JPH10127003A - 回転機およびその製造方法 - Google Patents

回転機およびその製造方法

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JPH10127003A
JPH10127003A JP8282682A JP28268296A JPH10127003A JP H10127003 A JPH10127003 A JP H10127003A JP 8282682 A JP8282682 A JP 8282682A JP 28268296 A JP28268296 A JP 28268296A JP H10127003 A JPH10127003 A JP H10127003A
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yoke
field
primary
main body
magnetic pole
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JP8282682A
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English (en)
Inventor
Kiyohiko Nakanishi
清彦 中西
Kie Nakagawa
貴恵 中川
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Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立精度の高い回転機を得ること。 【解決手段】 本発明は、本体1の内周面に形成された
凹部1bに、その外周部が嵌合された略円環形状であっ
て、その内周面に半径方向に延びる8つの磁極歯31a
が各々突出形成されたフィールドヨーク31と、フィー
ルドヨーク31の左方に弾性体13A、13Aを介して
二次ヨーク8に対して同軸配設され、その右端面に円周
等分4箇所に軸線J方向へ延びる凸部33Acが各々突
出形成された第1の一次ヨーク33Aと、フィールドヨ
ーク31を挟んで第1の一次ヨーク33Aに対して対向
配置された略肉厚円筒形状の第2の一次ヨーク11B
と、第1の一次ヨーク33Aと第2の一次ヨーク11B
とを締結するボルト14とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸工程内の繊維
機械等に適用される回転機およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の回転機の構成を示す一部
裁断側断面図であり、同図には回転機の軸線Jより片側
の部分を裁断した回転機の構成が図示されている。この
図において、1は、本体であり、駆動対象たる装置2に
軸受部1aを介して固定されている。3は、回転機の回
転軸たるシャフトであり、本体1内部を貫通している。
4は、シャフト3の外周面に沿って設けられたロータで
ある。5は、本体1の内周面に沿って設けられたステー
タであり、ロータ4に対して、回転磁界を付与する。
【0003】B1は、シャフト3の一端部近傍の外周面
に周回するように取り付けられたボールベアリングであ
る。B2は、シャフト3の他端部近傍と軸受部1aとの
間に介挿されたボールベアリングであり、シャフト3
は、上記ボールベアリングB2を介して軸受部1aに回
動自在に軸支されている。6は、軸受部1aから回転機
外部へ突出したシャフト3の他端部に取り付けられたロ
ーラであり、回転機が発生する回転駆動力を駆動対象た
る装置に伝達する。
【0004】7は、ボールベアリングB1と本体1の内
周面との間に介挿された振動抑制装置であり、シャフト
3に発生する振動を電気的な制御方法によって抑制する
装置である。ここで、上記振動抑制装置7の詳細な構成
を図6および図7(a)、(b)を参照して説明する。
図6は、図5に示す振動抑制装置7の構成を示す拡大側
断面図であり、図7(a)は、図6に示すIーI’線視
断面図であり、この図においては、シャフト3の図示が
省略されている。また、図7(b)は、図7(a)の側
面図である。
【0005】図6において、8は、略肉厚円筒形状の二
次ヨークであり、内部にボールベアリングB1を介して
シャフト3が貫通されている。また、二次ヨーク8の内
周面には、ボールベアリングB1に用いられる潤滑油を
貯留する油溜溝8aと、油溜溝8aに貯留した潤滑油を
外部へ排出する排油穴8bが各々形成されている。9
は、本体1の内周面に形成された凹部1bに、その外周
部が嵌合された略円環形状のフィールドヨークであり、
ケイ素鋼板が板厚方向に積層されてなる。
【0006】このフィールドヨーク9の内周面には、図
7(a)に示す円周等分複数箇所に半径方向に延びる8
つの磁極歯9a、9a、・・・が各々突出形成されてい
る。また、フィールドヨーク9は、磁極歯9a、9a、
・・・の各端面と二次ヨーク8の外周面との間が間隙Gと
なるようにして設けられている。図7(a)に示すLY
a,LYb,LXa,LXb,LYc,LYd,LXc
およびLXdは、8つの磁極歯9a、9a、・・・に各々
巻回されたコイルである。
【0007】図6に示す10Aは、フィールドヨーク9
の左方に設けられた押さえ板であり、その外径がフィー
ルドヨーク9の外径と同径となるように形成されてい
る。この押さえ板10Aは、その右端面がフィールドヨ
ーク9の左端面に当接され、かつその外周部が凹部1b
に嵌合されている。10Bは、押さえ板10Aと同形状
であって、フィールドヨーク9の右方に設けられた押さ
え板であり、その左端面がフィールドヨーク9の右端面
に当接され、かつその外周部が凹部1bに嵌合されてい
る。
【0008】11Aは、フィールドヨーク9の左方に設
けられ、かつ押さえ板10Aの内周側に設けられた略肉
厚円筒形状の第1の一次ヨークであり、その外径が押さ
え板10Aの内径と同径であって、かつ内径が二次ヨー
ク8の外径より間隙G分だけ大となるように形成されて
いる。すなわち、第1の一次ヨーク11Aの右周縁部
は、押さえ板10Aの内周面とフィールドヨーク9の左
端面とにより形成された、いんろう部12Aに嵌合され
ている。
【0009】また、第1の一次ヨーク11Aには、その
左端面から右端面までを貫通するボルト貫通穴11Aa
が円周等分4箇所(図7(a)参照)に各々形成されて
いる。また、第1の一次ヨーク11Aには、内周面に沿
って、各々が並行をなすように2本の溝11Ab、11
Abが各々形成されており、これら溝11Ab、11A
bには、弾性体13A、13Aが各々収容されている。
すなわち、弾性体13A、13Aは、第1の一次ヨーク
11Aと二次ヨーク8との間に介挿されており、シャフ
ト3(二次ヨーク8)に発生する振動を減衰する役目を
している。
【0010】11Bは、フィールドヨーク9を挟んで第
1の一次ヨーク11Aに対して対向配置された略肉厚円
筒形状の第2の一次ヨークであり、その外径が押さえ板
10Bの内径と同径であって、かつその内径が二次ヨー
ク8の外径より間隙G分だけ大となるように形成されて
いる。
【0011】すなわち、第2の一次ヨーク11Bの右周
縁部は、押さえ板10Bの内周面とフィールドヨーク9
の右端面とにより形成された、いんろう部12Bに嵌合
されている。また、第2の一次ヨーク11Bには、左端
面から中央部までに至る雌ネジ部11Baが、第1の一
次ヨーク11Aのボルト貫通穴11Aaに対応して形成
されている。第2の一次ヨーク11Bには、内周面に沿
ってかつ各々が並行をなすように2本の溝11Bb、1
1Bbが各々形成されており、これら溝11Bb、11
Bbには、振動を減衰させる弾性体13B、13Bが各
々収容されている。
【0012】14は、その先端から一定長さに亙って外
周面に雄ネジ部が形成されたボルトであり、第1の一次
ヨーク11Aのボルト貫通穴11Aaに貫通され、かつ
その雄ネジ部が第2の一次ヨーク11Bの雌ネジ部11
Baに螺合されている。すなわち、ボルト14は、図7
(b)に示すフィールドヨーク9を挟んで、第1の一次
ヨーク11Aと第2の一次ヨーク11Bとを締結してい
る。
【0013】図6に示す15は、潤滑油の給油機能を持
つL字型のエンドプレートであり、シャフト3と二次ヨ
ーク8との間に配設されている。このエンドプレート1
5の右端とボールベアリングB1の外輪cとの間には、
高分子材料のスペーサ16と弾性バネ17が順次介挿さ
れている。18は、L字型をなす給油管であり、この給
油管18の先端部には、ボールベアリングB1方向に向
けてノズル19が取り付けられている。一方、給油管1
8の他端部は、図示しない油霧発生装置に接続されてい
る。この油霧発生装置は、極少量の潤滑油と圧搾空気と
を混合してオイルミストを生成する装置である。20
は、排油穴8bから出た潤滑油を外部へ排出するL字型
をなす排油管であり、二次ヨーク8の下部に取り付けら
れている。
【0014】図7(a)に示す103Yは、二次ヨーク
8と対向するように配設された距離センサであり、自身
と二次ヨーク8の外周面との間の距離を検出する。10
3Xは、二次ヨーク8と対向するように配設された距離
センサであり、自身と二次ヨーク8の外周面との間の距
離を検出する。
【0015】図8は、制振制御回路の全回路のうち二次
ヨーク8のY方向の振動の抑制に係る部分を示すもので
ある。同図において、距離センサ103Yから得られる
検出信号は、センサアンプ111Yを介してコントロー
ラ112Yに与えられる。コントローラ112Yは、セ
ンサアンプ111Yの出力信号に対してPID制御を含
む所定の処理を施し、加算器121Yおよび減算器12
2Yへ出力する。
【0016】加算器121Yは所定の一定電流指令値S
に対しコントローラ112Yの出力信号を加算して出力
し、減算器122Yは一定電流指令値Sからコントロー
ラ112Yの出力電流を減算して出力する。加算器12
1Yおよび減算器122Yの各出力信号はパワーアンプ
131Yおよび132Yに各々入力される。そして、パ
ワーアンプ131YはコイルLYaおよびLYbを駆動
し、他方、パワーアンプ132YはコイルLYcおよび
LYdを駆動する。
【0017】以上、Y方向の振動抑制に係る回路構成を
説明したが、これと同様な構成を有し、距離センサ10
3Xの検出信号に基づいてコイルLXa,LXb,LX
c,LXdに対する通電量を制御する回路が制振制御回
路内に設けられている。
【0018】上記構成において、ステータ5が発生する
磁界によりロータ4が回転駆動されシャフト3が回転駆
動されると、油霧発生装置で生成されたオイルミスト
が、給油管18を介してノズル19よりボールベアリン
グB1に向けて噴射される。そして、この潤滑に供され
た潤滑油は、油溜溝8aに溜まり排油穴8bから排油管
20を介して外部へ排出される。また、シャフト3の回
転により振動が発生する。この振動はシャフト3からボ
ールベアリングB1へ伝えられ、ボールベアリングB1が
振動する。ボールベアリングの振動は、弾性バネ17に
吸収され減衰する。従って、安定したボールベアリング
B1の特性が得られる。
【0019】更に、この減衰した振動は、二次ヨーク8
を介して弾性体13A、13A、13Bおよび13Bに
伝えられ、この弾性体13A、13A、13Bおよび1
3Bによって振動は更に減衰する。上述したパッシブ制
振に加え、フィールドヨーク9等の電磁石およびセンサ
による制振(以下アクティブ制振と称す。)が行われ
る。
【0020】以下、このアクティブ制振の動作を説明す
る。シャフト3に大きな振動が発生せず二次ヨーク8が
理想的な位置にある場合には、図8に示すコントローラ
112Yの出力信号は0となる。従って、この場合、一
定電流指令値Sに対応した電流が各コイルに供給される
こととなり、二次ヨークはY方向、X方向、−Y方向お
よび−X方向の4方向に均等な磁力によって吸引され、
理想的な位置を維持する。
【0021】これに対し、回転機の回転数が回転系の固
有振動数付近である場合には、シャフト3に軸方向を横
切る方向の大きな振動が発生し易くなる。かかる振動が
発生した場合、その振動はボールベアリングB1を介し
て二次ヨーク8に伝達される。そして、弾性体13A、
13A、13Bおよび13Bによって振動が吸収され減
衰する。ここで、弾性体13A、13A、13Bおよび
13Bによって減衰しきらなかった振動によって二次ヨ
ーク8が例えばY方向および−Y方向に振動したとする
と、この振動に基づく二次ヨーク8の変位が距離センサ
103Yおよびセンスアンプ111Yを介してコントロ
ーラ112Yにより検知され、コントローラ112Yか
らその変位量に応じた信号が出力される。
【0022】ここで、コントローラ112Yの出力信号
中の比例要素(P)は、二次ヨーク8の変位方向がY方
向の場合には負の値となってコイルLYa,LYbの電
流を減少せしめると共にコイルLYcおよびLYdの電
流を増加させる。逆に二次ヨーク8の変位方向が−Y方
向である場合、比例成分(P)は正となり、コイルLY
aおよびLYbの電流を増加せしめると共にコイルLY
cおよびLYdの電流を減少させる。
【0023】このようなコントローラ112Yの出力信
号中の比例成分(P)と共に積分成分(I)が各コイル
の通電量の制御に使用されることにより、二次ヨーク8
を介しシャフト3をY方向に関し定位置に維持する制御
が行われる。また、コントローラ112Yの出力信号中
の微分成分(D)は、上記比例要素(P)よりも位相の
進んだ状態で各コイルの通電量の制御に寄与し、シャフ
ト3を含む回転系の減衰係数を高める機能を果す。二次
ヨーク8のX方向の振動も、距離センサ103Xから得
られる検出信号に基づきY方向の場合と同様な動作によ
り抑制される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の回転機においては、回転系に振動を生じさせないた
めには、フィールドヨーク9、二次ヨーク8等の個々の
部品を組み立てた回転系を完全な軸対象とすることが望
ましい。特に、回転系の振動に多大なる影響を及ぼすも
のとしては、フィールドヨーク9、二次ヨーク8、第1
の一次ヨーク11Aおよび11Bの4者間の同軸度が挙
げられる。しかしながら、上述した従来の回転機におい
て、図6に示す第1の一次ヨーク11Aおよび11B
は、いんろう部12Aおよび12Bにより半径方向の同
軸度が高精度に維持されているが、一方、軸線J方向に
対する垂直度が悪いという問題があった。これは、図7
(b)に示すように第1の一次ヨーク11Aと第2の一
次ヨーク11Bが、積層構造とされかつ4本のボルト1
4、14、・・・によって、締結されていることによるも
のである。すなわち、第1の理由は、第1の一次ヨーク
11Aおよび11Bが、積層構造という性質上、板厚が
不均一になってしまうためである。また、第2の理由
は、第1の一次ヨーク11Aと第2の一次ヨーク11B
との間の距離が、ボルト14、14、・・・の締結力の差
によって、部分によって不均一になってしまうためであ
る。本発明は、このような背景の下になされたもので、
組立精度の高い回転機およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、略円筒形状の本体と、前記本体内に同軸配設され回
転磁界により回転駆動されるシャフトと、前記シャフト
に対して同軸配置され、前記シャフトをボールベアリン
グを介して回動自在に軸支する略肉厚円筒形状の二次ヨ
ークと、前記二次ヨークに対して同軸をなすように前記
本体の内周面に沿って取り付けられ、その内周面の複数
箇所から中心へ向けて突出形成された複数の磁極歯を有
する略円環形状のフィールドヨークとを有する回転機に
おいて、前記フィールドヨークにおける前記複数の磁極
歯の一端面側に、前記二次ヨークに対して弾性体を介し
て同軸配設され、その一端面の複数箇所に軸線方向へ向
けて前記フィールドヨークの板厚よりわずかに大とされ
る高さの複数の凸部が各々形成された略肉厚円筒形状の
第1の一次ヨークと、前記フィールドヨークの前記複数
の磁極歯を挟んで前記第1の一次ヨークに対向配置さ
れ、かつ前記二次ヨークに対して弾性体を介して同軸配
設された略肉厚円筒形状の第2の二次ヨークと、前記第
1の一次ヨークと前記第2の一次ヨークとを円周方向複
数箇所に亙って前記軸線方向に締結する締結具とを具備
することを特徴とする。
【0026】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の回転機において、前記フィールドヨークの外周面の複
数箇所には、前記軸線方向に溶接溝が各々形成されてお
り、前記フィールドヨークは、前記複数の溶接溝を介し
て前記本体に溶接されていることを特徴とする。
【0027】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の回転機において、前記第1の一次ヨークの凸
部の高さは、前記フィールドヨークの板厚より0.2m
m大きい値とされていることを特徴とする。
【0028】請求項4に記載の発明は、略円筒形状の本
体と、前記本体内に同軸配設され回転磁界により回転駆
動されるシャフトと、前記シャフトに対して同軸配置さ
れ、前記シャフトをボールベアリングを介して回動自在
に軸支する略肉厚円筒形状の二次ヨークとを有する回転
機において、その内周面の複数箇所から中心へ向けて突
出形成された複数の磁極歯を有し薄板が板厚方向に積層
構成されてなる略円環形状のフィールドヨークの両端面
に対して数トンの押圧力を付与する第1の工程と、前記
フィールドヨークの外周部を溶接した後、前記押圧力を
解除する第2の工程と、前記フィールドヨークの外周部
を、前記本体の内周面に沿って形成された凹部に、前記
本体の軸線に対して垂直をなすように嵌合する第3の工
程と、その一端面の複数箇所に軸線方向へ向けて前記フ
ィールドヨークの板厚よりわずかに大とされる高さの複
数の凸部が形成された略肉厚円筒形状の第1の一次ヨー
クを、前記フィールドヨークにおける前記複数の磁極歯
の一端面側に、前記二次ヨークに対して弾性体を介して
同軸配設する第4の工程と、略肉厚円筒形状の第2の二
次ヨークを、前記フィールドヨークにおける前記複数の
磁極歯の他端面側に、前記二次ヨークに対して弾性体を
介して同軸配設する第5の工程と、前記第1の一次ヨー
クと前記第2の一次ヨークとを、締結具を用いて円周方
向複数箇所に亙って前記軸線方向に締結する第6の工程
とからなることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形
態による回転機の構成を示す一部裁断断面図であり、図
6の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説
明を省略する。図1においては、図6に示す振動抑制装
置7に代えて振動抑制装置30が設けられている。ま
た、図1に示す振動抑制装置30においては、図6に示
すフィールドヨーク9および第1の一次ヨーク11Aに
代えて、フィールドヨーク31および第1の一次ヨーク
33Aが設けられている。
【0030】以下、上記フィールドヨーク31、第1の
一次ヨーク33Aの構成について図1〜図4を参照して
詳述する。図2は、図1に示すIIーII’線視断面図
であり、図1は、図2に示すIIIーIII’線視断面図であ
る。図3(a)は、第1の一次ヨーク33Aの正面図で
あり、図3(b)は、図3(a)の側面図である。図4
は、図3に示すIVーIV’線視断面図である。図1に
おいて。フィールドヨーク31は、本体1の内周面に形
成された凹部1bに、その外周部が嵌合された略円環形
状のフィールドヨークであり、ケイ素鋼板が板厚方向に
積層されてなる。
【0031】このフィールドヨーク31の内周面には、
図2に示す円周等分複数箇所に半径方向に延びる8つの
磁極歯31a、31a、・・・が各々突出形成されてい
る。また、フィールドヨーク31の外周面には、磁極歯
31a、31a、・・・に対応する位置に複数の溶接溝3
1b、31b、・・・が軸線J方向に各々形成されおり、
フィールドヨーク31の外周部は、上記溶接溝31b、
31b、・・・を介してTIG溶接されている。また、図
2に示すフィールドヨーク31の磁極歯31a、31
a、・・・にはコイルLXd、LYa、LYb、・・・が各々
巻回されている。
【0032】図1に示す第1の一次ヨーク33Aは、フ
ィールドヨーク31の左方に設けられ、かつ押さえ板1
0Aの内周側に設けられており、略肉厚円筒形状をして
いる。この一次ヨーク33は、その外径が押さえ板10
Aの内径と同径であって、かつ内径が二次ヨーク8の外
径より間隙G分だけ大となるように形成されている。
【0033】また、第1の一次ヨーク33Aの右端面に
は、図2に示す円周等分4箇所(図3参照)に、軸線J
方向へ延びる凸部33Ac、33Ac、・・・が各々突出
形成されている。上記凸部33Ac、33Ac、・・・の
軸線J方向における高さは、図1に示すフィールドヨー
ク31の板厚Lにα(例えば、0.2mm)を加えたL
+αとされている。
【0034】さらに、図1に示す第1の一次ヨーク33
Aには、左端面から凸部33Acの端面までを貫通する
ボルト貫通穴33Aaが形成されており、加えて、内周
面に沿って、各々が並行をなす2本の溝33Ab、33
Ab(図4参照)が各々形成されている。これら溝11
Ab、11Abには、弾性体13A、13Aが各々収容
されている。
【0035】上記第1の一次ヨーク33Aと第2の一次
ヨーク11Bとは、図3(a)に示す4箇所のボルト貫
通穴33Aa、33Aa、・・・に貫通された4本のボル
ト14、14、・・・の各雄ネジ部が、第2の一次ヨーク
11Bの雌ネジ部11Baに螺合されることにより、締
結されている。なお、上述した一実施形態による回転機
においては、その基本的動作および制振動作が前述した
従来の回転機と同様である。
【0036】次に、上述した一実施形態による回転機の
製造方法について説明する。以下に説明する製造方法
は、主として、図1に示すフィールドヨーク31、押さ
え板10A、10B、第1の一次ヨーク33Aおよび第
2の一次ヨーク11Bの組立に関する製造方法である。
まず、図1に示すフィールドヨーク31と押さえ板10
Aおよび10Bとは、数トンの押圧力で積層され、これ
により、積層構造のフィールドヨーク31は、板厚方向
に収縮して、板厚がLからLーβとされる。次に、図2
に示すフィールドヨーク31の溶接溝31b、31b、
・・・の各凸部を介してTIG溶接が施され、フィールド
ヨーク31、押さえ板10Aおよび10Bは、機械的お
よび電気的に一体とされる。以下、一体化されたフィー
ルドヨーク31、押さえ板10Aおよび10Bを総称し
てフィールドヨーク31等と称する。なお、上記工程
は、フィールドヨーク31等が本体1に組み込まれてい
ない状態で行われる。
【0037】次に、フィールドヨーク31等に対する押
圧力が解除されると、フィールドヨーク31の外周面近
傍の板厚は、TIG溶接により押圧力が加えられていた
時と同じくLーβに保持されている。一方、フィールド
ヨーク31の内周面部の板厚は、スプリングバック現象
により本来の板厚Lに比して増大する。この増大した後
の上記内周面部の板厚は、図3に示す第1の一次ヨーク
33Aの凸部33Ac、33Ac、・・・の高さL+αに
比してわずかに大とされている。
【0038】次に、図示しない研磨装置により、上記一
体化された上記フィールドヨーク31、押さえ板10A
ならびに10Bの各外周面、押さえ板10Aの左端面お
よび内周面、ならびに押さえ板10Bの右端面および内
周面が各々研磨される。次に、図2に示すフィールドヨ
ーク31の磁極歯31a、31a、・・・には、螺旋状に
成形されたコイルLXd、LYa、LXa、・・・が各々
はめ込まれる。
【0039】次に、一体化されたフィールドヨーク31
等は、図1に示す本体1内部に配設される。次いで、押
さえ板10Bの右端面に対して圧入力Fが加えられる。
これにより、フィールドヨーク31等が本体1の凹部1
bに精度良く嵌合される。この状態において、フィール
ドヨーク31等は、軸線Jに対して垂直状態に保持され
ている。
【0040】次に、図1に示す第2の一次ヨーク11B
の溝11Bb、11Bbに弾性体13B、13Bが各々
収容された後、第2の一次ヨーク11Bは、二次ヨーク
8と同軸をなすように、その左端部がいんろう部12B
に嵌合される。これにより、二次ヨーク8(シャフト
3)が弾性体13B、13Bを介して第2の一次ヨーク
11Bに軸支されるとともに、いんろう部12Bによ
り、二次ヨーク8に対する第2の一次ヨーク11Bの同
軸性が維持される。
【0041】次に、第1の一次ヨーク33Aが第2の一
次ヨーク11Bに対向配設される。すなわち、第1の一
次ヨーク33Aは、図2に示すように各凸部33Ac、
33Ac、・・・がフィールドヨーク31の磁極歯31
a、31a間に位置するように、その右端部が図1に示
す、いんろう部12Aに嵌合される。この状態におい
て、第1の一次ヨーク33Aと第2の一次ヨーク11B
との間に挟まれた磁極歯31a、31a、・・・の板厚
は、上述したスプリングバック現象により、凸部33A
c、33Ac、・・・の高さより大とされている。すなわ
ち、第1の一次ヨーク33Aと第2の一次ヨーク11B
とは、わずかに離間した状態とされている。
【0042】最後に、図1に示す第1の一次ヨーク33
Aのボルト貫通穴33Aaにボルト14が貫通された
後、ボルト14の雄ネジ部と第2の一次ヨーク11Bの
雌ネジ部11Baとが螺合され、磁極歯31a、31
a、・・・を挟んだ状態で徐々に締結される。これによ
り、磁極歯31a、31a、・・・の板厚が徐々に小さく
なる。 そして、ボルト14が完全に回らなくなったと
き、すなわち、磁極歯31a、31a、・・・の板厚が凸
部33Ac、33Ac、・・・の高さL+αとなったと
き、上記締結作業が停止される。この状態において、図
3(b)に示す第1の一次ヨーク33Aと第2の一次ヨ
ーク11Bと離間距離は、ボルト14の締結力にほとん
ど左右されることなく、全円周方向に亙って均一な値、
すなわちL+αに保持される。従って、第1の一次ヨー
ク33Aおよび第2の一次ヨーク11Bは、軸線Jに対
して垂直姿勢に保持される。
【0043】以上説明したように本発明の一実施形態に
よる回転機およびその製造方法によれば、図2に示す凸
部33Ac、33Ac、・・・が形成された第1の一次ヨ
ーク33Aを用いた構成としたので、図3(b)に示す
第1の一次ヨーク33Aと第2の一次ヨーク11Bとの
間の離間距離を円周方向に亙って一定に保持することが
できる。従って、一実施形態による回転機およびその製
造方法によれば、軸線Jに対する一体化された第1の一
次ヨーク33A等の、軸線Jに対する同軸性、言い換え
れば組立精度を高くすることができる。さらに、一実施
形態による回転機およびその製造方法によれば、上記組
立精度が高いことから、同軸性の欠如に起因して回転系
に発生する振動を大幅に低減することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、第1の一次ヨークに複
数の凸部が形成されているので、第1の一次ヨークと第
2の一次ヨークとが円周方向に均等な締結力により締結
される。請求項1〜3に記載の発明によれば、軸線に対
する第1および第2の一次ヨーク等の同軸性、言い換え
れば組立精度が向上するととともに、同軸性の欠如によ
り回転系に発生する振動を大幅に低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による回転機の要部の構
成を示す一部裁断側断面図である。
【図2】 図1に示すIIーII’線視断面図である。
【図3】 図1に示す第1の一次ヨーク33Aの構成を
示す正面図および側面図である。
【図4】 図3に示すIVーIV’線視断面図である。
【図5】 従来の回転機の構成を示す一部裁断側断面図
である。
【図6】 図5に示す振動抑制装置7の構成を示す拡大
側断面図である。
【図7】 図6に示すIーI’線視断面図、およびフィ
ールドヨーク9等の構成を示す側面図である。
【図8】 従来の回転機の制御部の構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 本体 1b 凹部 3 シャフト 8 二次ヨーク 11B 第2の一次ヨーク 13A、13B 弾性体 14 ボルト(締結具) 31 フィールドヨーク 33A 第1の一次ヨーク 33Ac 凸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒形状の本体と、前記本体内に同軸
    配設され回転磁界により回転駆動されるシャフトと、前
    記シャフトに対して同軸配置され、前記シャフトをボー
    ルベアリングを介して回動自在に軸支する略肉厚円筒形
    状の二次ヨークと、前記二次ヨークに対して同軸をなす
    ように前記本体の内周面に沿って取り付けられ、その内
    周面の複数箇所から中心へ向けて突出形成された複数の
    磁極歯を有する略円環形状のフィールドヨークとを有す
    る回転機において、 前記フィールドヨークにおける前記複数の磁極歯の一端
    面側に、前記二次ヨークに対して弾性体を介して同軸配
    設され、その一端面の複数箇所に軸線方向へ向けて前記
    フィールドヨークの板厚よりわずかに大とされる高さの
    複数の凸部が各々形成された略肉厚円筒形状の第1の一
    次ヨークと、 前記フィールドヨークの前記複数の磁極歯を挟んで前記
    第1の一次ヨークに対向配置され、かつ前記二次ヨーク
    に対して弾性体を介して同軸配設された略肉厚円筒形状
    の第2の二次ヨークと、 前記第1の一次ヨークと前記第2の一次ヨークとを円周
    方向複数箇所に亙って前記軸線方向に締結する締結具
    と、 を具備することを特徴とする回転機。
  2. 【請求項2】 前記フィールドヨークの外周面の複数箇
    所には、前記軸線方向に溶接溝が各々形成されており、 前記フィールドヨークは、前記複数の溶接溝を介して前
    記本体に溶接されていること、 を特徴とする請求項1に記載の回転機。
  3. 【請求項3】 前記第1の一次ヨークの凸部の高さは、
    前記フィールドヨークの板厚より0.2mm大きい値と
    されていること、 を特徴とする請求項1または2に記載の回転機。
  4. 【請求項4】 略円筒形状の本体と、前記本体内に同軸
    配設され回転磁界により回転駆動されるシャフトと、前
    記シャフトに対して同軸配置され、前記シャフトをボー
    ルベアリングを介して回動自在に軸支する略肉厚円筒形
    状の二次ヨークとを有する回転機において、 その内周面の複数箇所から中心へ向けて突出形成された
    複数の磁極歯を有し薄板が板厚方向に積層構成されてな
    る略円環形状のフィールドヨークの両端面に対して数ト
    ンの押圧力を付与する第1の工程と、 前記フィールドヨークの外周部を溶接した後、前記押圧
    力を解除する第2の工程と、 前記フィールドヨークの外周部を、前記本体の内周面に
    沿って形成された凹部に、前記本体の軸線に対して垂直
    をなすように嵌合する第3の工程と、 その一端面の複数箇所に軸線方向へ向けて前記フィール
    ドヨークの板厚よりわずかに大とされる高さの複数の凸
    部が形成された略肉厚円筒形状の第1の一次ヨークを、
    前記フィールドヨークにおける前記複数の磁極歯の一端
    面側に、前記二次ヨークに対して弾性体を介して同軸配
    設する第4の工程と、 略肉厚円筒形状の第2の二次ヨークを、前記フィールド
    ヨークにおける前記複数の磁極歯の他端面側に、前記二
    次ヨークに対して弾性体を介して同軸配設する第5の工
    程と、 前記第1の一次ヨークと前記第2の一次ヨークとを、締
    結具を用いて円周方向複数箇所に亙って前記軸線方向に
    締結する第6の工程と、 からなることを特徴とする回転機の製造方法。
JP8282682A 1996-10-24 1996-10-24 回転機およびその製造方法 Withdrawn JPH10127003A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103619550A (zh) * 2011-03-31 2014-03-05 丰田自动车株式会社 割断方法、转子制造方法、以及割断装置

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