JPH10130652A - 冶金用コークスの製造方法 - Google Patents
冶金用コークスの製造方法Info
- Publication number
- JPH10130652A JPH10130652A JP28808496A JP28808496A JPH10130652A JP H10130652 A JPH10130652 A JP H10130652A JP 28808496 A JP28808496 A JP 28808496A JP 28808496 A JP28808496 A JP 28808496A JP H10130652 A JPH10130652 A JP H10130652A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coal
- content
- coke
- sio
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Coke Industry (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】コークス品質を高め、灰分の多い低品位炭を多
量に使用することができる冶金用コークスの製造方法を
提供する。 【解決手段】複数種類の石炭を配合して冶金用コークス
を製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2
Ｏ）含有量に応じて、あらかじめ求めてある配合炭中の
（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ
3 ）含有量およびコークスの熱間反応後強度の関係に基
づき、前記複数種類の石炭の配合割合を調整することに
よって（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を調整する。前
記石炭の配合割合の調整を下記式を満たすように行え
ば、熱間反応後強度（ＣＳＲ）が５５以上の高品質のコ
ークスを安定して製造することができる。
量に使用することができる冶金用コークスの製造方法を
提供する。 【解決手段】複数種類の石炭を配合して冶金用コークス
を製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2
Ｏ）含有量に応じて、あらかじめ求めてある配合炭中の
（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ
3 ）含有量およびコークスの熱間反応後強度の関係に基
づき、前記複数種類の石炭の配合割合を調整することに
よって（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を調整する。前
記石炭の配合割合の調整を下記式を満たすように行え
ば、熱間反応後強度（ＣＳＲ）が５５以上の高品質のコ
ークスを安定して製造することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、冶金用コークスの
製造方法、特に、複数種類の石炭を配合して高品質の冶
金用コークスを製造する方法に関する。
製造方法、特に、複数種類の石炭を配合して高品質の冶
金用コークスを製造する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に知られているように、冶金用コー
クス（以下、単にコークスともいう）を製造するに際
し、原料として用いる石炭中の灰分が多いと、コークス
強度の低下、ＣＯ2 との反応性の増大等、得られるコー
クスの品質が低下し、また、コークス炉の操業において
も熱量原単位が増加するなど、さまざまな悪影響がもた
らされる。
クス（以下、単にコークスともいう）を製造するに際
し、原料として用いる石炭中の灰分が多いと、コークス
強度の低下、ＣＯ2 との反応性の増大等、得られるコー
クスの品質が低下し、また、コークス炉の操業において
も熱量原単位が増加するなど、さまざまな悪影響がもた
らされる。
【０００３】そのため、石炭中に含まれる灰分を低減さ
せる石炭の事前処理（脱灰処理）方法が種々提案されて
いる。例えば、特開昭６２−１７７０９２号公報には、
１ｍｍ以下に粉砕した高灰分炭をタールと水により撹
拌、混練した後、造粒（脱炭造粒）する事前処理方法が
開示されている。石炭はタールで疑似粒化し、灰分は無
機質であるため水中でスラリー化するので、石炭中の灰
分を除去することができる。また、特開昭６０−３５０
９４号公報では、多孔板により複数の区画に区分した塔
内で、浮遊選鉱法を用いて石炭中の炭分と灰分を分離す
る脱灰装置が提案されている。
せる石炭の事前処理（脱灰処理）方法が種々提案されて
いる。例えば、特開昭６２−１７７０９２号公報には、
１ｍｍ以下に粉砕した高灰分炭をタールと水により撹
拌、混練した後、造粒（脱炭造粒）する事前処理方法が
開示されている。石炭はタールで疑似粒化し、灰分は無
機質であるため水中でスラリー化するので、石炭中の灰
分を除去することができる。また、特開昭６０−３５０
９４号公報では、多孔板により複数の区画に区分した塔
内で、浮遊選鉱法を用いて石炭中の炭分と灰分を分離す
る脱灰装置が提案されている。
【０００４】このような脱灰処理をすることにより、確
かにコークス品質は向上し、安価な非粘結炭または微粘
結炭の使用量を増大させることができる。しかし、脱灰
処理を行うことによるコークス製造コストの上昇は避け
られない。
かにコークス品質は向上し、安価な非粘結炭または微粘
結炭の使用量を増大させることができる。しかし、脱灰
処理を行うことによるコークス製造コストの上昇は避け
られない。
【０００５】また、複数種類の石炭を配合してコークス
を製造するにあたり、配合炭の性状として、平均反射
率、ギーセラー流動度、灰分中の鉄成分または塩基性成
分の触媒効果指数を用いて製造するコークスの熱間反応
後強度（ＣＳＲ）を推定し、必要とされる熱間反応後強
度に見合うように石炭を配合してコークス化を行う方法
が特開平２−９７４１０号公報に示されている。この方
法によると、熱間反応後強度の推定の精度が向上し、コ
ークスの品質管理が容易になる。しかし、この方法はコ
ークスの品質そのものを向上させる方法ではない。
を製造するにあたり、配合炭の性状として、平均反射
率、ギーセラー流動度、灰分中の鉄成分または塩基性成
分の触媒効果指数を用いて製造するコークスの熱間反応
後強度（ＣＳＲ）を推定し、必要とされる熱間反応後強
度に見合うように石炭を配合してコークス化を行う方法
が特開平２−９７４１０号公報に示されている。この方
法によると、熱間反応後強度の推定の精度が向上し、コ
ークスの品質管理が容易になる。しかし、この方法はコ
ークスの品質そのものを向上させる方法ではない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術における問題点を解決し、コークス品質を高め、灰分
の多い低品位炭を多量に使用することができる冶金用コ
ークスの製造方法を提供することを目的としている。
術における問題点を解決し、コークス品質を高め、灰分
の多い低品位炭を多量に使用することができる冶金用コ
ークスの製造方法を提供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するにあたり、石炭中に含まれる灰分の中でコ
ークス品質に対して最も悪影響を及ぼすと考えられるＮ
ａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏに注目した。
題を解決するにあたり、石炭中に含まれる灰分の中でコ
ークス品質に対して最も悪影響を及ぼすと考えられるＮ
ａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏに注目した。
【０００８】従来、コークス製造用原料炭中のＮａ2 Ｏ
およびＫ2 Ｏの合計含有量（以下、（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2
Ｏ）含有量と記す）の許容限界は、高々０．１重量％
（乾燥炭ベース）程度とされている。従って、Ｎａ2
Ｏ、Ｋ2 Ｏの含有量の多い低品位炭をコークス原料炭と
して使用する場合、石炭の事前処理を行って（Ｎａ2 Ｏ
＋Ｋ2 Ｏ）含有量を許容量以下に低減させる必要があ
り、コークス製造コストの上昇を招いている。
およびＫ2 Ｏの合計含有量（以下、（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2
Ｏ）含有量と記す）の許容限界は、高々０．１重量％
（乾燥炭ベース）程度とされている。従って、Ｎａ2
Ｏ、Ｋ2 Ｏの含有量の多い低品位炭をコークス原料炭と
して使用する場合、石炭の事前処理を行って（Ｎａ2 Ｏ
＋Ｋ2 Ｏ）含有量を許容量以下に低減させる必要があ
り、コークス製造コストの上昇を招いている。
【０００９】そこで、本発明者らは、原料石炭に含まれ
る灰分の組成とコークス品質との関係について種々検討
を行い、Ｎａ2 ＯとＫ2 Ｏの含有量の多い石炭を配合炭
として用いても、その石炭中のＳｉＯ2 およびＡｌ2 Ｏ
3 の合計含有量（以下、（ＳｉＯ 2＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有
量と記す）を適切に調整することにより、高品質のコー
クスを製造できることを知見し、本発明をなすに至っ
た。
る灰分の組成とコークス品質との関係について種々検討
を行い、Ｎａ2 ＯとＫ2 Ｏの含有量の多い石炭を配合炭
として用いても、その石炭中のＳｉＯ2 およびＡｌ2 Ｏ
3 の合計含有量（以下、（ＳｉＯ 2＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有
量と記す）を適切に調整することにより、高品質のコー
クスを製造できることを知見し、本発明をなすに至っ
た。
【００１０】本発明の要旨は、下記（１）および（２）
の冶金用コークスの製造方法にある。
の冶金用コークスの製造方法にある。
【００１１】（１）複数種類の石炭を配合して冶金用コ
ークスを製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋
Ｋ2 Ｏ）含有量に応じて、あらかじめ求めてある配合炭
中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2
Ｏ3 ）含有量およびコークスの熱間反応後強度の関係に
基づき、前記複数種類の石炭の配合割合を調整すること
によって（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を調整するこ
とを特徴とする冶金用コークスの製造方法。
ークスを製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋
Ｋ2 Ｏ）含有量に応じて、あらかじめ求めてある配合炭
中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2
Ｏ3 ）含有量およびコークスの熱間反応後強度の関係に
基づき、前記複数種類の石炭の配合割合を調整すること
によって（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を調整するこ
とを特徴とする冶金用コークスの製造方法。
【００１２】（２）複数種類の石炭を配合して冶金用コ
ークスを製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋
Ｋ2 Ｏ）含有量と（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量が下
記式を満たすように、前記複数種類の石炭の配合割合
を調整することを特徴とする冶金用コークスの製造方
法。
ークスを製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋
Ｋ2 Ｏ）含有量と（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量が下
記式を満たすように、前記複数種類の石炭の配合割合
を調整することを特徴とする冶金用コークスの製造方
法。
【００１３】 ＣSiO2＋ＣAl2O3 ≦１／｛Ａ1 ＋Ａ2 （ＣNa2O＋ＣK2O ）｝・・・ ただし、Ａ1 ：定数で、０．０８０５ Ａ2 ：定数で、０．０７９５ ＣSiO2 ：配合炭中のＳｉＯ2 の含有量 ＣAl2O3 ：配合炭中のＡｌ2 Ｏ3 の含有量 ＣNa2O ：配合炭中のＮａ2 Ｏの含有量 ＣK2O ：配合炭中のＫ2 Ｏの含有量 であり、上記各成分の含有量の単位は、重量％（乾燥炭
ベース）である。
ベース）である。
【００１４】なお、前記の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量
および（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量とは、それぞれ
その配合炭中に含まれるＮａ2 ＯとＫ2 Ｏの合計含有
量、およびＳｉＯ2 とＡｌ2 Ｏ3 の合計含有量を意味す
る。
および（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量とは、それぞれ
その配合炭中に含まれるＮａ2 ＯとＫ2 Ｏの合計含有
量、およびＳｉＯ2 とＡｌ2 Ｏ3 の合計含有量を意味す
る。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、本発明（上記（１）および
（２）の初）について具体的に説明する。
（２）の初）について具体的に説明する。
【００１６】一般に、石炭中に含まれるＮａ2 Ｏ、Ｋ2
Ｏは、コークス品質、特に熱間反応後強度（以下、ＣＳ
Ｒと記す）に悪影響を及ぼす。すなわち、Ｎａ2 Ｏ、Ｋ
2 Ｏ量が増大すれば、ＣＳＲは低下する。
Ｏは、コークス品質、特に熱間反応後強度（以下、ＣＳ
Ｒと記す）に悪影響を及ぼす。すなわち、Ｎａ2 Ｏ、Ｋ
2 Ｏ量が増大すれば、ＣＳＲは低下する。
【００１７】本発明者らは、石炭中に含まれるＮａ2
Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質に及ぼす影響に対して、その
石炭中に含まれるＦｅ2 Ｏ 3、ＭｇＯ、ＣａＯ、ＳｉＯ
2、Ａｌ2 Ｏ3 等がどのような作用効果を有している
か、種々検討を行った。その結果、前記のように、Ｓｉ
Ｏ2 、およびＡｌ2 Ｏ3 の含有量を適切に調整すること
によってＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質に対する悪影
響を軽減することが可能であることを見いだした。すな
わち、複数種類の石炭を配合してコークスを製造するに
際し、配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量に応じ
て、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を適正に調整する
ことにより、コークス品質に対するＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏの
悪影響を軽減することができる。
Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質に及ぼす影響に対して、その
石炭中に含まれるＦｅ2 Ｏ 3、ＭｇＯ、ＣａＯ、ＳｉＯ
2、Ａｌ2 Ｏ3 等がどのような作用効果を有している
か、種々検討を行った。その結果、前記のように、Ｓｉ
Ｏ2 、およびＡｌ2 Ｏ3 の含有量を適切に調整すること
によってＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質に対する悪影
響を軽減することが可能であることを見いだした。すな
わち、複数種類の石炭を配合してコークスを製造するに
際し、配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量に応じ
て、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を適正に調整する
ことにより、コークス品質に対するＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏの
悪影響を軽減することができる。
【００１８】前記の（１）の発明は、配合炭中の（Ｎａ
2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量に応じて行う（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2
Ｏ3 ）含有量の調整を、あらかじめ求めてある配合炭中
の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ
3 ）含有量およびコークスの熱間反応後強度の関係に基
づき、石炭の配合割合を調整することにより行うコーク
スの製造方法である。
2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量に応じて行う（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2
Ｏ3 ）含有量の調整を、あらかじめ求めてある配合炭中
の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ
3 ）含有量およびコークスの熱間反応後強度の関係に基
づき、石炭の配合割合を調整することにより行うコーク
スの製造方法である。
【００１９】あらかじめ求めてある関係とは、例えば、
後述する実施例で得られた図１に示したような関係であ
る。しかし、このような図で表した関係に限定されず、
表で表されたもの、式で表されたもの等であってもよ
い。要は、コークスの熱間反応後強度（以下、ＣＳＲと
いう）に対する配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量
および（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量の影響が認識で
きるものであればよく、操業者が経験として有している
認識であってもよい。
後述する実施例で得られた図１に示したような関係であ
る。しかし、このような図で表した関係に限定されず、
表で表されたもの、式で表されたもの等であってもよ
い。要は、コークスの熱間反応後強度（以下、ＣＳＲと
いう）に対する配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量
および（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量の影響が認識で
きるものであればよく、操業者が経験として有している
認識であってもよい。
【００２０】前記（２）の発明は、上記（１）の発明に
おいて、あらかじめ求めてある関係を数式化し、しか
も、ＣＳＲが５５以上の高品質のコークスが得られるよ
うに、配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量と（Ｓｉ
Ｏ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量の関係を規定したコークスの
製造方法である。
おいて、あらかじめ求めてある関係を数式化し、しか
も、ＣＳＲが５５以上の高品質のコークスが得られるよ
うに、配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量と（Ｓｉ
Ｏ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量の関係を規定したコークスの
製造方法である。
【００２１】後述する実施例に示すように、乾留試験炉
を用い、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量に対する（Ｎ
ａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量が異なる種々の石炭（１種類の
石炭もしくは複数種類の石炭を配合した配合炭）につい
て調査した結果、石炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量
と（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量が下記式を満たす
場合、Ｎａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質への悪影響を軽
減し、ＣＳＲが５５以上の高品質のコークスを安定して
製造することができる。
を用い、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量に対する（Ｎ
ａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量が異なる種々の石炭（１種類の
石炭もしくは複数種類の石炭を配合した配合炭）につい
て調査した結果、石炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量
と（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量が下記式を満たす
場合、Ｎａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質への悪影響を軽
減し、ＣＳＲが５５以上の高品質のコークスを安定して
製造することができる。
【００２２】 ＣSiO2＋ＣAl2O3 ≦１／｛Ａ1 ＋Ａ2 （ＣNa2O＋ＣK2O ）｝・・・ ただし、Ａ1 ：定数で、０．０８０５ Ａ2 ：定数で、０．０７９５ ＣSiO2 ：配合炭中のＳｉＯ2 の含有量 ＣAl2O3 ：配合炭中のＡｌ2 Ｏ3 の含有量 ＣNa2O ：配合炭中のＮａ2 Ｏの含有量 ＣK2O ：配合炭中のＫ2 Ｏの含有量 であり、上記各成分の含有量の単位は、重量％（乾燥炭
ベース）である。
ベース）である。
【００２３】すなわち、複数種類の石炭を配合して冶金
用コークスを製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2
Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量と（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量
が上記式を満たすように、前記複数種類の石炭の配合
割合を調整した配合炭を原料として用いれば、ＣＳＲが
５５以上の高品質のコークスを得ることができる。
用コークスを製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2
Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量と（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量
が上記式を満たすように、前記複数種類の石炭の配合
割合を調整した配合炭を原料として用いれば、ＣＳＲが
５５以上の高品質のコークスを得ることができる。
【００２４】配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量に
応じて（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を調整すること
により、Ｎａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質への悪影響が
軽減される理由は明らかではないが、石炭中に含まれる
ＳｉＯ2 、Ａｌ2 Ｏ3 がその石炭の乾留によって製造さ
れるコークス中にあって、酸性成分としての挙動を示
し、Ｎａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏの塩基性を中和し、そのコークス
品質に対する悪影響を軽減するものと推察される。
応じて（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を調整すること
により、Ｎａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質への悪影響が
軽減される理由は明らかではないが、石炭中に含まれる
ＳｉＯ2 、Ａｌ2 Ｏ3 がその石炭の乾留によって製造さ
れるコークス中にあって、酸性成分としての挙動を示
し、Ｎａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏの塩基性を中和し、そのコークス
品質に対する悪影響を軽減するものと推察される。
【００２５】上記（１）および（２）の発明の方法によ
れば、石炭中に含まれるＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品
質への悪影響を軽減して、高品質のコークスを得ること
ができ、特に、（２）の方法によれば、ＣＳＲを５５以
上とすることができる。したがって、灰分、特に、Ｎａ
2 Ｏ、Ｋ2 Ｏの含有量の高い低品位炭を多量に使用する
ことが可能となる。
れば、石炭中に含まれるＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品
質への悪影響を軽減して、高品質のコークスを得ること
ができ、特に、（２）の方法によれば、ＣＳＲを５５以
上とすることができる。したがって、灰分、特に、Ｎａ
2 Ｏ、Ｋ2 Ｏの含有量の高い低品位炭を多量に使用する
ことが可能となる。
【００２６】これらの方法を実施するに際しては、原料
として使用する石炭の配合を調整するだけでよく、従来
技術で必要とされる脱炭造粒や浮遊選鉱による脱灰処理
を行う必要がないので、コークス製造コストが上昇する
こともない。
として使用する石炭の配合を調整するだけでよく、従来
技術で必要とされる脱炭造粒や浮遊選鉱による脱灰処理
を行う必要がないので、コークス製造コストが上昇する
こともない。
【００２７】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明する。
説明する。
【００２８】
（実施例１）（ＣNa2O＋ＣK2O ）／（ＣSiO2＋Ｃ
Al2O3 ）、すなわち、配合炭中のＳｉＯ2およびＡｌ2
Ｏ3 の合計含有量に対するＮａ2 ＯおよびＫ2 Ｏの合計
含有量の比が種々の値となるような石炭を用い、あるい
は複数種類の石炭を用いてその配合割合を変えた配合炭
を調製し、これらをそれぞれ原料として、１／４ｔ規模
（１回の装炭量が約３００ｋｇ）の乾留試験炉を用いて
コークスを製造し、得られたコークスのＣＳＲの測定を
行った。なお、装炭量は３４５ｋｇ（水分６％）、装入
炭嵩密度は７２０ｋｇ／ｍ3 で、平均乾留温度を１００
０℃、乾留時間を２４時間とした。
Al2O3 ）、すなわち、配合炭中のＳｉＯ2およびＡｌ2
Ｏ3 の合計含有量に対するＮａ2 ＯおよびＫ2 Ｏの合計
含有量の比が種々の値となるような石炭を用い、あるい
は複数種類の石炭を用いてその配合割合を変えた配合炭
を調製し、これらをそれぞれ原料として、１／４ｔ規模
（１回の装炭量が約３００ｋｇ）の乾留試験炉を用いて
コークスを製造し、得られたコークスのＣＳＲの測定を
行った。なお、装炭量は３４５ｋｇ（水分６％）、装入
炭嵩密度は７２０ｋｇ／ｍ3 で、平均乾留温度を１００
０℃、乾留時間を２４時間とした。
【００２９】ＣNa2O＋ＣK2O および１／（ＣSiO2＋Ｃ
Al2O3 ）を両軸にとり、これらとＣＳＲの関係をプロッ
トした結果を図１に示す。
Al2O3 ）を両軸にとり、これらとＣＳＲの関係をプロッ
トした結果を図１に示す。
【００３０】図中に示した、Ｙ＝０．０８０５＋０．０
７９５Ｘ と表示した直線は前記のＣNa2O＋ＣK2O をＸ
とおき、１／（ＣSiO2＋ＣAl2O3 ）をＹとおき、ＣＳＲ
の値が５５以上のものを高品質コークスと定義した場合
に、高品質コークスとそうでないコークスとの境界を示
す直線である。
７９５Ｘ と表示した直線は前記のＣNa2O＋ＣK2O をＸ
とおき、１／（ＣSiO2＋ＣAl2O3 ）をＹとおき、ＣＳＲ
の値が５５以上のものを高品質コークスと定義した場合
に、高品質コークスとそうでないコークスとの境界を示
す直線である。
【００３１】この図から、下記式を満たす範囲でＣＳ
Ｒが５５以上の高品質のコークスが得られることがわか
る。
Ｒが５５以上の高品質のコークスが得られることがわか
る。
【００３２】 Ｙ≧０．０８０５＋０．０７９５Ｘ ・・・ 式のＸおよびＹを、それぞれＣNa2O＋ＣK2O および１
／（ＣSiO2＋ＣAl2O3で置き換え、さらに、係数０．０
８０５および０．０７９５をそれぞれＡ1 およびＡ2 で
置き換え、変形すると、前記の式となる。すなわち、
前記式は、上記の乾留試験の結果に基づき定められた
規定である。
／（ＣSiO2＋ＣAl2O3で置き換え、さらに、係数０．０
８０５および０．０７９５をそれぞれＡ1 およびＡ2 で
置き換え、変形すると、前記の式となる。すなわち、
前記式は、上記の乾留試験の結果に基づき定められた
規定である。
【００３３】（実施例２）配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2
Ｏ）含有量に応じて（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を
本発明の方法で定める条件を満たすように調整した配合
炭を用いて得られたコークスと、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ
3 ）含有量の替わりに、Ｆｅ2 Ｏ3 の含有量、またはＭ
ｇＯとＣａＯの合計含有量を同じ値に調整した配合炭を
用いた場合（いずれも比較例）に得られたコークスにつ
いて、ＣＳＲの測定を行った。なお、用いた乾留試験炉
およびコークス製造条件は、実施例１の場合と同じとし
た。
Ｏ）含有量に応じて（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を
本発明の方法で定める条件を満たすように調整した配合
炭を用いて得られたコークスと、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ
3 ）含有量の替わりに、Ｆｅ2 Ｏ3 の含有量、またはＭ
ｇＯとＣａＯの合計含有量を同じ値に調整した配合炭を
用いた場合（いずれも比較例）に得られたコークスにつ
いて、ＣＳＲの測定を行った。なお、用いた乾留試験炉
およびコークス製造条件は、実施例１の場合と同じとし
た。
【００３４】結果を表１に示す。この結果から明らかな
ように、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量の替わりに、
Ｆｅ2 Ｏ3 の含有量、あるいは、ＭｇＯとＣａＯの合計
含有量を調整しても、コークス品質（ＣＳＲ）を向上さ
せることはできなかった。
ように、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量の替わりに、
Ｆｅ2 Ｏ3 の含有量、あるいは、ＭｇＯとＣａＯの合計
含有量を調整しても、コークス品質（ＣＳＲ）を向上さ
せることはできなかった。
【００３５】
【表１】
【００３６】
【発明の効果】本発明の方法によれば、石炭中に含まれ
るＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質への悪影響を軽減し
て、高品質のコークスを得ることができる。したがっ
て、灰分（特に、Ｎａ2 ＯやＫ2 Ｏ）の含有量の高い低
品位炭の含有量を高めることができ、コークス製造コス
トの低減を図ることが可能となる。
るＮａ2 Ｏ、Ｋ2 Ｏのコークス品質への悪影響を軽減し
て、高品質のコークスを得ることができる。したがっ
て、灰分（特に、Ｎａ2 ＯやＫ2 Ｏ）の含有量の高い低
品位炭の含有量を高めることができ、コークス製造コス
トの低減を図ることが可能となる。
【図１】配合炭中に含まれる（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有
量に応じて（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2Ｏ3 ）含有量のＣＳＲに
及ぼす影響を示す図である。
量に応じて（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2Ｏ3 ）含有量のＣＳＲに
及ぼす影響を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項１】複数種類の石炭を配合して冶金用コークス
を製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2
Ｏ）含有量に応じて、あらかじめ求めてある配合炭中の
（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2 Ｏ）含有量、（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ
3 ）含有量およびコークスの熱間反応後強度の関係に基
づき、前記複数種類の石炭の配合割合を調整することに
よって（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量を調整すること
を特徴とする冶金用コークスの製造方法。 - 【請求項２】複数種類の石炭を配合して冶金用コークス
を製造するに際し、その配合炭中の（Ｎａ2 Ｏ＋Ｋ2
Ｏ）含有量と（ＳｉＯ2 ＋Ａｌ2 Ｏ3 ）含有量が下記
式を満たすように、前記複数種類の石炭の配合割合を調
整することを特徴とする冶金用コークスの製造方法。 ＣSiO2＋ＣAl2O3 ≦１／｛Ａ1 ＋Ａ2 （ＣNa2O＋ＣK2O ）｝・・・ ただし、Ａ1 ：定数で、０．０８０５ Ａ2 ：定数で、０．０７９５ ＣSiO2 ：配合炭中のＳｉＯ2 の含有量 ＣAl2O3 ：配合炭中のＡｌ2 Ｏ3 の含有量 ＣNa2O ：配合炭中のＮａ2 Ｏの含有量 ＣK2O ：配合炭中のＫ2 Ｏの含有量 であり、上記各成分の含有量の単位は、重量％（乾燥炭
ベース）である。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28808496A JP3152159B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 冶金用コークスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28808496A JP3152159B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 冶金用コークスの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10130652A true JPH10130652A (ja) | 1998-05-19 |
| JP3152159B2 JP3152159B2 (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17725591
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28808496A Expired - Fee Related JP3152159B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 冶金用コークスの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3152159B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013001873A (ja) * | 2011-06-20 | 2013-01-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | コークスの製造方法 |
| CN113956896A (zh) * | 2020-07-20 | 2022-01-21 | 山西潞安煤基清洁能源有限责任公司 | 一种提高化工煤混配合格率的方法 |
| JPWO2023276523A1 (ja) * | 2021-06-28 | 2023-01-05 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| RU2530109C2 (ru) * | 2013-01-10 | 2014-10-10 | Общество С Ограниченной Ответственностью "Коралайна Инжиниринг" | Способ подготовки угля, в том числе высокосернистого, к коксованию |
| KR101730467B1 (ko) * | 2016-09-12 | 2017-05-12 | 민준오 | 친환경 잉크 절감형 그라비아 인쇄장치 및 그 운용방법 |
-
1996
- 1996-10-30 JP JP28808496A patent/JP3152159B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013001873A (ja) * | 2011-06-20 | 2013-01-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | コークスの製造方法 |
| CN113956896A (zh) * | 2020-07-20 | 2022-01-21 | 山西潞安煤基清洁能源有限责任公司 | 一种提高化工煤混配合格率的方法 |
| JPWO2023276523A1 (ja) * | 2021-06-28 | 2023-01-05 | ||
| WO2023276523A1 (ja) * | 2021-06-28 | 2023-01-05 | Ｊｆｅスチール株式会社 | コークスの反応後強度推定モデル生成方法、コークスの反応後強度推定方法及びコークスの製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3152159B2 (ja) | 2001-04-03 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4312745A (en) | Non-puffing petroleum coke | |
| GB2078775A (en) | Process for calcining and desulphurizing petroleum coke | |
| JPH10130652A (ja) | 冶金用コークスの製造方法 | |
| JPH05163491A (ja) | ニードルコークスの製造方法 | |
| JP2001262153A (ja) | 低硫黄濃度コークスの製造方法 | |
| JPH07157769A (ja) | 高炉用コークスの製造方法 | |
| CN111479935B (zh) | 铁水的精炼方法 | |
| CN113832290A (zh) | 一种低碳低硅含铝镇静钢精炼快速成渣的方法 | |
| US3996045A (en) | Method for producing high-grade ferro-nickel directly from nickeliferous oxide ores | |
| JP3950261B2 (ja) | 溶鋼の二次精錬方法 | |
| US1853406A (en) | Process for the production of phosphoric acid and calcium aluminate slag | |
| EP0745143B1 (de) | Mittel und seine verwendung zur behandlung von roheisen- und gusseisenschmelzen zum zweck der entschwefelung | |
| JP2006291190A (ja) | 強度増進特性に優れた粘結補填材と高強度コークスの製造方法 | |
| CN113337676B (zh) | 一种用于磷铁环深脱硫的改良剂 | |
| JPH04145193A (ja) | ニードルコークスの製造方法 | |
| KR20130097935A (ko) | 페로니켈 용선용 탈황제 및 이를 이용한 페로니켈 용선의 탈황처리 방법 | |
| JPH10121121A (ja) | 製鋼スラグの水浸膨張性の低減方法 | |
| US963345A (en) | Metallurgical process. | |
| JP2889093B2 (ja) | 高炉の溶銑成分制御方法 | |
| JPS60174951A (ja) | コ−クス強度の推定方法 | |
| US4144053A (en) | Processes for blast furnace operations | |
| KR100530046B1 (ko) | 고강도 야금용 코크스 제조방법 | |
| US1694800A (en) | Pitch-coking process and product | |
| JP2000026865A (ja) | 冶金用コークスの製造方法 | |
| DE69400730T2 (de) | Kontrolle der Kohlenstoff-Bilanz in einem Silizium-Schmelzofen mittels Calciumüberwachung |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |