JPH10127653A - 超音波処置装置 - Google Patents

超音波処置装置

Info

Publication number
JPH10127653A
JPH10127653A JP8290062A JP29006296A JPH10127653A JP H10127653 A JPH10127653 A JP H10127653A JP 8290062 A JP8290062 A JP 8290062A JP 29006296 A JP29006296 A JP 29006296A JP H10127653 A JPH10127653 A JP H10127653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
transmission member
ultrasonic transmission
contact
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8290062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3704407B2 (ja
Inventor
Manabu Ishikawa
学 石川
Taro Miyazawa
太郎 宮澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP29006296A priority Critical patent/JP3704407B2/ja
Publication of JPH10127653A publication Critical patent/JPH10127653A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3704407B2 publication Critical patent/JP3704407B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、カバーの先端付近と超音波伝達部材
の先端付近との接触を防ぎ、カバーの損傷による削りカ
スの発生を防止するとともに、超音波エネルギーの損失
を防止し、更には超音波伝達部材の共振を妨げない超音
波処置装置を提供することにある。 【解決手段】本発明は、超音波振動を利用して生体を処
置する超音波伝達部材8と、この超音波伝達部材8を覆
うカバー9とを備えた超音波処置装置において、前記超
音波伝達部材8とこれを覆うカバー9との接触を遮断す
る接触防止部材21を設け、この接触防止部材21は前
記超音波伝達部材8における超音波振動の節部となる1
つ以上の部位でその超音波伝達部材8に支持され、少な
くとも前記支持部位から前記カバー9の先端付近まで先
端が伸長したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波振動を利用
して処置を行う超音波処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、超音波処置装置は超音波振動子
とホーンと超音波伝達部材が一体的に連結して構成さ
れ、超音波振動子で発生した超音波振動をホーンで増幅
し、超音波伝達部材に伝達するようになっている。この
種の超音波処置装置は、超音波メス、歯石を取るための
歯科用超音波スケーラー、超音波吸引器などに広く用い
られているところである。
【0003】ところで、超音波伝達部材を支持するため
に、図16で示すように、超音波伝達部材aの節部にO
リングなどの弾性部材bを取り付け、超音波伝達部材a
を挿通したカバーcの内面との間に弾性部材bを介在さ
せ、超音波伝達部材aを支持するようにした例が多い。
例えば、特開平7−51281号公報に記載された超音
波処置装置もその一例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように超音波
伝達部材の節部に弾性部材を取り付け、その弾性部材を
介して、前記超音波伝達部材をカバーの内面に支持させ
るようにした従来の支持手段は、超音波振幅が最小であ
る節部に弾性部材を取り付けることによって、超音波伝
達部材とカバーとの間の接触を防止し、或いは超音波振
動のエネルギーの無駄な消費を極力防ぐようにしたもの
である。
【0005】しかしながら、この支持構造では超音波伝
達部材の先端部が、すなわち超音波振動の腹部近傍が、
超音波伝達部材の節部から遠く離れてしまう。従って、
実際に、この支持構造のもので超音波処置を行うと、超
音波伝達部材の節部でOリングによってカバーとの接触
を絶縁したとしてもその超音波伝達部材の先端側部分で
は容易に中心軸からずれて動くため、処置中、超音波伝
達部材に負荷がかかると、超音波伝達部材の先端はカバ
ーの先端と接触してしまう。このような接触は、カバー
の先端、及び超音波伝達部材の先端の破損、或いは削れ
を生じ、その破損片または削り滓が生体内に落ちるとい
う不都合な状況を生じさせる。また、その両者同志の摩
擦により大きな摩擦音を発生してしまったり、或いは振
動が術者に伝わり、手術の妨げとなっていた。更に、カ
バーと超音波伝達部材の接触により、超音波振動エネル
ギーを無駄に消費してしまい、超音波伝達部材の先端処
置部でのエネルギーが不足してしまうことも起こる。ま
た、カバーと超音波伝達部材の接触時には超音波の共振
現象を妨げるため、超音波伝達部材は共振できにくくな
り、共振が停止して手術ができなくなることも起こり得
た。
【0006】一方、カバーの内周面に、セラミックやい
わゆるテフロンの部材を接着、或いは何らかの方法で永
久固定し、超音波伝達部材とカバー自身の直接的な接触
を防止しているものもある。しかし、この手段は超音波
振幅が最小である節部で、カバーとの接触を抑えること
なく、超音波振幅が最大である振動の腹部近傍を前記セ
ラミック、テフロンなどで抑える方式の構造である。こ
の構造では超音波伝達部材の先端での中心軸からのズレ
が、節の部分でOリングによりカバーの内面に支持する
ようにした上記方式のものより更に大きくなってしま
い、容易にカバーの先端付近に超音波伝達部材が接触し
てしまう。また、接触する超音波伝達部材の先端部分
が、超音波振幅の腹部の近傍に位置するものであるた
め、その振幅量が大きく、一度、接触すると、カバーの
先端部材に与えるダメージも大きく、損傷も大きくなり
易かった。また、この構造によると、超音波伝達部材と
カバー先端が接触した際に生じる損傷は、カバー先端の
セラミックあるいはいわゆるテフロンのみである。しか
しながら、この場合でも、セラミックあるいはいわゆる
テフロンの部材は、カバーとの接着、或いは永久的に固
定されているため、それを含めてカバー自身と共に取り
替えなければならなかった。従って、このような構造は
コスト的にも問題があった。
【0007】本発明は前記課題に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、カバーの先端付近と超音
波伝達部材の先端付近との接触を防ぎ、カバーの損傷に
よる削りカスの発生を防止するとともに、超音波エネル
ギーの損失を防止し、更には超音波伝達部材の共振を妨
げない超音波処置装置を提供することにある。更に、従
来技術のカバー先端のみの損傷により、カバー自身を替
えなければならないという問題点を解消し、超音波伝達
部材との接触を防止する部材を取り替えることにより、
継続してそのカバーは使用できるようにすることを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、超音波振動を
利用して生体を処置する超音波伝達部材と、この超音波
伝達部材を覆うカバーとを備えた超音波処置装置におい
て、前記超音波伝達部材とこれを覆うカバーとの接触を
遮断する接触防止部材を設け、この接触防止部材は前記
超音波伝達部材における超音波振動の節部となる1つ以
上の部位でその超音波伝達部材に支持され、少なくとも
前記支持部位から前記カバーの先端付近まで先端が伸長
したことを特徴とする。超音波伝達部材とカバーとの接
触を防止する接触防止部材を、他端側は振動のない節部
に固定し、もう片方の他端は大きく振動している超音波
伝達部材先端付近を覆うことにより、カバーの先端付近
と超音波伝達部材の先端付近との接触を防止する。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1乃至図5を参照して本発明の第1
実施形態を説明する。図1は超音波処置装置の概念的な
構成を示しており、このシステムにはハンドピース1
と、ハンドピース1にコード2を介して接続される超音
波発振装置3と、超音波発振装置3の出力を制御する出
力制御機器4を備えてなる。ハンドピース1は図2でも
示すように、超音波振動子5を内蔵した把持本体6と、
超音波振動子5にホーン7を介して連結された直線棒状
の超音波伝達部材8と、把持本体6に取着され、超音波
伝達部材8を覆うシース状のカバー(外套管)9から構
成されている。そして、図3で示す超音波振動子5とホ
ーン7と超音波伝達部材8は全体として超音波振動系を
構成している。
【0010】前記超音波振動子5は積層した複数の圧電
素子11と、これらの圧電素子11の間にそれぞれ配置
された電極12とからなり、これらをホーン7と金属製
後部材13との間で締め付けて構成される。ホーン7は
超音波振動子5で発生した超音波振動の振幅を拡大する
機能を有する。このホーン7の先端には超音波伝達部材
8がネジ部14を利用して螺着することにより直線的に
連結されている。
【0011】図4は、超音波振動子5からホーン7を介
して超音波伝達部材8に超音波振動が伝えられたとき、
その超音波伝達部材8においての定常振動の様子を、応
力と振幅によって表したものである。一般的には、超音
波伝達部材8の先端は振動の腹となり、その先端で振幅
が最大となり、その応力は最小となる。また、ホーン7
と超音波伝達部材8の接合部も振動の腹となり、その応
力は最小であるが、振幅は最大となる。一方、その腹と
腹の間に節がある。節部の応力は最大であるが、振幅は
最小となる。この関係は超音波振動の基準モード、或い
は高調波振動モードにおいても同様であり、更に周波数
帯も高周波であれば同様である。
【0012】従って、仮に腹の部分にOリングなどの支
持部材を設けたとすると、そこでは振幅が大きいため
に、その支持部材の内周面と超音波伝達部材の外周面と
で激しい摩擦を生じてしまう。そこで、一般的には、こ
の節部の近傍にOリングのような弾性部材を設け、これ
をカバー9との接触防止に使用するが、前述したように
超音波伝達部材の先端側部分では容易に中心軸からずれ
て動くため、処置中、超音波伝達部材に負荷がかかる
と、超音波伝達部材の先端はカバーの先端付近と接触し
てしまう。このような接触は、カバーの先端、及び超音
波伝達部材の先端の破損、或いは削れを生じ、その破損
片または削り滓が生体内に落ちる等の種々の不都合な状
況を生じさせる。そこで、この第1実施形態では図5で
示すように、超音波伝達部材8とそのカバー9との接触
を防止させるための絶縁部材として接触防止部材21を
設け、この接触防止部材21を超音波伝達部材8に取り
付けるようにしている。すなわち、接触防止部材21
は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等
の耐摩耗性及び耐熱性のある材料によって筒状に形成さ
れており、カバー9の内側と超音波伝達部材8の外周と
の間に位置して配置されている。接触防止部材21の基
端には、その内側に突き出すフランジ状の突起部22が
一体に形成されている。突起部22は、超音波伝達部材
8の外周面部にその振動の節部に位置して形成した周回
溝からなる窪み23に嵌り込んで係止し、接触防止部材
(接触絶縁部材)21を保持する。つまり、接触防止部
材21が超音波伝達部材8に取り付けられる位置は超音
波伝達部材8の振動の節部である。また、超音波伝達部
材8に接触防止部材21を支持するので、接触防止部材
21が脱落しにくくなり、安全性はより高まる。
【0013】超音波伝達部材8の節部では振動がほとん
どないが、第1実施形態の構造では接触防止部材21を
その節部で固定する。このため、接触防止部材21を固
定してもその部分での摩擦がない。また、超音波エネル
ギーの損失も抑制できる。
【0014】接触防止部材21は超音波伝達部材8の先
端部近傍まで伸長し、かつカバー9の先端の位置まで伸
長している。このように、超音波伝達部材8の先端部近
傍では接触防止部材21の先端がカバー9の先端の位置
まで伸長しているため、直接、超音波伝達部材8とカバ
ー9が接触できない。更に、その接触防止部材21の先
端側は超音波伝達部材8の腹部近傍に位置するものの、
その超音波伝達部材8に固定されたり、拘束されたりし
ているわけではないので、超音波伝達部材8と接触防止
部材21の両者の関係は常に自由な状態である。従っ
て、両者の接触による摩擦は極めて小さく抑えることが
できる。
【0015】(第2実施形態)図6を参照して本発明の
第2実施形態を説明する。図6はハンドピース1の先端
部付近の断面図である。この実施形態では超音波伝達部
材8に対する接触防止部材21の取付け構造の変形例を
示すものである。この実施形態では振動の節に位置して
超音波伝達部材8の外周に周回する突起25を設け、一
方、接触防止部材21の後端部内周に周回する溝部26
を形成し、その突起25に接触防止部材21の溝部26
が嵌り込んで係止し、超音波伝達部材8に接触防止部材
21を支持する構成となっている。その他は前述した第
1実施形態のものと同様である。
【0016】(第3実施形態)図7を参照して本発明の
第3実施形態を説明する。図7はハンドピース1の先端
部付近の断面図である。この実施形態では超音波伝達部
材8に対する接触防止部材21の取付け構造の他の変形
例を示すものである。すなわち、この実施形態では第2
実施形態でのものと同じく振動の節に位置して超音波伝
達部材8の外周に周回する突起27を設ける。この突起
27の位置は第2実施形態のものと同じである。一方、
接触防止部材21は後端側にも伸長する。この接触防止
部材21の中間部内周に周回する溝部28を形成する。
そして、前記突起27に接触防止部材21の溝部28を
嵌め込んで係止し、超音波伝達部材8に接触防止部材2
1を支持する。従って、接触防止部材21は前記節部よ
り後端側に伸長しており、より広範囲領域の接触防止が
可能となる。また、接触防止部材21の中間部が超音波
伝達部材8に固定され、先後両端側部分は超音波伝達部
材8に固定されず、両者の関係は常に自由な状態であっ
て、両者の接触による摩擦は極めて小さく抑えることが
できる。その他は前述した第1実施形態のものと同様で
ある。
【0017】(第4実施形態)図8を参照して本発明の
第4実施形態を説明する。図8はハンドピース1の先端
部付近の断面図である。この実施形態では超音波伝達部
材8に対する接触防止部材21の取付け構造のさらに他
の変形例を示すものである。すなわち、この実施形態で
は振動の2つの節にそれぞれ位置して超音波伝達部材8
の外周に周回する2つの突起31,32を設ける一方、
接触防止部材21にはその中間部と基端部の内周に前記
突起31,32に対応位置して周回する溝部33,34
を形成する。そして、突起31,32に、これに対応す
る接触防止部材21の溝部33,34を嵌め込んで係止
させることにより、超音波伝達部材8に接触防止部材2
1を支持させる構成となっている。従って、接触防止部
材21はその中間部と基端部が超音波伝達部材8に固定
され、接触防止部材21に超音波伝達部材8を確実かつ
安定的に固定することができる。節の数が3つ以上にな
っても同様の関係を保つことができる。その他は前述し
た第1実施形態のものと同様である。
【0018】(変形例)図9乃至図11は第1実施形態
での接触防止部材の変形例をそれぞれ示すものである。
まず、図9で示す接触防止部材21aはシリコンゴムの
ような弾性部材で形成したものである。この場合、超音
波伝達部材8の窪み23に接触防止部材21aの突起部
22を差し込むことが簡単で容易に装着できるととも
に、その取り外しも非常に簡単である。また、突起部2
2と窪み23との密着が図れる。
【0019】図10で示す接触防止部材21bは、その
部材をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺
動(従順)部材で形成するとともに、その部材の側壁に
長手軸方向の全長にわたりスリット41を設け、その接
触防止部材21bの円筒形状が円周方向に拡張できるよ
うな形状とし、超音波伝達部材8にその横から嵌め込む
形式にしたものである。その際、超音波伝達部材8には
節部に位置して窪み23があるので、それに応じて超音
波伝達部材8の基端に形成した突起部22bをその窪み
23に嵌め合わせるようにして装着する。この場合にも
取り付け、取り外しは非常に容易である。
【0020】図11で示す接触防止部材21cは、図1
0で説明した接触防止部材21bと同様にスリット41
を設けるが、そのスリット41の後端部を広く開けるよ
うにした。スリット41の後端部を広く開けるようにし
たので、超音波伝達部材8に対しての取付けや取外しが
容易になる。
【0021】以上の各変形例は超音波伝達部材8の節部
に溝が切ってある場合であるが、図6乃至図8でそれぞ
れ示した形式のものにも同様に適用できる。節部に超音
波伝達部材8が突起状の凸部を持っていれば、図9から
図11の溝に応じた凸部を、その凸部に応じた溝に変更
することで、同様に適用できる。
【0022】(前記各実施形態の効果)前記各実施形態
では超音波伝達部材8の節部では振動がほとんどないた
め、その節部に接触防止部材21を固定しても摩擦がな
い。また、超音波伝達部材8の節部に接触防止部材21
を固定しているため、超音波エネルギーの損失も抑制で
きている。また、超音波伝達部材8の先端部近傍では、
接触防止部材21がカバー9の先端の位置まで伸長して
いるために、超音波伝達部材8とカバー9が直接に接触
できない。さらに、その接触防止部材21の先端側は超
音波伝達部材8の腹部近傍に固定され、拘束されている
わけではないので、両者の関係は常に自由な状態であ
る。従って、両者の接触による摩擦は極めて小さく抑え
ることができる。さらに、絶縁部材は摺動部材である
為、超音波伝達部材8と接触防止部材21が仮に接触し
ても、衝撃は無く、共振を乱すことにはならない。
【0023】(第5実施形態)図12を参照して本発明
の第5実施形態を説明する。図12はハンドピース1の
先端部付近の断面図である。この実施形態5は前述した
各実施形態のものと基本的構成を同じくするが、特に、
超音波伝達部材8とカバー9との接触を防止させるため
の接触防止部材21を取り付けた際、超音波伝達部材8
の最大外径とカバー9の最小内径との間の段差が小さく
なるように、接触防止部材21の肉厚に応じた分だけ、
その接触防止部材21を被嵌する超音波伝達部材8の部
分の外形を小さい外径にしたものである。つまり、超音
波伝達部材8の外周には接触防止部材21を被嵌する部
分が径の小さい周回溝51となり、この周回溝51に接
触防止部材21を被嵌する。このため、超音波伝達部材
8の最大外径とカバー9の最小内径との差を極力抑える
ことができる。
【0024】従って、超音波伝達部材8の最大外径とカ
バー9の最小内径との段差が小さくなるので、生体組織
に穿刺したりする場合などはその穿刺抵抗が小さくな
り、挿入性を向上できるとともに、生体に対するダメー
ジを小さくできる。
【0025】ところで、前述した各実施形態にあっては
カバー9の最小内径と超音波伝達部材8の最大外径との
間に、この実施形態の場合に比べて大きな段差が生じて
しまっている。従って、この段差が生体組織に穿刺した
りする場合などは抵抗となり、挿入性が悪くなってしま
うという問題があるが、この第5実施形態はこれを解決
したものである。
【0026】(第6実施形態)図13を参照して本発明
の第6実施形態を説明する。この実施形態は超音波トラ
カールなどの超音波処置装置に係り、図示しない超音波
振動子に接続され、かつ超音波振動を拡大する超音波伝
達部材61を外套管(カバー)62によって覆う構造に
なっている。超音波伝達部材61は超音波トラカールの
穿刺針となるものであり、その超音波伝達部材61の外
周部分にテーパーを持たせることによって振幅の拡大を
図るものである。つまり、超音波伝達部材61は伝達部
材のある一部分に、ここでは節部から腹部までの間に勾
配を設けているのは振幅を拡大しているためである。
【0027】このような場合にも、節部と腹部の間に接
触防止部材63を設置する周回溝64を設ける。そし
て、この周回溝64の部分に前述したような目的で、接
触防止部材63を被嵌する。接触防止部材63の材質は
前述した実施形態の場合と同様のものが利用できる。超
音波伝達部材61の節部ではそのテーパー外周の途中部
分で突起形状になっており、接触防止部材63の他端
を、そこに固定している。周回溝64に接触防止部材6
3を被嵌して設置するため、超音波伝達部材61の最大
外径と外套管62の最小内径との間の段差が小さくな
る。このように超音波伝達部材61の最大外径と外套管
62の最小内径との段差が小さくなるので、接触防止が
図れるとともに、生体組織に穿刺したりする場合などに
おいての穿刺抵抗が小さくなる。従って、挿入性を向上
できるとともに、生体に対するダメージを小さくでき
る。
【0028】(第7実施形態)図14を参照して本発明
の第7実施形態を説明する。この実施形態は第6実施形
態のものの変形例である。すなわち、超音波伝達部材6
1の節部に接触防止部材63を固定するための手段を設
けたものである。つまり、超音波伝達部材61の節部の
外周部に周回溝65と周回突起66を形成し、これに対
応して接触防止部材61の基端部内面に周回溝67を形
成し、超音波伝達部材61の周回溝65と周回突起66
に被嵌して係止するようにしている。この構成により、
接触防止部材63は常に超音波伝達部材61の節部に固
定的に係着されていることになり、先端部でも接触防止
部材63が超音波伝達部材61に接触することはない。
【0029】(第8の実施形態)図15を参照して本発
明の第8実施形態を説明する。この実施形態は超音波伝
達部材71を外套管(カバー)72でカバーするととも
に、超音波伝達部材71と外套管72の接触を絶縁する
接触防止部材73は外套管72の外周に被嵌して装着す
るようにしたものである。外套管72の壁部にはその長
手軸方向に長い溝孔74が円周方向において等間隔で複
数、ここでは3条、形成されている。各溝孔74は内外
に貫通するように開口している。
【0030】また、接触防止部材73は例えばシリコン
ゴムあるいはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
等で形成された筒状の弾性部材で構成され、その一側部
にはその全長にわたりスリット76が形成されている。
そして、スリット76を広げることにより図15(b)
で示すように接触防止部材73を外套管72の外周に密
に被嵌して装着できるようになっている。
【0031】さらに、接触防止部材73の内面には、前
記各溝孔74に対応した位置で、超音波伝達部材71の
長手軸方向に長い突条の突起77が形成されている。そ
して、この各突起77は、外套管72に接触防止部材7
3を被嵌して装着したとき、それぞれの溝孔74を通じ
て外套管72の内側に突き出し、超音波伝達部材71の
外周に当たり、その超音波伝達部材71を支えるように
なっている。各突起77は超音波伝達部材71の長手軸
方向に長い突条のものであるが、少なくとも超音波伝達
部材71の節部にのみ当たる突起部と外套管72の先端
付近に位置する突起部に別れたものであってもよい。
【0032】接触防止部材73の突起77は超音波伝達
部材71と接触し、外套管72に比べて摩耗し易いが、
摩耗した場合には外套管72から接触防止部材73を容
易に取り外すことができるため、新しい接触防止部材7
3との交換が簡単にでき、外套管72は継続的に使うこ
とができる。また、超音波伝達部材71の外周に接触防
止部材73の突起77の形状に応じた溝(図示せず)を
設けることにより超音波伝達部材71の最大外径と接触
防止部材73の最大外径との段差を極力抑えることがで
き、前述したような理由によって生体に穿刺した際に
も、その影響を少なくすることができる。
【0033】[付記] 1.超音波振動を利用して生体を処置する超音波伝達部
材と、この超音波伝達部材を覆うカバーとを備えた超音
波処置装置において、前記超音波伝達部材とこれを覆う
カバーとの接触を遮断する接触防止部材(接触絶縁部
材)を設け、この接触防止部材は前記超音波伝達部材に
おける超音波振動の節部となる1つ以上の部位でその超
音波伝達部材に支持され、少なくとも前記支持部位から
前記カバーの先端付近まで先端が伸長したことを特徴と
する超音波処置装置。 1-a.前記接触防止部材は、振動を吸収する弾性部材の
ような従順部材で構成されている。 1-b.前記超音波振動の節部は、基準モード或いは高調
波モードの超音波振動の節部である。 1-c.前記超音波伝達部材は、前記接触防止部材を取り
付けるための凸部或いは凹部を超音波振動の節部に有し
ている。 1-d.前記接触防止部材の一端は、前記超音波伝達部材
の超音波振動の節部に取り付けられ、前記接触防止部材
の他端は、前記カバーの先端に相当する前記超音波伝達
部材の先端部位の位置まで接触を絶縁する。 1-e.前記接触防止部材の最小内径は、前記超音波伝達
部材の最大外径より小さい。
【0034】2.超音波振動を利用して生体を処置する
超音波伝達部材と、この超音波伝達部材を覆うカバーと
を備えた超音波処置装置において、前記超音波伝達部材
とこれを覆うカバーとの接触を遮断する接触防止部材
(接触絶縁部材)を前記カバーに取り付け、この接触防
止部材は前記超音波伝達部材における超音波振動の節部
となる1つ以上の部位から前記カバーの先端付近まで前
記超音波伝達部材と前記カバーとの接触を遮断するよう
にしたことを特徴とする超音波処置装置。 2-a.前記接触防止部材は、振動を吸収する弾性部材の
ような従順部材で構成されている。 2-b.前記カバーは、前記接触防止部材を付設するため
の孔を有している。 2-c.前記カバーは、前記接触防止部材に形成した突起
部を内側に受け入れる孔部を有し、前記超音波伝達部材
の外周に対向させる。 2-d.前記超音波伝達部材は、前記接触防止部材に形成
した突起部を受け入れる凹部を有している。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超音波処
置装置では接触防止部材により、超音波伝達部材の超音
波振動の節部からカバーの先端付近に相当する位置ま
で、超音波伝達部材とカバーとの接触を絶縁できるの
で、超音波伝達部材の先端付近とカバーの先端付近の接
触を防止し、摩擦による摩擦粉、摩擦熱の発生を防止す
ることができる。更に、超音波エネルギーの損失を防
ぎ、共振を継続できる構造であるので、効果的でより安
全性の高い手術等の処置を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る超音波処置装置のシステム
の概念的な構成説明図。
【図2】第1実施形態に係る超音波処置装置のハンドピ
ースの概念的な構成を示す斜視図。
【図3】第1実施形態に係る超音波処置装置のハンドピ
ースの側面図。
【図4】第1実施形態に係る超音波処置装置の超音波伝
達部材においての定常振動の様子を応力と振幅によって
表した図。
【図5】第1実施形態に係る超音波処置装置のハンドピ
ースの先端付近の縦断面図。
【図6】第2実施形態に係る超音波処置装置のハンドピ
ースの先端付近の縦断面図。
【図7】第3実施形態に係る超音波処置装置のハンドピ
ースの先端付近の縦断面図。
【図8】第4実施形態に係る超音波処置装置のハンドピ
ースの先端付近の縦断面図。
【図9】第1実施形態での接触防止部材の変形例を示
し、(a)はその縦断面図、(b)はその背面図。
【図10】第1実施形態での接触防止部材の他の変形例
を示し、(a)はその縦断面図、(b)はその背面図。
【図11】第1実施形態での接触防止部材の他の変形例
を示し、(a)はその縦断面図、(b)は正面図、
(c)はその背面図。
【図12】第5実施形態に係る超音波処置装置のハンド
ピースの先端付近の縦断面図。
【図13】第6実施形態に係る超音波処置装置のハンド
ピースの先端付近の縦断面図。
【図14】第7実施形態に係る超音波処置装置のハンド
ピースの先端付近の縦断面図。
【図15】第7実施形態に係る超音波処置装置のハンド
ピースを示し、(a)は接触防止部材を取り外した状態
での外套管の先端部分を切除して示す斜視図、(b)は
同じく接触防止部材を外套管に装着した状態の斜視図。
【図16】従来の超音波処置装置のハンドピースの先端
付近の縦断面図。
【符号の説明】
1…ハンドピース、3…超音波発振装置、5…超音波振
動子、6…把持本体、7…ホーン、8…超音波伝達部
材、9…カバー(外套管)、21…接触防止部材(接触
絶縁部材)、22…突起部、23…窪み。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波振動を利用して生体を処置する超音
    波伝達部材と、この超音波伝達部材を覆うカバーとを備
    えた超音波処置装置において、 前記超音波伝達部材とこれを覆うカバーとの接触を遮断
    する接触防止部材(接触絶縁部材)を設け、この接触防
    止部材は前記超音波伝達部材における超音波振動の節部
    となる1つ以上の部位でその超音波伝達部材に支持さ
    れ、少なくとも前記支持部位から前記カバーの先端付近
    まで先端が伸長したことを特徴とする超音波処置装置。
JP29006296A 1996-10-31 1996-10-31 超音波処置装置 Expired - Fee Related JP3704407B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29006296A JP3704407B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 超音波処置装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29006296A JP3704407B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 超音波処置装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10127653A true JPH10127653A (ja) 1998-05-19
JP3704407B2 JP3704407B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=17751303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29006296A Expired - Fee Related JP3704407B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 超音波処置装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3704407B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013021763A1 (ja) * 2011-08-05 2013-02-14 オリンパス株式会社 超音波振動装置
CN103889354A (zh) * 2011-10-24 2014-06-25 奥林巴斯株式会社 超声波振动设备
JP2015500683A (ja) * 2011-11-15 2015-01-08 ソーリン ゲーエムベーハー 超音波手術器具
CN114735179A (zh) * 2022-04-24 2022-07-12 南京航空航天大学 一种基于压电纤维复合材料驱动的仿墨鱼波动鳍

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013021763A1 (ja) * 2011-08-05 2013-02-14 オリンパス株式会社 超音波振動装置
JP2013034596A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Olympus Corp 超音波振動装置
CN103732166A (zh) * 2011-08-05 2014-04-16 奥林巴斯株式会社 超声波振动装置
US20140135663A1 (en) * 2011-08-05 2014-05-15 Olympus Corporation Ultrasonic vibration device
CN103732166B (zh) * 2011-08-05 2016-04-27 奥林巴斯株式会社 超声波振动装置
CN103889354A (zh) * 2011-10-24 2014-06-25 奥林巴斯株式会社 超声波振动设备
CN103889354B (zh) * 2011-10-24 2016-08-24 奥林巴斯株式会社 超声波振动设备
JP2015500683A (ja) * 2011-11-15 2015-01-08 ソーリン ゲーエムベーハー 超音波手術器具
US9549752B2 (en) 2011-11-15 2017-01-24 Soring Gmbh Ultrasonic surgical instrument
CN114735179A (zh) * 2022-04-24 2022-07-12 南京航空航天大学 一种基于压电纤维复合材料驱动的仿墨鱼波动鳍

Also Published As

Publication number Publication date
JP3704407B2 (ja) 2005-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5555392B1 (ja) 超音波作動ユニット及び超音波処置装置
CA2252822C (en) Damping ultrasonic transmission components
AU717155B2 (en) Apparatus for applying torque to an ultrasonic transmission component
FI96825B (fi) Ultraäänitoiminen resonanssivärähtelijä
JP2003010201A (ja) 超音波治療具
EP2146660B1 (en) Ultrasound frequency resonant dipole for medical use
JPH10127653A (ja) 超音波処置装置
JP5188661B2 (ja) 超音波外科器具用の減衰装置
JP3103614B2 (ja) 超音波手術用ハンドピース
JP2007144012A (ja) 超音波手術装置および振動吸収具
JPH025768Y2 (ja)
JP4342635B2 (ja) 超音波手術器
JP3745037B2 (ja) 超音波トラカール
JP2000005190A (ja) 超音波治療装置
JP2003038515A (ja) 超音波手術装置
JPH07148177A (ja) 外科手術用ハンドピース
JP2003033363A (ja) 超音波手術装置
JP2003038513A (ja) 超音波手術装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050725

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090729

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100729

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100729

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110729

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120729

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees