JPH10113685A - 浮漂構造体および当該浮漂構造体による水の浄化方法 - Google Patents

浮漂構造体および当該浮漂構造体による水の浄化方法

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JPH10113685A
JPH10113685A JP8289083A JP28908396A JPH10113685A JP H10113685 A JPH10113685 A JP H10113685A JP 8289083 A JP8289083 A JP 8289083A JP 28908396 A JP28908396 A JP 28908396A JP H10113685 A JPH10113685 A JP H10113685A
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water
absorbing material
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structural bodies
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JP8289083A
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Ryukichi Miyagawa
隆吉 宮川
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物膜の接触酸化による分解機能と、水性
植物の栄養吸収機能とを併用し、しかも、一層シンプル
で且つ景観を向上させることが出来る構造の浮漂構造体
および当該浮漂構造体を使用した水の浄化方法を提供す
る。 【解決手段】 水面を浮漂する水浄化用の構造体であっ
て、多孔性の吸水材(1)及び独立気泡発泡プラスチッ
クの浮上材(2)から成る浮漂基体と、吸水材(1)に
植栽された水性植物(3)とから構成され、前記浮漂基
体は、常態における体積の1〜20%が水面上に露出す
る浮上性を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮漂構造体に関す
るものであり、詳しくは、微生物膜による接触酸化と水
性植物の栄養吸収機能を相乗的に併用して河川、湖沼等
の水を浄化する浮漂構造体および当該浮漂構造体を用い
た水の浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】河川や湖沼などの水の浄化においては、
低濃度の汚濁水を大量に処理する必要があるため、礫、
木炭、シート、紐、網、プラスチック片などの各種の微
生物担体に繁殖した微生物膜による接触式酸化法などの
生物を利用した浄化法が多く採用されている。しかしな
がら、微生物による分解だけでは、副生成物の問題や増
殖した微生物によって生態系のバランスを崩す恐れもあ
り、適宜、人為的に増殖した微生物を除去する必要があ
る。
【0003】一方、汚濁水の処理においては、富栄養化
成分を水性植物に吸収させる方法も種々検討されてお
り、例えば、左右一対の浮力発生部と、当該浮力発生部
の間に形成され且つ底部に土質層を設けた溝構造の水路
部と、当該水路部に植栽された水性植物群と、汲み上げ
た水を前記水路部に循環させる給水手段(ポンプ)とを
備えた浄化装置としての浮構造体が提案されている。斯
かる浮構造体は、植物による吸収機能と茎や根に繁殖し
た微生物による汚濁成分に対するある程度の分解機能を
備え、しかも、成長後の植物体(枯死体)の回収を可能
にしている(特開平6−226288参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の様な
浮構造体は、浮力発生部および水路部から成る中間構造
物を陸上で組み立てた後、作業用の浮きドッグに移動し
て土質層の施工、植栽、給水手段の施工などの大掛かり
な現地組立や土木工事を必要とする。従って、また、成
長後の植物体の除去も大掛かりな作業となる。更に、土
質層を含む水路部を浮かべるだけの比較的大きな浮力発
生部を備えているため、景観を損なうと言う問題もあ
る。
【0005】本発明は、上記の様な浮構造体の有効性を
一層高めるべく種々検討の結果なされたものであり、そ
の目的は、水性植物が植栽された浮構造体の栄養吸収機
能と、微生物膜の接触酸化による効率的な分解機能を効
果的に併用した浮漂する構造体であって、しかも、一層
シンプルで且つ景観を向上させることが出来る構造を備
えた河川、湖沼等の水を浄化する浮漂構造体および当該
浮漂構造体を使用した水の浄化方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の浮漂構造体は、
水面を浮漂する水浄化用の構造体であって、多孔性の吸
水材および独立気泡発泡プラスチックの浮上材から成る
浮漂基体と、前記吸水材に植栽された水性植物とから構
成され、前記浮漂基体は、常態における体積の1〜20
%が水面上に露出する浮上性を備えていることを特徴と
する。
【0007】すなわち、上記の多孔性の吸水材は、吸収
した水の汚濁成分を当該吸収材に形成される微生物膜に
よって分解し、吸収材に植栽された水性植物は、吸水材
に吸収した水の富栄養化成分および微生物膜によって分
解生成された窒素やリン等の富栄養化成分を吸い上げ
る。また、吸収材および特定の浮上材から成る浮漂基体
は、常態における体積の1〜20%が水面上に露出する
浮上性を備えており、恰も水性植物だけが浮漂する景観
を構成する。
【0008】上記の浮漂構造体においては、無機繊維
体、連続気泡発泡プラスチック又は不織布によって吸水
材を構成することが出来る。
【0009】また、本発明に係る水の浄化方法は、上記
の浮漂構造体を河川、湖沼等の汚濁水域に浮かべること
を特徴とし、浮漂構造体は、水量や汚濁の程度に応じて
岸辺や水域の中央に適宜の数量を配置すればよい。ま
た、配置される浮漂構造体は、水流がある場合は係留し
てもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の浮漂構造体および水の浄
化方法の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は第
1の実施形態に係る浮漂構造体を示す図、図2は第2の
実施形態に係る浮漂構造体を示す図、図3は第3の実施
形態に係る浮漂構造体を示す図であり、各図において
(a)が斜視図、(b)が縦断面図である。
【0011】本発明の浮漂構造体は、水面を浮漂する水
浄化用の構造体であって、図1に示す様に、多孔性の吸
水材(1)及び独立気泡発泡プラスチックの浮上材
(2)から成る浮漂基体と、吸水材(1)に植栽された
水性植物(3)としての抽水植物および/または浮葉植
物とから構成され、前記の浮漂基体は、常態における体
積の1〜20%が水面上に露出する浮上性を備えてい
る。
【0012】吸水材(1)は、吸水性を有し且つ水性植
物の根の繁殖に適した各種の多孔性の材料によって構成
される。斯かる多孔性の材料としては、微細な空隙を多
く備えた無機繊維体、発泡ウレタン等の連続気泡発泡プ
ラスチック、不織布などの材料が好適に使用される。
【0013】多孔性の材料において、無機繊維体として
は、ロックウール、グラスウール等の無機多孔体または
これらから成る不織布が挙げられる。ロックウール等
は、水耕栽培に使用されたいわゆる廃棄物を使用するこ
とも出来る。連続気泡発泡プラスチックとしては、特
に、発泡ウレタン、発泡ポリビニルアルコール、発泡ナ
イロン等の所謂スポンジ状の連続気泡体が挙げられる。
また、不織布としては、ポリエステル繊維、ビニロン繊
維等の不織布などが挙げられる。
【0014】上記の多孔性の材料は、植栽される水性植
物(3)の種類により、培地として好適な材料が選択さ
れ、また、酸性を示す物質および植物根の忌避物質を含
まない物質が望ましい。更に、これら多孔性の材料に
は、吸水性樹脂、木粉などの植物粉などの吸水性を促進
する添加物が混入されていても良い。
【0015】吸水材(1)は、製造上のハンドリングや
使用時の配置を容易にするため、例えば、方形の平面形
状を有する平板状に成形される。吸収材(1)の常態に
おける外形寸法は、水性植物の植栽効率と取扱上の観点
から、50〜200cm×50〜200cm程度の平面
寸法とされ、水性植物の根の張りや吸水量の観点から、
5〜50cm程度の厚さとされる。
【0016】浮上材(2)は、それ自体が外観的にさほ
ど露出することなく、かつ、水性植物(3)を植栽した
上記の吸水材(1)を水の表層部分に浮かせ得る材料に
よって構成される。浮上材(2)の構成材料としては、
独立気泡を有する発泡プラスチックが好適に使用され
る。独立気泡発泡プラスチックとしては、発泡塩化ビニ
ル、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプ
ロピレン等が挙げられる。浮上材(2)の常態における
比重(見かけ比重)は0.01以上で且つ1.0未満に
設定される。
【0017】浮上材(2)は、吸水材(1)を収容する
ため、上記の材料により、例えば、方形の平面形状を有
する扁平なトレー状に形成され、少なくともその底面に
は、通水用の開口(20)が多数設けられる。具体的な
浮上材(2)の外形寸法は、50〜200cm×50〜
200cm×5〜20cm(深さ)程度の内寸とされ、
5〜15mm程度の厚さとされる。また、開口(20)
は、2〜6cm程度の直径で形成され、10×10cm
当たり1〜4個の割合で設けられる。なお、開口(2
0)は適宜の形状に形成することが出来る。
【0018】浮上材(2)の常態における体積は、その
材質や発泡倍率に基づく比重と、吸水材(1)の質量や
水性植物(3)の種類、植栽量などとを比較考慮して設
定されるが、吸水材(1)を収容し且つ水性植物(3)
が吸水材(1)に植栽された状態において、水面の表層
部分に漂う程度に設定される。
【0019】すなわち、本発明の浮漂構造体は、吸水材
(1)と浮上材(2)の浮力バランスの設定により、吸
水材(1)と浮上材(2)から成る浮漂基体において、
常態における体積の1〜20%、好ましくは1〜10%
が水面上に露出するように調整される。浮漂構造体全体
の嵩密度は0.9〜0.99となる様に調整される。そ
して、上記の吸水材(1)に植栽される水性植物(3)
としては、葦、蒲、菰等の抽水植物やコウホネ、セリ、
クレソン等の浮葉植物が選択され、これらは適宜取り混
ぜて配置されてもよい。
【0020】本発明の浮漂構造体は、予め、方形平板状
の吸水材(1)とトレー状の浮上材(2)を別個に成形
しておき、浮上材(2)に吸水材(1)を嵌め込んで浮
漂基体を組み立てた後、上記の水性植物(3)を植栽す
ることによって作製される。水性植物(3)を植栽する
方法としては、ある程度成長させた植物を直接植栽する
方法の他、植物の種を蒔いたり或いは地下茎を植え付け
る方法も含む。水性植物(3)の植栽は、上記の浮漂基
体を湖沼等へ設置した後に行うことも出来るが、通常は
施工を簡便にするために設置前に行われる。
【0021】上記の浮漂構造体は、河川、湖沼等の汚濁
水域に浮かべて使用される。設置方法としては、浮漂構
造体を複数使用し、例えば、池の岸辺に近い浅瀬に池を
囲む状態で線状に並べて設置する方法や、池の中央付近
に島状に集合させて浮かべる方法などがある。
【0022】各設置方法において、浮漂構造体同士は、
浮上材(2)が発泡体であり、釘状の金属棒を使用して
紐通しする等して簡単に緊縛出来る。また、水流による
流失を防ぐため、必要に応じて杭または錨に係留しても
良い。浮漂構造体の設置面積は、浄化効果とコストの観
点から、池の面積の1〜10%程度が好ましい。浮漂構
造体は、上記の様に、水上に浮かべるだけで極めて簡単
に設置でき、しかも、簡単に結合できるため、地形など
に応じて所望の配置形態を選択し得る。なお、設置後の
管理としては、年1回程度の定期的な水性植物(3)の
伐採除去が好ましい。
【0023】本発明の浮漂構造体を上記の様に使用した
場合、多孔性の吸水材(1)には、その多数の微小空隙
部に微生物が付着し、微生物膜が形成される。斯かる吸
水材(1)は、吸収した水の汚濁成分を上記の微生物膜
によって分解する。一方、吸収材(1)に植栽された水
性植物(3)は、その根を微生物膜の間に張り、吸水材
(1)に吸収した水の富栄養化成分、および、微生物膜
によって分解生成された窒素やリン等の富栄養化成分を
吸い上げる。その結果、水中の有機物、窒素化合物、リ
ン化合物を除去し、水の浄化を行うことが出来る。
【0024】すなわち、本発明の浮漂構造体において
は、吸水材(1)に繁殖した微生物と水性植物(3)の
共存により、汚濁有機物の微生物による分解機能と、分
解副生成物、特に、窒素含有物とリン含有物の水性植物
(3)による吸収機能とを相乗的に利用して水の浄化を
促進することが出来る。また、吸水材(1)の多くの部
分が水中に位置して浮漂する構造は、水との接触効率を
高めることが出来、一層効果的に浄化できる。しかも、
本発明の浮漂構造体は、水面の表層部分を浮漂し、吸収
材(1)自体は水性植物(3)によって日射を遮断され
るため、光合成藻類の不要な繁殖を抑制することが出来
る。
【0025】更に、浮漂基体は、常態における体積の1
〜20%が水面上に露出する浮上性を備えているため、
本発明の浮漂構造体は、陸上から観察した場合に恰も上
記の水性植物(3)だけが浮漂する景観を構成する。す
なわち、本発明の浮漂構造体は、水面の表層部分を浮漂
するため、浮漂基体が陸上から目立つことがなく、水性
植物(3)のみが目に付く自然に調和した良好な景観を
構成することが出来る。
【0026】本発明の浮漂構造体は、図2に示す様に構
成することも出来る。図2に示す浮漂構造体は、吸水材
(1)、浮上材(2)及び水性植物(3)から成り、浮
上材(2)として、独立気泡発泡プラスチックよって構
成された網状体が使用される。斯かる浮漂構造体は、例
えば、ネット状シートから成る浮上材(2)によって吸
水材(1)が被覆され、浮上材(2)の網目に水性植物
(3)が植栽された状態になされる。吸水材(1)、植
栽される水性植物(3)及び浮力の調整条件は図1の実
施形態と同様である。ネット状シートとしては、3〜1
0mm程度の紐径であって且つ約5〜10cm四方の網
目の発泡軟質塩化ビニル製などのネットが使用される。
【0027】上記の網状体から成る浮上材(2)を使用
した本発明の浮漂構造体は、上述の効果を奏すると共
に、吸水材(1)を包むだけで浮漂基体を作製できるた
め、大きさや形状の異なる種々の吸水材(1)を作製す
る場合に低コストで対応できる。なお、上記の網状体と
しては、独立気泡発泡プラスチックから成る有孔シート
を使用することも出来る。
【0028】更に、本発明の浮漂構造体は、図3に示す
様に構成することも出来る。図3に示す浮漂構造体は、
吸水材(1)、浮上材(2)及び水性植物(3)から成
り、浮上材(2)として、独立気泡発泡プラスチックよ
って構成され且つ吸水材(1)に挿入される棒状体が使
用される。斯かる浮漂構造体は、吸水材(1)に対し、
浮上材(2)としての棒状体が適当な間隔で多数差し込
まれた状態になされる。吸水材(1)、植栽される水性
植物(3)及び浮力の調整条件は図1の実施形態と同様
である。棒状体としては、例えば、約5〜20mmの直
径の独立気泡発泡ポリエチレンの成形体が使用される。
【0029】上記の棒状体から成る浮上材(2)を使用
した本発明の浮漂構造体においては、上述の効果を奏す
ると共に、現場施工などによって所望の形状に吸水材
(1)を形成し、浮上材(2)を差し込むだけで簡単に
浮漂基体を作製することが出来る。
【0030】また、上記の様な浮漂構造体を河川、湖沼
等の汚濁水域に浮かべることによって水を浄化する本発
明に係る水の浄化方法は、吸水材(1)に形成される微
生物膜の接触酸化による効率的な分解機能と、吸水材
(1)に植栽された水性植物(3)による栄養吸収機能
とを併用し、一層効率的に汚濁水を浄化することが出来
る。しかも、単に水中に投入するだけで簡便に浮漂構造
体を設置でき、土木工事などを含む大掛かりな施工が不
要であるため、一層低コストで汚濁水を浄化できる。そ
して、上述の様に、良好な景観を構成することが出来
る。
【0031】
【実施例】実施例1として、図1に示す浮漂構造体の前
駆体である浮漂基体を作製し、また、実施例2〜3とし
て、図1〜図3に示す構造の浮漂構造体を作製し、所定
の水槽に一定期間浮かべて水の濁りを評価した。
【0032】水槽は、一辺の長さが4mの正方形の平面
形状で且つ深さが0.7mの水槽を屋外に5基配置し、
各水槽には、農業用水路から採取した水を0.5mの深
さで貯留した。実施例1〜4の浮漂基体または浮漂構造
体は、一辺が1mの方形平板状(平面面積1m2 )に形
成し、それぞれ別個の水槽に浮かべた。そして、浮漂構
造体を浮かべなかった水槽(ブランク)と、実施例1〜
4の浮漂基体または浮漂構造体を浮かべた水槽につい
て、2カ月後および4カ月後の水の濁りを比較した。水
の濁りは、水槽内の水の光線透過率(%/cm)によっ
て評価し、光線透過率は、分光光度計(例えば、日立社
製323型分光光度計)により、1cmの厚さ透過セル
を使用して555nmの波長で測定した。測定値の比較
結果を表1に示す。
【0033】(実施例1)図1に示す浮漂構造体の浮漂
基体を作製した。浮上材(2)に吸水材(1)を嵌め込
んで浮漂基体を作製した。吸水材(1)としては、外形
寸法が10×100×100cmの方形平板状に形成し
たロックウール製の吸水材を使用した。見掛け比重は
0.08であり、真比重は3であった。浮上材(2)と
しては、内寸が10×100×100cmで肉厚が7m
mのトレー状に形成した発泡スチロール製の浮上材を使
用した。浮上材(2)には、10×10cm当たり1個
の割合で4cmの直径の開口(20)を設けた。見掛け
比重は0.03であった。作製した浮漂基体の見掛け比
重は0.88であり、水中に浸漬後放置したところ、そ
の体積の約1割が水面に浮上した。浄化機能に関して
は、ブランク(浮漂構造体無し)の水槽の水が藻類の発
生でかなり濁ったの対し、吸水材(1)における微生物
の繁殖により若干の効果が見られた。
【0034】(実施例2)実施例1と同様に作製した浮
漂基体の吸水材(1)に対し、水性植物(3)として、
地下茎の付いた葦の株を植え付けて浮漂構造体を作製し
た。植栽量は、20cm×20cm当たりに1株の割合
であり、浮漂構造体全体としては25株とした。浄化機
能に関しては、初期の水の透明性が略維持され、かつ、
植栽した水性植物(3)が繁茂するに従い水の透明性が
更に向上した。また、水性植物(3)により、浮漂基体
が見え難くなり景観上も良好であった。
【0035】(実施例3)図2に示す浮漂基体を作製し
た。吸水材(1)としては、外形寸法が100×100
×7(厚さ)cmの平板状に形成した連続気泡発泡ポリ
ウレタン製の吸水材を使用した。見掛け比重は0.05
であり、真比重は1.3であった。浮上材(2)として
は、6mmの紐径で8cm四方の網目の発泡軟質塩化ビ
ニル製のネットを使用した。ネットの見掛け比重は0.
1であった。浮漂構造体の見掛け比重は0.9であっ
た。吸水材(1)には、実施例2と同様に、水性植物
(3)として合計25株の菰を植栽した。浄化機能およ
び景観性に関しては、実施例2と略同様の結果が得られ
た。
【0036】(実施例4)図3に示す浮漂基体を作製し
た。吸水材(1)としては、外形寸法が8×100×1
00cmの方形平板状に形成したビニロン不織布(ビニ
ロン綿ブロック)から成る吸水材を使用した。見掛け比
重は0.025であり、真比重は1.25であった。浮
上材(2)としては、外形寸法が9.2mm(直径)×
100cm(長さ)の棒状体に形成した発泡ポリエチレ
ン製の浮上材を使用した。見掛け比重は0.05であっ
た。棒状体は、吸水材(1)の各辺に5本づつ等間隔に
配置した状態となる様に格子状に合計10本差し込ん
だ。浮漂構造体の見掛け比重は0.9であった。吸水材
(1)には、実施例2と同様に、水性植物(3)として
合計25株のコウホネを植栽した。浄化機能および景観
性に関しては、実施例2と略同様の結果が得られた。
【0037】
【表1】 期 間 ブランク 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 初 期 90 90 90 90 90 2カ月 52 61 83 80 78 4カ月 39 53 88 85 81 水槽内の水の光線透過率(%/cm)
【0038】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の浮漂構造体
および水の浄化方法によれば、吸水材に繁殖形成される
微生物膜の接触酸化による効率的な分解機能と、吸水材
に植栽された水性植物による微生物の分解生成物に対す
る吸収機能とを相乗的に利用し、かつ、水面に浮漂させ
るだけで水との接触効率を高めることが出来るため、河
川、湖沼等の水を一層効率的に浄化することが出来る。
また、浮漂構造体が簡単な構造であり、一層低コストで
浄化することが出来、しかも、植栽した水性植物だけが
漂う様な良好な景観を構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る浮漂構造体を示す斜視図
および縦断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る浮漂構造体を示す斜視図
および縦断面図である。
【図3】第3の実施形態に係る浮漂構造体を示す斜視図
および縦断面図である。
【符号の説明】
1:吸水材 2:浮上材 3:水性植物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水面を浮漂する水浄化用の構造体であっ
    て、多孔性の吸水材および独立気泡発泡プラスチックの
    浮上材から成る浮漂基体と、前記吸水材に植栽された水
    性植物とから構成され、前記浮漂基体は、常態における
    体積の1〜20%が水面上に露出する浮上性を備えてい
    ることを特徴とする浮漂構造体。
  2. 【請求項2】 吸水材が無機繊維体である請求項1に記
    載の浮漂構造体。
  3. 【請求項3】 吸水材が連続気泡発泡プラスチックであ
    る請求項1に記載の浮漂構造体。
  4. 【請求項4】 吸水材が不織布である請求項1に記載の
    浮漂構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の浮漂構造
    体を河川、湖沼等の汚濁水域に浮かべることを特徴とす
    る水の浄化方法。
JP8289083A 1996-10-11 1996-10-11 浮漂構造体および当該浮漂構造体による水の浄化方法 Withdrawn JPH10113685A (ja)

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Cited By (10)

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