JPH10122761A - 排ガスの熱回収システムおよび熱回収方法 - Google Patents

排ガスの熱回収システムおよび熱回収方法

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JPH10122761A
JPH10122761A JP29713096A JP29713096A JPH10122761A JP H10122761 A JPH10122761 A JP H10122761A JP 29713096 A JP29713096 A JP 29713096A JP 29713096 A JP29713096 A JP 29713096A JP H10122761 A JPH10122761 A JP H10122761A
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JP
Japan
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exhaust gas
heat transfer
heat
flow path
heat recovery
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JP29713096A
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English (en)
Inventor
Atsushi Watabe
篤 渡部
Mototatsu Ueno
元立 上野
Tetsuya Sasaki
哲也 佐々木
Hideyuki Taki
英之 滝
Yokichi Shoji
要吉 東海林
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ軽量であって大型の燃焼設備に好適
であり、しかも伝熱面が汚れ難いうえに清掃が容易であ
り、よって長期間にわたって優れた伝熱性能を保持する
ことができる排ガスの熱回収システムおよびこれを用い
た熱回収方法を得る。 【解決手段】 複数枚の伝熱板20が積層状に配設さ
れ、対向する伝熱板の両側縁部20a間が閉じられるこ
とにより、上下方向に排ガスの流路22が形成され、こ
れと隣接する他の対向する伝熱板20の上下縁部20b
間が閉じられることにより排ガスの流路と交差する方向
に低温側媒体の流路23が形成された熱交換器21と、
この熱交換器の上下部にそれぞれ接続されて排ガスの流
路と連通する排ガスの入口ダクトおよび出口ダクトと、
熱交換器に低温側媒体の流路と連通するように接続され
た低温側媒体の供給管および排出管とを備えてなり、か
つ排ガスの流路22は、排ガスが上下方向に直進するよ
うに形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスを冷却する
とともに、この排ガスから熱を回収するための排ガスの
熱回収システムおよびこれを用いた熱回収方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種の燃焼設備においては、排
熱利用や排ガスの無害化処理のために、当該燃焼設備か
ら排出された高温の排ガスから熱を回収するための熱回
収システムが併設されている。このような燃焼設備から
排出される排ガスにあっては、一般に高温で、かつ煤塵
等の汚れや腐食の原因となって熱交換の効率を悪化させ
る物質を多々含むために、例えば鋳鉄溶解用の炉である
キューポラなどにおいては、通常シェル&チューブ型の
熱交換器を用いて、チューブ側を排ガスの流路とするこ
とにより、排ガスの煤塵等に起因する汚れによって熱交
換率が低下することを抑制した熱回収システムが採用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シ
ェル&チューブ型の熱交換器を用いた熱回収システムに
あっては、上記熱交換器自体が大型でかつ重量が大きい
とともに設備費が高いために、キューポラのような比較
的小型の燃焼設備においては適用することができるもの
の、火力発電設備や大型の焼却炉といった大型の燃焼設
備に対しては、実際上不適当である。そこで、従来より
火力発電用ボイラー等の排ガスの熱回収を行なう大型の
熱回収システムにおいては、チューブ側を水等の低温側
媒体の流路としたベアチューブ型やフィンチューブ型等
の多管式の熱交換器が用いられている。そして、このよ
うな多管式の熱交換器にあっては、多数本のチューブ間
を排ガスが流れるために、これらチューブの表面に多量
の煤塵等が付着して伝熱効率の低下を招き易く、このた
め定期的に当該チューブの表面をスチーム、空気あるい
は鋼球散布等の方法によって清掃することにより、伝熱
性能の回復を図っている。
【0004】ところが、上記清掃方法によっても、構造
上多数本のチューブが多数列かつ多段に配設されている
ために、その内にはスチームや鋼球等に対して死角とな
るものが多く、よってすべてのチューブの外表面を清掃
することは不可能であるために、充分な清掃効果を得る
ことが難しく、よって定期的に清掃を行なったとして
も、経時的には伝熱性能の低下を招いてしまうという問
題点があった。本発明は、このような従来の排ガスの熱
回収システムが有する課題を有効に解決すべくなされた
もので、小型かつ軽量であって特に大型の燃焼設備に好
適であり、しかも伝熱面が汚れ難いうえに清掃が容易で
あり、よって長期間にわたって優れた伝熱性能を保持す
ることができる排ガスの熱回収システムおよびこれを用
いた熱回収方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る排ガスの熱回収システムは、複数枚の伝熱板が積
層状に配設され、対向する伝熱板の両側縁部間が閉じら
れることにより、当該伝熱板間に上下方向に排ガスの流
路が形成され、これと隣接する他の対向する伝熱板の上
下縁部間が閉じられることにより当該伝熱板間に排ガス
の流路と交差する方向に低温側媒体の流路が形成された
熱交換器と、この熱交換器の上下部にそれぞれ接続され
て排ガスの流路と連通する排ガスの入口ダクトおよび出
口ダクトと、上記熱交換器に低温側媒体の流路と連通す
るように接続された低温側媒体の供給管および排出管と
を備えてなり、かつ排ガスの流路は、排ガスが上下方向
に直進するように形成されていることを特徴とするもの
である。
【0006】ここで、請求項2に記載の発明は、上記伝
熱板間の間隔が、スペーサによって5mm〜50mmの
範囲に設定され、かつ上記スペーサの間隔が、300m
m以下に設定されていることを特徴とするものであり、
さらに請求項3に記載の発明は、上記伝熱板の、排ガス
の流路を画成する両側縁部および低温側媒体の流路を画
成する上下縁部のうちの少なくとも一方が、溶接により
互いに接合されていることを特徴とするものである。
【0007】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
ないし3のいずれかに記載の伝熱板の排ガスの入口側に
は、上記排ガスの流路内を清掃するための清掃手段が配
設されていることを特徴とするものであり、請求項5に
記載の発明は、上記伝熱板の排ガスの入口側に、上記入
口ダクトから送られてくる排ガスを整流するための整流
手段が配設されていることを特徴とするものである。さ
らに、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のい
ずれかに記載の熱交換器の低温側媒体の入口側には、互
いに独立した複数のヘッダが配設され、上記低温側媒体
の供給管の供給端部は、枝配管されて各々の上記ヘッダ
に接続されていることを特徴とするものである。
【0008】また、請求項7に記載の発明は、請求項1
ないし6のいずれかに記載の熱交換器が、排煙処理装置
の吸収塔の前段に設けられているものであることを特徴
とするものである。次いで、請求項8に記載の本発明に
係る排ガスの熱回収方法は、上記請求項1ないし7のい
ずれかに記載の排ガスの熱回収システムを用いて、排ガ
スの入口ダクトから熱交換器に導入された排ガスを、排
ガスの流路内を直進させるとともに、低温側媒体の流路
に低温側媒体を供給することにより、排ガスを冷却する
とともに、当該排ガスの熱を低温側媒体に回収すること
を特徴とするものである。
【0009】請求項1〜7のいずれかに記載の排ガスの
熱回収システムおよびこれを用いた請求項8に記載の熱
回収方法によれば、排ガスが、伝熱板間に形成された直
進性を有する流路内を真っ直ぐ上下方向に流れるため
に、当該排ガスに含まれる煤塵等が上記伝熱板に付着し
難く、よって伝熱板の汚れに起因する伝熱性能の低下が
大幅に抑制される。特に、上記排ガスを熱交換器の上方
から下方に向けて流下させるようにすれば、重力の作用
と排ガスの流速との相乗効果によって、煤塵等が伝熱板
に付着することが効果的に抑制される。ここで、上記伝
熱板間の間隔は、請求項2に記載の発明のように、スペ
ーサによって5mm〜50mmの範囲に保持することが
好ましく、さらに上記スペーサの間隔は、強度上300
mm以下に設定することが好ましい。ちなみに、上記伝
熱板間の間隔が5mmに満たないと、これを流れる排ガ
スの圧力損失が過大となって余分な送風動力が必要にな
るとともに、長期間使用した場合に、付着物によって閉
塞するおそれがあるからであり、他方上記間隔が50m
mを越えると、伝熱性の低下を招いて好ましくないから
である。
【0010】また、請求項3に記載の発明によれば、上
記流路を画成する伝熱板の両側縁部および上下縁部のう
ちの少なくとも一方を溶接により接合しているので、こ
の種のプレート型の熱交換器の欠点とされる漏れの発生
を確実に防止することができる。さらに、請求項4に記
載の発明のように、伝熱板の排ガスの入口側に、上記排
ガスの流路内を清掃するための清掃手段を配設すれば、
伝熱板間が直進性を有するために死角が無いことと重力
の作用とがあいまって、上記排ガスの流路に面する伝熱
板表面を小さなエネルギーでかつ短時間に確実に清掃す
ることが可能となる。
【0011】ところで、この種の排ガスの熱回収システ
ムにおいては、排ガスの入口ダクトの配管曲り形状や排
ガスの流速、さらには同伴異物の形態等の諸条件によっ
ては、熱交換器の入口において排ガスに局部的な乱流や
それに伴う渦流が発生し、これによって伝熱板の縁部、
特に低温側媒体の流路を画成する伝熱板の上縁の接合部
が損傷を受けるおそれがある。このような場合には、請
求項5に記載の発明のように、上記伝熱板の排ガスの入
口側に整流手段を配設すれば、この整流手段によって排
ガスの入口部における流れを整流するとともに、これを
緩衝材として作用させることにより、上記伝熱板縁部の
損傷を未然に防ぐことができる。
【0012】また特に、請求項6に記載の発明によれ
ば、低温側媒体の入口を独立した複数のヘッダによって
分割し、各ヘッダから低温側媒体の流路に低温側媒体を
送っているので、万一伝熱板の一部や、伝熱板の接続部
の一部が損傷して流体相互間に漏れ等の不具合を生じた
場合においても、当該部分に対応するヘッダへの低温側
媒体の供給を遮断するのみで、そのまま運転を継続する
ことができ、よって長期間にわたって安定した操業を確
保することが可能となる。したがって、請求項1ないし
6のいずれかに記載の発明は、請求項7に記載の発明の
ように、特に煤塵を含み、かつ多量の排ガスを無害化処
理する排煙処理装置の吸収塔の前段に設けられ、当該吸
収塔への排ガスから熱回収を行なう熱回収システムに適
用した場合に、顕著な効果を奏するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図4は、本発明に係る排ガ
スの熱回収システムを、図7に示す火力発電用ボイラー
の排煙処理装置における熱回収器5に適用した一実施形
態を示すものである。図7に示すように、この排煙処理
装置は、ボイラー1から排気された排ガスの流路に沿っ
て、順次空気予熱器2、乾式電気集塵機3、誘引通風機
4、熱回収器(熱回収システム)5、湿式吸収塔6、脱
硫送風機7、再加熱器8および煙突9が配設されたもの
で、ボイラー1から空気予熱器2を介して乾式電気集塵
機3に送られた排ガスは、ここで高濃度煤塵の多くが除
去されて乾煤塵として排出された後に、誘引送風機4に
よって入口ダクト10から熱回収器5に送られ、循環ラ
イン11によって再加熱器8との間を循環される水(熱
回収器5における低温側媒体)によって冷却されて所定
の温度まで降温されたうえで出口ダクト12から湿式吸
収塔6へ送られ、この湿式吸収塔6において、石灰石粉
末を水に溶解または懸濁させた吸収液と気液接触してそ
の亜硫酸ガスが上記吸収液中に吸収・除去されることに
より無害化された後に、再加熱器8において、熱回収器
5で排ガスの熱を回収して循環ライン11から送られて
くる水によって再加熱されて上記煙突9から排気される
ようになっている。なお、他のこの種の排煙処理装置に
おいては、上記熱回収器5を空気予熱器2と乾式電気集
塵機3との間に配設したものもある。
【0014】ここで、上記熱回収器5は、図1〜図4に
示すように、複数枚の板状部材からなる伝熱板20…が
積層状に配設され、一組おきに対向する伝熱板20、2
0の両側縁部20aが互いに溶接によって接合されるこ
とにより、これら伝熱板20、20間に上下方向に排ガ
スの流路22が形成され、これと隣接する対向する伝熱
板20、20の上下縁部20bが互いに溶接によって接
合されることにより伝熱板20、20間に上記排ガスの
流路と直交する方向に循環水(低温側媒体)の流路23
が形成された熱交換器21と、この熱交換器21の上下
部にそれぞれ接続されて排ガスの流路22と連通する上
記入口ダクト10および出口ダクト12(図7参照)
と、熱交換器21に上記低温側媒体の流路23と連通す
るように接続された循環水の供給管11aおよび排出管
11bとを備えたものである。
【0015】伝熱板20…は、図2に示すように、一組
おきに互いに水平方向に接離するように湾曲されてお
り、これにより上記排ガスの流路22…は、上下方向
(図2においては紙面の表裏方向)に直進するように形
成されている。また、上記伝熱板20、20が湾曲され
ることによって、上記循環水の流路23は、排ガスの流
路22と直交する水平方向(図2においては左右方向)
に蛇行するように形成されている。ちなみに、このよう
な伝熱板20としては、カーボンスチール、ステンレ
ス、ニッケル基合金等の各種の耐熱性および耐食性を有
する金属板が使用可能である。上記伝熱板20、20
は、互いの接触部(スペーサ)20cによって排ガスの
流路22を画成するための相対位置が保持されており、
これら接触部20c、20c間の間隔”a”が300m
m以下になり、かつ離間部の寸法”b”が5mm〜50
mmの範囲になるように湾曲されている。また、伝熱板
20、20の上縁部20bの溶接部には、図3に示すよ
うに、樹脂等からなる保護コーティング27が形成され
ている。
【0016】他方、熱交換器21の上方に位置する排ガ
スの入口側には、上記排ガスの流路内を清掃するための
スプレー管(清掃手段)24が配設されている。このス
プレー管24の基端側は、図示されない清掃用のスチー
ムの供給管および洗浄水の供給管に切換弁を介して接続
されており、その先端側には、排ガスの流路22の上方
の複数箇所(図では3箇所)に、下方の上記流路22に
向けて運転中はスチームを、運転停止中は洗浄水を噴射
するスプレーノズル25…が取付けられている。また、
図4に示すように、このスプレー管24の上方には、入
口ダクト10から送られてくる排ガスを整流するための
整流板(整流手段)26が配設されている。この整流板
26は、鋼製または合成樹脂製の帯板を格子状に組んで
構成されたもので、その格子間隔が、伝熱板20、20
の間隔よりも粗くなるように形成されている。
【0017】これに対して、熱交換器21の循環水の流
路23の入口側には、互いに独立した複数のヘッダ28
…が設けられており、上記循環水の供給管11aの供給
端部は枝配管されて、各々の供給管11aが上記ヘッダ
28に接続されている。そして、各供給管11aには、
図示されない開閉弁が介装されている。次いで、以上の
構成からなる熱回収器5を用いた本発明に係る排ガスの
熱回収方法の一実施形態について説明すると、図7に示
す乾式電気集塵機3を経た排ガスを誘引通風機4によっ
て、入口ダクト10から熱交換器21側に導く。する
と、排ガスは、先ず整流板26の格子空間によって整流
された後に、伝熱板20、20間の排ガスの流路22を
下方に直進して流れる。これと並行して、循環ライン1
1を流れる循環水が枝管11aから各ヘッダ28に送ら
れ、それぞれ対応する伝熱板20、20間の循環水の流
路23を流れることにより、上記伝熱板20を介して排
ガスの熱を回収する。
【0018】このようにして、熱が回収されて120℃
〜90℃程度まで冷却された排ガスは、熱交換器21の
下方の出口ダクト12から湿式吸収塔6に送られて脱硫
されるとともに、当該排ガスの熱を回収して昇温された
循環水は、循環ライン11によって再び上記再加熱器8
に送られる。また、定期的にあるいは伝熱性能の低下が
認められた場合には、運転と並行してスプレー管24に
清掃用のスチームを送り、スプレーノズル25から排ガ
スの流路22に向けて噴射させる。これにより、排ガス
によって流路22内の伝熱板20表面に付着した煤塵等
の異物は、排ガスの流れとともに下方に流れる上記スチ
ームによって清掃される。さらに、運転停止時に上記伝
熱板20の表面を洗浄する場合には、スプレー管24に
洗浄水を送り、同様にスプレーノズル25から噴射させ
ることにより、洗浄水は噴射圧力および重力によって流
路22を下方に流れ、伝熱板20の表面の付着物が洗浄
される。
【0019】このように、上記排ガスの熱回収器5およ
びこれを用いた熱回収方法によれば、排ガスが、伝熱板
20、20間に形成された直進性を有する流路22内を
真っ直ぐ流下させているので、重力による作用とあいま
って、排ガスに含まれる煤塵等が上記伝熱板20に付着
し難く、よって従来のものと比較して伝熱板20の汚れ
に起因する伝熱性能の低下を大幅に抑制することができ
る。この際に、上記流路22、23を画成する伝熱板2
0の両側縁部20aおよび上下縁部20bを、それぞれ
溶接により接合しているので、両流体間における漏れの
発生も確実に防止することができる。また、伝熱板20
の排ガスの入口側に、上記排ガスの流路22内を清掃す
るためのスプレー管24を配設しているので、伝熱板2
0、20間が直進性を有するために死角が無いことと重
力の作用との相乗効果によって、上記排ガスの流路22
に面する伝熱板20の表面を小さなエネルギーでかつ短
時間に確実に清掃することができる。
【0020】加えて、上記伝熱板20の排ガスの入口側
には、整流板26を配設しているので、この整流板26
によって排ガスの流れを整流するとともにこれを緩衝材
として作用させることにより、伝熱板20の上縁部20
bにおける損傷を未然に防ぐことができる。しかも、上
記伝熱板20の上縁部20bを保護コーティング27に
よっても保護しているので、整流板26を消耗品として
定期的に新たなものと交換するようにすれば、排ガスの
流れに対峙する伝熱板20の上縁部20bが排ガスの乱
流に起因して損傷を受け、延いては漏れが生じることを
確実に防止することができ、よって当該熱交換器21を
長期間にわたって使用することができる。さらに、循環
水の入口側を独立した複数のヘッダ28によって分割
し、各ヘッダ28から循環水の流路23に循環水を送っ
ているので、万一伝熱板20の一部や、伝熱板20の接
続部の一部が損傷して流体相互間に漏れ等の不具合を生
じた場合においても、損傷した部分に対応するヘッダ2
8への循環水の供給を遮断するのみで、そのまま運転を
継続することができ、よって長期間にわたって安定した
操業を確保することができる。
【0021】
【発明の他の実施の形態】図5および図6は、それぞれ
本発明に係る排ガスの熱回収システムの他の実施形態を
示すもので、他の構成については図1〜図4および図7
に示したものと同様であるために、同一符号を用いてそ
の説明を省略する。図5に示すように、この熱回収器
(熱回収システム)においては、各伝熱板30が湾曲さ
れておらず、平板状に形成されている。そして、この熱
交換器31は、複数枚の伝熱板30…が積層状に配設さ
れることにより、一組おきに対向する伝熱板30、30
間に上下方向(図6において紙面の表裏方向)に排ガス
の流路22が形成され、これと隣接する伝熱板30、3
0間に、上記排ガスの流路と直交する方向(図6におい
て左右方向)に循環水(低温側媒体)の流路23が形成
されている。
【0022】そして、排ガスの流路22内に位置する伝
熱板30、30間には、スペーサ32…が300mm以
下の間隔”a”をおいて介装されており、これにより両
伝熱板30、30は、排ガスの流路22の幅寸法が”
b”が5mm〜50mmの範囲になるように配設されて
いる。以上の構成からなる熱回収器によれば、図1〜図
4に示したものと同様の作用効果が得られるうえに、熱
交換器30を構成する伝熱板30が平板状であるため
に、加工が容易でより経済的に有利であるという利点が
ある。しかも、循環水の流路23側が排ガスの流路22
側よりも高圧になるのに対して、上記スペーサ32…を
低圧側となる排ガスの流路22内に設けているので、伝
熱板30が上述した圧力差によって排ガスの流路22側
に変形することを有効に防止することができるといった
効果も得られる。なお、仮に両流路22、23間の圧力
差が小さい熱交換器に用いる場合には、上記スペーサ3
2…は循環水の流路23側の伝熱板30、30間に介装
してもよい。
【0023】ところで、上記熱回収器においては、入口
側で160℃〜130℃の温度であった排ガスが、出口
において120℃〜90℃程度まで冷却されるために、
熱交換器の入口側から出口側に向けて、次第に含有する
亜硫酸ガスによる腐食性が高くなる。したがって、熱交
換器全体としての使用寿命を延ばすためには、伝熱板を
最も低温の排ガスに対しても充分な耐腐食性を有するハ
ステロイ等の金属を用いればよい。ところが、この種の
金属は一般に極めて高価であるために、伝熱板の全体を
このような耐腐食性に優れた金属で構成すると、熱回収
器全体の高騰化を招いて現実的でない。そこで、図6に
示す他の実施形態においては、熱回収器を、複数段の熱
交換器35、36、37によって構成したのである。す
なわち、この熱回収器においては、図1〜図4に示した
熱交換器21または図5に示した熱交換器31と同様の
構成の熱交換器35、36、37が、互いに筒状の連結
部材38、38を間に介して排ガスの流れ方向に沿って
連結されている。そして、各熱交換器35、36、37
の入口に設けられた各ヘッダ28に、上記枝管11aが
配管されている。
【0024】ここで、排ガスの流路に沿って最も排ガス
温度の高く、よってその腐食性が低い熱交換器35、3
6には、ステンレス鋼板製の伝熱板が使用されており、
また最も排ガス温度が低くなってその腐食性の高くなる
熱交換器37には、耐腐食性に優れるインコネルやハス
テロイ(いずれも商標名)等のニッケル基合金製の伝熱
板が使用されている。
【0025】したがって、この実施形態の熱回収器によ
れば、図1〜図4に示したものと同様の作用効果が得ら
れるうえに、さらに複数の熱交換器35、36、37に
よって構成し、排ガスの流路に沿って順次耐腐食性に優
れる伝熱板を配設しているので、設備費用の極度の高騰
化を招くことなく、全体として合理的な耐腐食性を得る
ことができ、一段と長期間にわたる安定的な操業を確保
することが可能になる。加えて、各熱交換器35、3
6、37に複数のヘッダ28…を設け、各ヘッダ28に
循環水の供給管の枝管11aを配管しているので、各熱
交換器35、36、37毎の温度制御が容易になるとい
う利点もある。ちなみに、上記循環水の配管について
は、共通管の枝管11aをそれぞれ並列的に各熱交換器
35、36、37のヘッダ28に供給してもよく、ある
いは先ず最下段の熱交換器37に供給し、その出口配管
を中段の熱交換器36に導き、さらにその出口配管を最
上段の熱交換器35に導くようにして、直列的に配管し
てもよい。
【0026】なお、上記実施の形態の説明においては、
本発明に係る排ガスの熱回収システムを排煙処理装置の
熱回収器に適用した場合についてのみ説明したが、これ
に限定されるものではなく、大型の焼却炉等の各種の燃
焼設備の熱回収システムに適用することができる。ま
た、清掃手段についても、上述したスプレー管24のみ
に限らず、これに代えて、またはこれに加えてショット
クリーニング等の他の清掃装置を使用してもよく、その
位置についても、熱交換器21と整流板26との間に限
らず、熱交換器21の上方に整流板26を設け、この整
流板26の上方にスプレー管24を配設することによ
り、上記整流板26も清掃するようにしてもよい。
【0027】さらに、上記実施の形態においては、熱交
換器21の上方に入口ダクト10から送られてくる排ガ
スを整流するための整流板26を配設した場合について
説明したが、熱交換器の入口において排ガスに局部的な
乱流やそれに伴う渦流が発生するおそれがない場合に
は、上記整流板26は必ずしも必要ではない。また、伝
熱板20、20の上縁部20bの溶接部に形成した保護
コーティング27についても、処理する排ガスの条件等
によってその有無を適宜選択すればよい。また、図6に
示した実施の形態についても、排ガスの温度条件によっ
て最下流側の熱交換器37においても高い耐腐食性が必
要とされないような場合には、全ての熱交換器35、3
6、37の伝熱板20をステンレス鋼板等によって構成
することも可能である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜7のい
ずれかに記載の排ガスの熱回収システムおよびこれを用
いた請求項8に記載の熱回収方法によれば、システム全
体が小型かつ軽量であるとともに、排ガスが、伝熱板間
に形成された直進性を有する流路内を真っ直ぐ上下方向
に流れるために、当該排ガスに含まれる煤塵等が上記伝
熱板に付着し難く、かつ清掃も容易である。この結果、
伝熱板の汚れに起因する伝熱性能の低下を大幅に抑制す
ることができるために、長期間にわたって優れた伝熱性
能を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガスの熱回収システムの一実施形態
における熱交換器の要部を示す一部を切り欠いた斜視図
である。
【図2】図1の熱交換器の要部の平面図である。
【図3】図1の伝熱板の上縁部を示す側断面図である。
【図4】図1の熱交換器の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の排ガスの熱回収システムの他の実施形
態における熱交換器を示す要部の平面図である。
【図6】本発明の排ガスの熱回収システムのその他の実
施形態における熱交換器の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図7】本発明が適用される排煙処理装置の概略構成図
である。
【符号の説明】
1 ボイラー 5 熱回収器(熱回収システム) 10 入口ダクト 11 循環ライン 11a 循環水(低温側媒体)の供給管 11b 循環水(低温側媒体)の排出管 12 出口ダクト 20、30 伝熱板 20a 側縁部 20b 上下縁部 20c 接触部(スペーサ) 21、31、35、36、37 熱交換器 22 排ガスの流路 23 循環水(低温側媒体)の流路 24 スプレー管(清掃手段) 26 整流板(整流手段) 28 ヘッダ 32 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 哲也 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 滝 英之 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 東海林 要吉 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の伝熱板が積層状に配設され、対
    向する上記伝熱板の両側縁部間が閉じられることによ
    り、当該伝熱板間に上下方向に排ガスの流路が形成さ
    れ、これと隣接する他の対向する上記伝熱板の上下縁部
    間が閉じられることにより当該伝熱板間に上記排ガスの
    流路と交差する方向に低温側媒体の流路が形成された熱
    交換器と、この熱交換器の上下部にそれぞれ接続されて
    上記排ガスの流路と連通する排ガスの入口ダクトおよび
    出口ダクトと、上記熱交換器に上記低温側媒体の流路と
    連通するように接続された低温側媒体の供給管および排
    出管とを備えてなり、かつ上記排ガスの流路は、上記排
    ガスが上下方向に直進するように形成されていることを
    特徴とする排ガスの熱回収システム。
  2. 【請求項2】 上記伝熱板間の間隔は、スペーサによっ
    て5mm〜50mmの範囲に設定され、かつ上記スペー
    サの間隔は、300mm以下に設定されていることを特
    徴とする請求項1に記載の排ガスの熱回収システム。
  3. 【請求項3】 上記伝熱板の、上記排ガスの流路を画成
    する両側縁部および上記低温側媒体の流路を画成する上
    下縁部のうちの少なくとも一方は、溶接により互いに接
    合されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    の排ガスの熱回収システム。
  4. 【請求項4】 上記伝熱板の上記排ガスの入口側には、
    上記排ガスの流路内を清掃するための清掃手段が配設さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の排ガスの熱回収システム。
  5. 【請求項5】 上記伝熱板の上記排ガスの入口側には、
    上記入口ダクトから送られてくる排ガスを整流するため
    の整流手段が配設されていることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の排ガスの熱回収システム。
  6. 【請求項6】 上記熱交換器の上記低温側媒体の入口側
    には、互いに独立した複数のヘッダが配設され、上記低
    温側媒体の供給管の供給端部は、枝配管されて各々の上
    記ヘッダに接続されていることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の排ガスの熱回収システム。
  7. 【請求項7】 上記熱交換器は、上記排ガスから亜硫酸
    ガスを吸収除去するための排煙処理装置の吸収塔の前段
    に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかに記載の排ガスの熱回収システム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の排
    ガスの熱回収システムを用いて、上記排ガスの入口ダク
    トから上記熱交換器に導入された排ガスを、上記排ガス
    の流路内を流下させるとともに、上記低温側媒体の流路
    に低温側媒体を供給することにより、上記排ガスを冷却
    するとともに、当該排ガスの熱を上記低温側媒体に回収
    することを特徴とする排ガスの熱回収方法。
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