JPH10118935A - 多種少量品のブラスト処理方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理品を水平面内または垂直面内で回転さ
せかつ各種のショット投射条件で被処理品にショットを
投射して各種の被処理品をブラスト処理するようにした
多種少量品のブラスト処理方法において、各種の被処理
品に対応した汎用性をショットブラスト設備にもたらす
ことができるとともに、各種の被処理品に対応させたブ
ラスト処理条件をその被処理品のブライト処理毎に入力
する必要のない方法およびその装置を提供することにあ
る。 【解決手段】 被処理品の確認手段により、被処理品の
形状または／およびサイズを検知して被処理品の識別番
号を確認し、その後、この識別番号を基にその被処理品
に係る回転方法、ショットの投射条件を選択して被処理
品をブラスト処理する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、被処理品を水平面
内または垂直面内で回転させかつ各種のショット投射条
件で被処理品にショットを投射して各種の被処理品をこ
れに適合する条件でブラスト処理するようにした多種少
量品のブラスト処理方法およびその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、形状や、サイズや、ショット投
射条件等が相違する比較的中型の多種類の被処理品をブ
ラスト処理する場合は、その被処理品をターンテーブル
上に載せたりあるいは把持機構で把持した後、水平面内
でまたは垂直面内で回転させながらショットを投射する
ようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このように構
成されたブラスト処理方法では、各種の被処理品に対し
て汎用性が欠けており、そのため、近年のように、被処
理品が多種少量になって来ると、ショットブラスト設備
は、ある被処理品にとっては能力不足であるが、他の被
処理品にとっては過剰な能力となる問題があった。しか
も、ショットブラスト設備にある程度の汎用性を持たせ
ようとすると、その被処理品に適合したブラスト処理条
件をその被処理品のブラスト処理毎に制御盤に入力する
必要があり、非常に面倒であるとともに、生産性に欠け
る問題もあった。本発明は上記の事情に鑑みて為された
もので、その目的は、各種の被処理品に適合すべく汎用
性をショットブラスト設備にもたらすことができるとと
もに、各種の被処理品に適合するブラスト処理条件をそ
の被処理品のブラスト処理毎に制御盤に入力する必要の
ない方法およびその装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の多種少量品のブラスト処理方法は、被処理
品を水平面内または垂直面内で回転させかつ各種のショ
ット投射条件で被処理品にショットを投射して各種の被
処理品をブラスト処理するようにした多種少量品のブラ
スト処理方法であって、被処理品の確認手段により、前
記被処理品の形状または／およびサイズを検知して被処
理品の識別番号を確認し、その後、この識別番号を基に
その被処理品について予め求めてある好適な回転方法、
ショット投射条件を選択して被処理品をブラスト処理す
ることを特徴とする。

【０００５】ここで、被処理品を水平面内で回転させる
手段としては、ターンテーブルがあり、また被処理品を
垂直面内で回転させる手段としては、片持ち構造の上下
一対のクランプ部材で被処理品を把持して垂直面内で回
転させる把持機構がある。また、被処理品の確認手段と
しては、発光部と受光部とを被処理品の通過可能な間隔
をおいて配置して成る多数対の光センサを碁盤の目のよ
うに配置して、被処理品が発光部からの光を遮断するこ
とにより被処理品の形状・サイズを識別可能にしたもの
や、被処理品について画像処理するビデオカメラ、ＣＣ
Ｄカメラ、デジタルカメラなどがある。ショット投射条
件としては、ショット遠心投射装置のインペラの回転
数、ショット投射量、ショット投射時間、ショット投射
領域などに関するものがある。また、把持機構において
は、クランプ部材による被処理品把持力の大きさ、回転
数および一時停止等の間歇回転などが制御の対象とな
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
１〜図３に基づき詳細に説明する。図１に示すように、
研掃室を構成するキャビネット１の天井の上面には、複
数台のショット遠心投射装置２、２が適宜の間隔をおい
て設置してあり、各ショット遠心投射装置２は、電動シ
リンダ３の伸縮作動によるコントロールゲージ（図示せ
ず）の正逆回転によりショット投射領域を変更できるよ
うになっている。さらに、各ショット遠心投射装置２の
ショット供給口（図示せず）には、ショット流量制御機
構４を介して図示しないショット貯蔵タンクが接続して
ある。

【０００７】また、上述した複数個の電動シリンダ３、
３、複数個のインペラ回転用モータ（図示せず）および
複数個のショット流量制御機構４、４には、１個のディ
スプレイ付きのコンピュータ５が電気的に接続してあ
り、このコンピュータ５は、コントローラとしての機構
を有していて、各種の被処理品の好適なショット投射条
件として予め求めたデータ、すなわち、各種の被処理品
に対するショット投射量に係る複数個のショット流量制
御機構４、４の開口度、各種の被処理品に対するショッ
ト投射速度に係る複数個のインペラ回転用モータ（図示
せず）の回転数および各種の被処理品に対するショット
投射領域に係る電動シリンダ３の伸縮長さが記憶してあ
る。さらに、前記コンピュータ５は、後述する被処理品
確認手段８からの被処理品の識別番号に基づき、その被
処理品についての好適なショット投射条件を読み出し、
上述の複数個の電動シリンダ３、３と、複数個のインペ
ラ回転用モータ（図示せず）と、複数個のショット流量
制御機構４、４とにそれぞれ作動指令を発信するように
なっている。

【０００８】また、前記キャビネット１の左外側面には
把持機構６が装着してあり、把持機構６にはこれの作動
を制御する制御盤７が電気的に接続してある。制御盤７
は前記コンピュータ５に電気的に接続してあり、コンピ
ュータ５には、各種の被処理品の好適な回転方法である
前記把持機構６の運転方法が記憶してあり、さらにこの
コンピュータ５は、後述する被処理品確認手段８からの
被処理品の識別番号に基づき、その被処理品についての
好適な回転方法を読み出し把持機構６に作動指令を発信
するようになっている。

【０００９】なお、前記把持機構６は、図２に示すよう
に、前記キャビネット１の左外側面に装着された支持台
１６に固定された支持部材１７に軸受１８を介して垂直
面内で回転自在に設けられかつ右端面に鎖車１９が装着
された円筒状の回転体２０と、前記支持部材１７上に設
置された減速機２１付きモータ２２と、モータ２２の出
力軸に嵌着されかつ前記鎖車１９に無端ローラチェーン
２３を介して連結された鎖車２４と、前記回転体２０の
右外面にこれと同心して装着された筒状の連結部材２５
と、この連結部材２５の右端に装着された垂直面内で回
転可能な回転体２６と、この回転体２６に２本の支持軸
２７を介して片持ち状態に装着されるとともに回動可能
に構成された右方へ延びる一対のアーム２８と、これら
一対のアーム２８の先端に装着されて被処理品を挟持す
る一対の挟持部材３０、３１と、これら一対の挟持部材
３０、３１にこれらとほぼ直交して装着されて前記被処
理品を３個所以上の個所でクランプ可能な帯板状を成す
複数のクランプ部材２９と、一端を下位の挟持部材３１
にまた他端を前記回転体２０にそれぞれ枢支された挟持
部材３１の回り止め部材３２と、前記３本の支持軸２７
に一端をそれぞれ固着された一対のリンク３３と、前記
回転体２６に装着された油圧シリンダ３４と、一端を前
記リンク３３にピン連結され他端を前記油圧シリンダ３
４のピストンロッドの先端に連結された連結杆３５と、
で構成してあって、油圧シリンダ３４の収縮作動によ
り、把持部材３０、３１はアーム３３を介して開閉する
ようになっている。

【００１０】また、図１に示すように、前記キャビネッ
ト１の前方位置には、被処理品確認手段８のセンサ部が
配設してあり、被処理品確認手段８は、被処理品の通過
可能な間隔をおいて設けた複数の発光部９ａと受光部９
ｂとを碁盤の目のように配置して成る多数対の光センサ
９、９と、これら複数対の光センサ９、９の検知結果に
基づき被処理品の識別番号を選定する制御盤１０とで構
成してある。また、この制御盤１０には、予め実測で求
めた複数対の光センサ９、９のＯＮ−ＯＦＦ位置と被処
理品の識別番号との関係が記憶してあり、さらに制御盤
１０は前記コンピュータ５に電気的に接続してあって、
その選定された識別番号をコンピュータ５に入力するよ
うになっている。

【００１１】次に、このように構成されたショットブラ
スト設備の作動について説明する。被処理品Ｗのブラス
ト処理に先立ち、把持機構６の油圧シリンダ３４を伸長
作動して把持部材３０、３１および上・下のクランプ部
材２９の間隔を開いておく。この状態のもとに、図示し
ない適宜の慣用手段により、ブラスト処理すべき被処理
品Ｗを被処理品確認手段８における複数の発光部９ａと
受光部９ｂとの間位置に搬入する。すると、複数の発光
部９ａ、９ａから出る光のうち一部が、被処理品Ｗの形
状やサイズに対応して遮断され、この結果が、制御盤１
０に入力されて被処理品の識別番号が確認され、その
後、その識別番号がコンピュータ５に入力される。次い
で、識別番号を確認した被処理品Ｗをキャビネット１内
に搬入するとともに把持機構４の把持部材３０、３１間
に移送する。

【００１２】次いで、マイクロコンヒュータ５を介して
ショットブラスト設備を始動させると、被処理品Ｗの識
別番号に基づいて、油圧シリンダ３４が収縮作動されて
把持部材３０、３１および上・下のクランプ部材２９が
相互に近づき、被処理品Ｗを所要の把持力で把持し、続
いて、ショット遠心投射装置２、２の適宜のものが被処
理品Ｗのサイズに応じて駆動されて被処理品Ｗに向けて
ショットを投射し、複数個のインペラ回転用モータ（図
示せず）の回転数がそれぞれ変更されてショット投射速
度が変えられ、電動シリンダ３の伸縮作動によるコント
ロールゲージ（図示せず）の正逆回転によりショット投
射領域が適宜変更され、複数個のショット流量制御機構
４、４の開口度がそれぞれ調節され、さらに、モータ２
２の回転数の変更あるいは間歇回転により被処理品Ｗの
垂直面内での回転速度あるいは回転条件が変更される。
この結果、被処理品Ｗは、その形状やサイズに対応した
好適な条件でブラスト処理されることとなる。

【００１３】なお、上記の実施例では被処理品確認手段
８として碁盤の目状に配置した複数対の光センサ９を用
いているが、図３に示すように、被処理品について画像
処理を行うテレビカメラ、ＣＣＤカメラ、デジタルカメ
ラ１９等を用いも同様の作用効果が得られる。また、図
４に示すように、被処理品の識別表示・ブラスト処理条
件、被処理品回転装置の状態、被処理品の現在の工程位
置などが一目で判るように、それらがコンピュータ５の
ディスプレイに表示されるようにしてもよい。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、被処理品の確認手段により、被処理品の形状または
／およびサイズを検知して被処理品の識別番号を確認
し、その後、この識別番号を基にその被処理品について
予め求めてある好適な被処理品の回転方法、ショット投
射条件を選択して被処理品をブラスト処理するから、各
種の被処理品に適合すべく汎用性をショットブラスト設
備にもたらすことができるとともに、各種の被処理品に
適合するブラスト処理条件をその被処理品のブライト処
理毎に制御盤に入力する必要がなく、しかも、常時ブラ
スト処理状況を把握できるなどの優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１を示す概略図である。

【図２】図１のＡ部拡大詳細図である。

【図３】本発明の実施例２を示す概略図である。

【図４】コンピュータのディスプレイに表示される具体
例である。

【符号の説明】

８ 被処理品確認手段 ５ コンピュータ ７、１０ 制御盤

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被処理品を水平面内または垂直面内で回
   転させかつ各種のショット投射条件で被処理品にショッ
   トを投射して各種の被処理品をこれに適合する条件でブ
   ラスト処理するようにした多種少量品のブラスト処理方
   法であって、被処理品の確認手段により、前記被処理品
   の形状または／およびサイズを検知して被処理品の識別
   番号を確認し、その後、この識別番号を基にその被処理
   品について予め求めてある好適な回転方法、ショット投
   射条件を選択して被処理品をブラスト処理することを特
   徴とする多種少量品のブラスト処理方法。
2. 【請求項２】 請求項１において、被処理品の表示およ
   びブラスト処理条件が常時表示装置に出力されることを
   特徴とする多種少量品のブラスト処理方法。
3. 【請求項３】 被処理品を水平面内または垂直面内で回
   転させかつ各種のショット投射条件で被処理品にショッ
   トを投射して各種の被処理品をこれに適合する条件でブ
   ラスト処理するようにした多種少量品のブラスト処理装
   置であって、前記被処理品の形状または／およびサイズ
   を検知して被処理品の識別番号を確認する被処理品確認
   手段と、この被処理品確認手段からの識別番号に基づき
   前記被処理品の回転方法およびショット投射条件を選択
   するとともに各種の駆動機構に作動指令を発信するコン
   トローラと、を備えたことを特徴とする多種少量品のブ
   ラスト処理装置。