JPH10111118A - 距離測定方法及び距離測定装置、無端移動体の伸び測定方法及び無端移動体の伸び測定装置、並びに無端移動体 - Google Patents

距離測定方法及び距離測定装置、無端移動体の伸び測定方法及び無端移動体の伸び測定装置、並びに無端移動体

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JPH10111118A
JPH10111118A JP26761396A JP26761396A JPH10111118A JP H10111118 A JPH10111118 A JP H10111118A JP 26761396 A JP26761396 A JP 26761396A JP 26761396 A JP26761396 A JP 26761396A JP H10111118 A JPH10111118 A JP H10111118A
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coil
magnetic
distance
measuring
magnetostrictive wire
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Application number
JP26761396A
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English (en)
Inventor
Hideaki Minami
秀明 南
Jiyun Ooshimo
純 大志茂
Tomoyoshi Okamoto
友良 岡本
Katsunori Mizumoto
克典 水本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
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Publication date
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  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Control Of Conveyors (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出感度が低下することなく、埃中に含まれ
る磁性体の吸着を防止し、正確に2点間の距離を測定し
得る距離測定方法及びその装置、無端移動体の伸び測定
方法及びその装置、並びに無端移動体を提供する 【解決手段】 外プレート13には2本の磁性体5,5が
所定距離を隔てて立設してあり、磁性体5,5の端面と
対向して磁歪線8が張設してある。磁歪線8より少しチ
ェーン本体1側にはチェーン本体1の長手方向に長い1
次コイル11が配設してあり、該1次コイル11内を通過す
る間に磁性体5,5,…は励磁される。駆動パルス発信
部21から磁歪線8に所定周期で駆動パルスが与えられ、
受信器9は逆磁歪効果を利用して捩れ弾性波を検出し、
タイマ23は捩れ弾性波の伝播時間をそれぞれ計測する。
そして、距離算出部24は各伝播時間の偏差td を算出し
て磁性体5,5間の距離を算出し、伸び算出部26は磁性
体5,5間の距離からチェーン本体1の伸びを算出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2点間の距離を測
定する距離測定方法及びその実施に使用する装置、この
距離測定方法を利用して、循環移動するチェーン、ベル
ト等の無端移動体の伸びを、稼働中に非接触で測定する
無端移動体の伸び測定方法、その実施に使用する装置、
並びに無端移動体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】循環移動するチェーンは、使用している
間にピン、ブッシュ等が摩耗して伸びる。この伸びは、
駆動力の円滑な伝達を損ねる原因となるのみならず、こ
の摩耗量が限界を超えた場合、チェーンの強度が低下
し、通常の伝導能力が得られず、また過負荷等によって
チェーンが切断する虞がある。これを防止するために、
チェーンの伸びを検出し、その検出値が予め定めた閾値
を超えたとき、チェーンを交換している。
【0003】チェーンの伸びを検出する方法として、本
出願人は特願平 8−186477号で次のような方法を提案し
ている。チェーンの側面に複数の永久磁石を所定の距離
を隔てて取り付けておく。また、永久磁石の移動領域に
臨ませて磁歪線を張設しておく。磁歪線には適宜の間隔
でパルス電流が通流されるようになっており、このパル
ス電流の通流で磁歪線の周囲に生じた磁界と各永久磁石
との相互作用による磁気歪み現象によって磁歪線に捩れ
弾性波がそれぞれ発生する。磁歪線の一端には磁歪線を
伝播した捩れ弾性波を検出する検出器が設けてあり、各
永久磁石の位置に応じて発生した捩れ弾性波が磁歪線の
一端に到達するに要する到達時間を、パルス電流を通流
してから検出器が各捩れ弾性波を検出するまでの時間と
してそれぞれ求め、求めた各到達時間から永久磁石の間
の距離を算出し、初期に算出した永久磁石の間の距離と
比較することによってチェーンの伸びを算出する。これ
によって、稼働中のチェーンの伸びを高精度に求めるこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した方法
では、永久磁石を用いているため、チェーンの配設領域
に舞う埃に含まれる磁性体の永久磁石への吸着又は永久
磁石の経年変化によって、永久磁石の磁力が低下し、検
出感度が低下する虞がある。一方、永久磁石が磁性体を
吸着した場合、その磁性体が励磁されるため、磁場の向
き及び磁場発生領域が変化し、2点間の距離測定精度が
低下することも考えられる。また、吸着した磁性体を永
久磁石から取り除くことが困難である。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは2点に磁性体をそれ
ぞれ設け、両磁性体を第1コイルによって励磁し、両磁
性体に臨ませて配した磁歪線を用いて、励磁した両磁性
体間の距離を算出することによって、検出感度が低下す
ることなく、埃中に含まれる磁性体の吸着を防止し、正
確に2点間の距離を測定し得る距離測定方法及びその実
施に使用する装置を提供することにある。
【0006】また、他の目的とするところは、無端移動
体の複数の部位に磁性体をそれぞれ設け、少なくとも2
つの磁性体を第1コイルによって励磁し、磁性体の移動
領域に臨ませて配した磁歪線を用いて、励磁した磁性体
間の距離を算出し、算出した距離を用いて無端移動体の
伸びを算出することによって、検出感度が低下すること
なく、埃中に含まれる磁性体の吸着を防止し、正確に無
端移動体の伸びを測定し得る無端移動体の伸び測定方
法、及びその実施に使用する装置を提供することにあ
る。
【0007】更に他の目的とするところは、複数の部位
に磁性体を設けることによって、磁場による磁性体の励
磁を可能にし、磁歪線を用いる検出の感度が低下するこ
となく、埃中に含まれる磁性体の吸着を防止し得る無端
移動体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る距離測定
方法は、2点間の距離を測定する距離測定方法におい
て、前記2点に磁性体をそれぞれ設け、両磁性体に臨ま
せて、捩れ弾性波が生じる磁歪線及び両磁性体を励磁す
る第1コイルをそれぞれ配し、前記磁歪線に捩れ弾性波
を受信する受信器を設け、第1コイルに通電して両磁性
体を励磁し、前記磁歪線に電流パルスを通流し、電流パ
ルスの通流によって、前記磁歪線の両磁性体に対向する
部位にそれぞれ発生する捩れ弾性波の前記受信器までの
伝播時間をそれぞれ検出し、検出した伝播時間に基づい
て2点間の距離を算出することを特徴とする。
【0009】第2発明に係る距離測定方法は、第1発明
において、前記第1コイルに交流電流を通流することを
特徴とする。
【0010】第3発明に係る距離測定方法は、第1発明
において、前記第1コイルに1又は複数の第1コンデン
サを直列接続し、それらに交流電流を通流することを特
徴とする。
【0011】第4発明に係る距離測定装置は、2点間の
距離を測定する距離測定装置において、前記2点に設け
た磁性体に臨ませて配するようになしてあり、捩れ弾性
波が生じる磁歪線及び両磁性体を励磁する第1コイル
と、前記磁歪線に電流パルスを通流する電流パルス発生
器と、前記磁歪線に生じた捩れ弾性波を受信する受信器
と、電流パルスの通流によって、前記磁歪線の両磁性体
に対向する部位にそれぞれ発生する捩れ弾性波の前記受
信器までの伝播時間をそれぞれ検出する手段と、検出し
た各伝播時間に基づいて2点間の距離を算出する手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】第5発明に係る距離測定装置は、第4発明
において、前記第1コイルに交流電流を通流する電源を
具備することを特徴とする。
【0013】第6発明に係る距離測定装置は、第5発明
において、前記第1コイルに直列接続した1又は複数の
第1コンデンサを具備することを特徴とする。
【0014】第7発明に係る距離測定装置は、第5又は
第6発明において、各磁性体にそれぞれ捲回してある第
2コイルと、各第2コイルにそれぞれ直列接続してある
第2コンデンサとを具備することを特徴とする。
【0015】第8発明に係る無端移動体の伸び測定方法
は、無端移動体に定めた複数の部位間の距離をそれぞれ
測定し、測定した各距離に基づいて、無端移動体の伸び
を測定する無端移動体の伸び測定方法において、複数の
部位に磁性体をそれぞれ設け、それら磁性体の移動領域
に臨ませて、捩れ弾性波が生じる磁歪線及び少なくとも
2つの磁性体を励磁する第1コイルをそれぞれ配し、前
記磁歪線に捩れ弾性波を受信する受信器を設け、第1コ
イルに通電して磁性体を励磁し、前記磁歪線に電流パル
スを通流し、電流パルスの通流によって、前記磁歪線の
励磁する磁性体に対向する部位にそれぞれ発生する捩れ
弾性波の前記受信器までの伝播時間をそれぞれ検出し、
検出した伝播時間に基づいて励磁された磁性体間の距離
を算出し、算出した距離を用いて無端移動体の伸びを算
出することを特徴とする。
【0016】第9発明に係る無端移動体の伸び測定方法
は、第8発明において、前記第1コイルに交流電流を通
流することを特徴とする。
【0017】第10発明に係る無端移動体の伸び測定方
法は、第8発明において、前記第1コイルに1又は複数
の第1コンデンサを直列接続し、それらに交流電流を通
流することを特徴とする。
【0018】第11発明に係る無端移動体の伸び測定装
置は、無端移動体に定めた複数の部位間の距離をそれぞ
れ測定し、測定した各距離に基づいて、無端移動体の伸
びを測定する無端移動体の伸び測定装置において、前記
無端移動体の複数の部位に設けた磁性体の移動領域に臨
ませて配するようになしてあり、捩れ弾性波が生じる磁
歪線及び少なくとも2つの磁性体を励磁する第1コイル
と、前記磁歪線に電流パルスを通流する電流パルス発生
器と、前記磁歪線に生じた捩れ弾性波を受信する受信器
と、電流パルスの通流によって、前記磁歪線の励磁する
磁性体に対向する部位にそれぞれ発生する捩れ弾性波の
前記受信器までの伝播時間をそれぞれ検出する手段と、
検出した各伝播時間に基づいて励磁された磁性体間の距
離を算出する手段と、算出した距離を用いて無端移動体
の伸びを算出する手段とを備えることを特徴とする。
【0019】第12発明に係る無端移動体の伸び測定装
置は、第11発明において、前記第1コイルに交流電流
を通流する電源を具備することを特徴とする。
【0020】第13発明に係る無端移動体の伸び測定装
置は、第12発明において、前記第1コイルに直列接続
した1又は複数の第1コンデンサを具備することを特徴
とする。
【0021】第14発明に係る無端移動体の伸び測定装
置は、第12又は第13発明において、各磁性体にそれ
ぞれ捲回してある第2コイルと、各第2コイルにそれぞ
れ直列接続してある第2コンデンサとを具備することを
特徴とする。
【0022】第15発明に係る無端移動体は、複数の部
位に磁性体が設けてあることを特徴とする。
【0023】第16発明に係る無端移動体は、第15発
明において、各磁性体にそれぞれ捲回してある第2コイ
ルと、各第2コイルにそれぞれ直列接続してある第2コ
ンデンサとを具備することを特徴とする。
【0024】第1,第4,第8,第11及び第15発明
にあっては、磁歪線に電流パルスを与えると、磁歪線の
円周方向に磁束Φi が生じる。ここで、磁歪線の任意の
位置の近傍に磁場が存在すると、磁歪線のその位置付近
にのみ軸線方向の磁束Φm が生じる。電流パルスによる
磁束Φi は瞬時に発生するため、磁束Φi ,Φm の合成
磁束Φが斜め方向に瞬間的に生じ、磁歪線のこの部分に
捩れが生じる。この捩れは、弾性波となって磁歪線の両
端へ向かって伝播する。
【0025】電流パルスの伝播速度は、捩れ弾性波の伝
播速度より十分高速なので、電流パルスの伝播時間は無
視できる。そのため、電流パルスが与えられ捩れ弾性波
が発生してから、磁歪線の一端に設けられた受信器で受
信されるまでの伝播時間を測定することにより、磁場の
位置が検出できる。磁場から受信器までの距離をX、捩
れ弾性波の伝播速度をV、捩れ弾性波が発生してから受
信器で受信される迄の時間をtとすると、受信器を基準
とした磁場の位置Xは次式により求められる。 X=V・t (1)
【0026】磁歪線の近傍に磁場が複数箇所ある場合
は、磁場それぞれに対応して捩れ弾性波が発生する。捩
れ弾性波が互いに干渉しない間隔に磁場が存在していれ
ば、各磁場のそれぞれの位置を計測することができ、こ
れにより、磁場間の距離も測定できる。また、それぞれ
の位置を計測するまでもなく、2つの磁場で発生したそ
れぞれの捩れ弾性波の、受信器で受信されるまでの伝播
時間の差td を求めると、(1)式から導出した(2)
式により磁場間の距離,即ち2点間の距離Lを求めるこ
とができる。 L=V・td (2)
【0027】そこで、2点に磁性体を設け、両磁性体に
臨ませて配した1次コイルによって両磁性体を励磁し、
それぞれ磁場を発生させる。そして、両磁性体に臨ませ
て磁歪線を配し、該磁歪線を用いて前述した如く2点間
の距離を算出する。このように、磁性体を1次コイルに
よって励磁して磁場を発生させるため、永久磁石を用い
た場合のように経年変化による磁力の低下が起こらな
い。
【0028】また、例えば、チェーンの複数の部位に磁
性体をそれぞれ設けておき、それら磁性体の移動領域に
臨ませて配した1次コイルによって、少なくとも2つの
磁性体を励磁する。そして、前記移動領域に臨ませて磁
歪線を配し、該磁歪線を用いて励磁された磁性体間の距
離を算出する。チェーンに伸びが発生したときには、磁
性体間の距離が経時変化として検出されるため、新たに
チェーンを取り付けたときに前同様に算出した磁性体間
の距離を基準距離とし、又は新たにチェーンを取り付け
たときに測定して得た磁性体間の距離を基準距離とし、
該基準距離と比較することによってチェーンの伸び量を
算出する。
【0029】第2,第5,第9及び第12発明にあって
は、1次コイルに交流電流を通流し、1次コイルが発生
する交番磁界によって磁性体を励磁する。そのため、1
次コイルの磁場から離脱するのに伴って磁性体は消磁さ
れる。これによって、埃中に含まれる磁性体の吸着が防
止される。また、励磁された磁性体に埃中に含まれる磁
性体が吸着しても、それらは容易に除去される。
【0030】第3,第6,第10及び第13発明にあっ
ては、1次コイルに第1コンデンサを直列接続させてL
C回路を形成する。これによって、このLC回路にその
共振周波数と同じ周波数の交流電流を通流させた場合、
LC回路に印加する電圧を低くしても所要の強さの磁界
を生成することができ、消費電力を低減することができ
る。消費電力の低減は、LC回路を多く形成するほど効
果がある。一方、印加電圧が低い場合、感電による人体
への影響が少ない。
【0031】第7,第14及び第16発明にあっては、
磁性体に2次コイルを捲回し、該2次コイルに第2コン
デンサを直列接続することによって磁性体側にLC回路
を形成する。そして、該LC回路の共振周波数と同じ周
波数の交流電流を1次コイルに通流することによって、
磁性体をコアとする磁界を生成する。このようにして生
成された磁界の強さは、単独の磁性体を励磁して生成さ
れた磁界の強さより大きいため、磁歪線による検出感度
が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をその実施の形態
を示す図面に基づき説明する。図1は、本発明に係るチ
ェーンの一部及びチェーンの伸び検出装置の構成を示す
模式図であり、図2はチェーンの伸び検出手順を示すフ
ローチャートである。チェーン本体1は、複数の内リン
ク2,2,…及び外リンク3,3,…を交互に連結し、
両端を継手リンク(図示せず)で連結して環状になして
ある。各外リンク3,3,…の側壁である外プレート1
3,13,…にはそれぞれ、例えばフェライトを円柱状に
成形した2本の磁性体5,5が所定距離を隔てて立設し
てあり、磁性体5,5,…の端面と対向して磁歪線8が
張設してある。磁歪線8より少しチェーン本体1側には
チェーン本体1の長手方向に長い1次コイル11が配設し
てあり、該1次コイル11は直流電源10に接続してある。
【0033】1次コイル11は、上下に所定距離を隔てて
平行な直線状の部分を備え、長手方向の両端近傍をチェ
ーン本体1の反対側に屈曲させた形状をしており、該1
次コイル11の直線状の部分で挟まれる領域を同時的に少
なくとも2本の磁性体5,5が通過するようになってい
る。直流電源10をオンして1次コイル11へ通電し(ステ
ップS1)、磁界を生成する。磁性体5,5,…は、1
次コイル11内を通過する間に励磁される。なお、図1に
おいては、磁性体5,5,…を外プレート13,13,…に
設けてあるが、本発明はこれに限らず、内リンク2,
2,…と外リンク3,3,…とを連結する各ピンに設け
てもよいことはいうまでもない。
【0034】磁歪線8の一端は、励磁された磁性体5,
5,…間の距離を検出してチェーン本体1の伸びを測定
する測定器20の駆動パルス発信部21に接続してあり、駆
動パルス発信部21から磁歪線8に所定周期で駆動パルス
が与えられる(ステップS2)。この駆動パルスが与え
られる都度、磁歪線8の周囲には周方向磁界が生じ、周
方向磁界は駆動パルスと共に磁歪線8の他端方向へ移動
する。なお、この移動速度は電流速度であるので、移動
時間は無視できる。
【0035】磁歪線8の周方向磁界が励磁された磁性体
5,5,…の近傍を通過するとき、周方向磁界と励磁さ
れた磁性体5,5,…それぞれによる磁界との相互作用
によって生じる磁気歪み現象により、磁歪線8にそれぞ
れの捩れ弾性波が発生し、各捩れ弾性波は磁歪線8を伝
播する。磁歪線8の一端近傍には検出コイルを磁歪線8
に外嵌させてある受信器9が配してあり、磁歪線8を伝
播した各捩れ弾性波が受信器9に到達すると、受信器9
は逆磁歪効果を利用してそれらを検出し(ステップS
3)、各検出信号を測定器20の弾性波判別部22に与え
る。
【0036】弾性波判別部22には駆動パルス発信部21か
ら駆動パルスも与えられており、弾性波判別部22は、駆
動パルスと略同じときに受信器9から与えられた検出信
号は、磁歪線8への駆動パルスの印加によって発生する
弾性波であると判断し(ステップS4)て、その検出信
号を無効にする(ステップS5)。弾性波判別部22はそ
れ以降に受信器9から与えられた検出信号が捩れ弾性波
であると判断し、タイマ23に信号を与える。タイマ23に
は駆動パルス発信部21から駆動パルスも与えられるよう
になっており、タイマ23は駆動パルスが与えられてか
ら、弾性波判別部22から各信号が与えられるまでの時
間、即ち捩れ弾性波の伝播時間をそれぞれ計測し(ステ
ップS6)、各伝播時間を距離算出部24に与える。距離
算出部24はタイマ23から与えられた各伝播時間の偏差t
d を算出する(ステップS7)。そして、距離算出部24
は、次の(2)式に基づいて各磁性体5,5,…間の距
離をそれぞれ算出し(ステップS8)、算出結果をメモ
リ25又はチェーン本体1の伸びを算出する伸び算出部26
に与える。 L=V・td …(2) 但し、L :磁性体間の距離 V :捩れ弾性波の伝播速度
【0037】メモリ25には新たにチェーンを取り付けて
から最初に算出した磁性体5,5,…間の距離を記憶さ
せるようになっている。伸び算出部26は、メモリ25から
そこに記憶させてある距離を読み出し(ステップS
9)、読み出した距離及び距離算出部24から与えられた
磁性体5,5,…間の距離から、チェーン本体1の伸び
を算出し(ステップS10)、その算出結果を表示装置28
に与え、該表示装置28の画面上に表示させる。
【0038】このように、1次コイル11によって磁性体
5,5,…を励磁するため、経年変化による磁力の低下
が発生しない。
【0039】図3は他の実施の形態を示す模式図であ
り、1次コイル11に交流電流を通流するようになってい
る。なお、図中、図1に対応する部分には同じ番号を付
してその説明を省略する。1次コイル11は交流電源12に
接続してあり、交流電流の通流によって、1次コイル11
は交番磁界を発生する。そのため、磁性体5,5,…は
1次コイル11の直線状の部分にある間は、交番磁界によ
って励磁され、励磁された磁性体5,5,…が発生する
磁場が磁歪線8を介して検出される一方、1次コイル11
を通過してしまうと磁性体5,5,…の磁場はほとんど
消失する。これによって、経年変化による磁力の低下を
防止すると共に、チェーン本体1の周りに舞う埃中に含
まれる磁性体が検出対象である磁性体5,5,…に吸着
することが防止される。
【0040】図4は更に他の実施の形態を示す模式図で
あり、磁性体5に2次コイルを設けた場合を示してい
る。図4に示した如く、各磁性体5には2次コイル32が
捲回してあり、各2次コイル32に第2コンデンサ33を直
列接続しLC回路が形成してある。1次コイル11にはこ
のLC回路の共振周波数と同じ周波数の電流が通流され
るようになっており、これによってLC回路が共振し、
磁性体5をコアとする磁界が発生する。そして、磁歪線
8を用いて前同様に磁性体5,(5)の間の距離を測定
する。このように、磁性体5に2次コイル32及び第2コ
ンデンサ33を設けて直列LC回路を構成して共振によっ
て磁界を発生するため、磁性体5を直接励磁して生じる
磁界の強さより大きく、従って磁歪線8による検出感度
が向上する。
【0041】また、図5は他の実施の形態を示す回路図
であり、(a)はコンデンサを1つ用いた場合を、
(b)は複数のコンデンサを用いた場合をそれぞれ示し
ている。図5(a)の如く、1次コイル11は交流電源12
に接続してあり、交流電源12から1次コイル11に、図4
に示した2次コイル32及び第2コンデンサ33で構成され
るLC回路の共振周波数と同じ周波数の電流が通流され
る。1次コイル11には第1コンデンサ41が直列接続して
あり、この1次コイル11及び第1コンデンサ41で構成さ
れるLC回路の共振周波数は、2次コイル32及び第2コ
ンデンサ33で構成されるLC回路のそれと同じ周波数に
してある。これによって、第1コンデンサ41を用いたL
C回路を構成しない場合に比べて、低い電圧を印加して
も1次コイル11で所要の強さの磁界を発生することがで
き、従って消費電力を低減することができる。
【0042】また、図5(b)に示した如く、複数の1
次コイル11,11,…及び第1コンデンサ41,41,…を用
いて、それらを交互に直列接続することによって、1次
コイル11,11,…に印加すべき電圧を更に低減すること
ができる。これによって、消費電力は更に低減される一
方、1次コイル11,11,…を被覆する絶縁被膜の破損部
分に作業員が触れた場合、アースとの電位差が低いので
人体への影響が少ない。
【0043】
【発明の効果】以上詳述した如く、第1,第4,第8,
第11及び第15発明にあっては、検出感度が低下する
ことなく、埃中に含まれる磁性体の吸着を防止し、正確
に2点間の距離を測定し得る。
【0044】第2,第5,第9及び第12発明にあって
は、埃中に含まれる磁性体の吸着が防止され、また、励
磁された磁性体に埃中に含まれる磁性体が吸着しても、
それらは容易に除去される。
【0045】第3,第6,第10及び第13発明にあっ
ては、1次コイルに第1コンデンサを直列接続させて形
成したLC回路に印加する電圧を低くしても所要の強さ
の磁界を生成することができ、消費電力を低減すること
ができる。
【0046】第7,第14及び第16発明にあっては、
磁性体に捲回した2次コイルに第2コンデンサを直列接
続してLC回路を形成するため、生成された磁界の強さ
は、単独の磁性体を励磁することによって生成された磁
界の強さより大きく、磁歪線による検出感度が向上する
等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチェーンの一部及びチェーンの伸
び検出装置の構成を示す模式図である。
【図2】チェーンの伸び検出手順を示すフローチャート
である。
【図3】他の実施の形態を示す模式図である。
【図4】更に他の実施の形態を示す模式図である。
【図5】他の実施の形態を示す回路図である。
【符号の説明】
1 チェーン本体 2 内リンク 3 外リンク 5 磁性体 8 磁歪線 11 1次コイル 13 外プレート 20 測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01D 5/48 G01D 5/48 A (72)発明者 水本 克典 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2点間の距離を測定する距離測定方法に
    おいて、 前記2点に磁性体をそれぞれ設け、両磁性体に臨ませ
    て、捩れ弾性波が生じる磁歪線及び両磁性体を励磁する
    第1コイルをそれぞれ配し、前記磁歪線に捩れ弾性波を
    受信する受信器を設け、第1コイルに通電して両磁性体
    を励磁し、前記磁歪線に電流パルスを通流し、電流パル
    スの通流によって、前記磁歪線の両磁性体に対向する部
    位にそれぞれ発生する捩れ弾性波の前記受信器までの伝
    播時間をそれぞれ検出し、検出した伝播時間に基づいて
    2点間の距離を算出することを特徴とする距離測定方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1コイルに交流電流を通流する請
    求項1記載の距離測定方法。
  3. 【請求項3】 前記第1コイルに1又は複数の第1コン
    デンサを直列接続し、それらに交流電流を通流する請求
    項1記載の距離測定方法。
  4. 【請求項4】 2点間の距離を測定する距離測定装置に
    おいて、 前記2点に設けた磁性体に臨ませて配するようになして
    あり、捩れ弾性波が生じる磁歪線及び両磁性体を励磁す
    る第1コイルと、前記磁歪線に電流パルスを通流する電
    流パルス発生器と、前記磁歪線に生じた捩れ弾性波を受
    信する受信器と、電流パルスの通流によって、前記磁歪
    線の両磁性体に対向する部位にそれぞれ発生する捩れ弾
    性波の前記受信器までの伝播時間をそれぞれ検出する手
    段と、検出した各伝播時間に基づいて2点間の距離を算
    出する手段とを備えることを特徴とする距離測定装置。
  5. 【請求項5】 前記第1コイルに交流電流を通流する電
    源を具備する請求項4記載の距離測定装置。
  6. 【請求項6】 前記第1コイルに直列接続した1又は複
    数の第1コンデンサを具備する請求項5記載の距離測定
    装置。
  7. 【請求項7】 各磁性体にそれぞれ捲回してある第2コ
    イルと、各第2コイルにそれぞれ直列接続してある第2
    コンデンサとを具備する請求項5又は6記載の距離測定
    装置。
  8. 【請求項8】 無端移動体に定めた複数の部位間の距離
    をそれぞれ測定し、測定した各距離に基づいて、無端移
    動体の伸びを測定する無端移動体の伸び測定方法におい
    て、 複数の部位に磁性体をそれぞれ設け、それら磁性体の移
    動領域に臨ませて、捩れ弾性波が生じる磁歪線及び少な
    くとも2つの磁性体を励磁する第1コイルをそれぞれ配
    し、前記磁歪線に捩れ弾性波を受信する受信器を設け、
    第1コイルに通電して磁性体を励磁し、前記磁歪線に電
    流パルスを通流し、電流パルスの通流によって、前記磁
    歪線の励磁する磁性体に対向する部位にそれぞれ発生す
    る捩れ弾性波の前記受信器までの伝播時間をそれぞれ検
    出し、検出した伝播時間に基づいて励磁された磁性体間
    の距離を算出し、算出した距離を用いて無端移動体の伸
    びを算出することを特徴とする無端移動体の伸び測定方
    法。
  9. 【請求項9】 前記第1コイルに交流電流を通流する請
    求項8記載の無端移動体の伸び測定方法。
  10. 【請求項10】 前記第1コイルに1又は複数の第1コ
    ンデンサを直列接続し、それらに交流電流を通流する請
    求項8記載の無端移動体の伸び測定方法。
  11. 【請求項11】 無端移動体に定めた複数の部位間の距
    離をそれぞれ測定し、測定した各距離に基づいて、無端
    移動体の伸びを測定する無端移動体の伸び測定装置にお
    いて、 前記無端移動体の複数の部位に設けた磁性体の移動領域
    に臨ませて配するようになしてあり、捩れ弾性波が生じ
    る磁歪線及び少なくとも2つの磁性体を励磁する第1コ
    イルと、前記磁歪線に電流パルスを通流する電流パルス
    発生器と、前記磁歪線に生じた捩れ弾性波を受信する受
    信器と、電流パルスの通流によって、前記磁歪線の励磁
    する磁性体に対向する部位にそれぞれ発生する捩れ弾性
    波の前記受信器までの伝播時間をそれぞれ検出する手段
    と、検出した各伝播時間に基づいて励磁された磁性体間
    の距離を算出する手段と、算出した距離を用いて無端移
    動体の伸びを算出する手段とを備えることを特徴とする
    無端移動体の伸び測定装置。
  12. 【請求項12】 前記第1コイルに交流電流を通流する
    電源を具備する請求項11記載の無端移動体の伸び測定
    装置。
  13. 【請求項13】 前記第1コイルに直列接続した1又は
    複数の第1コンデンサを具備する請求項12記載の無端
    移動体の伸び測定装置。
  14. 【請求項14】 各磁性体にそれぞれ捲回してある第2
    コイルと、各第2コイルにそれぞれ直列接続してある第
    2コンデンサとを具備する請求項12又は13記載の無
    端移動体の伸び測定装置。
  15. 【請求項15】 複数の部位に磁性体が設けてあること
    を特徴とする無端移動体。
  16. 【請求項16】 各磁性体にそれぞれ捲回してある第2
    コイルと、各第2コイルにそれぞれ直列接続してある第
    2コンデンサとを具備する請求項15記載の無端移動
    体。
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