いことが重要である。このような外耐火層(2)は後述
の耐火組成物により構成されるが、厚さT2 を1mm未満
の薄い層に形成することは作業上現実的でなく、また建
築物の外壁を形成するパネルとしての表面強度や剛性も
必要であるため、少なくとも1mmの厚さは必要である。
従って、外耐火層(2)の厚さT2 は1〜5mmとする必
要があり、特に2〜3mmが好ましい。
層(2)は、外からの火災時に断熱層(1)の即時の発
火を防止し、断熱層(1)の焼失を遅延させることを主
目的とする被覆層である。火災時において、断熱層
(1)は外耐火層(2)を隔てて加熱されると軟化変形
するが、このとき、図2に示すように、外耐火層(2)
は多数の微細なクラックを生じて断熱層(1)の変形に
追従し、断熱層(1)からの剥離脱落を一定時間防止す
るとともに、断熱層(1)の一部が溶けて流れ落ちても
両耐火層(2)(3)の間に空洞を作って、内部への熱
伝達を遅らせる。外耐火層(2)が厚いと、外耐火層
(2)単独の防火性能は高くなるが、剛性が高く、かつ
重くなるために断熱層(1)の熱変形に追従できず短時
間で剥離脱落してしまい、却って防火性能を低下させる
結果となる。このため、前記外耐火層(2)は厚すぎな
いことが重要である。このような外耐火層(2)は後述
の耐火組成物により構成されるが、厚さT2 を1mm未満
の薄い層に形成することは作業上現実的でなく、また建
築物の外壁を形成するパネルとしての表面強度や剛性も
必要であるため、少なくとも1mmの厚さは必要である。
従って、外耐火層(2)の厚さT2 は1〜5mmとする必
要があり、特に2〜3mmが好ましい。
【0012】一方、建築物の躯体側に施工される内耐火
層(3)は、それ自体で所定の防火性能を確保するため
の被覆層であり、厚さT3 は1〜30mmとする必要があ
る。厚さが1mm未満では外耐火層(2)の場合と同様に
形成作業が現実的ではなく、また30mmあれば建築基準
法に合格する十分な防火性能が得られるためである。ま
た、特に好ましい内耐火層(3)の厚さT3 は5〜10
mmである。
層(3)は、それ自体で所定の防火性能を確保するため
の被覆層であり、厚さT3 は1〜30mmとする必要があ
る。厚さが1mm未満では外耐火層(2)の場合と同様に
形成作業が現実的ではなく、また30mmあれば建築基準
法に合格する十分な防火性能が得られるためである。ま
た、特に好ましい内耐火層(3)の厚さT3 は5〜10
mmである。
【0013】前述の内外の耐火層(2)(3)を構成す
る耐火組成物は、上記の厚さで所定の防火性能を発現で
きるものであれば、不燃材料あるいは準不燃材料を適宜
組合わせた各種組成物を使用できる。具体的には、無機
結合剤に、耐火層の防火性能や諸物性を向上させる下記
の各種添加材を配合した耐火組成物を使用する。無機結
合剤として、ポルトランドセメント、白色セメント等の
各種セメント、エトリンジャイト、石膏、石灰等を例示
でき、特に、防火性能に優れたセメント、エトリンジャ
イト、石膏のいずれかが好ましい。また、添加材とし
て、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、ベントナイト、炭酸マグネシウム等の防火性能を向
上させるための無機粉末、砂、パーライト、シラスバル
ーン、ヒル石、寒水石等の強度向上のための無機骨材、
断熱層(1)への接着力、防水性、耐亀裂性を向上させ
る液体または粉体の有機結合剤、EVA粉等の耐亀裂性
を向上させる有機質骨材、ガラス繊維やビニロン繊維等
の耐亀裂性を向上させる繊維類、メチルセルロース等の
混練、塗布の作業性を向上させる増粘剤、流動化剤、界
面活性剤等を例示できる。
る耐火組成物は、上記の厚さで所定の防火性能を発現で
きるものであれば、不燃材料あるいは準不燃材料を適宜
組合わせた各種組成物を使用できる。具体的には、無機
結合剤に、耐火層の防火性能や諸物性を向上させる下記
の各種添加材を配合した耐火組成物を使用する。無機結
合剤として、ポルトランドセメント、白色セメント等の
各種セメント、エトリンジャイト、石膏、石灰等を例示
でき、特に、防火性能に優れたセメント、エトリンジャ
イト、石膏のいずれかが好ましい。また、添加材とし
て、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、ベントナイト、炭酸マグネシウム等の防火性能を向
上させるための無機粉末、砂、パーライト、シラスバル
ーン、ヒル石、寒水石等の強度向上のための無機骨材、
断熱層(1)への接着力、防水性、耐亀裂性を向上させ
る液体または粉体の有機結合剤、EVA粉等の耐亀裂性
を向上させる有機質骨材、ガラス繊維やビニロン繊維等
の耐亀裂性を向上させる繊維類、メチルセルロース等の
混練、塗布の作業性を向上させる増粘剤、流動化剤、界
面活性剤等を例示できる。
【0014】この発明の外壁用パネル(P)において、
内外の耐火層(2)(3)は、同一組成の耐火組成物で
構成しても良いし、また異なる組成のもので構成しても
いずれでも良い。
内外の耐火層(2)(3)は、同一組成の耐火組成物で
構成しても良いし、また異なる組成のもので構成しても
いずれでも良い。
【0015】このような耐火組成物で構成される内外耐
火層(2)(3)は、断熱層(1)に所定厚さに吹付け
あるいは塗布により積層形成しても良いし、また別途製
作した板状の耐火層(2)(3)を貼合わせても良い。
さらに、必要に応じて外耐火層(2)の表面に化粧仕上
げをする。化粧仕上げは、吹付けの他、アルミニウムシ
ートに着色塗装した化粧シート等の貼付等を例示でき
る。
火層(2)(3)は、断熱層(1)に所定厚さに吹付け
あるいは塗布により積層形成しても良いし、また別途製
作した板状の耐火層(2)(3)を貼合わせても良い。
さらに、必要に応じて外耐火層(2)の表面に化粧仕上
げをする。化粧仕上げは、吹付けの他、アルミニウムシ
ートに着色塗装した化粧シート等の貼付等を例示でき
る。
【0016】また、前記断熱層(1)は、図1に示すよ
うな平板の他、図3に示すような凹凸状(1’)に形成
しても良く、外耐火層(2’)を吹付形成したのちの化
粧仕上げにおいて、凸部(4)をレンガや石に見立て、
凹部(5)を目地に見立てた色に塗り分ければ、レンガ
調、嵌込石調の外観をもつ外壁用パネル(P’)が得ら
れる。
うな平板の他、図3に示すような凹凸状(1’)に形成
しても良く、外耐火層(2’)を吹付形成したのちの化
粧仕上げにおいて、凸部(4)をレンガや石に見立て、
凹部(5)を目地に見立てた色に塗り分ければ、レンガ
調、嵌込石調の外観をもつ外壁用パネル(P’)が得ら
れる。
【0017】この発明の建築用外壁用パネル(P)の施
工は、建築躯体の合板、ラス等の下地上に直接パネルを
釘、ビス、金具留め、接着剤等により貼付けることによ
り行う。既に化粧仕上げがなされたパネルであれば目地
処理のみを行えば良く、また化粧仕上げがなされていな
いパネルであれば、目地処理後にリシン等の上吹きや、
化粧シート貼り等により化粧仕上げを行うことによっ
て、大壁を形成することができる。
工は、建築躯体の合板、ラス等の下地上に直接パネルを
釘、ビス、金具留め、接着剤等により貼付けることによ
り行う。既に化粧仕上げがなされたパネルであれば目地
処理のみを行えば良く、また化粧仕上げがなされていな
いパネルであれば、目地処理後にリシン等の上吹きや、
化粧シート貼り等により化粧仕上げを行うことによっ
て、大壁を形成することができる。
【0018】
【実施例】次に、この発明の建築物の外壁用パネルの具
体的実施例について説明する。
体的実施例について説明する。
【0019】図1に示すように、断熱層(1)として、
表1および表2に示す各厚さの発泡ポリスチレン板、発
泡ポリウレタン板または発泡ポリ塩化ビニル板を使用し
た。また、内外の耐火層(2)(3)として表1および
表2に示す材料を混合して水と混練し、前記断熱層
(1)の両面に所定の厚さに吹付て、内外の耐火層
(2)(3)を形成し、気乾状態になるまで十分に養生
して硬化させ、これを試験体とした。
表1および表2に示す各厚さの発泡ポリスチレン板、発
泡ポリウレタン板または発泡ポリ塩化ビニル板を使用し
た。また、内外の耐火層(2)(3)として表1および
表2に示す材料を混合して水と混練し、前記断熱層
(1)の両面に所定の厚さに吹付て、内外の耐火層
(2)(3)を形成し、気乾状態になるまで十分に養生
して硬化させ、これを試験体とした。
【0020】上記各試験体について、JIS A130
2にもとづく30分の2級加熱試験を行って防火性能を
評価した。この試験は、試験体の外耐火層(2)側から
所定の温度条件で加熱したとき、反対面、即ち内耐火層
(3)の表面温度が260℃を超えてはならないという
ものである。また、この加熱試験において、外耐火層
(2)の表面状態を目視観察するとともに、内耐火層
(3)の最高温度が260℃以下のものを合格とした。
なお、この防火試験に合格すれば、建築用壁材として採
用することができるというものである。
2にもとづく30分の2級加熱試験を行って防火性能を
評価した。この試験は、試験体の外耐火層(2)側から
所定の温度条件で加熱したとき、反対面、即ち内耐火層
(3)の表面温度が260℃を超えてはならないという
ものである。また、この加熱試験において、外耐火層
(2)の表面状態を目視観察するとともに、内耐火層
(3)の最高温度が260℃以下のものを合格とした。
なお、この防火試験に合格すれば、建築用壁材として採
用することができるというものである。
【0021】評価結果を表1および表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1および表2の結果から明らかなよう
に、耐熱性の低い有機発泡体を用いてもその両面を所定
厚さの耐火層で被覆することにより、建築用壁材として
必要な防火性能を得られることを確認できた。
に、耐熱性の低い有機発泡体を用いてもその両面を所定
厚さの耐火層で被覆することにより、建築用壁材として
必要な防火性能を得られることを確認できた。
【0025】
【発明の効果】以上の次第で、この発明の建築物の外壁
用パネルは、断熱層の材料として、断熱性が高く、かつ
防水性、防湿性に優れ水を含浸しない有機発泡体を用い
ることにより、外気の状態にかかわらず安定して優れた
断熱性が確保される。また、このような断熱層の内外両
面に耐火層を積層することにより、所定の防火性能が得
られる。即ち、外部からの加熱に対しては、外耐火層は
その厚さが薄いがゆえに軟化変形した断熱層に追従して
即時の剥離脱落を免れ、内部への熱伝導を遅らせるとと
もに、内耐火層の有する防火性能により、パネルとして
優れた防火性能を発現する。このような外壁用パネルを
建築躯体の外側に取付けることにより、優れた防火性能
と断熱性を兼ね備えた外断熱構造を構成することができ
る。また、断熱層が軽量であるとともに、薄くても高い
断熱性を得られるため、外壁用パネルは薄く軽量に形成
することができ、建築躯体への荷重負担が少なくてす
み、施工作業性も良い。
用パネルは、断熱層の材料として、断熱性が高く、かつ
防水性、防湿性に優れ水を含浸しない有機発泡体を用い
ることにより、外気の状態にかかわらず安定して優れた
断熱性が確保される。また、このような断熱層の内外両
面に耐火層を積層することにより、所定の防火性能が得
られる。即ち、外部からの加熱に対しては、外耐火層は
その厚さが薄いがゆえに軟化変形した断熱層に追従して
即時の剥離脱落を免れ、内部への熱伝導を遅らせるとと
もに、内耐火層の有する防火性能により、パネルとして
優れた防火性能を発現する。このような外壁用パネルを
建築躯体の外側に取付けることにより、優れた防火性能
と断熱性を兼ね備えた外断熱構造を構成することができ
る。また、断熱層が軽量であるとともに、薄くても高い
断熱性を得られるため、外壁用パネルは薄く軽量に形成
することができ、建築躯体への荷重負担が少なくてす
み、施工作業性も良い。
【0026】また、前記断熱層を構成する有機発泡体と
して、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタンまたは発泡
ポリ塩化ビニルのうちのいずれか1種または2種以上を
組合わせたものを使用する場合は、特に断熱性能に優れ
た外壁用パネルが得られる。
して、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタンまたは発泡
ポリ塩化ビニルのうちのいずれか1種または2種以上を
組合わせたものを使用する場合は、特に断熱性能に優れ
た外壁用パネルが得られる。
【0027】また、前記外耐火層および前記内耐火層を
構成する耐火組成物として、それぞれ、無機結合剤とし
て水硬性セメントを配合したセメント系耐火組成物、無
機結合剤としてエトリンジャイトを配合したエトリンジ
ャイト系耐火組成物または無機結合剤として石膏を配合
した石膏系耐火組成物のうちのいずれかを使用すること
により、特に防火性能に優れた外壁用パネルが得られ
る。
構成する耐火組成物として、それぞれ、無機結合剤とし
て水硬性セメントを配合したセメント系耐火組成物、無
機結合剤としてエトリンジャイトを配合したエトリンジ
ャイト系耐火組成物または無機結合剤として石膏を配合
した石膏系耐火組成物のうちのいずれかを使用すること
により、特に防火性能に優れた外壁用パネルが得られ
る。
【0028】さらに、前記断熱層の厚さT1 が5〜20
0mmである場合は、優れた断熱性能を保有しつつ、施工
作業性に優れた外壁用パネルが得られる。
0mmである場合は、優れた断熱性能を保有しつつ、施工
作業性に優れた外壁用パネルが得られる。
【0029】また、前記外耐火層の厚さT2 が2〜3m
m、あるいは前記内耐火層の厚さT3が5〜10mmである
場合は、優れた防火性能を保有しつつ、施工作業性に優
れた外壁用パネルが得られる。
m、あるいは前記内耐火層の厚さT3が5〜10mmである
場合は、優れた防火性能を保有しつつ、施工作業性に優
れた外壁用パネルが得られる。
【図1】この発明にかかる建築物の外壁用パネルの一例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】図1の建築物の外壁用パネルの加熱状態を示す
断面図である。
断面図である。
【図3】この発明にかかる建築物の外壁用パネルの他の
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
P、P’…建築物の外壁用パネル 1、1’…断熱層 2、2’…外耐火層 3…内耐火層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】前述の内外の耐火層(2)(3)を構成す
る耐火組成物は、上記の厚さで所定の防火性能を発現で
きるものであれば、不燃材料あるいは準不燃材料を適宜
組合わせた各種組成物を使用できる。具体的には、無機
結合剤に、耐火層の防火性能や諸物性を向上させる下記
の各種添加材を配合した耐火組成物を使用する。無機結
合剤として、ポルトランドセメント、白色セメント等の
各種水硬性セメント、エトリンジャイト、石膏、石灰等
を例示でき、特に、防火性能に優れた水硬性セメント、
エトリンジャイト、石膏のいずれか1種または2種以上
を併用することが好ましい。また、添加材として、酸化
チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ベント
ナイト、炭酸マグネシウム等の防火性能を向上させるた
めの無機粉末、砂、パーライト、シラスバルーン、ヒル
石、寒水石等の強度向上のための無機骨材、断熱層
(1)への接着力、防水性、耐亀裂性を向上させる液体
または粉体の有機結合剤、EVA粉等の耐亀裂性を向上
させる有機質骨材、ガラス繊維やビニロン繊維等の耐亀
裂性を向上させる繊維類、メチルセルロース等の混練、
塗布の作業性を向上させる増粘剤、流動化剤、界面活性
剤等を例示できる。
る耐火組成物は、上記の厚さで所定の防火性能を発現で
きるものであれば、不燃材料あるいは準不燃材料を適宜
組合わせた各種組成物を使用できる。具体的には、無機
結合剤に、耐火層の防火性能や諸物性を向上させる下記
の各種添加材を配合した耐火組成物を使用する。無機結
合剤として、ポルトランドセメント、白色セメント等の
各種水硬性セメント、エトリンジャイト、石膏、石灰等
を例示でき、特に、防火性能に優れた水硬性セメント、
エトリンジャイト、石膏のいずれか1種または2種以上
を併用することが好ましい。また、添加材として、酸化
チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ベント
ナイト、炭酸マグネシウム等の防火性能を向上させるた
めの無機粉末、砂、パーライト、シラスバルーン、ヒル
石、寒水石等の強度向上のための無機骨材、断熱層
(1)への接着力、防水性、耐亀裂性を向上させる液体
または粉体の有機結合剤、EVA粉等の耐亀裂性を向上
させる有機質骨材、ガラス繊維やビニロン繊維等の耐亀
裂性を向上させる繊維類、メチルセルロース等の混練、
塗布の作業性を向上させる増粘剤、流動化剤、界面活性
剤等を例示できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】また、前記外耐火層および前記内耐火層を
構成する耐火組成物として、それぞれ、無機結合剤とし
て水硬性セメント、エトリンジャイト、石膏のうちの1
種または2種以上を配合した耐火組成物を使用すること
により、特に防火性能に優れた外壁用パネルが得られ
る。
構成する耐火組成物として、それぞれ、無機結合剤とし
て水硬性セメント、エトリンジャイト、石膏のうちの1
種または2種以上を配合した耐火組成物を使用すること
により、特に防火性能に優れた外壁用パネルが得られ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 建築躯体に取付けられる建築物の外壁用
パネルであって、 有機発泡体からなり厚さT1 が3〜300mmの断熱層
(1)の一面側に、耐火組成物からなり厚さT2 が1〜
5mmの外耐火層(2)が積層されているとともに、他面
側に耐火組成物からなり厚さT3 が1〜30mmの内耐火
層(3)が積層されていることを特徴とする建築物の外
壁用パネル。 - 【請求項2】 前記断熱層(1)を構成する有機発泡体
は、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタンまたは発泡ポ
リ塩化ビニルのうちのいずれか1種または2種以上を組
合わせたものである請求項1に記載の建築物の外壁用パ
ネル。 - 【請求項3】 前記外耐火層(2)を構成する耐火組成
物は、無機結合剤として水硬性セメントを配合したセメ
ント系耐火組成物、無機結合剤としてエトリンジャイト
を配合したエトリンジャイト系耐火組成物または無機結
合剤として石膏を配合した石膏系耐火組成物のうちのい
ずれである請求項1または2に記載の建築物の外壁用パ
ネル。 - 【請求項4】 前記内耐火層(3)を構成する耐火組成
物は、無機結合剤として水硬性セメントを配合したセメ
ント系耐火組成物、無機結合剤としてエトリンジャイト
を配合したエトリンジャイト系耐火組成物または無機結
合剤として石膏を配合した石膏系耐火組成物のうちのい
ずれかである請求項1乃至3のいずれかに記載の建築物
の外壁用パネル。 - 【請求項5】 前記断熱層(1)の厚さT1 は、5〜2
00mmである請求項1乃至4のいずれかに記載の建築物
の外壁用パネル。 - 【請求項6】 前記外耐火層(2)の厚さT2 は、2〜
3mmである請求項1乃至5のいずれかに記載の建築物の
外壁用パネル。 - 【請求項7】 前記内耐火層(3)の厚さT3 は、5〜
10mmである請求項1乃至6のいずれかに記載の建築物
の外壁用パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28415896A JPH10131342A (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 建築物の外壁用パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28415896A JPH10131342A (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 建築物の外壁用パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10131342A true JPH10131342A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17674938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28415896A Pending JPH10131342A (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 建築物の外壁用パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10131342A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106145851A (zh) * | 2016-07-01 | 2016-11-23 | 桂林健威科技发展有限公司 | 一种新型高效防火内外保温隔热墙板浆料 |
-
1996
- 1996-10-25 JP JP28415896A patent/JPH10131342A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106145851A (zh) * | 2016-07-01 | 2016-11-23 | 桂林健威科技发展有限公司 | 一种新型高效防火内外保温隔热墙板浆料 |
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