JP2889620B2 - ダイヤモンド状被膜形成方法 - Google Patents

ダイヤモンド状被膜形成方法

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【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は刃物や半導体材料の表面にコーティングされ
て刃物の特性の向上や半導体材料の表面保護に用いられ
るダイヤモンド状被膜の形成方法に関する。
(ロ)従来の技術 一般に電気かみそりの刃は各種の鋼やニッケル合金な
どを素材とし、プレス加工や電気鋳造法などによって作
られている。
そして前記電気かみそりの刃は固定刃と可動刃とから
構造されており、この固定刃と可動刃は剪断平面におい
て互いに接触し合うことにより、使用時に固定刃と可動
刃との間で摩擦が起こり、その結果、刃先の摩耗や鈍化
が生じるようになり、初期の優れた剃味を長期に亘って
維持することが困難であった。
このため今日では例えば特開昭61-52887号公報や特開
昭61-52888号公報に示されるようにイオンプレーティン
グ法によって擬似ダイヤモンド被膜を合成樹脂やステン
レス鋼にコーティングする試みが行われているが、刃母
材と被膜とは異種の材料間の接着となり、被膜が剥がれ
やすいという問題点があった。
(ハ)発明が解決しようとする課題 本発明が解決しようとする課題は、被膜の形成される
母材と被膜間の密着性を向上せしめ、母材の硬度を高め
るとともに耐久性を向上させることである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明のダイヤモンド状被膜形成方法は、炭素原子を
蒸発させる蒸発源と、水素イオン或るいは炭素イオンを
発生するアシストイオンガンと、前記蒸発した炭素原子
と発生した水素イオン或るいは炭素イオンとが到達する
母材と、を真空チヤンバ内に配置し、該母材表面に炭素
イオンを注入する第1ステップと、前記母材表面に蒸発
源より炭素原子を蒸発させて放射すると同時に水素イオ
ンを照射することにより、前記母材表面上にダイヤモン
ド状被膜の核を形成する第2ステップと、前記ダイヤモ
ンド状被膜の核が存在する母材表面に、前記炭素原子を
蒸発させて放射すると同時に、前記水素イオンを照射す
ることにより前記母材表面上にダイヤモンド状被膜を形
成する第3ステップと、からなるダイヤモンド状被膜形
成方法において、前記第3ステップにおける水素イオン
の照射エネルギー及び照射量を第2ステップにおける水
素イオンの照射エネルギー及び照射量よりも小さくする
ことを特徴とする。
更に、前記第1ステップの工程の直後に、前記母材表
面を凹凸状態に形成することを特徴とする。
(ホ)作用 ダイヤモンド状被膜と母材との間に形成された混合層
は被膜の成分と母材の成分の両方を兼ね備え、該被膜と
母材の接着を強固にする。
又、ダイヤモンド被膜は最初に作られたダイヤモンド
状被膜の核を基にして成長せしめられるため、形成の途
上でグラファイト化する率が極めて低くなる。
(ヘ)実施例 以下本発明のダイヤモンド状被膜形成方法の一実施例
を図面に基づいて詳細に説明する。
第1図は真空蒸着、並びにイオン注入装置を示し、
(1)は10-5〜10-7Torrに排気される真空チャンバ、
(2)は該真空チャンバ(1)内に配置され、図の矢印
方向に10〜20rpmの速度で回転可能にされた基板ホルダ
ー、(3)は例えば電気かみそりに用いられている外刃
或るいは内刃のようなステンレス鋼、炭素鋼、合金鋼、
セラミックス、アルミニウム、或るいは強化プラスチッ
ク製の母材、(4)は電子ビームにより炭素原子を蒸発
させ前記母材(3)に向けて放射する蒸発源、(5)は
前記母材(3)への注入用イオンを放射すると共に、蒸
発源(4)から蒸発した炭素原子にエネルギーを付与す
るアシストイオンを放射するアシストイオンガンであ
る。
次に上記装置を用いてダイヤモンド状被膜の形成方法
について説明する。
第2図の断面図に示すような髭導入孔(8)を有する
往復式電気かみそりの刃母材(3)表面浅くに母材
(3)の成分原子とダイヤモンド状被膜(7)の成分原
子(炭素原子)との混合層(6)を形成し、この混合層
(6)表面にダイヤモンド状被膜(7)を形成するた
め、まず、真空チャンバ(1)内を10-5〜10-7Torrに排
気し、アシストイオンガン(5)を駆動して、これにCH
4(メタン)ガスを供給し、炭素イオンを取出して、こ
れを母材(3)表面に注入する。この時の炭素イオンの
加速電圧は、数keV〜数十keV程度が望ましい。
このようにして母材(3)表面に深さ0.1μm程度の
炭素イオンと母材構成原子との混合層(6)が得られる
(第3図(イ)参照)。
次にダイヤモンド状被膜(7)の核の形成について説
明する。
同じチャンバ(1)内で前記アシストイオンガン
(5)よりアシストイオンである水素イオンを放出さ
せ、同時に前記蒸発源(4)より炭素原子を蒸発させ放
出させる。この時の水素イオンの電流密度及び加速電圧
は第4、5図の0〜1分間の照射時間内で示されるよう
に夫々10mA/cm2、1000eVに設定する。又、形成される核
を均一なものにするため前記基板ホルダー(2)を第1
図の矢印方向に10〜20rpmで回転させる。形成開始から
約1分間上記条件で成膜を行うことによって、前記混合
層(6)表面に局部的な高温部が生成されるのでこの部
分に到達した炭素原子がグラフォイト構造を採ることな
くダイヤモンド構造を持つダイヤモンド状被膜の核
(9)を形成する(第3図(ロ)参照)。
ダイヤモンド状被膜の核(9)が形成された後、第4
図、及び第5図の1〜3分の照射時間の間に水素イオン
の電流密度、並びに加速電圧を核(9)形成のときより
も小さく、夫々2mA/cm2、200eVまで急激に落とし、前
記基板ホルダー(2)を回転させながら核(9)に基づ
いたダイヤモンド状被膜(7)の均一な形成を行う。
尚、このとき形成するダイヤモンド状被膜(9)の成
膜速度を250Å/minとする一方、膜厚は0.33μm程度が
望ましい。
次に第6図は他の実施装置を示す。この実施例では真
空チャンバ(1)に、高いエネルギーのイオンを放射す
る高エネルギー用イオンガン(10)と、低いエネルギー
のイオンを放射する低エネルギー用イオンガン(11)と
を設けている点が、先の実施例とは異なっている。
第6図の実施例を用いてダイヤモンド状被膜(7)を
形成する方法を説明すると、まず、高エネルギー用イオ
ンガン(10)により、数keV〜数十keVの加速電圧をもっ
た炭素イオンを、母材(3)表面から0.1μmに注入し
て、混合層(6)を形成し(第7図(イ)参照)、この
混合層(6)表面に低エネルギー用イオンガン(11)よ
り、1〜数KeVのAr(アルゴン)イオンを放射して混合
層(6)表面をスパッタにより粗くする(第7図(ロ)
参照)。こうしておいてから、前記高エネルギー用イオ
ンガン(10)より10〜20keVの加速電圧をもった炭素イ
オンを母材(3)表面の混合層(6)に打ち込み、同時
に低エネルギ−イオンガン(11)からArと水素イオンの
混合イオンを放射してグラファイト化を防ぎながらダイ
ヤモンド状被膜の核(9)を形成する(第7図(ハ)参
照)。
このように混合層(6)表面に凹凸を形成することに
より、この凹の部分に結晶の核の成長が顕著に見られ
る。これは、表面部の「山」の部分が「谷」の部分より
も位置的に安定であるためと考えられる。
この後、蒸発源(4)を駆動して炭素原子を放射し、
低エネルギー用イオンガン(11)よりArと水素のイオン
を同時に放射して混合層(6)の表面に均一なダイヤモ
ンド状被膜(7)を形成する(第7図(ニ)参照)。
このように混合層(6)の表面を粗くしてダイヤモン
ド状被膜の核(9)を形成することにより、混合層
(6)とダイヤモンド状被膜(7)との密着性が向上す
る。
(ト)発明の効果 本発明は以上の説明の如く、母材表面に混合層とダイ
ヤモンド状被膜との二つの層を形成することにより母材
の靱性と硬度との両方を一挙に向上させる効果があり、
またダイヤモンド状被膜の形成によって母材の耐久性は
セラミックス等の被膜に比して著しく向上する。
更に、ダイヤモンド状被膜の形成に当っては、アシス
ト水素イオンの利用によってグラファイト化を阻止され
たダイヤモンド状被膜の核を出発点としてダイヤモンド
状被膜の成膜を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法を実施するための装置を示す
平面略図、第2図は第1図の装置を用いて形成された往
復式電気かみそりの刃部を示す要部断面図、第3図
(イ)〜(ハ)は夫々ダイヤモンド状被膜形成の各ステ
ップを説明する図、第4図は水素イオンの照射時間とそ
の電流密度との関係を示す図、第5図は同じく水素イオ
ンとその加速電圧との関係を示す図、第6図は第1図に
対応する他の実施例を示す平面略図、第7図(イ)〜
(ニ)は第6図の装置を用いたダイヤモンド状被膜形成
の各ステップを説明する図である。 (1)……真空チャンバ、(2)……基板ホルダー、
(3)……刃物母材、(4)……蒸発源、(5)アシス
トイオンガン、(6)……混合層、(7)……ダイヤモ
ンド被膜、(9)……ダイヤモンド被膜の核。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素原子を蒸発させる蒸発源と、水素イオ
    ン或るいは炭素イオンを発生するアシストイオンガン
    と、前記蒸発した炭素原子と発生した水素イオン或るい
    は炭素イオンとが到達する母材と、を真空チヤンバ内に
    配置し、 該母材表面に炭素イオンを注入する第1ステップと、 前記母材表面に蒸発源より炭素原子を蒸発させて放射す
    ると同時に水素イオンを照射することにより、前記母材
    表面上にダイヤモンド状被膜の核を形成する第2ステッ
    プと、 前記ダイヤモンド状被膜の核が存在する母材表面に、前
    記炭素原子を蒸発させて放射すると同時に、前記水素イ
    オンを照射することにより前記母材表面上にダイヤモン
    ド状被膜を形成する第3ステップと、 からなるダイヤモンド状被膜形成方法において、 前記第3ステップにおける水素イオンの照射エネルギー
    及び照射量を第2ステップにおける水素イオンの照射エ
    ネルギー及び照射量よりも小さくすることを特徴とする
    ダイヤモンド状被膜形成方法。
  2. 【請求項2】前記第1ステップの工程の直後に、前記母
    材表面を凹凸状態に形成することを特徴とする請求項1
    記載のダイヤモンド状被膜形成方法。
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