JPH1011804A - 光記録媒体、光記録媒体記録装置、光記録媒体記録方法、光記録媒体再生装置、および光記録媒体再生方法 - Google Patents

光記録媒体、光記録媒体記録装置、光記録媒体記録方法、光記録媒体再生装置、および光記録媒体再生方法

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JPH1011804A
JPH1011804A JP8158143A JP15814396A JPH1011804A JP H1011804 A JPH1011804 A JP H1011804A JP 8158143 A JP8158143 A JP 8158143A JP 15814396 A JP15814396 A JP 15814396A JP H1011804 A JPH1011804 A JP H1011804A
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JP
Japan
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light
recording medium
optical recording
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recorded
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JP8158143A
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English (en)
Inventor
Kotaro Kurokawa
光太郎 黒川
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光記録媒体に対してキャラクタ情報を記録す
る。 【解決手段】 トラック幅変調信号発生回路3は、記録
しようとする図形または文字情報に応じて記録用レーザ
4から射出されるレーザビームを光変調器5により変調
する。光変調器5より出射されたレーザビームは、ビデ
オテープレコーダ1から出力され、変調回路2により所
定の処理が施された信号に応じて光変調器6により変調
され、反射鏡9、および対物レンズ10によりガラス原
盤7の所定の領域に照射される。ガラス原盤7上に形成
されるトラックは、トラック幅変調信号発生回路3から
の信号に応じてその幅が変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体、光記
録媒体記録装置、光記録媒体記録方法、光記録媒体再生
装置、および光記録媒体再生方法に関し、特に、ピット
やマークをビットに対応させて記録される情報とは異な
る情報を複数のトラックに横断的に記録する光記録媒
体、光記録媒体記録装置、光記録媒体記録方法、光記録
媒体再生装置、および光記録媒体再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のCD(Compact Disk)などにおい
ては、半径21乃至23mm程度の領域をキャラクター
コード領域とし、この領域に特定の文字や図形などの情
報を記録していた。
【0003】このようなキャラクタコード領域には、例
えば、製造メーカ名や製造日などの情報(キャラクタ情
報)が、肉眼で確認可能な情報として記録されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなキャラクタコード領域は半径2mm程度の領域であ
ることから、多くの情報を記録することが困難であると
いう課題があった。
【0005】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、微小な領域に多くのキャラクタ情報を記
録することを可能とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の光記録
媒体は、複数のトラックを含む領域に対して所定の波長
の光が照射された場合に、回折光の強度分布が所定のパ
ターンとなるようにピットまたはマークを形成すること
により、他の情報が記録されていることを特徴とする。
【0007】請求項4に記載の光記録媒体記録装置は、
複数のトラックを含む領域に対して所定の波長の光が照
射された場合に、回折光の強度分布が所定のパターンと
なるようにピットまたはマークを形成する形成手段を備
えることを特徴とする。
【0008】請求項8に記載の光記録媒体記録方法は、
複数のトラックを含む領域に対して所定の波長の光が照
射された場合に、回折光の強度分布が所定のパターンと
なるようにピットまたはマークを形成する形成ステップ
を備えることを特徴とする。
【0009】請求項9に記載の光記録媒体再生装置は、
光記録媒体の所定の領域に対して、所定の波長の光を照
射する光照射手段と、光照射手段により照射された光の
回折光から第2の情報を抽出する抽出手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0010】請求項10に記載の光記録媒体再生方法
は、光記録媒体の所定の領域に対して、所定の波長の光
を照射する光照射ステップと、光照射ステップにより照
射された光の回折光から第2の情報を抽出する抽出ステ
ップとを備えることを特徴とする。
【0011】請求項1に記載の光記録媒体においては、
複数のトラックを含む領域に対して所定の波長の光が照
射された場合に、回折光の強度分布が所定のパターンと
なるようにピットまたはマークが形成されるように、他
の情報が記録されている。例えば、複数のトラックに対
して同時にレーザビームを照射すると、回折光が所定の
パターンとなり、記録されている情報を再生することが
できる。
【0012】請求項4に記載の光記録媒体記録装置にお
いては、複数のトラックを含む領域に対して所定の波長
の光が照射された場合に、回折光の強度分布が所定のパ
ターンとなるようにピットまたはマークを形成手段が形
成する。例えば、記録しようとする情報を光の強度分布
のパターンに分解し、分解されたそれぞれの部分に対応
する回折光を生ずるように形成手段によりトラックを形
成する。
【0013】請求項8に記載の光記録媒体記録方法にお
いては、複数のトラックを含む領域に対して所定の波長
の光が照射された場合に、回折光の強度分布が所定のパ
ターンとなるようにピットまたはマークを形成ステップ
が形成する。例えば、記録しようとする情報を光の強度
分布のパターンに分解し、分解されたそれぞれの部分に
対応する回折光を生ずるように形成ステップによりトラ
ックを形成する。
【0014】請求項9に記載の光記録媒体再生装置にお
いては、光記録媒体の所定の領域に対して、所定の波長
の光を光照射手段が照射し、光照射手段により照射され
た光の回折光から第2の情報を抽出手段が抽出する。例
えば、光照射手段が複数のトラックに対してレーザビー
ムを照射し、その結果生ずる回折光を抽出手段が抽出
し、スクリーンに表示することにより、記録された情報
を可視化することができる。
【0015】請求項10に記載の光記録媒体再生方法に
おいては、光記録媒体の所定の領域に対して、所定の波
長の光を光照射ステップが照射し、光照射ステップによ
り照射された光の回折光から第2の情報を抽出ステップ
が抽出する。例えば、光照射ステップが複数のトラック
に対してレーザビームを照射し、その結果生ずる回折光
を抽出ステップが抽出し、スクリーンに表示することに
より、記録された情報を可視化することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例の構成を
示すブロック図である。この図において、ビデオテープ
レコーダ1は、映像または音声などをビデオテープに記
録するとともに、記録されたこれらの情報を再生するよ
うになされている。変調回路2は、ビデオテープレコー
ダ1から供給された映像、音声、または、再生時間など
を表すサブコード情報などに対して誤り訂正符号を付加
し、EFM(Eight to Fourteen Modulation)方式に基
づき変調を行った後、2値信号として光変調器6に出力
するようになされている。
【0017】トラック幅変調信号発生回路3(形成手
段、形成ステップ)は、後述するスピンドルモータ8か
ら供給されるFG信号と、所定の変換(後述する)が施
された文字や図形などの情報(以下、キャラクタコード
という)とに応じてレーザパワー変化信号を生成し、光
変調器5に出力する。
【0018】記録用レーザ発生器4(形成手段、形成ス
テップ)は、情報を記録するための記録用レーザビーム
を射出し、光変調器5に入射する。光変調器5は、トラ
ック幅変調信号発生回路3から供給されるレーザパワー
変化信号に応じて、記録用レーザ発生器4より射出され
るレーザビームの強度を変調し、光変調器6に出射す
る。光変調器6は、変調回路2から供給されるEFM信
号(2値信号)に応じて、光変調器5から入射されるレ
ーザビームを遮光または透過するようになされている。
【0019】反射鏡9は、光変調器6から出射されたレ
ーザビームを反射し、対物レンズ10に入射する。対物
レンズ10は、入射されたレーザビームをガラス原盤7
の所定の領域に収束させる。なお、スピンドルモータ8
は、所定の角速度でガラス原盤7を回転させるととも
に、ガラス原盤7が1回転する間にN個のパルスを生ず
るFG信号を発生し、トラック幅変調信号発生回路3に
供給するようになされている。ガラス原盤7上には、感
光材料が塗布されており、対物レンズ10によって集光
されたレーザビームにより、感光材料に情報が記録され
る。
【0020】図2は、トラック幅変調信号発生回路3の
詳細な構成例を示すブロック図である。この図におい
て、N進カウンタ21は、スピンドルモータ8から出力
されるFG信号のパルス数をカウントし、カウント値が
Nを越えるとオーバーフローを生じるとともにカウント
値を“0”にリセットする。M進カウンタ22は、N進
カウンタ21がオーバーフローを生じる度にカウントア
ップを行う。ROM(Read Only Memory)23は、後述
する所定の変換が施されたキャラクタコードのデータを
記憶しており、N進カウンタ21およびM進カウンタ2
2のカウント値によって指定されるアドレスに記憶して
いるデータを読み出し、D/A(Digitalto Analog)コ
ンバータ24に出力する。D/Aコンバータ24は、R
OM23から供給されたデータを、D/A変換し、レー
ザパワー変化信号として出力する。
【0021】次に、この実施例の動作について説明す
る。
【0022】ガラス原盤7への情報の記録が開始される
と、スピンドルモータ8が回転されるとともに、ビデオ
テープレコーダ1から記録しようとする映像または音声
情報の出力が開始される。トラック幅変調信号発生回路
3は、所定の領域(キャラクタ領域またはリードアウト
領域)にレーザビームが照射されている場合は、後述す
る変換処理が施されたキャラクタコードデータを光変調
器5に供給する。
【0023】スピンドルモータ8は、前述のように、ガ
ラス原盤7を所定の角速度で回転するとともに、ガラス
原盤7が1回転する間にN個のパルスを生ずるFG信号
を発生し、トラック幅変調信号発生回路3に供給する。
トラック幅変調信号発生回路3のN進カウンタ21(図
2参照)は、N個のパルスの入力を受けた場合にオーバ
ーフローを生じ、その際、M進カウンタ22がカウント
アップされる。また、ガラス原盤7には、後述するよう
に内周から外周に螺旋を描くように情報が記録されるの
で、M進カウンタ22のカウント値は現在のトラック数
を示し、また、N進カウンタ21のカウント値は、現在
のセクタ数を示すことになる。
【0024】ROM23は、N進カウンタ21およびM
進カウンタ22の値によって指定されるアドレスに格納
されている変換処理が施されたキャラクタコードデータ
を読み出し、D/Aコンバータ24に供給する。なお、
このROM23に記録されているデータの値は、0.5
乃至1.0とされており、D/Aコンバータ24では、
ROM23より供給されたデータの値が“1.0”の場
合は、振幅値が“1.0”のレーザパワー変化信号を生
成し、また、ROM23より供給されたデータが“0.
5”の場合は、振幅値が“0.5”のレーザパワー変化
信号を生成し、光変調器5に供給する。
【0025】光変調器5は、トラック幅変調信号発生回
路3から供給されるレーザパワー変化信号の振幅値に応
じて、記録用レーザ発生器4から射出されるレーザビー
ムの強度を変調する。光変調器5により変調が施された
レーザビームは、光変調器6に入射される。
【0026】光変調器6は、変調回路2から供給される
EFM信号に応じて、光変調器5から出射されるレーザ
ビームを変調する。即ち、光変調器6は、変調回路2か
ら供給されたEFM信号の値が“0”である場合は、レ
ーザビームを遮光し、一方、EFM信号の値が“1”の
場合はレーザビームを透過させる。
【0027】反射鏡9は、光変調器6より出射されたレ
ーザビームを反射し、対物レンズ10に入射する。対物
レンズ10は、入射されたレーザビームをガラス原盤7
の所定の領域に収束させる。ガラス原盤7の表面には感
光材が塗布してあるので、レーザ光線が照射された部分
にはピット(またはマーク)が形成されることになる。
【0028】なお、反射鏡9と対物レンズ10は、情報
の記録の進行に伴って、図示せぬサーボモータにより、
ガラス原盤7の内周側から外周側に徐々に移送される。
従って、ガラス原盤7には、内周側から外周側に向かっ
て螺旋状に情報が記録されることになる。
【0029】図3は、EFM信号とレーザパワー変化信
号とによって変調されたレーザビームにより形成される
ピットを示す図である。EFM信号は、映像または音声
情報に応じて、図3(a)に示すように、“0”または
“1”の何れかの状態とされる。レーザパワー変化信号
は、ROM23に記憶されているキャラクタコードデー
タに応じて“1”乃至“0.5”の値とされる。例え
ば、ROM23に記憶されている情報が“1.0”から
“0.9”に変化した場合には、レーザパワー変化信号
は図3(b)に示すように変化する。
【0030】光変調器5では、記録用レーザ発生器4よ
り射出されたレーザビームの強度を、レーザパワー変化
信号(図3(b))の値に応じて変調する。また、変調
回路6は、EFM信号(図3(a))の状態に応じて、
レーザビームを遮光または透過させる。その結果、光変
調器6から出射されるレーザビームは、図3(c)に示
すように、EFM信号(図3(a))と同一のタイミン
グで透過または遮光され、また、レーザパワー変化信号
(図3(b))の振幅に応じてその強度を変化すること
になる。
【0031】光変調器6から出射されたレーザビームに
より、ガラス原盤7上に形成されるピットは、図3
(d)に示すようになる。即ち、ピットのトラック方向
の長さは、EFM信号(図3(a))が“1”の状態と
されている時間に比例し、またピットのトラックに垂直
な方向の幅は、レーザパワー変化信号(図3(b))の
振幅値に比例したものとなる。
【0032】図4は、図1に示す実施例により形成され
るトラックを模式的に示した図である。本実施例により
形成されるトラックは、ROM23に記憶されている所
定の変換が施されたキャラクタコードデータに対応し
て、その幅が変化している。このようにして記録された
キャラクタコードデータを再生する方法については後述
する。
【0033】以上のようにしてキャラクタコードデータ
が記録されたガラス原盤7は、通常の光ディスク原盤と
同様の工程で現像され、メッキ処理が施される。そし
て、メッキ処理により得られたメタルマスタからメタル
マザーが形成され、メタルマザーを元にスタンパが形成
される。そして、このようにして形成されたスタンパに
より、複製ディスクを大量に生産することができる。
【0034】図5は、スタンパにより作成されたCDの
一例を示す図である。CD30は、ディスクの中心部分
に設けられたセンターホール31、クランプエリア3
2、ディスク空き領域(キャラクタコード領域)33、
リードインエリア34、プログラムエリア35、リード
アウトエリア36により構成されている。
【0035】図6は、図5に示すCDの断面図を示して
いる。CD30の基板50上には、情報を記録するため
の反射膜51が形成されており、また、反射膜51の表
面には、反射膜を埃などから保護するための保護膜52
が形成されている。
【0036】本実施例では、ディスク空き領域33また
はリードアウトエリア36に対してキャラクターコード
を記録するようになされている。従って、これらの部分
のトラックの幅(光ディスク30の半径方向の幅)は、
キャラクタコードデータに応じて変調されている。
【0037】次に、本実施例により、記録媒体にキャラ
クタコードを記録するための原理を説明する。
【0038】図7は、物体Aから球面S0上への回折の
パターンを説明する図である。この図において、物体A
は、S1平面上に配置されており、この物体から発した
光は、距離Rだけ離れた球面S0上に結像する。いま、
平面S1上における物体Aの広がり(直径)が、距離R
に比較して非常に小さいと仮定し、物体Aから発する光
の平面S1上での波面をU1(x1,y1)とし、また、球
面S0上における回折光の波面をU0(R,θ,φ)とす
る。このとき、U0(R,θ,φ)は、以下の式で表す
ことができる。なお、ここでλは、光の波長を表してい
る。
【0039】
【数1】
【0040】次に、物体Aがy方向に伸びる回折格子で
ある場合について考察する。先ず、回折格子(物体A)
に対して、z軸の+方向からレーザ光を照射した場合に
生ずる球面S0上での回折パターンを計算する。この場
合、回折格子の形状により決まる位相格子をp(x1
1)と表し、入射されるレーザ光の平面S1上での波面
をg(x1,y1)と表すと、回折格子から平面S0上に
投影される波面U1(x1,y1)は、以下のように表す
ことができる。
【0041】 U1(x1,y1)=g(x1,y1)×p(x1,y1) ・・・(2)
【0042】式(1)に式(2)を代入すると、次に示
す式(3)を得る。
【0043】
【数2】
【0044】式(3)の右辺に含まれている2つの積分
はフーリエ変換となっており、関数gとpに対してフー
リエ変換をそれぞれ施した結果のコンボリューションを
計算したものが、球面S0上における回折光の波面U
0(R,θ,φ)となる。
【0045】ところで、入射レーザ光の強度分布がガウ
シアン分布を有する場合、フーリエ変換後もこのガウシ
アン分布は保持される。従って、関数pのフーリエ変換
を求めることにより、式(3)を求めることができる。
【0046】以下では、関数pで表されている位相格子
が光ディスクのトラックである場合について検討する。
即ち、回折格子が次のような形状を有するものとする。
【0047】(a)トラックの深さhは一定である。 (b)トラックのピッチtpは一定である。 (c)トラックの幅は以下に示す式(4)で表される。
【0048】
【数3】
【0049】但し、ここで、nはトラック番号であり、
nは第n番目のトラックの幅であり、Tjはトラック幅
変調周期(1周期の半径方向の長さ)であり、Aはトラ
ック幅変化の中心値であり、また、Bはトラック変化の
振幅を示している。
【0050】以上のような条件を満足するトラックの形
状の断面図を図8に示す。
【0051】このようなトラックにより形成される位相
格子pは、式(5)により表すことができる。
【0052】
【数4】
【0053】なお、この式の右辺に含まれているrec
t(x)は、レクト関数と呼ばれ、図9に示すように、
xの値が、−1/2≦x≦1/2の範囲にある場合に、
rect(x)=1となる。
【0054】従って、rect((x1−n・tp)/w
n)は、図10に示すようになる。即ち、この関数は、
1−n・tp=0となるx1を中心として、幅wnの区間
で値1を持つ。
【0055】式(5)にフーリエ変換を施すと、式
(6)を得る。なお、この式の右辺に含まれているsi
nc(x)はシンク関数であり、sinc(x)=si
n(πx)/πxである。
【0056】
【数5】
【0057】更に、0<fθ<<1/Tjの領域の回折
パターンについてのみ考えることにすると、式(7)の
近似が成り立つ。このようにして得られた式(7)に式
(4)を代入することにより、式(8)を得る。
【0058】この式(8)は、fθ=±1/Tj,fφ
=0を満たすときにのみ値を持つδ関数状となる。
【0059】以上の結果に基づき、式(3)の計算を行
う。前述のように、関数gがガウシアン分布関数である
場合、フーリエ変換の結果もまたガウシアン分布関数と
なる。即ち、関数gのフーリエ変換の結果は図11のよ
うになる。
【0060】また、関数pの積分結果は、図12に示す
ようになる。即ち、トラック幅変調周期がT1,T2,T
3,T4である場合、関数pは、fθ=±1/T1,±1
/T2,±1/T3,±1/T4の位置にインパルスを生
ずる。
【0061】関数g,pがそれぞれ図11と図12のよ
うに示される場合、関数gとpのコンボリューションで
表される式(3)は、図13のようになる。即ち、図1
2のインパルスが配置されている位置に、図11に示す
ガウシアン分布を有する曲面が配置されることになる。
【0062】なお、これらの図では、説明を簡略化する
ために、各関数のz軸方向は、絶対値表示とされてい
る。
【0063】以上の結果から、次の結論を導くことがで
きる。
【0064】(a)幅の異なるトラックにより形成され
る位相格子にレーザビームを照射した場合の回折光の回
折角は、トラック幅の変調周期により決まる。 (b)幅変調周期Tjと回折角θjとの関係は、以下のよ
うに表すことができる。 fθ=±1/Tj=sinθj/λ ・・・(9) (c)幅変調関数は重ね合わせることが可能で、複数の
周期の関数が重ね合わされた場合は、全ての周期Tj
対応した回折光が生ずる。
【0065】以上のような結果に基づき、以下では、ト
ラック幅変調が施された光ディスクにレーザビームを照
射した場合に生ずる回折光について説明する。
【0066】図14は、トラック幅変調が施されていな
い、従来の光ディスクにレーザビームを照射した場合の
反射光と回折光を示している。なお、このときに照射さ
れるレーザビームは、約1000本のトラックを同時に
カバーできる程度のビーム面積を有している。
【0067】図14に示すように、ディスクの記録面に
対して入射角θrで入射されたレーザビーム(入射光)
は、反射の法則に従って、ディスクの記録面に垂直な法
線に対する角度がθrとなる方向に反射される。また、
トラックピッチにより回折角が決定される回折1次光
は、反射光に対して式(10)を満たすθ0の方向に回
折される。即ち、入射光は、法線に対してθrの角度に
反射される反射光と、この反射光に対して±θ0の角度
に回折される2つの回折1次光とに分離される。
【0068】 sin(θr+θ0)±λ/tp=sinθr ・・・(10)
【0069】図15は、周期Tでトラック幅変調した場
合の入射光と回折光の関係を示す図である。図14の場
合と比較して、トラック幅変調を行った場合では、反射
光に対して、式(11)を満たすθ1で表される方向に
新たな回折光が生じている。このとき、角度θ1は以下
の式で表すことができる。
【0070】 sin(θr+θ1)±λ/T=sin(θr+θ1)±λ/(Tp・NT) =sinθr ・・・(11)
【0071】ここで、tPはトラックピッチを表してお
り、NTはトラック幅変調周期(1周期分のトラック
数)を表している。この例では、単一の周期の信号によ
りトラック幅変調を行っているため、回折光は、1次回
折光を除くと、反射光に対してθ1の角度に回折される
1種類のみである。
【0072】図16の実施例は、n種類の周期Tj(j
=1,2,3,・・・,n)を有する信号によりトラッ
ク幅変調を行った場合を示している。このように複数の
周期を有する信号によりトラック幅変調を行うと、1次
回折光以外にもn種類の回折光を生じることになる。
【0073】図17は、光ディスク30のキャラクタコ
ード(文字“CHARACTER”)が記録された領域
(キャラクタコード領域)に、トラック幅変調によりト
ラックを形成し、この領域に対してレーザビームを照射
した場合に生ずる反射光および回折光を示す図である。
この例では、図16の場合と同様に複数の周期を有する
信号によりトラック幅変調がなされているので、複数の
回折光を生じることになる。
【0074】また、トラック幅変調により記録されたデ
ータは、図18に示すように自然光を照射した場合には
直接肉眼で見ることができない。従って、図17の実施
例に対して、自然光が照射された場合には、文字“CH
ARACTER”だけが観察されることになる。
【0075】トラック幅変調により記録されたキャラク
タコードは、図19に示す本発明を適用した光記録媒体
再生装置により再生することができる。
【0076】この図において、スクリーン70(抽出手
段、抽出ステップ)は光ディスク30からの回折光が投
影されるようになされている。レーザビーム入射方向制
御回路71は、図示せぬスピンドルモータから出力され
るFG信号に応じてレーザ光源72(照射手段、照射ス
テップ)が出射するレーザビームの入射方向を制御す
る。即ち、入射方向制御回路71は、光ディスク30の
回転に同期して、スクリーン70の左(図の左)端から
右(図の右)端方向に回折光が投影されるようにレーザ
光源72から出射されるレーザビームの入射方向を制御
する。その結果、光ディスク30に記録されている情報
がスクリーン70上に走査され、元の2次元の情報が再
生されることになる。
【0077】次に、この実施例の動作について説明す
る。
【0078】レーザビーム入射方向制御回路71は、F
G信号を参照し、光ディスク30の回転に同期して、レ
ーザ光源72から射出されるレーザビームの入射方向を
制御する。その結果、光ディスク30からの回折光はス
クリーン70上を、左端から右端に向かって走査される
ことになるので、回折光に応じた光の濃淡がスクリーン
70に現れ、記録されている2次元の情報を可視化する
ことができる。なお、この実施例の詳細な動作について
は後述する。
【0079】次に、本発明の光記録媒体記録装置によ
り、光ディスク30に文字や図形などの情報を記録する
場合のプロセスの一例について説明する。
【0080】図20は、キャラクタコードとして文字
“H”を記録する場合のデータの変換方法を説明する図
である。この図において、記録しようとする文字“H”
は、縦、横それぞれ9×4画素からなるマトリクス90
上に描かれている。また、縦方向の列を構成する画素v
1乃至v9の中心点とレーザビームが照射されている領域
の中心点とを結ぶ直線と、反射光との間の角度は、θ1
乃至θ9とされている。更に、マトリクス90の縦方向
の列(h1乃至h4)は、光ディスク30上の領域m1
至m4にそれぞれ対応づけられている。即ち、マトリク
ス90の列h1の画素データは、領域m1に記録され、ま
た、列h2乃至h4はそれぞれ領域m2乃至m4に記録され
る。
【0081】このような構成において、マトリクス90
に描かれている文字“H”を光ディスク30に記録する
場合、先ず、角度θ1乃至θ9を求める。そして、これら
の角度の回折光を生じるようにするためのトラック幅変
調周期NT1乃至NT9を以下の式より求める。ここで、λ
はレーザビームの波長を表しており、tpはトラックピ
ッチ、θrはレーザビームの光ディスク30に対する入
射角を表している。
【0082】 NTj=λ/(tp・(sin(θr+θj)−sinθr)) ・・・(12)
【0083】次に、マトリクス90に描かれている文字
“H”の各列(h1乃至h4)を構成する画素のうち、O
Nの状態とされている(黒く塗りつぶされている画素)
に対応する角度(θ1乃至θ9)を求め、求められた角度
を、対応するトラック変調周期NT1乃至NT9に変換す
る。例えば、列h1では全てのビットがONの状態とさ
れているので、求める角度はθ1乃至θ9であり、トラッ
ク変調周期はNT1乃至NT9となる。また、列h2ではθ5
が求める角度であり、トラック変調周期はNT5となる。
【0084】各列から得られたトラック変調周期は、以
下に示す式により、トラック幅のデータに変換すること
ができる。ここで、W1はトラックの最小幅、W2はト
ラックの最大幅を表している。
【0085】
【数6】
【0086】例えば、領域m0に形成される第k番目の
トラックの幅Lkは、列h1から得られたトラック変調周
期NT1乃至NT9を式(13)に代入することにより求め
られる。
【0087】この得られた値Lkを図2に示すROM2
3に記憶させ、スピンドルモータ8からのFG信号を参
照して領域m1を検出し、検出された領域に値Lkに対応
した幅のトラックを形成するようにすれば、マトリクス
90の列h1に対応するデータを記録することができ
る。
【0088】同様の方法により、列h2乃至h4のデータ
からトラック幅変調信号を生成し、ROM23に記憶さ
せ、領域m2乃至m4に幅変調を施したトラックを形成す
ることにより、マトリクス90上のデータ“H”を記録
することができる。
【0089】このようにして、光ディスク30に記録さ
れたデータは、図19に示すように、所定の位置にスク
リーンを配置し、レーザビームを照射しながら光ディス
ク30を回転させることにより再生することができる。
即ち、光ディスク30が回転され、情報が記録されてい
る領域m1にレーザビームが照射されると、回折光がス
クリーン90に投影され、記録されている情報(マトリ
クス90の列h1の画素データ)が光の濃淡としてスク
リーンに投影される。
【0090】光ディスク30が更に回転されると、m2
乃至m4に記録されている情報が次々とスクリーン70
上に投影されることになる。このとき、レーザビームの
入射方向を、FG信号に同期してレーザビーム入射方向
制御回路71により制御することにより、それぞれの領
域(領域m1乃至m4)からの回折光がスクリーン90の
奥(紙面の奥)から手前(紙面の手前)に順に投影され
るようにすると、図20に示す文字“H”を再生するこ
とができる。
【0091】図21は、本発明の光記録媒体再生装置の
他の構成の一例を示す図である。
【0092】この図において、レーザ光源100(照射
手段、照射ステップ)は、光ディスク30の所定の位置
にレーザビームを照射するようになされている。ライン
センサ101(抽出手段、抽出ステップ)は、光ディス
ク30からの回折光を光電変換し、1ライン分の画像信
号に変換する。ラインセンサ駆動回路102(抽出手
段、抽出ステップ)は、ラインセンサ101からの1ラ
イン分の画像信号を図示せぬスピンドルモータから出力
されるFG信号に同期して読み込み、1画面分の画像信
号に合成した後、例えば、NTSC(National Televis
ion System Committee)信号に変換してモニタ103に
出力する。モニタ103は、ラインセンサ駆動回路10
2から出力されるNTSC信号を表示出力する。
【0093】次に、この実施例の動作について説明す
る。例えば、図20に示す方法により文字“H”が記録
された光ディスク30を再生する場合、図示せぬスピン
ドルモータにより光ディスク30の回転が開始される
と、レーザ光源100からレーザビームの照射が開始さ
れる。
【0094】光ディスク30の領域m1乃至m4には、マ
トリクス90の列h1乃至h4のビットデータが記録され
ており、光ディスク30の回転に応じて、領域m1乃至
4の順にレーザビームが照射される。このとき、光デ
ィスク30からの回折光は、ラインセンサ101に入射
され、1ライン分の画像信号に変換され、ラインセンサ
駆動回路102に出力される。
【0095】ラインセンサ駆動回路102は、図示せぬ
スピンドルモータから出力されるFG信号により、レー
ザビームが現在照射されているディスク上の位置を検出
しているので、レーザビームが領域m1乃至m4に照射さ
れている場合、ラインセンサ101から出力される1ラ
イン分の画像信号を、図示せぬメモリの所定の領域に逐
次記憶させていく。そして、1画面分の画像信号の入力
が終了すると(領域m1乃至m4の全ての領域からの画像
信号の入力が終了すると)、メモリに記憶された画像信
号をNTSC信号に変換し、モニタ103に出力する。
モニタ103はラインセンサ駆動回路102から供給さ
れた画像信号を表示出力する。その結果、光ディスク3
0に記録された情報を再生することが可能となる。
【0096】以上のような構成によれば、例えば、キャ
ラクタ領域のような微小な領域に多くの情報を記録する
ことができる。
【0097】図22は、本発明の光記録媒体記録装置の
他の構成例を示すブロック図である。この図において、
図1と同一の部分には同一の符号が付してあるので、そ
の説明は省略する。
【0098】この実施例においては、トラック幅変調信
号発生回路3の代わりにトラック位置変調信号発生回路
200が付加され、また、光変調器6の代わりに光偏向
器201が付加されている。更に、変調回路2の出力
は、光変調器5に入力されており、また、トラック位置
変調信号発生回路200の出力は、光偏向器201に入
力されている。なお、その他の構成は図1における場合
と同様である。
【0099】トラック位置変調信号発生回路200の詳
細な構成は、図2の場合と同様である。即ち、スピンド
ルモータ8から出力されるFG信号から現在レーザビー
ムが照射されているガラス原盤7のアドレスを検出し、
検出されたアドレスに対応したデータをROM23から
読み出す。そして、読み出したデータをD/Aコンバー
タ24によりアナログ信号に変換し、偏向量制御信号と
して光偏向器201に出力する。
【0100】この実施例により形成されるトラックの一
例を図23に示す。トラック位置変調された場合に形成
されるトラックは、位置変調を行わない場合(図中点線
で示されている場合)に比較して、δn(n=−2,−
1,・・・,2)だけ位置のずれを生ずる。このとき、
このずれ(トラック位置変調量)δnは、トラック番号
nと変調周期Tm(m=0,1,2,・・・)とにより
以下のように表される。なおここで、amは定数であ
る。
【0101】
【数7】
【0102】ROM23に記憶されているデータは、ガ
ラス原盤7に記録しようとするキャラクタデータの各ビ
ットを図20に示すようにして回折角θに変換し、得ら
れた回折角θを以下の式に代入し、このTmの値を式
(14)に更に代入した場合に得られるδnである。
【0103】 Tm=l・λ/sinθ (l=1,2,3・・・) ・・・(15)
【0104】次に、この実施例の動作について説明す
る。スピンドルモータ8が回転され、ガラス原盤7への
記録が開始されると、ビデオテープレコーダ1がデータ
の再生を開始する。ビデオテープレコーダ1から出力さ
れたデータは、変調回路2に供給され、誤り訂正符号が
付加された後、EFM方式に基づき変調され、2値信号
として光変調器5に出力される。
【0105】光変調器5は、記録用レーザ発生器4から
出力されるレーザビームを変調器2から出力される2値
信号に応じて遮光または透過させ、光偏向器201に出
射する。
【0106】光偏向器201には、トラック位置変調信
号発生回路200からの出力信号が入力されており、光
偏向器201は、ROM23に記憶されているデータに
応じて、レーザビームを偏向し、反射鏡9に出射する。
【0107】反射鏡9は、光偏向器201から出射され
たレーザビームを反射し、対物レンズ10に入射する。
対物レンズ10は、入射されたレーザビームをガラス原
盤7の所定の領域に収束する。その結果、ガラス原盤7
のレーザビームが照射された領域には、スポット(マー
ク)が形成されることになる。
【0108】図24は、このようにして形成されたトラ
ックの一例を示す図である。この図に示すように、ガラ
ス原盤7に形成されるトラックは、トラック位置変調信
号発生回路200からの出力信号に応じて、その位置が
半径方向に変化している。このようにして形成されたト
ラックに対してレーザビームを照射した場合、回折光の
回折角が位置変調周期Tmに応じて変化するので、回折
角が所定の値となるようにTmを設定することにより、
所望のキャラクタコードを記録することが可能となる。
【0109】図25は、本発明の光記録媒体記録装置の
他の構成の一例を示すブロック図である。
【0110】この図において、図1と同一の部分には同
一の符号が付してあるので、その説明は省略する。この
実施例では、図1に示すトラック幅変調信号発生回路3
の代わりにトラック深さ変調信号発生回路210が付加
されている。その他の構成は図1における場合と同様で
ある。
【0111】トラック深さ変調回路210は、ガラス原
盤7に形成されるトラックの深さを変調するための信号
を発生するようになされている。なお、このトラック深
さ変調信号発生回路210の詳細な構成は、図2に示す
場合と同様である。
【0112】このような実施例により、ガラス原盤7に
形成されるトラックの一例を図26に示す。この図に示
すように、トラックの深さhn(n=−2,−1,0,
・・・,3)は、記録しようとするキャラクタコードに
応じて変化する。いま、amを定数とすると、トラック
の深さhnと深さ変調周期Tmとの関係は以下の式により
表される。
【0113】
【数8】
【0114】ROM23に記憶されているデータは、ト
ラックの深さhnであり、次のようにして求めることが
できる。即ち、先ず、ガラス原盤7に記録しようとする
キャラクタデータの各ビットを図20に示すようにして
回折角θに変換し、この回折角θを以下の式に代入し、
得られたTmの値を式(16)に更に代入することによ
り求めることができる。
【0115】Tm=λ/sinθ ・・・(17)
【0116】次に、この実施例の動作について説明す
る。スピンドルモータ8が回転され、ガラス原盤7への
記録が開始されると、ビデオテープレコーダ1がデータ
の再生を開始する。ビデオテープレコーダ1から出力さ
れたデータは、変調回路2に供給され、誤り訂正符号が
付加された後、EFM方式に基づき変調され、2値信号
として光変調器6に出力される。
【0117】光変調器5には、トラック深さ変調信号発
生回路210からの出力信号が入力されており、光変調
器5は、ROM23に記憶されているデータに応じて、
記録用レーザ発生器4から出射されたレーザビームの強
度を変調し、変調器6に出射する。
【0118】光変調器6は、光変調器5から出射される
レーザビームを、変調器2から出力される2値信号に応
じて遮光または透過させ、反射鏡9に出射する。
【0119】反射鏡9は、入射されたレーザビームを反
射し、対物レンズ10に入射する。対物レンズ10は、
入射されたレーザビームをガラス原盤7の所定の領域に
集光する。その結果、ガラス原盤7のレーザビームが照
射された領域にはスポット(マーク)が形成される。
【0120】以上の実施例により、ガラス原盤7に形成
されるトラックは、トラック深さ変調信号発生回路21
0からの出力信号に応じて、その深さが変化する。この
ようにして形成されたトラックに対してレーザビームを
照射した場合、回折光の回折角が変調周期Tmに応じて
変化するので、Tmを適当に設定することにより、既述
のように所望のキャラクタコードを記録することが可能
となる。
【0121】以上のような実施例によれば、光ディスク
30からの回折光により情報が再生されるので、1mm
×1mm程度の微小領域に多くの情報を記録することが
可能となる。従って、例えば、CDのキャラクタ領域や
リードアウト領域に対して、キャラクタコードを記録す
るようにした場合、従来の場合に比較してより多くの情
報を記録することが可能となる。
【0122】また、本実施例により記録されたキャラク
ターコードは、従来のキャラクタコードとは再生の方法
が異なるので、これら2つのキャラクタコードを重畳し
て記録することも可能である。つまり、情報を多重化し
て記録することが可能となる。
【0123】更にまた、このようにして記録された情報
は、簡単な装置により再生することが可能であるので、
以上の方法によりバーコード等の情報をCDに記録し、
記録された情報に基づいて、例えば、パーソナルコンピ
ュータ等により、CDの製造ライン等の管理を行うこと
も可能となる。
【0124】なお、以上の実施例では、記録用レーザビ
ーム発生器4は、図11に示すガウシアン分布を有する
レーザビームを照射するものとしたが、本発明はこれの
みに限定されるものではないことは勿論である。例え
ば、関数gが図27に示す、面内に一定の強度を持つ直
径wの平行ビームである場合、このレーザビームを式
(3)によりフーリエ変換した結果は、図28に示すよ
うなエアリーディスク状のパターンとなる。
【0125】関数pが図29に示すようなインパルス列
である場合、式(3)の計算結果、即ち、関数gと関数
pとのコンボリューションを計算した結果は、図30の
ようになる。
【0126】従って、図27に示すようなレーザビーム
を使用した場合においても、ガウシアンビームを用いた
場合と同様に情報を記録することが可能である。
【0127】本実施例では、記録しようとする情報に応
じてトラックの幅や位置を変化させるようにしたが、こ
の他にも、例えば、グルーブの幅、位置、深さなどを変
化するようにしてもよい。
【0128】更に、本実施例では、螺旋状にトラックを
形成するようにしたが、同心円状にトラックを形成する
ようにしてもよいことは勿論である。
【0129】
【発明の効果】請求項1に記載の光記録媒体において
は、複数のトラックを含む領域に対して所定の波長の光
が照射された場合に、回折光の強度分布が所定のパター
ンとなるようにピットまたはマークを形成することで、
他の情報を記録するようにしたので、従来に比べて微小
な領域により多くの情報を記録することが可能となる。
【0130】請求項4に記載の光記録媒体記録装置およ
び請求項8に記載の光記録媒体記録方法においては、複
数のトラックを含む領域に対して所定の波長の光が照射
された場合に、回折光の強度分布が所定のパターンとな
るようにピットまたはマークを形成するようにしたの
で、光記録媒体の微小な領域に対して多くの情報を記録
することが可能となる。
【0131】請求項9に記載の光記録媒体再生装置およ
び請求項10に記載の光記録媒体再生方法によれば、光
記録媒体の所定の領域に対して、所定の波長の光を照射
し、照射された光の回折光から第2の情報を抽出するよ
うにしたので、簡単な装置によりキャラクタコードを再
生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成の一例を示すブロック図
である。
【図2】図1に示すトラック幅変調信号発生回路3の詳
細な構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示す実施例の主要部分の信号のタイミン
グを示すタイミング図である。
【図4】図1に示す実施例により形成されるトラックの
一例を示す図である。
【図5】図1に示すガラス原盤をもとにして形成された
光ディスクの構成を示す図である。
【図6】図5に示す光ディスクの断面を示す断面図であ
る。
【図7】平面S1上の物体Aから照射された光が球面S0
に入射される様子を示す図である。
【図8】トラック幅変調を行った場合のトラック幅の変
化の一例を示す図である。
【図9】レクト関数を説明する図である。
【図10】レクト関数を説明する図である。
【図11】球面S0上での光ビームの分布の様子を示す
図である。
【図12】関数pの積分結果を示す図である。
【図13】図11と図12のコンボリューション結果を
示す図である。
【図14】トラック幅変調を行っていない光ディスクに
レーザビームを照射した場合の反射光と回折光の関係を
示す図である。
【図15】単一の周期の信号によりトラック幅変調を行
った場合の反射光と回折光の関係を示す図である。
【図16】複数の周期の信号によりトラック幅変調を行
った場合の反射光と回折光の関係を示す図である。
【図17】光ディスクのキャラクタコード領域にトラッ
ク幅変調によりデータを記録した場合の反射光と回折光
との関係を示す図である。
【図18】光ディスクのキャラクタコード領域にトラッ
ク幅変調によりデータを記録した場合のディスクの外観
を示す図である。
【図19】本発明の光記録媒体再生装置の構成の一例を
示す図である。
【図20】光ディスクに文字や図形などのデータを記録
する際のプロセスの一例を示す図である。
【図21】本発明の光記録媒体再生装置の他の構成の一
例を示す図である。
【図22】本発明の光記録媒体記録装置の他の構成例を
示すブロック図である。
【図23】図22に示す実施例により形成されるトラッ
クの一例の断面を示す図である。
【図24】図22に示す実施例により形成されるトラッ
クの一例を示す図である。
【図25】本発明の光記録媒体記録装置の更に他の構成
の一例を示すブロック図である。
【図26】図25の実施例により形成されるトラックの
断面を示す図である。
【図27】記録用レーザ発生器4から射出されるレーザ
ビームの他の一例を示す図である。
【図28】図27に示すレーザビームをフーリエ変換し
た場合のグラフである。
【図29】関数pの積分結果を示す図である。
【図30】図28と図29のコンボリューションを計算
した場合の図である。
【符号の説明】
1 ビデオテープレコーダ,2 変調回路, 3 トラ
ック幅変調信号発生回路(形成手段、形成ステップ),
4 記録用レーザ発生器(形成手段、形成ステッ
プ), 5 光変調器, 6 光変調器 7 ガラス原
盤, 8 スピンドルモータ, 9 反射鏡, 10
対物レンズ, 21 N進カウンタ,22M進カウン
タ,23 ROM, 24 D/Aコンバータ,30
光ディスク,70 スクリーン(抽出手段、抽出ステッ
プ), 71 レーザビーム入射方向制御回路, 72
レーザ光源(照射手段、照射ステップ),100 レ
ーザ光源(照射手段、照射ステップ), 101 ライ
ンセンサ(抽出手段、抽出ステップ), 102 ライ
ンセンサ駆動回路(抽出手段、抽出ステップ), 10
3 モニタ,

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームにより、ピットまたはマークを
    トラック上に形成することにより情報を記録する光記録
    媒体において、 複数の前記トラックを含む領域に対して所定の波長の光
    が照射された場合に、回折光の強度分布が所定のパター
    ンとなるように前記ピットまたはマークを形成すること
    により、前記情報とは異なる他の情報が記録されている
    ことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記所定の波長の光はレーザビームであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記領域はキャラクタコード領域または
    リードアウト領域であることを特徴とする請求項1に記
    載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 光ビームにより、ピットまたはマークを
    トラック上に形成することにより光記録媒体に情報を記
    録する光記録媒体記録装置において、 複数の前記トラックを含む領域に対して所定の波長の光
    が照射された場合に、回折光の強度分布が所定のパター
    ンとなるように前記ピットまたはマークを形成する形成
    手段を備えることを特徴とする光記録媒体記録装置。
  5. 【請求項5】 前記形成手段は、前記回折光の強度分布
    が所定のパターンとなるように、前記ピットまたはマー
    クの幅を変化させることを特徴とする請求項4に記載の
    光記録媒体記録装置。
  6. 【請求項6】 前記形成手段は、前記回折光の強度分布
    が所定のパターンとなるように、前記ピットまたはマー
    クが形成される位置をトラックに対して垂直な方向に変
    化させることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体
    記録装置。
  7. 【請求項7】 前記形成手段は、前記回折光の強度分布
    が所定のパターンとなるように前記ピットまたはマーク
    の深さを変化させることを特徴とする請求項4に記載の
    光記録媒体記録装置。
  8. 【請求項8】 光ビームにより、ピットまたはマークを
    トラック上に形成することにより光記録媒体に情報を記
    録する光記録媒体記録方法において、 複数の前記トラックを含む領域に対して所定の波長の光
    が照射された場合に、回折光の強度分布が所定のパター
    ンとなるように前記ピットまたはマークを形成する形成
    ステップを備えることを特徴とする光記録媒体記録方
    法。
  9. 【請求項9】 トラック上にピットまたはマークを形成
    することにより記録される第1の情報と、複数の前記ト
    ラックを含む領域に所定の波長の光が照射された場合
    に、回折光の強度分布が所定のパターンとなるように記
    録されている第2の情報とが記録されている光記録媒体
    から前記第2の情報を再生する光記録媒体再生装置であ
    って、 前記光記録媒体の前記所定の領域に対して、前記所定の
    波長の光を照射する光照射手段と、 前記光照射手段により照射された光の回折光から前記第
    2の情報を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とす
    る光記録媒体再生装置。
  10. 【請求項10】 トラック上にピットまたはマークを形
    成することにより記録されている第1の情報と、複数の
    前記トラックを含む領域に所定の波長の光が照射された
    場合に、回折光の強度分布が所定のパターンとなるよう
    に記録されている第2の情報とが記録されている光記録
    媒体から第2の情報を再生する光記録媒体再生方法であ
    って、 前記光記録媒体の前記所定の領域に対して、前記所定の
    波長の光を照射する光照射ステップと、 前記光照射ステップにより照射された光の回折光から前
    記第2の情報を抽出する抽出ステップとを備えることを
    特徴とする光記録媒体再生方法。
JP8158143A 1996-06-19 1996-06-19 光記録媒体、光記録媒体記録装置、光記録媒体記録方法、光記録媒体再生装置、および光記録媒体再生方法 Pending JPH1011804A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7388694B2 (en) 2002-11-15 2008-06-17 Yamaha Corporation Method, program and system for image drawing
US7671880B2 (en) 2003-01-17 2010-03-02 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Optical disk labeling system and method

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