JPH10118407A - 乳化油廃水処理材および処理方法 - Google Patents

乳化油廃水処理材および処理方法

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JPH10118407A
JPH10118407A JP29453596A JP29453596A JPH10118407A JP H10118407 A JPH10118407 A JP H10118407A JP 29453596 A JP29453596 A JP 29453596A JP 29453596 A JP29453596 A JP 29453596A JP H10118407 A JPH10118407 A JP H10118407A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造が容易で、耐久性に優れ、効率よく水中に
分散、乳化している有機物を処理除去する。 【解決手段】窒素含有ヘテロ環を有するビニル系カルボ
ン酸エステル(a1)を構成単位とする(共)重合体
(A)がポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、
ポリビニル等の繊維状物からなる支持体に担持されてい
ることを特徴とする乳化油廃水処理材で処理することに
より、排水中のエマルション粒子の粗粒化もしくは破壊
を行わせしめた後、ポリプロピレンおよび/またはポリ
スチレンの繊維よりなる油吸着材で処理することによっ
て油水分離を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化油廃水処理材
および処理方法に関し、詳しくは水中に分散、乳化して
いる油分を除去するための乳化油廃水処理材および処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水中の有機物の処理、特に乳化油廃水の
処理に関しては、従来より多くの方法が提案されてい
る。例えば、自然浮上、強制浮上、濾過、遠心力による
重力分離等の機械的分離法、超音波、電解電気泳動等の
電磁気利用による分離法、吸着、吸収、イオン交換、凝
集等の手段による物理的または化学的方法、および微生
物を利用した方法等が知られている。これらの中でも、
運転管理等が比較的簡単かつ安定な吸着法に関して種々
の吸着材が提案されている。例えば特公昭60−671
5号公報には、炭素数6〜60の炭化水素基を有するア
ミン化合物をスチレン等のバインダーで合成繊維等の基
材に密着させた処理材で、乳化油廃水を処理した後、ポ
リプロピレン等の油吸着材で処理する方法が開示されて
おり、また特開昭58−128147号公報には陽イオ
ン性の架橋重合体をポリエステル繊維等に密着させた処
理材が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
いずれの処理材を用いても、基材と保持成分の密着性不
良による耐久性の低下や、耐久性がよくても処理時間、
処理能力が不足するという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは製造が容易
で、耐久性に優れ、効率よく水中に分散、乳化している
有機物を処理除去するための乳化油廃水処理材および処
理方法について検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は窒素含有ヘテロ環を有するビニル系
カルボン酸エステル(a1)を構成単位とする(共)重
合体(A)が支持体に担持されていることを特徴とする
乳化油廃水処理材である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、窒素含有ヘテロ
環としては、例えば、窒素含有脂環[アジリジン環(ア
ジリジン、2−メチルアジリジンなど)、ピロリジン環
(ピロリジン、2−メチルピロリジン、3−ピロジノー
ル、2−ピロリジノン、スクシンイミドなど)、ピペリ
ジン環(ピペリジン、2−メチルピペリジンなど)、ピ
ペラジン環(ピペラジン、1−メチルピペラジンな
ど)、モルホリン環(モルホリン、2−メチルモルホリ
ンなど)および2−オキサゾリドン、ε−カプロラクタ
ムなど];窒素含有不飽和環(3−ピロリン、ピロー
ル、ピラゾール、イミダゾリン、トリアゾール、テトラ
ゾール、2−アミノピラジン、インドール、インダゾー
ル、カルバゾールなど)などが挙げられる。これらのう
ち好ましいのは窒素含有脂環であり、さらに好ましいも
のはピペリジン環およびモルホリン環、もっとも好まし
いものはモルホリン環である。
【0007】ビニル系カルボン酸としては、(メタ)ア
クリル酸、(イソ)クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、ビニル安息香酸および2−カルボキシ
−4−イソプロペニル−3−ピロリジン酢酸などが挙げ
られる。これらのうち、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、ビニル安息香酸が好ましく、(メタ)アクリル酸が
特に好ましい。
【0009】(a1)の具体例としては、モルホリノエ
チル(メタ)クリレート、モルホリノプロピル(メタ)
クリレート、モルホリノブチル(メタ)クリレート、モ
ルホリノエトキシエチル(メタ)クリレート、ピペリジ
ノエチル(メタ)クリレート、ピペリジノブチル(メ
タ)クリレート、ピロリジノエチル(メタ)クリレー
ト、ジ(モルホリノエチル)マレエート、ジ(ピペリジ
ノエチル)フマレート等が挙げられる。
【0010】本発明に使用する窒素含有ヘテロ環を有す
るビニルカルボン酸エステル(a1)は、上記に例示し
たものを単独で使用しても良く、二種以上併用しても良
い。特に好ましいものは、モルホリン環を有するビニル
系カルボン酸エステル単量体である。
【0011】本発明において、(共)重合体(A)は、
さらに炭素数8〜40のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート(a2)または(a2)および他
のビニル単量体(a3)を構成単位とすることができ
る。
【0011】炭素数8〜40のアルキル基を有するアル
キル(メタ)アクリレート(a2)としては、炭素数8
〜40の直鎖または分岐状の飽和または不飽和のアルキ
ル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ
る。この具体例としては、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、トリドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル
(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレ
ート、セチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
イソステアリル(メタ)アクリレート、オレイル(メ
タ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数1
2〜18のアルキル(メタ)アクリレートである。(a
2)は、上記に例示したものを単独で使用しても良く、
二種以上併用しても良い。
【0013】他のビニル系単量体(a3)としては、例
えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、(メタ)アク
リル酸、無水マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化
ビニル、1−ブテン、シクロヘキセン、ブタジエン、イ
ソプレン、シクロヘキサジエンなどおよびこれらの混合
物が挙げられる。本発明に使用する他のビニル系単量体
(a3)は、上記に例示したものを単独で使用しても良
く、二種以上併用しても良い。
【0015】(共)重合体(A)は、さらに架橋剤を構
成単位として併用することができる。架橋剤としては2
個以上の官能基を有する単量体が挙げられる。例えば、 (1)ビス(メタ)アクリルアミド;N,N−アルキレン
(炭素数1〜6)ビス(メタ)アクリルアミド(たとえ
ばN,N−メチレンビスアクリルアミド)。 (2)ポリオールまたはポリエポキシドと不飽和モノもし
くはポリカルボン酸とのポリエステル、たとえばエチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレン
グリコールあるいはシクロヘキセンジエポキシドと(メ
タ)アクリル酸あるいはマレイン酸から誘導されるジ−
もしくはトリ−(メタ)アクリル酸エステルおよびジも
しくはトリマレート。
【0011】(3)カルバミルエステル:ポリイソシアネ
ート[トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートおよびNCO基含有プレポリマー(上記ポリイソ
シアネートと活性水素原子含有化合物との反応によって
得られる)など]とヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートとの反応によって得られるカルバミルエステル。
【0011】(4)ポリビニル化合物:ジビニルベンゼ
ン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエ
ーテル、ジビニルケトン、トリビニルベンゼンなど。 (5)ポリオールのジ−もしくはポリ−(メタ)アリルエ
ーテル:ポリオール類[アルキレングリコール、グリセ
リン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンポリ
オール、炭水化物など]のポリー(メタ)アリルエーテ
ル(たとえばポリエチレングリコールジアリルエーテ
ル、アリル化デンプンおよびアリル化セルロース)。
【0011】(6)ポリカルボン酸のポリアリルエステ
ル:ジアリルフタレート、ジアリルアジペートなど。 (7)不飽和モノもしくはポリカルボン酸とモノ(メタ)
アリルエーテル化ポリオールとのエステル:ポリエチレ
ングリコールモノアリルエーテルの(メタ)アクリル酸
エステルなど。 (8)ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和化合物[N−
メチロール(メタ)アクリルアミドなど] (9)エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物[グリシジ
ル(メタ)アクリレートなど] (10)3級アミノ基含有エチレン性不飽和化合物[(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノエチルなど]などが挙げられる。
【0016】(共)重合体(A)中の(a1)の含量
は、(共)重合体(A)の重量に基づいて通常20〜1
00%、好ましくは30〜100%、さらに好ましくは
40〜100%であり、(a2)の含量は通常0〜80
%、好ましくは0〜70%、さらに好ましくは0〜60
%であり、(a3)の含量は通常0〜80%、好ましく
は0〜70%、さらに好ましくは0〜60%である。
【0017】本発明に使用する支持体としては、水不溶
性の無機物または有機物を用いることができる。無機物
としては、例えばシリカ、アルミナ、モレキュラーシー
ブ、ゼオライト、活性炭、けいそう土、砂、活性白土、
石綿、ガラス繊維、草炭繊維等を用いることができる。
有機物としては、天然又は合成の高分子重合体が用いら
れる。
【0018】天然又は合成高分子重合体としては水に不
溶性のものであれば如何なる種類のものでもよいが、例
えば天然物としてはセルロース、羊毛、絹等があげられ
る。その他アセチルセルロース、メチルセルロース、エ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセル
ロース誘導体の如く天然物を処理したものでもよい。合
成高分子重合体としては、例えばスチレン、αーメチル
スチレンジビニルベンゼン等のスチレン誘導体:アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド等のアクリル酸誘導体:エチレン、プロ
ピレン、ブチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエ
チレン系不飽和単量体:及びブタジエン、イソプレン、
クロロプレン等のジエン系単量体等の単量体を用いた単
独重合体、又は上記単量体の二種以上を用いた共重合体
等があげられる。その他縮合系又は付加系高分子重合体
として、例えばポリウレタン、ポリ尿素、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホ
ン、ポリエーエテルスルフォン等も用いられる。更に上
記高分子重合体の二種以上のブレンド体を用いることも
可能である。
【0019】支持体としては熱硬化性樹脂も使用でき、
例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノールエポ
キシ樹脂、アミノ樹脂、石油樹脂等も用いることができ
る。
【0020】本発明の処理材に用いられる支持体の形状
は任意であるが、それに担持された(共)重合体と一体
化して、より大きな表面積を得る形状であることが望ま
しい。このような形状としては、例えば粒状、細片状、
リン片状、海綿状、リボン状あるいはフィブリル状、フ
ィラメント状、スフ状、ウエブ状、マット状、織布状、
不織布状の繊維状のものが用いられる。この場合、油の
微細粒子が通過する際には粗粒化効果を有する繊維状の
支持体が特に好ましく用いられる。
【0011】このような繊維状としては、天然繊維ある
いは高分子共重合体を、例えば溶融紡糸法、乾式紡糸法
あるいは湿式紡糸法によって製造した任意のデニールの
繊維、あるいは繊維によって構成された混合繊維、ある
いは重合体高分子をフィルム状に成形した後、任意の方
法で細断して得られた繊維状物、あるいは発泡性物質
(例えば窒素ガス)を含有する重合体をスリットダイを
通して押しだし、一方向に延伸することによって得られ
る網状繊維状物、あるいは二層以上の重合体からなる複
合繊維、その他任意の方法で成形された繊維状物を使用
することができる。繊維状物の場合、その径は1000
デニール以下のものが使用され、好ましくは100デニ
ール以下、特に好ましくは0.1〜50デニールであ
る。従って上記繊維状物のうち発泡性物質を使用して製
造された網状繊維状物はその径(平均)の小ささの故に
特に好ましく用いられる。
【0011】これら支持体のうち、好ましくはポリアミ
ド、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリビニルの
群から選ばれる1種以上の繊維状物である。
【0022】本発明の乳化油廃水処理材は、例えば以下
の方法により得ることができる。本発明の処理材を構成
する(共)重合体(A)を支持体に担持する方法に限定
はないが、例えば(a1)、必要により(a2)または
(a2)および(a3)を混合した液を、例えばトルエ
ン等の有機溶媒に滴下し、必要により架橋剤、ラジカル
重合触媒を用いて加熱するかまたは放射線、電子線、紫
外線などを照射し、(共)重合体(A)の有機溶剤溶液
を作成する。
【0023】作成した溶液を支持体に接触させた後、溶
媒を蒸発乾燥させることによって、(A)を支持体に担
持せしめる方法があげられる。該溶液と支持体とを接触
させる手段は、支持体を該溶液中に浸漬する溶媒浸漬法
が一般的であるが、該溶液を支持体にスプレーにより吹
き付ける方法、該溶液を上部よりふりそそぎその下で支
持体を連続的に移動させて支持体と溶液を担持させる方
法などが例示される。
【0024】また、(a1)、必要により(a2)また
は(a2)および(a3)を、必要により架橋剤、ラジ
カル重合触媒を添加し、混合した液を、該溶液を支持体
と接触させた後、加熱するかまたは放射線、電子線、紫
外線などを照射し、支持体上で反応させて得る方法等も
例示される。なお、支持体と(共)重合体を担持させる
際に、密着力をあげるために、接着剤を使用したり、あ
るいは他の添加剤を加えてもよい。
【0026】ラジカル重合触媒としては、アゾ化合物
[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草
酸、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)ジハ
イドロクロライドなど]、無機過酸化物[過酸化水素、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ムなど]、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、クメンパーヒドロオキサイド、
コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パ
ーオキシジカ−ボネートなど];レドックス触媒[アル
カリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモ
ニウム、重亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸などの
還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化物などの酸化剤の組合せよりなるもの];並
びにこれらの2種以上の併用があげられる。該触媒の使
用量は、使用する単量体の合計重量に基づいて通常0.
0005〜5%で、好ましく0.001〜2%である。
【0027】(共)重合体の数平均分子量は通常1,0
00〜300,000であり、好ましくは5,000〜
100,000である。
【0028】本発明の乳化油廃水処理方法は、まず乳化
油廃水を本発明の処理材(A)で処理することによりエ
マルション粒子を粗粒化もしくは破壊して油滴を生じさ
せ、油吸着材を用いて油分を吸着分離するものである。
普通、処理前の乳化油の粒径は1〜10μ程度である
が、乳化油廃水処理材を通過した後にはエマルションの
粒径はその数倍から数百倍に粗大化され、場合によって
はエマルション粒子を形成しているミセルが破壊されて
内部のフリーオイルが分離する場合もある。
【0029】油吸着材としては、無機系化合物(例えば
クレー、炭酸カルシウム、シリカまど)、天然系化合物
(例えば綿、パルプなど)、合成繊維(ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリウレタン樹脂など)が挙げられ
る。これらのうち好ましいものは、合成繊維であり、特
に好ましいものは、ポリプロピレンおよび/またはポリ
スチレンの繊維である。
【0030】本発明の方法は、基本的には乳化油廃水処
理材および油吸着材とを効率よく組み合わせ、乳化油廃
水と接触させることによって行い得るものである。従っ
て該廃水が該処理材および該油吸着材とを効率よく接触
出来るものであれば如何なる組み合わせ方法を使用して
もよいが、一般的には乳化油廃水をして該処理材および
該油吸着材中を通過せしめる方法が用いられる。例えば
具体的には乳化油の処理材と油吸着材とを同一または別
個のカラムに充填して乳化油廃水をポンプ等で通液する
方法がある。また、該乳化油処理材を乳化油廃水中浸漬
して空気を吹き込む方法によって乳化油を粗粒化した
後、該油吸着材で粗粒化した油滴を吸着分離する方法等
がある。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の部は重量部である。
【0032】実施例1 温度調節器、バキューム攪拌翼、窒素流入および流出口
を備えた1L容の四口フラスコ中にトルエン200部を
仕込んだ。別の容器中でモルホリノエチルメタクリレー
ト300部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3
部、トルエン100部を混合した。前記フラスコ中のト
ルエンを撹拌下110℃に昇温後、混合溶液を撹拌下3
時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間熟成を行い、
共重合体(A)を合成した。ポリエステル不織布支持体
(東レ株式会社製「アクスターD5100」)に樹脂目
付量が100g/m2となるように、支持体に共重合体
(A)を含浸させ、乾燥させることにより乳化油廃水処
理材B1を得た。(重合体の数平均分子量は2万)
【0011】得られた処理材40gを直径100mmの
カラムに充填し、このカラムにA重油(ゼネラル石油株
式会社製「GENERAL CLEAN A 03 F
UEL」)3000PPMを乳化剤(第一工業製薬株式
会社製「シークルN−800」)で乳化させた乳化油廃
水を100ml/minの流速で通液し、カラムから流
出した重油層と水層を得、該水層の油分濃度を処理量ご
とに測定した。結果を表1に示す。なお処理水油分濃度
は、「JIS K−0102]に基づくn−ヘキサン抽
出法によって測定した。
【0033】実施例2 実施例1のモルホリノエチルメタクリレート300部、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部、トルエン
100部の混合溶液の代わりに、モルホリノエチルメタ
クリレート200部、C14−15アルキルメタクリレ
ート100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
3部、トルエン100部の混合溶液を使用した以外は実
施例1と同様におこない、乳化油廃水処理材B2を得
(重合体の数平均分子量は1万)、同様の操作を行っ
て、油分濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0034】実施例3 実施例1のモルホリノエチルメタクリレート300部、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部、トルエン
100部の混合溶液の代わりに、モルホリノエチルメタ
クリレート210部、C14−15アルキルメタクリレ
ート70部、スチレン20部、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル3部、トルエン100部の混合溶液を使
用した以外は実施例1と同様におこない、乳化油廃水処
理材B3を得(重合体の数平均分子量は1.5万)、同
様の操作を行って、油分濃度を測定した。結果を表1に
示す。
【0035】実施例4 モルホリノエチルメタクリレート180部、C14−1
5アルキルメタクリレート90部、スチレン30部、ジ
ペンタエリスリトールペンタアタクリレート1部、トル
エン100部、ラジカル重合触媒3部を混合した溶液中
に、ポリエステル不織布支持体(東レ株式会社製「アク
スター D5100」)を樹脂目付量が100g/m2
となるように含浸させた後、110℃のオーブンで重
合、乾燥させて乳化油廃水処理材B4を得た。得られた
乳化油廃水処理材を実施例1と同様の操作を行って、処
理水の油分濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例5 実施例1で得られた乳化油廃水処理材B140部を直径
100mmのカラムに充填したものを第1槽とし、ポリ
プロピレン不織布の油吸着材「ウオセップ」(東レ株式
会社製)160部を同じく直径100mmの別のカラム
に充填したものを第2槽とし、これを第1槽、第2槽の
順で連結した。このカラムにA重油(ゼネラル石油株式
会社製「GENERAL CLEAN A 03 FU
EL」3000PPMを乳化剤(第一工業製薬株式会社
製「シークルN−800」)で乳化させた乳化油廃水を
100ml/minで通液し、処理水の油分濃度を測定
した。その結果を表2に示す。
【0038】実施例6 直径100mmのカラムの下部にポリプロピレン不織布
の油吸着材「ウオセップ」(東レ株式会社製)160部
を充填し、同カラムの上部に実施例2で得られた乳化油
廃水処理材B2を40部充填した。このカラムにA重油
(ゼネラル石油株式会社製「GENERAL CLEA
N A 03 FUEL」3000PPMを乳化剤(第
一工業製薬株式会社製「シークルN−800」)で乳化
させた乳化油廃水を100ml/minで通液し、処理
水の油分濃度を測定した。その結果を表2に示す。
【0039】実施例7 実施例3で得られた乳化油廃水処理材B3を40部とポ
リプロピレン不織布の油吸着材「ウオセップ」(東レ株
式会社製)160部を予め混合した後、直径100mm
のカラムに充填した。このカラムにA重油(ゼネラル石
油株式会社製「GENERAL CLEAN A 03
FUEL」3000PPMを乳化剤(第一工業製薬株
式会社製「シークルN−800」)で乳化させた乳化油
廃水を100ml/minで通液し、処理水の油分濃度
を測定した。その結果を表2に示す。
【0040】実施例8 実施例5の乳化油廃水処理材B1の代わりにB4を使用
する以外は実施例5と同様の操作を行って、乳化油廃水
の処理を行った。その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表1および表2に示したように、本発明の
乳化油廃水処理材および処理方法は、乳化油廃水を処理
した場合の乳化油の分離効果は、n−ヘキサン抽出法に
よる油分濃度測定によって検出できない程度にまで油水
を分離する事が可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明の乳化油廃水処理材および処理方
法は、上記のような効果を奏することから、処理材をカ
ラムに充填して廃水を通液ろ過するだけという極めて簡
便な方法によって、排出基準以下に油分濃度を下げるこ
とができる画期的方法であり、設備費の低廉性からも工
業的に価値の大きい公害防止方法であるといえる。ま
た、従来より処理が困難とされていた切削油廃水、圧延
油廃水、オイルタンクの洗浄廃水、機械洗浄廃水、塗料
工場廃水、食品工場廃水、コンプレッサードレイン等の
乳化油廃水やオイルタンカーのバラスト水、ビルジ水、
原油掘削廃水等の乳化油または分散油等の広範な分野の
廃水処理に極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中林 伊織 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 大谷 和也 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内 (72)発明者 河本 徹志 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素含有ヘテロ環を有するビニル系カル
    ボン酸エステル(a1)を構成単位とする(共)重合体
    (A)が支持体に担持されていることを特徴とする乳化
    油廃水処理材。
  2. 【請求項2】 (A)がさらに炭素数8〜40のアルキ
    ル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a2)ま
    たは(a2)および他のビニル単量体(a3)を構成単
    位とする請求項1記載の乳化油廃水処理材。
  3. 【請求項3】 支持体が、ポリアミド、ポリエステル、
    ポリオレフィンおよびポリビニルの群から選ばれる1種
    以上の繊維状物である請求項1又は2のいずれか記載の
    乳化油廃水処理材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載の乳化油廃
    水処理材で処理して排水中のエマルション粒子の粗粒化
    もしくは破壊を行わせしめた後、ポリプロピレンおよび
    /またはポリスチレンの繊維よりなる油吸着材で処理す
    ることによって油水分離を行うことを特徴とする乳化油
    廃水の処理方法。
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