JPH10118350A - 絵付け方法 - Google Patents
絵付け方法Info
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- JPH10118350A JPH10118350A JP29570396A JP29570396A JPH10118350A JP H10118350 A JPH10118350 A JP H10118350A JP 29570396 A JP29570396 A JP 29570396A JP 29570396 A JP29570396 A JP 29570396A JP H10118350 A JPH10118350 A JP H10118350A
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Abstract
描くことができ、湯等の加熱によって所定の温度域にな
ると、隠されていた絵柄や文字などが浮かび上がってく
るとともに、浮かび上がってきた絵柄や文字などが光沢
性を備え、かつ耐洗剤性、耐アルコール性及び耐温水性
等の耐久性のある筆跡を形成することができる。 【解決手段】 支持体1面上に形成された少なくとも1
層の熱変色性樹脂層2の表面に、当該熱変色性樹脂層2
の常温時の色によって隠し文字又は隠し絵柄等となりか
つ加熱時に上記熱変色性樹脂層2に浸透して染着する浸
透性染料4を含有する着色組成物3で文字又は絵柄等を
描き、加熱することにより、着色組成物3中の浸透性染
料4を上記熱変色性樹脂層2に浸透させて染着し、再加
熱による上記熱変色性樹脂層2の変色によって上記浸透
性染料4の上記隠し文字又は隠し絵柄等の筆跡を上記熱
変色性樹脂層2に現出させるようにした。
Description
器などの支持体上に絵付けする絵付け方法及びそれに用
いる絵付けセットに関する。
法として特開平8−108130号に係る技術が提供さ
れている。これは、支持体表面を合成樹脂で塗工し、当
該合成樹脂面を焼き付け加工し、この焼き付け加工され
た当該合成樹脂層の塗面を描画面として、当該合成樹脂
層に浸透し染着する浸透性インキを用いて、模様や文字
等を描き、当該インキを合成樹脂層に浸透させて定着さ
せる絵付け方法である。
は、浸透性インキを用いて当該浸透性インキを合成樹脂
層に浸透させて定着させ、光沢性かつ耐久性のある筆跡
を合成樹脂層に形成させる点ではすぐれているとはいう
ものの、合成樹脂層の塗面に模様や文字等を描くだけに
すぎないことから、絵付け方法として更に興味を引き起
こす方法が望まれていた。すなわち、所定の温度域以外
では上記合成樹脂層上にて着色状態で絵付けされた絵柄
や文字などが隠されており、所定の温度域になると上記
合成樹脂層が無色状態になり、隠されていた絵柄や文字
などが浮かび上がってくる絵付け方法である。例えば、
マグカップ表面の合成樹脂層上に特定の人物に伝えたい
オリジナルの絵柄やメッセージ等の文字を隠し描き、特
定の人物がマグカップに湯を入れて加熱することで、上
記合成樹脂層上に描かれた隠し文字や絵柄などが現出し
て、オリジナルの絵柄やメッセージ等を受けとることが
できる絵付け方法である。しかし同絵付け方法を採用す
る場合であっても、光沢性を備えると共に、耐洗剤性、
耐アルコール性及び耐温水性等の耐久性のある筆跡を合
成樹脂層に形成させることは必要不可欠である。
に隠し文字や絵柄を描くことができ、湯等の加熱によっ
て所定の温度域になると、隠されていた絵柄や文字など
が浮かび上がってくるとともに、浮かび上がってきた絵
柄や文字などが光沢性を備え、かつ耐洗剤性、耐アルコ
ール性及び耐温水性等の耐久性のある筆跡を形成するこ
とができる絵付け方法、及び同絵付け方法を達成するた
めの絵付けセットを提供するところにある。
解決すべく鋭意検討した結果、以下の絵付け方法を開発
した。すなわち、上記の支持体上に形成する合成樹脂層
として、例えば常温では描画材又は筆記具等の着色組成
物の筆跡を隠蔽し、加熱により一定の温度域に達すると
同筆跡の隠蔽性が解除される熱変色性インキを用いて熱
変色性樹脂層を容器等の支持体上に形成する。そして、
この熱変色性樹脂層が形成された支持体を用いて、この
熱変色性樹脂層の上に、上記加熱時に当該熱変色性樹脂
層に浸透し染着する浸透性染料を含む描画材又は筆記具
等の着色組成物を用いて文字や絵柄などを描く。次に、
加熱することで、着色組成物中の浸透性染料を上記熱変
色性樹脂層に浸透させて染着させる。ここで、上記熱変
色性樹脂層に染着された文字や絵柄等は、例えば常温
時、熱変色性樹脂層の色の隠蔽作用によって、隠し文字
や絵柄等となっている。従って、この支持体は、例えば
常温時、熱変色性樹脂層に隠し文字や絵柄等が染着され
て固定されている。因って、隠し文字や絵柄等が熱変色
性樹脂層に染着されたこの支持体を、再加熱すると、上
記の隠し文字や絵柄などが熱変色性樹脂層に現出でき
る。
面上に形成された少なくとも1層の熱変色性樹脂層の表
面に、当該熱変色性樹脂層の色によって隠し文字又は隠
し絵柄等となりかつ加熱時に上記熱変色性樹脂層に浸透
して染着する浸透性染料を含有する着色組成物で文字又
は絵柄等を描き、加熱することにより、着色組成物中の
浸透性染料を上記熱変色性樹脂層に浸透させて染着し、
再加熱による上記熱変色性樹脂層の変色によって上記浸
透性染料の上記隠し文字又は隠し絵柄等の筆跡を上記熱
変色性樹脂層に現出させるようにしたことを特徴とする
絵付け方法である。
プ等の支持体上に上記着色組成物で隠し文字や絵柄を描
くことができ、この隠し文字や絵柄が描かれたマグカッ
プ等の支持体を例えば特定又は不特定の相手方に提供す
ることにより、提供された者が湯等によって再加熱して
所定の温度域にすると、隠されていた絵柄や文字などが
浮かび上がってメッセージ等を受け取ることができるも
のである。しかもこの浮かび上がってきた絵柄や文字な
どは、熱変色性樹脂層に浸透させて染着しているため、
光沢性を備え、かつ耐洗剤性、耐アルコール性及び耐温
水性等の耐久性のある筆跡を形成することができる。し
たがって、食器などに絵付けした場合など繰り返しの洗
浄にも耐久性を有する。
の支持体と上記の着色組成物とを必須の組み合わせ要素
とする絵付けセットによって達成される。請求項2の発
明は、少なくとも1層の熱変色性樹脂層が支持体面上に
形成された請求項1記載の支持体と、上記熱変色性樹脂
層の色によって隠し文字又は隠し絵柄等となりかつ加熱
時に上記熱変色性樹脂層に浸透して染着する浸透性染料
を含有する請求項1記載の着色組成物とを必須の組み合
わせ要素とする絵付けセットである。
て構成されるものであれば特に限定されない。しかし、
例えば陶磁器製のマグカップや合成樹脂製のコップの場
合、熱変色性樹脂層に浸透・染着され、例えば常温時、
熱変色性樹脂層の色によって隠されていた浸透性染料の
文字又は絵柄等が、湯等の再加熱により、熱変色性樹脂
層で出現するため、これらの絵付け方法によって作られ
た、隠し文字又は絵柄等のある陶磁器製のマグカップや
合成樹脂製のコップを特定又は不特定の相手方にプレゼ
ントすれば、当該相手方がコップ使用時にメッセージ等
がコップ表面に浮かび上がり、相手方に伝達することが
できるもので、従来には全くない面白さの絵付けとする
ことができ、著しく興味を引き起こす。請求項3の発明
は、支持体が陶磁器製又は合成樹脂製コップである請求
項2記載の絵付けセットである。
染料を含有する着色組成物で、具体的には、クレヨン、
パス、水性絵具、油性絵具、コンテなどの描画材のほ
か、マーキングペン用インキ組成物、ボールペン用イン
キ組成物等が充填された筆記具など各種着色手段に適用
される組成物である。請求項4の発明は着色組成物がク
レヨン、パス、水性絵具、油性絵具、コンテ、マーキン
グペン用インキ組成物、ボールペン用インキ組成物のい
ずれかである請求項2又は3記載の絵付けセットであ
る。
変色性インキで形成されることが望ましい。本発明で言
う熱変色性インキは、温度によって色が変化するインキ
組成物をいう。公知の熱変色性インキとしては、例えば
温度によって色が変化する顔料を熱硬化型の合成樹脂に
分散させたインキ組成物がある。また特開平7−324
178号などの様に、熱変色性マイクロカプセルと光重
合性組成物を基本成分とする紫外線硬化型熱変色性イン
キ組成物であっても使用できる。また特開平8−489
23号などの様に、温度によって色が変化する顔料を紫
外線硬化型の合成樹脂に分散させた紫外線硬化型熱変色
性インキ組成物であっても使用できる。本請求項5の発
明は熱変色性樹脂層が熱変色性インキで形成された請求
項2、3又は4記載の絵付けセットである。
ほか、当該着色剤を支持体表面に定着させるために、合
成樹脂が含まれている。特に、熱変色性樹脂層中でにじ
みをなくし、明瞭な文字や絵柄を定着させる場合は、浸
透後の定着状態が安定化して置くこともまた重要であ
る。本発明では、かかる点に鑑み、熱変色性インキには
熱硬化型又は紫外線硬化型の合成樹脂が含まれている。
この合成樹脂としては、特に限定されるものではない
が、浸透性染料が加熱時に浸透して染着する上で好まし
い合成樹脂でなければならず、その合成樹脂としてはエ
ポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂が好ましいことを見出した。本請
求項6の発明は、熱変色性インキが、エポキシ樹脂、エ
ポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂のいずれかを含有する請求項5記載の絵付けセット
である。
表面に塗工することによって形成されるが、熱変色性イ
ンキを印刷し、又は熱変色性印刷物が形成された転写紙
を転写して形成することもできる。本請求項7の発明は
熱変色性樹脂層が熱変色性印刷層である請求項2乃至6
のいずれかに記載の絵付けセットである。
変色性樹脂層が形成された支持体と、描画材或は筆記具
材料などの着色組成物を必須の組み合わせ要素とするも
のであるが、絵付けセット用として、上記の熱変色性樹
脂層が支持体面上に形成された支持体単独としても提供
することができる。本請求項8の発明は、請求項2、
5、6又は7のいずれかに記載の熱変色性樹脂層が支持
体面上に形成された絵付けセット用支持体である。ま
た、同様に、上記の着色組成物単独でも提供することが
できる。本請求項9の発明は、支持体表面に形成された
請求項2記載の熱変色性樹脂層の色によって隠し文字又
は隠し絵柄等となりかつ加熱時に上記熱変色性樹脂層に
浸透して染着する浸透性染料を含有する請求項2乃至7
のいずれかに記載の着色組成物である。
されないためフィルムや布地などを用いることができ
る。そして特に、表面に熱変色性樹脂層を形成したフィ
ルムや布地を支持体として用いた場合、これを更に別個
の支持体、例えばマグカップやガラス又は合成樹脂製コ
ップなどに貼着して、前記と同様の絵付けをすることも
できる。
する支持体であるマグカップの要部拡大断面図である。
1はマグカップの支持体、2はこの支持体1面上に部分
的に形成された1層の熱変色性樹脂層である。図2はこ
の熱変色性樹脂層2に本発明の着色組成物であるクレヨ
ンを用いて描いた状態を示す支持体表面の要部概略断面
図である。図2において、熱変色性樹脂層2上には着色
組成物3が付着されている。図3は着色組成物3のうち
浸透性染料4が熱変色性樹脂層2に浸透し染着された状
態を示す支持体の要部拡大概略図である。すなわち、図
2の支持体を加熱すると、この加熱によって着色組成物
3に含まれる浸透性染料4が熱変色性樹脂層2内に浸透
して、熱変色性樹脂層2内に染着固定される。但し、本
発明では、図示の様に、この浸透性染料4は、例えば常
温時では黒色の熱変色性樹脂層2によって色彩的に隠蔽
されており、隠し文字又は隠し絵柄等となっている。そ
こで、図4に示す様に、このようにして絵付けされたも
のを再加熱することで、熱変色性樹脂層2が例えば透明
となり、熱変色性樹脂層2内に浸透した浸透性染料4の
隠し文字又は隠し絵柄等が浮かび上がる。
のではない。ガラス、陶磁器、金属のほか、合成樹脂、
ホーロー、紙類、金属、木材など各種の材料又は製品を
使用できる。特に、既述の様に、マグカップ、ガラスコ
ップ、湯飲み、皿、プレート等の食器や、タイル、合成
樹脂フィルム・シートや紙、布類などが好適である。
はないが、着色組成物の浸透性染料が透明又は薄い色の
熱変色性樹脂層中に浮かび上がってきたとき、熱変色性
樹脂層の下地を構成している支持体の着色が、更に浸透
性染料の筆跡を隠蔽する場合は好ましくない。但し、こ
れは熱変色性樹脂層が透明又は薄い色の場合であって、
透明又は薄い色ではない場合は支持体表面の着色は制限
を受けない。この着色としては、黒色など比較的濃い色
の熱変色性樹脂層とすることが望ましい。また、透明或
は薄い色でも、支持体表面に絵柄等が描かれている場合
は、更にこの支持体表面の絵柄と、浮かび上がってきた
筆跡等とが重なり合って趣向のある面白さを呈すること
もできる。
は灰色等の着色組成物の隠蔽性背景色となり、加熱する
ことにより透明又は半透明等の着色組成物の出現性背景
色となるものである。この点で、本発明の熱変色性樹脂
層は、常温−加熱間において可逆的な変色を呈するもの
が望ましいが、不可逆的な熱変色性樹脂層であっても適
用される。また、隠蔽性背景色と出現性背景色となる温
度領域については、常温で隠蔽性背景色となり、加熱時
に出現性背景色となる熱変色性樹脂層が好ましい。この
熱変色性樹脂層を形成する手段は、既述の通り又は後述
する通り、公知の熱変色性インキを用いて達成すること
ができる。なお、加熱時の温度領域の違いにより一定の
温度領域で1の出現性背景色となり、更に加熱すること
で他の出現性背景色が生じるようにすることもできる。
また、熱変色性樹脂層は少なくとも1層支持体に形成さ
れていればよい。なお、2層以上の場合は、特定温度に
おける熱変色の違いを利用して、筆跡等の浮かび上がら
せ方を制御することもできる。また、熱変色性樹脂層の
支持体への付着力を向上させるために、熱変色性樹脂層
を複数層としたり、支持体への接着力の高い非熱変色性
樹脂層を介して熱変色性樹脂層を形成することもでき
る。
ヨン、パス、水性絵具、油性絵具、コンテ、マーキング
ペン用インキ組成物、ボールペン用インキ組成物など各
種の描画材又は筆記具が適用される。この適用にあたっ
ては、それぞれの描画材又は筆記具の成分に応じて浸透
性染料を配合することができる。浸透性染料としては、
油溶性染料、昇華性染料、分散染料のほか、アゾ系染
料、塩基性染料、酸性染料、含金染料を例示できる。
の場合、それにはバインダーであるワックスと染料が含
有されているが、通常のクレヨンは、描画面に描いた後
は、染料が分散している当該ワックス成分により描画面
に付着しているのが普通である。これに対して、本発明
に係るクレヨンや絵の具等は、描画面に描いた後、加熱
によってバインダーであるワックスを溶解することでワ
ックス中に分散している浸透性染料を再溶解し、浸透性
染料がワックス成分中を沈降して熱変色性樹脂層に浸透
して染着する。従って、クレヨンや絵の具などの場合
は、ワックス成分が融解するとともに当該ワックス成分
中に融解して前記熱変色性樹脂層に浸透する浸透性染料
を有効成分とすることが必要である。
ーは互いになじみがよく、上記の染料はバインダーに分
散でき、又加熱によってバインダーは溶解し、染料はこ
のバインダー中で分散し、しかも沈降して熱変色性樹脂
層に浸透して染着しうるものでなければならない。また
好ましくは上記加熱は従来のように高温で加熱せずに、
たとえば陶器の容器内に湯を入れたり、ドライヤー等だ
けで簡単に処理できることが望ましい。また、浸透性染
料が熱変色性樹脂層に染着した後、熱変色性樹脂層表面
に残っているバインダーなどの残成分については水など
で容易に洗浄できることが望ましい。
具などの場合、浸透性染料としては、油溶性染料、昇華
性染料、分散染料が例示できる。またバインダーを構成
するワックスは、上記熱変色性樹脂層、特に熱硬化型又
は紫外線硬化型合成樹脂を含む熱変色性樹脂層に対し
て、浸透性染料だけが浸透するものでなければならな
い。また当該染料が熱変色性樹脂層に浸透して染着した
後は、熱変色性樹脂層表面に残っているバインダーなど
の残成分は水などで容易に洗浄できるようにするため
に、水溶性のものであることが好ましい。この点でワッ
クスは水溶性ワックスとして、たとえばポリエチレング
リコールが好ましい。
処理できるかまたはドライヤーなどで簡単に熱処理でき
るようにするため、融点が100℃以下、好ましくは7
0〜80℃のワックスが好ましく、この点で分子量(平
均分子量)が1000〜2000のポリエチレングリコ
ールが好適である。また下記の一般式で示されるエステ
ル化合物(以下、単に「エステル化合物」という。)も
水で洗浄することができる水溶性ワックスとして好まし
い。
整数で示される化合物である。)
に高級脂肪酸とポリエチレングリコールでエステル化す
ることにより得られる。なお、水溶性ワックスを使用し
ない場合は油性の通常のワックスに界面活性剤を含ませ
ることにより、乳化させて熱変色性樹脂層表面に残って
いるバインダーなどの残成分を水などで容易に洗浄でき
るようにすることができる。油性のワックス及び界面活
性剤は、公知のものであればすべて採用することができ
る。また、クレヨンの構成成分として、水溶性樹脂を含
有させることが望ましい。
たとえば、容器内にインキを浸潤させた中綿を装填し、
この中綿と連続するペン先にメラミン樹脂で固めたアク
リル繊維を用い、このアクリル繊維の毛細管現象を利用
して塗工する。したがって、マーキングペン用インキ組
成物は、同マーキングペンに使用することができると同
時に陶磁器などの支持体表面の熱変色性樹脂層にもなじ
んで、浸透しやすいインキでなければならない。
る浸透性染料は、アゾ系染料、塩基性染料、酸性染料、
合金染料などを例示することができる。ただし、熱変色
性樹脂層に良好に浸透し染着する染料としてはアゾ系染
料が好適である。また、アゾ系染料は、耐アルコール性
に優れ毒性もないことから、陶磁器、特にマグカップな
どの陶器には良好に使用することができる。
成物は、グリコールエーテル系溶剤または脂環式炭化水
素系溶剤のいずれかの溶剤とアルコール系溶剤、界面活
性剤、浸透性染料を有効成分とし、粘度調節用樹脂とし
て非接着性樹脂を含有するインキが好適であり、このイ
ンキを充填したマーキングペンが使用の簡便性の点で好
ましい。
として使用するもので、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
等が例示できるが、特にプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルが毒性が少ない点で好ましい。なお、グリコ
ールエーテル系溶剤は、アルコール系溶剤を主溶剤とし
て含む溶剤として使用できる。脂環式炭化水素系溶剤と
しては、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ブチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、
ジメチルシクロヘキサン、ジブチルシクロヘキサンを例
示することができる。
用するものであるが、浸透性確保のため、極性を有する
溶解助剤が好ましく、ベンジルアルコール、エチルアル
コール、メチルアルコール、プロピルアルコール、ペプ
チルアルコールを例示することができる。無論これに限
定されるものではない。ただしベンジルアルコールとエ
チルアルコールが浸透性向上の点で好ましいアルコール
である。
キを防止するための成分であり、フッ素系界面活性剤、
シリコン系界面活性剤が例示できるが特にフッ素系界面
活性剤が熱変色性樹脂層でインキがはじくのを有効に防
止できる点で効果的である。
ポリブタジエン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリプレン樹脂
等を例示することができる。非接着性樹脂でなければな
らないのは、この発明で使用するインキが、支持体表面
だけに定着するのではなく、熱変色性樹脂層の内部に浸
透し定着しなければならないからである。従来、一般の
マーキングペン用のインキ成分もグリコールエーテル系
溶剤、アルコール系溶剤などを使用しているが、従来の
マーキングペンのインキ成分は浸透を排除する思想が前
提にあり、よって粘度調節用樹脂は、専らインキの漏れ
やにじみをなくすために接着性樹脂を用いるか、非接着
性樹脂を用いるとしても接着性樹脂と組み合わせるか、
あるいは比較的粘度を上げておくのが通常であった。こ
の発明のマーキングペンは、従来とは思想的には全く逆
に支持体表面の熱変色性樹脂層に浸透しうるインキ配合
組成を採用している。特に、粘度調節用の樹脂は従来の
ように接着性のものを用いずに非接着性の樹脂を用いて
浸透性を主要に制御している。
する熱変色性インキに用いられる合成樹脂は、該支持体
に接着性のある熱可塑性樹脂、または既述の通り、熱硬
化性樹脂を使用することができる。なお、浸透後の染着
状態を安定化させるためには熱硬化性樹脂や紫外線硬化
性樹脂を使用することが望ましい。また熱硬化性樹脂の
場合は熱可塑性樹脂に比して熱的にも安定しており陶器
製のカップなどに使用する場合は好適である。
インキとしては、エポキシ樹脂および、エポキシアクリ
レート樹脂、該エポキシ樹脂等と常温で反応して硬化す
る第1硬化剤、及び該樹脂と80〜200℃で反応して
硬化する第2硬化剤、及びアクリル樹脂またはポリエス
テルを含むものが好適に使用できる。
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノ
ボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ポリグ
リコール型エポキシ樹脂などがあげられる。これらのう
ちでは分子量200〜5000程度で(樹脂の分子量)
/(分子中のエポキシ基の個数)で示される値(以下、
エポキシ当量と略記する。)が100〜1000程度の
ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。中で
もエポキシ当量が100〜500程度のものは常温で液
体であるため最適である。なお、エポキシ当量が500
〜1000のものであっても希釈剤により溶解すること
によって使用することができる。
ようなエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸によりエ
ステル化して、官能記をアクリロイル基としたものがあ
げられる。
必須成分ではないが、エポキシ樹脂等と10〜30℃程
度の常温で緩やかに反応するものであり、熱変色性印刷
物の表面を硬化させ以後の作業を容易とするものであ
る。第1硬化剤としては、脂肪族アミン類、脂環族アミ
ン類、芳香族アミン類、アミンアダクト、酸無水物、ポ
リアミド樹脂などがあげられ、これらのうち1種または
2種以上を用いる。
アミン、トリエチレンテトラミン,N−アミノエチルピ
ペラジン、ジエチルアミノプロピルアミン等が用いられ
る。
ン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
1,3−ビスアミノメチルヘキサン、m−キシリレンジ
アミン等が用いられる。芳香族アミン類としてはメタフ
ェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルスルホン、トルイレンジアミン等が用いら
れる。アミンアダクトとしては上記のアミンとアミンの
反応性を有するエポキシ樹脂などと反応させてアダクト
が用いられる。
ルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメット酸などの
芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケ
ニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の環状
脂肪酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン
酸無水物等の脂肪族酸無水物、クロレンド酸無水物、テ
トラブロム無水フタル酸などのハロゲン化酸無水物など
が用いられる。
応するものであれば液状であっても個体状であってもよ
い。これらの第1硬化剤の中ではアミンアダクト及びポ
リアミド樹脂がより好ましく、(硬化剤の分子量)/
(分子中の活性酸素の個数)により表される値(以下、
活性水素当量と略記する。)が20〜600程度であっ
て、常温で液状のものがより好ましい。
件下にエポキシ樹脂などと反応するものであり、熱変色
性樹脂層を完全に硬化させるものである。このような硬
化剤としてはエポキシ樹脂など用の潜在硬化剤として公
知のものがそのまま使用できる。具体的にはジシアミン
ジアミド及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、イミダゾ
ール類、三フッ化ホウ素−アミン錯体、及びその他のも
のが例示でき、これらの一種または二種以上が使用され
る。
ジシアンジアミド、o−トリルビグアニド、フェニルビ
グアニド、α−ベンジルビグアニド、α−2,5−ジメ
チルビグアニド、フェニルビグアニドオキサレート等が
あげられる。有機酸ヒドラジドとしてはコハク酸ジヒド
ラジド、アジピン酸ジヒドラジド、p−オキシ安息香酸
ヒドラジド等があげられる。イミダゾール類としては2
−ヘプタデシルイミダゾール、1−シアノエチル−4−
メチルイミダゾール、2−メチルイミダリウムイソシア
ムレート等があげられる。三フッ化ホウ素アミン錯体と
しては、モノメチルアミンのBF3錯体、n−ヘキシル
アミンのBF3錯体、トリエチルアミンのBF3錯体等が
あげられる。
アミンアダクト、ジアリルメラミン、常温で活性な硬化
剤を内包し、80℃以上で壁材が崩壊することにより硬
化剤としての機能を発揮するカプセル等が例示できる。
これらの第2硬化剤の中ではジシアンジアミド及びその
誘導体、有機酸ヒドラジド及び融点80℃以上のアミン
アダクトが好ましい。
着色料として、公知の可逆的熱変色組成物を単独である
いは他の公知の着色料と合わせて配合する。このような
可逆的熱変色組成物は電子供与性呈色性有機化合物(発
色剤)、電子受容性化合物(顕色剤)及び減感剤からな
るものであり、種々のものが公知となっている。この可
逆的熱変色組成物は特に限定されるものではない。ま
た、この可逆的熱変色組成物はマイクロカプセル化した
状態で使用してもよい。また使用量はエポキシ樹脂など
の硬化型樹脂100部に対して5から70部程度配合す
る。
またはポリエステル樹脂が配合されている。かかる樹脂
は、浸透性染料な浸透の容易性を考慮して配合されるも
のであり、その配合量はエポキシ樹脂など100部に対
して5〜500部程度配合することが好ましい。かかる
配合量より少ない場合は浸透性染料の浸透が困難とな
り、非熱変色性インキによる塗膜の耐久性が損なわれ
る。一方、かかる配合量より多い場合は、熱変色性樹脂
層の硬化が十分に行われないため、接着が弱くなり、熱
変色性樹脂層の耐久性が損なわれる。
アクリル酸、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸メ
チル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル
などが使用できる。
レフタレート、ポリエチレンテレブタレート、公知の不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ラクトンの開環
重合により得られるもの等が使用できる。
顔料、接着促進剤、消泡剤等種々の公知の添加剤を配合
することができる。
グリシジルエステル、フェニルグリシジルエーテル、ア
リルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテ
ルなどが例示できる。これらの配合量はエポキシ樹脂な
ど100部に対して通常5〜30部程度とし、さらに好
ましくは5〜10部程度とするとよい。
ミナシリケート、炭酸カルシウム、マイカ、石英粉など
が例示できる。その使用量は組成物の流れ性を調整する
に必要な量であればよく、エポキシ樹脂など100部に
対し通常2〜20部程度とし、さらに好ましくは2〜4
部程度とする。
ロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメロキシシラン等のシラン系カッ
プリング剤が例示される。その使用量は特に限定される
ものではなくエポキシ樹脂など100部に対し通常0.
05〜5部程度とし、より好ましくは0.07〜3部程
度がよい。
ルキルポリシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチル
シロキサンなどの公知のシロキサン系消泡剤が例示でき
る。その使用量はエポキシ樹脂など100部に対して通
常0.05〜5部程度とし、さらに好ましくは0.07
〜3部程度がよい。
は各種公知のものが使用できる。たとえば特開平8−4
8923に開示されているような紫外線硬化型樹脂に上
記の可逆的熱変色性組成物を配合して使用すればよい。
ただしこのインキに限定されるものではない。
塗工するにあたっては、スクリーン印刷など公知の方法
により絵柄層として印刷し、加熱及び紫外線照射を施し
硬化させる。2種以上の熱変色性樹脂の印刷層を設ける
場合は同様の操作を必要回数だけ繰り返し行う。なお、
印刷層の上に着色組成物による塗工を隠蔽できるよう、
最上部に設けられる熱変色性樹脂層は隠蔽率が高い濃厚
な色にすることが好ましい。好ましくは、常温で黒、も
しくは濃紺で、変色温度域では無色透明または有色透明
に変色することが好ましい。
さは支持体の種類に応じて適宜選択することができる
が、通常厚さ0.1〜80μmで塗工するのが好ましい
範囲である。厚さ0.1μmより少ないと、ピンホール
ができたり、支持体に樹脂が均一につかない。80μm
を越えると、表面に凹凸ができ、膜厚が均一にならない
からである。
き付け加工の温度も、当該合成樹脂の種類に応じて決定
される。通常、100〜200℃が好適な範囲である。
これは合成樹脂の軟化温度及び硬化温度によるためであ
る。
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。まず、以下の実施例1〜4に使用する着色組成
物及び熱変色性インキについて説明する。
1〜13を製造した。 (着色組成物1) 浸透性染料1 10部 ワックス1 40部 ワックス4 20部 バインダー1 3部 上記の配合染料成分を混合撹拌して黄色クレヨンを製造
した。 (着色組成物2) 浸透性染料2 10部 ワックス2 40部 ワックス5 20部 バインダー1 3部 上記の配合染料成分を混合撹拌して赤色クレヨンを製造
した。 (着色組成物3) 浸透性染料3 10部 ワックス3 40部 ワックス6 20部 バインダー1 3部 上記の配合染料成分を混合撹拌して青色クレヨンを製造
した。 (着色組成物4) 浸透性染料4 10部 ワックス1 40部 ワックス4 20部 バインダー1 3部 上記の配合染料成分を混合撹拌して黒色クレヨンを製造
した。 (着色組成物5) 浸透性染料1 10部 ワックス4 30部 バインダー2 10部 水 50部 上記の配合染料成分を混合撹拌して黄色水彩絵の具を製
造した。
造した。 (着色組成物7) 浸透性染料3 10部 ワックス6 30部 バインダー3 10部 水 60部 上記の配合染料成分を混合撹拌して青色水彩絵の具を製
造した。 (着色組成物8) 浸透性染料4 10部 ワックス4 30部 バインダー4 10部 水 50部 上記の配合染料成分を混合撹拌して黒色水彩絵の具を製
造した。 (着色組成物9) 浸透性染料5 4部 溶剤1 60部 溶剤2 7部 溶剤3 17部 界面活性剤 0.2部 非接着性樹脂 11部 上記の配合染料成分を混合撹拌して赤色マーキングペン
用インキ組成物を製造した。 (着色組成物10) 浸透性染料6 3部 溶剤1 55部 溶剤2 8部 溶剤3 18部 界面活性剤 0.2部 非接着性樹脂 13部 上記の配合染料成分を混合撹拌して青色マーキングペン
用インキ組成物を製造した。
用インキ組成物を製造した。 (着色組成物12) 浸透性染料8 4部 溶剤1 50部 溶剤2 5部 溶剤3 16部 界面活性剤 0.2部 非接着性樹脂 10部 上記の配合染料成分を混合撹拌して黄色マーキングペン
用インキ組成物を製造した。 (着色組成物13) 浸透性染料6 3部 浸透性染料8 2部 溶剤1 55部 溶剤2 6部 溶剤3 15部 界面活性剤 0.2部 非接着性樹脂 8部 上記の配合染料成分を混合撹拌して緑色マーキングペン
用インキ組成物を製造した。
ックス、溶剤、溶剤助剤、界面活性剤などは以下の通り
である。
インキ組成物を説明する。後述の熱変色性顔料であるT
C顔料(商品名、(株)サクラクレパス製熱変色性顔
料)を以下の割合で配合し、熱変色性インキ組成物1〜
3を製造した。なお、熱変色性インキ組成物1〜2は、
いずれも2液硬化型のスクリーン印刷用インキ組成物と
して製造し、いずれも下記熱変色性インキ組成物の原液
成分75部に対し硬化剤20部、接着促進剤1部を配合
することにより得られた。硬化剤はアミンアダクト(活
性水素当量約47、油化シェルエポキシ(株)製 商標
名「エピキュアーU」)を用いた。また接着促進剤はγ
−クロロプロピルトリメトキシシラン系接着促進剤(信
越化学(株)製 商標名「KBM703」)を用いた。
性顔料であるTC顔料、エポキシ樹脂、エポキシアクリ
ル樹脂は以下の通りである。
器製マグカップに塗布した後、100℃で30分焼き付
けして熱変色性樹脂層を形成し、これに上記の着色組成
物1〜4を用いてそれぞれ絵柄を付した。絵柄は黒色の
熱変色性樹脂層の面上に付着されていた。その後着色組
成物で付した絵柄を浸透させるためにこのマグカップ
に、90℃の湯を入れ、3分後にマグカップ表面の残り
ワックスを水で拭き取った。常温に戻し、状態をみたと
ころ、絵柄は黒色の熱変色性樹脂層内に染着固定され、
判読できなかった。その後、再度マグカップに70℃の
湯を入れ再加熱したところ、熱変色性樹脂層は透明とな
り、当該熱変色性樹脂層中に上記の絵柄が浮かび上がっ
た。
からなる水溶性糊料層を有する離型紙に熱変色性インキ
組成物1をスクリーン印刷し、シリコン樹脂からなる被
覆層を形成した後、乾燥して熱変色性インキ組成物1の
転写紙を得た。この転写紙を合成樹脂製コップ表面に転
写した後、140℃で30分焼き付けして熱変色性樹脂
層の印刷層を合成樹脂製コップ表面に形成した。次に、
この熱変色性樹脂層の印刷層に、前記着色組成物5〜8
を用いて絵柄を付した。その結果、絵柄は黒色の熱変色
性樹脂層の面上に付着されていた。その後着色組成物で
付した絵柄を浸透させるためにこのマグカップに、90
℃の湯を入れ、3分後にマグカップ表面の残りワックス
を水で拭き取った。常温に戻し、状態をみたところ、絵
柄は黒色の熱変色性樹脂層内に染着固定され、判読でき
なかった。その後、再度マグカップに70℃の湯を入れ
再加熱したところ、熱変色性樹脂層は透明となり、当該
熱変色性樹脂層中に上記の絵柄が浮かび上がった。
成樹脂製フィルム上に印刷した後、100℃で30分焼
き付けて熱変色性樹脂層の印刷層を合成樹脂製フィルム
上に形成した。次に、この熱変色性樹脂層の印刷層上
に、前記着色組成物9〜13を用いて絵柄を付した。そ
の結果、絵柄は黒色の熱変色性樹脂層の面上に付着され
ていた。次に、着色組成物で付した絵柄を浸透させるた
めにドライヤーで加熱し、水分を含んだ紙で拭き取っ
た。常温に戻し、状態をみたところ、絵柄は黒色の熱変
色性樹脂層内に染着固定され、判読できなかった。その
後、再度マグカップに70℃の湯を入れ再加熱したとこ
ろ、熱変色性樹脂層は透明となり、当該熱変色性樹脂層
中に上記の絵柄が浮かび上がった。
地上に印刷した後、100℃で30分焼き付けて熱変色
性樹脂層の印刷層を布地上に形成した。次に、この熱変
色性樹脂層の印刷層上に、前記着色組成物9〜13を用
いて絵柄を付した。その結果、絵柄は黒色の熱変色性樹
脂層の面上に付着されていた。次に、着色組成物で付し
た絵柄を浸透させるためにドライヤーで加熱し、水分を
含んだ紙で拭き取った。常温に戻し、状態をみたとこ
ろ、絵柄は黒色の熱変色性樹脂層内に染着固定され、判
読できなかった。その後、再度マグカップに70℃の湯
を入れ再加熱したところ、熱変色性樹脂層は透明とな
り、当該熱変色性樹脂層中に上記の絵柄が浮かび上がっ
た。
べるため、実施例1〜13で得られたものについて以下
の各種試験を行った。
クロスカットセロテープ剥離試験を行った。その結果、
いずれも剥離がなく、着色組成物で付した絵柄も消去し
なかった。 (耐温水接着性試験)各熱変色性樹脂層が形成された支
持体を80℃の温水に10分間浸漬後、接着性試験と同
様の方法で接着性を確認した。その結果、剥離がなく、
着色組成物で付した絵柄も消去しなかった。 (耐水性試験)各熱変色性樹脂層が形成された支持体を
水に室温で24時間浸漬後、接着性試験と同様の方法で
接着性を確認した。その結果、剥離がなく、着色組成物
で付した絵柄も消去しなかった。 (耐洗剤水性試験)各熱変色性樹脂層が形成された支持
体を食器洗い用洗剤((株)ライオン製商品名「チャー
ミーグリーン」)を3ml/lの濃度で溶かした液に室
温で24時間浸漬後、接着性試験と同様の方法で接着性
を確認した。その結果、剥離がなく、着色組成物で付し
た絵柄も消去しなかった。 (耐漂白剤水性試験)各熱変色性樹脂層が形成された支
持体を食器用漂白剤((株)花王製 商品名「キッチン
ハイター」)を10ml/lの濃度で溶かした液に室温
で24時間浸漬後、接着性試験と同様の方法で接着性を
確認した。その結果、剥離が全くなく、着色組成物で付
した絵柄も消去しなかった。 (繰り返し試験)マグカップに90度の湯を注ぎ、熱変
色性樹脂層の発色、消色を200回繰り返し同熱変色性
樹脂層の状態を観察した。その結果、発色、消色に変化
がみられず、同熱変色性樹脂層の状態も変化がなかっ
た。 (食器洗い試験)各熱変色性樹脂層が形成された支持体
を、日本陶磁器検査協会の食器洗い試験に基づいて食器
洗い試験を行った。その結果、剥離は全くみられず、着
色組成物で付した絵柄も全く変化がなかった。 (安全性試験)各熱変色性樹脂層が形成された支持体
を、日本陶磁器検査協会の重金属溶出試験を行った。そ
の結果、判定は安全合格であった。
し文字や絵柄を描くことができ、湯等の加熱によって所
定の温度域になると、隠されていた絵柄や文字などが熱
変色樹脂層内から浮かび上がる絵付け方法である。従っ
て、たとえば、この絵付け方法で絵付けされた隠し文字
又は絵柄等のある陶磁器製のマグカップや合成樹脂製の
コップを特定又は不特定の相手方にプレゼントすれば、
当該相手方がコップに湯等を入れるなどして使用した時
にメッセージ等がコップ表面に浮かび上がり、相手方に
伝達することができる。因って、従来には全くない面白
さの絵付けとすることができ、使用者の遊び心をくすぐ
り、著しく興味を引き起こす。また、特に、熱変色樹脂
層が常温乃至加熱温度の間で可逆的に変色する熱変色イ
ンキを用いて形成されている場合、常温になると再び隠
蔽され、隠し文字等となり、一層面白さを与えるもので
ある。しかも、浮かび上がってきた絵柄や文字などは熱
変色樹脂層内に浸透して染着されているから、光沢性を
備え、かつ耐洗剤性、耐アルコール性及び耐温水性等の
耐久性のある筆跡を形成することができる。
グカップの要部拡大断面図である。
あるクレヨンを用いて描いた状態を示す支持体表面の要
部概略断面図である。
された状態を示す支持体の要部拡大概略図である。
態を示す支持体の要部拡大概略図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 支持体面上に形成された少なくとも1層
の熱変色性樹脂層の表面に、当該熱変色性樹脂層の色に
よって隠し文字又は隠し絵柄等となりかつ加熱時に上記
熱変色性樹脂層に浸透して染着する浸透性染料を含有す
る着色組成物で文字又は絵柄等を描き、加熱することに
より、着色組成物中の浸透性染料を上記熱変色性樹脂層
に浸透させて染着し、再加熱による上記熱変色性樹脂層
の変色によって上記浸透性染料の上記隠し文字又は隠し
絵柄等の筆跡を上記熱変色性樹脂層に現出させるように
したことを特徴とする絵付け方法。 - 【請求項2】 少なくとも1層の熱変色性樹脂層が支持
体面上に形成された請求項1記載の支持体と、上記熱変
色性樹脂層の色によって隠し文字又は隠し絵柄等となり
かつ加熱時に上記熱変色性樹脂層に浸透して染着する浸
透性染料を含有する請求項1記載の着色組成物とを必須
の組み合わせ要素とする絵付けセット。 - 【請求項3】 支持体が陶器製又は合成樹脂製コップで
ある請求項2記載の絵付けセット。 - 【請求項4】 着色組成物が、クレヨン、パス、水性絵
具、油性絵具、コンテ、マーキングペン用インキ組成
物、ボールペン用インキ組成物のいずれかである請求項
2又は3記載の絵付けセット。 - 【請求項5】 熱変色性樹脂層が熱変色性インキで形成
された請求項2、3又は4記載の絵付けセット。 - 【請求項6】 熱変色性インキが、エポキシ樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂のいずれかを含有する請求項5記載の絵付けセット。 - 【請求項7】 熱変色性樹脂層が熱変色性印刷層である
請求項2乃至6のいずれかに記載の絵付けセット。 - 【請求項8】 請求項2、5、6又は7のいずれかに記
載の熱変色性樹脂層が支持体面上に形成された絵付けセ
ット用支持体。 - 【請求項9】 支持体表面に形成された請求項2記載の
熱変色性樹脂層の色によって隠し文字又は隠し絵柄等と
なりかつ加熱時に上記熱変色性樹脂層に浸透して染着す
る浸透性染料を含有する請求項2乃至7のいずれかに記
載の絵付けセット用着色組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29570396A JP3973114B2 (ja) | 1996-10-16 | 1996-10-16 | 絵付け方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29570396A JP3973114B2 (ja) | 1996-10-16 | 1996-10-16 | 絵付け方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10118350A true JPH10118350A (ja) | 1998-05-12 |
JP3973114B2 JP3973114B2 (ja) | 2007-09-12 |
Family
ID=17824077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29570396A Expired - Fee Related JP3973114B2 (ja) | 1996-10-16 | 1996-10-16 | 絵付け方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3973114B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030097388A (ko) * | 2002-06-20 | 2003-12-31 | 건설화학공업(주) | 시온, 감온성(Thermochromic) 원료를 포함하는 에폭시타입, 에폭시-폴리에스테르 타입 분체도료의 제조 및 그조성물 |
-
1996
- 1996-10-16 JP JP29570396A patent/JP3973114B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20030097388A (ko) * | 2002-06-20 | 2003-12-31 | 건설화학공업(주) | 시온, 감온성(Thermochromic) 원료를 포함하는 에폭시타입, 에폭시-폴리에스테르 타입 분체도료의 제조 및 그조성물 |
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