JPH10124039A - 図形表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、複数の複雑でかつ動的に変化する図
形やウィンドウをリアルタイムに合成する方式、及びそ
の図形表示装置を提供することを目的とする。 【解決手段】任意の図形を描画する際、表示優先順序情
報を付加した図形描画コマンドと、画素情報の一部とし
て前記表示優先情報を画素データに格納するフレームメ
モリと、フレームメモリから読み出した前記画素データ
から、複数の画素情報のうち表示する画素情報を選択す
るセレクタを有する。 【効果】表示する任意の形状の図形単位に描画の優先判
定を行って表示する図形を選択することにより、複数の
複雑な図形を高速に合成することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の画像を同時
にＣＲＴ等の図形表示装置に表示する場合に係わり、特
に任意の形状及び大きさを有する図形を描画するコマン
ドに、表示優先順序情報を持たせることによって、１つ
の表示装置に複数の複雑な形状の画像をリアルタイムで
も合成できるようにした図形表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、任意の形状及び大きさの図形を複
数描画している画面に、同様に任意の形状及び大きさの
図形を描画している別の画面の中から合成対象物となる
前記図形のみをリアルタイムに合成する場合、即ち任意
の形状及び大きさの複数の図形で構成される画面の手前
に、任意の形状及び大きさの複数の図形で構成される画
面の中から合成表示対象図形の部分のみをリアルタイム
に合成して、図形の背景としてこの画面を使用して１つ
の画面にする場合、合成表示対象図形以外の部分を、あ
る任意の一定色にし、背景を描画している画面の手前に
存在するように合成を行い、図形表示装置に描画する。
この合成を行う際、図形表示装置の１画面を構成する全
て画素に対して、背景を描画する画面を構成する各画素
データと、合成表示対象図形を描画する画面を構成する
各画素データの取捨選択を行い、前記図形表示装置に１
画面分の画素データを送る。これをクロマキー合成と呼
ぶ。一般的にクロマキー合成においては、合成表示対象
物以外を厳密に一定色の画素データにすることは困難で
あるため、描画しない色の画素データを指定する際に、
任意の範囲を持った色の画素データを指定することによ
り、ある任意の範囲による色の指定で合成を行う。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術では、合成表
示対称図形の背景として別の画面を表示することは可能
であるが、背景に描画している任意の図形を、合成表示
対象図形より手前にリアルタイムで描画することは不可
能である。

【０００４】また、従来技術では動的でかつ複雑なウィ
ンドウをリアルタイムに表示することは不可能である。
即ち、ウィンドウにしたい部分を一定色で描画し、クロ
マキー合成を行うことにより、複雑なウィンドウをリア
ルタイムに表示することは可能であるが、該ウィンドウ
を動的に形状を変化させることはできない。

【０００５】本発明の目的は、このような複数の複雑
で、かつ動的な図形やウィンドウをリアルタイムに合成
することにあり、同時にその装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的である、複数の
複雑でかつ動的な図形やウィンドウをリアルタイムに合
成することを達成するために、本発明ではある任意の図
形を描画するために図形描画コマンドを発行する際、前
記図形描画コマンドに表示優先順序情報を付加する手段
を設け、前記表示優先順序情報をもとに図形単位に表示
優先順序を与え、更に前記表示優先順序をもとに、複雑
な図形で構成される少なくとも２つ以上の画面の画素デ
ータから図形表示装置に表示する画素データを選択また
は結合する手段を設けたものである。

【０００７】一般的に、図形表示装置に任意の図形を描
画するための図形描画コマンドは、少なくともどのよう
な形状の図形を描画するかを示す描画形状データと、前
記図形を図形表示装置のどこに描画するかを示す、もし
くは前記図形の描画位置を算出するために必要となる描
画位置データと、前記図形の表示色を示す、もしくは前
記図形の表示色を算出するために必要となる表示色デー
タが含まれる。この各種データを包含する図形描画コマ
ンドを発行すると、図形表示装置の画面の画素中、前記
図形が占める部分の画素に対して、前記図形表示装置に
描画するのに必要なデータに変換して、図形表示装置に
送る。

【０００８】本発明は任意の図形を描画するための図形
描画コマンドに、少なくとも描画形状データと描画位置
データと表示色データの他に、表示優先順序情報を付加
し、図形単位に表示優先順序を持たせることにより、前
記図形表示装置に表示する任意の形状の図形単位に描画
の優先判定を行い、選択又は結合することが可能であ
る。即ち、複数の複雑な表示図形で構成される少なくと
も２つ以上の画面中の全ての図形に対して任意の優先度
を持たせ、前記表示図形の表示優先判定を行い、実際に
図形表示装置に表示する図形を選択または結合すること
を可能としたため、前記問題を解決することができ、目
的を達成できる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の一実施例である
図形表示装置のシステム構成を示す。

【００１０】このシステムは、少なくとも、図形描画コ
マンド(以下、単にコマンドと呼ぶ)を発行するＣＰＵ１
と、前記コマンドを受けて描画対象図形の辺上、及び内
部の描画位置データと表示色データを生成してフレーム
メモリＡ３に該描画位置データに対応する記憶位置に該
表示色データを書き込み、また、この表示色データの表
示優先順序情報を制御用メモリ４に書き込む画素生成部
２と、ビデオカメラ等から入力されるアナログ映像情報
をデジタルの画素情報である描画位置データと表示色デ
ータに変換するＡ／Ｄコンバータ５と、このＡ／Ｄコン
バータ５からのデータもしくはデジタルビデオカメラ等
からの表示色データを記憶するフレームメモリＢ６から
入力される表示色データと前記フレームメモリＡ３から
入力される表示色データとを、制御用メモリ４に記憶さ
れた表示優先順序情報に基づいて選択もしくはブレンド
する画素合成部７と、前記画素合成部７によって選択も
しくはブレンドされた表示色データを、アナログの輝度
情報に変換するＤ／Ａコンバータ８と、前記輝度情報に
基づき画面に表示するＣＲＴ９と、前記輝度情報に基づ
き印刷を行うプリンタ１０から構成される。

【００１１】このシステムを使用して、図形表示装置に
描画する際に他の描画図形に対して、ある任意の優先度
を持たせて表示できる三角形を描画する場合を、図２，
図３及び図４を用いて、以下本発明の実施例を示す。

【００１２】まずＣＰＵ１はプログラムに従って、描画
対象図形である三角形の図形描画コマンドを発行（３
０）する。この図形描画コマンド２０は、少なくとも表
示優先順序情報と、三角形を描画するという描画形状デ
ータ２１と、該三角形の各頂点のｘ，ｙ座標からなる描
画位置データと、同各頂点の赤（Ｒ），緑（Ｇ），青
（Ｂ）からなる表示色データの対２２で構成される。画
素生成部２は、ＣＰＵ１から得られた前記図形描画コマ
ンド２０の一要素である描画形状データ２１によって描
画する際ある任意の優先度を持った三角形を描画するこ
とを認識し、該三角形の辺上の画素、および該三角形の
内部の画素の座標を算出し（３１）、算出した該座標に
おける全ての画素の表示色データを算出する（３２）。
フレームメモリのアドレスは、ＣＲＴ９やプリンタ１０
等の図形表示装置の画面上の画素の位置と対応し、各ア
ドレス毎に表示色データや表示優先情報を格納できるよ
う多階層構造になっている。前記画素生成部２は、該三
角形を図形表示装置に描画する位置と対応するフレーム
メモリＡ３のアドレスに、算出した該三角形を構成する
全ての画素の表示色データをＲ，Ｇ，Ｂの各表示色デー
タ毎に異なるプレーンに書き込み、表示優先順序情報を
制御用メモリ４に書き込む（３３）。Ａ／Ｄコンバータ
５はビデオカメラ等から入力された電圧の変化で色を表
すアナログ映像情報を、サンプリングを行い、ＣＲＴ９
やプリンタ１０等の図形表示装置の画面上の画素の位置
と対応したデジタルの表示色データに変換する。画素合
成部７のセレクタは、Ａ／Ｄコンバータ５から入力され
るビデオカメラ等の映像の表示色データを記憶したフレ
ームメモリＢ６の表示色データと、フレームメモリＡ３
から入力されるコマンドによって描画される図形の表示
色データの合成を行う。フレームメモリＡ３から入力さ
れる図形の表示色データは、前記の通り表示色データの
他に表示優先順序情報が含まれる多階層画素情報なの
で、制御用メモリ４に記憶された該表示優先順序情報に
より、図形表示装置に送信する表示色データを該画素合
成部７から選択（３４）し、Ｄ／Ａコンバータ８を介し
て各種図形表示装置に出力する（３５）。本実施例で
は、図形描画コマンド２０に１ビットの表示優先順序情
報を持たせた場合を例に示す。該表示優先順序情報が
“０”の場合は、図形描画コマンドにより描かれる三角
形の表示色データを選択し、“１”の場合は、Ａ／Ｄコ
ンバータから入力されるビデオカメラなどの映像の表示
色データを選択し、Ｄ／Ａコンバータに出力する。選択
された表示色データはＣＲＴやプリンタ等の図形表示装
置に表示されるものとする。

【００１３】また本実施例においては、フレームメモリ
Ａ３及び制御用メモリ４に格納される多階層画素情報は
ｘ，ｙ座標からなる描画位置データと、Ｒ，Ｇ，Ｂから
なる表示色データとで構成される場合を示したが、ＣＰ
Ｕ１でプログラムに従って、描画対象図形の図形描画コ
マンドを発行する際、描画優先情報と、指定した図形を
描画するという描画形状データと、該図形の各頂点の
ｘ，ｙ，Ｒ，Ｇ，Ｂの情報以外に、視点に対して奥行き
方向の位置座標であるｚ座標を付加し、画素生成部で該
図形の辺上及び内部に存在する全ての画素における表示
色データ及びｚ座標を算出する手段と、フレームメモリ
に格納する多階層画素情報に前記ｚ座標を追加し、かつ
フレームメモリに格納されているｚ座標と、前記画素生
成部にて算出したｚ座標を比較し、視点から見て手前の
図形となる画素をフレームメモリに書き込む手段を有す
れば、３次元画像処理を行うことが可能である。

【００１４】本実施例の場合は、図形描画コマンドに含
まれる表示優先情報が１ビットであるが、任意のビット
数にすることにより、複数ある表示図形に任意の優先度
を持たせ、該表示図形の表示優先判定を行い、実際に図
形表示装置に表示する図形を選択することを可能とす
る。即ち図形描画コマンドによって連続した図形を描画
することにより、図５に示すように、複数の複雑でかつ
動的な図形やウィンドウをリアルタイムに合成すること
が可能となる。

【００１５】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
図形表示装置における図形処理方法は、ある任意の形状
の図形を描画する際、表示優先順序情報を付加したこと
により、前記任意の図形ごとに描画の優先判定を行える
ので、リアルタイムに複数の図形又は図形で構成される
複雑な形状のウィンドウを合成することが可能となる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した図形表示装置のシステム構成
を示す図。

【図２】本発明におけるシステムが行う処理を表すフロ
ーチャート。

【図３】図形描画コマンド及び表示色データを示す図。

【図４】表示優先順序情報による動作を示す図。

【図５】本発明による図形の合成の応用例を示す図。

【符号の説明】

１…ＣＰＵ、２…画素生成部、３…フレームメモリＡ、
４…制御用メモリ、５…Ａ／Ｄコンバータ、６…フレー
ムメモリＢ、７…画素合成部、８…Ｄ／Ａコンバータ、
９…ＣＲＴ、１０…プリンタ、１８…ウィンドウ、１９
…視点、２０…図形描画コマンド、２１…描画形状デー
タ、２２…表示色データ及び描画形状データ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも、任意の図形を描画する命令
   （以後、図形描画コマンド）と、該図形描画コマンドに
   より画素の情報に変換する画素生成部とを有する図形表
   示装置において、 前記図形描画コマンドは、当該図形描画コマンドにより
   前記画素生成部が生成する画素の表示の優先順序を表す
   表示優先順序情報を有し、 任意の図形単位に前記表示優先順序情報を画素情報とし
   て格納できる第１のフレームメモリと、 当該第１のフレームメモリに対応し画素情報を格納する
   第２のフレームメモリと、 第３のフレームメモリと、 該第１のフレームメモリから読み出した該表示優先順序
   情報に基づき、前記第２のフレームメモリから読み出し
   た画素情報と前記第３のフレームメモリから読み出した
   画素情報のうち、表示する画素情報を選択する画素合成
   手段を有することを特徴とする図形表示装置。
2. 【請求項２】複数の図形を、同時に１つの表示装置に重
   ねて描画する際に、 該図形の画素情報に前記表示優先順序情報を持たせるこ
   とにより、 複数の該図形の画素情報の中から、該表示優先情報によ
   り、 実際に表示する図形の画素情報の取捨選択を可能とする
   コマンドを有することを特徴とする請求項１に記載の図
   形表示装置。