JPH10121242A - 刃物の製造方法 - Google Patents

刃物の製造方法

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JPH10121242A
JPH10121242A JP23851597A JP23851597A JPH10121242A JP H10121242 A JPH10121242 A JP H10121242A JP 23851597 A JP23851597 A JP 23851597A JP 23851597 A JP23851597 A JP 23851597A JP H10121242 A JPH10121242 A JP H10121242A
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均 平野
Seiichi Kiyama
精一 木山
Yoichi Domoto
洋一 堂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一回のプロセスで処理できる刃物母材の個数
に限界があり、また刃物母材は静止状態で真空容器内に
置かれているため、被膜の形成にムラがあった。 【解決手段】 本発明の刃物の製造方法は、真空チャン
バを真空引きする第1工程と、第1の回転軸の回りに自
転自在な筒状母材ホルダを複数個有する、第2の回転軸
の回りに自転自在なターンテーブルを、該母材ホルダの
周側面に装着された刃物母材が、イオンを照射するイオ
ンガンの照射方向と略対向する位置で停止させる第2工
程と、前記母材ホルダを回転させ乍ら、前記イオンガン
によって、常温で気体となる原子のイオンを前記刃物母
材に照射すると共に、蒸発源より高硬度材料の原子を前
記刃物母材に向けて放射する第3工程と、前記母材ホル
ダを回転させ乍ら、常温で気体となる、主として分子の
雰囲気中で、前記蒸発源より高硬度材料の原子を前記刃
物母材に向けて放射する第4工程と、からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気かみそり刃や
その他の刃物に高硬度を有する材料の被膜を形成するた
めの刃物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の製造装置としては、例えば特開
昭61-106767号公報や、特開昭62-382号公
報に、刃物の刃先に真空蒸着処理を施しながら、イオン
注入処理を施し、刃先表面に硬質の混合層を形成する装
置がある。これらは先ず容器内に刃物母材を収納し、真
空排気を行ってから被膜形成のプロセスを行うが、一回
のプロセスで処理できる刃物母材の個数は1個か精々2
個程度であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の製
造方法では、一回のプロセスで処理できる刃物母材の個
数に限界があり、また刃物母材は静止状態で真空容器内
に置かれているため、被膜の形成にムラが生じる等の欠
点があった。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、斯かる
従来技術の欠点に鑑み、一回のプロセスで処理できる刃
物母材の個数を増大させるとともに、形成された被膜の
ムラを減少させ、歩留まりを向上することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の刃物の製造方法
は、真空チャンバを真空引きする第1工程と、第1の回
転軸の回りに自転自在な筒状母材ホルダを複数個有す
る、第2の回転軸の回りに自転自在なターンテーブル
を、該母材ホルダの周側面に装着された刃物母材が、イ
オンを照射するイオンガンの照射方向と略対向する位置
で停止させる第2工程と、前記母材ホルダを回転させ乍
ら、前記イオンガンによって、常温で気体となる原子の
イオンを前記刃物母材に照射すると共に、蒸発源より高
硬度材料の原子を前記刃物母材に向けて放射する第3工
程と、前記母材ホルダを回転させ乍ら、常温で気体とな
る、主として分子の雰囲気中で、前記蒸発源より高硬度
材料の原子を前記刃物母材に向けて放射する第4工程
と、からなることを特徴とする。
【0006】また、前記母材ホルダは、その断面形状が
正多角形、又は円形であることを特徴とする。
【0007】更に、前記第1の回転軸は、前記第2の回
転軸と平行な関係であることを特徴とする。
【0008】また、前記イオンガンは、原子イオン、又
は分子イオンを照射することを特徴とする。
【0009】前記の構成において、自転する母材ホルダ
に装着された個々の刃物母材に到達する常温で気体とな
る原子のイオン、及び高硬度材料の原子の数が平均化さ
れ且つ一度に処理できる母材の個数は増大する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の刃物の製造方法を実
現するための刃物の製造装置を図面の実施例について詳
細に説明する。
【0011】第1図は本発明の製造方法を実施するため
の製造装置の概観斜視図、第2図は同じく正面図を示
し、第3図は同じく上面図である。
【0012】これらの図において、1は10-5〜10-7
Torrに排気される真空チャンバ、2は該真空チャン
バ1内の背面近傍において水平方向の回転軸(第2の回
転軸)3の回りで公転自在に設けられたターンテーブ
ル、4a〜4dは該ターンテーブル2表面において同心
円状に配置され、それ自身水平軸(第1の回転軸)5a
〜5dの回りで自転自在に設けられた筒状の母材ホルダ
である。
【0013】この母材ホルダ4a〜4dの周側面は薄い
平板状の母材を取り付けやすいように正多角形状に形成
されている。そして前記母材としては例えば電気かみそ
りの外刃として一般に用いられるNi電鋳製の多数の髭
導入孔を有した薄型基板を用いた。
【0014】一方、6は電子ビームにより高硬度材料と
してのジルコニウム(Zr)原子を蒸発させ、これを前
記母材ホルダ4a〜4dに向けて放射する蒸発源であ
り、7は前記母材ホルダ4a〜4dの方向に常温で気体
となる窒素原子のイオン(N+)を放射するか、或るい
は窒素ガス(N2)を供給するかのいずれかを行うこと
ができるアシストインガンである。
【0015】次に前記ターンテーブル2と母材ホルダ4
a〜4dの公転及び自転機構について説明する。
【0016】前記母材ホルダ4a〜4dはその回転軸5
a〜5dを前記テーンテーブル2の回転軸3に歯車結合
されており、ターンテーブル2と回転軸3とはその動力
伝達を適宜繁いだり、切り離したりすることができるよ
うにされている。即ち、前記回転軸3はターンテーブル
2の回転と母材ホルダ4a〜4dの両方の回転を担って
いる。
【0017】また、各構成部品の寸法関係について説明
すると、前記チャンバ1は高さ1055mm、幅875
mmであり、直径770mmの前記ターンテーブル2の
回転軸3はこのチャンバ1の左上から水平方向、垂直方
向に夫々395mmずつ離れたところに位置し、直径2
80mmの前記母材ホルダ4a〜4dの回転軸5a〜5
dは前記回転軸3を中心とする直径450mmの円周状
に等間隔で位置する。前記蒸発源6は、チャンバ1の底
面より178.23mmの高さで側面より122.56
mm離れた場所にセットされる。
【0018】前記母材ホルダ4a〜4dは前記ターンテ
ーブル2の一回の公転で、夫々第2図の4dの位置に到
達し、ここで前記蒸発源6とイオンガン7による高硬度
被膜の形成処理が行われる。
【0019】この4dの位置は前記ターンテーブル2つ
の水平の中心線2aから58.25mm上方にあり、且つ
母材ホルダ4dの中心線8は前記中心線2aに対して1
5°の傾きを持った位置にある。そして前記イオンガン
7の先端面は前記母材ホルダ4dから300mm離れた
位置にあり、これから広がるビームの幅は母材ホルダ4
dの端面で略直径150mmになる。
【0020】尚、前記母材ホルダ4a〜4dは同時に全
てが自転してもよいし、4dの位置にあるもののみが自
転するようにしてもよい。
【0021】次に前記装置を用いて前記Ni電鋳製母材
の表面にZrN被膜を形成する方法について説明する。
【0022】先ず、各母材ホルダ4a〜4dの周側面に
多数の母材を装着する。そして、第2図の4dの位置に
最初に被膜を形成する母材が装着された母材ホルダ(例
えば4aとする)を位置付ける。そして、真空チャンバ
1内を10-5〜10-7Torrに排気し、母材ホルダ4
aを1〜15rpmの速度で回転させながら、アシスト
イオンガン7にN2ガスを供給し、N+イオンを取り出し
て、これを回転中の母材ホルダ4aに装着された各母材
の表面に照射する。この時のN+イオンの加速電圧は、
700eV、イオン電流密度は0.38mA/cm2
設定した。
【0023】一方、N+イオンの照射と同時に蒸発源6
を駆動し、Zr原子を蒸発させて前記母材ホルダ4aに
装着された各母材の表面に放射する。この時のZrの蒸
発速度は母材表面における成膜速度に換算して1000
Å/min.に設定した。
【0024】以上の工程を2分から5分程度行い、母材
表面に膜厚0.025〜0.05μmのZrNの第1薄
膜層9を形成する(第4図参照)。尚、第4図において
10は母材を表している。
【0025】次にN+イオンの照射を止めて、前記イオ
ンガン7よりN2を前記チャンバ1内に供給するととも
に、このN2雰囲気中で蒸発源4よりZr原子を母材1
0の表面に向かって放射した。この間も前記母材ホルダ
4aは回転を続けていた。そしてこの時のZrの蒸発速
度は母材10表面における成膜速度に換算して1000
Å/min.に設定した。
【0026】以上の工程を25分から30分程度行い、
前記第1薄膜層9の表面に膜厚0.26〜0.29μm
を揺するもう1層のZrNの第2薄膜層11を形成し
た。
【0027】これらの工程の結果、母材10表面に膜厚
0.3μmのZrN被膜が形成されることになる。尚、
この例ではアシストイオンを用いたときには母材10表
面での温度上昇が7℃/min.、ガス雰囲気のみでの
利用では2℃/min.である。
【0028】こうして母材ホルダ4aの母材に対する被
膜形成工程が終わると、前記ターンテーブル2を1/4
回転させ、4dの位置に次の母材ホルダ4bを位置せし
め、母材ホルダ4aの場合と同様に被膜を形成し、以後
母材ホルダ4c、4dにもこの作業を繰り返す。
【0029】第5図、第6図はイオンガンの出力を夫々5
00eV、900eVに設定し、成膜時間と母材表面温
度との関係をグラフ化したものである。
【0030】両図中上の直線は母材ホルダ4a〜4dを
静止させた状態のときを表し、下の直線は前述の条件で
回転させた時を夫々示している。いずれの図においても
母材ホルダ4a〜4dを回転させたときのほうが制止さ
せたときよりも温度上昇が減少している。
【0031】また、形成された母材表面の被膜を観察し
た結果、母材表面全域にわたって略均一な膜が得られ、
これは一つの母材ホルダ、或いは前記母材ホルダに装着
された母材に対しても同じ結果が得られた。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、母材表面に被膜を形成するプロセスで母材ホ
ルダを自転させることにより均一な被膜が得られ、且つ
母材ホルダの使用により、一回の真空排気で処理できる
母材の個数を増大させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の概観斜視図である。
【図2】本発明装置の概観斜視図正面図である。
【図3】本発明装置の概観斜視図上面図である。
【図4】被膜の形成された母材の断面図である。
【図5】イオンエネルギが相異なる場合の成膜時間と母
材表面温度の変化を示す図である。
【図6】イオンエネルギが相異なる場合の成膜時間と母
材表面温度の変化を示す図である。
【符号の説明】 1 …チャンバ 2 …ターンテーブル 4a〜4d…母材ホルダ 6 …蒸発源 7 …イオンガン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバを真空引きする第1工程
    と、 第1の回転軸の回りに自転自在な筒状母材ホルダを複数
    個有する、第2の回転軸の回りに自転自在なターンテー
    ブルを、該母材ホルダの周側面に装着された刃物母材
    が、イオンを照射するイオンガンの照射方向と略対向す
    る位置で停止させる第2工程と、 前記母材ホルダを回転させ乍ら、前記イオンガンによっ
    て、常温で気体となる原子のイオンを前記刃物母材に照
    射すると共に、蒸発源より高硬度材料の原子を前記刃物
    母材に向けて放射する第3工程と、 前記母材ホルダを回転させ乍ら、常温で気体となる、主
    として分子の雰囲気中で、前記蒸発源より高硬度材料の
    原子を前記刃物母材に向けて放射する第4工程と、から
    なることを特徴とする刃物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記母材ホルダは、その断面形状が正多
    角形、又は円形であることを特徴とする請求項1記載の
    刃物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の回転軸は、前記第2の回転軸
    と平行な関係であることを特徴とする請求項1記載の刃
    物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記イオンガンは、原子イオン、又は分
    子イオンを照射することを特徴とする請求項1記載の刃
    物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110629169A (zh) * 2019-10-29 2019-12-31 苏州华楷微电子有限公司 一种公转式半导体蒸发台

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110629169A (zh) * 2019-10-29 2019-12-31 苏州华楷微电子有限公司 一种公转式半导体蒸发台
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