JPH10128637A - マトリックス型工具マガジンの工具搬送方法及びマトリックス型工具マガジン - Google Patents

マトリックス型工具マガジンの工具搬送方法及びマトリックス型工具マガジン

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JPH10128637A
JPH10128637A JP30404896A JP30404896A JPH10128637A JP H10128637 A JPH10128637 A JP H10128637A JP 30404896 A JP30404896 A JP 30404896A JP 30404896 A JP30404896 A JP 30404896A JP H10128637 A JPH10128637 A JP H10128637A
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三貴男 竹内
Hiroyuki Shibai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作機械における工具交換に要する時間全体
を短縮して作業能率を向上させるために、工具マガジン
においても、工具搬送時間の短縮化が求められている。 【解決手段】 マトリックス型工具マガジンは、標準寸
法工具7,長寸法工具8を収納するための複数の工具ポ
ット12がマトリックス状に配列され、この工具ポット
12と工具マガジン側工具交換位置S3 の工具ポット1
2xとの間を工具搬送する。工具搬送すべき工具7,8
の被把持部を工具用ハンドで着脱自在に把持し、工具ポ
ットに収納された工具7,8の軸線方向に工具用ハンド
を進退移動させて、工具ポット12又は前記工具交換位
置S3 の工具ポット12xに対して工具7,8を着脱
し、工具搬送すべき工具7,8の後端部が、この工具
7,8の移動経路38,39,39aにある収納中の標
準寸法工具7の前端部より所定距離前方の前方位置に位
置するまで、工具搬送すべき工具7,8を前方に抜き出
した後、この前方に抜き出された工具7,8を、工具ポ
ット12の前方位置と前記工具交換位置S3 の前方位置
との間で移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械に設けら
れたマトリックス型工具マガジンの工具搬送方法及びマ
トリックス型工具マガジンに係り、特に、工具を工具マ
ガジン部の前方に抜き出して工具搬送するマトリックス
型工具マガジンにおける工具搬送方法と工具マガジンに
関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタ(以下、MCと記載)
など工作機械は自動工具交換装置(以下、ATCと記
載)を備えており、このATCにより、工作機械の主軸
と、複数の工具を貯蔵する工具マガジン又は中間保持手
段(中間ポット)との間で工具交換を行う。工具マガジ
ンには、工具の軸線方向寸法(以下、工具長と記載)が
所定寸法以下の標準的な寸法である工具(以下、標準寸
法工具と記載)をマトリックス状に配列して収納する構
成のマトリックス型工具マガジンがある。このマトリッ
クス型工具マガジンには、収納用の工具ポットと所定の
工具マガジン側工具交換位置にある工具ポットとの間を
工具搬送装置が移動して、工具を各工具ポットに対して
着脱することにより工具の搬送が行われるタイプのもの
がある。
【0003】ATCには、工具交換アーム(以下、交換
アームと記載)が工具を把持して、マトリックス型工具
マガジン(以下、工具マガジンと記載)と主軸との間,
又はこれらと中間の待機位置との間を揺動することによ
り、主軸と工具マガジンとの間で工具の移送を行うもの
がある。このタイプのATCでは、交換アームが待機位
置から主軸側工具交換位置へ揺動する動作と、主軸に対
する新旧工具の工具交換動作とを行って、主軸と交換ア
ームとの間で工具交換を行う。また、交換アームが、待
機位置から工具マガジン側の工具交換位置へ揺動する動
作と、工具マガジンに対する新旧工具の工具交換動作と
を行って、工具マガジンと交換アームとの間で工具交換
を行う。
【0004】特公平4−6492号公報及び特公平4−
8173号公報には、ツールラックをそれぞれ移動させ
てツールラック間隔を可変とする工具マガジンが開示さ
れている。特開昭63−57134号公報には、カセッ
トストッカから工具収納カセットを一列抜き出して、こ
の工具収納カセットを工具マガジン側工具交換位置に移
動させる工具マガジンが開示されている。
【0005】特開昭62−102941号公報には、工
具収納棚の工具ポットの軸線をトラバーサの移動方向に
対して所定の角度傾斜させる工具マガジンが開示されて
いる。特開平4−310341号公報には、工具を保持
するホルダの工具装着口が互いに反対方向に開口した工
具マガジンが開示されている。さらに、特開昭62−2
36643号公報にも、工具を工具マガジン部の前方に
抜き出して工具搬送する構成の工具マガジンが開示さ
れ、特公昭46−42837号公報には、工具を上方に
抜き出して工具搬送する構成の工具マガジンが開示され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年のNC
工作機械では、工具交換に要する時間全体を短縮して作
業能率を向上させるために、工具マガジンにおいても、
工具搬送時間の短縮化が求められている。しかも、前記
標準寸法工具の他に、標準寸法工具とは異なる寸法の工
具、例えば、標準寸法工具より工具長の長い工具(以
下、長寸法工具と記載)を使用しないと加工ができない
工作物がある。
【0007】このようなさまざまな種類の加工に対処す
るためには、NC工作機械の工具マガジンには標準寸法
工具の他に長寸法工具も収納しなければならない。しか
し、長寸法工具を基準にして工具マガジンを設計,製作
すると、工具マガジンが大型化してしまうという問題点
が生じる。
【0008】さらに、上述の各公報に記載の技術では、
工具を工具マガジン部の前方(又は上方)に抜き出し
て、収納用の工具ポットと工具マガジン側工具交換位置
の工具ポットとの間で工具搬送する場合に、工具搬送経
路を最短経路になるようにして工具を短時間で搬送する
ことができない。また、前記各公報には、標準寸法工具
と長寸法工具など工具軸線方向の寸法が異なる複数種類
の工具を収納するための構成も開示されていない。
【0009】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、工具を工具マガジン部の前方に抜き出す
構成のマトリックス型工具マガジンにおいて、工具搬送
すべき工具を、収納中の他の工具に干渉することなく短
時間で移動させて工具搬送することができるマトリック
ス型工具マガジンの工具搬送方法及びマトリックス型工
具マガジンを提供することを目的とする。また、本発明
の別の目的は、標準寸法工具の他、長寸法工具もマトリ
ックス型工具マガジンに収納可能にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係る工具搬送方法は、工具を収納するため
の複数の工具収納手段がマトリックス状に配列され、こ
の工具収納手段相互間,又は前記工具収納手段と所定の
工具交換位置の工具保持部との間,又は前記工具収納手
段と主軸の工具装着部との間を工具搬送する工作機械の
マトリックス型工具マガジンにおける工具搬送方法であ
って、工具搬送すべき前記工具の被把持部を工具用ハン
ドで着脱自在に把持し、前記工具収納手段に収納された
前記工具の軸線方向に前記工具用ハンドを進退移動させ
て、前記工具収納手段,前記工具保持部及び前記工具装
着部のいずれかに対して前記工具を着脱し、前記工具搬
送すべき工具の後端部が、この工具の移動経路にある収
納中の前記工具の前端部より所定距離前方の前方位置に
位置するまで、前記工具搬送すべき工具を前方に抜き出
した後、この前方に抜き出された工具を、前記工具収納
手段,前記工具保持部及び前記工具装着部のいずれかの
前方位置の間で移動させる。
【0011】なお、前方位置に移動した前記工具用ハン
ドを、前記工具収納手段相互間,前記工具収納手段と前
記工具交換位置の前記工具保持部との間,及び前記工具
収納手段と前記主軸の前記工具装着部との間で、最短経
路になるようにほぼ直線的に移動させるのが好ましい。
【0012】前記工具搬送方法を実現するためのマトリ
ックス型工具マガジンは、工具を収納するための複数の
工具収納手段がマトリックス状に配列された工具マガジ
ン部と、この工具マガジン部の前記工具収納手段に収納
された前記工具の軸線方向前方側に設けられ、前記工具
の被把持部を把持して、前記工具収納手段相互間,又は
前記工具収納手段と所定の工具交換位置の工具保持部と
の間,又は前記工具収納手段と主軸の工具装着部との間
を工具搬送する工具搬送装置とを備えている。
【0013】そして、前記工具搬送装置は、工具搬送す
べき前記工具の前記被把持部を着脱自在に把持する工具
用ハンドと、前記工具収納手段,前記所定の工具交換位
置の前記工具保持部,及び前記主軸の前記工具装着部の
いずれかに対して前記工具を着脱させるために、収納中
の前記工具の軸線方向に前記工具用ハンドを進退移動さ
せるとともに、前記工具搬送すべき工具の後端部が、こ
の工具の移動経路にある収納中の前記工具の前端部より
所定距離前方の前方位置に位置するまで、前記工具搬送
すべき工具を前方に抜き出し可能な進退移動手段と、こ
の進退移動手段で前記前方位置に抜き出された前記工具
を、前記工具収納手段,前記所定の工具交換位置の前記
工具保持部,及び前記工具装着部のいずれかの前方位置
の間で移動させる平面的移動手段とを備えている。
【0014】なお、前方に移動した前記工具用ハンド
を、前記各前方位置に移動させる時、最短経路になるよ
うにほぼ直線的に移動させるのが好ましい。
【0015】好ましい態様に係る本発明のマトリックス
型工具マガジンは、工具を収納するための複数の工具収
納手段がマトリックス状に配列され、この工具収納手段
相互間,又は前記工具収納手段と所定の工具交換位置の
工具保持部との間,又は前記工具収納手段と主軸の工具
装着部との間を工具搬送する工作機械のマトリックス型
工具マガジンであって、一列又は複数の列をなし工具軸
線方向寸法が所定寸法以下の工具を収納する第1の収納
部と、前記工具又は前記所定寸法以上の長寸法工具を収
納する一列の第2の収納部とに分けられた工具マガジン
部と、工具搬送する前記工具又は前記長寸法工具を着脱
自在に把持する工具把持部を有する工具用ハンドと、前
記工具マガジン部に設けられ、前記工具用ハンドを前記
工具マガジン部と平行な面内で移動させる平面的移動手
段と、この平面的移動手段の支柱部材に移動自在に設け
られ、前記工具用ハンドを前記第2の収納部側に突き出
すように支持するフレームと、このフレームに設けら
れ、前記工具マガジン部の前記工具収納手段に収納され
ている前記工具の軸線方向に前記工具用ハンドを進退移
動させるとともに、前方に移動したとき前記工具収納手
段に収納されている前記工具と工具搬送する前記工具又
は前記長寸法工具とが干渉しない前方位置に前記工具用
ハンドを移動させる進退移動手段とを有し、前記工具及
び前記長寸法工具のいずれかの工具を搬送する時に、前
記第2の収納部に収納されている長寸法工具に干渉する
ことなく移動可能にしている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
の一例を、図1乃至図5を参照しながら説明する。図1
及び図2はそれぞれ、本発明の一実施形態に係る工作機
械のマトリックス型工具マガジン(以下、工具マガジン
と記載)の正面図及び平面図、図3は工具マガジンに設
けられた工具搬送装置の拡大正面図、図4は図3に示す
工具搬送装置の平面断面図である。
【0017】図1及び図2に示すように、本実施形態は
工作機械として横形のMC(マシニングセンタ)の場合
を示しているが、立形のMC,ターニングセンタなど他
の種類の工作機械であってもよい。工作機械本体1の側
部には自動工具交換装置(以下、ATCと記載)2が設
置されており、工作機械本体1とATC2とにより、A
TCを備えたMC3を構成している。
【0018】工作機械本体1の側部には、工具を貯蔵す
る工具マガジン4が設けられ、ATC2は工具交換アー
ム(以下、交換アームと記載)5を備えている。ATC
2は、交換アーム5を介して、工作機械本体1の主軸6
と工具マガジン4との間で、主軸6に装着されるととも
に工具長が所定長さ以下の標準的な寸法である工具(以
下、標準寸法工具と記載)7と、工具長が前記所定長さ
より長い工具(以下、長寸法工具と記載)8の工具交換
を行う。
【0019】標準寸法工具7と長寸法工具8は、主軸6
の工具装着部に着脱自在に装着される同一形状のツール
シャンクを有している。MC3において使用される工具
のうち、通常は、標準寸法工具7のみで加工可能な工作
物が多いので、工具マガジン4には、多数の標準寸法工
具7が貯蔵されている。しかしながら、長寸法工具8を
使用しないと加工できない工作物の場合には、長寸法工
具8も工具マガジン4に貯蔵される。
【0020】工作機械本体1の主軸頭9には主軸6が回
転自在に支持されており、主軸6は、標準寸法工具7又
は長寸法工具8を着脱自在に装着して主軸駆動モータに
より回転駆動される。主軸6には、公知のボール式引っ
張り機構方式又はコレット式引っ張り機構方式等の工具
クランプ・アンクランプ機構が内蔵されている。この工
具クランプ・アンクランプ機構は、皿ばね,コイルばね
等ばね部材とアンクランプ用シリンダとにより、標準寸
法工具7又は長寸法工具8を、主軸前部の工具装着部に
クランプ・アンクランプする。主軸6に対向する位置に
は、工作物を取付けるためのテーブル10が工作機械本
体1に設けられており、主軸6に対してテーブル10が
少なくとも直交座標系の三軸方向に相対移動自在になっ
ている。
【0021】テーブル10,コラム及び主軸頭9等を、
NC装置(数値制御装置)に制御されるサーボモータと
ボールねじとによって駆動位置決め制御することによ
り、テーブル10上の工作物と、主軸6に装着された標
準寸法工具7又は長寸法工具8とを、相対的に移動させ
て工作物を切削加工する。かかる駆動位置決め機構はリ
ニアモータ等であってもよい。なお、主軸6の軸線方向
をZ軸とし、これに直交して直交座標系をなす各方向を
X軸,Y軸とし、−X軸方向(図2の下方)を工具マガ
ジン4の前方として説明する。
【0022】ATC2は、標準寸法工具7及び長寸法工
具8を着脱自在に把持するとともに、主軸6と工具マガ
ジン4に対して標準寸法工具7及び長寸法工具8の受け
渡しを行うツインアームタイプの交換アーム5と、交換
アーム5を旋回動作,進退移動動作させる駆動手段(図
示せず)と、主軸側の工具交換位置S1 ,待機位置S
2 ,及び工具マガジン4側の工具交換位置S3 に交換ア
ーム5を揺動させて位置決めする揺動手段(図示せず)
とを備えている。
【0023】工具マガジン4は、標準寸法工具7及び長
寸法工具8を収納するための複数の工具ポット12がマ
トリックス状に配列された工具マガジン部13と、工具
マガジン部13の工具ポット12に収納された標準寸法
工具7,長寸法工具8の軸線方向前方側に設けられた工
具搬送装置14とを備えている。工具マガジン部13
は、Y−Z軸平面と平行な面内にマガジンスタンド20
を有している。標準寸法工具7,長寸法工具8を収納す
るための、複数の工具ポット12,及び後述する工具ポ
ット12xは、マガジンスタンド20にマトリックス状
に縦横方向に配列して設けられている。
【0024】工具搬送装置14は、マガジンスタンド2
0上のマトリックスの交点即ち各工具ポット12,12
xの場所に自在に移動動作をする。工具搬送装置14
は、標準寸法工具7と長寸法工具8のツールシャンクの
被把持部(フランジのV溝部)15a,15bを把持
し、工具ポット12,12xから標準寸法工具7又は長
寸法工具8を前方に抜き出し、工具ポット12と、所定
の工具交換位置例えば工具マガジン側工具交換位置S3
の工具保持部である工具ポット12xとの間を移動し、
標準寸法工具7又は長寸法工具8を所望の位置に搬送し
て各工具ポット12,12xに対して着脱する。主軸6
の工具装着部に装着できるように、標準寸法工具7と長
寸法工具8の各ツールシャンクの形状と、被把持部15
a,15bの形状は、全部の工具でそれぞれ同一になっ
ている。
【0025】工具マガジン4側の工具交換位置S3 の下
方隣の交点が、工具交換をしない時に工具搬送装置14
が待機する移動原位置(以下、原位置と記載)S4 であ
る。工具マガジン4には、工具マガジン4に対する工具
の段取りを行う工具段取り位置S5 が、所定の場所(例
えば、図1の下方左側)に設定されている。工具マガジ
ン部13には、これらの位置S3 乃至S5 が一箇所ずつ
準備されている。工具搬送装置14は、収納用の一つの
工具ポット12に標準寸法工具7,長寸法工具8を装着
した後には、所望の標準寸法工具7,長寸法工具8が収
納されている他の工具ポット12の位置,工具マガジン
側工具交換位置S3 の工具ポット12xの位置,又は原
位置S4 に移動する。
【0026】図1の符号Bで示す場所(即ち、標準寸法
工具貯蔵部B)にある工具ポット12には標準寸法工具
7のみが収納可能になっている。この標準寸法工具貯蔵
部Bでは、工具ポット12が一列又は複数の列(本実施
形態では複数列)をなしている。符号Cで示す場所(即
ち、長寸法工具貯蔵可能部C)にある工具ポット12に
は、標準寸法工具7又は長寸法工具8が収納可能になっ
ている。このように、工具マガジン部13は、第1の収
納部である標準寸法工具貯蔵部Bと、第2の収納部であ
る長寸法工具貯蔵可能部Cとに分けられている。
【0027】長寸法工具8は、工具マガジン側工具交換
位置S3 の位置している側部(例えば、図1の右側部
R)とは反対側の工具マガジン部側部(例えば、図1の
左側部L)の近傍に位置する、一列の一つ又は複数の工
具ポット12に収納されている。このように、長寸法工
具貯蔵可能部Cは、工具搬送の際の工具搬送装置14の
出発位置及び到着位置である工具マガジン側工具交換位
置S3 とは最も離れた位置(即ち、工具マガジン側工具
交換位置S3 の位置している側部Rとは反対側の工具マ
ガジン部側部Lの近傍)に配置されている。これによ
り、標準寸法工具7,長寸法工具8の搬送経路の途中に
は、長寸法工具8は収納されないことになる。
【0028】図1乃至図4に示すように、工具搬送装置
14は、工具搬送すべき標準寸法工具7,長寸法工具8
の被把持部15a,15bを着脱自在に把持するととも
に標準寸法工具7,長寸法工具8の配列に対応する形状
を有する工具用ハンド30と、工具用ハンド30を移動
させる平面的移動手段31及び進退移動手段32とを備
えている。
【0029】進退移動手段32は、工具マガジン部13
にマトリックス状に配列された収納用の工具ポット12
及び工具マガジン側工具交換位置S3 の工具ポット12
xに対して標準寸法工具7,長寸法工具8を着脱させる
ために、工具用ハンド30を、工具ポット12に収納中
の前記工具と工具との間のスペースを通して、図1の紙
面と直交する方向である前後方向(X軸方向、即ち収納
中の標準寸法工具7,長寸法工具8の軸線方向)に進退
移動させる。
【0030】さらに、進退移動手段32は、工具搬送す
べき標準寸法工具7,長寸法工具8の後端部(即ち、プ
ルスタッドの先端部)36が、この標準寸法工具7,長
寸法工具8の移動経路にあり工具マガジン4に収納中の
工具(即ち、標準寸法工具7)の前端部37より所定距
離αだけ前方の前方位置に位置するまで、前記工具搬送
すべき標準寸法工具7,長寸法工具8を前方に抜き出し
可能になっている。即ち、工具搬送装置14は、標準寸
法工具7又は長寸法工具8を搬送する時には標準寸法工
具7上しか通過しないので、工具マガジン4の長寸法工
具貯蔵可能部Cに収納されている長寸法工具8に干渉す
ることなく自在に移動可能に構成されている。
【0031】平面的移動手段31は、前方に移動した工
具用ハンド30を、収納用の工具ポット12の前方位置
と工具マガジン側工具交換位置S3 の前方位置との間,
及び一つの工具ポット12の前方位置と他の工具ポット
12の前方位置との間などで、移動させる。例えば、平
面的移動手段31は、進退移動手段32により前方に抜
き出された工具搬送すべき標準寸法工具7,長寸法工具
8を把持している状態の工具用ハンド30を、工具ポッ
ト12の前方位置と工具マガジン側工具交換位置S3
前方位置との間で移動させる。平面的移動手段31によ
り移動する工具用ハンド30,標準寸法工具7,長寸法
工具8の移動経路は、Y−Z軸平面と平行な面内に形成
されることになる。
【0032】その結果、進退移動手段32により前方位
置に抜き出され保持された標準寸法工具7,長寸法工具
8は、工具マガジン4に収納中の標準寸法工具7に干渉
することなく、平面的移動手段31により、工具マガジ
ン部13の面と平行な面内を任意の方向に自在に移動す
る。進退移動手段32により前方位置に移動した工具用
ハンド30は、工具ポット12の前方位置と工具マガジ
ン側工具交換位置S3 の工具ポット12xの前方位置と
の間,及び一つの工具ポット12の前方位置と他の工具
ポット12の前方位置との間で、最短経路38,39,
39aになるようにほぼ直線的に移動する(矢印M1
2 ,M3 参照)。
【0033】次に、平面的移動手段31の構成について
説明する。工具マガジン4の上部及び下部には、それぞ
れ上部ガイド21及び下部ガイド22が、左右方向(Z
軸方向)を向き且つ互いに平行に配設されている。上
部,下部のガイド21,22には、縦方向(Y軸方向)
に立設されて工具搬送装置14を支持する支柱部材23
が案内支持されている。支柱部材23は、その下部に設
けられた水平移動用サーボモータ24に駆動されて、上
部,下部のガイド21,22に案内されながら、ラック
22a及びピニオン(図示せず)を介して左右方向即ち
Z軸方向に往復移動する。
【0034】工具搬送装置14は、支柱部材23にY軸
方向に向けて設けられたねじ部材25に係合している。
ねじ部材25は、支柱部材23の上部に設けられた昇降
用サーボモータ26により、ベルト27,プーリを介し
て正逆方向に回転する。支柱部材23には、ねじ部材2
5と平行な一対の昇降用ガイド28,28が縦方向(Y
軸方向)に設けられており、工具搬送装置14は、昇降
移動自在に昇降用ガイド28,28に係合案内されてい
る。
【0035】したがって、昇降用サーボモータ26がね
じ部材25を回転させると、工具搬送装置14は、昇降
用ガイド28に案内されながら上下方向に昇降移動す
る。なお、水平移動用サーボモータ24,昇降用サーボ
モータ26は、ステッピングモータ,リニアモータなど
他の駆動モータ(制御モータ)であってもよい。要する
に、マトリックス状の所定の工具授受位置に、工具用ハ
ンド30を位置決め・駆動できるものであればよい。
【0036】工具搬送装置14の本体40は昇降用ガイ
ド28に昇降自在に案内され、ねじ部材25にねじ込ま
れているナット(図示せず)が本体40に固定されてい
るので、本体40は、ねじ部材25の回転動作により昇
降移動する。工具搬送装置14が標準寸法工具7,長寸
法工具8を把持して工具マガジンの前面を工具搬送する
時には、工具搬送装置本体40,支柱部材23,ねじ部
材25等の全体が、工具マガジン部13の前面側を左右
方向に往復移動する。
【0037】この時、前方に突出している収納中の長寸
法工具8の工具前端部37aに干渉することを防止する
ために、工具搬送装置本体40,支柱部材23,ねじ部
材25等は、長寸法工具貯蔵可能部Cより遠い方の位置
(即ち、図1の右方向であり、工具マガジン部13の右
側部Rの方向側)に配置されている。したがって、進退
移動手段32により前方位置に抜き出された標準寸法工
具7,長寸法工具8は、工具搬送装置14に支持された
状態で、収納用の工具ポット12の前方位置と工具マガ
ジン側工具交換位置S3 の前方位置との間で、自在に移
動することになる。
【0038】次に、進退移動手段32の構成について説
明する。工具搬送装置14の本体40には、一対の水平
移動用ガイド41が前後方向を向いて平行に且つ上下に
並んで取付けられている。水平移動用ガイド41には、
本体40に対して前後方向に相対移動可能なフレーム4
2が、水平移動自在に係合案内されており、進退移動手
段32はこのフレーム42に設けられている。フレーム
42は、支柱部材23に移動自在に設けられ、工具用ハ
ンド32を長寸法工具貯蔵可能部C側に突き出すように
支持している。
【0039】工具搬送装置本体40には、第1の駆動手
段としての第1のシリンダ(流体圧シリンダ)43が前
後方向に向けて水平に取付けられている。フレーム42
は、水平移動用ガイド41に案内されながら、第1のシ
リンダ43に駆動されて所定のストロークで前後方向に
往復移動する。フレーム42のこの移動動作は、工具搬
送装置本体40に取付けられた近接スイッチ44と、フ
レーム42に取付けられたドッグ44aとにより検出さ
れる。
【0040】フレーム42には、工具用ハンド30をフ
レーム42に対して相対的に前後方向に往復移動させる
ための第2の駆動手段としての第2のシリンダ(流体圧
シリンダ)45が、前後方向に向けて水平に取付けられ
ている。第1,第2のシリンダ43,45は、圧縮空気
又は圧力油など圧力流体の供給により駆動される。フレ
ーム42には第1,第2の軸部材46,47が往復移動
自在に支持され、第1,第2の軸部材46,47は、前
後方向に向けて水平に且つ平行に設けられている。第
1,第2の軸部材46,47の後端部46a,47aに
は、工具用ハンド30が締結固定されている。
【0041】第1,第2の軸部材46,47は、フレー
ム42に取付けられた第1,第2の筒状部材46b,4
7b内に、ころがりガイド部材,オイレスメタル等のす
べりガイド部材等のガイド部材46c,47cを介して
嵌合して、軸線方向に移動自在に支持されている。第1
の軸部材46は、第2のシリンダ45に駆動されて前後
方向に往復移動可能になっている。したがって、第1の
軸部材46が第2のシリンダ45に駆動されると、第
1,第2の軸部材46,47及び工具用ハンド30が、
一体的に所定のストロークで前後方向に往復移動する。
この移動動作は、フレーム42に設けられた近接スイッ
チ48,49により検出される。
【0042】工具用ハンド30を前後方向に移動させる
場合、本実施形態の進退移動手段32においては、まず
第一段階として、第1のシリンダ43で、フレーム4
2,第1,第2の筒状部材46b,47b,第1,第2
の軸部材46,47,及び工具用ハンド30を全体的に
前後方向に移動させる。次いで第二段階として、第2の
シリンダ45で第1の軸部材46を動かして、工具用ハ
ンド30をフレーム42に対して相対的に前後方向に移
動させている。このような二段階の移動動作により、工
具用ハンド30は工具搬送装置本体40に対して前後方
向に移動することになる。
【0043】これにより、工具用ハンド30は、ストロ
ーク前端位置からストローク後端位置までの長いストロ
ークSで前後方向に往復移動するので、標準寸法工具7
及び長寸法工具8であっても工具搬送が可能である。な
お、標準寸法工具7,長寸法工具8の工具長が短い場合
には、ストロークSも短かくてもよいので、第1のシリ
ンダ43を省略して第2のシリンダ45のみの一段階の
往復動作をするようにしてもよい。
【0044】工具ポット12には、公知の工具保持手段
と、標準寸法工具7,長寸法工具8の回転方向を規制し
て位置決めする回転方向規制部材とが設けられている。
工具保持手段は、一つ又は複数(例えば、3個)のボー
ルを標準寸法工具7,長寸法工具8のプルスタッドに着
脱自在に係合させ、圧縮ばねのばね力によりボールを付
勢して標準寸法工具7,長寸法工具8を保持するように
構成されている。工具ポット12と工具保持手段によ
り、工具収納手段16が構成されている。
【0045】工具マガジン側工具交換位置S3 の工具ポ
ット12xも、工具ポット12と同一の構造を有してお
り、また、前記構成の工具保持手段と同一の工具保持手
段を備えている。なお、工具保持手段において、標準寸
法工具7,長寸法工具8のプルスタッドを板ばね,ゴム
など弾性部材の弾性力により着脱自在に把持するように
構成してもよい。また、工具ポットに収納された状態の
工具軸線を上下方向に対して傾斜させ、工具の自重で工
具ポットに収納されるものであってもよい。
【0046】次に、工具用ハンド30について説明す
る。図1乃至図4に示すように、工具用ハンド30が工
具ポット12に対して標準寸法工具7又は長寸法工具8
を着脱する時には、工具用ハンド30は、把持部中心O
1 がマトリックス状に並んだ収納中の工具と工具との間
のスペース内を、又は収納されている工具の工具中心上
を、前後方向即ち収納中の工具の軸線方向に進退移動す
ることになる。
【0047】工具用ハンド30のこの前後方向への進退
移動動作時と着脱動作時に、工具用ハンド30や第1,
第2の軸部材46,47等が、収納中の標準寸法工具
7,長寸法工具8と干渉することを防止する必要があ
る。そこで、工具用ハンド30の上面に形成されている
工具把持部34を、ほぼ半円状に形成している。
【0048】図3及び図4に示すように、工具把持部3
4は、標準寸法工具7,長寸法工具8の被把持部15
a,15bに着脱自在に係合して、標準寸法工具7,長
寸法工具8を把持するようになっている。工具用ハンド
30には、工具把持爪50が、矢印Eに示すように自在
に所定角度で揺動するように取付けられている。工具把
持爪50は、工具把持部34で把持した標準寸法工具
7,長寸法工具8が脱落しないように、標準寸法工具
7,長寸法工具8の被把持部15a,15bを係合離脱
自在に係止する。工具把持爪50に形成された係合部5
0a,50bは、工具把持爪50が標準寸法工具7,長
寸法工具8の被把持部15a,15bを把持した時に、
被把持部15a,15bに形成されたキー部(キー溝)
と係合して、標準寸法工具7,長寸法工具8の回転方向
の位置を規制して位置決めするためのものである。
【0049】工具把持爪50は、図示しない公知のロッ
ク・アンロック機構により、ロック,アンロックされ
る。即ち、標準寸法工具7,長寸法工具8が工具把持爪
50により把持された状態で工具用ハンド30が移動す
る時は、このロック・アンロック機構はロック状態にな
って標準寸法工具7,長寸法工具8が脱落しないように
する。ところが、工具用ハンド30が最も後方(即ち、
ストローク後端位置)に移動した位置、即ち、工具ポッ
ト12,12xに収納されている標準寸法工具7,長寸
法工具8の被係合部15a,15bと工具把持爪50と
が係脱する位置では、ロック・アンロック機構をアンロ
ック状態にする。
【0050】次に、工具マガジン4による自動工具搬送
方法について説明する。本実施形態に係る自動工具搬送
方法において、標準寸法工具7を工具搬送する時には、
工具用ハンド30により、標準寸法工具7の被把持部1
5aを把持し、長寸法工具8を工具搬送する時には、長
寸法工具8の被把持部15bを把持する。そして、工具
用ハンド30は、工具マガジン4の工具ポット12に収
納された工具と工具との間,又は把持部中心O1 と工具
中心とが一致した位置で、工具の軸線方向に進退移動す
る。また、X軸方向の前方に移動した工具用ハンド30
は、工具ポット12と工具マガジン側工具交換位置S3
の工具ポット12xとの間,及び一つの工具ポット12
と他の工具ポット12との間を移動して、各工具ポット
12,12xに対して、標準寸法工具7又は長寸法工具
8を着脱する。
【0051】即ち、工具搬送すべき標準寸法工具7,長
寸法工具8の後端部36が、この標準寸法工具7,長寸
法工具8の移動経路にあり工具マガジン4に収納中の工
具(即ち、標準寸法工具7)の前端部37より所定距離
αだけ前方の前方位置に位置するまで、標準寸法工具
7,長寸法工具8を前方に抜き出した後、この前方位置
に抜き出された標準寸法工具7,長寸法工具8を、収納
用の工具ポット12の前方位置と工具マガジン側工具交
換位置S3 の工具ポット12xの前方位置との間で、Y
−Z軸平面内を移動させるようにしている。
【0052】この場合に、前方に移動した工具用ハンド
30を、工具ポット12の前方位置と工具マガジン側工
具交換位置S3 の工具ポット12xの前方位置との間,
及び一つの工具ポット12の前方位置と他の工具用ポッ
ト12の前方位置との間で、最短経路38,39,39
aになるようにほぼ直線的に移動させるようにしている
ので(矢印M1 ,M2 ,M3 参照)、標準寸法工具7,
長寸法工具8の搬送時間と工具用ハンド30の移動時間
が最短になる。
【0053】次に、図1乃至図5を参照しながら、本実
施形態における工具搬送の具体的な手順を説明する。図
5は工具搬送の手順を示すフローチャートである。交換
アーム5は、待機位置S2 で待機している時は、MC3
の加工動作の邪魔にならないように、加工領域外(スプ
ラッシュガードの外方)で待機している。この状態で、
標準寸法工具7又は長寸法工具8が工具装着部に装着さ
れた主軸6を、主軸駆動モータにより回転駆動するとと
もに、テーブル10,コラム及び主軸頭9を、NC装置
に制御されるサーボモータとボールねじとによりX,
Y,Z軸方向に相対移動制御することにより、テーブル
10上の工作物を切削加工する。
【0054】この加工工程の後に次工具による加工があ
る場合には、工具マガジン4の工具マガジン側工具交換
位置S3 の工具ポット12xに、工具搬送装置14によ
り次加工用の工具を搬送し、ATC2によりこの次加工
用の工具に自動的に工具交換する必要がある。そこで、
図5に示すように、次加工用の所望の工具Tmn(例え
ば、長寸法工具8)を工具マガジン側工具交換位置S3
に呼び出して待機させるべく、NC装置から工具Tmn
の工具呼出し指令が出力される(ステップ101)。な
お、この場合の初期条件としては、交換アーム5が待機
位置S2 にあり、工具搬送装置14が原位置S4 にあ
り、工具用ハンド30がストローク前端位置に位置し、
また、交換アーム5の工具マガジン側把持部には標準寸
法工具7(旧工具)が把持されているものとする。
【0055】工具Tmnの工具番号「mn」は、工具マ
ガジン部13に収納された各工具の番号,又は各工具が
収納されている工具ポット12の番号であり、2桁乃至
4桁の数字で表されている。工具呼出し指令により指令
工具Tmnが要求されると、交換アーム5は工具マガジ
ン4側に揺動し、工具マガジン側工具交換位置S3 の工
具ポット12xに標準寸法工具7を返却する。こうして
工具マガジン側工具交換位置S3 の工具ポット12xに
返却されたこの工具7を、工具マガジン部13の収納用
の工具ポット12に返却収納する必要がある。交換アー
ム5は、工具返却後に待機位置S2 に戻って待機する。
【0056】この工具7の返却収納を行うためには、ま
ず初めに、工具搬送装置14が原位置S4 に位置してい
ることを確認する(ステップ102)。工具用ハンド3
0をストローク後端位置まで後退させたのち上方に移動
させ、工具マガジン側工具交換位置S3 の工具ポット1
2xに収納されている工具7の被把持部15aに工具把
持部34を係合させて、工具7を把持する。この時、ロ
ック・アンロック機構は、工具用把持爪50をアンロッ
ク状態にするので、工具用把持爪50は、工具7の被把
持部15aへの挿入時に揺動する(ステップ103)。
【0057】次に、工具7を把持した状態の工具用ハン
ド30を前進させれば、ロック・アンロック機構はロッ
ク状態になり、工具用把持爪50はロックされる。そし
て、工具用ハンド30を前方ストローク端まで前進させ
る。その後、水平移動用サーボモータ24及び昇降用サ
ーボモータ26を駆動して、工具7を返却すべき所定の
工具ポット12の中心と、返却する工具7の中心とが一
致状態となる前方中心位置に、工具用ハンド30を直線
的に最短経路38で移動させる。
【0058】次に、工具用ハンド30の把持部中心O1
を工具ポット12の中心にX軸方向前方位置で一致さ
せ、工具用ハンド30をストローク後端部まで後退させ
て、工具7を工具ポット12に返却する。この返却動作
時には、ロック・アンロック機構はアンロック状態にな
っている。工具用ハンド30を下降させて、工具把持部
34を工具7の被把持部15aより離脱させた後、工具
用ハンド30を前進させ、ストローク前端位置に移動さ
せる(ステップ104)。
【0059】次いで、工具用ハンド30を有する工具搬
送装置14を、収納中の指令工具Tmnの前方であっ
て、この指令工具Tmnの中心より把持部中心O1 が所
定量下方の位置である前方把持準備位置に、最短経路3
9になるようにほぼ直線的に移動させる。また、指令工
具Tmnの下方位置の標準寸法工具7又は長寸法工具8
と工具用ハンド30とが干渉しないような位置に、工具
用ハンド30が移動している(ステップ105)。な
お、前方把持準備位置と前方中心位置を総称して「前方
位置」と記載する。
【0060】次に、工具用ハンド30をストローク後端
位置まで後退させると、後端位置でロック・アンロック
機構がロック状態からアンロック状態になる。工具用ハ
ンド33を上方に移動させ、収納中の指令工具Tmn
(長寸法工具8)の被把持部15bに工具把持部34を
係合させて、この指令工具Tmnを把持する(ステップ
106)。そして、工具用ハンド30をストローク前端
位置まで前進させる。この前進移動動作で、ロック・ア
ンロック機構がロック状態になる(ステップ107)。
【0061】次いで、工具搬送装置14を、工具マガジ
ン側工具交換位置S3 の前方中心位置に、最短経路39
aになるようにほぼ直線的に移動させる。把持部中心O
1 とマガジン側工具交換位置S3 の工具ポット12xの
中心とをX軸方向前方位置で一致させて、工具用ハンド
30をストローク後端位置まで後退させれば、ロック・
アンロック機構はアンロック状態となる。これにより、
指令工具Tmn(ここでは、長寸法工具8)は、工具マ
ガジン側工具交換位置S3 の工具ポット12xに装着さ
れて待機する(ステップ108)。次に、工具搬送装置
14を下方に移動させて原位置S4 に戻す(ステップ1
09)。
【0062】最後に、待機位置S2 に待機している交換
アーム5が工具マガジン4側に揺動して、工具マガジン
側工具交換位置S3 に収納されている指令工具Tmn
(即ち、長寸法工具8)を把持する。その後、駆動手段
と揺動手段(図示せず)で、交換アーム5を工具マガジ
ン側工具交換位置S3 から待機位置S2 に揺動させるこ
とにより、工具呼出し指令の実行が終了する。こうし
て、指令工具Tmnが交換アーム5に把持されて待機位
置S2 に待機すれば、工具呼出し指令による動作が完了
する(ステップ110)。
【0063】次に、工具交換指令M06が出力される
と、待機位置S2 に待機している交換アーム5を主軸側
工具交換位置S1 に揺動させる。その後、交換アーム5
に把持された新工具(指令工具Tmn)と、主軸6に装
着されている旧工具との工具交換が、主軸側工具交換位
置S1 で実行される。
【0064】上述のように、本実施形態では、標準寸法
工具7と長寸法工具8とを工具マガジン4の工具ポット
12に収納し、この標準寸法工具7,長寸法工具8を前
方に抜き出して工具搬送するタイプの工具マガジン4に
おいて、工具搬送すべき標準寸法工具7,長寸法工具8
の後端部36が、この標準寸法工具7,長寸法工具8の
移動経路にある工具ポット12に収納された標準寸法工
具7の前端部37より所定距離αだけ前方の前方位置に
位置するまで、標準寸法工具7,長寸法工具8を前方に
抜き出した後、この前方に抜き出された標準寸法工具
7,長寸法工具8を、工具ポット12の前方位置と工具
マガジン側工具交換位置S3 の前方位置との間で、Y−
Z軸平面内を移動させるようにした。
【0065】その結果、進退移動手段32により前方位
置に抜き出された標準寸法工具7,長寸法工具8は、移
動経路にある標準寸法工具7に干渉することなく、平面
的移動手段31によりY−Z軸平面内を任意の方向に自
在に移動できることになる。また、工具マガジン部13
の前方に移動した工具用ハンド30は、工具ポット12
の前方位置と工具マガジン側工具交換位置S3 の工具ポ
ット12xの前方位置との間,及び一つの工具用ポット
12の前方位置と他の工具用ポット12の前方位置との
間で、最短経路38,39,39aになるようにほぼ直
線的に移動できる。これにより、工具用ハンド30の移
動距離が最短になり、工具搬送に要する全体の時間を短
縮することができる。
【0066】本発明では、標準寸法工具7と長寸法工具
8など工具軸線方向寸法の異なる種類の工具を、工具マ
ガジン4の工具ポット12に収納できるので、工具マガ
ジン4に貯蔵可能な工具長の制限が緩和される。また、
工具マガジン部13の前方が解放しているので、工具搬
送装置14を設置するためのスペース的な制約がなく、
収納する長寸法工具8の長さにも制限が少ない。
【0067】なお、工具搬送装置は、工具収納手段を構
成する各工具ポットと工具マガジン側工具交換位置の工
具ポット(工具保持部)との間で工具を搬送している
が、工具収納手段と所定の工具交換位置の工具保持部と
の間を工具搬送するその他の例としては、各工具ポット
と中間搬送部材(工具保持部)との間で工具を搬送する
場合でもよく、各工具ポットと主軸の工具装着部との間
で工具を直接搬送する場合であってもよい。特に、工具
マガジンと主軸とが同一平面にある場合や、平行な平面
にある場合等には、収納用の工具ポットと主軸の工具装
着部との間で工具を直接搬送する方法は有効である。
【0068】さらに、工具はJISB6339で規定さ
れているツールシャンクとプルスタッドを有するものを
示したが、HSK(ホローツールシャンク)タイプの工
具であってもよい。なお、各図中同一符号は同一又は相
当部分を示す。
【0069】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、工
具を工具マガジン部の前方に抜き出す構成のマトリック
ス型工具マガジンにおいて、工具搬送すべき工具を、収
納中の他の工具に干渉することなく短時間で移動させて
工具搬送することができる。また、標準寸法工具の他、
工具長の長い長寸法工具もマトリックス型工具マガジン
の工具ポットに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図5は本発明の実施形態の一例を示す
図で、図1は工作機械のマトリックス型工具マガジンの
正面図である。
【図2】図1のマトリックス型工具マガジンの平面図で
ある。
【図3】前記マトリックス型工具マガジンの工具搬送装
置の拡大正面図である。
【図4】図3に示す工具搬送装置の平面断面図である。
【図5】本実施形態における自動工具搬送の手順を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
3 マシニングセンタ(工作機械) 4 マトリックス型工具マガジン 6 主軸 7 標準寸法工具(工具) 8 長寸法工具(工具) 12x 工具ポット(工具保持部) 13 工具マガジン部 14 工具搬送装置 15a 標準寸法工具の被把持部(工具の被把持部) 15b 長寸法工具の被把持部(工具の被把持部) 16 工具収納手段 23 支柱部材 30 工具用ハンド 31 平面的移動手段 32 進退移動手段 34 工具把持部 36 工具後端部 37 標準寸法工具の前端部(収納中の工具の前端
部) 38,39,39a 最短経路 42 フレーム B 標準寸法工具貯蔵部(第1の収納部) C 長寸法工具貯蔵可能部(第2の収納部) S3 工具マガジン側の工具交換位置(所定の工具交
換位置) α 所定距離

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具を収納するための複数の工具収納手
    段がマトリックス状に配列され、この工具収納手段相互
    間,又は前記工具収納手段と所定の工具交換位置の工具
    保持部との間,又は前記工具収納手段と主軸の工具装着
    部との間を工具搬送する工作機械のマトリックス型工具
    マガジンにおける工具搬送方法であって、 工具搬送すべき前記工具の被把持部を工具用ハンドで着
    脱自在に把持し、 前記工具収納手段に収納された前記工具の軸線方向に前
    記工具用ハンドを進退移動させて、前記工具収納手段,
    前記工具保持部及び前記工具装着部のいずれかに対して
    前記工具を着脱し、 前記工具搬送すべき工具の後端部が、この工具の移動経
    路にある収納中の前記工具の前端部より所定距離前方の
    前方位置に位置するまで、前記工具搬送すべき工具を前
    方に抜き出した後、 この前方に抜き出された工具を、前記工具収納手段,前
    記工具保持部及び前記工具装着部のいずれかの前方位置
    の間で移動させることを特徴とするマトリックス型工具
    マガジンの工具搬送方法。
  2. 【請求項2】 前方位置に移動した前記工具用ハンド
    を、前記工具収納手段相互間,前記工具収納手段と前記
    工具交換位置の前記工具保持部との間,及び前記工具収
    納手段と前記主軸の前記工具装着部との間で、最短経路
    になるようにほぼ直線的に移動させることを特徴とする
    請求項1に記載のマトリックス型工具マガジンの工具搬
    送方法。
  3. 【請求項3】 工具を収納するための複数の工具収納手
    段がマトリックス状に配列された工具マガジン部と、 この工具マガジン部の前記工具収納手段に収納された前
    記工具の軸線方向前方側に設けられ、前記工具の被把持
    部を把持して、前記工具収納手段相互間,又は前記工具
    収納手段と所定の工具交換位置の工具保持部との間,又
    は前記工具収納手段と主軸の工具装着部との間を工具搬
    送する工具搬送装置とを備えた工作機械のマトリックス
    型工具マガジンであって、 前記工具搬送装置は、 工具搬送すべき前記工具の前記被把持部を着脱自在に把
    持する工具用ハンドと、 前記工具収納手段,前記所定の工具交換位置の前記工具
    保持部,及び前記主軸の前記工具装着部のいずれかに対
    して前記工具を着脱させるために、収納中の前記工具の
    軸線方向に前記工具用ハンドを進退移動させるととも
    に、前記工具搬送すべき工具の後端部が、この工具の移
    動経路にある収納中の前記工具の前端部より所定距離前
    方の前方位置に位置するまで、前記工具搬送すべき工具
    を前方に抜き出し可能な進退移動手段と、 この進退移動手段で前記前方位置に抜き出された前記工
    具を、前記工具収納手段,前記所定の工具交換位置の前
    記工具保持部,及び前記工具装着部のいずれかの前方位
    置の間で移動させる平面的移動手段とを備えたことを特
    徴とするマトリックス型工具マガジン。
  4. 【請求項4】 前方に移動した前記工具用ハンドを、前
    記各前方位置に移動させる時、最短経路になるようにほ
    ぼ直線的に移動させることを特徴とする請求項3に記載
    のマトリックス型工具マガジン。
  5. 【請求項5】 工具を収納するための複数の工具収納手
    段がマトリックス状に配列され、この工具収納手段相互
    間,又は前記工具収納手段と所定の工具交換位置の工具
    保持部との間,又は前記工具収納手段と主軸の工具装着
    部との間を工具搬送する工作機械のマトリックス型工具
    マガジンであって、 一列又は複数の列をなし工具軸線方向寸法が所定寸法以
    下の工具を収納する第1の収納部と、前記工具又は前記
    所定寸法以上の長寸法工具を収納する一列の第2の収納
    部とに分けられた工具マガジン部と、 工具搬送する前記工具又は前記長寸法工具を着脱自在に
    把持する工具把持部を有する工具用ハンドと、 前記工具マガジン部に設けられ、前記工具用ハンドを前
    記工具マガジン部と平行な面内で移動させる平面的移動
    手段と、 この平面的移動手段の支柱部材に移動自在に設けられ、
    前記工具用ハンドを前記第2の収納部側に突き出すよう
    に支持するフレームと、 このフレームに設けられ、前記工具マガジン部の前記工
    具収納手段に収納されている前記工具の軸線方向に前記
    工具用ハンドを進退移動させるとともに、前方に移動し
    たとき前記工具収納手段に収納されている前記工具と工
    具搬送する前記工具又は前記長寸法工具とが干渉しない
    前方位置に前記工具用ハンドを移動させる進退移動手段
    とを有し、 前記工具及び前記長寸法工具のいずれかの工具を搬送す
    る時に、前記第2の収納部に収納されている長寸法工具
    に干渉することなく移動可能にしたことを特徴とするマ
    トリックス型工具マガジン。
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