JPH10110102A - 透明性の樹脂組成物 - Google Patents

透明性の樹脂組成物

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JPH10110102A
JPH10110102A JP8281588A JP28158896A JPH10110102A JP H10110102 A JPH10110102 A JP H10110102A JP 8281588 A JP8281588 A JP 8281588A JP 28158896 A JP28158896 A JP 28158896A JP H10110102 A JPH10110102 A JP H10110102A
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JP
Japan
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group
resin
silicone
epoxy
resin composition
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JP8281588A
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English (en)
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Atsushi Ishii
敦 石井
Roko Oka
呂子 岡
Shigeru Koshibe
茂 越部
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SHIARU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性に優れると共に、衝撃緩衝性及び耐湿
性にも優れる樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)透明性を有し、かつ反応性官能基
を有するシリコーン変性樹脂、及び(B)透明性を有
し、かつシリコーン変性樹脂(A)の反応性官能基と反
応し得る官能基を持つ炭化水素化合物又はその誘導体を
含み、ここで(A)及び(B)の有する反応性官能基の
組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アルコキ
シ基又はアミノ基の組合せ、若しくはCH2 =CR‐
(Rは水素又は低級アルキル基)とCH2 =CR‐、メ
ルカプト基又はSiH基の組合せであり、かつ(A)/
(B)の重量比が1〜10である樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オプトエレクトロ
ニクス分野において用いられる透明性樹脂組成物に関
し、更に詳しくは、LED又は光IC等の封止材料及び
光接合部品等に利用可能な透明性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光分野で使用されている透明素材
としては、主に下記の二つが挙げられる。一つはLED
等の光半導体の封止に用いられる透明性樹脂組成物であ
り、他は光通信部門で使用されているガラスファイバー
である。
【0003】透明性樹脂組成物としては光半導体の封止
材料として技術検討が重ねられてきた。現在使用されて
いる光半導体封止材料は、エポキシ樹脂、酸無水物系硬
化剤、硬化促進剤及び酸化防止剤等の添加剤等で構成さ
れている。また、外部からの応力に対する衝撃緩衝性能
を高めるためシリコーン変性エポキシ樹脂を使用するこ
とも提案された。
【0004】しかし、上記の光半導体用封止材料は硬化
反応によりエステル結合を形成するため、湿気の影響で
加水分解を起して半導体の腐食や動作不良を生ずるとい
った問題を有していた。これらの問題は、硬化剤として
酸無水物を使用することにより生ずるものである。他の
硬化剤、例えばフェノール樹脂等についても現在までに
検討されたが、該硬化剤では、耐湿性は抜群に良好とな
るが、透明性が得られないという本質的な問題を抱えて
いた。
【0005】また、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤等
を含む封止材料に、更に粒子径が0.2μm以下である
ゴム粒子を添加して、内部応力を低減した樹脂組成物が
開示されている(特開平4‐330770号公報)。し
かし、該樹脂組成物においても、未だ半導体の腐食や動
作不良の改善は十分でなく、透明性においても十分では
なかった。
【0006】また、最近は光半導体用途においても高密
度実装の傾向が強まり、従来の樹脂では外部応力を受け
た場合に樹脂が膨れたり破壊したりして、半導体が正常
に作動しないという致命的な問題を生じていた。これら
の問題を解決すべく、例えばエポキシ樹脂をシリコーン
変性すると衝撃緩衝性は良好となるが、一方、透湿性が
増し、結果として耐湿性が更に悪化するという問題を生
じた。これらの問題は、超LSI用の封止材料の知見を
そのまま流用したためであり、透明材料の研究が真剣に
されていない今までの現実を示唆している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性に優
れると共に、衝撃緩衝性及び耐湿性にも優れる樹脂組成
物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく種々の検討を行った。その結果、下記所定の
シリコーン変性樹脂及び炭化水素化合物又はその誘導体
を所定量含む樹脂組成物が、硬化後に、高い透明性を有
すると共に、衝撃緩衝性及び耐湿性にも優れることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、 (1)(A)透明性を有し、かつ反応性官能基を有する
シリコーン変性樹脂、及び(B)透明性を有し、かつシ
リコーン変性樹脂(A)の反応性官能基と反応し得る官
能基を持つ炭化水素化合物又はその誘導体を含み、ここ
で(A)及び(B)の有する反応性官能基の組合せが、
エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アルコキシ基又はア
ミノ基の組合せ、若しくはCH2 =CR‐(Rは水素又
は低級アルキル基)とCH2 =CR‐、メルカプト基又
はSiH基の組合せであり、かつ(A)/(B)の重量
比が1〜10である樹脂組成物である。
【0010】上記本発明の樹脂組成物においては、シリ
コーンにより変性された樹脂を用いており、組成物の使
用時に変性された樹脂が別途添加されている炭化水素化
合物又はその誘導体により架橋される。これにより、硬
化物において、樹脂及びシリコーンの持つ夫々の特徴を
最大限に活かすことができ、上記の優れた性質が得られ
るのである。
【0011】好ましい態様として、 (2)シリコーン変性樹脂(A)の反応性官能基が、エ
ポキシ基、CH2 =CR‐(Rは水素又は低級アルキル
基)、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基
及びSiH基より成る群から選ばれる少なくとも一の基
である上記(1)記載の樹脂組成物、 (3)シリコーン変性樹脂(A)が、シリコーン部分及
び樹脂部分の双方に反応性官能基を有する上記(1)又
は(2)記載の樹脂組成物、 (4)シリコーン変性樹脂(A)のシリコーン部分と樹
脂部分の重量比が、3:7〜9:1である上記(1)〜
(3)のいずれか一つに記載の樹脂組成物を挙げること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において使用する成分
(A)透明性を有し、かつ反応性官能基を有するシリコ
ーン変性樹脂における反応性官能基は、好ましくはエポ
キシ基、CH2 =CR‐(Rは水素又は低級アルキル
基)、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基
及びSiH基より成る群から選ばれる少なくとも一の基
である。上記の基は、成分(A)の樹脂部分及びシリコ
ーン部分のいずれかに存在していればよいが、成分
(A)の樹脂部分及びシリコーン部分の双方に存在して
いることがより好ましい。双方に存在することにより、
成分(B)炭化水素化合物又はその誘導体が、(A)の
樹脂部分及びシリコーン部分の両者と反応する。これに
より、硬化後に接触界面における接着性が強化され、水
の侵入及び界面反射の低下による耐湿性及び透明性の向
上がより一層図られる。
【0013】成分(A)において、シリコーン部分と樹
脂部分の重量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好
ましくは3:7〜9:1である。シリコーン部分が上記
範囲を超え、樹脂部分が上記範囲未満では、透湿性が高
くなり過ぎて耐湿性が低下する。シリコーン部分が上記
範囲未満で、樹脂部分が上記範囲を超えては、衝撃緩衝
性が得られない。
【0014】該成分(A)は、透明性を有する樹脂を透
明性を有するシリコーンにより変性することにより製造
することができる。樹脂をシリコーンにより変性する方
法は公知であり、例えば、特開昭58‐21417号公
報、特開昭62‐84147号公報、特開昭62‐11
6654号公報に記載されている方法を用いることがで
きる。
【0015】例えば、エポキシ樹脂をシリコーン変性す
る方法の一つとしては、アルケニル基含有エポキシ樹脂
とオルガノポリシロキサンとの付加反応を挙げることが
できる。アルケニル基含有エポキシ樹脂としては、アル
ケニル基含有フェノール樹脂をエピクロロヒドリンによ
りエポキシ化したり、従来公知のエポキシ樹脂に2‐ア
リルフェノール等を部分的に反応させること等により得
ることができる。オルガノポリシロキサンとしては、1
分子中に少なくとも1個のSiH基を持つものであれば
よいが、両末端ハイドロジェンメチルポリシロキサン、
両末端ハイドロジェンメチルフェニルポリシロキサン、
両末端ハイドロジェンメチル・(2‐トリメトキシシリ
ルエチル)ポリシロキサンが好適である。
【0016】エポキシ樹脂をシリコーン変性する他の方
法として、アルケニル基含有エポキシ樹脂とアミノ基含
有オルガノポリシロキサンとの付加反応を挙げることが
できる。アミノ基含有オルガノポリシロキサンと反応さ
せるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポ
キシ基を有する各種のエポキシ樹脂が好適に使用され、
例えばエピクロロヒドリンとビスフェノールを始めとす
る各種ノボラック樹脂から合成されるエポキシ樹脂、脂
環式エポキシ樹脂等が挙げられる。アミノ基含有オルガ
ノポリシロキサンとしては、1分子中に少なくとも1個
のアミノ基を持つものであればよい。
【0017】エポキシ樹脂をシリコーン変性する更に他
の方法として、水酸基含有エポキシ樹脂とエポキシ基含
有オルガノポリシロキサンとの付加反応を挙げることが
できる。該エポキシ樹脂としては、例えばエピクロロヒ
ドリンとビスフェノールを始めとする各種ノボラック樹
脂から合成されるエポキシ樹脂等が挙げられる。エポキ
シ基含有オルガノポリシロキサンとしては、1分子中に
少なくとも1個のエポキシ基を持つものであればよい。
【0018】上記の第一の変性法によれば、エポキシ樹
脂の持つアルケニル基とオルガノポリシロキサンのSi
H基とが反応する。第二の変性法によれば、エポキシ樹
脂の持つアルケニル基とオルガノポリシロキサンのアミ
ノ基とが反応する。また、第三の変性法によれば、エポ
キシ樹脂の持つ水酸基とオルガノポリシロキサンのエポ
キシ基とが反応する。上記いずれの方法においても、変
性に用いるオルガノポリシロキサンに予め上記の反応性
官能基のいずれか(例えばエポキシ基)を付与しておけ
ば、樹脂部分にエポキシ基、シリコーン部分に上記の反
応性官能基のいずれか(例えばエポキシ基)を持つシリ
コーン変性樹脂が得られるのである。
【0019】上記いずれの変性法においても、エポキシ
樹脂とオルガノポリシロキサンとを常温又は高温で混合
して付加反応させることにより得られる。この反応の
際、両者を均一若しくは均一に近い状態で混合させるた
めに、メチルイソブチルケトン、トルエン、ジオキサ
ン、メチルセルソルブ等の溶媒を用いることが望まし
い。更に反応を促進するために水やブタノール、イソプ
ロピルアルコール、エタノール等のアルコール類やフェ
ノール類を用いたり、反応触媒としてトリブチルアミ
ン、1,8‐ジアザビシクロウンデセン‐7のようなア
ミン類、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン
類、2‐フェニルイミダゾールのようなイミダゾール類
を用いることが好ましい。
【0020】また、例えば、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル
等のモノマーとオルガノポリシロキサンとを反応させ
て、アクリル樹脂の生成とシリコーン変性を同時に行う
ことにより成分(A)を製造することもできる。該オル
ガノポリシロキサンとしては、1分子中に少なくとも1
個のSiH基を持つものであればよいが、両末端ハイド
ロジェンメチルポリシロキサン、両末端ハイドロジェン
メチルフェニルポリシロキサン、両末端ハイドロジェン
メチル・(2‐トリメトキシシリルエチル)ポリシロキ
サンが好適である。また、上記モノマーと反応する基、
例えば、CH2 =CR‐(Rは水素又は低級アルキル
基)、メルカプト基等を持つものであってもよい。いず
れにしても、変性に用いるオルガノポリシロキサンに予
め所望する反応性官能基のいずれかを付与しておけば、
所望の反応性官能基を持つシリコーン変性樹脂が得られ
うる。更に、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビフェノール等のモノマーとオルガノポリシロキ
サンとを反応させて、フェノール樹脂の生成とシリコー
ン変性を同時に行うこともできる。該オルガノポリシロ
キサンとしては、上記モノマーと反応する基、例えば、
エポキシ基等を持つものが好ましい。また、上記のアク
リル樹脂の生成に用いたものも使用できる。
【0021】このようなシリコーンによる樹脂の変性
は、樹脂に衝撃緩衝性を付与するために必要であり、無
変性のままでは、得られた透明性樹脂組成物を硬化した
後に、硬化物が割れたり、あるいは接触面が剥離する等
の問題を生じる。
【0022】シリコーンによる変性に用いられる樹脂
は、透明性を有し、かつ上記の反応性官能基を持つもの
である。該反応性官能基を持つ樹脂としては、好ましく
は、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ビニルアルコール
系樹脂、グリコール類、フェノール樹脂、水添フェノー
ル樹脂及びこれらの中間体又は誘導体等が挙げられる。
該樹脂としては、市販品を用いることができる。例え
ば、エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ
樹脂[油化シェルエポキシ株式会社製、エピコート80
0、1000シリーズ(商標)、日本化薬株式会社製、
RE‐300、400シリーズ(商標)、三井石油化学
工業株式会社製、EPOMIK R‐100、300シ
リーズ(商標)等]、ビニルアルコール系樹脂としての
ポリビニルアルコール系樹脂中間体(株式会社クラレ
製、日本合成化学工業株式会社製、電気化学工業株式会
社製等)、グリコール類(株式会社日本触媒製、三菱化
学株式会社製、三井東圧化学株式会社製等)等が挙げら
れる。また、成分(A)は透明性を有するゴムをシリコ
ーン変性することによっても製造することができる。該
ゴムとしては、例えば、ブタジエン・アクリロニトリル
・イソプレンゴム[日本石油化学株式会社製、B、M
M、MAC、Eシリーズ(商標)、日本合成ゴム株式会
社製、日本曹達株式会社製、株式会社クラレ製等]等が
挙げられる。
【0023】上記の樹脂の変性に使用するシリコーン
は、公知のものを使用することができる。上記の反応性
官能基、即ちエポキシ基、CH2 =CR‐(Rは水素又
は低級アルキル基)、水酸基、アルコキシ基、アミノ基
及びメルカプト基より成る群から選ばれる少なくとも一
の基を持つものが好ましい。該シリコーンとしては、市
販品を使用することができる。例えば、エポキシ変性シ
リコーンオイル[信越化学工業株式会社製、X‐22、
KFシリーズ(いずれも商標)、東レ・ダウコーニング
・シリコーン株式会社製、SFシリーズ(商標)]、ア
ミノ変性シリコーンオイル[信越化学工業株式会社製、
X‐22、KFシリーズ(いずれも商標)、東レ・ダウ
コーニング・シリコーン株式会社製、SFシリーズ(商
標)]、カルビノール変性シリコーンオイル[信越化学
工業株式会社製、X‐22、KFシリーズ(いずれも商
標)]、アルコール変性シリコーンオイル[東レ・ダウ
コーニング・シリコーン株式会社製、SFシリーズ(商
標)]、水酸基含有変性用シリコーンワニス[信越化学
工業株式会社製、KRシリーズ(商標)]、メトキシ基
含有変性用シリコーンワニス[信越化学工業株式会社
製、KRシリーズ(商標)]、メタクリル変性シリコー
ンオイル[信越化学工業株式会社製、X‐22(商
標)]、メルカプト変性シリコーンオイル[信越化学工
業株式会社製、X‐22、KFシリーズ(いずれも商
標)]、フェノール変性シリコーンオイル[信越化学工
業株式会社製、X‐22(商標)]等が挙げられる。
【0024】成分(B)透明性を有し、かつシリコーン
変性樹脂(A)の反応性官能基と反応し得る官能基を持
つ炭化水素化合物又はその誘導体における官能基は、好
ましくはエポキシ基、CH2 =CR‐(Rは水素又は低
級アルキル基)、水酸基、アルコキシ基、アミノ基及び
メルカプト基より成る群から選ばれる少なくとも一の基
である。ここで、炭化水素化合物又はその誘導体とは、
好ましくはシリコーン変性に適した透明性の樹脂、例え
ば、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ビニルアルコール
系樹脂、グリコール類、フェノール樹脂、水添フェノー
ル樹脂、合成ゴム及びこれらの中間体又は誘導体等であ
る。これらのうちエポキシ樹脂、アクリル系樹脂及び合
成ゴムが好ましく、合成ゴムが特に好ましい。該(B)
としては、市販品を使用することができる。例えば、日
石ポリブタジエンBシリーズ、Eシリーズ、MMシリー
ズ(商標、日本石油化学株式会社製)、NISSO‐P
BGシリーズ、Glシリーズ、TE‐2000、TEA
‐1000、TEAl‐1000、BF‐1000、B
N‐1015、EPBシリーズ(商標、日本曹達株式会
社製)、JSR RBシリーズ(日本合成ゴム株式会社
製)、KRATONDシリーズ、KRATON Gシリ
ーズ(商標、シェルジャパン社製)等が挙げられる。該
反応性官能基は、成分(A)が持つ反応性官能基と反応
するものである。成分(A)と(B)の反応性官能基の
組合せは、本発明の透明性樹脂組成物において重要であ
る。該官能基の組合せは、樹脂組成物の硬化反応後に安
定した結合を形成するものが好ましく、付加型、重合型
の反応形式を採る官能基の組合せが好ましい。例えば、
エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アルコキシ基、アミ
ノ基の組合せ、若しくはCH2 =CR‐(Rは水素又は
低級アルキル基)とCH2 =CR‐、メルカプト基、S
iH基(例えば、ビニル基に対してはビニル基)の組合
せである。このうち、エポキシ基と水酸基、アルコキシ
基との組合せ、CH2 =CR‐とCH2 =CR‐、Si
H基との組合せが特に好ましい。該組合せを採用するこ
とにより、樹脂組成物中のシリコーン部分の割合の調
節、不純物の調節あるいは架橋密度の調節がより容易と
なる。従来の縮合型の反応形式では、体積収縮による応
力の発生又は縮合物による不純物発生及び透明性低下等
の問題が生じ易く好ましくない。
【0025】本発明の樹脂組成物において、(A)シリ
コーン変性樹脂/(B)炭化水素化合物又はその誘導体
の重量比は、下限が1、好ましくは2、特に好ましくは
4であり、上限が好ましくは10、より好ましくは9、
特に好ましくは7である。上記下限未満では、樹脂組成
物の透明性が低下し、また耐湿性が低下する。上記上限
を超えては、柔軟性が不十分となり好ましくない。
【0026】本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を
損なわない範囲内において、上記成分の他に、公知の添
加剤及び充填剤を配合することができる。添加剤として
は、例えば、アミン類、有機リン化合物、アルミキレー
ト類等の硬化促進剤、フェノール系、硫黄系、リン系の
酸化防止剤、離型剤、洗顔料、難燃剤等が挙げられる。
充填剤としては、微粒子状又は透明性のものが好まし
く、例えば、微粒子球状シリカ、アクリル系樹脂を用い
ることができる。
【0027】本発明の樹脂組成物の調製は、以上述べた
成分を、例えばニーダー、ロール、ミキサー等により混
練することにより行うことができる。
【0028】本発明の樹脂組成物は、例えば、光半導体
の封止材料、光通信のコネクター等として極めて有用で
ある。
【0029】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0030】
【実施例】
<シリコーン変性樹脂の製造>シリコーン変性フェノール樹脂の製造 該製造に使用したモノマー、シリコーン及び触媒は下記
の通りである。 ・モノマー:ビスフェノールA ・シリコーン:エポキシ変性シリコーンオイル X‐2
2‐163B(商標)、信越化学工業株式会社製 ・触媒:トリフェニルホスフィン 変性は、溶媒としてのメチルイソブチルケトン100重
量部及び表1に示す量の上記各成分を還流冷却器付ガラ
ス製分割型反応容器中に仕込み、攪拌しつつ、還流温度
で3時間反応することにより実施した。製造されたシリ
コーン変性樹脂A‐1は樹脂部分に水酸基及びシリコー
ン部分にエポキシ基を有するものであり、A‐2は樹脂
部分に水酸基及びシリコーン部分にエポキシ基及び水酸
基を有するものであった。
【0031】
【表1】 表1 A‐1 A‐2 ビスフェノールA(重量部) 30 70 シリコーン(重量部) X-22-163B 70 30 触媒(重量部) トリフェニルホスフィン 5 5 シリコーン変性メタクリル樹脂(A‐3)の製造 該製造に使用したモノマー及びシリコーンは下記の通り
である。 ・モノマー:メタクリル酸メチル(三井東圧化学株式会
社製) ・シリコーン:下記式で示される両末端ビニル型シリコ
ーン(KE‐1308、商標、信越化学工業株式会社
製)
【0032】
【化1】変性は、上記のモノマー30重量部及びシリコ
ーン70重量部をガラス製分割型反応容器中に仕込み、
攪拌しつつ、3,000mJ/cm2 の紫外線を照射し
て実施した。製造されたシリコーン変性樹脂A‐3は、
シリコーン部分にビニル基を有するものであった。
【0033】
【実施例1〜3及び比較例1〜4】 (A)シリコーン変性樹脂としては、上記(A‐1)〜
(A‐3)を使用した。
【0034】(B)炭化水素化合物又はその誘導体とし
ては、下記の物質を使用した。 ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:エピコート82
8、商標、油化シェルエポキシ株式会社製 ・液状ポリブタジエンオリゴマー:日石ポリブタジエン
E‐1000‐8.0(商標、日本石油化学株式会社
製、エポキシ基含有)及び日石ポリブタジエンB‐10
00(商標、日本石油化学株式会社製、ビニル基含有) また、比較例において使用した各物質は以下の通りであ
る。
【0035】比較例1において使用した物質(C‐1)
は、上記のA‐1の製造原料であるビスフェノールAと
シリコーンを同一混合比で単に混合したものである。
【0036】比較例3において成分(A)と混合した物
質は、液状ポリブタジエンオリゴマー 日石ポリブタジ
エンCl‐1000(商標、日本石油化学株式会社製、
カルボキシル基含有)である。
【0037】比較例4では、ビスフェノールA型系エポ
キシ樹脂(約62重量%)、酸無水物系硬化剤(約35
重量%)、硬化促進剤(約1重量%)、酸化防止剤(約
2重量%)、その他微量添加剤(離型剤、顔料等)より
成る樹脂組成物(NT‐8506、商標、日東電工株式
会社製)を使用した。
【0038】比較例5において成分(A)と混合した物
質は、公知の硬化剤であるテトラヒドロ無水フタル酸
(THPA、新日本理化株式会社製)である。
【0039】その他、硬化促進剤としては、イミダゾー
ル系硬化促進剤(キュアゾール 2MZ(商標)、四国
化成工業株式会社)、過酸化系反応開始剤ベンゾイルパ
ーオキシドを使用した。
【0040】各実施例及び比較例とも、表2に示す量
(重量部)の各成分を、予め予備混合した後、二軸押出
機(SK‐1、栗本鉄鋼所製)を用い、温度100℃、
回転数100rpmで溶融してペレットを作成した。 <透明性>上記のペレットを150℃で120秒間圧縮
成形した後、更に120℃で4時間、オーブン中で硬化
して、試験片(直径30mm×厚さ2mm)を作成し
た。該試験片を85℃、湿度85%条件下で100時間
放置した後の外観を目視で評価した。表3中の記号は下
記の内容を示す。 ○:良好 ×:不良 <曲げ強度>透明性試験と同様にして試験片を作成し
た。該試験片について、JIS K‐6911に準拠
し、曲げ弾性率計を使用して測定した(150℃)。 <半導体評価試験>模擬素子としてLEDを搭載したL
EDランプを表2に示した各樹脂組成物を用いて注型法
により封止し、150℃で30分間硬化後、更に120
℃で2時間硬化したものを下記の評価試験に供した。
【0041】界面接着:超音波探傷機にて、模擬素子と
封止樹脂との界面隙間を測定して評価した。表3の記号
は下記の内容を示す。 ○:密着度良好 ×:密着度不良(剥離) 耐衝撃性:封止したLEDに−40℃〜室温〜120℃
の熱履歴を100サイクル与える。50μmを超えるパ
ッケージクラックを観察し、結果をクラック発生数/テ
スト総数(20個)で示した。
【0042】腐食テスト:封止したLEDを121℃、
湿度100%で200時間放置する。アルミ回路腐食数
を観察し、結果をアルミのテスト配線の切れた数/テス
ト総数(20個)で示した。
【0043】以上の結果を表3に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】 表3中の総合評価の欄における記号は下記の内容を示
す。 ○:良好 ×:不良 実施例1は、樹脂部分に水酸基及びシリコーン部分にエ
ポキシ基を持つシリコーン変性樹脂、及び官能基として
エポキシ基を持つ炭化水素化合物(エポキシ樹脂)を含
む本発明の樹脂組成物である。該組成物の硬化後の透明
性は非常に良好であり、曲げ強度も高かった。また、封
止半導体試験においても界面接着は良好であり、クラッ
ク性及び腐食性も著しく良好であった。実施例2は、樹
脂部分に水酸基及びシリコーン部分にエポキシ基及び水
酸基を持つシリコーン変性樹脂を用いたものであるが、
実施例1で使用したシリコーン変性樹脂に比べてより樹
脂部分が多いものである。該樹脂と官能基としてエポキ
シ基を持つ炭化水素化合物(ポリブタジエン)を含む本
発明の樹脂組成物は、実施例1と同様に各性状共、非常
に優れていた。実施例3は、反応性官能基としてビニル
基をシリコーン部分に持つシリコーン変性樹脂、及び官
能基としてビニル基を持つ炭化水素化合物(ポリブタジ
エン)を含む本発明の樹脂組成物である。やはり、各性
状共、非常に優れていた。
【0046】一方、比較例1は、予めシリコーン変性を
しておらず、単にビスフェノールAとシリコーンのモノ
マーとが混合されているに過ぎないものと、成分(B)
エポキシ樹脂とを使用したものである。即ち、シリコー
ンが効果的に樹脂の骨格に組み込まれていないものであ
る。該樹脂組成物の硬化後の透明性は非常に悪く、封止
半導体試験においても界面接着は著しく悪く、クラック
性及び腐食性も著しく悪かった。比較例2は、実施例1
において、成分(B)エポキシ樹脂の配合量が本発明の
範囲を超えたもの、即ち、シリコーン変性が不足してい
るものである。該組成物の硬化後の透明性は非常に悪
く、封止半導体試験においても界面接着は著しく悪く、
クラック性及び腐食性も著しく悪かった。比較例3は、
実施例1と同一条件下において、成分(B)エポキシ樹
脂を、官能基としてカルボキシル基を持つポリブタジエ
ンに替えたものである。該組成物の硬化後の透明性は非
常に悪く、封止半導体試験において界面接着は良好では
あったものの、クラック性及び腐食性は著しく悪かっ
た。比較例4は、従来半導体封止に使用されているエポ
キシ樹脂組成物に関するものである。各性状は著しく悪
いものであった。また、比較例5は、実施例1の成分
(B)に代えて、公知の硬化剤であるテトラヒドロ無水
フタル酸を配合した樹脂組成物である。各性状は著しく
悪いものであった。
【0047】
【発明の効果】本発明は、透明性に優れると共に、衝撃
緩衝性及び耐湿性にも優れる樹脂組成物を提供する。従
って、半導体封止材料として用いると、非常に優れた信
頼性が得られる。また、光用途の接合部として用いる
と、補修及び交換が殆ど不要となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 31/02 H01L 31/02 B 33/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)透明性を有し、かつ反応性官能基
    を有するシリコーン変性樹脂、及び(B)透明性を有
    し、かつシリコーン変性樹脂(A)の反応性官能基と反
    応し得る官能基を持つ炭化水素化合物又はその誘導体を
    含み、ここで(A)及び(B)の有する反応性官能基の
    組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アルコキ
    シ基又はアミノ基の組合せ、若しくはCH2 =CR‐
    (Rは水素又は低級アルキル基)とCH2 =CR‐、メ
    ルカプト基又はSiH基の組合せであり、かつ(A)/
    (B)の重量比が1〜10である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 シリコーン変性樹脂(A)の反応性官能
    基が、エポキシ基、CH2 =CR‐(Rは水素又は低級
    アルキル基)、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メル
    カプト基及びSiH基より成る群から選ばれる少なくと
    も一の基である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シリコーン変性樹脂(A)が、シリコー
    ン部分及び樹脂部分の双方に反応性官能基を有する請求
    項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 シリコーン変性樹脂(A)のシリコーン
    部分と樹脂部分の重量比が、3:7〜9:1である請求
    項1〜3のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005028536A1 (ja) * 2003-09-22 2005-03-31 Mitsubishi Chemical Corporation 脂環式エポキシ樹脂、その製造方法、その組成物、エポキシ樹脂硬化体および脂環式エポキシ樹脂組成物の用途
JP2005243801A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Toshiba Corp Led素子
KR20150052857A (ko) * 2012-08-31 2015-05-14 신닛테츠 수미킨 가가쿠 가부시키가이샤 에폭시실리콘 수지 및 그것을 사용한 경화성 수지 조성물

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