JPH10110993A - 成層温空調システム - Google Patents

成層温空調システム

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JPH10110993A
JPH10110993A JP26580696A JP26580696A JPH10110993A JP H10110993 A JPH10110993 A JP H10110993A JP 26580696 A JP26580696 A JP 26580696A JP 26580696 A JP26580696 A JP 26580696A JP H10110993 A JPH10110993 A JP H10110993A
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Japan
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temperature
air
conditioning system
low
stratified
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Withdrawn
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JP26580696A
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English (en)
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Kanji Otake
幹治 大武
Junji Ogata
潤司 緒方
Takayuki Irie
隆之 入江
Shuji Sumiya
修二 角谷
Masahiro Tomioka
正裕 冨岡
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジャー施設等の建築物に適用される成層温
空調システムを提供する。 【解決手段】 基礎部11から通常の床面12を有す
るショッピングエリアとして機能する高温領域Hの高温
スペースと、上記基礎部11に形成され、スキー場ゲレ
ンデ13として機能する低温領域L及び中温領域Mから
なるスキー場スペースとを全天候型の大空間のドーム1
4によって形成し、上記ドーム内の異温度のスペースで
ある高温領域Hの高温スペースと、中温領域M及び低温
領域Lからなるスキー場スペースとを、床面12及び天
井15から対向噴流によるエアカーテン21によって仕
切られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジャー施設等の
建築物に適用される成層温空調システムに関し、また、
強制循環ファン、エアーカーテンを用いた空調システ
ム、テーマパーク,ショッピングドーム,クリーンルー
ム及び環境風洞等に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の異温度空間共存システムには、気
流のコントーロールや構造的仕切りによって空間気流の
混合を押さえることによって、より経済的なシステムを
実現する考え方がある。また、一般的な気流コントロー
ルの例としては、ビルの出入口に採用されており、ま
た、人の出入りの少ない部分では、構造的な壁等の仕切
りを併用する方法が用いられていることが多い。但し、
50mを超える大型の仕切り用エアカーテンは存在せ
ず、実現化の要求に対しては、気流解析によって予備検
討を行い、適切な方法を採用する必要がある。
【0003】従来の異温度空間共存システムの概略を図
面を参照して説明する。図5は高さ50mを超える大空
間成層温度分布のイメージ図を示し、図5(a)はその
側面図、(b)は(a)のb−b断面図を示す。図5に
示すように、大空間の内部において、高温領域Hの温度
は、例えば20〜28℃で常夏の高温側エリアを形成し
ており、一方、スキー場の低温領域Lの温度は、人の足
元近傍で2〜3℃程度、人の高さ程度で10℃とし、そ
の上空での中温領域Mの温度は、15〜17℃で低温側
エリアを形成しており、高温側エリアと低温側エリアと
の温度差(約10℃前後)を仕切るために大空間空調制
御を必要としている。
【0004】図6に、従来型の異温度空間共存空調シス
テムの例として、構造的な仕切りを有する一例を示す。
図6に示すように、50mを超える高さのドーム01の
内部は、仕切り部材02が天井から垂下されて設けられ
ており、内部の温度を異温度に保つように制御してい
る。また、高温領域Hにおいては、床面03から温風を
吹出す空調吹出部04が設けられており、高温(20〜
28℃)を保つようにしている。尚、天井05には排気
用の排気ファン06が所定配置に設けられている。一
方、低温領域Lにおいては、ゲレンデの上部の壁面07
に設けられた空調吹出部から冷気が噴出しており、ゲレ
ンデ下部近傍に設けられた排気部から吸引された冷気を
再び冷気を吹出部へ送り循環させることによって、低温
領域Lを保つようにしている。
【0005】図7は従来型のエアカーテンの構成を示し
ており、図6に示した構造的仕切り02に代わるエアカ
ーテンを採用した場合を示す。図7(a)はその概念図
であり、図7(b)は系統図である。図7に示すよう
に、エアカーテン011は、人012の出入口等の仕切
りを設けることが難しい箇所で、空調上の問題から外気
のシールが必要な時等に良く用いられているものであ
り、天井013に吹出口014を設ける一方、床面01
5には吸込口016を設け、上から下への一方向の噴流
を流している。図7(b)に示すように、上記吸込口0
16からの空気はダクト017に介装されたファン01
8により吸引されると共に、熱交換器019に送られ、
ここで熱交換されて再びエアカーテン011用の空気を
制御している。尚、符号019は排気口、020は空気
の流れを各々図示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法において
は、温度の異なる二つの異温度空間共存の空調システム
の実現には、二つの空間を構造的な仕切りで仕切る方法
が一般的であった。しかしながら、上述した方法は、両
方の空間の視野を確保することが条件の一つである場合
には、仕切り板として中間に透明遮蔽板を設置した場合
には、高温側Hの温度が高く、湿度の高い空気側が、冷
気側の空気で冷却されて、透明の遮蔽板が曇り、視野が
効かなくなるという問題がある。よって、従来において
は、上記仕切り部材02の曇り等によって、高温領域H
のショッピングエリア側から低温領域L及び中温領域M
のスキー場エリア側あるいはそのにスキー場側からショ
ッピングエリア側を、臨場感をもって共存することがで
きなかった。
【0007】また、床面に吸込口を設けて、天井からエ
アカーテンを吹出す下降噴流エアカーテンによって仕切
る方法あるいはその逆の上昇噴流エアカーテンによって
仕切る方法では、50m以上の距離という大型のものに
対して、流動解析の結果より、吸い込み部の仕切り効果
が期待できないという問題がある。
【0008】さらに、エアカーテンの気流に湿った暖か
い空気と、冷気とが混合することによって、霧・靄等の
発生が予想され、視野が遮られるという問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の成層温空調システムは、ドーム空間内に分け
られた二つの異温度空間を仕切るシステムであって、上
記二つの異温度空間を上下対向流のエアカーテンにより
仕切り、且つ上部からの下向き噴流は、高温側領域の温
度より十分低い温度の冷風とすることを特徴とする。
【0010】上下対向流の二つの大規模エアカーテンを
設置することにより、従来型の一方向噴流型エアカーテ
ンに比べて、同一条件で、かつ初速度も同一とすれば、
エアカーテンの噴流特性によって、エアカーテンの噴流
の到達距離は2倍の到達距離を稼ぐことができ、良好な
二空間の仕切り効果が得られる。
【0011】また、上部の下向き噴流を高温側領域の温
度より十分低い温度の冷風とすることによって、上部の
下向き噴流の空気が周囲の空気と比べて、比重が重く、
下向きの気流が生じやすくなり、良好な異温度の二つの
空間の仕切り効果が得られる。
【0012】本発明の第2の成層温空調システムは、第
1の成層温空調システムにおいて、下部からの上向き噴
流噴出部近傍において、低温側領域の床面を高温側領域
の床面より低く構築し、低温側冷気をせき止めるエアダ
ムを構成してなることを特徴とする。
【0013】下部の上向き噴流吹出部近傍において、低
温側床面を高温側床面より低く構築することによって、
低温側の領域の冷気はエアダムの構造壁によって仕切ら
れた底部へと集まり、せき止められた形となり、エアカ
ーテン部の低温側から高温側への横風等の負荷が軽減す
る効果が得られる。
【0014】本発明の第3の成層温空調システムは、第
1の成層温空調システムにおいて、ドーム天井上部から
の下向き噴流の吹出口を、天井から垂下した垂れ壁の下
端部近傍に設けたことを特徴とする。
【0015】ドーム天井上部の下向き噴流設置部に、適
正な高さの垂れ壁を構成することで、低温空間と高温空
間との天井近傍の温度の異なった空気を、エアカーテン
無しにある程度の仕切る効果が期待できる。また、これ
に加えてそん垂れ壁下部(垂れ壁先端、若しくは高温側
・低温側の垂れ壁面のいずれかでもよい)から、上部の
下向き噴流を吹出すことによって、低温空間と高温空間
との天井近傍の温度の異なった空気を、エアカーテンの
噴流によって仕切る効果が得られる。
【0016】本発明の第4の成層温空調システムは、第
2の成層温空調システムにおいて、上記エアダムを設置
した垂直壁面にエアカーテン用空気の取込み口を設けた
ことを特徴とする。
【0017】エアカーテン用の空気を取込み口を、エア
ダムを設置した垂直壁面とすることによって、低温側の
ゲレンデ面等からの吹き下ろし風を吸引し、エアカーテ
ン風量を低減することが可能となる。この風量低減によ
って、エアカーテン部の横風等の負荷が軽減する効果が
得られる。
【0018】本発明の第5の成層温空調システムは、第
1の成層温空調システムにおいて、上部からの下向き低
温噴流の取込み口を、低温側床面、若しくは第2のエア
ダムを設置した垂直壁面に、設けたことを特徴とする。
【0019】上部の下向き低温噴流の空気取込み口を低
温側床面、若しくはエアダムを設置した垂直壁面とする
ことによって、低温側の空気を吸引することができ、こ
の冷気を低温空気の必要な上部の下向き低温噴流用エア
カーテンに供給することによって、冷熱負荷や空調機容
量を低減することが可能となる。
【0020】本発明の第6の成層温空調システムは、低
温領域のエアカーテンに相対する壁面近傍の下部寄り
に、上向き噴流の吹出口を設置して、上向き流を形成し
てなることを特徴とする。
【0021】低温領域のエアカーテンに相対する壁面近
傍の下部寄りに、上向き噴流を設置して、上向き流を形
成することによって、上下対向噴流が確実に衝突し、二
次流れや対流による低温側床面への吹き下ろし風を抑制
することが可能となる。
【0022】本発明の第7の成層温空調システムは、第
1の成層温空調システムにおいて、高温側空間の湿度制
御を行うことを特徴とする。
【0023】上記構成とすることで、エアカーテン仕切
り部では高温側空気と低温側空気とが混合し、高温側空
気の温度がある程度存在すると霧が発生し、透明度が低
下する。本発明では、低温ゾーンのエアカーテンに相対
する壁面近傍の下部寄りに、上向き噴流を設置して、側
上向き流を形成時に空調機によって除湿を下げることが
可能となり、切りの発生を抑えることが可能となる。
【0024】すなわち、本発明はの成層温空調システム
は、天井に整流シールド、床面に構造的段差を設け、空
間内に循環ファン等を配設し、気流を遮り、エアカーテ
ン部の負荷を軽減させた上で、より強力な上部空気冷却
型の対向噴流型エアカーテンを採用し、異温度二空間の
仕切り効果を実現し、内部循環流を利用して最小の空調
負荷を実現しようとするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0026】本発明では空気の密度差や気流に起因する
循環力を抑えて、従来のような例えば仕切り部材等の構
造的な仕切り無しに、温度の異なる二つの空間が共存す
る空調システムを以下の構成とすることで最小の空調負
荷実現するように図ったものである。
【0027】(1) 上部からの下降噴流に低温空気を
流し、上下対向流の大型エアカーテンを設置する。 異温度の領域の二空間の仕切りのために、天井上部から
吹出す下降噴流と床面から吹出す上昇噴流とし、空気冷
却型の対向流型の大型のエアカーテンを設置し、同時に
対向流エアカーテンの二次的流れによって、内部循環流
が発生し、成層化した温度の空気を保持する構造とす
る。
【0028】(2) 温度境界近傍床面の段差構造の形
成及びエアダムを形成する。 温度境界近傍のエアカーテン風量を低減する方法とし
て、床面噴流吹き出し部近傍において、低温側領域の床
面を高温側領域の床面より低く構築し、ゲレンデ等の表
面を下降してくる下降流を壁面でせき止める構造とす
る。また、低温側冷気の下降流を気流を吹出すことによ
ってせき止めるエアダム構造とする。
【0029】(3) 上部噴流吹き出し付き気流遮蔽用
垂れ壁構造を形成する。 対向流のエアカーテン風量低減の方法として、ドーム天
井上部噴流設置部に、適切な高さの垂れ壁を構成し、そ
の垂れ壁下部から上部噴流の吹き出し口を設ける構造と
する。
【0030】(4) 垂直壁壁面部にエアカーテン用空
気の取込み口を形成する。 エアカーテン用の空気の取込み口をエアダムを設置した
のと同一の垂直壁面下部とし、低温側のゲレンデ面等か
らの吹き降ろし風を吸い込む構造とするによって、エア
カーテンを薙ぎ倒す横風の低減を図り、エアカーテン風
量を低減する。
【0031】(5) エアカーテン用の上部低温噴流の
空気取込み口を低温側床面若しくはエアダム壁面に形成
する。 エアカーテン用の上部から下降する低温噴流の空気取込
み口を、低温側床面若しくははエアダム壁面とし、該吸
い込んだ低温空気を用いることにより、冷熱負荷や空調
機の容量を低減する。
【0032】(6)低温側床面への吹き下ろし風を抑制
する強制循環ファンを設置する。 低温側ゾーンのエアカーテンに相対する壁面近傍の下部
寄りに、強制ファンを設置して上向き噴流を生成して、
上下対向流の衝突二次流れや、対流による低温側床面へ
の吹き下ろし風を抑制する。
【0033】(7)高温領域側空気の湿度を制御する。 エアカーテン仕切り部では、高温側空気と低温側空気と
の温度が混合し、高温が空気の温度がある程度以上存在
すると霧が発生し、透明度が低下する。これを抑制する
ために、高温領域側の空気の湿度制御を空調機によって
行う。
【0034】(1)対向流のエアカーテンの仕切り効果 側風の遮蔽効果 エアカーテンの噴流は吹き出し口近傍では中心速度が吹
き出し速度と変わらない(ポテンシャルコアが保持され
る)流れの展開領域と、到達距離と共に回りの空気をま
きこんで中心速度が減衰する流れの完全発達領域とに分
けれる。この時の、エアカーテンの噴流全体の力が比重
差や局所の気流等により引きおこされる側風の力に比べ
て、十分に大きいとき、これら側風の遮蔽効果として充
分にその機能を発揮する。特に、吹き出し部を側風の比
較的大きな天井と床との二つ設けて、対向流で吹き出す
ことによって、仕切り効果を大きくすることができる。
また、温度場においては、エアカーテン部を通過する熱
量は、両側の流体をエントレインメントする量に等し
く、例えば温度差15℃のような場合に、その値は、対
流による熱拡散に比べて充分に小さく、仕切り効果とし
て働く。
【0035】(2)循環強制ファン・エアダムによる気
流制御効果 エアダムによってスキーゲレンデ上で冷却され、比重の
重くなった空気がそのままでは斜面上を下降しエアカー
テン部の噴流をなぎ倒すことになるため、気流を遮る効
果を発揮する。また、循環強制ファンによって天井近く
の温度の高い空気が、スキーゲレンデ上の雪で冷却さ
れ、下降する流速の最も高くなる部分に、気流方向と反
対向きの気流を噴出することによって、運動エネルギー
を消散させるとともに、温度の混合を図り、比重差に起
因する自然対流を抑える効果を発揮する。
【0036】(3)整流シールド・構造物等による気流
流制御効果 天井面の気流を遮る整流シールドを設けたり、床近傍の
気流を遮る段差を設けたりすることによって、気流を遮
る効果を発揮させる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面を参照し
て説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0038】図1は、本発明の異温度空間共存空調シス
テムの構成図であり、図2は、本発明のエアカーテンの
構成図である。図3は本発明のエアカーテンの特性の一
例を示すグラフであり、図4は本発明と従来例との空調
回折結果を示す図及び図5は成層温度分布のイメージ図
である。
【0039】本発明の異温度空間共存空調システムは、
図5の成層温度分布のイメージ図に示すように、ドーム
状区間内部を、20〜28℃の高温領域Hと、2〜3℃
のスキー場の人間のひざ下の第1の低温流域と、10℃
の人間の首までの第2の低温領域とからなる低温領域L
と、15〜17℃のスキー場ゲレンデ上部空間の中温領
域Mとの各々の温度条件をそれぞれ維持するような大空
間成層温空調システムを提供する。
【0040】先ず、図1に示すように、基礎部11から
通常の床面12を有するショッピングエリアとして機能
する高温領域Hの高温スペースと、上記基礎部11に形
成され、例えばスキー場ゲレンデ13として機能する低
温領域L及び中温領域Mからなるスキー場スペースとが
全天候型の大空間のドーム14によって形成されてい
る。
【0041】上記ドーム14内の高温スペースでは、床
面12に設けられた空調吹き出し部12aからの気流が
常温スペースの内部で循環されており、高温領域(20
〜28℃)Hを形成している。また、外部へ排気はドー
ムの天井15に複数設けた排気ファン16に行われてい
る。
【0042】一方、スキー場スペースのスキー場ゲレン
デ上においては、冷気吹出部から冷気17を吹き出し、
壁面に設けられた強制循環ファン18により該冷気を循
環させることで、滑走面の低温領域(2〜3℃)を形成
している。よって、スキー場スペース内は、滑走面から
上部空間は中温領域(15〜17℃)Mを形成すると共
に、滑走面近傍は低温領域(2〜3℃)Lを形成してい
る。
【0043】本実施例の異温度大空間成層温空調システ
ムは、図1に示すように、上記ドーム内における大きく
分けた二つの異温度のスペースである高温領域(20〜
28℃)の高温スペースと、中温領域(15〜17℃)
及び低温領域(2〜3℃)からなるスキー場スペースと
を仕切るために、エアカーテン21が床面12及び天井
15から対向するように、設けられている。
【0044】本実施例では、上記エアカーテン21を形
成する気流を下方へ吹出す吹出口22aは、ドーム天井
から垂下された整流シールド23の下端部に設けられて
いる。 また、高温スペースとスキー場スペースとの仕
切り部においては、床面に段差24が設けられていると
共に、エアダムEを形成している。
【0045】次に、本実施例における異温度大空間成層
温空調システムの詳細について説明する。
【0046】(1) 対向流エアカーテンの構造及び機
能 図2にエアカーテンの構成図を示し、図2(a)はエア
カーテンの概念図であり、図2(b)はその系統図であ
る。対向流エアカーテン21(符号21Aは上昇噴流、
21Bは下降噴流を図示する。)は、床面12及び天井
15から対向させて、各々に設けた吹出口22a,22
bから矩形状の連続型の噴流を吹出すようにしたもので
あり、異温度の領域を仕切る仕切り効果を得ている。こ
のときのエアカーテンを構成する空気は、低温領域Lに
おける排気25からの冷気をファン26を用いて吸い込
み、そのまま下部側のエアカーテン21Aから吹出すと
共に、一部は熱交換器27で冷却して仕切り効果を増し
た上で、上部からのエアカーテン21Bから冷気を下方
へ吹出すようにしている。
【0047】図3に細長長方形噴流エアカーテンの特性
を示すグラフであり、無次元距離と無次元速度との関係
を示すものである。なお、無事変速度=中心軸速度/中
心初速度の関係で示され、無次元距離=距離/噴流軸の
関係で示される。すなわち、上下対向流の二つの大規模
エアカーテンを設置することにより、従来型の一方向噴
流型エアカーテンに比べて、同一条件で、かつ初速度も
同一とすれば、図3に示したエアカーテンの噴流特性に
よって、エアカーテンの噴流の到達距離は2倍の到達距
離を稼ぐことができ、良好な二空間の仕切り効果が得ら
れる。
【0048】(2)循環強制ファン・エアダムの構造及
び機能 図1に示すように、スキー場ゲレンデ13の上部で、天
井15と近く、空気の下降流が発生する部分には、強制
循環ファン18としてトンネルファンが設置されてお
り、気流の運動エネルギー消散とゲレンデ上の冷気と上
部の中温空気と混合を図って気流を抑えている。
【0049】また、ゲレンデ13の谷部よりやや高い位
置に段差24を設けた側壁から冷気を噴出させるエアダ
ムEを形成しており、ゲレンデ下部に溜まった冷気を排
気25として吸い込み、該排気25の一部を分岐し、ゲ
レンデ方向に吹き出すと共に、一部はファン26により
吸引されてエアカーテン21用の冷気としている。この
エアダムEの設置により、ゲレンデ13上の下向きの循
環気流が、床の段差24を乗り越えてエアカーテン21
に達することが防止され、該エアカーテン21をなぎ倒
す気流を抑えている。
【0050】また、ゲレンデ13上において、冷気17
を吹出す噴出口はゲレンデ上の複数箇所に分岐されてお
り、ゲレンデの各所から下向きに冷気17を吹出すよう
にして、ゲレンデ13上の雪の融けるのを防止してい
る。また、冷気17の吹出し箇所の滑走面の上側におい
てシールエアー32をゲレンデの滑走面と水平方向上向
きに吹くようにすることによって、冷気17が天井側へ
拡散するのを防いでいる。これにより、スキー場ゲレン
デ13上において低温領域(2〜3℃)Lを維持するよ
うにしている。
【0051】(3)整流シールド・構造物等の構造及び
機能 本実施例においては、整流シールド23が、天井15か
ら垂下されており、該整流シールド23は可視可能な透
明平板で構成されている。この整流シールド23を設け
ることによって、高温領域Hで上昇した空気の流れが、
中温領域Mへ回り込み、ゲレンデ上の低温領域Lに達す
るのを防ぐようにしている。また、床面12上で、ゲレ
ンデ13上の下向きの気流が、エアカーテンEに達し該
エアカーテンEをなぎ倒し高温領域Hまで達するのを防
ぐために、床面に段差24を設けることによって、気流
の遮断等の効果を更に向上させている。
【0052】さらに、高温領域H側の空調吹き出し部1
2aから吹出す循環空気の湿度を低く制御することによ
り、エアカーテンの気流において、従来のように暖かい
空気と冷気とが混合する際に発生する霧・靄等の発生を
防止し、視野が遮られることがなくなり、高温領域及び
低温領域相互の確認ができる。
【0053】これらの効果によって大空間成層温空調効
果が発揮される。すなわち、空調システムにより、高温
領域Hと低温領域L及び中温領域Mとが区別され、高温
領域Hでは、ショッピングエリア,飲食エリア等を構成
し、一方のスキー場エリアでは、滑走面近傍では低温領
域Lが保たれて融雪が解消されると共に、中温領域Mで
は厳しい寒さとならないので、厚着をする必要がなくな
りスキー等が快適にできることとなる。
【0054】よって、本発明によれば、レジャー用テー
マパークや、大規模レジャー施設を有するショッピング
センタードーム等において、常温レジャーエリアやショ
ッピングエリア等の高温領域Hと、人工スキー場等の低
温領域Lとの温度の異なる二つのエリアを、従来のよう
な隔壁等の構造的仕切り部材を必要とせずに、相互に臨
場感を持って共存させることができる。なお、本実施例
では、低温領域及び中温領域にはスキー場を例にして説
明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば
スケートリンク等としてもよい。
【0055】図4は、この空調システムの効果を気流解
析による試行試験の結果を示すものであり、図4(b)
に示すように、従来型の空調システムにおいては、一方
向のみの上昇噴流エアカーテン030の場合では、二空
間の仕切り効果が期待できず、スキーゲレンデを下降す
る低温の空気が、常温部の空間まで入り込み、冷気塊を
形成している。これに対して、図4(a)に示すよう
に、本発明の大空間成層温空調システムにおいては、対
向するエアカーテン21の仕切り効果も充分に発揮さ
れ、異温度の共存する大空間空調システムの実現に充分
効果を発揮することが確認された。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、対
向流型の大型エアカーテンを設け、ドーム内の異温度の
空間を二つに仕切ると共に、強制循環ファン・エアダム
等による気流制御や、整流シールド等の構造物による仕
切り効果を利用して、効率的な空調システムを実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異温度空間共存空調システムの構成図
である。
【図2】本発明のエアカーテンの構成図である。
【図3】本発明のエアカーテンの特性の一例を示すグラ
フである。
【図4】本発明と従来例との空調回折結果を示す図であ
る。
【図5】成層温度分布のイメージ図である。
【図6】従来の異温度空間共存空調システムの構成図で
ある。
【図7】従来のエアカーテンの構成図である。
【符号の説明】
11 基礎部 12 床面 13 スキー場ゲレンデ 14 ドーム 15 天井 16 排気ファン 17 冷気 18 強制循環ファン 21 エアカーテン 22 吹出口 23 整流シールド 24 段差 E エアダム H 高温領域 L 低温領域 M 中温領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角谷 修二 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 冨岡 正裕 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドーム空間内に分けられた二つの異温度
    空間を仕切るシステムであって、上記二つの異温度空間
    を上下対向流のエアカーテンにより仕切り、且つ上部か
    らの下向き噴流は、高温側領域の温度より十分低い温度
    の冷風とすることを特徴とする成層温空調システム。
  2. 【請求項2】 請求項1の成層温空調システムにおい
    て、下部からの上向き噴流噴出部近傍において、低温側
    領域の床面を高温側領域の床面より低く構築し、低温側
    冷気をせき止めるエアダムを構成してなることを特徴と
    する成層温空調システム。
  3. 【請求項3】 請求項1の成層温空調システムにおい
    て、ドーム天井上部からの下向き噴流の吹出口を、天井
    から垂下した垂れ壁の下端部近傍に設けたことを特徴と
    する成層温空調システム。
  4. 【請求項4】 請求項2の成層温空調システムにおい
    て、上記エアダムを設置した垂直壁面にエアカーテン用
    空気の取込み口を設けたことを特徴とする成層温空調シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 請求項1の成層温空調システムにおい
    て、上部からの下向き低温噴流の取込み口を、低温側床
    面、若しくは請求項2のエアダムを設置した垂直壁面
    に、設けたことを特徴とする成層温空調システム。
  6. 【請求項6】 請求項1の成層温空調システムにおい
    て、低温領域のエアカーテンに相対する壁面近傍の下部
    寄りに、上向き噴流の吹出口を設置して、上向き流を形
    成してなることを特徴とする成層温空調システム。
  7. 【請求項7】 請求項1の成層温空調システムにおい
    て、高温側空間の湿度制御を行うことを特徴とする成層
    温空調システム。
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