JPH10123269A - 電子機器用パネルユニット、電子機器および時計 - Google Patents

電子機器用パネルユニット、電子機器および時計

Info

Publication number
JPH10123269A
JPH10123269A JP8272735A JP27273596A JPH10123269A JP H10123269 A JPH10123269 A JP H10123269A JP 8272735 A JP8272735 A JP 8272735A JP 27273596 A JP27273596 A JP 27273596A JP H10123269 A JPH10123269 A JP H10123269A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
outer frame
electronic device
liquid crystal
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8272735A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Okuhara
健一 奥原
Eiichi Hiratani
栄一 平谷
Hidenori Makiba
英典 牧羽
Masahiro Yamada
正浩 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP8272735A priority Critical patent/JPH10123269A/ja
Publication of JPH10123269A publication Critical patent/JPH10123269A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Clocks (AREA)
  • Electromechanical Clocks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子機器の組立時や修理時のパネルの取り扱い
をしやすくする。 【解決手段】環状のパネル外枠31の内周側に液晶パネ
ル1を嵌め入れる。パネル外枠31の外周側には、回路
押さえ板29のフック34が掛かる係合片35を形成す
る。そして、パネル外枠31の内周側に、環状のパネル
止め部材32を嵌め入れて、パネル外枠31とパネル止
め部材32との間に液晶パネル1を挟み込む。パネル止
め部材32の係止爪50が、パネル外枠31の係止穴4
0に引っかかり、これによりパネル外枠31からパネル
止め部材32は脱落不可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器用パネル
ユニット、電子機器、および時計に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、腕時計においては、針で表示を
行うアナログ時計、液晶表示を行うディジタル時計に加
えて、近年では、特公昭59−32755号公報、特公
昭62−40670号公報などに開示されたように、ア
ナログ時計の表面に液晶パネルを重ねた2層式の時計が
開発されている。このような2層式の時計によれば、ア
ナログ時刻表示に重ねて、ディジタル時刻表示などの情
報を視認することが可能である。
【0003】かかる液晶パネルを備えたハイブリッド時
計を製造する1つの方法としては、回路押さえ板、基
板、回路ケース、アナログ時計のムーブメント、内枠、
液晶パネル、パネル外枠を下から上に順次重ねてゆく手
順が採られていた。また、使用時に表面側になる外装ケ
ースを下にして、液晶パネルを載せて、その上にムーブ
メントを載せて、裏蓋を閉める手順もある。これらのい
ずれの手順を採るにしても、液晶パネルは、単体として
取り扱われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液晶パネルを
単体として扱うと、液晶パネルの表面を汚すおそれがあ
る。この場合、液晶パネルの表面に露出している電極の
端末の間が汚れにより短絡して、適切な情報表示ができ
なくなることがある。また、液晶パネル全体あるいは表
面を破損するおそれもある。さらには、液晶パネルの内
部の液晶に静電気を与えて、適切な情報表示をできなく
してしまうことがある。このような不具合は、時計の組
立を機械で行うときには、あまり問題にならないが、故
障の修理などのため、人間の手で分解・再組立を行う場
合には、極めて重要視される。
【0005】また、上記のいずれの手順でも、液晶パネ
ルと他の部品との位置合わせが難しく、このため、組立
後の液晶の表示が適切な位置にならないおそれがある。
【0006】さらに、上述した外装ケースの上に順次、
液晶パネル、アナログムーブメント、裏蓋を重ねてゆく
工法では、最終的に組み立てた時計を反転させないと、
液晶パネル、ムーブメントの針、文字盤などが適切に重
なったかどうか外観検査することができない。また、仮
に針が斜めになれば、液晶パネルを傷つけることになる
が、組立途中は、それすら検査することができない。
【0007】本発明は上記の事情を考慮してなされたも
のであり、電子機器の組立時や修理時の取り扱いがしや
すい電子機器用パネルユニットを提供することを目的と
する。また、本発明は、この電子機器用パネルユニット
を用いた電子機器および時計を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る電子機器用パネルユニットは、少なく
とも一部が少なくとも一時、透過性を有するパネルと、
上記パネルが嵌入可能な嵌入部が形成されており、電子
機器の他の部材に着脱可能に係合する係合部が形成され
た環状のパネル外枠と、上記パネル外枠の嵌入部に嵌入
され上記パネル外枠と係合して、上記パネル外枠とで上
記パネルを挟持する環状のパネル止め部材とを備えるこ
とを特徴とする。
【0009】この電子機器用パネルユニットにおいて
は、パネルがパネル外枠とパネル止め部材との間に挟持
され、しかもパネル外枠の嵌入部にパネルが嵌入される
から、パネル外枠を作業者が保持する限り、パネルに直
接作業者が手を触れて、これを汚したり傷つけたり静電
気を与えたりすることはない。換言すれば、パネルに手
を触れなくても、これを移動し、電子機器へ組み込んだ
り、電子機器から取り外したりするのが容易に行える。
【0010】また、パネルがパネル外枠とパネル止め部
材との間に挟持されているから、例えば、パネルユニッ
トを作業卓の上に直接載置したとしても、パネルは卓面
から離間した高さに支持される。これによっても、パネ
ルを傷つけるおそれを少なくすることができる。
【0011】このパネルユニットを電子機器に組み込む
には、パネル外枠に形成した係合部を電子機器の他の部
材に係合させる。従って、この係合部の位置や形状をあ
らかじめ適切に設計しておけば、パネルと他の部材との
位置合わせは不要である。また、この場合、すでに他の
部品を組み立てた上から、係合部を他の部材に係合させ
ることができ、電子機器の他の部品の損傷などの不具合
を組立の事前または途中で視認することができる。
【0012】本発明に係る電子機器用パネルユニット
は、少なくとも一部が少なくとも一時、透過性を有する
パネルと、上記パネルが嵌入可能な嵌入部が内周側に形
成されており、電子機器の他の部材に着脱可能に係合す
る係合部が外周側に形成された環状のパネル外枠と、上
記パネル外枠の嵌入部に嵌入され上記パネル外枠と係合
して、上記パネル外枠とで上記パネルを挟持する環状の
パネル止め部材とを備えることを特徴とするものであっ
てもよい。
【0013】この電子機器用パネルユニットは、上記と
同様に取り扱うことができるだけでなく、電子機器の他
の部材に係合される係合部がパネル外枠の外周側に形成
されているから、内周側に形成された嵌入部に嵌入され
るパネルを視認するのに、係合部や電子機器の他の部材
が邪魔になることがない上記パネルは、情報表示機能の
ない普通のガラス板のような透明パネルでもよいが、情
報表示を行う表示パネル(例えば液晶パネル、エレクト
ロケミカルディスプレイパネル、プラズマディスプレイ
パネルなど)であるとさらに好ましい。これらの表示パ
ネルには、多くの場合、視認するのが困難な電極の端末
が形成されており、作業者の手で扱ったときなどに端末
を汚してしまい初期の機能を発揮させることができなく
なることがあるからである。
【0014】また、上記パネル外枠の内周および上記パ
ネル止め部材の外周の一方に他方に向けて突出する複数
の係止爪を形成し、他方に上記係止爪が挿入される係止
穴を形成し、上記係止爪と上記係止穴とで上記パネル止
め部材を上記パネル外枠に係合すると好ましい。
【0015】これによれば、パネル外枠の内周と、これ
に対面するパネル止め部材の外周とで、パネル止め部材
をパネル外枠に簡単に係合させることが可能であり、両
者を係合するためのネジのような特別な別個の部材が不
要である。また、係止穴に挿入された係止爪を抜き出す
ようにすれば、容易にパネル止め部材とパネル外枠との
係合を解除し、両者の間からパネルを取り出すことがで
きる。この場合、上記のように内側になるパネル止め部
材も外側になるパネル外枠も環状であるから、わずかに
半径方向に弾性変形させるだけで、両者の着脱が容易に
行える。ただし、係止爪は放射状またはその逆方向に突
出しているから、このような弾性変形を起こさなけれ
ば、係止爪は係止穴から抜け出すことはなく、平常時、
パネル止め部材はパネル外枠から脱落することはない。
【0016】この場合、上記係止爪および上記係止穴が
それぞれ3つ以上形成され、上記パネル止め部材を上記
パネル外枠に係合する初期の段階で、上記パネル止め部
材を上記パネル外枠に対し傾けた状態で、上記係止片の
うち2つが上記係止穴に挿入されるようにすると、好適
である。
【0017】このようにすると、パネル止め部材をパネ
ル外枠に係合する初期の段階では係止していない係止片
と係止穴との位置合わせも容易になり、その後は、位置
合わせした係止片を係止穴に挿入するだけで、容易にパ
ネル外枠に対してパネル止め部材を適切な位置に係合す
ることができる。
【0018】さらに、上記パネル止め部材に外側に突出
する突起を設け、上記パネル外枠に上記突起と対向する
座部を形成し、上記パネル止め部材を上記パネル外枠に
係合したときに、上記突起が上記座部に当接して、実質
的に上記パネル止め部材が上記パネルに挟持力を与えな
いようにすると好ましい。
【0019】これによれば、パネル止め部材をさらにパ
ネル外枠に向けて押したとしても、パネル止め部材は、
突起がパネル外枠の座部に当接した位置よりもパネル外
枠側には移動不可能である。従って、パネルには過大な
力がかからず、割れなどの破損が防止される。
【0020】また、上記パネル止め部材が、上記パネル
外枠の内側の輪郭よりも内側に張り出しており、上記パ
ネル止め部材の表側に装飾または記号が付けられている
と好ましい。
【0021】これにより、パネル止め部材が装飾部品を
兼ねることになり、経済的に装飾効果を得ることができ
る。また、例えば、電子機器がアナログ時計の場合に、
パネル止め部材に時分を示す文字を付け、文字盤ととも
に時刻表示の便宜を図ることができる。あるいは、パネ
ル止め部材に従来の文字盤の目盛を付け、従来の文字盤
の位置に反射板を設けるなどしてデザインの幅を広げる
ことができる。
【0022】本発明に係る電子機器は、使用者が視認す
る側に、上記の電子機器用パネルユニットを備えること
を特徴とする。
【0023】この場合において、上記パネルは、通電す
ることにより情報表示を行う表示パネルであって、上記
電子機器用パネルユニットの裏側に、上記表示パネルに
電力供給する電源が搭載されて上記電子機器用パネルユ
ニットに取り付けられるケースが設けられ、上記ケース
には、上記電源と上記パネルとの間を導通するコネクタ
が取り付けられ、上記電子機器用パネルユニットと上記
ケースとが取り付けられると、上記コネクタが上記表示
パネルを上記外枠に向けて押圧するようにしてあると好
ましい。
【0024】上記のように、パネルユニットにおいて
は、実質的にパネル止め部材がパネルに挟持力を与えな
いようにされているが、この電子機器によれば、電子機
器用パネルユニットとケースとを取り付けると、コネク
タが表示パネルを外枠に向けて押圧する。従って、電源
とパネルとの間の導通が可能になるだけでなく、パネル
のがたつきも防止される。
【0025】本発明に係る時計は、使用者が視認する側
に配置された上記の電子機器用パネルユニットと、その
裏側に配置されたアナログムーブメントと、上記パネル
ユニットと上記アナログムーブメントとの間に配置され
上記アナログムーブメントに駆動される指針手段とを備
えることを特徴とする。
【0026】この場合において、上記パネルは、通電す
ることにより情報表示を行う表示パネルであって、上記
電子機器用パネルユニットの裏側に、上記表示パネルに
電力供給する電源および上記アナログムーブメントが搭
載されて上記電子機器用パネルユニットに取り付けられ
るケースが設けられ、上記ケースには、上記電源と上記
パネルとの間を導通するコネクタが取り付けられ、上記
電子機器用パネルユニットと上記ケースとが取り付けら
れると、上記コネクタが上記表示パネルを上記外枠に向
けて押圧するようにしてあると好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明する。
【0028】1. 実施形態の全体構成 まず、図1は本発明に係る電子機器である時計の構造を
示す側断面図である。同図において、符号1は液晶パネ
ルを示し、符号10は液晶パネル本体を示す。液晶パネ
ル本体10の表面のほぼ全体には、紫外線遮断フィルム
20が接合されており、液晶パネル本体10の裏面のほ
ぼ全体には、透明層21が接合されている。この液晶パ
ネル1は、環状のパネル外枠31と、パネル外枠31の
内部に嵌入されして係合する環状のパネル止め部材32
とで挟持されており、これらの液晶パネル1、パネル外
枠31およびパネル止め部材32によってパネルユニッ
トUが構成されている。
【0029】液晶パネル1の裏側には、液晶パネル1と
平行になるように文字盤22が配置され、その裏側に
は、時計のアナログムーブメントのケーシング23が配
置されている。文字盤22よりも表面側には、時針2
4、分針25、秒針26が配置されており、これらの針
(指針手段)24,25,26がアナログムーブメント
によって動かされる。このアナログムーブメントの詳細
な説明は省略する。アナログムーブメントのケーシング
23には、側方に向けて延在する竜頭33が脱落不能に
取り付けられている。文字盤22は、ケーシング23に
接合されており、ケーシング23は、樹脂製の回路ケー
ス27内に取り付けられている。回路ケース27の裏側
には、回路基板28が接合されており、さらにその裏側
には金属製の回路押さえ板29が接合されている。
【0030】回路押さえ板29の縁部には、四つのフッ
ク34(図1では二つのみ示す)が形成されており、こ
のフック34は上方へ向けて屈曲されている。一方、パ
ネル外枠31の外周には、四つの係合片(係合部)35
(図1では二つのみ示す)が外側に向けて突設されてい
る。そして、フック34に係合片35をそれぞれ嵌入す
ることによって、パネルユニットUが、回路押さえ板2
9に取り付けられ、両者の間に回路ケース27および回
路基板28が挟持されている。
【0031】回路ケース27内には、図示しない電池の
収容部が設けられている。この電池の一方の端子は、金
属製の回路押さえ板29に接続され、他方の端子は回路
基板28上に形成された回路の端末に接続されている。
上記のアナログムーブメントには、回路押さえ板29と
回路基板28で形成された回路によって電力供給がされ
るようになっている。
【0032】また、回路基板28上には、液晶パネル1
へ電力供給するための回路も形成されている。符号36
は、液晶パネル1と回路基板28上の回路とを接続する
ゼブラコネクタを示す。ゼブラコネクタ36は三つ設け
られ(図1では1つだけ示す)、回路ケース27の保持
穴37に保持されており、パネル外枠31とパネル止め
部材32との間に設けられた貫通穴38を貫通してい
る。このゼブラコネクタ36は、薄板状であり、絶縁弾
性体を主体とし、所定位置に複数の導通路をなすように
導電体が分散されて形成されている。これらの導通路に
より、回路基板28上の回路の端末と、液晶パネル1の
端末とが接続される。
【0033】以上説明した時計の内部構造Sは、さら
に、外装兼保護用の上ケース2と下ケース3、裏蓋4お
よび表側の保護ガラス5によって覆われ、竜頭33の操
作部のみが操作するために露出させられている。
【0034】2.液晶パネル1の詳細 図2に示すように、この時計では、液晶パネル本体10
でディジタル式の情報表示を行う一方で、針24,2
5,26でアナログ式の時刻表示を行う。図2におい
て、[mo]は液晶パネル本体10で表示した曜日表
示、[12-24]は月日表示である。符号30は、文字盤
22上に設けた目盛を示す。なお、液晶パネル本体10
での情報表示は、曜日表示、月日表示に限定されず、時
刻、タイマー、ストップウォッチ、アラームなどの様々
な表示を行わせることが可能である。
【0035】図3は、液晶パネル1を拡大して示す側断
面図である。液晶パネル本体10は、表側の基板11、
セグメント電極12、液晶層13、コモン電極層14お
よび裏側の基板15とを備えている。基板11,15
は、透明材料から形成されている(一例として、屈折率
1.5のガラスによって形成してよい)。セグメント電
極12およびコモン電極層14も、ITOのような透明
材料から形成されており、コモン電極層14は裏側の基
板15のほぼ全面にわたって形成され、セグメント電極
12は表側の基板11上に、表示を行うセグメントを形
づくるように形成されている。そして、セグメント電極
12およびおよびコモン電極層14が対向するように、
表側の基板11および裏側の基板15が平行に配置され
て、両者の間に液晶層13が封入されている。基板1
1,15の間隙は、3ないし20μmであると好まし
い。
【0036】なお、表側の基板11および裏側の基板1
5の端縁の間は、液晶層13の漏れを防ぐシール材(図
示せず)で封止されている。また、表側の基板11およ
び裏側の基板15の内側の面には、配向処理を施す。さ
らに、表側の基板11の表面、すなわち見る者が相対す
る表側の面に無反射処理あるいはノングレア処理を施す
と、極めて視認性が向上して好ましい。
【0037】液晶パネル本体10で用いる液晶層13
は、高分子配向分散型であって、電界無印加では透明で
あって、電界を印加すると光を拡散させる性質を有す
る。すなわち、セグメント電極12とコモン電極層14
との間に電界が印加されると、使用者には白ないし灰色
に見え、これによって上記の表示が視認される(図2参
照)。
【0038】液晶層13の製造方法は、次の通りであ
る。まず、高分子または高分子前駆体と液晶とを相溶し
た混合液を基板11,15の間に封入する。次に、液晶
と高分子を相分離する。これにより、液晶層13の内部
で、液晶と高分子とを互いに配向する。なお、配向状態
としては、液晶中に高分子が粒子または粒子連結体とな
って分散されるものでもよいし、液晶中に高分子がゲル
状態になって網目状になるものでもよい。また、高分子
中に液晶が液滴状に分散される配向状態であってもよ
い。
【0039】上記の高分子前駆体としては、ビフェニル
メタクリレートのようなメタクリレートのほか、アクリ
レート、その他のビニル化合物、エポキシ化合物のよう
な光あるいは電子線重合性の化合物、エポキシ化合物の
ような熱重合性の化合物が使用可能である。光あるいは
電子線重合性の化合物については、適当な波長の光ある
いは電子線を照射して、液晶から相分離する。熱重合性
の化合物については、適度な温度まで加熱して相分離す
る。
【0040】また、高分子としては、エチルセルロース
のような熱可塑性の高分子を用いることができる。この
場合は、加熱状態で液晶と相溶した後、冷却すれば、相
分離を起こすことができる。
【0041】なお、液晶成分中にカイラル成分を混入し
ておいてもよい。これにより光がよく散乱し、液晶中の
表示をより容易に視認することが可能になる。カイラル
成分としては、液晶の配向をねじる力があれば足り、大
抵のカイラル成分を本実施形態に使用することができ
る。
【0042】一例として、液晶主成分(商品名「BL0
07」、メルク社製)を90重量%、カイラル成分(商
品名「CB15」、メルク社製)を3重量%、高分子前
駆体(ビフェニルメタクリレート)を7重量%混合し
て、この液体を基板11,15の間に封入し、これに紫
外線を照射して液晶と高分子を互いに配向した状態で相
分離した。このようにして、液晶層13を形成した。こ
の製造した表示素子は、駆動電圧が5V程度であり、従
来の時計用のICによっても十分駆動できるものであっ
た。
【0043】なお、液晶として誘電異方性が正のものを
使用する場合には、基板11,15の内面の配向処理は
水平配向処理とすることが好ましい。また、誘電異方性
が負の液晶を使用する場合には、垂直配向処理を行うこ
とが好ましい。
【0044】上記の液晶パネル本体10において、液晶
層13は、電界無印加では透明であって、電界を印加す
ると光を拡散させる性質を有する。従って、セグメント
電極12とコモン電極層14との間に電界が印加される
と、図2に示すように、両者の間の部分が使用者には白
または灰色に着色されて見え、これによって上記の表示
が視認される。電界が印加されない部分は、透明であ
り、文字盤22および針24,25,26によって表さ
れるアナログ表示を見ることができる。なお、上記のよ
うに白または灰色に着色されて見えるのは、液晶層13
での光の散乱によるものである。
【0045】さて、図3に示すように、液晶パネル本体
10の裏側の基板15の裏面には、1層の透明層21が
直接接合されている。透明層21としては、例えば屈折
率1.9のSn02で形成することができる。かかる構成に
よれば、表側から入射し裏側の基板15を透過した透過
光が、透明層21によって散乱される度合いが強まる。
具体的には、前記透過光の一部は透明層21を透過し、
残りは裏側の基板15と透明層21との境界面で反射さ
せられて、表側に戻ってゆく。また、透明層21を透過
した光の一部は、空気に向けて進行するが、残りは透明
層21と空気との境界面で反射させられて、表側に戻っ
てゆく。このような反射した光によって、さらに液晶層
13での光の散乱度が向上し、液晶層13で行われてい
る表示がより強く照らされ、これを明瞭に視認すること
が可能となる。従って、透明層21からの反射光が十分
であれば、仮に文字盤22の明度が低くても、液晶層1
3の表示を際だたせることが可能となり、明瞭に視認で
きることになる。
【0046】なお、図4に示すように、液晶パネル1の
表側の基板11および裏側の基板15は、八角形に形成
されて、重ね合わせられている。表側の基板11は裏側
の基板15よりもわずかに大きく形成され、両者を重ね
合わせたとき、図示のように表側の基板11が部分的に
裏側の基板15よりもはみ出すようにされている。この
ようにはみ出した延出部11aは三つ設けられており、
延出部11aの裏面には、液晶パネル1の端子が形成さ
れており、これらの端子がゼブラコネクタ36の導通路
と接続されるようになっている。
【0047】3.液晶パネルユニットUの詳細 図4に示すように、パネル外枠31は、外側の輪郭がほ
ぼ円形の環状であり、樹脂により形成されている。同図
に示すように、パネル外枠31の表側には、内側に張り
出す縁部31aが形成されている。縁部31aには、八
角形の窓31bが形成されており、これにより液晶パネ
ル1の表示を視認可能になっている。
【0048】図5はパネル外枠31の裏面図である。同
図に示すように、パネル外枠31の内周は、八角形の嵌
入部31cとされており、紙面手前側すなわち裏側から
液晶パネル1を入れると、縁部31aに液晶パネル1の
端縁部が受け止められ、嵌入部31cに液晶パネル1が
嵌入されるようになっている。嵌入部31cは、液晶パ
ネル1よりもわずかに面積が大きくされている。また、
嵌入部31cには、パネル止め部材32も嵌入されて係
止されるようになっており、これにより、パネル外枠3
1の縁部31aとパネル止め部材32とで液晶パネル1
が挟持される。パネル外枠31の外周面には、90゜の
角間隔をおいて四箇所に条溝39が設けられている。条
溝39はパネル外枠31の軸線方向に沿って形成されて
おり、各条溝39の中央には、係合片35が突設されて
いる。
【0049】また、図5の紙面手前側において、パネル
外枠31の側壁には、半径方向に貫通する係止穴40が
90゜の角間隔をおいて四つ形成されている。
【0050】また、図5の紙面手前側のパネル外枠31
の端面には、紙面奥側に向けて凹んだ座部41が八つ形
成されている。これらの座部41は、係止穴40が形成
された部分に近接してその部分の両側に形成されてい
る。これにより、近接する二つの座部41の間に紙面手
前側に突出する突出部42が設けられており、係止穴4
0は突出部42の中央を貫通している。
【0051】さて、パネル外枠31の嵌入部31cに
は、六つの凹溝43と、凹溝43よりも幅の広い一つの
凹溝44が形成されている。凹溝43は、上記の四つの
係合片35のうち三つの係合片35の近傍に、それぞれ
二つずつ設けられており、凹溝44は他の一つの係合片
35の近傍に設けられている。
【0052】なお、符号45は、パネル外枠31の裏側
の端面に突設された位置決めピンを示す。
【0053】一方、パネル止め部材32は、図4に示す
ように、内側の輪郭が円形の環状であって、これも樹脂
により形成されている。パネル止め部材32の外側の輪
郭は、パネル外枠31の嵌入部31cに嵌入されるよう
に八角形に近似した形状である。
【0054】図6に示すように、パネル外枠31の外周
面において、90゜の角間隔をおいた四つの区域には、
それぞれ一つの係止爪50と二つの突起51が外側に向
けて突設されている。各区域において、係止爪50は、
突起51の間に挟まれている。
【0055】また、パネル止め部材32の外周面には、
三つの区域に二つずつ並列した凹溝53が合計六つ設け
られている。さらに、凹溝53とは離間した位置に幅の
広い突条54が設けられている。凹溝53および突条5
4は、いずれもパネル止め部材32の軸線方向全体にわ
たって形成されている。また、並列した二つの凹溝53
の間には、小さい突条55が形成されている。
【0056】さて、パネルユニットUを組み立てるに
は、まずパネル外枠31の嵌入部31cに液晶パネル1
を嵌入する。この際には、液晶パネル1の表側の基板1
1が表側になり、表側の基板11の三つの延出部11a
がパネル外枠31の凹溝43が形成された区域に隣接す
る位置になるようにする。
【0057】次に、パネル外枠31の嵌入部31cにパ
ネル止め部材32を嵌入する。この際には、図6に示す
ように、パネル外枠31の凹溝43とパネル止め部材3
2の凹溝53が対向し、パネル外枠31の凹溝44にパ
ネル止め部材32の突条54が嵌まり合うようにする。
【0058】そして、パネル外枠31の座部41(図5
参照)に、パネル止め部材32の突起51を対面させ、
パネル外枠31の係止穴40に、パネル止め部材32の
係止爪50を差し込む。これにより、パネル外枠31と
パネル止め部材32が係合し、パネル外枠31とパネル
止め部材32とで液晶パネル1が挟持され、パネルユニ
ットUが完成する。
【0059】図6は、パネル止め部材32をパネル外枠
31に係合させる初期の段階を示しており、この段階で
は、パネル外枠31に対してパネル止め部材32がわず
かに傾いている。具体的には、図6の上方においてパネ
ル止め部材32の突起51がパネル止め部材32の座部
41から離間し、下方において突起51が座部41に当
接した状態である。図示の状態では、パネル止め部材3
2の図中下方の二つの係止爪50が、係止穴40に挿入
され、上方の二つの係止爪50が係止穴40にまだ挿入
されていない。このように二つの係止爪50を係止穴4
0に挿入するには、パネル外枠31に対してパネル止め
部材32を傾けた状態で、パネル止め部材32を横方向
に摺動させればよい。このようにすれば、液晶パネル1
に作業者が直接手を触れてしまうおそれを少なくするこ
とができる。
【0060】そして、図6の状態において、パネル止め
部材32の図中上方の部分をパネル外枠31に向けて押
し込めば、挿入されていなかった二つの係止爪50が係
止穴40に挿入される。パネル外枠31およびパネル止
め部材32は、ともに環状であるから、わずかに半径方
向に変形可能であり、この時の係止爪50の係止穴40
への挿入を容易にする。このようにして取付を行うと、
パネル止め部材32をパネル外枠31に係合する初期の
段階ではまだ係止させていない係止片50と係止穴40
との位置合わせも容易になり、その後は、位置合わせし
た係止片50を係止穴40に挿入するだけで、容易にパ
ネル外枠31に対してパネル止め部材32を適切な位置
に係合することができる。
【0061】完成したパネルユニットUの裏面側には、
パネル外枠31の内周面とパネル止め部材32の外周面
との間に三つの嵌合溝56が設けられる。嵌合溝56の
両端では、凹溝43および凹溝53によって幅が広くな
っており、嵌合溝56の中央では、突条55によって幅
が狭くなっている。
【0062】このようにして完成した電子機器用パネル
ユニットUにおいては、液晶パネル1が液晶パネル1が
パネル外枠31とパネル止め部材32との間に挟持さ
れ、しかもパネル外枠31の嵌入部31cに液晶パネル
1が嵌入されるから、パネル外枠31を作業者が保持す
る限り、パネルに直接作業者が手を触れて、これを汚し
たり傷つけたり静電気を与えたりすることはない。換言
すれば、液晶パネル1に手を触れなくても、これを移動
し、時計へ組み込んだり、時計から取り外したりするの
が容易に行える。
【0063】特に、液晶パネル1の表側の基板11の延
出部11aの裏面には、視認するのが困難な電極の端末
が形成されており、作業者の手で扱ったときなどに端末
を汚してしまい初期の機能を発揮させることができなく
なることがある。また、液晶パネル1は、液晶パネル本
体10の表面に紫外線遮断フィルム20を接合し、裏面
に透明層21を接合した構造であり、材質によっては、
これらの紫外線遮断フィルム20または透明層21が非
常に損傷されやすくなる。しかし、パネルユニットUと
して取り扱うことにより、このような不具合を防止する
ことができる。また、液晶パネル1がパネル外枠31と
パネル止め部材32との間に挟持されているから、例え
ば、パネルユニットUを作業卓の上に直接載置したとし
ても、パネル1は卓面から離間した位置に支持される。
これによっても、パネル1を傷つけるおそれを少なくす
ることができる。
【0064】上記のパネルユニットUにおいては、パネ
ル止め部材32の外周から放射方向に突出する四つの係
止爪50と、パネル外枠31の内周から放射方向に延び
る係止穴40とで、パネル止め部材32をパネル外枠3
1に簡単に係合させることが可能であり、両者を係合す
るためのネジのような特別な別個の部材が不要である。
また、係止穴40に挿入された係止爪50を抜き出すよ
うにすれば、容易にパネル止め部材32とパネル外枠3
1との係合を解除し、両者の間からパネル1を取り出す
ことができる。この場合、内側になるパネル止め部材3
2も外側になるパネル外枠31も環状であるから、わず
かに半径方向に弾性変形させるだけで、両者の着脱が容
易に行える。ただし、係止爪50は放射状に突出してい
るから、このような弾性変形を起こさなければ、係止爪
50は係止穴40から抜け出すことはなく、平常時、パ
ネル止め部材32はパネル外枠31から脱落することは
ない。なお、以上とは逆に、パネル外枠31の内周に内
側に向けて突出する係止爪を形成し、パネル止め部材3
2の外周から内側に向けて係止穴を形成してもよい。
【0065】図7は、図6のVII-VII線矢視断面図を示
す。同図に示すように、完成後のパネルユニットUにお
いては(すなわち係止爪50を係止穴40に挿入した状
態では)、突起51が座部41に当接する。従って、パ
ネル止め部材32をさらにパネル外枠31に向けて押し
たとしても、パネル止め部材32は、突起51が座部4
1に当接した位置よりもパネル外枠31側には移動不可
能である。図7に示すように、パネル外枠31の縁部3
1aと、液晶パネル1との間には、隙間Iがある。この
ため、パネル1には過大な力がかからず、割れなどの破
損が防止される。
【0066】図8に、完成したパネルユニットUを示
す。同図に示すように、パネル止め部材32の表側端面
32aは、パネル外枠31の表側の縁部31aに形成さ
れた窓31bよりも内側に張り出している。従って、パ
ネル外枠31内にある表側端面32aは、表側から保護
ガラス5(図1参照)、窓31bおよび液晶パネル1を
透して、視認することが可能になっている。また、パネ
ル止め部材32の円形の内周面32bは、表側から裏側
にかけて円が小さくなるように傾斜面とされており、こ
れも保護ガラス5、窓31bおよび液晶パネル1を透し
て視認可能になっている。
【0067】これらの表側端面32aおよび内周面32
bには、あらかじめ装飾または文字や数字などの記号を
付けておくことが可能である。これにより、パネル止め
部材32が装飾部品を兼ねることになり、経済的に装飾
効果を得ることができる。また、表側端面32aまたは
内周面32bに時分を示す文字を付け、文字盤22とと
もに時刻表示の便宜を図ることができる。あるいは、パ
ネル止め部材32に文字盤同様の目盛を付け、図示の文
字盤を排除し、その代わりに反射板を設けるなどしてデ
ザインの幅を広げることができる。
【0068】4.時計の内部構造の他の部分の詳細 次に、図4を参照して、パネルユニットU以外の時計の
内部構造の他の部分の詳細を説明する。
【0069】文字盤22は、円形板であり、その裏面に
はアナログムーブメントのケーシング23が取り付けら
れている。針24,25,26を回転軸から取り外した
状態で、文字盤22は、ケーシング23に着脱すること
が自在にされている。
【0070】上述したように液晶パネル1のディジタル
表示の着色される色は、白または灰色であるから、この
液晶表示を際だたせるため、文字盤22の表面は、黒、
濃青、濃赤などの明度が低い色であることが好ましい。
この場合、文字盤22の表面と識別容易な白などで目盛
30を設けるとよい。あるいは、文字盤22の表面は反
射性であると好ましい。この場合には、反射光によっ
て、液晶表示の部分で散乱を引き起こし、これによって
液晶において表示と他の部分とのコントラストを付け、
表示を目立たせることができる。特に、文字盤22の表
面を鏡面仕上げしておくと好適である。
【0071】回路ケース27は、ほぼ円形の環状であ
り、中央には、ケーシング23が嵌合する座部27aが
形成されている。また、座部27aの周囲には、90゜
の角間隔をおいて、三つの保持穴37が形成されてい
る。保持穴37は、回路ケース27の表側から裏側にか
けて貫通しており、回路ケース27の接線方向に長い細
長い穴である。各保持穴37の両端の付近には、それぞ
れ二つの舌片27b,27cが突設されている。また、
各保持穴37の付近において、回路ケース27の周縁に
は、条溝27dが形成されている。なお、符号27e
は、回路ケース27を半径方向に貫通するスリットを示
し、27fは回路ケース27の端縁部を表側から裏側に
かけて貫通する穴を示す。また、27gは、位置決め穴
を示す。
【0072】回路基板28は、輪郭が丸みを帯びたほぼ
八角形にされている。回路基板28上の回路の詳細な説
明は省略する。回路基板28には、ケーシング23に収
まる電池の挿入穴28aが形成されている。
【0073】回路押さえ板29は、ほぼ回路基板28と
全面的に当接する形状であり、その端縁からは四つのフ
ック34が延出している。フック34は、それぞれ表側
に向けて屈曲されている。また、フック34には、それ
ぞれ貫通穴34aが形成されている。なお、回路押さえ
板29にも電池の挿入穴29aが形成されている。
【0074】図8に示すように、パネルユニットU以外
のこれらの部分は、パネルユニットUとは別個に組み立
てる。まず、アナログムーブメントのケーシング23、
回路ケース27および回路基板28を重ねて、ケーシン
グ23と回路基板28とを接合し、両者の間に回路ケー
ス27を挟持させる。
【0075】次に、回路押さえ板29の上に回路基板2
8を重ねて、両者を接合する。この際には、回路押さえ
板29の側部に立設したフック34のうち三つをを回路
ケース27の周縁部の三つの条溝27dに嵌め込み、フ
ック34の一つを穴27fに挿入する。
【0076】この後、穴27fに挿入したフック34に
竜頭33を差し込み、竜頭33の先端をケーシング23
内のアナログムーブメントに取り付けることによって、
図8に示すような組立体60を形成する。
【0077】そして、回路ケース27に形成した三つの
保持穴37にそれぞれゼブラコネクタ36を挿入する。
これにより、ゼブラコネクタ36は、舌片27b,27
cの間に支持されて立てられ、その下端面が、回路基板
28上の端子と接触する。
【0078】その後、パネルユニットUを組立体60に
取り付ける。この際には、パネルユニットUのパネル外
枠31の内周とパネル止め部材32の外周との間にでき
た三つの嵌合溝56(図6参照)に、三つのゼブラコネ
クタ36が挿入されるようにする。ゼブラコネクタ36
は、嵌合溝56にある突条55によって、がたつかない
ようにされる。
【0079】また同時に、組立体60の回路ケース27
の位置決め穴27gにパネルユニットUのパネル外枠3
1の位置決めピン45を差し込むと共に、組立体60の
回路押さえ板29のフック34に、パネル外枠31の係
合片35を係合させる。図1に示すように、係合片35
はパネル外枠31の裏面側に向けて小さくなるようにテ
ーパ状に形成されているため、フック34の貫通穴34
aに引っかかりやすくなっている。
【0080】以上のようにして、図9に示す時計の内部
構造Sの組立を完了する。パネルユニットUを組立体6
0から取り外す際には、フック34を外側にわずかに撓
ませることによって、貫通穴34aから係合片35を抜
き出す。
【0081】上記のように、内部構造Sの組立の際に
は、パネル外枠31の外周側に形成した係合片35を回
路押さえ板29のフック34に係合させるため、係合片
35の位置や形状をあらかじめ適切に設計しておくこと
により、液晶パネル1と他の部材との位置合わせは不要
である。また、すでに組立体60を組み立てた上から、
係合片35を組立体60に係合させることができ、時計
の他の部品(例えば、針24,25,26)の損傷など
の不具合を組立の事前または途中で視認することができ
る。
【0082】さて、図7に示すように、パネル外枠31
とパネル止め部材32とを係合して、パネルユニットU
を組み立てた時点では、上記のように、突起51が座部
41に当接するために、パネル外枠31の縁部31a
と、液晶パネル1との間には、隙間Iがある。しかし、
内部構造Sの組立を完了すると、回路押さえ板29のフ
ック34とパネル外枠31の係合片35とが係合される
ことにより、ゼブラコネクタ36が図1に示すように、
液晶パネル1と回路基板28とで挟まれ、ゼブラコネク
タ36が液晶パネル1に向けて反力を与えてこれをパネ
ル外枠31の縁部31a押しつける。これによって、液
晶パネル1のがたつきが防止される。そして、弾性を有
することによって、ゼブラコネクタ36が縮むので、液
晶パネル1には過大な力がかからないようになってい
る。
【0083】なお、内部構造Sの組立完了と同時に、ゼ
ブラコネクタ36の内部に形成された導通路は、液晶パ
ネル1の表側の基板11の延出部11aの裏面の端末
と、回路基板28上の端末とを接続する。
【0084】5. 変更例 液晶パネル1の表示は、上述の実施形態のように、外か
らの光の透過反射だけを利用するものに限らなくてもよ
い。例えば、裏側の表示手段をバックライト方式とした
り、あるいは液晶パネル1と裏側の表示手段との間に光
源を設けたりして、液晶パネル1の裏側から発光させて
もよい。上記の高分子配向分散型の液晶層13の表示
は、外光の透過反射の場合でも視認可能であるが、裏側
からの光によって、液晶パネル1での表示は阻害され
ず、むしろ、より明瞭に視認されるようになる。さら
に、このように裏側から発光させる場合には、液晶パネ
ル1を透過する光の量の影響を受けずに、裏側の表示手
段が視認される。
【0085】上述の実施形態においては、液晶パネル1
の液晶層13は、高分子配向分散型であるが、TN型や
STN型などの他の液晶であってもよく、この場合、文
字盤22の表面の色の明度が高くても構わない。液晶パ
ネル1に代えて、エレクトロケミカルディスプレイパネ
ル、プラズマディスプレイパネルなどを使用することも
可能である。また、パネルとしては、平常時に透明でな
くても、電界の印加状態を変更すると透明になるような
少なくとも一時的に透過性を有するものであれば、本発
明の効果を享受することができる。さらには、情報表示
機能のない普通のガラス板のような透明パネルを使用す
ることも可能であり、この場合、完成品は、実施形態の
ようなハイブリッド時計ではなく、通常のアナログ時計
になる。また、上述の実施形態では、パネル外枠31
は、外側の輪郭が円形の環状であって、パネル止め部材
32は、内側の輪郭が円形の環状であるが、これに限ら
ず、角形などの環状であってもよい。
【0086】なお、本発明に係る電子機器は、上述の実
施形態のように時計に限らなくてもよい。例えば、電
卓、電子手帳、無線呼出装置のように液晶その他の情報
表示パネルを利用するものであってもよい。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、電子機器の組立時や修理時において、パネルに直接
触れることなく、容易にパネルを取り扱うことが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電子機器である時
計を示す側断面図である。
【図2】 上記時計の要部を示す平面図である。
【図3】 上記時計に用いられる液晶パネルを示す側断
面図である。
【図4】 上記時計の内部構造を分解して示す斜視図で
ある。
【図5】 上記時計のパネル外枠を示す裏面図である。
【図6】 図5のパネル外枠に液晶パネルとパネル止め
部材を組み合わせてパネルユニットを組み立てる途中を
示す裏面図である。
【図7】 図6のVII-VII線矢視断面図である。
【図8】 上記パネルユニットと、他の内部構造部品の
組立体を示す斜視図である。
【図9】 上記時計の内部構造を組立てた状態を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1…液晶パネル、22…文字盤、23…アナログムーブ
メントのケーシング、24,25,26…針(指針手
段)、27…回路ケース、28…回路基板、29…回路
押さえ板、31…パネル外枠、31c…嵌入部、32…
パネル止め部材、34…フック、35…係合片(係合
部)、36…ゼブラコネクタ、40…係止穴、50…係
止爪、60…組立体、S…内部構造、U…パネルユニッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 正浩 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が少なくとも一時、透過
    性を有するパネルと、 上記パネルが嵌入可能な嵌入部が形成されており、電子
    機器の他の部材に着脱可能に係合する係合部が形成され
    た環状のパネル外枠と、 上記パネル外枠の嵌入部に嵌入され上記パネル外枠と係
    合して、上記パネル外枠とで上記パネルを挟持する環状
    のパネル止め部材とを備えることを特徴とする電子機器
    用パネルユニット。
  2. 【請求項2】 少なくとも一部が少なくとも一時、透過
    性を有するパネルと、 上記パネルが嵌入可能な嵌入部が内周側に形成されてお
    り、電子機器の他の部材に着脱可能に係合する係合部が
    外周側に形成された環状のパネル外枠と、 上記パネル外枠の嵌入部に嵌入され上記パネル外枠と係
    合して、上記パネル外枠とで上記パネルを挟持する環状
    のパネル止め部材とを備えることを特徴とする電子機器
    用パネルユニット。
  3. 【請求項3】 上記パネルは情報表示を行う表示パネル
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子
    機器用パネルユニット。
  4. 【請求項4】 上記パネル外枠の内周および上記パネル
    止め部材の外周の一方に他方に向けて突出する複数の係
    止爪を形成し、他方に上記係止爪が挿入される係止穴を
    形成し、上記係止爪と上記係止穴とで上記パネル止め部
    材を上記パネル外枠に係合したことを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載の電子機器用パネルユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】 上記係止爪および上記係止穴がそれぞれ
    3つ以上形成され、上記パネル止め部材を上記パネル外
    枠に係合する初期の段階で、上記パネル止め部材を上記
    パネル外枠に対し傾けた状態で、上記係止片のうち2つ
    が上記係止穴に挿入されるようにしたことを特徴とする
    請求項4に記載の電子機器用パネルユニット。
  6. 【請求項6】 上記パネル止め部材に外側に突出する突
    起を設け、上記パネル外枠に上記突起と対向する座部を
    形成し、上記パネル止め部材を上記パネル外枠に係合し
    たときに、上記突起が上記座部に当接して、実質的に上
    記パネル止め部材が上記パネルに挟持力を与えないよう
    にしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載の電子機器用パネルユニット。
  7. 【請求項7】 上記パネル止め部材が、上記パネル外枠
    の内側の輪郭よりも内側に張り出しており、上記パネル
    止め部材の表側に装飾または記号が付けられていること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電子
    機器用パネルユニット
  8. 【請求項8】 使用者が視認する側に請求項1ないし7
    に記載の電子機器用パネルユニットを備えることを特徴
    とする電子機器。
  9. 【請求項9】 上記パネルは、通電することにより情報
    表示を行う表示パネルであって、 上記電子機器用パネルユニットの裏側に、上記表示パネ
    ルに電力供給する電源が搭載されて上記電子機器用パネ
    ルユニットに取り付けられるケースが設けられ、 上記ケースには、上記電源と上記パネルとの間を導通す
    るコネクタが取り付けられ、 上記電子機器用パネルユニットと上記ケースとが取り付
    けられると、上記コネクタが上記表示パネルを上記外枠
    に向けて押圧するようにしたことを特徴とする請求項8
    に記載の電子機器。
  10. 【請求項10】 使用者が視認する側に配置された請求
    項1ないし7のいずれかに記載の電子機器用パネルユニ
    ットと、その裏側に配置されたアナログムーブメント
    と、上記パネルユニットと上記アナログムーブメントと
    の間に配置され上記アナログムーブメントに駆動される
    指針手段とを備えることを特徴とする時計。
  11. 【請求項11】 上記パネルは、通電することにより情
    報表示を行う表示パネルであって、 上記電子機器用パネルユニットの裏側に、上記表示パネ
    ルに電力供給する電源および上記アナログムーブメント
    が搭載されて上記電子機器用パネルユニットに取り付け
    られるケースが設けられ、 上記ケースには、上記電源と上記パネルとの間を導通す
    るコネクタが取り付けられ、 上記電子機器用パネルユニットと上記ケースとが取り付
    けられると、上記コネクタが上記表示パネルを上記外枠
    に向けて押圧するようにしたことを特徴とする請求項1
    0に記載の時計。
JP8272735A 1996-10-15 1996-10-15 電子機器用パネルユニット、電子機器および時計 Pending JPH10123269A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8272735A JPH10123269A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 電子機器用パネルユニット、電子機器および時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8272735A JPH10123269A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 電子機器用パネルユニット、電子機器および時計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10123269A true JPH10123269A (ja) 1998-05-15

Family

ID=17518055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8272735A Pending JPH10123269A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 電子機器用パネルユニット、電子機器および時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10123269A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007121303A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Montres Rado Sa 時計などの携帯機器用の装飾的効果を有する表示ユニット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007121303A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Montres Rado Sa 時計などの携帯機器用の装飾的効果を有する表示ユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6441292B2 (ja) ディスプレイ
JP6441884B2 (ja) ディスプレイ
KR101891566B1 (ko) 표시모듈을 포함하는 보더리스 표시장치
TWI588547B (zh) 偏光片、顯示模組、觸控式顯示裝置及其製造方法
CN1236443A (zh) 液晶显示装置
KR20170050734A (ko) 백라이트 유닛과 이를 포함하는 액정 표시 장치 및 전자 장치
CN102109705A (zh) 液晶显示器
US6556515B1 (en) Watch with liquid crystal display panel
US5214522A (en) Liquid crystal display with back light and conductive diffuser
KR20120042437A (ko) 원형 액정모듈 및 그 제조방법
WO1998010327A1 (fr) Panneau a cristaux liquides et appareil electronique faisant appel a ce panneau
JPH10123269A (ja) 電子機器用パネルユニット、電子機器および時計
JP2509377B2 (ja) バックライト装置
KR100322929B1 (ko) 시계장치
JP4894414B2 (ja) 照明装置の製造方法及び電気光学装置の製造方法
JP4691852B2 (ja) 電気光学装置、テープ及び電気光学装置の組み立て方法
KR20000038529A (ko) 액정표시기 패널의 제조방법
JPH08201547A (ja) 液晶表示装置を備えた電子機器
KR20150045657A (ko) 액정표시장치
CN220872842U (zh) 便于拆卸的背光模组
CN212965688U (zh) 高亮lcd雾面显示屏
JPH1138162A (ja) 発電機能を有する腕時計装置
KR20110090265A (ko) 액정표시장치 및 그 제조방법
KR19980035240A (ko) 액정표시장치
KR101258266B1 (ko) 액정 표시패널용 검사 장치