JPH10122255A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手

Info

Publication number
JPH10122255A
JPH10122255A JP27462396A JP27462396A JPH10122255A JP H10122255 A JPH10122255 A JP H10122255A JP 27462396 A JP27462396 A JP 27462396A JP 27462396 A JP27462396 A JP 27462396A JP H10122255 A JPH10122255 A JP H10122255A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner ring
wall surface
ring
shaft portion
wedge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27462396A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuro Sugiyama
達朗 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP27462396A priority Critical patent/JPH10122255A/ja
Publication of JPH10122255A publication Critical patent/JPH10122255A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み込み性や作動性を犠牲にすることなく、
高作動角をとった際の内輪の不安定な挙動を防止し、継
手性能をより一層向上させる。 【解決手段】 円周方向の複数箇所で分割した内輪
(2)と軸部(4)とを、内輪(2)のテーパ状内壁面
(2b)に設けた凸条(13)と、軸部(4)のテーパ状外
壁面(4b)に設けた軸方向の凹溝(14)との嵌合部分で
接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や各種産業
機械において動力伝達に用いられる等速自在継手に関
し、特に、自動車等のステアリング装置に適したものに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の進行方向を制御するた
めのステアリング装置等に使用される等速自在継手に
は、高作動角をとれること、回転バックラッシュ(円周
方向のガタツキ)が小さいこと、小型・軽量であるこ
と、さらには低コストであることなどが要求される。
【0003】本出願人は、上記のような特性を備えた、
特にステアリング装置に適した等速自在継手として、図
6(a)(b)に示す等速自在継手を開発し、既に出願
している(特願平7-339378号参照)。
【0004】この継手は、軸線X−Xに平行な6つの平
坦面(1a)で囲まれた正六角形状の中空穴を有する外輪
(1)と、外輪(1)の中空穴に組み込まれた内輪
(2)と、内輪(2)と外輪(1)の間に介装された6
つのブロック状のボタン部材(3)と、内輪(2)の内
径部に組み込まれた軸部(4)とを主要な要素とし、内
輪(2)の内壁面(2b)と軸部(4)の外壁面(4b)と
によって形成された軸方向のくさびを利用して内輪
(2)やボタン部材(3)のガタツキを防止するもので
ある。
【0005】具体的には、内輪(2)のテーパ状内壁面
(2b)と軸部(4)のテーパ状外壁面(4b)とをテーパ
嵌合させることにより、軸方向のくさびを形成する。そ
して、軸部(4)の凹部(4e)に一端を収容し、他端を
円板プレート(7)に当接させたコイルスプリング
(6)の弾性力によって、内輪(2)と軸部(4)とを
相互にくさびの作用方向(軸方向)に弾性的に押圧す
る。これにより、内輪(2)が軸部(4)によって外径
側、すなわち外輪(1)の平坦面(1a)側に押圧され、
その結果、内輪(2)の球面状外壁面(2a)とボタン部
材(3)の内側面(3b)との間、ボタン部材(3)の外
側面(3a)と外輪(1)の平坦面(1a)との間の隙間が
詰められるので、継手全体で円周方向のガタツキを少な
くしてバックラッシュの低減を図ることができる。
【0006】この他、本出願人は、前記特許出願におい
て、図7(a)(b)に示すように、内輪(2)と軸部
(4)との間にくさび部材(5)を挿入した等速自在継
手も提案している。
【0007】この継手における内輪(2)の内壁面(2
b)は、軸方向中心を境に相反する向きに傾斜した2つ
のテーパ状内壁面(2b1)(2b2)で構成される。両テ
ーパ状内壁面(2b1)(2b2)は、それぞれ円周方向中
心を境にして、円周方向の相反した向きに傾斜している
(同図(a)参照)。また、軸部(4)の外壁面(4b)
は、軸方向中心を境に相反する向きに傾斜した2つのテ
ーパ状外壁面(4b1)(4b2)で構成され、その半径方
向の断面は正六角形状となっている。
【0008】くさび部材(5)は、テーパ状外壁面(5
a)とテーパ状内壁面(5b)とを備えている。両壁面(5
a)(5b)は、それぞれ、円周方向の相反した向きに傾
斜し、且つ軸方向の一方に傾斜した2つのテーパ面で構
成されるが、軸方向の傾斜の向きは、外壁面(5a)と内
壁面(5b)との間で相反している。
【0009】くさび部材(5)は、テーパ状内壁面(2
b1)(2b2)とテーパ状外壁面(4b1)(4b2)との間
に形成される、向きの相異なる2つの軸方向のくさび空
間に、相互間の向きを逆にして2個一対として介装され
る。一対のくさび部材(5)のテーパ状外側面(5a)は
それぞれ内輪(2)のテーパ状内壁面(2b1)(2b2)
にテーパ嵌合し、テーパ状内側面(5b)はそれぞれ軸部
(4)のテーパ状外壁面(4b1)(4b2)にテーパ嵌合
する。
【0010】このようにして内輪(2)のテーパ状内壁
面(2b1)(2b2)、軸部(4)のテーパ状外壁面(4
b1)(4b2)、及び両者間に介装された一対のくさび部
材(5)によって、向きが相異なる2つの軸方向のくさ
びが形成される。そして、一対のくさび部材(5)の相
対向した凹部(5c)にコイルスプリング(6)の両端を
収容し、その弾性力によって各くさび部材(5)をそれ
ぞれくさびの作用する方向(軸方向反対側)に弾性的に
押圧すると、内輪(2)が一対のくさび部材(5)によ
って外輪(1)の平坦面(1a)側に押圧され、その結
果、図6(a)(b)に示す継手と同様の効果が奏され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6及
び図7に示す等速自在継手では、作動角が小さい場合は
ともかく、作動角を大きくとった場合には、内輪(2)
の挙動が不安定化することが予想される。すなわち、図
5に示すように、作動角(θ)をとって軸部(4)を回
転させると、内輪(2)にはボタン部材(3)から押圧
力(継手荷重)Pが作用するのであるが、この時、押圧
力(P)の軸方向成分(PX)が上側の内輪(2)と下側
の内輪(2)とで逆方向に作用するため、内輪、特にく
さびの緩む方向の軸方向荷重(PX)を受ける下側の内輪
(2)が軸方向に移動するおそれがある。
【0012】かかる不具合を解消するには、コイルスプ
リング(6)の弾性力を強くすればよいが、これでは組
み込み性や作動性に悪影響を与える。
【0013】そこで、本発明は組み込み性や作動性を犠
牲にすることなく、高作動角をとった際の内輪の不安定
な挙動を防止し、継手性能をより一層向上させることを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明にかかる等速自在継手は、先ず第1に、軸線に平
行な複数の平坦面で囲まれた正多角形状の中空穴を有す
る外輪と、外輪の中空穴に組み込まれ、外輪の平坦面に
接触し又は外輪の平坦面との間に介装されたボタン部材
に接触する球面状外壁面をそれぞれ有し、円周方向の複
数箇所で分割してなる内輪と、内輪の内壁面に組み込ま
れる外壁面を有する軸部とを備え、内輪の内壁面と軸部
の外壁面とを互いに適合する軸方向のテーパ面として内
輪と軸部の間にくさびを形成し、弾性手段で前記内輪と
軸部とをくさびの作用方向に押圧して内輪を外輪の平坦
面側に押圧する等速自在継手であって、内輪と軸部と
を、何れか一方に設けた軸方向の凸条と、他方に設けた
軸方向の凹溝との嵌合部分で接触させたものである。
【0015】第2に、軸線に平行な複数の平坦面で囲ま
れた正多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴
に組み込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面
との間に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面
をそれぞれ有し、円周方向の複数箇所で分割してなる内
輪と、内輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部
とを備え、内輪の内壁面と軸部の外壁面とを互いに適合
する軸方向のテーパ面として内輪と軸部の間にくさびを
形成し、弾性手段で前記内輪と軸部とをくさびの作用方
向に押圧して内輪を外輪の平坦面側に押圧する等速自在
継手であって、内輪同士を、軸方向で凹凸係合させたも
のである。
【0016】第3に、軸線に平行な複数の平坦面で囲ま
れた正多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴
に組み込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面
との間に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面
をそれぞれ有し、円周方向の複数箇所で分割してなる内
輪と、内輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部
とを備え、内輪の内壁面と軸部の外壁面とを互いに適合
する軸方向のテーパ面として内輪と軸部の間にくさびを
形成し、弾性手段で前記内輪と軸部とをくさびの作用方
向に押圧して内輪を外輪の平坦面側に押圧する等速自在
継手であって、内輪にその軸方向の相対移動を規制する
移動規制部材を装着したものである。
【0017】第4に、軸線に平行な複数の平坦面で囲ま
れた正多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴
に組み込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面
との間に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面
を有し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、内
輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部と、内輪
と軸部との間に介装したくさび部材とを具備し、軸部の
外壁面、内輪の内壁面、及びくさび部材の内・外壁面を
互いに適合する軸方向のテーパ面として内輪とくさび部
材の間、及びくさび部材と軸部の間にくさびを形成し、
弾性手段でくさび部材をくさびの作用方向に押圧して内
輪を外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手であって、
内輪とくさび部材、又はくさび部材と軸部とを、何れか
一方に設けた軸方向の凸条と、他方に設けた軸方向の凹
溝との嵌合部分で接触させたものである。
【0018】第5に、軸線に平行な複数の平坦面で囲ま
れた正多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴
に組み込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面
との間に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面
を有し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、内
輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部と、内輪
と軸部との間に介装したくさび部材とを具備し、軸部の
外壁面、内輪の内壁面、及びくさび部材の内・外壁面を
互いに適合する軸方向のテーパ面として内輪とくさび部
材の間、及びくさび部材と軸部の間にくさびを形成し、
弾性手段でくさび部材をくさびの作用方向に押圧して内
輪を外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手であって、
内輪同士を軸方向で凹凸係合させたものである
【0019】第6に、軸線に平行な複数の平坦面で囲ま
れた正多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴
に組み込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面
との間に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面
を有し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、内
輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部と、内輪
と軸部との間に介装したくさび部材とを具備し、軸部の
外壁面、内輪の内壁面、及びくさび部材の内・外壁面を
互いに適合する軸方向のテーパ面として内輪とくさび部
材の間、及びくさび部材と軸部の間にくさびを形成し、
弾性手段でくさび部材をくさびの作用方向に押圧して内
輪を外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手であって、
内輪に、その軸方向の相対移動を規制する移動規制部材
を装着したものである。
【0020】以上の第1〜第6の発明においては、何れ
かに記載の内輪、及び軸部を含む組付け体を一対とし
て、外輪の中空穴に突き合わせ状に組み込んでもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃
至図4に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図
6(a)(b)及び図7(a)(b)に示す従来構成に
対応する部材及び部分には、同一の符号を付してある。
【0022】図1(a)(b)は、本発明の第1の実施
形態を示す。この等速自在継手は、図6(a)(b)に
示す等速自在継手を基本としており、軸線Xに平行な6
つの平坦面(1a)で囲まれた断面正六角形状の中空穴を
有する、例えば有底円筒状の外輪(1)と、外輪(1)
の中空穴に組み込まれた内輪(2)と内輪(2)と外輪
(1)との間に介装されたブロック状のボタン部材
(3)と、内輪(2)の内壁面(2b)に挿入された軸部
(4)と、軸部端面の収容穴(4e)に一端を収納した弾
性手段、例えばコイルスプリング(6)とを主要な構成
要素としている。
【0023】内輪(2)は、円周方向の3箇所で分割さ
れており、それぞれの分割体の外径面には、一対の球面
状外壁面(2a)が設けられている(各面には、右回転方
向に向けて2a1、2a2、…、2a6の番号を付す)。一対
の球面状外壁面(2a1・2a2)(2a3・2a4)(2a5・
2a6)は、それぞれ相反する向きに湾曲した凸状の曲面
をなしており、何れも隣接する2つのボタン部材(3)
の内壁面(3b)と接触可能である。
【0024】具体的には、球面状外壁面(2a1)(2a
4)は、PCD(荷重がかかる中心の円:継手を使用す
る負荷条件によって異なる)と中空穴の対角線(A1)と
の交点(O1)を球面中心とする半径rの球面で描かれ、
球面状外壁面(2a3)(2a6)は、PCDと中空穴の対
角線(A2)との交点(O2)を球面中心とする半径rの球
面で描かれ、球面状外壁面(2a2)(2a5)は、PCD
と中空穴の対角線(A3)との交点(O3)を球面中心とす
る半径rの球面で描かれている。3つの球面中心(O1
(O2)(O3)は、PCD上の円周等配位置にある。この
ように、各球面状外壁面(2a)の球面中心が継手中心
(O)から所定方向に所定量だけずれた位置にオフセッ
トされているため、円周等配位置にある3つの球面状外
壁面(2a1)(2a3)(2a5)はそれぞれ図1(b)に
おいて左回転方向に偏曲し、円周等配位置にある残りの
3つの球面状外壁面(2a2)(2a4)(2a6)はそれぞ
れ同図で右回転方向にに偏曲した形状をなす。そして、
この偏曲の向きが円周方向に隣り合った一対の球面状外
壁面(2a1・2a2)(2a3・2a4)(2a5・2a6)間で
相反した関係になる。
【0025】各ボタン部材(3)は、それぞれ、軸方向
縦長のブロック状をなし、外輪(1)の各平坦面(1a)
ごとに平坦面(1a)と同数分(本実施形態では6つ)だ
け設けられる。ボタン部材(3)の外側面(3a)は、外
輪平坦面(1a)と面接触可能な平坦状に形成され、その
内側面(3b)は、各内輪(2)の球面状外壁面(2a)と
面接触可能な凹球面状に形成されている。本実施形態で
は、ボタン部材(3)を軸方向を長くしたブロック状と
しているが、他の形状、例えば円板形状であってもよ
い。
【0026】内輪(2)と軸部(4)との間には、内輪
(2)の円周方向のガタツキを防止すべく、内輪(2)
の内壁面(2b)と軸部(4)の外壁面(4b)とによって
軸方向のくさびが形成される。
【0027】具体的には、各内輪(2)の内壁面(2b)
は、図1(a)に示すように、軸方向の一方に傾斜した
テーパ面状に形成され、軸部(4)の外壁面(4b)は、
内輪内壁面(2b)と適合するように軸方向の一方に傾斜
したテーパ面状に形成される。なお、半径方向の断面に
おいては、内輪(2)の内壁面(2b)及び軸部(4)の
外壁面(4b)の球面中心は、何れも継手中心(O)に一
致する。
【0028】そして、各内輪(2)の一端部(外輪の奥
部側の端部)に装着したカップ部材(9:後述する)の
凹部(9b)と軸部(4)の収容穴(4e)にコイルスプリ
ング(6)の端部をそれぞれ収容し、コイルスプリング
(6)の弾性力によって各内輪(2)と軸部(4)とを
くさびの作用する方向に押圧すると、内輪(2)は、コ
イルスプリング(6)の弾性力により、くさびの作用す
る方向、すなわち軸方向の一方側(外輪の奥部側)に押
圧される。これに伴い、各内輪(2)が軸部(4)のテ
ーパ状外壁面(4b)によって外輪(1)の平坦面(1a)
側に押圧されるので、内輪(2)の球面状外壁面(2a)
とボタン部材(3)の内側面(3b)との間、ボタン部材
(3)の外側面(3a)と外輪(1)の平坦面(1a)との
間の隙間が詰められ、継手全体で円周方向のガタツキが
なくなる。
【0029】なお、組立に際しては、コイルスプリング
(6)を圧縮した状態にすることにより、内輪(2)及
びボタン部材(3)を隙間をもって外輪(1)に組み入
れることができるので組立が容易である。そして、組み
入れ後に、コイルスプリング(6)の圧縮を解除する
と、上記の態様で隙間が詰められ、円周方向のガタツキ
がなくなる。
【0030】本発明では、各内輪(2)と軸部(4)と
を、内輪(2)のテーパ状内壁面(2b)に設けた軸方向
の凸条(13)と、軸部(4)のテーパ状外壁面(4b)に
設けた軸方向の凹溝(14)との嵌合部分で接触させる構
成にした。この時、図4に拡大して示すように、凹溝
(14)に嵌合した凸条(13)の両側面は、凹溝(14)の
両側面と接触している。一方、内輪(2)のテーパ状内
壁面(2b)と軸部(4)のテーパ状外壁面(4b)との間
には、僅かな隙間が形成されている。従って、軸部
(4)と内輪(2)との間のトルク伝達は、凸条(13)
の両側面と、凹溝(14)の両側面との接触部分(S)を
介してなされる。
【0031】このように、内輪(2)と軸部(4)とを
凸条(13)と凹溝(14)との嵌合部分で接触させると、
接触部分Sの接触面圧が全面接触の場合に比べて高くな
る。これにより、内輪(2)の軸方向への滑りが防止さ
れるので、内輪(2)の挙動を安定化し、高作動角をと
った場合でも、安定したトルク伝達を行なうことが可能
となる。
【0032】また、本発明では、内輪(2)に移動規制
部材としてのカップ部材(9)とリング部材(10)を装
着することにより、内輪(2)の軸方向移動の規制を強
化し、内輪挙動のさらなる安定化を図っている。以下、
これを具体的に説明する。
【0033】各内輪(2)の一端部(外輪の奥部側の端
部)には、テーパ状内壁面(2b)よりも内径側に突出し
た内径側突出部(2c)が形成される。この内径側突出部
(2c)の内径側には、断面略H字型のカップ部材(9)
が嵌め込まれる。カップ部材(9)は、環状の外径側突
出部(9a)を軸方向の2箇所に有するもので、組立時に
は、2つの外径側突出部(9a)の間に内輪(2)の内径
側突出部(2c)が嵌め込まれる。これにより、各内輪
(2)は、カップ部材(9)の外径側突出部(9a)によ
って相互間の軸方向移動を規制される。なお、カップ部
材(9)の内輪内部側の端面には、コイルスプリング
(6)の他端を収容する凹部(9b)が形成されている。
【0034】一方、内輪(2)の他端側(外輪の開口部
側)の内径部には、溝(11)が形成されており、この溝
(11)にリング部材(10)が嵌着されている。これによ
り、カップ部材(9)と同様に、リング部材(10)によ
っても内輪(2)相互間の軸方向移動を規制することが
可能となる。
【0035】なお、カップ部材(9)とリング部材(1
0)の何れか一方のみを装着する構成としても良い。
【0036】図2は、本発明の第2の実施形態を示す図
である。図示のように、この実施形態では、隣接する2
つの内輪(2)の円周方向の対向端面のうち、一方の端
面に凸部(15)を設けると共に、他方の端面に凹部(1
6)を設けたものである。凸部(15)を凹部(16)に嵌
め込み(凹凸係合)、内輪(2)同士を噛み合わせる
と、3つの内輪(2)の相互間の軸方向移動を規制する
ことが可能となる。
【0037】ところで、上述した等速自在継手では、ボ
タン部材(3)の移動量や球面案内の確保、外輪とシャ
フトの干渉を考慮すると、許容される作動角に一定の限
界がある。限界値以上の作動角を得ようとすれば、外輪
(1)をさらに大径化する必要があり、ステアリング装
置への組み込みを考慮すると好ましくない。また、外輪
軸を固定した状態で軸部(4)を回転させると、軸部
(4)に連結したシャフト軸が振れ廻る場合があり、こ
れを支持する軸受の耐久性低下を招くおそれがある。
【0038】そこで、この場合は、図1又は図2に示す
内輪(2)および軸部(4)を含む組付け体を一対とし
て外輪(1)の中空穴に突き合わせ状に組み込んだもの
を使用するとよい。図3は、一例として図1に示す内輪
(2)、ボタン部材(3)及び軸部(4)からなる一対
の組付け体を、両端を開口した円筒状の外輪(1)の中
空穴に突き合わせ状態で組み込んだものである。
【0039】このタイプの等速自在継手であれば、一対
の内輪(2)を外輪(1)に対してそれぞれ角度(θ)
だけ変位させると、両内輪(2)がそれぞれ外輪(1)
に対して角度変位するので、従来品の2倍の作動角(2
θ)をとることができる。ステアリング装置に用いられ
る等速自在継手には、50°以上の作動角をとることがで
きることが必要となる場合もあるが、このタイプの等速
自在継手であれば、この要求を充分に達成することがで
きる。しかも、構造は比較的簡単で、且つ小型・軽量で
ある。また、2つの内輪(2)を同位相で組み込んでお
けば、振れ廻りは外輪(1)でのみ生じ、2つの軸部
(4)は振れ廻ることなく回転可能となる。
【0040】本発明は、図7(a)(b)に示すよう
に、内輪(2)と軸部(4)との間にくさび部材(5)
を挿入した等速自在継手にも同様に適用可能である。こ
の場合、凸条(13)や凹溝(14)は、内輪(2)とくさ
び部材(5)の間、又はくさび部材(5)と軸部(4)
の間の何れに設けてもよい。
【0041】また、ボタン部材(3)を有する等速自在
継手のみならず、これを有しない等速自在継手、すなわ
ち内輪(2)の球面状外壁面(2a)を外輪(1)の平坦
面(1a)に直接接触させた等速自在継手にも同様に適用
することが可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、内輪と軸部とを凸
条と凹溝との嵌合部分で接触させると、接触部分の接触
面圧が全面接触の場合に比べて高くなる。これにより、
内輪の軸方向への滑りが防止されるので、内輪の挙動を
安定化し、高作動角をとった場合でも、安定したトルク
伝達を行なうことが可能となる。
【0043】内輪同士を軸方向で凹凸係合させると、内
輪同士が軸方向で噛み合うため、各内輪相互間の軸方向
移動を規制することが可能となる。内輪に、その軸方向
の相対移動を規制する移動規制部材を装着した場合も同
様の効果が奏される。
【0044】内輪、及び軸部を含む組付け体を一対とし
て、外輪の中空穴に突き合わせ状に組み込むと、外輪径
を大きくすることなく作動角を2倍にとることができ、
また、2つの軸部も振れ廻ることなく回転可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す軸方向の断面図
(a図)、及び半径方向の断面図(b図)である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す軸方向の断面図
(a図)、及び半径方向の断面図(b図)である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す軸方向の断面図
である。
【図4】凸条と凹溝の嵌合状態を示す半径方向の拡大断
面図である。
【図5】作動角をとった従来継手の軸方向の断面図であ
る。
【図6】従来継手の一例を示す半径方向の断面図(a
図)、及び軸方向の断面図(b図)である。
【図7】従来継手の他の例を示す半径方向の断面図(a
図)、及び軸方向の断面図(b図)である。
【符号の説明】
1 外輪 1a 平坦面 2 内輪 2a 球面状外壁面 2b 内壁面 3 ボタン部材 3a 外側面 3b 内側面 4 軸部 4b 外壁面 5 くさび部材 6 コイルスプリング(弾性手段) 9 カップ部材(移動規制部材) 10 リング部材(移動規制部材) 13 凸条 14 凹溝 15 凸部 16 凹部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面をそれ
    ぞれ有し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、
    内輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部とを備
    え、内輪の内壁面と軸部の外壁面とを互いに適合する軸
    方向のテーパ面として内輪と軸部の間にくさびを形成
    し、弾性手段で前記内輪と軸部とをくさびの作用方向に
    押圧して内輪を外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手
    であって、 内輪と軸部とを、何れか一方に設けた軸方向の凸条と、
    他方に設けた軸方向の凹溝との嵌合部分で接触させたこ
    とを特徴とする等速自在継手。
  2. 【請求項2】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面をそれ
    ぞれ有し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、
    内輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部とを備
    え、内輪の内壁面と軸部の外壁面とを互いに適合する軸
    方向のテーパ面として内輪と軸部の間にくさびを形成
    し、弾性手段で前記内輪と軸部とをくさびの作用方向に
    押圧して内輪を外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手
    であって、 内輪同士を、軸方向で凹凸係合させたことを特徴とする
    等速自在継手。
  3. 【請求項3】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面をそれ
    ぞれ有し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、
    内輪の内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部とを備
    え、内輪の内壁面と軸部の外壁面とを互いに適合する軸
    方向のテーパ面として内輪と軸部の間にくさびを形成
    し、弾性手段で前記内輪と軸部とをくさびの作用方向に
    押圧して内輪を外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手
    であって、 内輪に、その軸方向の相対移動を規制する移動規制部材
    を装着したことを特徴とする等速自在継手。
  4. 【請求項4】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面を有
    し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、内輪の
    内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部と、内輪と軸
    部との間に介装したくさび部材とを具備し、軸部の外壁
    面、内輪の内壁面、及びくさび部材の内・外壁面を互い
    に適合する軸方向のテーパ面として内輪とくさび部材の
    間、及びくさび部材と軸部の間にくさびを形成し、弾性
    手段でくさび部材をくさびの作用方向に押圧して内輪を
    外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手であって、 内輪とくさび部材、又はくさび部材と軸部とを、何れか
    一方に設けた軸方向の凸条と、他方に設けた軸方向の凹
    溝との嵌合部分で接触させたことを特徴とする等速自在
    継手。
  5. 【請求項5】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面を有
    し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、内輪の
    内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部と、内輪と軸
    部との間に介装したくさび部材とを具備し、軸部の外壁
    面、内輪の内壁面、及びくさび部材の内・外壁面を互い
    に適合する軸方向のテーパ面として内輪とくさび部材の
    間、及びくさび部材と軸部の間にくさびを形成し、弾性
    手段でくさび部材をくさびの作用方向に押圧して内輪を
    外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手であって、 内輪同士を軸方向で凹凸係合させたことを特徴とする等
    速自在継手。
  6. 【請求項6】 軸線に平行な複数の平坦面で囲まれた正
    多角形状の中空穴を有する外輪と、外輪の中空穴に組み
    込まれ、外輪の平坦面に接触し又は外輪の平坦面との間
    に介装されたボタン部材に接触する球面状外壁面を有
    し、円周方向の複数箇所で分割してなる内輪と、内輪の
    内壁面に組み込まれる外壁面を有する軸部と、内輪と軸
    部との間に介装したくさび部材とを具備し、軸部の外壁
    面、内輪の内壁面、及びくさび部材の内・外壁面を互い
    に適合する軸方向のテーパ面として内輪とくさび部材の
    間、及びくさび部材と軸部の間にくさびを形成し、弾性
    手段でくさび部材をくさびの作用方向に押圧して内輪を
    外輪の平坦面側に押圧する等速自在継手であって、 内輪に、その軸方向の相対移動を規制する移動規制部材
    を装着したことを特徴とする等速自在継手。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載の内輪、
    及び軸部を含む組付け体を一対として、外輪の中空穴に
    突き合わせ状に組み込んだことを特徴とする等速自在継
    手。
JP27462396A 1996-10-17 1996-10-17 等速自在継手 Withdrawn JPH10122255A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27462396A JPH10122255A (ja) 1996-10-17 1996-10-17 等速自在継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27462396A JPH10122255A (ja) 1996-10-17 1996-10-17 等速自在継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10122255A true JPH10122255A (ja) 1998-05-12

Family

ID=17544306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27462396A Withdrawn JPH10122255A (ja) 1996-10-17 1996-10-17 等速自在継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10122255A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101024883B1 (ko) 트리포드형 등속 조인트
US3447341A (en) Ball cage for ball type constant velocity joint
US20010041621A1 (en) Constant velocity universal joint
WO2019111534A1 (ja) 伸縮リンク及びサスペンション
WO2019078120A1 (ja) サスペンション
JPH07501125A (ja) 異常振動防止トリポード等速継手
JPH0232492B2 (ja)
JPH10122255A (ja) 等速自在継手
JP2007120667A (ja) トリポード型等速自在継手
JPH0689785B2 (ja) 等速自在継手
JP2008002627A (ja) 摺動式等速自在継手
JP2000170786A (ja) 軸継手
JPH1137170A (ja) 等速自在継手
JPH10122254A (ja) 等速自在継手
JPH05172153A (ja) 等速自在継手
JP2007205508A (ja) トリポート型等速ジョイント
JP3821914B2 (ja) 弾性軸継手
JP2009014179A (ja) トリポード型等速自在継手
JPS61211528A (ja) トリポツト形等速ジヨイント
US5799764A (en) Cage having a bearing for use in a one-way clutch
JP2583634Y2 (ja) 自動車用トリポード型等速ジョイント
JPH03255226A (ja) 等速ジョイント
JPH0685950U (ja) 捩り振動低減装置
JP6512387B1 (ja) 伸縮リンク及びサスペンション
JPH09222136A (ja) 両方向トルクリミッタ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040106