JPH10120685A - ビスアジド化合物、液晶ポリマー及び配向フィルム - Google Patents

ビスアジド化合物、液晶ポリマー及び配向フィルム

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JPH10120685A
JPH10120685A JP29800396A JP29800396A JPH10120685A JP H10120685 A JPH10120685 A JP H10120685A JP 29800396 A JP29800396 A JP 29800396A JP 29800396 A JP29800396 A JP 29800396A JP H10120685 A JPH10120685 A JP H10120685A
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liquid crystal
crystal polymer
film
bis
compound
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JP29800396A
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Shusaku Nakano
秀作 中野
Kiyouko Izumi
今日子 泉
Shu Mochizuki
周 望月
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ポリマー溶液の塗布方式を適用でき、従
って大面積体も容易に効率よく製造できて、しかも耐熱
性に優れる配向フィルムを形成しうる液晶ポリマーの開
発。 【解決手段】 次式: で表されるビスアジド化合物、及びそのビスアジド化合
物を含有して架橋性を示す液晶ポリマー、並びにその液
晶ポリマーの配向架橋処理物からなる配向フィルム。 【効果】 液晶ポリマーを溶液化してそれを塗布乾燥
し、ガラス転移温度以上に加熱後冷却する方式にて配向
処理でき、かつその配向処理層を配向の乱れを生じるこ
となくビスアジド化合物を介し架橋処理して耐熱性を向
上でき、従来の液晶ポリマーに準じた低温で配向処理で
きて、耐熱性と低着色性に優れる配向フィルムの大面積
体も容易に効率よく製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶ポリマーの液晶性を
維持した架橋剤として有用なビスアジド化合物、及びそ
れを用いた架橋性を示す液晶ポリマー、並びにその液晶
ポリマーを配向架橋処理してなる耐熱性に優れる光学フ
ィルム等に有用な配向フィルムに関する。
【0002】
【発明の背景】液晶ポリマーの配向フィルムからなる種
々の光学フィルムが提案されており、液晶表示装置等へ
の適用が期待されている。しかしながら、かかる光学フ
ィルムは、液晶ポリマーの溶液を配向膜上に塗布して乾
燥後、ガラス転移温度以上に加熱して冷却することで形
成されたものであることから、その耐熱性がガラス転移
温度に依存して耐熱性に乏しい問題点があった。
【0003】すなわち前記の液晶ポリマーからなる配向
フィルムは、応力が作用しない場合には等方相転移温度
以下でその配向状態を維持するが、応力が作用した場合
にはガラス転移温度付近で配向が崩れ光学特性が変化す
る。配向フィルムにおける応力は、例えば液晶表示装置
等に粘着層を介し偏光板や位相差板等と共に接着した場
合の如く、実用形態における使用条件下での温度変化等
による寸法変化等で発生し、実用形態ではむしろ応力の
発生が常態である。ちなみに偏光板の温度変化による寸
法変化の場合、それに粘着層を介し接着した配向フィル
ムには収縮応力が発生する。
【0004】配向フィルムにおける耐熱性の向上対策と
しては、ガラス転移温度の高い液晶ポリマーの使用が考
えられるが、その場合には配向フィルムの形成温度も高
くなり、配向膜やその支持基材に要求される耐熱温度も
高くなって使用可能基材の制約や経済性などの点で不利
となる。また低分子の重合性液晶化合物からなる流動層
を2枚の基板間に介在させて紫外線照射等により重合処
理して配向フィルムとする場合と同様に、耐熱性の向上
は図りうるものの製造効率に劣る問題点も誘発する。な
お低分子の重合性液晶化合物を紫外線照射等により重合
処理する方法には、大面積体を得にくいなどの問題点も
ある。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、液晶ポリマー溶液の塗
布方式を適用でき、従って大面積体も容易に効率よく製
造できて、しかも耐熱性に優れる配向フィルムを形成し
うる液晶ポリマーの開発を課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、次式: で表されることを特徴とするビスアジド化合物、及びそ
のビスアジド化合物を含有して架橋性を示すことを特徴
とする液晶ポリマー、並びにその液晶ポリマーの配向架
橋処理物からなることを特徴とする配向フィルムを提供
するものである。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、液晶ポリマーを溶液化
してそれを塗布乾燥し、ガラス転移温度以上に加熱後冷
却する方式にて配向処理でき、かつその配向処理層を配
向の乱れを生じることなく含有のビスアジド化合物を介
し架橋処理して耐熱性を向上させることができる。従っ
て従来の液晶ポリマーに準じた低温で配向処理できる上
に、耐熱性に優れる配向フィルムの大面積体も容易に効
率よく製造することができる。また本発明によるビスア
ジド化合物は、それによる着色が従来物に比べて少ない
(薄い)特長も有する。
【0008】
【発明の実施形態】本発明のビスアジド化合物は、次式
で表されるものである。
【0009】前記のビスアジド化合物の調製は、例えば
イソソルビド又はイソマンニド等と、4−アジド安息香
酸とをN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドを介し
てカップリング反応させる方法などにより得ることがで
きる。
【0010】前記したイソソルビドとイソマンニドは、
トランス体とシス体の関係にある異性体であり、本発明
においてはイソソルビドに由来するトランス体とイソマ
ンニドに由来するシス体との混合物からなるビスアジド
化合物を用いうるが、その混合物の調整は、トランス体
とシス体の混在割合の調節などの点より、イソソルビド
単体又はイソマンニド単体で用いて調製したトランス体
又はシス体としてのビスアジド化合物を混合する方式が
好ましい。
【0011】本発明のビスアジド化合物、特にそのトラ
ンス体単体物又はトランス体を50重量%以上含有する
混合物は、液晶ポリマーの架橋剤として好ましく用いる
ことができる。シス体がリッチな混合物では、液晶ポリ
マーの配向性を低下させ、白濁を生じさせやすくなる。
【0012】液晶ポリマーの配向性の維持性等の点より
好ましく用いうるビスアジド化合物は、トランス体/シ
ス体の混合割合が50以上/50以下、就中65以上/
35以下、特に100/0〜80/20のものである。
【0013】ビスアジド化合物を介した架橋処理の対象
となる液晶ポリマー、すなわちビスアジド化合物を含有
して架橋性を示す液晶ポリマーについては、特に限定は
なく、サーモトロピックで液晶化温度範囲において配向
膜を介しネマチック配向やコレステリック配向などの配
向状態を形成してモノドメイン化するものであればよ
い。従って例えば液晶配向性を付与する共役性のパラ置
換環状化合物等からなる直線状原子団(メソゲン)をポ
リマーの主鎖や側鎖に有する主鎖型や側鎖型などの種々
の構造を有する適宜な液晶ポリマーを用いうる。
【0014】ちなみに前記の主鎖型液晶ポリマーの例と
しては、屈曲性を付与するスペーサ部を必要に応じ介し
てパラ置換環状化合物等からなるメソゲンを結合した構
造を有する、例えばポリエステル系やポリアミド系、ポ
リカーボネート系やポリエステルイミド系などのポリマ
ーがあげられる。また側鎖型液晶ポリマーの例として
は、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリシロ
キサンやポリマロネート等を主鎖骨格とし、側鎖として
スペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等か
らなるメソゲンを有するものなどがあげられる。
【0015】前記においてネマチック配向性を付与する
パラ置換環状化合物としては、例えばアゾメチン形やア
ゾ形、アゾキシ形やエステル形、ビフェニル形やフェニ
ルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形の如きパラ置
換芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル環単位などを有
するものなどがあげられる。パラ置換環状化合物におけ
るパラ位における末端置換基は、例えばシアノ基やアル
キル基、アルコキシ基などの適宜なものであってよい。
【0016】またスペーサ部としては、屈曲性を示す例
えばポリメチレン鎖−(CH2n−やポリオキシメチレ
ン鎖−(CH2CH2O)m−などがあげられる。スペー
サ部を形成する構造単位の繰返し数は、メソゲン部の化
学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン
鎖の場合にはnが0〜20、就中2〜12、ポリオキシ
メチレン鎖の場合にはmが0〜10、就中1〜3であ
る。
【0017】一方、コレステリック配向型の液晶ポリマ
ーは、例えば上記したネマチック配向型の液晶ポリマー
の主鎖中や側鎖末端等にキラル成分を導入する方式など
により得ることができる。そのキラル成分としては、不
斉炭素を有するものなどが用いられ、その例としては下
記の式で表されるものなどがあげられる。なお化学式中
の*を付した炭素は、光学活性炭素を意味する。
【0018】
【0019】液晶ポリマーの製造は、例えば必要に応じ
て架橋関与基を有するモノマー等の化合物を用いて行う
ことができる。ちなみに主鎖型の液晶ポリマーの調製は
例えば、成分モノマーを共重合させる方式などの通例の
ポリマー合成に準じた適宜な方式で行うことができる。
【0020】一方、側鎖型の液晶ポリマーの調製は例え
ば、アクリル酸やメタクリル酸のエステルの如きビニル
系主鎖形成用モノマーに必要に応じスペーサ基を介して
メソゲン基を導入したモノマーをラジカル重合法等によ
りポリマー化するモノマー付加重合方式や、ポリオキシ
メチルシリレンのSi−H結合を介し白金系触媒の存在
下にビニル置換メソゲンモノマーを付加反応させる方
式、主鎖ポリマーに付与した官能基を介し相関移動触媒
を用いたエステル化反応によりメソゲン基を導入する方
式や、マロン酸の一部に必要に応じスペーサ基を介して
メソゲン基を導入したモノマーとジオールとを重縮合反
応させる方式などの適宜な方式で行うことができる。就
中、(メタ)アクリル酸系モノマーに基づく重合方式が
好ましい。
【0021】前記の液晶ポリマーにおけるメソゲンにつ
いては特に限定はなく、例えば下記のものなどがあげら
れる。
【0022】液晶ポリマーは、通例の形態にてもビスア
ジド化合物のアジド基による水素引き抜きや挿入反応等
により架橋処理できるが、架橋処理を効率よく行う点よ
りは、アジド基との反応性に優れる不飽和炭化水素の部
位を有する液晶ポリマーが好ましく用いられる。不飽和
炭化水素の部位は、主鎖型の液晶ポリマーでは主鎖の末
端や主鎖内、側鎖型の液晶ポリマーでは主鎖の末端や主
鎖内、側鎖内や側鎖の末端の適宜な位置であってよい。
就中、架橋処理性や架橋による配向乱れの防止性などの
点より、側鎖末端に不飽和炭化水素が位置する側鎖型の
液晶ポリマーが好ましい。
【0023】前記の不飽和炭化水素としては、シクロヘ
キセン環やアクリル基などがあげられるが、合成の容易
さやポリマー調製時のモノマーの安定性などの点よりシ
クロヘキセン環が特に好ましい。不飽和炭化水素の導入
は、例えば重合関与基と不飽和炭化水素を有するモノマ
ーを、主鎖型液晶ポリマーではそれを共重合させる方
式、側鎖型液晶ポリマーでは液晶モノマーとそれを共重
合させる方式などにより得ることができる。不飽和炭化
水素の含有割合は、液晶配向性の低下防止などの点よ
り、不飽和炭化水素を含有するモノマー単位に基づいて
50モル%以下、就中40モル%以下、特に30モル%
以下が好ましい。
【0024】モノマーを介した液晶ポリマーへの不飽和
炭化水素の導入は、得られるポリマーのガラス転移温度
が低下し、耐熱性の低下原因となって通例の場合には好
ましくないものであるが、本発明にてはビスアジド化合
物による架橋処理で耐熱性が格段に向上することから、
前記のガラス転移温度の低下は配向処理温度の低下とし
て、むしろ好都合に作用し、これにより低温配向性と耐
熱性という液晶ポリマー単独では両立が困難な低温配向
性と耐熱性を両立させることができる。
【0025】なお上記した側鎖型液晶ポリマーにおい
て、主鎖骨格とメソゲンを連結するスペーサ部を形成す
るメチレン単位の数は、液晶性等の点より0〜12、就
中2〜6が好ましい。また末端基は、シアノ基やメトキ
シ基などが好ましい。
【0026】一方、側鎖の骨格構造としては、液晶性を
示すか、液晶性を乱さないものが好ましく、その例とし
ては上記の液晶ポリマーのメソゲンで例示した式
(a)、(c)で表されるもののほか下記のものなどが
あげられ、就中、式(a)、(c)、(d)で表される
ものが好ましい。
【0027】
【0028】液晶ポリマーの重量平均分子量は、成膜性
や膜強度、配向性やその均一性などの点より、2千〜1
0万、就中2.2千〜8万、特に2.5千〜5万が好ま
しい。また液晶ポリマーに配合するビスアジド化合物の
量は、架橋不足による耐熱性の向上不足等を防止する点
や、配合過多による析出、又は液晶ポリマーの液晶化温
度範囲の縮小や配向性の低下などを防止する点などよ
り、液晶ポリマーの1〜70重量%、就中5〜50重量
%、特に10〜30重量%が好ましい。
【0029】本発明による配向フィルムは、液晶ポリマ
ーの配向架橋フィルムからなるが、その製造は例えばビ
スアジド化合物を配合した液晶ポリマーの溶液を配向処
理面上に展開して乾燥後、加熱処理して配向層を形成
し、それを架橋処理する方法などにより行うことができ
る。
【0030】前記の液晶ポリマー溶液の調製に際して用
いる溶媒としては、液晶ポリマーとビスアジド化合物を
溶解しうる適宜なものを用いることができ、特に限定は
ない。その例としては、1,1,2,2−テトラクロロ
エタンやシクロヘキサノン、塩化メチレンやクロロホル
ム等の単独溶媒や混合溶媒などがあげられる。
【0031】液晶ポリマー溶液の展開は、例えばその溶
液をスピンコート法やロールコート法、フローコート法
やプリント法、ディップコート法や流延成膜法等の適宜
な方法で薄層展開し、それを乾燥処理して溶媒を除去す
る方法などにより行うことができる。
【0032】配向処理面としては、例えば低分子液晶化
合物の配向処理に公知のものを用いることができる。そ
の例としては、基材上にポリイミドやポリビニルアルコ
ール等の薄膜を形成してその表面をラビング処理したも
のや、酸化珪素等を斜方蒸着したもの、あるいは延伸フ
ィルムなどがあげられる。基材等としては、液晶ポリマ
ーを配向させるための加熱処理に耐える例えばガラス板
やポリマーシート、位相差板や偏光板等の適宜なものを
用いうる。
【0033】液晶ポリマーの展開層を配向させるための
加熱処理は、液晶ポリマーのガラス転移点から等方相を
呈する溶融状態までの温度範囲に加熱することにより行
うことができる。なお配向状態を固定化するための冷却
条件については特に限定はなく、通例前記の加熱処理を
300℃以下の温度で行いうることから、自然冷却方式
が一般に採られる。
【0034】配向処理を終えた展開層は、それを架橋処
理することにより配向架橋物とされるが、その架橋処理
は光照射及び加熱の一方又は両方により行うことができ
る。光照射には、紫外線や電子線等の適宜な放射線を用
いうる。就中、液晶ポリマーを変質しにくい紫外線が好
ましく、液晶ポリマーの吸収が少なくてビスアジド化合
物が分解されやすい200〜300nm、特に254nm付
近の波長の紫外線が好ましい。
【0035】光照射に際しては、酸素阻害による影響を
回避するため減圧下や無酸素下等で行うことが好まし
い。なお加熱処理の場合の加熱温度は、ビスアジド化合
物の分解温度以上、特に150℃以上が好ましい。
【0036】本発明の配向フィルムは、適宜な基材上に
配向後架橋処理した液晶ポリマー層を有する形態や、配
向架橋処理した液晶ポリマー層の単独層からなるフィル
ム形態などの適宜な形態を有するものであってよい。液
晶ポリマーの単独層からなるフィルムは、配向処理面よ
りの剥離物などとして得ることができるが、その剥離回
収には、長鎖アルキル基等からなる離型性側鎖を有する
ラビング膜形成材を用いる方式や、炭素数8〜18のア
ルキル鎖を有するシラン化合物を表面に結合修飾させた
ガラス板に配向処理面を形成する方式などの適宜な方式
を必要に応じて適用することができる。
【0037】一方、基材との重畳物からなる配向フィル
ムとする場合、その基材としては、プラスチックフィル
ムやガラス板、あるいは位相差板等の延伸フィルムや偏
光板の如き光学フィルムなどが用いられる。前記のプラ
スチックフィルムとしては、例えばポリメチルメタクリ
レートやポリカーボネート、ポリビニルアルコールやポ
リアリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィ
ン、ポリスチレンなどの延伸フィルムを形成することも
ある光学的に透明な適宜なプラスチックからなるものを
用いうる。なお基材としては、ガラス板やトリアセチル
セルロースフィルムの如く複屈折による位相差が可及的
に小さいものが特に好ましい。
【0038】なお配向架橋処理した液晶ポリマー層の厚
さは、使用目的に応じた光学特性などにより適宜に決定
しうるが、一般には柔軟性等の点より100μm以下、
就中50μm以下、特に1〜30μmとされる。
【0039】
【実施例】
実施例1
【0040】上記の反応式に示した如く4−アジド安息
香酸1304部(重量部、以下同じ)と、イソソルビド
584部を塩化メチレン200k部に溶解させた溶液に
DCC(N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド)1
980部とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)1
95.2部を加えて室温で3時間撹拌後、析出物を濾別
し濾液の溶媒を留去してイソプロピルアルコールで再結
晶させて、白色固体からなる2,5−ビス−(4'−ア
ジドフェニル−4−カルボニロイル)−1,4;3,6
−ジアンヒドロ−D−ソルビトール1150部(収率6
6%)を得た。
【0041】前記において生成物の同定は、プロトン核
磁気共鳴スペクトル(NMR)及び赤外線吸収スペクト
ル(IR)を測定することにより行った。そのNMRス
ペクトルを図1に、IRスペクトルを図2に示した。図
1より、4.0〜4.2(m,4H)、4.6〜5.1
(m,2H)、5.3〜5.5(m,2H)、7.0〜
7.1(m,4H)及び7.9〜8.1(m,4H)に
スペクトルのδ値(ppm)があることがわかる。また
図2より、アジド基に基づく2125/cm、エステル結
合に基づく1720/cmに吸収波数のあることがわか
る。なお、NMRスペクトルは試料を重クロロホルムに
溶かしFT−NMR(日本電子社製)にて測定すること
により、IRスペクトルは試料をKBr錠剤法にて調整
しFT/IR−230(日本分光社製)にて測定するこ
とにより得た。
【0042】実施例2 イソソルビドに代えて、イソマンニドを用いたほかは実
施例1に準じて、白色固体からなる2,5−ビス−
(4'−アジドフェニル−4−カルボニロイル)−1,
4;3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトールを得た。
【0043】実施例3
【0044】上記構造の主鎖型ネマチック液晶ポリマー
(重量平均分子量5000、ガラス転移温度85℃、等
方相転移温度270℃)を、1,1,2,2−テトラク
ロロエタンに溶解させて15重量%の溶液とし、それに
実施例1で得た2,5−ビス−(4'−アジドフェニル
−4−カルボニロイル)−1,4;3,6−ジアンヒド
ロ−D−ソルビトールを液晶ポリマーに対し20重量%
の割合で加えた溶液を調製した。
【0045】次に、前記の溶液を厚さ50μmのトリア
セチルセルロースフィルムの配向処理面上にスピンコー
タにて塗布して乾燥させ、140℃で5分間加熱して配
向処理し室温にて放冷した後、低圧水銀ランプを介し溶
融石英ガラスで低波長光をカットしながら波長254nm
の光を10J/cm2照射して、配向架橋処理された配向
フィルムを得た。なお前記の配向処理面は、トリアセチ
ルセルロースフィルム上に厚さ約0.1μmのポリビニ
ルアルコール層を形成してレーヨン布でラビング処理し
たものである。
【0046】実施例4
【0047】上記構造の側鎖型ネマチック液晶ポリマー
(重量平均分子量5000、ガラス転移温度85℃、等
方相転移温度270℃)を、1,1,2,2−テトラク
ロロエタンに溶解させて20重量%の溶液とし、それに
実施例1で得た2,5−ビス−(4'−アジドフェニル
−4−カルボニロイル)−1,4;3,6−ジアンヒド
ロ−D−ソルビトールを液晶ポリマーに対し15重量%
の割合で加えた溶液を用いたほかは実施例3に準じて、
配向架橋処理された配向フィルムを得た。
【0048】実施例5
【0049】上記構造の側鎖型コレステリック液晶ポリ
マー(重量平均分子量5000、ガラス転移温度80
℃、等方相転移温度240℃)を、1,1,2,2−テ
トラクロロエタンに溶解させて20重量%の溶液とし、
それに実施例1で得た2,5−ビス−(4'−アジドフ
ェニル−4−カルボニロイル)−1,4;3,6−ジア
ンヒドロ−D−ソルビトールを液晶ポリマーに対し20
重量%の割合で加えた溶液を用いたほかは実施例3に準
じて、配向架橋処理された配向フィルムを得た。
【0050】実施例6
【0051】上記構造の末端にシクロヘキセン環を有す
る側鎖型ネマチック液晶ポリマー(重量平均分子量60
00、ガラス転移温度75℃、等方相転移温度225
℃)を、1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解さ
せて20重量%の溶液とし、それに実施例1で得た2,
5−ビス−(4'−アジドフェニル−4−カルボニロイ
ル)−1,4;3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトー
ルを液晶ポリマーに対し15重量%の割合で加えた溶液
を用いたほかは実施例3に準じて、配向架橋処理された
配向フィルムを得た。なお加熱配向処理は、120℃、
5分間の条件で行った。
【0052】実施例7
【0053】上記構造の末端にシクロヘキセン環を有す
る側鎖型コレステリック液晶ポリマー(重量平均分子量
6500、ガラス転移温度65℃、等方相転移温度21
5℃)を、1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解
させて20重量%の溶液とし、それに実施例1で得た
2,5−ビス−(4'−アジドフェニル−4−カルボニ
ロイル)−1,4;3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビ
トールを液晶ポリマーに対し20重量%の割合で加えた
溶液を用いたほかは実施例3に準じて、配向架橋処理さ
れた配向フィルムを得た。なお加熱配向処理は、120
℃、5分間の条件で行った。
【0054】実施例8 ビスアジド化合物として、実施例1で得た2,5−ビス
−(4'−アジドフェニル−4−カルボニロイル)−
1,4;3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール/実
施例2で得た2,5−ビス−(4'−アジドフェニル−
4−カルボニロイル)−1,4;3,6−ジアンヒドロ
−D−マンニトールを8/2の重量比で混合したものを
用いたほかは、実施例3に準じて配向架橋処理された配
向フィルムを得た。
【0055】比較例1 ビスアジド化合物を配合せず、かつ紫外線による架橋処
理を施さないほかは実施例3に準じて配向フィルムを得
た。
【0056】比較例2 ビスアジド化合物を配合せず、かつ紫外線による架橋処
理を施さないほかは実施例4に準じて配向フィルムを得
た。
【0057】比較例3 ビスアジド化合物を配合せず、かつ紫外線による架橋処
理を施さないほかは実施例5に準じて配向フィルムを得
た。
【0058】比較例4 ビスアジド化合物を配合せず、かつ紫外線による架橋処
理を施さないほかは実施例6に準じて配向フィルムを得
た。
【0059】比較例5 ビスアジド化合物を配合せず、かつ紫外線による架橋処
理を施さないほかは実施例7に準じて配向フィルムを得
た。
【0060】比較例6 ビスアジド化合物として、実施例1で得た2,5−ビス
−(4'−アジドフェニル−4−カルボニロイル)−
1,4;3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール/実
施例2で得た2,5−ビス−(4'−アジドフェニル−
4−カルボニロイル)−1,4;3,6−ジアンヒドロ
−D−マンニトールを2/8の重量比で混合したものを
用いたほかは、実施例3に準じて配向架橋処理された配
向フィルムを得た。
【0061】評価試験 実施例、比較例で得た(配向)フィルムと偏光板(日東
電工社製、G1220DU)を厚さ20μmのアクリル
系粘着層を介して接着し、それを種々の温度で1時間加
熱して外観の変化を目視観察し、変化が認められない最
高温度を耐熱温度として評価した。前記の結果を次表に
示した。
【0062】表より、実施例の配向フィルムは、架橋処
理により耐熱温度が10〜20℃向上していることがわ
かる。なお、実施例の配向架橋処理物は、ビスアジド化
合物の含有、及び架橋処理による配向の乱れは認められ
ず、ビスアジド化合物の無配合物、及び非架橋処理物と
実質的に同等の光学特性を示した。また比較例6のシス
体リッチなビスアジド化合物では、フィルムが白濁し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たビスアジド化合物のNMRスペ
クトル
【図2】実施例1で得たビスアジド化合物のIRスペク
トル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式: で表されることを特徴とするビスアジド化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、トランス体/シス体
    を100/0〜50/50の割合で含有するビスアジド
    化合物
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のビスアジド化合
    物を含有して架橋性を示すことを特徴とする液晶ポリマ
    ー。
  4. 【請求項4】 請求項3において、ビスアジド化合物の
    含有率が液晶ポリマーの1〜70重量%である液晶ポリ
    マー。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の架橋性を示す液
    晶ポリマーの配向架橋処理物からなることを特徴とする
    配向フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4に記載の架橋性を示す液
    晶ポリマーを配向させた後、それを光照射及び加熱の一
    方又は両方により架橋処理することを特徴とする配向フ
    ィルムの製造方法。
JP29800396A 1996-10-21 1996-10-21 ビスアジド化合物、液晶ポリマー及び配向フィルム Pending JPH10120685A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7060361B2 (en) 2002-07-12 2006-06-13 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Silica-based organic film and method of manufacturing the same, and base material comprising organic film
JP2013213157A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Jnc Corp 樹脂組成物および該樹脂組成物からなる樹脂膜

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US7060361B2 (en) 2002-07-12 2006-06-13 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Silica-based organic film and method of manufacturing the same, and base material comprising organic film
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