JPH10129005A - インク供給チューブおよびその製造方法 - Google Patents

インク供給チューブおよびその製造方法

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JPH10129005A
JPH10129005A JP30112096A JP30112096A JPH10129005A JP H10129005 A JPH10129005 A JP H10129005A JP 30112096 A JP30112096 A JP 30112096A JP 30112096 A JP30112096 A JP 30112096A JP H10129005 A JPH10129005 A JP H10129005A
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supply tube
ink supply
layer
ink
group
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JP30112096A
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English (en)
Inventor
Takehiko Washimi
武彦 鷲見
Tetsuya Fukumoto
哲也 福本
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Kyoraku Co Ltd
Original Assignee
Kyoraku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体に柔軟性を有していて繰り返し折り曲げ
に対する耐久性、および酸素に対するバリヤ性が高く、
長期間チューブ内にインクが滞留した状態で保持したの
ちに再使用してもインクが変質することがないインク供
給チューブ、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 インク供給チューブ1は多層構成であ
る。インクが接する内層3と外気に接する外層2には、
カルボン酸基、カルボン酸金属塩基、酸無水物基、エス
テル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なく
とも1種の官能基にてポリオレフィンをグラフト変性し
た変性ポリオレフィンで、しかも常温時の曲げ弾性率が
800MPa以下でかつ0℃の曲げ弾性率が1000M
Pa以下の変性ポリオレフィンを配置する。中間層5に
は、エチレン含有量が25〜50モル%、けん化度96
%以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物を配置
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、印刷機、各種測
定機器や観測機器などに備えられるプリンタ部のインク
供給チューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のインク供給チューブは、
実公平7−19793号公報に記載されているものが知
られている。この従来のインク供給チューブは、内層が
耐アルカリ性の高いポリエチレン樹脂、外気に接する外
層がガスバリヤ性を有するポリアミド樹脂、中間層が接
着剤であるエチレン・酢酸ビニル共重合体で構成されて
いる。上記公報によれば、その径は内径が0.5mm〜
1.5mm、外径が1mm〜3mmであると記載されて
いる。
【0003】各種測定機器や観測機器などに備えられる
プリンタ部などのプリンタにおいては、インク供給チュ
ーブにインクが長時間滞留することがあり、この種のイ
ンクは酸素と反応すると変質する性質を有するので、プ
リンタのインク供給チューブは、外部からの酸素透過を
遮断するものであることが求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のイ
ンク供給チューブは、固定設置されているインクタンク
と繰り返し往復運動する印刷ヘッドとを連係するもので
あるから、繰り返し折り曲げに対する耐久性の高いもの
であることを要するが、前掲の実公平7−19793号
公報に記載されたインク供給チューブは、外層に低温で
特に剛性の高くなるポリアミド樹脂を配置しているの
で、冬場のような低温下(例えば5℃以下)において硬
直化して折り曲げた際に白化して塑性変形して『ささく
れ』を発生させるという欠点を有している。この種のイ
ンク供給チューブには、低温下においても所要の柔軟性
を保持するものであることが求められるのである。
【0005】そこで、逆に柔軟性をえるためにポリアミ
ド樹脂の中でも柔軟性の高いエラストマーに近いポリア
ミド樹脂を使用することも考えられるが、ポリアミド樹
脂は柔軟性が高くなるとバリヤ性が極端に低下するとい
う性質を有するので、インク供給チューブに必要なバリ
ヤ性がえられないのである。
【0006】一般にマヨネーズ容器等の食品分野で多用
されているブロー成形製絞出し容器の層構成に、外層か
ら内層に向かって、高圧法低密度ポリエチレン層/接着
剤層/エチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物層/接着
剤層/高圧法低密度ポリエチレン層の5層構成のものが
ある。この5層構成のブロー成形製絞出し容器は、5層
構成の管状体であるパリソンを押出し、金型内に挟んで
パリソン内に圧力流体を導入してパリソンを膨らませる
ことにより5層容器を形成するものである。このパリソ
ンの外径は、一般に20mm、小さくしたとしても15
mmである。この食品分野で多用されている5層構成を
インク供給チューブに転用することが考えられるが、こ
のように接着層を2層余分に構成することは、チューブ
を押し出すための押出機や装置をさらに増やし、樹脂流
路も3層のものに比べてさらに2層増やさなければなら
ず製造設備がコスト高となるばかりでなく、樹脂流路の
管理が繁雑になるなどの問題を有する。
【0007】殊に、インク供給チューブは、ブロー成形
のパリソンと異なり押出機により直接チューブを押出す
ものであるので、その外径が4mm以下と極めて小さ
く、押出機の口金の径は最終製品であるインク供給チュ
ーブの径に沿ったものとなり、その管理は極めて困難の
ものとなる。これを上記する5層構成のインク供給チュ
ーブに当てはめると、5層構成の接着層はたかだか数ミ
クロンの極薄の層となり、実質的に押出しを制御するこ
とは不可能であり、この意味からも5層構成のインク供
給チューブを押出すことは困難である。
【0008】なお、従来の食品分野の5層構成のうち接
着剤層を取り去った、高圧法低密度ポリエチレン層/エ
チレン・酢酸ビニル共重合体けん化物層/高圧法低密度
ポリエチレン層の3層構成とすると当然ながら層間で剥
離する。このように層間剥離が発生するとインク供給チ
ューブの端部から剥離した層間に空気が入り酸素がイン
ク供給チューブ内に容易に侵入することとなる。従っ
て、層間剥離が発生するとバリヤ性が極端に低下してイ
ンクが劣化することとなるのである。
【0009】そこで、この3層構成を保持したままで接
着性を発現させたいところであるが、この剥離防止に関
する考え方として、中間層に接着剤をブレンドするこ
と、内層と外層に接着剤をブレンドすること、の2つ
の方法が一般に考えられる。
【0010】しかし、中間層に接着剤をブレンドする
ものでは、接着剤をブレンドすればするほど接着性は向
上するが中間層本来の機能であるバリヤ性が逆に低下す
るので、接着剤をブレンドすればするほどバリヤ性が低
下してインクが変質する懸念があったし、内層と外層
に接着剤をブレンドする方法では、内層と外層はチュー
ブ全体の肉厚からすると肉厚の大半を占めるので、ブレ
ンドの比率は少なくても、ブレンドする全体の量は大き
くなるばかりでなく、接着性を有するためには接着剤の
ブレンドの比率も上げなくてはならず、益々絶対量とし
てのブレンド量が多くなり、内層と外層に接着剤をブレ
ンドする方法は、このようにコストの点で問題を有する
もので採用できるものではなかった。
【0011】また、接着性を有するだけの多くの量の接
着剤をブレンドすると、内層および外層を構成する樹脂
との相溶性が問題となり分離した接着剤が表面にブリー
ドしたりすることも懸念され、そのような認識が広く行
われていた結果、一般に内層および外層に接着剤をブレ
ンドするということは現実には行われていなかった。
【0012】本発明者らの知見によれば、接着剤のなか
でもカルボン酸基、カルボン酸金属塩基、酸無水物基、
エステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の官能基にてポリオレフィンを変性した変
性ポリオレフィンで、しかも常温時の曲げ弾性率が80
0MPa以下でかつ0℃の曲げ弾性率が1000MPa
以下の変性ポリオレフィンは、良好な接着性を有すると
ともに、インクのアルカリ性に対する耐性あるいはイン
クの中の水分に対するバリヤ性を有するので、中間層の
エチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物に水分が侵入す
ることを防止することができることが分かっている。
【0013】本発明者らの実験によると、カルボン酸
基、カルボン酸金属塩基、酸無水物基、エステル基およ
びエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
官能基にてポリオレフィンをグラフト変性した変性ポリ
オレフィンで、特にグラフト率をポリオレフィンに対し
て0.01〜5重量%とした変性ポリオレフィンは上記
するインク供給チューブに好適に作用することが判明し
た。グラフト率が0.01重量%未満であると、十分な
接着性が得られず、逆に5重量%を越えるとポリオレフ
ィン本来の特徴である水分のバリヤ性が低下して内部の
インクの中の水分により中間層のエチレン・酢酸ビニル
共重合体けん化物への水分の侵入が多くなりバリヤ性の
低下が大きくなることが分かった。
【0014】しかも、変性ポリオレフィンは、常温時の
曲げ弾性率が800MPa以下でかつ0℃の曲げ弾性率
が1000MPa以下とすることにより、冬場のような
低温下(例えば5℃以下)においても硬直化してしまう
ということがなく環境温度にとらわれることなく長期間
にわたり使用することができるものである。
【0015】さらに、本発明者らの実験によれば、内径
が1〜2.5mm、外径が2〜4mmの範囲であるイン
ク供給チューブを押出す際に、上記する3層構成の管状
体を押出機の口金の内径を最終製品の内径の範囲である
1〜2.5mmに近い内径とし、また押出機の口金の外
径を最終製品の外径の2倍以上である4〜10mmとし
て押出すとともに引取り機によって押出し速度以上の速
度で引取ることにより、上記するような内径が1〜2.
5mm、外径が2〜4mmの範囲の極めて径の小さいチ
ューブを各層の肉厚を厳密に制御して押出すことが可能
であることが判明した。
【0016】本発明のインク供給チューブは、以上の点
に鑑み、インクが接する内層と外気に接する外層には、
カルボン酸基、カルボン酸金属塩基、酸無水物基、エス
テル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なく
とも1種の官能基にてポリオレフィンをグラフト変性し
た変性ポリオレフィンで、しかも常温時の曲げ弾性率が
800MPa以下でかつ0℃の曲げ弾性率が1000M
Pa以下の変性ポリオレフィンを配置し、中間層にはエ
チレン含有量が25〜50モル%、けん化度96%以上
のエチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物を配置したの
でインクの変質を防止することができ、もってインクの
チューブ内の長期間の滞留による変質・劣化を防止する
ことができるものである。
【0017】また、本発明のインク供給チューブの製造
方法は、上記する3層構成の管状体を押出機の口金の内
径を所望のインク供給チューブの内径に近い内径とし押
出機の口金の外径を所望のインク供給チューブの外径の
2倍以上である4〜10mmとして押出すとともに引取
り機によって押出し速度以上の速度で引取ることによ
り、3層構成の各層の肉厚を厳密に制御することができ
るものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るインク供給チューブは、多層構成のイン
ク供給チューブであって、インクが接する内層と外気に
接する外層には、カルボン酸基、カルボン酸金属塩基、
酸無水物基、エステル基およびエポキシ基よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の官能基にてポリオレフィン
をグラフト変性した変性ポリオレフィンで、しかも常温
時の曲げ弾性率が800MPa以下でかつ0℃の曲げ弾
性率が1000MPa以下の変性ポリオレフィンを配置
し、中間層にはエチレン含有量が25〜50モル%、け
ん化度96%以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体けん
化物を配置したものである。
【0019】また、本発明の製造方法は、内径が1〜
2.5mm、外径が2〜4mmの範囲であるインク供給
チューブの製造方法において、インクが接する内層と外
気に接する外層に、カルボン酸基、カルボン酸金属塩
基、酸無水物基、エステル基およびエポキシ基よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の官能基にてポリオレフ
ィンをグラフト変性した変性ポリオレフィンで、しかも
常温時の曲げ弾性率が800MPa以下でかつ0℃の曲
げ弾性率が1000MPa以下の変性ポリオレフィンを
配置した3層構成の管状体を、押出機の口金の内径を所
望のインク供給チューブの内径に近い内径とし押出機の
口金の外径を所望のインク供給チューブの外径の2倍以
上である4〜10mmにて押出すとともに引取り機によ
り押出し速度以上の速度で引取るものである。
【0020】本発明の製造方法においては、所望のイン
ク供給チューブの外径に略同一の内径のダイ孔を有する
サイジング・ダイを通過させてから引取機により引取る
のが好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るインク供給
チューブの一実施例の形態を示す拡大断面図である。図
1において、1はインク供給チューブであり、インク供
給チューブ1は、外層2、内層3、中間層5の3層構造
をなしている。4はインク通路である。外層2、中間層
5、内層3の肉厚比率は、45:15:40である。な
お、外層2、内層3、中間層5の肉厚比はこれに限定さ
れるものではない。
【0022】インク供給チューブ1の外層2および内層
3は、カルボン酸基、カルボン酸金属塩基、酸無水物
基、エステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の官能基にてポリオレフィンをグラフ
ト変性した変性ポリオレフィンで、しかも常温時の曲げ
弾性率が800MPa以下でかつ0℃の曲げ弾性率が1
000MPa以下の変性ポリオレフィンを配置し、中間
層にはエチレン含有量が25〜50モル%、けん化度9
6%以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物を配
置したものである。
【0023】本発明において、内層および外層の変性ポ
リオレフィンとしては、カルボン酸基、カルボン酸金属
塩基、酸無水物基、エステル基およびエポキシ基よりな
る群から選ばれた少なくとも1種の官能基にてベース素
材となるポリオレフィンをグラフト変性したものであ
る。ここで、ベース素材となるポリオレフィンとは、エ
チレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、デ
セン等のα−オレフィンの単独重合体および共重合体を
使用したものであり、具体的には例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、
エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・4−メチル
ペンテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合
体、ポリブレン−1、α−オレフィンと少量のジオレフ
ィンあるいは不飽和カルボン酸エステル等との共重合
体、例えばエチレン・ブタジエン共重合体、プロピレン
・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体ならびにこれ
ら各種の単独重合体および共重合体から選ばれる2種以
上を組み合わせてなる組成物である。
【0024】そして、特にグラフト率をベースポリマー
のポリオレフィンに対して0.01〜5重量%とするこ
とにより接着性および水分バリヤ性がを共に備えた外層
および内層が得られるのである。
【0025】さらに好ましくは、ベース素材となる上記
ポリオレフィンのうちエチレンを主体とするエチレンの
単独重合体またはプロピレン、ブテン、ヘキセン、オク
テン、デセンなどの他のα−オレフィンを若干含む共重
合体を使用したものであり、具体的には例えば、ポリエ
チレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブ
テン−1共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1
共重合体、エチレンと少量のジオレフィンあるいは不飽
和カルボン酸エステル等との共重合体、例えばエチレン
・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体などからなる
組成物であるエチレン系共重合体であるとエチレン・酢
酸ビニル共重合体けん化物との接着性の点で特に好適で
ある。そして水分に対する遮蔽性を考慮するとベース素
材となるエチレン系共重合体の密度は0.910〜0.
945g/cm3が好ましく、さらに好ましくは0.9
25〜0.94g/cm3の比較的密度の大きいものが
好ましい。
【0026】なお、内層と外層に配置する変性ポリオレ
フィンには、上記する物性を損なわない範囲において、
他の樹脂、例えば変性ポリオレフィンとエチレン・酢酸
ビニル共重合体けん化物との混合体である再生樹脂など
をブレンドしてもよい。
【0027】中間層に配置するエチレン・酢酸ビニル共
重合体けん化物は、エチレン含有量が25〜50モル
%、けん化度96%以上であり、エチレン含有量が25
モル%未満では成形性、特に押出し性に劣り、逆に50
モル%を越えるとバリヤ性が低下する。このエチレン・
酢酸ビニル共重合体けん化物の具体的な例としては、日
本合成化学工業株式会社の「ソアノール」、株式会社ク
ラレの「エバール」などがある。
【0028】また、中間層に配置するエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体けん化物は、インク供給チューブが要求す
るバリヤ性の機能を満足するためには、その肉厚を全体
の肉厚の5〜30%とすることが必要である。エチレン
・酢酸ビニル共重合体けん化物は、ポリアミド樹脂のな
かでも特にバリヤ性の高いグレードと比べても数十倍の
バリヤ性を有するために高いバリヤ性が要求されるイン
ク供給チューブであるが全体の肉厚の5〜30%とする
ことによりクリヤすることができる。
【0029】本発明に係るインク供給チューブの製造方
法は、図2、図3に示すように内層および外層用に樹脂
を供給する押出機11と中間層用に樹脂を供給する押出
機12および両押出機11、12に連結された押出機の
口金13と引取機14より構成される。内層および外層
に樹脂を供する押出機11のホッパー15に常温時の曲
げ弾性率が800MPa以下でかつ0℃の曲げ弾性率が
1000MPa以下の変性ポリオレフィンを投入し、押
出機11で加熱混練して口金13に流入させ、同時に中
間層用に樹脂を供給する押出機12のホッパー16にエ
チレン含有量が25〜50モル%、けん化度96%以上
のエチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物を投入し同様
に押出機12で加熱混練して口金13に流入させ、口金
13で3層構成として溶着一体化して管状に押出す。こ
のとき口金13の樹脂出口の内径をインク供給チューブ
の内径に近い内径とし、外径をインク供給チューブの外
径の2倍以上である4〜10mmとして押し出す。口金
13より押出した管状体17は冷却用の水槽18内へ導
き水槽18内に配置したサイジング・ダイ19を通過さ
せ引取機14に至る。このとき、引取機14によって引
取る速度は可変とし、口金13より押出す管状体17の
押出し速度より大きい速度で引取るべく速度を設定す
る。サイジング・ダイ19は複数設置し、押出し方向に
対して上流ほどその径を若干大きくしてある。
【0030】
【実施例】表1に実施例1、2および比較例1を示す。
この実施例1、2および比較例1において、インク供給
チューブは、外径が2.5mm、内径が1.6mmであ
る。実施例1〜2および比較例1の肉厚比率は、外層:
中間層:内層の肉厚比率は、45:15:45であっ
た。
【0031】
【表1】
【0032】[実施例1] 内層、外層:密度0.94g/cm3、常温時の曲げ弾
性率600MPaであり、0℃の曲げ弾性率700MP
aの変性ポリエチレン「モディック、H−410C」
(三菱化学株式会社製)(以下、『変PE−1』とい
う)。
【0033】中間層:エチレン含有量32モル%のエチ
レン・酢酸ビニル共重合体けん化物「エバール、EP−
F101」(株式会社クラレ製)(以下、『EVOH』
という)。
【0034】[実施例2] 内層、外層:密度0.93g/cm3、常温時の曲げ弾
性率290MPaであり、0℃の曲げ弾性率520MP
aの変性ポリエチレン「モディック、L−400F」
(三菱化学株式会社製)(以下、『変PE−2』とい
う)。
【0035】中間層:EVOH
【0036】[比較例1] 内層:低密度ポリエチレン「スミカセン、F101−
1」(住友化学工業株式会社製)、密度0.921g/
cm3(以下、『LDPE』という)。
【0037】中間層:エチレン・酢酸ビニル共重合体
「エバテート、H2031」(住友化学工業株式会社
製)(以下、『EVA』という)。
【0038】外層:ポリアミド樹脂「CM−6041」
(東レ株式会社製)(以下、『PA』という)
【0039】製造に際しては、上記する樹脂をそれぞれ
押出機に投入し、外径10mm,内径4mmの口金より
3層構成の管状体を0.8m/分にて押出し、孔の外径
が3.0mm〜2.6mmの6個のサイジング・ダイを
通過させ、15m/分の引取り速度にて引取った。6個
のサイジング・ダイは管状体の流れ方向の上流から下流
に向けて徐々にその孔の外径を小さくし、最下流のサイ
ジング・ダイの孔の外径は2.6mmとした。
【0040】得られたインク供給チューブの耐折り曲げ
試験は、ヨシミツ科学製のMIT型耐折強さ試験機を使
用し、5℃の雰囲気内において、角度を135゜に毎分
135回のサイクルで50万回まで折り曲げる実験を
し、「ささくれ」が発生しなかったものを○、発生した
ものを×とした。
【0041】バリヤ性は、1mのインク供給チューブ内
に着色をしたインクを充填して両端を密封し、3ヶ月間
保持した後のインクの変化をみた。評価方法としては、
変化のないものを○、元の状態をなさないほど変化した
ものを×とした。
【0042】接着性は、インク供給チューブ内の端部を
ナイフにて切断し、そのときの端部の状態をみたが、実
施例1、2および比較例1とも端部に変化がみられなか
った。従って表1には○を示した。
【0043】表1より実施例によれば、折り曲げ性、バ
リヤ性、接着性ともに満足するものであることが分か
る。
【0044】
【発明の効果】本発明のインク供給チューブは、以上の
ように構成したので、」全体に柔軟性を有し、繰り返し
折り曲げに対する耐久性が高く、特に低温の折り曲げ時
にささくれが発生することがないという効果を有するだ
けでなく、接着力が高く変形時に剥離等を起こすことが
ないうえ、バリヤ性の維持を図ることができる。
【0045】また、本発明の製造方法にあっては、内径
が1〜2.5mm、外径が2〜4mmのような極めて径
の小さいインク供給チューブを正確な肉厚でしかも安定
して製造することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるインク供給チューブの
断面図である。
【図2】本発明の製造方法を説明する説明側面図であ
る。
【図3】本発明の製造方法を説明する説明平面図であ
る。
【符号の説明】
1 インク供給チューブ 2 外層 3 内層 4 インク通路 5 中間層 11 押出機 12 押出機 13 口金 14 引取機 15 ホッパー 16 ホッパー 17 管状体 18 水槽 19 サイジング・ダイ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層構成のインク供給チューブであっ
    て、インクが接する内層と外気に接する外層には、カル
    ボン酸基、カルボン酸金属塩基、酸無水物基、エステル
    基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも
    1種の官能基にてポリオレフィンをグラフト変性した変
    性ポリオレフィンで、しかも常温時の曲げ弾性率が80
    0MPa以下でかつ0℃の曲げ弾性率が1000MPa
    以下の変性ポリオレフィンを配置し、中間層にはエチレ
    ン含有量が25〜50モル%、けん化度96%以上のエ
    チレン・酢酸ビニル共重合体けん化物を配置したことを
    特徴とするインク供給チューブ。
  2. 【請求項2】 内径が1〜2.5mm、外径が2〜4m
    mの範囲であるインク供給チューブの製造方法におい
    て、インクが接する内層と外気に接する外層に、カルボ
    ン酸基、カルボン酸金属塩基、酸無水物基、エステル基
    およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の官能基にてポリオレフィンをグラフト変性した変性
    ポリオレフィンでしかも常温時の曲げ弾性率が800M
    Pa以下でかつ0℃の曲げ弾性率が1000MPa以下
    の変性ポリオレフィンを配置した3層構成の管状体を、
    押出機の口金の内径を所望のインク供給チューブの内径
    に近い内径とし押出機の口金の外径を所望のインク供給
    チューブの外径の2倍以上である4〜10mmにて押出
    すとともに引取り機により押出し速度以上の速度で引取
    ることを特徴とするインク供給チューブの製造方法。
  3. 【請求項3】 所望のインク供給チューブの外径に略同
    一の内径のダイ孔を有するサイジング・ダイを通過させ
    てから引取機により引取ることを特徴とする請求項2記
    載のインク供給チューブの製造方法。
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