JPH10117663A - 水底付着物の除去装置 - Google Patents

水底付着物の除去装置

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JPH10117663A
JPH10117663A JP29339496A JP29339496A JPH10117663A JP H10117663 A JPH10117663 A JP H10117663A JP 29339496 A JP29339496 A JP 29339496A JP 29339496 A JP29339496 A JP 29339496A JP H10117663 A JPH10117663 A JP H10117663A
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吉人 米山
Yoshimi Yamada
義巳 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水底の付着物を噴射により除去し、噴射エネ
ルギーの損失が少なく、大面積の施工にも対応できる除
去装置を提供する。 【解決手段】 船上から供給される高圧の水及び空気を
噴射し水底付着物102を除去する除去装置10であっ
て、船との間に接続される牽引ワイヤー114と、牽引
フレーム16と、一対のガイド車輪12と、噴射ユニッ
ト20とを有し、牽引フレーム16と噴射ユニット20
とは、連結部19、34においてジョイントピン43を
介して互いに回動自在に連結され、噴射ユニット20
は、フレーム部32と、高圧水等の噴射方向30を鉛直
下方に保持可能なノズルユニットとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海底、川底、湖底
等の水底の岩石等に付着した雑藻類等を除去する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンブの胞子が付着するべき海底
の岩石に雑藻類等が付着繁殖するために、コンブの収穫
量が減少する等の被害が発生するようになった。その対
策の1つとして、従来、このような海底岩石の表面に高
圧噴射水を吹き付けることにより、好ましくない付着物
を除去することが行われていた。この作業は、以前には
潜水夫による手作業で行われることが多かったが、危険
である上に効率も悪かった。
【0003】そのため、この作業を機械化することが考
えられた。例えば、特公平第7−102061号では、
高圧水及び高圧空気の噴射機構を具備した除去装置を船
上からクレーンで降ろして海底に載置し、船上からの操
作により高圧水及び高圧空気を供給し、海底の付着物を
破砕して除去し、エアリフト作用により除去物を海面上
に浮上させるシステムが開示されている。この除去装置
は箱形であり、その底面部に噴射機構を有している。基
本的にはクレーンによる昇降によりその位置を変えるも
のであるが、箱の下部にローラ等を付けて海底上を横に
移動させるアイデアも示されている。また、箱の底部に
は各噴射ノズルを囲むように隔壁が設けられており、こ
れにより噴射エネルギーが拡散して減衰することを防い
でいる。また、特開平第5−228451号にも同様の
システムに用いる除去装置が開示されており、除去物を
積極的に回収する回収機構を具備している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の先願に開示され
た除去装置は、いずれもクレーンによる吊り上げ及び吊
り下ろしによりその位置を移動させて作業を行うので、
ポイント的施工となり、広い面積に対する施工において
は極めて非効率的である。特公平第7−102061号
には、箱形の除去装置にローラを付けて横移動させるア
イデアも示されているが、このような箱形の装置の底部
に単にローラを設けたのみでは、不規則な凹凸のある水
底を円滑に移動させることは到底困難である。また、従
来の除去装置は、底面部に設けられた噴射ノズルが一定
の向きに固定されているので、水底の凹凸により箱が傾
いた場合には、適切な方向に噴射が行われないおそれが
ある。実際、施工される自然の水底は、平坦である場合
よりもむしろ至る所に凹凸のある場合が普通である。
【0005】このように従来の除去装置は、手作業よる
危険性を回避することはできたが、効率の面ではまだ多
くの改善の余地があった。
【0006】以上の現状に鑑み、本発明の目的は、水底
の付着物を効率よく除去することができる噴射機構を具
備する除去装置を提供することである。特に、噴射エネ
ルギーの損失も少なく、大面積の施工にも対応できる除
去装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するべ
く、本発明による水底付着物の除去装置は、船上から供
給される高圧水及び高圧空気を噴射することにより水底
の付着物を除去する除去装置であって、前記船に牽引さ
れることにより水底における移動を可能とするべく該船
との間に接続される牽引ワイヤーと、前記牽引ワイヤー
を取り付ける牽引フレームと、前記牽引フレームの両端
において軸支される一対のガイド車輪と、前記牽引フレ
ームの後方に連結される噴射ユニットとを有し、前記牽
引フレームと前記噴射ユニットとは、互いの連結のため
の連結部をそれぞれ有し、ジョイントピンを介して双方
の連結部を互いに回動自在に接続することにより連結さ
れ、前記噴射ユニットは、前記連結部を設けたフレーム
部と、前記高圧水及び前記高圧空気の噴射ノズルの噴射
方向を鉛直下方に保持可能なノズルユニットとを具備す
る。
【0008】さらに、好適には、前記噴射ユニットの前
記フレーム部が、対向する前フレームと後フレーム及び
対向する左フレームと右フレームからなる矩形フレーム
と、前記対向する前フレーム及び後フレームから下方に
延在して水底に接することにより前記噴射ユニットを支
持する複数の半円輪フレームとからなり、前記前フレー
ムに前記牽引フレームとの連結部が設けられる。
【0009】またさらに、好適には、前記噴射ユニット
の前記フレーム部が、前記対向する左フレーム及び右の
フレームの各々の中央部下側において一端を軸支されて
吊り下げられた一対の懸架アームと、前記一対の懸架ア
ームの双方を連動させるべく架け渡された1又は複数の
水平フレームとを有し、前記ノズルユニットが、前記水
平フレーム上に設置固定されることにより前記懸架アー
ムと一体的に動く。
【0010】またさらに、好適には、少なくとも1つの
前記水平フレームの内部に錘を有する。
【0011】またさらに、好適には、前記複数の半円輪
フレームが等間隔に設置されており、前記ノズルユニッ
トの前記噴射ノズルから噴射される噴流が、隣り合う2
つの半円輪フレームの間隙を通過するように該ノズルユ
ニットが設置される。
【0012】またさらに、好適には、前記ガイド車輪の
径と前記半円輪フレームの径との比が、1:0.8〜
0.9である。
【0013】またさらに、好適には、前記ガイド車輪の
半径が、約0.8〜1.2mである。
【0014】またさらに、好適には、前記牽引フレーム
に対して、左右に並べられた複数の噴射ユニットを連結
する。
【0015】
【作用】本発明による水底付着物除去装置は、牽引ワイ
ヤーにより船に接続されて牽引されることにより、水底
で横移動することができる。
【0016】牽引フレームの両端に軸支されたガイド車
輪は、好適には半径1m程度の大径の車輪であり、本装
置を適用する一般的な施工地の凹凸に対して、円滑に移
動することができる。
【0017】牽引フレームの後方に連結された噴射ユニ
ットに取り付けられるノズルユニットは、牽引フレーム
や噴射ユニットが傾斜してもその噴射ノズルの方向を常
に鉛直下方に保持可能としたので、常に水底に近接して
噴射することができ、噴射エネルギーが拡散されない。
【0018】噴射ユニットは、前フレームと後フレーム
及び左フレームと右フレームとからなる矩形フレームを
有し、その前フレーム及び後フレームから下方に延在す
る複数の半円輪状のフレームにより支持されているの
で、水底上で自在に傾斜揺動することができる。従来の
箱形噴射ユニットのように面で水底に接する場合に比べ
て、凹凸のある水底に対して柔軟に対応することができ
る。
【0019】噴射ユニットは、左フレーム及び右フレー
ムのそれぞれから回動自在に吊下げられた一対の懸架ア
ームとこの間に架け渡された水平フレームとからなる吊
下構造を有する。これらの吊下構造は、常に鉛直下方を
向くように動くことができる。この吊下構造上にノズル
ユニットを設置固定すると、ノズルユニットは吊下構造
と一体的に動くことができるので、ノズルユニットの噴
射ノズルが常に鉛直方向の下方を向くことになる。この
吊下構造の内部に適宜錘を配置すると、鉛直下方への配
向がさらに迅速に行われる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明による水底付着物の除去装
置を実施形態の例を挙げて詳細に説明するにあたって、
先ず、当該除去装置を用いたシステム全体及びその施工
状況を示す方が、本発明の有用性を容易に理解できるで
あろう。
【0021】図1は、本発明の除去装置を用いる海底付
着物除去システムの一例を示す図である。海面上にクレ
ーン台船110を浮かべて海底の岩表面の雑藻類を除去
している状況を示す。図2は、図1の平面図(一部省
略)である。クレーン台船110上には、各種機器が搭
載されている。主なものとしては、クレーン112、海
水を汲み上げる汲上ポンプ119、汲み上げられた海水
を圧縮して高圧水とする高圧ポンプ120、高圧空気を
生成する空気圧縮機118、各種ワイヤー類を巻き取る
ためのウィンチ116がある。周知の駆動及び制御のた
めの機器については省略する。クレーン112は、本発
明の水底付着物除去装置10を昇降させるために用い
る。本発明の除去装置10は、船により施工地に運ばれ
た後、牽引ワイヤー114を取り付けられてクレーンに
より水底に降ろされる。牽引ワイヤー114は施工時に
除去装置10を牽引するためのワイヤーである。概略的
に示されている除去装置10は、大径のガイト車輪12
と噴射ユニット20とを有する。噴射ユニット20は、
ノズルユニット22を具備する。施工時には、矢印の進
行方向へクレーン台船110が移動することにより除去
装置10を牽引する。尚、船上で生成された高圧水及び
高圧空気をノズルユニット22へ供給するための供給ホ
ース類も接続されているが、図示を省略する。高圧水及
び高圧空気の生成機構についての詳細は、特公平7−1
02061を参照されたい。
【0022】図2は、施工状況を示している。2本の牽
引ワイヤー114が、除去装置10の牽引フレーム16
に取り付けられている。除去装置10は、牽引されて進
行方向へ前進しつつ、水底にむけて高圧水及び高圧空気
を噴射している。除去装置が通過した箇所101は、付
着物が除去されている。本発明による除去装置10によ
れば、このようにライン状に施工されていくので、所定
の面積を施工する場合には、施工ラインを横にずらしな
がら除去装置の牽引を何回か繰り返すことになる。図2
に示した除去装置10は、同じ構造の3つの噴射ユニッ
ト20を横に並べて牽引フレーム16に取り付けた例で
ある。
【0023】次に、本発明による水底付着物除去装置
を、一例を挙げて詳細に説明する。図3は、3つの噴射
ユニット20を並設した除去装置10の全体を表す図で
ある。本明細書中、本発明による除去装置の構成を表現
する場合に、施工時の進行方向側を前方とし、反対側を
後方とする。図3(A)は正面図である。水平に設けら
れた牽引フレーム16は、その両端に軸支された一対の
ガイド車輪12により支持されている。牽引フレーム1
6の軸は、ガイド車輪12の車軸14と同軸上にある
が、ガイド車輪の回転とは独立に軸について回動可能で
ある。牽引フレーム16の前側には、2箇所の牽引ワイ
ヤー取付部18があり、ここに上記の牽引ワイヤーを取
り付ける。牽引フレーム16が牽引ワイヤーにより前方
へ牽引されると、ガイド車輪12が回転することによ
り、除去装置10全体が水底上を前進する。牽引フレー
ム16の後側には3つの噴射ユニット20が連結されて
いる。これら3つの噴射ユニット20の互いの間は全く
連結されていない。尚、取り付ける噴射ユニット20の
数は、3つに限定されない。
【0024】図3(A)において、前方から見て等間隔
に縦に並んでいる部材は、図4の側面図で示すように円
輪の半分から構成された半円輪フレーム21である。噴
射ユニット20は、これら複数の半円輪フレーム21の
最下点が水底に接することで支持される。複数の半円輪
フレーム21で包囲される空間内にノズルユニット22
が位置している。後に詳細に示すが、ノズルユニット2
2の噴射ノズルは常に鉛直線方向を向いており隣り合う
半円輪フレーム21の間隙から噴流30を噴射する。1
つの噴射ユニット20中の複数のノズルユニット22
は、互いに連結されており、1つの高圧水配管26及び
1つの高圧空気配管28から高圧水及び高圧空気を供給
されている(供給ホースは図示省略)。水平フレーム2
4aには高圧空気配管が固定され、水平フレーム24b
にはノズルユニット22が固定されているが、後述する
ようにこれらの水平フレーム24a、24bは、本発明
の特徴の1つである噴射ユニット20の吊下構造の一部
を構成する。尚、1つの噴射ユニット20に設ける半円
輪フレームの数は、任意であるが、隣り合う半円輪フレ
ームの間隙の中央に1つのノズルユニット22が位置す
るようにすることが好適である。
【0025】図3(B)は平面図である。牽引フレーム
16と各噴射ユニット20とは、それぞれの連結部19
及び34をジョイントピン43により結合することによ
り連結されている。この連結機構については図4及び図
5を参照して後述する。噴射ユニット20のフレーム部
は、前フレーム32a、後フレーム32b、並びに左フ
レーム及び右フレーム32cとからなる矩形フレーム3
2と、前フレーム32a及び後フレーム32bから下方
へ延在する上述の半円輪フレーム21とからなる。尚、
水平フレーム24aは左右フレーム32cへも、半円輪
フレーム21へも直接接続されてはいないことを注記す
る。
【0026】図4は、除去装置10の概略側面図であ
る。牽引フレーム16と噴射ユニット20とは、ピン結
合により連結される。すなわち、牽引フレーム16側の
連結部19と、噴射ユニット20側の連結部34とがジ
ョイントピン43により結合されている。ジョイントピ
ン43は、矢印62に示すように牽引フレーム16の回
動軸(ガイド車輪12の車軸14と同軸上)について回
動可能である。ジョイントピン43の回動に連動して噴
射ユニット20側の連結部34が上下動を行い、それに
伴って矩形フレーム32はその中央部を中心に揺動す
る。この揺動は、半円輪フレーム21が水底上で前後に
容易に揺動可能であることから実現される。このよう
に、噴射ユニット20が前後に揺動しても、半円輪フレ
ーム21の円輪外周上の一点が水底に接することによ
り、噴射ユニット20は安定に支持される。
【0027】図5(A)及び(B)は、牽引フレーム1
6と噴射ユニット20(前フレーム32a)とのピン結
合の例を示した図である。符号Cは、牽引フレーム16
の回動軸を示している。
【0028】図6は、噴射ユニット20の概略側面図で
ある。矩形フレーム32の側辺は、対向する一対の左右
フレーム32cが構成する。これら左右フレーム32c
のそれぞれの中央部直下にアーム軸44が設けられ、そ
れぞれのアーム軸44から懸架アーム25が吊り下げら
れる。懸架アーム25の基部はアーム軸44に回動可能
に取り付けられる。この図6の側面図からは直視できな
いが、これら一対のアーム軸44の間に架け渡されるよ
うに、図3に示した水平フレーム24a、24b(破線
参照)が設けられている。好適例では、下側の水平フレ
ーム24bは、図示のように懸架アーム25の先端部両
側に位置するように設けられる。このように左右のアー
ム軸44から吊り下げられた一対の懸架アーム25及び
これらの間に架け渡された水平フレーム24a、24b
からなる吊下構造は、図に一点破線で示すようにアーム
軸44について回動可能である。従って、フレーム部3
2が揺動して傾斜した場合、この吊下構造は、自重によ
り鉛直方向の下方を向くように回動することができる。
すなわち、フレーム部32の傾斜とは無関係に、吊下構
造は常に鉛直下方を向くことができる。このことは、ノ
ズルユニット22(破線参照)の噴流30が常に鉛直下
方に向けて適用されることを意味する。なぜなら、ノズ
ルユニット22は、固定具46により水平フレーム24
bに固定されており、吊下構造と一体的に回動するから
である。この吊下構造が、鉛直下方へさらに確実にかつ
円滑に回動するように、例えば、水平フレーム25bの
内部に錘42を内蔵させることが好適である。この懸架
アーム25を鉛直下方へ向けるために設ける錘42の位
置、形状、数等については任意である。
【0029】図7は、以上のように構成された本発明の
除去装置10を牽引して水底100を前進させる様子を
示す図である。本除去装置10を適用する施工地には、
通常、水底の形状及び岩石等による不規則な凹凸があ
る。図7(A)は、このような凹凸の例として段差を昇
る場合を示し、図7(B)は、段差を降りる場合を示し
ている。ガイド車輪12の大きさは、施工地の凹凸を考
慮して決定されており、ガイド車輪12の半径程度の段
差であれば容易に登り降りすることができる。例えば、
コンブ繁殖地に適用する本除去装置10のガイド車輪1
2の半径は0.8〜1.2m程度が好適である。
【0030】図7に示す通り、ガイド車輪12に追随す
る噴射ユニット20は、牽引フレーム16に対してジョ
イントピン43を介して連結されているので、ガイド車
輪12との位置関係が上下に変動しても、噴射ユニット
20自体が傾斜揺動して円滑に追随することができる。
好適には、ガイド車輪の半径と半円輪フレームの半径と
の比を、1:0.8〜0.9とする。また、噴射ユニッ
ト20が傾斜しても、そのアーム軸44から吊り下げら
れた懸架アーム25は、常に鉛直下方を向いており、ノ
ズルユニットからの噴射は常に鉛直下方へ向けて行われ
る。半円輪フレーム21は、噴射ユニット20を支持す
ると共に、ノズルユニットを水底の凹凸から保護しかつ
ノズルユニットと水底との一定の距離を維持する役割も
担っている。こうして、ノズルユニットからの噴流がそ
のエネルギーを拡散させることなく水底にあたること
が、確保される。特に、本除去装置10の有用性は、図
3のように複数の噴射ユニット22を連結した場合に発
揮される。各々の噴射ユニットは、互いに連結されてい
ないので、例えば、一つの噴射ユニットが図7(A)の
ような位置にあると同時に、別の噴射ユニットが図7
(B)のような位置にあることが可能である。このよう
に各々の噴射ユニットが独立して傾斜揺動することが可
能なので、進行方向に対して垂直な方向の凹凸に対して
も対応することができる。
【0031】図8(A)は、図6のA1−A1断面を示
す噴射ユニット20の概略構成図である。9本の半円輪
フレーム21の末端が矩形フレーム32に結合されてい
るが、図を簡略化するためこれらの半円輪フレーム21
の一部を省略している。対向する左右のフレーム32c
のそれぞれの中央直下にアーム軸44が設けられてお
り、それぞれから懸架アーム25が吊り下げられてい
る。双方の懸架アーム25を連結するように水平フレー
ム24a、24bが架け渡されている。
【0032】図8(A)において、上側の水平アーム2
4a上には、固定具48を介して高圧水配管28が取り
付けられる。高圧水配管28の端部には高圧水供給口5
0があり、ここへ船上から高圧水が供給される(供給ホ
ースの図示省略)。また高圧水配管28上には、各ノズ
ルユニット22への高圧水ホース口52が、ノズルユニ
ットの数だけ設けられている(ホースの図示を一部省
略)。高圧水ホース54は、高圧水ホース口52とノズ
ルユニット22の高圧水入口56とを繋いており、高圧
水をノズルユニット22へ供給する。
【0033】一方、図8(A)において、下側の水平ア
ーム24b上には、固定具46を介して高圧空気配管2
6が取り付けられる。高圧空気配管26の中央部には高
圧空気供給口70があり、ここへ船上から高圧空気が供
給される(供給ホースの図示省略)。高圧空気配管26
は、各ノズルユニット22へ高圧空気を供給するために
各ノズルユニット22間に連架されている。従って、高
圧空気配管26は、ノズルユニット22を支持する役割
も兼ねる。好適には、各ノズルユニット22の噴射ノズ
ル72が、隣り合う半円輪フレーム21の間隙の中央に
位置するように配置されており、半円輪フレーム21の
間隙から噴射が行われる。尚、上記の配管やノズルユニ
ットの固定構造は例であり、この構造に限定されない。
すなわち、本除去装置10の噴射ユニット20において
は、少なくともノズルユニット22の噴射ノズル72
が、フレーム部の傾斜揺動とは無関係に常に鉛直下方を
向く構造となっていればよい。
【0034】図8(B)は、図8(A)のA2−A2断
面の概略図である。水平フレーム24a、24bは、そ
れぞれ平行な一対のフレームから構成されている。下側
の水平フレーム25bの間から噴射が行われる。図示の
ように、水平フレーム25bの全長にわたって連続的又
は断続的に錘42を内蔵させてもよい。
【0035】図9は、ノズルユニット22を詳細に示す
構成図である。好適例のノズルユニット22は、円筒形
状である。図9(A)は平面図であり、中央に高圧水入
口56がある。図9(B)は、中央断面図である。高圧
水は、高圧水入口56から下方へ送られ噴射ノズル72
から噴射される。ノズルユニット22は、その円筒側面
上の2箇所で高圧空気配管26と接続されており、高圧
空気の通路26aがノズルユニット22内を貫通してい
る。但し、最も端に配置されるノズルユニット22につ
いては、一箇所のみで高圧空気配管に接続される。噴射
ノズル72は、2重管構造となっており、内側の管から
高圧水68が噴射され、同軸の外側の管から高圧空気6
6が噴射される。こうして、高圧水68は、その周囲を
高圧空気66により囲包された状態で噴射される。高圧
空気66は、高圧水68の噴射エネルギーの拡散を防ぐ
と共に、除去された雑藻類を撹拌してエアリフト作用に
より海面上に浮上させる役割を担う。図9(C)は、図
9(B)のA3−A3断面の概略図である。
【0036】図10は、本発明による除去装置を用いた
施工方法の一例を示す図である。施工には、600トン
のクレーン台船及び50トンのクレーンを用いた。除去
装置他必要な機材を搭載したクレーン台船が施工箇所ま
で曳航された後、施工が行われた。図10は、水底に降
ろされた除去装置を上から見た図であるが、図示を簡略
化して三連の噴射ユニット20の部分のみを示してい
る。例に示す除去装置の有効幅L1は、約5mである。
1回の牽引を行うと約5m幅のラインが施工される。施
工は、1つのラインを牽引した後、除去装置の有効幅の
半分の長さだけ横移動させて牽引を繰り返すことにより
行われた。この方法では、L2で示す幅約2.5mのラ
インが重複して施工されることになる。このようにし
て、除去装置を5回牽引すると約10mの幅(斜線部
分)が施工された。施工前の海藻量及び施工後の残留海
藻量を測定結果から、平均除去率80〜90%が達成さ
れた。尚、除去装置を牽引する速度、回数等は、施工地
の状況に応じて管理される。
【0037】以上、本発明による水底付着物の除去装置
を、好適例について説明したが、本除去装置の具体的構
造が、記載されたものに限定されないことは自明であろ
う。例えば、本発明による除去装置において、噴射ユニ
ットの連結数、並びに、各噴射ユニットにおける半円輪
フレーム及びノズルユニットの数については限定されな
い。また、本除去装置のガイド車輪及び各フレーム類
は、堅牢な材料であることが必要である。好適例では、
牽引フレームや矩形フレームにH型鋼材が利用されてい
る。
【0038】
【発明の効果】本発明による水底付着物除去装置は、噴
射装置を従来のように頻繁に昇降させてポイント的に施
工するのではなく、牽引することにより水底を移動させ
ながらライン的に施工することができる。これにより、
クレーン操作の負担が軽減され、施工位置の精度がよく
なった。さらに、施工対象面積及び時間当たりの施工面
積も共に大きくなり、施工効率の面で格段に改善され
た。
【0039】加えて、本発明による除去装置は、施工地
水底の凹凸に依らず円滑に前進移動可能な構造、及び常
に噴射ノズルを鉛直下方に向けてエネルギー損失なく噴
射可能な構造を備えており、これによっても施工効率が
向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除去装置を用いる海底付着物除去シス
テムの一例を示す図である。
【図2】図1の平面図であり、本発明の除去装置を用い
た施工状況を示す図である。
【図3】3つの噴射ユニットを並設した本発明の除去装
置の、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図4】本発明の除去装置の概略側面図である。
【図5】(A)及び(B)は、牽引フレームと噴射ユニ
ット(前フレーム)とのピン結合の例を示した図であ
る。
【図6】本発明の除去装置の噴射ユニットの概略側面図
である。
【図7】本発明の除去装置を牽引して水底を前進させる
様子を示す図である。
【図8】(A)は、図6のA1−A1断面を示す噴射ユ
ニット20の概略構成図である。(B)はA2−A2断
面図である。
【図9】ノズルユニットの構成図である。(A)は平面
図、(B)は中央断面図、(C)はA3−A3断面図で
ある。
【図10】本発明による除去装置を用いた施工方法の一
例を示す図である。
【符号の説明】
10 除去装置 12 ガイド車輪 14 車軸 16 牽引フレーム 18 牽引ワイヤー取付部 19、34 連結部 20 噴射ユニット 21 半円輪フレーム 22 ノズルユニット 24a、24b 水平フレーム 25 懸架アーム 25a 懸架アーム基部 26 高圧空気配管 26a 高圧空気連通孔 28 高圧水配管 30 高圧水及び高圧空気の噴流 32 矩形フレーム 32a 前フレーム 32b 後フレーム 32c 左右フレーム 42 錘 43 ジョイントピン 44 アーム軸 46 高圧空気配管固定具 48 高圧水配管固定具 50 高圧水供給口 52 高圧水ホース口 54 高圧水ホース 56 高圧水入口 70 高圧空気供給口 72 高圧水ノズル 73 高圧空気噴出部 100 水底 101 施工箇所 102 水底付着物 110 クレーン台船 112 クレーン 114 牽引ワイヤー 116 ウィンチ 118 空気圧縮機 119 水汲上ポンプ 120 水加圧ポンプ 122 アンカーワイヤー
フロントページの続き (72)発明者 米山 吉人 東京都品川区西五反田7丁目10番4号 ト ーメン建機株式会社内 (72)発明者 山田 義巳 福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目9番25 号 フローテクノ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船上から供給される高圧水及び高圧空気
    を噴射することにより水底の付着物を除去する除去装置
    であって、 前記船に牽引されることにより水底における移動を可能
    とするべく該船との間に接続される牽引ワイヤーと、 前記牽引ワイヤーを取り付ける牽引フレームと、 前記牽引フレームの両端において軸支される一対のガイ
    ド車輪と、 前記牽引フレームの後方に連結される噴射ユニットとを
    有し、 前記牽引フレームと前記噴射ユニットとは、互いの連結
    のための連結部をそれぞれ有し、ジョイントピンを介し
    て双方の連結部を互いに回動自在に接続することにより
    連結され、 前記噴射ユニットは、前記連結部を設けたフレーム部
    と、前記高圧水及び前記高圧空気の噴射ノズルの噴射方
    向を鉛直下方に保持可能なノズルユニットとを具備する
    ことを特徴とする水底付着物の除去装置。
  2. 【請求項2】 前記噴射ユニットの前記フレーム部が、 対向する前フレームと後フレーム及び対向する左フレー
    ムと右フレームからなる矩形フレームと、 前記対向する前フレーム及び後フレームから下方に延在
    して水底に接することにより前記噴射ユニットを支持す
    る複数の半円輪フレームとからなり、 前記前フレームに前記連結部が設けられることを特徴と
    する請求項1に記載の水底付着物の除去装置。
  3. 【請求項3】 前記噴射ユニットの前記フレーム部が、
    前記対向する左フレーム及び右のフレームの各々の中央
    部下側において一端を軸支されて吊り下げられた一対の
    懸架アームと、 前記一対の懸架アームの双方を連動させるべく架け渡さ
    れた1又は複数の水平フレームとを有し、 前記ノズルユニットが、前記水平フレーム上に設置固定
    されることにより前記懸架アームと一体的に動くことを
    特徴とする請求項2に記載の水底付着物の除去装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの前記水平フレームの内
    部に錘を有することを特徴とする請求項3に記載の水底
    付着物の除去装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の半円輪フレームが等間隔に設
    置されており、前記ノズルユニットの前記噴射ノズルか
    ら噴射される噴流が、隣り合う2つの半円輪フレームの
    間隙を通過するように該ノズルユニットが設置固定され
    ることを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の
    水底付着物の除去装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド車輪の径と前記半円輪フレー
    ムの径との比が、1:0.8〜0.9であることを特徴
    とする請求項2乃至5のいずれかに記載の水底付着物の
    除去装置。
  7. 【請求項7】 前記ガイド車輪の半径が、約0.8〜
    1.2mであることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の水底付着物の除去装置。
  8. 【請求項8】 前記牽引フレームに対して、左右に並べ
    られた複数の噴射ユニットを連結することを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれかに記載の水底付着物の除去装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002028526A (ja) * 2000-07-14 2002-01-29 Mitsuhiro Fujiwara 河川床、湖沼床等の浄化装置
JP2020074760A (ja) * 2018-11-07 2020-05-21 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 水中作業具及び水中作業システム

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