JPH10122806A - 位置検出センサ,複合型位置検出センサ及びこれらを使用する無人搬送車誘導制御システム - Google Patents

位置検出センサ,複合型位置検出センサ及びこれらを使用する無人搬送車誘導制御システム

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JPH10122806A
JPH10122806A JP30942196A JP30942196A JPH10122806A JP H10122806 A JPH10122806 A JP H10122806A JP 30942196 A JP30942196 A JP 30942196A JP 30942196 A JP30942196 A JP 30942196A JP H10122806 A JPH10122806 A JP H10122806A
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coil
sensor
magnetic
detection
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Application number
JP30942196A
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English (en)
Inventor
Shigejirou Shimizu
茂治郎 清水
Masae Kuroyanagi
正恵 黒柳
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Macome Corp
Original Assignee
Macome Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度且つ高感度の渦電流方式の変位センサ
又は近接スイッチを提供することを目的とする。更に、
高精度の渦電流方式変位センサを用いた無人搬送車の誘
導制御システムを提供することを目的とする。 【解決手段】 位置検出センサにおいて、概してT字状
に接続した2個のコイルを有し、該T字状の脚部を形成
する第1のコイルを励磁コイルL1とし、該T字状の枝
部を形成する第2のコイルを検出コイルL2としたこと
を特徴とする。更に、上記励磁コイルの両端に接続され
た高周波発振器10と、上記検出コイルの両端に接続さ
れた検波回路とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業機械用の高精
度の位置検出センサ及びこれを使用する無人搬送車誘導
制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】位置検出センサ(「変位センサ」ともい
う。)として、接触形のポテンショメーターを使う方
式、磁石及び磁気センサを使う方式、光センサを使う方
式、非磁性の金属テープと渦電流検出センサを使う方式
等が知られている。
【0003】これらの内、接触形のポテンショメーター
方式を除く、磁気式、光学式、及び渦電流式の変位セン
サは、磁石、光反射板及び金属テープを夫々位置検出の
被検出体(目標体)とし、目標体に対する位置関係が変
位するにしたがって、その変位量に対応した出力電圧を
生ずるものである。
【0004】これら変位センサは、その方式によって、
夫々固有の問題点を有している。先ず、磁気式変位セン
サ(以下磁気センサと略す)では、目標体となる磁石が
コスト高になること、磁石が鉄くず等を吸着することに
よってトラブルが生じること、目標体となる磁石以外の
地磁気又はモータ等の外部磁界による妨害があり検出精
度が低下すること等の欠点がある。
【0005】次に、光学式変位センサでは、目標体とし
て光反射板或いはスリット等が用いられ、これらは比較
的安価であるが、ゴミ等による目標体の汚れによる誤動
作、或いは予想しない経路を通る光等による誤動作等を
生じる欠点がある。
【0006】これらの観点から見ると、目標体として非
磁性の金属テープが用いられる渦電流式の変位センサ
(以下金属センサと略す)では、目標体は磁気や光によ
る妨害もなく有利な方式であり且つ目標体自体も安価で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属センサ
は、一般的に感度が低く、このため、目標体とセンサの
間隙を数十〔mm〕のオーダで大きく取ることが難しか
った。従って、金属センサは、主として、間隙を小さく
して金属の有無を検出する近接スイッチとして実用化さ
れている。
【0008】図19を用いて、従来技術の渦電流式金属
センサを具体的に説明する。図19は、増田良介、「ロ
ボット工学ハンドブック」、コロナ社発行、ロボット学
会編、1990年、第93頁に紹介されている金属センサで
ある。この金属センサは、コの字形の磁性体のコア10
3に巻線した、励磁コイル107を有する。この励磁コ
イル107に高周波電圧(交流電圧)を加えることで発
生する交番磁界によって、非磁性の金属等の導電性の目
標体(測定対象)105とコア103の距離に応じて目
標体中に流れる渦電流が発生し、これが励磁コイル10
7への入力電流の変化(又は変換されて電圧変化)とな
って現れる。この変化を検出することで、目標体までの
距離情報を得ることができる。
【0009】図19の構造では、渦電流方式変位センサ
101が目標体105に接近することによって検出され
る電圧変化が非常に小さくて、このため、この電圧変化
を大きく増幅して出力している。この結果、変化分が表
示する位置精度は低く、大まかに近接したか否かを判定
する近接スイッチとして使用することはできても、目標
体105がどの程度接近したかを判断し得る高精度の変
位(位置検出)センサとしての使用には適していない。
【0010】上述のように、金属センサは、本質的に、
磁気式、光学式に比較して、目標体が汚れ,磁気,光等
による妨害がなく且つ安価であるといった優れた性質を
持っていることより、従来から、残る欠点である感度を
向上し、金属の位置検出をすることが出来る金属センサ
の開発が望まれている。
【0011】また、変位センサの典型的応用例として、
無人搬送車の誘導制御システムが挙げられる。このよう
な誘導制御システムにおいても、上述した評価が該当す
る。即ち、電磁誘導方式、磁気検出方式、光学方式、金
属センサ方式等が挙げられる。この内、電磁誘導方式
は、一般に、設備が高価なものなる。磁気方式は、進行
方向を床面に貼り付けたテープ状のゴム磁石で規定し、
搬送車に取り付けた磁気センサで誘導制御する方式であ
る。このため、進行ルート(コース)が短いときは問題
ないが、コースが長くなるとゴム磁石自体が非常に高価
なものとなる。光方式は、汚れ或いは不要な光に妨げら
れトラブルの発生が多い。
【0012】残る金属センサ方式は、例えば、進行ルー
トに沿って床等に貼ったアルミテープを誘導路とし、搬
送車に設置した金属センサを利用して誘導制御を行って
いる。このような無人搬送車の誘導制御システムでは、
検出体であるアルミテープは、磁気検出方式のゴム磁石
のテープに比べ、非常に安価である。尚、誘導路にアル
ミテープを使用する点では、光方式も金属センサ方式と
同様であるが、光方式はアルミテープの光の反射を妨げ
るような汚れやカバー,カーペット等の使用を避けなけ
ればならないという欠点を有する。
【0013】上述のように、金属センサ方式は、電磁誘
導方式、磁気方式、光方式に比較して、汚れ,磁気,外
部光等による妨害もなく且つ価格も安いといった点で優
れた性質を持っていることより、従来より、金属センサ
方式による無人搬送車の誘導制御システムの開発が望ま
れている。
【0014】そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、高
精度の金属変位センサを提供することを目的とする。
【0015】更に、本発明は、高精度且つ高感度の渦電
流方式の金属変位センサ又は近接スイッチを提供するこ
とを目的とする。
【0016】更に、本発明は、高精度の渦電流方式変位
センサを用いた無人搬送車の誘導制御システムを提供す
ることを目的とする。
【0017】更に、本発明は、高感度且つ高精度の渦電
流方式の変位センサ(金属変位センサ)と磁気方式の変
位センサ(磁気センサ)を長所を組み合わせた、高精度
の複合型変位センサを提供することを目的とする。
【0018】更に、本発明は、高精度の金属変位センサ
と磁気センサを組み合わせた複合型変位センサを用いた
無人搬送車の誘導制御システムを提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る位置検出セ
ンサは、概してT字状に磁気的に結合された2個のコイ
ルを有し、該T字状の脚部のコイルを第1のコイルと
し、該T字状の枝部のコイルを第2のコイルとしたと
き、いずれか一方を励磁コイルとし、他方を検出コイル
として、金属の接近に対応して略S字形状の出力特性を
えている。このように、励磁コイルと別個に検出コイル
を設けることで、金属の接近に対する検出精度を向上
し、単に近接センサとしてだけではなく、変位センサと
しての利用も可能となる。
【0020】更に本発明に係る位置検出センサは、前記
T字状の枝部のコイルを検出コイルとし、該検出コイル
が中央で分離された2つの検出コイルからなり、金属の
接近に対応して略台形形状の出力特性を得ることを特徴
とする。このような略台形形状の出力特性は、無人搬送
車の走行時に走行ルートを逸脱したか否かの判定に適
し、この出力により走行停止等の走行制御が可能とな
る。
【0021】更に本発明に係る位置検出センサは、上述
の位置検出センサにおいて、前記励磁コイルに重ねてバ
イアスコイルを設け、前記検波器のダイオードの順方向
電圧に適合するように、該バイアスコイルの出力を前記
検出コイルの高周波電圧に重畳している。このようにし
て出力精度の低下を防止している。
【0022】更に本発明に係る位置検出センサは、上述
のいずれかに記載された位置検出センサであって、前記
励磁コイルを駆動する高周波発振器を周波数変調する手
段を備えている。周囲温度等の環境の変化、経時的変化
による高周波発振器の回路定数の変化による共振周波数
の変動に対し、予めこの周波数変調手段により変調をか
けることで、包絡線検波する同期検波回路の出力に影響
を与えないようにしている。
【0023】更に本発明に係る無人搬送車誘導制御シス
テムは、概してT字状に接続された2個のコイルを有
し、該T字状の脚部のコイルを励磁コイルとし、該T字
状の枝部のコイルを検出コイルとし、該検出コイルに接
続された同期検波回路から金属の接近に対応して略S字
形状の出力特性を得る第1の位置検出センサと、概して
T字状に接続された2個のコイルを有し、該T字状の脚
部のコイルを励磁コイルとし、該T字状の枝部のコイル
を検出コイルとし、該検出コイルは中央で分離された2
つの検出コイルからなり、該検出コイルに接続された和
動形同期検波回路から金属の接近に対応して略台形形状
の出力特性を得る第2の位置検出センサとを備え、前記
第1の位置検出センサの出力により操舵輪の方向の誘導
制御を行い、前記第2の位置検出センサの出力により所
定ルートからの逸脱の判定を行い停止等の走行制御を行
っている。このように、第1の位置検出センサの略S字
形状の出力特性の特徴を生かして操舵輪の方向の誘導制
御を行い、第2の位置検出センサの略台形形状の出力特
性の特徴を生かして停止等の走行制御を行い、併せて円
滑な無人搬送車の誘導制御システムを構成している。
【0024】更に本発明に係る複合型変位センサは、概
してT字形に磁気的に接続された励磁コイルと検出コイ
ルをもつ渦電流式金属センサと、発磁体を検出する磁気
センサとを備え、前記金属センサの磁束が相殺されて実
質的に磁束の影響がない領域に前記磁気センサを配置し
たことを特徴とする。渦電流式金属センサは励磁コイル
を持ち、一定の磁束を発生している。本発明は、磁気セ
ンサがこの磁束に影響されないようにして、渦電流式金
属センサと組み合わせて複合型変位センサを構成したも
のである。更に本発明に係る無人搬送車の誘導制御シス
テムは、走行面の進行ルートを連続的に規定する非磁性
の金属テープを検出する渦電流式金属検出センサと該進
行ルートに離散的に配置された発磁体を検出する磁気セ
ンサとの組み合わせからなる複合型変位センサを搬送車
に設置し、前記渦電流式位置検出センサの出力によって
搬送車の走行方向の誘導制御を行い、前記磁気センサの
出力によって分岐,停止等の走行制御を行っている。磁
気センサは、被検出体のゴム磁石が高価である欠点を有
している。しかし、必要な個所に離散的に使用すれば、
かかる欠点は問題にならない。磁気センサの欠点を解消
しつつ、複合型変位センサを利用した誘導制御システム
を提供する発明である。更に本発明に係る無人搬送車の
誘導制御システムは、上述の無人搬送車の誘導制御シス
テムにおいて、前記発磁体は、前記進行ルートに平行又
は直交方向に並んだ複数個の磁極の配列によって予め定
められた情報を前記磁気センサに与える情報板をして機
能している。この情報板によって、搬送車のスピンター
ン,停止,分岐走行等の制御が行われる。
【0025】更に、本発明に係る無人搬送車の誘導制御
システムは、上述の無人搬送車の誘導制御システムにお
いて、前記発磁体は、前記進行ルートに進行方向に並ん
だ複数個の磁極の配列によって予め定められた情報を前
記磁気センサに与える情報板をして機能し、該情報板の
進行方向に並んだ複数個の磁極の配列は、搬送車の行き
と帰りでは相異なる意味を有する情報となっている。こ
の情報板によって、無人搬送車の往路では、なにも意味
をもたずにそのまま進行させ、復路では、分岐進行する
ように走行制御することもできる。
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る変位センサ及
びこれを使用した無人搬送車誘導制御システムの実施例
に関し、添付の図を参照しながら詳細に説明する。尚、
図中、同一の要素に関しては、同じ符号を使用し、重複
した説明を省略する。
【0026】[第1の実施例の変位センサ] (変位センサのコイル配置)図1は、本実施例に係る渦
電流方式の変位センサに使用されるコイルの配置を示す
図である。変位センサのコイルは、2個のコイルL1,
L2を「T」字状に配置した構成をもち(図では逆T字
状となっている。)、2つのコイルが図1のように磁気
的に結合された状態で夫々配置されている。一方のT字
状の枝部を成すコイルは、例えば、コア(磁心)として
直径10〔mm〕で長さ約100〔mm〕の軟磁性体の
フェライト・コアを用い、このコアに巻線を約200回
巻回している。他方のT字状の脚部を成すコイルは、コ
ア(磁心)として直径10〔mm〕で長さ約50〔m
m〕の軟磁性体のフェライト・コアを用い、このコアに
巻線を約100回巻回している。バイアスコイルL3に
ついては、後述する。
【0027】この内、T字形の脚部に当たる部分のコイ
ルL1は高周波電圧を加える励磁コイルとし、T字形の
枝部に当たる部分のコイルL2は検出コイルとして使用
される。検出時には、検出コイルL2が、原則として、
被検出体である目標金属板に対して平行な位置関係にな
るように位置決めされる。
【0028】(変位センサの構成)図2は、図1に示し
た検出コイルと同期検波回路からなる変位センサ(位置
検出装置)の構成を示す図である。尚、励磁コイルL1
のコイル巻線の上にバイアスコイルL3が形成されてい
る。このバイアスコイルL3の目的は、検波回路にダイ
オードを使用しているために、ダイオードの順方向電圧
(Vf)よりも低い電圧はこのダイオードを通過するこ
とができない。この影響で検出精度が低下するという問
題を解決するために、検出コイルL2にダイオードの順
方向電圧Vfよりも高い交流電圧をバイアスコイルL3
によって重畳するためである。
【0029】また、図1により明らかのように、励磁コ
イルL1が検出コイルL2の中心に垂直に配置してあれ
ば、検出コイルL2の中心から見た磁束φ1、φ2は互
いに逆向きの磁束なので、検出コイルL2の両端c−d
に生ずる交流電圧は、図1のφ1により発生する誘導起
電力とφ2により発生する誘導起電力が相殺されてゼロ
になる。この場合、励磁コイルL1が検出コイルL2の
中心より僅かずれてもc−d間には比較的大きい電圧を
生ずるので、T字形の接合部を端子c−dに生ずる電圧
がゼロになるような位置に調整する。
【0030】尚、従来、回路上で差動検出回路を構成す
る場合、一般に2個の検出コイルを用いていた。しか
し、第1の実施例によれば、コイル1個(図1の検出コ
イルL2)により実質的に差動検出が行われ、装置の小
型化、低価格化に寄与している。
【0031】このような状態において、金属板の接近が
ないときは、前記のように検出コイルL2から発生する
電圧はゼロになる。これにバイアスコイルL3から、交
流電圧を重畳すると、同期検波回路の出力O−T1間と
O−T2間の電圧は等しくなり、結局、T1−T2間に
は電位差がないので出力はゼロボルトとなる。
【0032】被検出物体である目標金属板を検出コイル
L2に接近させると、金属板内部に発生する渦電流によ
り、磁気抵抗が増加する。このように、金属板の変位に
応じて、磁気抵抗が変化するので、検出コイルL2に鎖
交する磁束が変化して、交流電圧を発生する。これを図
2に示す包絡線検波をする同期検波回路を通すことで、
金属板の接近或いは変位に対応した直流電圧を得ること
ができる。
【0033】(変位センサの特性)図3は、例えば、無
人搬送車の誘導制御システムに適用した場合の変位セン
サの出力特性を示す図である。この場合、誘導制御シス
テムは、走行面(床面)に貼られた進行ルートを規定す
る非磁性の金属板(例えば、金属テープ等)5と、例え
ば無人搬送車の車体に進行方向に直交して取り付けられ
た検出コイルL2をもつ変位センサ(図1及び図2参
照)を備えている。ここで、金属テープは、例えばアル
ミニウム製の幅約50〔mm〕で厚さ約0.05〔m
m〕のテープである。
【0034】横軸の変位Xは、図3の上部に示すよう
に、検出コイルL2の中央部に対する金属板5の幅方向
中心の変位量を示し、縦軸の出力電圧は、検出コイルL
2に誘導する交流電圧を包絡線検波をする同期検波回路
(図2参照)に通して出力される直流電圧である。ま
た、特性曲線A、B、Cは、走行面の金属板5と検出コ
イルL2との間隙をパラメータとし、特性曲線A、B、
Cは夫々間隙を20、30、40〔mm〕とした場合を
示している。
【0035】例えば、間隙B=30〔mm〕の状態で、
金属テープ5に対して搬送車を移動してX方向(テープ
幅方向,即ち搬送車進行方向に直交する方向)に約−1
00〜+100〔mm〕変位させると、曲線Bに示すよ
うに、−100〔mm〕の変位で出力0〔mV〕、−3
0〔mm〕の変位で出力−375〔mV〕、0〔mm〕
の変位で出力0〔mV〕、30〔mm〕の変位で出力3
75〔mV〕、100〔mm〕の変位で出力0〔mV〕
を示す、概してS字状の出力電圧が得られる。
【0036】図3の曲線Cに示すように間隙が40〔m
m〕以上に広がると、曲線Bに対して出力電圧は相対的
に低くなるが、同様にS字形の出力電圧が得られる。ま
た、曲線Aに示すように間隙が20〔mm〕に狭まる
と、曲線Bに対して出力電圧は相対的に高くなるが、同
様にS字形の出力電圧が得られる。
【0037】無人搬送車の誘導制御システムでは、一般
に、床に貼った金属テープと検出コイルの距離は約30
±10〔mm〕以内に維持されており、図3の特性が示
すように、このような金属テープ方式を使用した変位セ
ンサは、出力感度から判断して十分使用に耐えるものと
なる。
【0038】このように、図3に示すS字形出力は中心
がゼロ出力で、中心の変位が左右に或る範囲で(図3で
は、X変位が約±25〔mm〕で)ほぼ直線的な出力が
得られ、このような変位量に比例した直線的な出力は、
例えば搬送車誘導制御システムのような搬送車の機械的
位置を決まった進行ルートに誘導制御する位置センサと
して適している。無人搬送車誘導制御システムでは、走
行中、基本的に、この出力電圧をゼロに近づけるように
搬送車の操舵輪を方向制御することにより、金属テープ
によって規定した進行方向に進めることができる。
【0039】また、他の用途として、コンパレータの一
方の入力にこの出力電圧を入力し、他方の入力に所定の
位置に対応する基準電圧を入力することにより、任意の
位置でコンパレータよりスイッチ信号を生ずるリミット
スイッチとして使用することもできる。
【0040】(第1の実施例の変形)図4は、図1と比
べ、2個のコイルL1,L2の配置を変えた第1の実施
例の変形例を示す。図1に比べて、T字形を成す励磁コ
イル及びバイアスコイルと検出コイルの配置が逆にな
り、即ち、脚部が検出コイルL2となり、枝部が励磁コ
イルL1及びバイアスコイルL3となる。
【0041】この変形例で、図3と同じ条件で測定した
変位センサの出力特性を図5に示す。図3の出力特性に
比べ、若干ピークの値は減少しているものの、ほぼ同じ
S字形の出力が得られることが判明した。
【0042】[第2の実施例の変位センサ]図6の上段
は、第2の実施例に係る変位センサに使用されるコイル
の配置を示す図である。第1の実施例の検出コイルL2
(図1参照)を中心部から2つに分離して2つのコイル
とすることで、新たな効果が得られる。図6の左上に示
すように、検出コイルL2を中心から2つに分離してコ
イルL2A,L2Bとし、端子g、hを新たに設ける。
これを図2に関連して説明した同期検波回路にφ1、φ
2によって発生する誘導起電力の位相が同じとなるよう
に和動接続する。
【0043】金属板(金属テープ)5に対する配置は、
金属板5の長手方向と検出コイルL2の長手方向が平行
になり、励磁コイルL1がテープ面に対して垂直になる
位置に取り付ける。この時の出力特性は図6に示すよう
に略山形(台形)形状となる。この出力信号が、例えば
300〔mV〕以上であれば、金属板5上に変位センサ
が存在していることを示すゲート信号として利用でき
る。
【0044】このような台形の出力は、容易にON/O
FF信号に変換できる特徴を有している。また、台形出
力は(必要に応じて、例えば、波形整形して容易に矩形
波出力とし)、精度の良いリミット・スイッチとして使
用することもできる。また、無人搬送車誘導制御システ
ムに使用するときは、誘導制御が正しく行われる区間を
示すゲート信号として使用され、ゲート信号が低くなっ
た時はこの区間から外れた場合であり、直ちに警報信号
を発するような使用法が挙げられる。
【0045】[第1及び第2の実施例の変位センサの組
み合わせ]第1の実施例のS字形出力(図3,図5参
照)と第2の実施例の台形出力(図6参照)を組み合わ
せることにより、更に用途を広げることができる。例え
ば、図7に示すように、中心から2つに分離した検出コ
イルL2A,L2Bと、和動形同期検波回路11を組み
合わせて、台形出力特性13を得て、同様に、1つの検
出コイルL2と同期検波回路15を組み合わせて、S字
形出力特性17を得ることができる。
【0046】このような第1及び第2の実施例の変位セ
ンサの組み合わせからなる複合型変位センサを適用した
無人搬送車誘導制御システムにおいては、S字形出力1
7をフィードバック信号として操舵輪の方向を決める誘
導制御に使用し、また、台形出力を直線的な区間を示す
ゲート信号として、これを外れた時に所定の警報を発
し、又は停止するような走行制御信号とすることもでき
る。
【0047】[第3の実施例の周波数変調回路を組み込
んだ変位センサ]図8は、図2の回路構成と比較して、
励磁コイルの高周波発振器に周波数変調回路を付加して
ある点(両者を合わせて符号19で示す。)で相違す
る。周波数変調回路19は、高周波発振器が、周囲温度
等の環境変化及び経時変化による検出コイルのインダク
タンスL2の変化、コンデンサ容量、抵抗値の変化等に
よって共振周波数が変動しても出力電圧が低下するのを
防ぐために設けてある。
【0048】図9は、第3の実施例に係る変位センサの
出力特性を示す図であり、変位センサと目標金属体の間
隙を約30mmに固定して、励磁コイルL1に加える高
周波電圧の周波数を変化させたときの出力電圧の特性を
示す図である。ここで、f1は共振周波数を、f2は共
振周波数に対して±1.5〔%〕変動させたときの周波
数を、f3は共振周波数に対して±3.0〔%〕変動さ
せた周波数を各々L1に加えている。
【0049】温度変化等による予想される回路定数の変
化分以上に、周波数変調回路19によって励磁コイルL
1に加える周波数に変調をかけることで、包絡線検波を
する同期検波回路の出力は、ピークホールドされた出力
となり、温度変化等による共振周波数の変化に影響させ
ず、常に変位量及び間隙に応じた安定した出力を得るこ
とが可能となり、耐環境性が向上し、高精度化を達成し
得る。
【0050】[第4の実施例の複合型変位センサ]以上
説明した第1〜3の実施例は、いずれも金属センサ方式
の例である。従来技術を説明した際に、磁気方式は被検
出体のテープ状ゴム磁石を進行ルートに沿って連続的に
貼ると、ゴム磁石自体が非常に高価なものとなることを
指摘した。しかし、ゴム磁石を進行ルートの必要な個所
のみに離散的に使用した場合には、この点は問題となら
ない。第4の実施例として金属センサと磁気センサとの
特徴を生かした複合型変位センサを説明する。
【0051】図10は、本実施例に係る金属変位センサ
と磁気センサの組み合わせからなる複合型変位センサの
配置を示す図である。金属変位センサのコイル配置は、
2個のコイルを「T」字状に配置した構成を持ち、2つ
のコイルが図10のように夫々配置されている。T字状
の枝部を成すコイルは例えば、コア(磁心)として直径
10〔mm〕で長さ約100〔mm〕の軟磁性体のフェ
ライト・コアを用い、このコアに巻線を約200回巻回
し、T字状の脚部を成すコイルは、コアとして直径10
〔mm〕で長さが約50〔mm〕の軟磁性体のフェライ
ト・コアを用い、このコアに巻線を約100回巻回し
て、図1の変位センサと同様のものを用いている。
【0052】この内、T字状の脚部に当たる部分のコイ
ルL1は高周波電圧を加える励磁コイルとし、T字状の
枝部に当たる部分のコイルL2は検出コイルとして使用
される。検出時には、検出コイルL2が、被検出体であ
る目標金属板に対して平行な位置関係になるように位置
決めする。
【0053】磁気センサMSの配置は、検出精度を上げ
るために、検出コイルL2の中心付近とする。即ち、磁
気センサMSが検出コイルL2の中心に垂直に配置して
あれば、磁気センサMSから見た励磁コイルL1の発生
する磁束φ1、φ2は互いに逆向きの磁束なので相殺さ
れて実質的にゼロになる。ここに用いる磁気センサMS
はホール素子を用いているが、所望により、被検出体の
発生する磁束密度及び極性に対応した出力が得られる可
飽和コイル等を利用した磁気センサに置き換えることが
できる。
【0054】(複合型変位センサの構成)図11は、図
10に示した金属変位センサ及び磁気センサからなる複
合型変位センサの回路構成であり、各センサに対する駆
動回路及び検波回路を示している。この内、上段の部分
は金属センサ部の同期検波回路であって図2の回路構成
と略同じである。その詳細は、図2の説明を参照された
い。下段の部分は磁気センサ部の差動形増幅回路であ
る。
【0055】このような状態において、金属センサ部の
同期検波回路では、金属板の接近がないときは、図2で
説明したように検出コイルL2から発生する電圧はゼロ
になる。これに、バイアスコイルL3から、交流電圧を
重畳すると、同期検波回路の出力Vo1−0間とGND
−0間の電圧は等しくなり、Vo1−GND間には電位
差が発生しないので、出力はバイアスコイルL3から重
畳した電圧に影響されずゼロボルトとなる。
【0056】被検出体である目標金属板5を検出コイル
L2に接近させると、金属板内部に発生する渦電流によ
り、磁気抵抗が増加する。このように、金属板の変位に
応じて、磁気抵抗が変化するので、検出コイルL2に鎖
交する磁束が変化して、交流電圧を発生する。これを図
2に示す包絡線検波をする同期検波回路を通すことで、
金属板の接近或いは変位に対応した直流電圧を得ること
ができる。
【0057】図11の下段は磁気センサの回路構成を示
し、磁気センサ部21,増幅回路部(AMP)23及び
フィルタ部25を有し、発磁体6と磁気センサMSとの
変位及び極性に対応した直流出力が得られる。
【0058】磁気センサ21の配置によっては、近傍に
配置された金属変位センサから発する磁束を検出するこ
ともあるが、これは高周波のため、磁気センサ回路に設
けた簡単なフィルタ部25、即ち、R13とC4から構
成されるローパスフィルタにより、容易に取り除くこと
ができる。
【0059】(複合型変位センサの特性)図12は、こ
の複合型変位センサにおいて、磁気センサに対し磁気テ
ープを、金属センサに対してアルミテープを、夫々交互
に接近させたときの出力波形である。測定条件は、次の
通りである、磁気テープ及びアルミテープの各テープ幅
は50〔mm〕であり各長さは300〔mm〕であり、
各テープ媒体と各センサ間の間隙Bは約30〔mm〕で
ある。これを400〔ms〕毎に磁石−アルミ−磁石−
アルミ−…のように交互に複合型変位センサに接近させ
ている。
【0060】金属変位センサの出力Vo1は、アルミテ
ープの変位に対応して略S字形状の出力となる。また、
磁気センサの出力Vo2は、磁気テープの磁束密度、及
び極性に対応した略台形の出力となる。このようにお互
い干渉することなく非磁性の金属板及び発磁体の情報
を、本複合型変位センサによって得ることができる。
【0061】図12では、横軸を時間で示しているが、
これを変位に置き換えたデータを図13及び図14に示
す。図13は、金属変位センサの出力特性を、図14
は、磁気センサの出力特性を夫々示している。ここで、
各センサ(検出コイル、磁気センサ)から、検出対象で
ある金属板5或いは磁気テープ6までの間隙Bを30
〔mm〕として、検出対象物の中心よりX方向に約±1
00〔mm〕変位させる。この間隙Bは、多くの搬送車
が走行面からセンサまでの間隙を30〔mm〕程度確保
すれば実用上差し支えないという実績と、また典型的な
間隔が30〔mm〕程度であるという経験から設定して
ある。
【0062】例えば、図13に示すように、被検出物体
であるアルミ等の非磁性の金属テープ5に対して搬送車
を動かしてX方向に約−100〜+100〔mm〕変位
させると、概してS字形の出力電圧が得られる。この図
13は、図3に示す変位センサの出力特性の内の間隙B
に相当する。
【0063】上述したように、金属変位センサのS字形
の出力は或る範囲で(図では、X変位が約±25〔m
m〕で)ほぼ直線的な出力が得られ、例えば無人搬送車
等を誘導制御する位置センサとして適している。
【0064】図14に示す磁気センサMSの出力特性
は、例えば、被検出物体である発磁体の金属テープ6に
対して搬送車を動かしてX方向に約−100〜+100
〔mm〕変位させると、−100〔mm〕の変位で出力
0〔mV〕、−15〔mm〕の変位で出力400〔m
V〕、0〔mm〕の変位で出力450〔mV〕、15
〔mm〕の変位で出力400〔mV〕、100〔mm〕
の変位で出力0〔mV〕を示す、概して台形(山形)形
状の出力電圧が得られる。
【0065】このような台形の出力は容易にON/OF
F信号に変換できる特徴を有している。また、台形出力
は(必要に応じて、例えば波形整形して容易に矩形波出
力とし)、精度の良いスイッチとして使用することもで
きる。また、無人搬送車の誘導制御システムに使用する
ときは、誘導制御が正しく行われる区間を示すゲート信
号として使用し、或いはこの区間から外れた時に警報信
号を発するような使用法が挙げられる。
【0066】(無人搬送車の誘導制御システム)図15
は、第4の実施例に係る複合型変位センサを利用した無
人搬送車の誘導制御システムを示す図である。この無人
搬送車誘導制御システムでは、搬送車に取り付けた複合
型変位センサ内の金属変位センサにより、搬送車を走行
面に連続的に貼った金属テープ5の中心線に沿って誘導
制御し、また、例えばゴム磁石,磁気テープ等のような
発磁体6が、金属テープ5の上の所定の箇所に離散的に
設けてあり、この発磁体6の有無を磁気センサMSで検
出して分岐,停止等の走行制御を行っている。この発磁
体6は、任意に設置,取り外し,交換等が可能であり、
搬送車の走行スケジュールにしたがって設置され、又は
走行スケジュールの変更にしたがって交換される。
【0067】図中、同期検波回路15は、図11の上段
の金属変位センサの同期検波回路15に相当し、また、
差動形増幅回路27は、図11の下段の差動形増幅回路
27に相当する。同期検波回路15は、図13に関連し
て説明したようにS字形状の出力特性17を示し、ま
た、差動形増幅回路11は図14で説明したように台形
形状の出力特性27を示す。
【0068】アルミテープ5を媒体としたX方向の変位
は、金属変位センサで検出される。更に、分岐や一時停
止をさせたい場合、アルミテープ5の上に、例えば磁気
テープのような発磁体6を必要な個所のみに配置するこ
とにより、この磁気テープ6の有無を磁気センサMSで
検出している。磁気テープ(ゴム磁石)等は、必要な個
所のみに離散的に配置することにより、ゴム磁石が高価
であるといった欠点は実質的に問題とならない。
【0069】(発磁体を情報板として用いた複合型変位
センサ)この無人搬送車誘導制御システムにおいて、発
磁体6に一定の情報を組み込むこともできる。図16は
発磁体6を情報板として用いた複合型変位センサを利用
した無人搬送車誘導制御システムを示す図である。複合
型変位センサを用い、金属変位センサの被検出体として
例えば連続的なアルミテープの金属板5を使用し、磁気
センサの被検出体として着磁された磁気テープ(情報
板)6を使用する。図15で説明した誘導制御システム
では発磁体6の存在の有無のみを検出していたが、図1
6に示すこの誘導制御システムではこの発磁体(磁気テ
ープ)6は一定の情報が書き込まれた情報板である。こ
の情報板は、例えば「S−N−S−…」若しくは「N−
S−N−…」のように着磁された磁気テープであり、誘
導用のアルミテープ5の上に配置されている。また、図
15の場合と同様に、この情報板も取り外し可能であ
り、容易に設置,取り外し,交換等が可能である。
【0070】情報板の使用法の一例について説明する
と、例えば図16の誘導制御システムでは無人搬送車が
矢印の方向に向かって進行する場合、先ず情報板2は搬
送車に対し何の情報も与えず、また、アルミテープ5の
端点にある情報板1は、無人搬送車に対しスピンターン
(車体平面内の1点を軸として回転すること:JISD
6801)動作の情報を与えるものとすることが出来
る。更に、スピンターン後、矢印と反対方向に進む無人
搬送車は情報板2により分岐走行を指示され、分岐して
行く。
【0071】このように、1つの情報板2(符号6)が
搬送車の往路と復路で相異なる情報を搬送車に付与でき
る理由は、情報板のコードの決め方にある。即ち、情報
の内容は、情報板のコードにより定められる。情報板
は、例えばN−S−N−…の8ビットの着磁からなる。
発磁体(情報板)6のコードとしては、図17(a)に
対称コードの例として示すように情報板の中心に対し線
対称のコードを持つ情報板6を使用したときは、図16
の矢印方向(進行方向)から情報を読んでも、逆行方向
から読んでも同じコードとなる。従って、例えば、搬送
車に対し往路と復路で同じ動作をさせたいときには、こ
のような対称コードの情報板を用いればよい。
【0072】図17(b)に非対称コードとして示すよ
うな、情報板6の中心から非対称のコードを持つ情報板
を使用すると、進行方向に読みとった時と逆方向に読み
とった時では、そのコード内容が異なってくる。従っ
て、例えば搬送車が行き(往路)は一時停止をし、帰り
(復路)は分岐をする等の往復で異なった動作をさせる
ことが出来る。或いは、行きはその情報を使用し、帰り
は使用したくない場合等に、この非対称のコードを用い
て帰りを無効なコードとする等の応用も考えられる。こ
のタイプの非対称コード情報板を利用することにより、
図16の情報板2のような機能が発揮できる。
【0073】図18は、複数個の磁極からなる情報板を
進行方向に平行に配置したシリアルデータの例(図18
a)と、直交して配置したパラレルデータの例(図18
b)とを示している。図18aの進行方向に平行に配置
した例に対応して、図17で説明した対称コード及び非
対称コードの例が成立する。これに対し、図18bに示
す直交して配置した例では、磁気センサ及び検出回路を
この磁極の個数だけ用意し、情報コードの内容を瞬時に
読みとることが可能となる。必要に応じて、このような
利用法も考えられる。
【0074】[実施例の効果]以上に説明したように、
従来、渦電流効果を利用する金属センサは、感度が低く
動作距離を大きくとれないと言われ、高精度の変位セン
サとしては使用されていなかった。しかし、本実施例に
係る渦電流式変位センサでは、細長い棒状のコイル2個
をT字形に組み合わせ、包絡線検波をする同期検波回路
と組み合わせることにより、安定したS字形及び台形の
出力電圧を得られ、近接スイッチのみならず変位センサ
としても十分利用できるようになった。
【0075】本実施例に係る変位センサでは、検出対象
である金属の形状寸法、センサコイルの大きさを変える
ことで多様な用途に適する金属検出センサが得られる。
【0076】第1の実施例は、床面に沿いアルミテープ
を貼り付け、テープの中心線に沿って車を誘導制御する
システムについて本発明の金属センサがガイドセンサと
して使用し得ることを示した。
【0077】第2の実施例は第1のガイドセンサの検出
コイルを2つに分け、左右のコイルから発生する誘導起
電力の位相が同じとなるように同期検波回路に和動接続
することで、台形の出力電圧を発生させ、誘導制御の不
可能な範囲を検出し警報するゲート信号のセンサとし
て、走行制御に利用できることを示した。
【0078】また、第1及び第2の実施例を組み合わせ
ることにより、例えば、無人搬送車誘導制御システムに
おいて、S字形出力及び台形出力を得ることができ、前
者を操舵輪の方向制御のフィードバック信号として利用
して誘導制御し、後者を走行範囲を逸脱した場合の警報
発生又は緊急停止用信号として利用して走行制御し、合
わせて円滑な搬送車誘導制御システムを得ることができ
る。
【0079】第3の実施例は、励磁コイルを駆動する高
周波電圧の周波数を変調することで、周囲環境の外乱に
影響されない変位センサを得ることができ、変位センサ
の高精度化を達成し、耐環境性を向上することができ
る。
【0080】第4の実施例によれば、非磁性の金属板の
変位と発磁体の情報を個別に得ることが可能な複合型変
位センサを提供することができる。
【0081】更に、この複合型変位センサによれば、検
出対象である金属の形状寸法、センサコイルの大きさを
変えること及びゴム磁石等の発磁体の配置で多様な用途
に適する複合型変位センサが得られる。
【0082】アルミテープ等の非磁性の金属板5の一部
にゴム磁石等の発磁体6を設けることで、誘導制御等に
必要なトラック幅の範囲中で、金属変位センサの情報
と、それに干渉されることなく発磁体の有無を検出する
ことができる複合型変位センサが得られる。
【0083】また、床面に沿いアルミテープを貼り付
け、その一部にゴム磁石等の発磁体を設けることで、テ
ープの中心線に沿って車を誘導するシステム及び分岐な
どの制御信号を得るセンサとして使用できる。
【0084】また、誘導用の情報媒体であるアルミテー
プの上に設けた、情報用の発磁体のコードにより、その
情報板を通過する方向によって、無人搬送車を異なる動
作とする或いは、同じ動作をさせる,或いは無効な情報
とする等の応用ができる。
【0085】また、図18(a)に示すように、シリア
ルデータ読込の例で説明しているが、これを、例えば可
飽和磁心を用いて、これを複数直列状に並べたパラレル
データ読込が可能な磁気センサと置き換えてもよい。こ
の例を、図18(b)に示す。この時、磁気センサ群の
各々の磁気センサに対して検波回路を要する。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、高精度の変位センサを
提供することができる。
【0087】更に、本発明によれば、高精度且つ高感度
の渦電流方式の変位センサ又は近接スイッチを提供する
ことができる。
【0088】更に、本発明によれば、高精度の渦電流方
式変位センサを用いた無人搬送車の誘導制御システムを
提供することができる。
【0089】更に、本発明によれば、高感度且つ高精度
の渦電流方式の変位センサ(金属変位センサ)と磁気方
式の変位センサ(磁気センサ)を組み合わせた、高精度
の複合型変位センサを提供することができる。
【0090】更に、本発明によれば、高精度の金属変位
センサと磁気センサを組み合わせた、複合型変位センサ
を用いた無人搬送車の誘導制御システムを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る変位センサに用いられる励磁コ
イル及び検出コイル、バイアスコイルの配置を示す図で
ある。
【図2】本実施例に係る変位センサの回路構成を示す図
である。
【図3】図2に示す第1の実施例に係る変位センサの出
力特性を示す図である。
【図4】第1の実施例の配置の変形を示す図である。
【図5】第1の実施例の配置の変形に係る変位センサの
出力特性を示す図である。
【図6】第2の実施例に係る変位センサのコイル配置及
び出力特性を示す図である。
【図7】第1の実施例に係る変位センサと第2の実施例
に係る変位センサを組み合わせた無人搬送車誘導制御シ
ステムを示す図である。
【図8】第3の実施例に係る変位センサの回路構成を示
す図である。
【図9】図8に示す第3の実施例に係る変位センサの出
力特性を示す図である。
【図10】第4の実施例に係る複合型変位センサに用い
られる励磁コイル及び検出コイル、バイアスコイル、磁
気センサの配置を示す図である。
【図11】第4の実施例に係る複合型変位センサの回路
構成を示す図である。
【図12】図11に示す回路で得られた複合型変位セン
サの出力特性を示す図である。
【図13】第4の実施例に係る複合型変位センサの金属
検出センサ部の横軸を変位としたときの出力特性を示す
図である。
【図14】第4の実施例に係る複合型変位センサの磁気
センサ部の横軸を変位としたときの出力特性を示す図で
ある。
【図15】第4の実施例に係る無人搬送車の誘導制御シ
ステムを示す図である。
【図16】図15に示す無人搬送車の誘導制御システム
に、更に制御情報を記録した情報板を追加した改良形誘
導制御システムを示す図である。
【図17】図16に示す改良形無人搬送車の誘導制御シ
ステムに使用される発磁体のコードを示す図である。
【図18】図16に示す改良形無人搬送車の誘導制御シ
ステムに使用される発磁体の磁気コードの検出方式の変
形例を示す図である。
【図19】従来技術に係る渦電流式変位センサを説明す
る図である。
【符号の説明】
5 目標体(被検出金属体) 6 発磁体 10 高周波発振器 11 和動形同期検波回路 13 和動形変位センサの台形出力特性 15 差動形同期検波回路 17 差動形変位センサのS字形出力特性 19 高周波発振器及び周波数変調回路 21 磁気センサ部 23 増幅回路部 25 フィルタ部 27 磁気センサ回路 29 磁気センサの台形出力 101 渦電流方式変位センサ 103 コア(磁性体) 105 目標体(測定対象) 107 励磁コイル L1 励磁コイル L2 検出コイル L3 バイアスコイル Vo1 金属変位センサの出力端子 Vo2 磁気センサの出力端子 GND 接地端子 O 出力共通端子 T1,T2 出力端子

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置検出センサにおいて、 概してT字状に磁気的に結合された2個のコイルを有
    し、 該T字状の脚部のコイルを第1のコイルとし、該T字状
    の枝部のコイルを第2のコイルとしたとき、いずれか一
    方を励磁コイルとし、他方を検出コイルとして、金属の
    接近に対応して略S字形状の出力特性を得ることを特徴
    とする位置検出センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された位置検出センサに
    おいて、 前記T字状の枝部のコイルを検出コイルとし、該検出コ
    イルが中央で分離された2つの検出コイルからなり、金
    属の接近に対応して略台形形状の出力特性を得ることを
    特徴とする位置検出センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載された位置検出セ
    ンサにおいて、 前記励磁コイルの両端に接続された高周波発振器と、 前記検出コイルの両端に接続された検波回路とを備えた
    位置検出センサ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された位置検出センサに
    おいて、 前記励磁コイルに重ねてバイアスコイルを設け、前記検
    波器のダイオードの順方向電圧に適合するように、該バ
    イアスコイルの出力を前記検出コイルの高周波電圧に重
    畳している位置検出センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載さ
    れた位置検出センサにおいて、 前記励磁コイルを駆動する高周波発振器を周波数変調す
    る手段を備えた位置検出センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一項に記載さ
    れた位置検出センサを備えた無人搬送車誘導制御システ
    ム。
  7. 【請求項7】 概してT字状に磁気的に接続された2つ
    の磁心と、 前記磁心の一方に巻回されたコイル巻線からなる励磁コ
    イルと、 前記磁心の他方に巻回されたコイル巻線からなる検出コ
    イルと、 前記励磁コイルに接続された高周波発振器と、 前記検出コイルに接続された検波回路とを備え、 前記検出コイルに非磁性の金属体が接近したときに該金
    属体の寸法形状,接近の距離に対応して前記検波回路が
    直流出力を生ずる位置検出センサ。
  8. 【請求項8】 概してT字状に接続された2個のコイル
    を有し、該T字状の脚部のコイルを励磁コイルとし、該
    T字状の枝部のコイルを検出コイルとし、該検出コイル
    に接続された同期検波回路から金属の接近に対応して略
    S字形状の出力特性を得る第1の位置検出センサと、 概してT字状に接続された2個のコイルを有し、該T字
    状の脚部のコイルを励磁コイルとし、該T字状の枝部の
    コイルを検出コイルとし、該検出コイルは中央で分離さ
    れた2つの検出コイルからなり、該検出コイルに接続さ
    れた和動形同期検波回路から金属の接近に対応して略台
    形形状の出力特性を得る第2の位置検出センサとを備
    え、 前記第1の位置検出センサの出力により操舵輪の方向の
    誘導制御を行い、前記第2の位置検出センサの出力によ
    り所定ルートからの逸脱の判定を行い停止等の走行制御
    を行う無人搬送車誘導制御システム。
  9. 【請求項9】 床面に貼り付けた非磁性の金属テープを
    誘導路とした無人搬送車誘導制御システムにおいて、 励磁コイル及び検出コイルを概してT字形に組み合わせ
    た位置検出センサを備え、該検出コイルを前記金属テー
    プの幅方向に平行に配置して、テープの中心線に対し搬
    送車の位置ずれに対応した信号を出力することを特徴と
    する無人搬送車誘導制御システム。
  10. 【請求項10】 床面に貼り付けた非磁性の金属テープ
    を誘導路とした無人搬送車誘導制御システムにおいて、 励磁コイル及び検出コイルを概してT字形に組み合わせ
    た位置検出センサを備え、該検出コイルを前記金属テー
    プの長手方向に沿ってに配置して、テープの延在方向に
    対し搬送車のずれに対応した信号を出力することを特徴
    とする無人搬送車誘導制御システム。
  11. 【請求項11】 概してT字形に磁気的に接続された励
    磁コイルと検出コイルをもつ渦電流式金属センサと、 発磁体を検出する磁気センサとを備え、前記金属センサ
    の磁束が相殺されて実質的に磁束の影響がない領域に前
    記磁気センサを配置したことを特徴とする複合型変位セ
    ンサ。
  12. 【請求項12】 走行面の進行ルートを連続的に規定す
    る非磁性の金属テープを検出する渦電流式金属検出セン
    サと該進行ルートに離散的に配置された発磁体を検出す
    る磁気センサとの組み合わせからなる複合型変位センサ
    を搬送車に設置し、 前記渦電流式位置検出センサの出力によって搬送車の走
    行方向の誘導制御を行い、 前記磁気センサの出力によって分岐,停止等の走行制御
    を行っている無人搬送車の誘導制御システム。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の無人搬送車の誘導
    制御システムにおいて、 前記発磁体は、前記進行ルートに平行又は直交方向に並
    んだ複数個の磁極の配列によって予め定められた情報を
    前記磁気センサに与える情報板をして機能している無人
    搬送車の誘導制御システム。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の無人搬送車の誘導
    制御システムにおいて、 前記発磁体は、前記進行ルートに進行方向に並んだ複数
    個の磁極の配列によって予め定められた情報を前記磁気
    センサに与える情報板をして機能し、 該情報板の進行方向に並んだ複数個の磁極の配列は、搬
    送車の行きと帰りでは相異なる意味を有する情報となっ
    ている無人搬送車の誘導制御システム。
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