JPH10122022A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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Publication number
JPH10122022A
JPH10122022A JP29801296A JP29801296A JPH10122022A JP H10122022 A JPH10122022 A JP H10122022A JP 29801296 A JP29801296 A JP 29801296A JP 29801296 A JP29801296 A JP 29801296A JP H10122022 A JPH10122022 A JP H10122022A
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JP
Japan
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injection
fuel
surging
engine
pilot
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Application number
JP29801296A
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English (en)
Inventor
Keiichi Kitazawa
啓一 北沢
Taiichi Ashida
泰一 芦田
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Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発進性に優れ、窒素酸化物の発生が抑えられ、
しかもサージングが確実に防止されるようにした燃料噴
射装置を提供することを目的とする。 【解決手段】負荷変動に対する回転数の変化が少ない噴
射特性で発進動作を行なうとともに、それぞれの噴射の
際に主噴射に先立ってパイロット噴射を行なうように
し、しかもサージングが発生した場合にはパイロット噴
射を停止するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料噴射装置に係
り、とくに加圧された燃料をインジェクタによってエン
ジンのシリンダ内に噴射するようにした燃料噴射装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンは燃料噴射装置を備
え、ピストンが上死点に達するのにほぼ同期して燃料の
噴射を行なうようにしている。噴射された燃料の噴霧は
圧縮された吸気の熱によって自然着火されて燃焼が行な
われるようになっている。
【0003】このような燃料噴射装置による燃料の噴射
において、とくにエンジンの回転数が低い領域において
負荷変動に対する回転数の変化が大きいと、発進時にエ
ンジンに対して大きな負荷が加わった場合にエンジンが
失速してエンストを起し易い。また発進時にこのように
回転数が大きく変化して回転数が低くなると、発進性が
悪くなる。
【0004】そこでエンストを防止するとともに発進性
を改善するために、低速域における負荷変動に対する回
転数の変化を少ない特性とするような噴射パターンによ
る噴射量制御を行なうようにしている。
【0005】またインジェクタによる燃料の噴射の際
に、主噴射に先立ってパイロット噴射を行なうと、パイ
ロット噴射に伴って生ずる種火によって主噴射によって
噴射された燃料の噴霧が逐次燃焼されるようになる。こ
のために燃焼が緩慢になるとともに、ディーゼルノック
が抑えられ、燃焼温度が低下する。このことから排気ガ
ス中の窒素酸化物が低減されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エンストを防止すると
ともに、発進性を改善するために負荷変動に対するエン
ジンの回転数の変化が少ない噴射特性となるように噴射
量制御を行なうと、とくにエンジンの回転数が低い回転
領域においてサージングを生じ易かった。すなわち低回
転領域においては燃焼が緩慢なために、負荷変動に対す
る回転数の変化が少ない噴射パターンを適用すると、応
答遅れによる回転数の低下と、この回転数の低下を償う
ように行なわれる過噴射とが交互に行なわれ、回転数の
変動が助長され、遂にはサージングに至る。とくに発進
時や交差点を右折したり左折する際にエンジンがサージ
ングを発生し易かった。とくにこのことは、主噴射に先
立ってパイロット噴射を行なう場合に著しくなる。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、負荷変動に対するエンジンの回転数の
変化が少ない特性となるような噴射パターンで制御され
るようにした場合において、サージングをより効果的に
防止するようにした燃料噴射装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、加圧された燃
料をインジェクタによってエンジンのシリンダ内に噴射
するようにした燃料噴射装置において、エンジンの回転
数に応じて所定の噴射量となるように予め設定されてい
る噴射特性に従って燃料の噴射量を制御する噴射量制御
手段と、それぞれの噴射の際に主噴射に先立ってパイロ
ット噴射を行なうパイロット噴射手段と、サージングが
発生したときにそのことを検出するサージング検出手段
と、前記サージング検出手段によってサージングが検出
された場合に前記パイロット噴射を停止するパイロット
噴射停止手段と、をそれぞれ具備する燃料噴射装置に関
するものである。
【0009】前記パイロット噴射停止手段によるパイロ
ット噴射の停止が所定の回転数以下の領域のみで行なわ
れるようにしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態に係
る燃料噴射装置を備えるディーゼルエンジンを示すもの
であって、ディーゼルエンジン8はそのシリンダブロッ
クの側面側に加圧ポンプ10を備えている。加圧ポンプ
10は歯車によってエンジン8の出力の一部を利用して
駆動されるようになっている。そして加圧ポンプ10に
はコモンレール23から成る蓄圧室が接続されている。
そして各シリンダにそれぞれ取付けられているインジェ
クタ26は上記コモンレール23と噴射管を介して接続
されるようになっている。
【0011】各シリンダのインジェクタ26はそれぞれ
電子制御装置30によって制御されるようになってい
る。電子制御装置30はエンジン8の回転数を検出する
回転検出センサ36およびアクセルペダルの踏込み量を
検出するアクセルセンサ35と接続されるようになって
いる。そしてこのような電子制御装置30によって加圧
ポンプ10の制御が行なわれるようにしている。
【0012】次にエンジン8の各シリンダに順次燃料を
供給する燃料噴射装置について説明すると、図2は燃料
噴射用インジェクタ26を備える燃料噴射装置の全体の
構成を示すものであって、この燃料噴射装置は燃料を加
圧するための加圧ポンプ10を備えている。加圧ポンプ
10はプランジャ11を備えており、このプランジャ1
1をカムシャフトに取付けられているカム12によって
突上げるようにしており、プランジャ11の上側の空間
の加圧室13の燃料が加圧されるようになる。
【0013】燃料タンク15内の燃料はセジメンタ16
およびフィルタ17を通してフィードポンプ18によっ
て吸引されるようになっており、フィードポンプ18の
吐出側に設けられている燃料フィルタ19を通して上記
加圧ポンプ10のプランジャ11の上側の加圧室13に
供給されるようになっている。なお加圧室13は一方向
弁20を介してタンク15側に燃料をリークさせるよう
にしている。
【0014】上記加圧室13の吐出側は一方向弁22を
介して蓄圧室を構成するコモンレール23と接続されて
いる。コモンレール23には一方向弁24が取付けられ
ている。この一方向弁24はプレシッシャリミッタを構
成しており、コモンレール23の圧力が設定圧を越えた
場合に開いてタンク15側に燃料を戻すようにしてい
る。またコモンレール23はフローリミッタ25を介し
てインジェクタ26と接続されている。フローリミッタ
25はインジェクタ26に流れる燃料の流量が異常に増
大した場合に遮断動作を行ない、異常噴射を阻止するた
めのものである。
【0015】この燃料噴射装置の全体の制御を行なうた
めにコンピュータを含む電子制御装置30が設けられて
いる。電子制御装置30はコモンレール23内の圧力を
検出する圧力センサ31と接続されている。また加圧ポ
ンプ10の加圧室13とリーク側の一方向弁20との間
にはポンプ制御弁32が接続されており、その電磁コイ
ル33が上記電子制御装置30によって制御されるよう
になっている。
【0016】電子制御装置30にはアクセルペダルの踏
込み量を検出するアクセルセンサ35、エンジンの回転
数を検出するエンジン回転センサ36、エンジンに設け
られている気筒判別センサ37、ポンプに設けられてい
る気筒判別センサ38がそれぞれ接続されている。
【0017】次に上記コモンレール23とフローリミッ
タ25を介して接続されているインジェクタ26の構成
について説明すると、図3に示すようにこのインジェク
タ26の先端側にはノズル本体40が取付けられてい
る。ノズル本体40はノズルニードル41を摺動可能に
保持しており、このノズルニードル41の先端側の部分
がバルブシート42に圧着されるようになっており、こ
れによって噴口43からの燃料の噴射の制御を行なうよ
うにしている。またノズル本体40内には燃料だめ44
が設けられており、この燃料だめ44へ燃料通路45を
介して燃料圧が常時加えられるようになっている。
【0018】ノズルニードル41はプッシュロッド48
によって下方へ押圧されるようになっている。プッシュ
ロッド48は押圧ばね49によって下方へ押圧されると
ともに、このプッシュロッド48の上端をピストン50
が押圧するようになっている。ピストン50はインジェ
クタ26のボディに設けられている液圧シリンダ51内
に摺動可能に支持されるとともに、この液圧シリンダ5
1の入口側を閉じるように2枚のオリフィス52、53
が重ねて配されている。
【0019】上記オリフィス52、53についてより詳
細に説明すると、ピストン50を摺動可能に保持するよ
うにノズルボディ内に設けられている液圧シリンダ51
の入口部分にはとくに図3に示すように、2枚のオリフ
ィス52、53が互いに重合わされるように配されてい
る。これらのオリフィス52、53はそれらの中心部に
それぞれ小孔56、57を備えるようになっている。
【0020】ここで上側のオリフィス52の小孔56の
方が下側のオリフィス53の小孔57よりも大きな寸法
を有している。そしてこれらの小孔56、57の入口部
分がともに面取りされて傾斜面を構成している。これら
の傾斜面は上側のオリフィス52よりも下側のオリフィ
ス53の方が大きくなっている。このように小孔56、
57をそれぞれ具備するオリフィス52、53を重ねて
配するとともに、それらの入口部分にそれぞれ面取りの
傾斜面を形成することによって、図2に示す一方向弁5
4と絞り55との等価回路と機能的に同じくなり、燃料
の噴射開始時の特性と燃料の噴射停止時との特性に差異
をもたせ、燃料噴射率の特性がヒステリシスをもつよう
にしている。
【0021】インジェクタ26の内部であってその上部
には図2および図3に示す三方弁59が組込まれてい
る。三方弁59は圧縮コイルばね60によって下方へ押
圧されるとともに、ソレノイドコイル61によって上方
へ付勢されるようになっている。そしてソレノイドコイ
ル61の非励磁時においては、図3Aに示すように燃料
通路62が三方弁59のポート63と連通されるように
なっている。このポート63と連通されるように三方弁
59の下部には下方に開放されている開口64が形成さ
れている。
【0022】また三方弁59はソレノイドコイル61の
非励磁時に燃料通路62と燃料通路65とを遮断するよ
うにしている。燃料通路65は燃料を逃がすためのポー
ト66と連通されている。
【0023】次に図2に示すシステムによる燃料噴射の
動作を説明する。エンジンの出力の一部によって、フィ
ードポンプ18と加圧ポンプ10とが駆動される。フィ
ードポンプ18はセジメンタ16およびフィルタ17を
介してタンク15内の燃料を吸引し、燃料フィルタ19
を通して加圧ポンプ10の加圧室13内に燃料を充填す
る。
【0024】加圧室13内の燃料は、カム12によって
突上げられるプランジャ11によって加圧されるととも
に、一方向弁22を通してコモンレール23に供給さ
れ、このコモンレール23によって燃料の蓄圧が行なわ
れる。ここで加圧ポンプ10のカム12よる加圧の際
に、ポンプ制御弁32が電磁コイル33によって開閉制
御されるようになっており、電子制御装置30のコンピ
ュータが目標圧とコモンレール23の圧力のずれとに応
じてポンプ制御弁32を閉じている時間を適当に演算
し、常に目標圧になるように制御するようにしている。
【0025】この動作をより詳細に説明すれば、加圧ポ
ンプ10に設けられている制御弁32は電磁コイル33
によって制御されるようになっており、ポンプ制御弁3
2が閉じられたときにプランジャ11が突上げられる
と、燃料が加圧されるとともに、制御弁32が開かれた
ときにプランジャ11が突上げられた場合には、燃料が
制御弁32および一方向弁20を通してタンク15側に
戻され、制御弁32によって圧力が逃がされることにな
る。加圧ポンプ10は制御弁32をON−OFFして吐
出量を変化させ、コモンレール23の圧力センサ31の
信号が電子制御装置30のコンピュータに与えられてい
る目標値となるようにフィードバック制御されるように
なっている。
【0026】上記のような電子制御装置30によるコモ
ンレール23内の圧力のフィードバック制御が何等かの
異常によって正しく行なわれず、コモンレール23内の
圧力が一方向弁24の設定圧を越えた場合には、プレッ
シャリミッタを構成する一方向弁24が開かれ、タンク
15側に燃料圧が逃げるようになる。
【0027】このようにコモンレール23には一定の圧
力が蓄圧され、この圧力がフローリミッタ25を介して
インジェクタ26に印加されている。
【0028】図3Aは無噴射時のインジェクタ26を示
しており、ソレノイドコイル61は非励磁状態にある。
従って三方弁59は圧縮コイルばね60によって下方に
押圧され、その先端部が燃料通路62、65を遮断して
いる。従ってポート66が遮断状態にあり、コモンレー
ル23の燃料圧は燃料通路62、三方弁59のポート6
3、開口64、液圧シリンダ51のオリフィス52、5
3の小孔56、57を通してピストン50の上面に作用
している。
【0029】上記コモンレール23の燃料圧は同時に燃
料通路45および燃料だめ44を通してノズルニードル
41に作用している。
【0030】このときに下方に作用する力は液圧シリン
ダ51のピストン50が燃料圧によって受ける下方への
力と押圧ばね49がプッシュロッド48を下方へ押圧す
る力の和である。これに対して上方への力はノズルニー
ドル41が燃料だめ44の部分で燃料圧によって上方に
作用するように受ける力である。
【0031】ここで液圧シリンダ51のピストン50の
直径の方がノズルニードル41の摺動シール部の直径よ
りもはるかに大きく、しかも押圧ばね49が加勢してい
る下方への力がはるかに大きいために、ノズルニードル
41の先端側の部分がバルブシート42に圧着され、こ
のバルブシート42の部分でノズルニードル41が燃料
を遮断しており、無噴射状態になる。
【0032】電子制御装置30はアクセルペダルの踏込
み量をアクセルセンサ35によって検出するとともに、
回転検出センサ36によってエンジンの回転数を検出す
る。さらに必要に応じて他の情報を基に最適な噴射時間
と噴射のタイミングとを演算する。そして所定のタイミ
ングでソレノイドコイル61を励磁する。
【0033】すると三方弁59がソレノイドコイル61
によって上方へ付勢され、図3Bに示すように三方弁5
9が上方へリフトする。従ってこの三方弁59はバルブ
シートから離間し、液圧シリンダ51の上側の空間の部
分が燃料通路65を介してポート66と連通される。従
って液圧シリンダ51のピストン50を押圧していた燃
料圧は液圧シリンダ51のオリフィス53、52の小孔
57、56、燃料通路65、ポート66を介してリーク
することになる。このために燃料圧による液圧シリンダ
51のピストン50を下方へ押圧する力が解除される。
【0034】従ってノズルニードル41を燃料だめ44
に印加される燃料圧によって上方に押圧する力が押圧ば
ね49の押圧力に打勝ち、ノズルニードル41は上方に
リフトし、このノズルニードル41の先端側の部分がバ
ルブシート42から離間する。従って噴口43を通して
燃料の噴射が行なわれる。
【0035】上記液圧シリンダ51のピストン50の上
部へ作用している燃料圧を解除する際に、液圧シリンダ
51の入口部分に配されている一対のオリフィス52、
53の小孔56、57が絞りとなるために、燃料圧の解
除がゆっくりと行なわれることになる。従ってバルブシ
ート42に対するノズルニードル41の上昇速度が緩衝
されることになる。
【0036】この後に再び図3Aに示すようにソレノイ
ドコイル61の励磁電流を遮断すると、圧縮コイルばね
60によって三方弁59が下方へ移動され、この三方弁
59の先端部が燃料通路62、65を遮断する。しかも
燃料通路62、ポート63、開口64を介し、オリフィ
ス52、53の小孔56、57を経由して液圧シリンダ
51のピストン50の上面に燃料圧が作動され、図3A
に示すようにノズルニードル41を下方へ強く押圧する
ようになる。
【0037】このような燃料噴射装置による噴射量の制
御は、電子制御装置30のコンピュータによって行なわ
れるようになっている。このときに電子制御装置30の
コンピュータは図4に示すような噴射特性に従って燃料
の噴射の制御を行なう。すなわちエンジンの回転数に応
じた噴射量の特性は図4に示す通りである。なおこのグ
ラフにおいてパラメータはアクセルペダルの踏込み量に
当る。
【0038】図4に示す特性は負荷変動に対するエンジ
ンの回転数の変化が比較的大きな特性を有しているため
に、とくに低速回転域において大きな負荷がエンジンに
加わった場合にはエンストを起し易い。また発進時に大
きな負荷が加わるとエンジンが失速する可能性がある。
そこで発進時においては図5に示す噴射特性に切換える
ようにしている。
【0039】図5に示す特性は、とくにエンジンの回転
数が低い領域において、負荷変動に対するエンジンの回
転数の変化が非常に小さな特性になっており、このため
に発進時に大きな負荷が加わってもエンジンの回転数が
大きく低下することがなく、エンストが防止されるよう
になる。また発進時に負荷変動に対する回転数の変化が
少ないために、十分な発進トルクで安定な発進を行なう
ことが可能になる。
【0040】さらにこの燃料噴射装置は、通常は図6に
示すように主噴射に先立ってパイロット噴射を行なうよ
うにしている。それぞれの噴射の際に、インジェクタ2
6はまず少量の燃料を噴射する。これがパイロット噴射
である。そしてこの後に所定の噴射量となるように再度
燃料の噴射を行なう。これが主噴射である。
【0041】このように主噴射に先立ってパイロット噴
射を行なうと、パイロット噴射によって生じた火炎によ
って主噴射の燃料の噴霧を逐次燃焼させることが可能に
なり、一挙に燃焼が行なわれることが防止される。すな
わちディーゼルノックが防止されるとともに、エンジン
内の燃焼ガス圧と燃焼温度とが低く抑えられ、これによ
って窒素酸化物の発生が抑えられる。従ってエンジンの
排ガス対策、とくに窒素酸化物の低減に極めて有効であ
る。
【0042】このように発進時に図5に示すような噴射
特性を採用するとともに、それぞれの噴射の際に窒素酸
化物の低減のために図6に示すようなパイロット噴射を
主噴射に先立って行なうと、図7に示すようなサージン
グを発生し易い。そこでこの燃料噴射装置は、コンピュ
ータ30のソフトウエア制御によって、サージングを防
止するようにしている。
【0043】図8に示すようにコンピュータ30はパイ
ロット噴射が行なわれている状態においてエンジンの回
転数の検出を回転検出センサ36によって行なう。そし
て800回転以下の回転数の場合にはサージングの発生
の検出を行なう。そしてサージングが発生している場合
にはパイロット噴射を停止する。
【0044】この後に再びエンジンの回転数の検出を行
なうとともに、エンジンの回転数が800回転以上の場
合にはパイロット噴射を行なう。これに対してエンジン
の回転数が800回転以下の場合には、アクセルペダル
の踏込み量をアクセルセンサ35によって検出するとと
もに、最初のエンジンの回転数の検出のステップに戻
る。アクセルペダルの踏込み量が零の場合には再び元の
状態、すなわちパイロット噴射の状態に戻るようにして
いる。
【0045】従ってこのような制御動作によって、サー
ジングが発生した場合にパイロット噴射を停止すること
になり、図7に示すようなサージングが防止されること
になる。なおこのようなパイロット噴射の停止は、発進
時や交差点を右折あるいは左折する場合のような特殊な
場合であって、通常はほとんどパイロット噴射が行なわ
れているために、排気ガスの悪化の問題をほとんど生ず
ることがない。
【0046】このように本実施の形態に係る燃料噴射装
置は、発進性の改善とサージングの防止とを両立させる
ようにしたものである。すなわち発進性を改善するため
に発進時において図5に示すような傾斜の鋭い噴射特性
を採用するとともに、主噴射に先立ってパイロット噴射
をそれぞれの噴射の際に行なうようにすると、発進時や
交差点での右折時、あるいは左折時にサージングが発生
するという問題があった。
【0047】そこでサージングか発生した場合には図8
に示すフローチャートに基いてパイロット噴射を停止す
るようにしている。サージングを発生した場合には図7
に示すように噴射量が周期的に変動するために、この噴
射量を噴射制御用のコンピュータ30にフィードバック
させることによってサージングの検出を行なう。すなわ
ちコンピュータ30のCPUによって噴射量の検出を行
ない、サージングが発生したときにパイロット噴射のカ
ットの制御を行なう。
【0048】図7に示すサージングはエンジン8の回転
数が低い領域においてのみ発生し易いので、エンジン回
転数によってパイロット噴射のON・OFFの制御を行
なうようにしている。またアクセルペダルが踏込まれて
いないときにはアイドル状態である判断し、パイロット
噴射を再開するようにしている。
【0049】コンピュータ30によるサージングの検出
の方法は、ピーク噴射量が一定期間内に定められた回数
以上現れた場合にサージングと判断する。なおこの実施
の形態においては、約2秒間に3〜4回噴射量のピーク
が出た場合にサージングが発生したものと判断するよう
にしている。
【0050】なおこのような噴射量によるサージングの
発生の検出に代えて、エンジン8の回転数をエンジン回
転センサ36によって直接検出するとともに、その回転
数の変化に関する情報からサージングの検出を行なうよ
うにしてもよい。
【0051】このような燃料噴射装置によれば、サージ
ングが発生した場合にパイロット噴射が停止され、これ
によってサージングが速やかにかつ確実に防止されるよ
うになる。従ってエンジンの発進性の改善のために図5
に示すような尖鋭化された噴射特性を採用した場合にお
けるとくに低速回転域におけるサージングを防止するこ
とが可能になる。すなわち発進性の改善とサージングの
防止とが両立することになる。
【0052】なお通常は図4に示すような特性で噴射量
の制御を行なうとともに、図6に示すように主噴射に先
立ってパイロット噴射を行なうようにしている。従って
エンジンの回転が円滑であってしかも排気ガス中に窒素
酸化物を発生することがなくなる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明は、エンジンの回転
数に応じて所定の噴射量となるように予め設定されてい
る噴射特性に従って燃料の噴射量を制御する噴射量制御
手段と、それぞれの噴射の際に主噴射に先立ってパイロ
ット噴射を行なうパイロット噴射手段と、サージングが
発生したときにそのことを検出するサージング検出手段
と、サージング検出手段によってサージングが検出され
た場合にパイロット噴射を停止するパイロット噴射停止
手段と、をそれぞれ具備する燃料噴射装置に関するもの
である。
【0054】従って本発明によれば、サージングが発生
したときにそのことがサージング検出手段によって検出
されるとともに、パイロット噴射が停止される。このよ
うなパイロット噴射の停止によってサージングが確実に
防止されることになる。
【0055】パイロット噴射停止手段によるパイロット
噴射の停止が所定の回転数以下の領域のみで行なわれる
ようにした構成によれば、所定の回転数以下の領域でサ
ージングが発生した場合にパイロット噴射が停止される
ことになり、これによってエンジンのサージングが防止
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係る燃料噴射装置を備えるエン
ジンの正面図である。
【図2】燃料噴射装置のブロック図である。
【図3】インジェクタの縦断面図である。
【図4】通常の噴射特性を示すグラフである。
【図5】発進時の噴射特性を示すグラフである。
【図6】噴射パターンを示すグラフである。
【図7】サージングが発生した場合の噴射量の変化を示
すグラフである。
【図8】サージング防止のための制御動作を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
8 エンジン 10 加圧ポンプ 11 プランジャ 12 カム 13 加圧室 15 タンク 16 セジメンタ 17 フィルタ 18 フィードポンプ 19 燃料フィルタ 20 一方向弁 22 一方向弁 23 コモンレール(蓄圧室) 24 一方向弁(プレッシャリミッタ) 25 フローリミッタ 26 インジェクタ 30 電子制御装置(コンピュータ) 31 圧力センサ 32 ポンプ制御弁 33 電磁コイル 35 アクセルセンサ 36 エンジン回転センサ 37 気筒判別センサ(エンジン) 38 気筒判別センサ(ポンプ) 40 ノズル本体 41 ノズルニードル 42 バルブシート 43 噴口 44 燃料だめ 45 燃料通路 48 プッシュロッド 49 押圧ばね 50 ピストン 51 液圧シリンダ 52、53 オリフィス 54 一方向弁 55 オリフィス 56、57 小孔 58 傾斜面(面取り) 59 三方弁 60 圧縮コイルばね 61 ソレノイドコイル 62 燃料通路 63 ポート 64 開口 65 燃料通路 66 ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 47/02 F02M 47/02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧された燃料をインジェクタによってエ
    ンジンのシリンダ内に噴射するようにした燃料噴射装置
    において、 エンジンの回転数に応じて所定の噴射量となるように予
    め設定されている噴射特性に従って燃料の噴射量を制御
    する噴射量制御手段と、 それぞれの噴射の際に主噴射に先立ってパイロット噴射
    を行なうパイロット噴射手段と、 サージングが発生したときにそのことを検出するサージ
    ング検出手段と、 前記サージング検出手段によってサージングが検出され
    た場合に前記パイロット噴射を停止するパイロット噴射
    停止手段と、 をそれぞれ具備する燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】前記パイロット噴射停止手段によるパイロ
    ット噴射の停止が所定の回転数以下の領域のみで行なわ
    れることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8037864B2 (en) 2007-03-05 2011-10-18 Yanmar Co., Ltd. Diesel engine
DE102015008770A1 (de) 2014-07-07 2016-01-07 Suzuki Motor Corporation Brennstoffeinspritzsteuervorrichtung

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8037864B2 (en) 2007-03-05 2011-10-18 Yanmar Co., Ltd. Diesel engine
DE102015008770A1 (de) 2014-07-07 2016-01-07 Suzuki Motor Corporation Brennstoffeinspritzsteuervorrichtung
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