JPH10109491A - 塗布具の筆穂取付構造 - Google Patents

塗布具の筆穂取付構造

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JPH10109491A
JPH10109491A JP8264414A JP26441496A JPH10109491A JP H10109491 A JPH10109491 A JP H10109491A JP 8264414 A JP8264414 A JP 8264414A JP 26441496 A JP26441496 A JP 26441496A JP H10109491 A JPH10109491 A JP H10109491A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆穂を安定して保持することができると共
に、高粘度の塗布液を使用した場合にも塗布液を無駄に
することなく確実に筆穂へと供給することができる安価
に製造可能な塗布具の筆穂取付構造を提供する。 【解決手段】 本体軸1の先端部に連結される先軸2
と、先軸2の先方部内方に一体形成された中筒2cと、
中筒2cの後端に係止される鍔部を有する筆穂3と、中
筒2cの後端との間で前記筆穂の鍔部を挟持固定する筒
状の固定部材5と、中筒2cの外面と先軸2の内面との
間に形成される間隙を固定部材5内方に形成される塗布
液導入路5aに連通させてなる空気通路S3とを備え、
前記本体軸1から塗布液導入路5aへと塗布液を圧送す
ることにより、空気通路S3にて液体導入路S3と外部
空間との空気の流通を行いつつ塗布液を筆穂3へと送給
するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、塗布液を貯留す
る本体軸の先端部に先軸を介して筆穂を取り付けるよう
にした塗布具の筆穂取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】毛筆などを模して筆記を行うようにした
所謂筆ペンなどをはじめ、画筆、化粧筆、などの塗布具
においては、使用時に把持する軸部を筒状に形成し、こ
こに塗布液を貯蔵して、必要に応じて塗布液を筆穂へと
供給するものが知られている。一般にこの種の塗布具で
は、合成樹脂などからなる多数の線材を束ねて構成し、
先軸内へと直接的に挿入して固定するものと、先軸内に
これより小形の筒状部材(中筒)を固定し、その中筒内
に筆穂を固定するようにするものの2種類がある。
【0003】このうち、前者のような筆穂取付構造とし
ては、例えば図7に示すものがある。同図において、a
は塗布液を貯蔵する本体軸であり、この本体軸aの先端
部a1には、先軸bが嵌着固定されており、この先軸b
の先方部に形成された筆穂挿入孔b1には先細り形状を
なす筆穂cが挿入され、次のような構造によって固定さ
れている。すなわち、前記筆穂cの後端部には、円板状
の鍔部c1が形成されており、この鍔部c1が前記筆穂
挿入孔b1の開口部周縁に係止され、先方への抜脱を防
止するようになっている。また、前記先軸bには、吸入
筒d及びこれに連通する固定筒eとが嵌着されており、
各筒d,eに形成されている導入流路d1,e1によっ
て本体軸a内の塗布液を前記筆穂cへと供給するように
なっている。そして、前記固定筒eは、その先端部によ
って前記筆穂cの鍔部c1を前記筆穂挿入孔b1の開口
部端縁との間で挟持するようになっており、これによっ
て筆穂cは後方への抜脱も阻止され、完全に固定され
る。
【0004】しかしながら、上記のような筆穂取付構造
にあっては、先軸bの開口部b1の径と筆穂cの穂首c
2の外径との関係が極めて重要になる。すなわち、先軸
bの開口部b1の径に比べて筆穂cの穂首c2の径が大
きい場合には、開口部b1と穂首c2との間に全く空間
が存在しないため、空気の流通が妨げられ、流出する塗
布液と空気との置換が阻害されて塗布液の円滑な吐出性
が損なわれるという問題が発生する。また、筆穂cの穂
首c2の径が小さい場合には、先軸bの開口部b1との
間に形成される空間が大きくなり過ぎ、筆穂cの固定状
態が不安定になって、筆記時に筆穂ががたつくため使用
感覚が極めて悪いものとなり、精緻な筆記、描画などに
は使用し得ないという問題が生じる。
【0005】一方、筆穂を直接先軸に固定するものとし
ては、例えば図8に示すものがある。図において、Aは
塗布液を貯蔵する本体軸であり、その先端部A1には先
軸Bが固定され、さらにこの先軸Bの先端部内面には、
これより小形の中筒Cが一体成形されている。また、前
記先軸B内には前記中筒Cより後方(図では右方)に、
前後一対の固定筒D,Eが嵌着されるようになってお
り、これによって前記筆穂Fが固定されている。すなわ
ち、前記筆穂Fを先軸B内に固定する場合には、先軸B
内に一方の固定筒Dを固定した後、その中央部に形成し
た挿通孔D1及び中筒C内に後方から筆穂Fを挿入し、
筆穂Fの後端部に形成した鍔部F1を前記固定筒Dの開
口部D1の端縁に係止させる。
【0006】この後、他方の固定筒Eを先軸B内に嵌着
させ、その先端部にて筆穂Fの鍔部F1を挟持固定す
る。これにより、筆穂Fは前後両方向への抜脱移動を阻
止されると共に、その穂首F2が中筒によって保持され
る。なお、Gは前記本体軸A内に設けられた塗布液流出
機構であり、前記本体軸A内に貯蔵された塗布液を固定
筒D,Eの中心部に形成された塗布液導入路Hへと流入
させ、筆穂Bへと供給するようになっている。また、I
は前記筆穂の後方部に設けた筒状の塗布液保留部で、こ
こに塗布液を保留させながら穂首へと塗布液を供給する
ことにより、塗布液供給の安定化を図り得るものとなっ
ている。
【0007】このように、先軸Bによって直接筆穂Fを
保持させず、中筒Cを介して筆穂Fの穂首F2を保持さ
せるようにした上記塗布具においては、中筒Cの保持力
によって穂首F2を安定して保持することができ、しか
も、中筒Cと先軸Bとの間に筒状の空間Sが形成され、
この空間Sが塗布液と空気との置換を行う空気通路とな
るため、円滑に塗布液を吐出させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す従来の塗布具の筆穂取付構造において、粘性の高い
塗布液を使用した場合には、塗布液が筆穂Fだけでなく
前記空気流路S内へも流出することがあり、この際に塗
布液が中筒の外周面から外部へと滴下され、用紙や手な
どが汚れたり、塗布液が無駄になったりするという問題
があり、極めて扱いにくいものとなっていた。また、上
記のように外部へと塗布液が滴下された場合には、筆穂
への塗布液の供給量が減少するため、筆記追従性に欠け
るという問題も生じる。殊に、近年、頻繁に使用される
傾向にある顔料系のインクを塗布液として使用したもの
にあっては、その粘度の高さから筆記追従性の低下は顕
著なものとなる。
【0009】本願発明は、上記従来技術の問題点に着目
してなされたもので、筆穂を安定して保持することがで
きると共に、高粘度の塗布液を使用した場合にも塗布液
を無駄にすることなく確実に筆穂へと供給することがで
きる安価に製造可能な塗布具の筆穂取付構造の提供を目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明は以下の手段を備える。すなわち、本願発
明は、塗布液を貯蔵する筒状の本体軸と、この本体軸の
先端部に連結されると共に、本体軸の内部空間に連通す
る筒状の先軸と、この先軸の先方部内方に一体形成され
た中筒と、この中筒の後端より挿入されて穂首が前端よ
り突出すると共に、後端部に前記中筒後端に係止される
鍔部を有する筆穂と、この先軸内に嵌合固定され、その
先端部と前記中筒後端との間で前記筆穂の鍔部を挟持固
定すると共に、内部に前記本体軸の内部空間と連通する
塗布液導入路を形成してなる筒状の固定部材と、前記中
筒外面と先軸内面との間に形成される間隙を前記塗布液
導入路に連通させてなる空気通路とを備え、前記本体軸
から塗布液導入路へと塗布液を圧送することにより、前
記空気通路にて液体導入路と外部空間との空気の流通を
行いつつ、塗布液を前記筆穂へと送給するようにしたも
のである。
【0011】このように、上記構成を有する本願発明に
よれば、先軸内に一体に形成された中筒が筆穂をがたつ
きなく保持することができ、良好な筆記感覚を得ること
ができ、しかも、筆記によって行うべき塗布液と空気と
の置換は、先軸と中軸との間の空気通路によって確実に
行うことができるため、塗布液の供給も円滑に行うこと
ができる。また、前記筆穂の鍔部は、先軸に一体形成さ
れた中軸の後端部と先軸内に嵌着された固定部材とによ
って挟持固定するものとなっているため、鍔部のための
取付構造を極めて単純化することができ、その組み立て
作業も簡略化される。
【0012】さらに、塗布液が高粘度であり空気通路内
に塗布液が侵入したとしても、その塗布液を、空気通路
に設けた還流部によって再び筆穂へと還流させるように
すれば、塗布液が外部へと無駄に滴下することもなくな
るため、筆記距離が向上すると共に、用紙や使用者の手
が汚れることもなくなり、使用し易いものとなる。還流
部としては、前記中筒の先端部を前記本体軸の先端より
内方に位置させることにより形成し、前記空気通路先端
に達した流体を筆穂へと導くようにしても良いし、前記
中筒の後方部に形成したスリットによって形成し、空気
通路後方に流入した液体を筆穂へと導くようにしても良
い。
【0013】また、前記筆穂の穂首としては、ポリエス
テル樹脂、またはポリアミド樹脂などの合成樹脂からな
る多数本の線材によって先細り形状に形成すると共に、
後端部を溶融させて円板状に形成し、その後端部中央に
前記固定部位の塗布液供給路に連通する塗布液導入穴を
形成することが考えられ、さらに筆穂を構成する各線材
の外面部に複数の突条を形成することにより、液体の保
留性を高めるようにすることも考えられる。さらに、先
軸によって設けられる前記中筒を、筆穂の先細り形状に
沿ってテーパ形状をなすよう形成すれば、筆穂の保持状
態が極めて安定する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
面を参照して詳細に説明する。図1ないし図3は本願発
明の第1の実施形態を示す図で、図1はこの第1の実施
形態を示す一部縦断側面図、図2(a)及び(b)は図
1に示した先軸の形状を示す縦断側面図及び背面図、図
3(a)及び(b)は図1に示した筆穂の一部縦断側面
図及び背面図である。
【0015】この第1の実施形態における塗布具は、図
1に示すように、塗布液を内蔵してなる有底筒状の本体
軸1と、この本体軸1の先端部に固定された先軸2と、
この先軸2の内方に挿入固定された筆穂3とを備え、こ
れらによってその外郭が形成されている。そして、前記
先軸2は、図2(a),(b)に示すような形状をなし
ている。すなわち、先軸2の後方部(図では右方部)2
aは円筒形状をなし、その内面には雌ねじ部2a1が形
成されている。この雌ねじ部2a1は、前記本体軸1の
先端部1aに形成された雄ねじ部1a1と螺合し、本体
軸1に固定されるようになっている。なお、本体軸1の
先端部1aは他の部分1bより小径に形成されている
が、他の部分(外面部)1bの外径は前記先軸2と同径
となっているため、本体軸11と先軸2とを螺合させた
状態で両部材による外面形状は滑らかに連続したものと
なる。
【0016】また、先軸2の先方部2bの内方には、前
記後方部2aと同心に円筒状の中筒2cが設けられてい
る。この中筒2cは、円周方向に沿って90度の角度間
隔毎に形成されたリブ2dによって先軸2の内面に連結
されており、この中筒2c及びリブ2dは前記先軸2に
一体成形されたものとなっている。そして、前記先軸2
の内面と中筒2cとの間には、中筒2cの後方に形成さ
れる空間S1と連通する空気通路S3が形成されてい
る。また、前記中筒2cの挿通孔S2は、前記筆穂3の
穂首3aの後部の横断面積より若干小径に形成されてお
り、ここに挿入した筆穂3の後部と隙間なく接するよう
になっている。また、前記筆穂3は、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂などの樹脂によって形成された多数
の線材を束ねてなり、全体として図3に示すように先細
り形状をなすと共に、その後端部には円板状の鍔部3b
が形成されている。この鍔部3bは、筆穂3の後端部を
熱によって溶融させて成形することにより形成されてお
り、その中央部には液体供給穴3cが形成されている。
なお、鍔部3bは円環状の部材を接着することによって
形成しても良い。
【0017】一方、前記空気通路S3は、その先端部が
内部の流体を筆穂3側へと導く形状をなしている。すな
わち、前記空気通路S3の先端部を構成する中筒2cの
先端2c1は、先軸2の先端2b1より内方に位置し、
筆穂3を先軸2内で露呈させるものとなっており、これ
によって、空気通路S3の先端部S31から排出される
流体を筆穂3に向けて流出させるようになっている。こ
の空気通路S3内に流入する流体としては、空気の外
に、本体軸1内から流入する塗布液である場合もあり、
その場合には、空気通路S3の先端部S31は塗布液を
筆穂3の先端部へと還流させる還流部として作用する。
【0018】前記中筒2c内に挿入された筆穂3は、そ
の鍔部3bが前記中筒2cの端面に当接して前方への抜
脱を阻止すると共に、後方への抜脱を中筒2cの後方に
位置する空間S1内に挿入された固定部材5によって阻
止するようになっている。すなわち、この固定部材5は
円筒形状をなし、その中央部には、円形の横断面形状を
なす塗布液導入路5aが形成されると共に、その塗布液
導入路5aの先端部周縁部には、環状の嵌合凸部5bが
形成されている。この嵌合凸部5bは、先軸2内の前記
空間S1内に前記固定部材5を挿入することにより、前
記筆穂3の鍔部3b後面に当接するようになっており、
これによって筆穂3の後方への抜脱を阻止する。また、
固定部材5の先端部には、前記塗布液導入路5aと前記
空気通路S3とを連通させる微小な空気流通溝5cが所
定の間隔を介して複数個形成されている。なお、前記空
間S1内に挿入された固定部材5は、先軸2と本体軸1
との螺合により、本体軸1内に収納された後述のバルブ
機構6によって後端部を押圧され、前記嵌合凸部5bが
筆穂3の鍔部に圧接した状態で固定されるようになって
いる。
【0019】また、前記本体軸1に収納されたバルブ機
構6は、次のように構成されている。すなわち、前記本
体軸1の先端部1aの内方には、有底筒状をなすと共に
底部に塗布液導入口7aを形成してなる弁座7が固定さ
れ、さらにこの弁座7には、鍔部8aを有する筒状のバ
ネ受け8が固定されている。また、前記弁座7の塗布液
流入口7aには、弁体9が挿通されている。この弁体9
は円錐台状の弁頭9aと棒状の弁棒9bとよりなり、弁
棒9bは、本体軸1の中心部に固定された筒状の中継軸
10内に進退可能に挿入されている。また、弁頭9aは
前記弁座7内に位置し、前記ばね受け8との間に介在さ
せた圧縮ばね11によって常には前記塗布液導入口7a
を閉塞するよう付勢されている。以上、7〜9によって
バルブ機構6が構成されている。
【0020】また、前記軸筒1の後端部には、前記バル
ブ機構6におけるバルブ9の開閉及び液体の送給、遮断
を行うために、次のような構成を有するノック機構12
が設けられている。このノック機構12において、前記
本体軸1の後端部には、先側尾端軸12の先端部12a
が挿入固定されており、その先側尾端軸12の外周面に
は、後側尾端軸13の前端部13aが螺合している。そ
して、先側尾端軸12の後端部内面に形成された突起部
12bには、開傘形状をなす弾性体14の周縁部が密着
固定されている。この弾性体14の中央部14aは前側
尾端軸12の後端より後方へと突出しており、弾性体1
4における中央部14bの内面には、中継軸10の後端
部が挿入されている。また、前記後側尾端軸15には、
内外両筒部15a,15bを一体形成してなるノックキ
ャップ15が軸線方向に沿って移動可能に挿入されてい
る。このノックキャップ15の内筒部15bの先端部内
には、弾性体14の中央部14aが挿入固定されてい
る。以上、前記10〜15によりバルブ機構12が構成
されている。なお、ノック操作を行い易くするため、後
側尾端軸13の後端部には斜めに形成された切欠部16
bが形成されている。なお、図中、4は前記筆穂3の周
囲を覆うための円筒状のキャップであり、前記先軸2の
先方部に着脱可能に合するようになっており、嵌合時に
は、先軸2の後方部の外周面と前記キャップの外周面と
が連続した滑らかな外面形状を呈するものとなってい
る。
【0021】上記のように構成された第1の実施形態に
おいて、本体軸1内の塗布液を筆穂3へと供給、遮断す
る場合には、ノックキャップ15を指などで押圧、解放
することによって行うことができる。すなわち、ノック
キャップ15を押圧すると、中継軸10を介して弁体9
が圧縮ばね11に抗して先方へと移動する。これによ
り、弁頭9aが弁座7の塗布液導入口7aを開状態とす
ると共に、弾性体14がノックキャップ15に押圧され
て変形し、本体軸1内の圧力を高めるため、塗布液は弁
座7内へと流入する。そして、固定部材5内に流入した
塗布液は、ばね受け8の内方及びこれに連通する固定部
材5の液体導入路5a内を通過して筆穂3に供給され、
筆穂3は塗布液が浸透した状態となり筆記可能となる。
また、ノックキャップ15への押圧力を解除すれば、弁
体9が圧縮ばね11の付勢力によって初期位置に復帰す
るため、中継軸10を介して弾性体14及びノックキャ
ップ15も初期位置に復帰する。これにより、弁体9塗
布液導入口7aを閉塞するため、本体軸1からの塗布液
の流出は遮断される。
【0022】ところで、本体軸1内に貯蔵されている塗
布液が粘性の高いものであった場合には、筆穂3への塗
布液の浸透時に生じる抵抗が増大し、塗布液導入路5a
における塗布液の圧力が高まるため、塗布液が固定部材
5の空気溝5cを経由して前記空気通路S3内へも流入
することがある。この塗布液は空気通路S3の先端部か
ら流出されるが、この第1の実施形態においては、前述
のように空気通路の先端部に達した流体が還流部S31
を経て筆穂3へと導かれ、筆穂3に吸収される。このた
め、塗布液が不用意に周辺に滴下し、用紙が汚れたり、
塗布具周面が汚れて使用者の手が汚れたりすることはな
くなり、極めて取り扱い易いものとなる。また、塗布液
は全て筆記に供されることとなるため、塗布液が無駄に
消費されることもなくなり、予め設定した所望の筆記距
離が得られる。
【0023】また、この第1の実施形態においては、筆
穂3を、先軸2に一体形成した中軸と固定部材5との僅
か二部材で保持、固定するものとなっているため、極め
て安価に製造し得ると共に、筆穂3の固定作業も極めて
容易に行うことができる。すなわち、筆穂3を固定する
場合には、中筒2c内にその後方から筆穂3を挿入した
後、固定部材5を中軸の後方に形成される空間S1内に
挿入し、その状態で弁機構を収納した本体軸1の先端部
を先軸2の後方部に螺合させれば良く、これによって筆
穂3の鍔部3bは固定部材5の凸部5bと中筒2cの開
口部端縁との間で挟持され、抜脱不能に確固に固定され
る。しかも、中筒2cには筆穂3の後部が隙間なく挿入
されたものであるため、がたつきのない安定した保持状
態を得ることができる。
【0024】さらに、中筒2cと先軸2との間には固定
部材5の塗布液導入路5aと連通する空気通路S3が形
成されており、塗布液の使用に伴う空気の流通が可能と
なっているため、塗布液と空気との置換をこの空気流路
を用いて適正に行うことができ、塗布液を円滑に筆穂3
へと供給することができる。このように、筆穂3の安定
した固定状態と塗布液の円滑な供給とが得られるため、
この第1の実施形態では良好な筆記感覚を得ることがで
きる。
【0025】次に、本願発明の第2の実施の形態を図4
及び図5に基づき説明する。この第2の実施の形態は、
上記第1の実施の形態における先軸2に替えて、図4及
び図5に示すような先軸20を設けたものとなってい
る。なお、各図中、上記第1の実施形態と同一もしくは
相当部分には同一符号を付し、その説明の詳細は省く。
図示のように、この第2の実施の形態における先軸2に
は、第1の実施形態と同様にリブ2dを介して連結され
る中筒2cが先軸2と一体形成されているが、ここに示
す中筒20cは、その前方部内面20c1が筆穂3の穂
首に合致するようテーパ形状に形成すると共に、後端部
から内方ヘ向けて所定の長さ及び幅を有するスリットS
32を複数箇所(ここでは4箇所(図5(b)参照))
に形成し、このスリットS32を他方の還流部としたも
のとなっている。なお、先軸20と中筒2cとの間に空
気通路S3が形成される点、及び先軸2の先端より中筒
2cの先端が内方に位置して還流部S31を形成する点
などをはじめ、その他の構成は上記第1の実施形態と同
様である。
【0026】上記のような先軸20を有するこの第2の
実施形態によれば、中筒2cにおけるテーパ形状によっ
て、中筒2cの内面全体が筆穂3を保持するため、上記
第1の実施形態に比し、一層、安定した筆穂保持状態を
得ることができる。また、中筒2cに形成した複数のス
リットS32が、空気流路内に流入した塗布液を空気通
路S3の先端部に到達する手前で筆穂3へと導くため、
より迅速かつ確実に塗布液を筆穂3に吸収させることが
でき、空気通路S3からの不用意な塗布液の漏出を防止
することができる。また仮に、空気通路の先端部に塗布
液が到達したとしても、この塗布液は、上記第1の実施
の形態と同様に空気通路の先端に形成した一方の還流部
S31によって筆穂3へと導かれ、ここでも塗布液の吸
収を行うため、塗布液が外部へと滴下されることは完全
に防止される。
【0027】なお、上記各実施の形態においては、テー
パ形状をなす断面円形の筆穂3を用いた塗布具を例にと
り説明したが、筆穂の断面形状を円形以外の形状に形成
することも可能であり、本願発明は、筆穂を有するもの
であれば種々の塗布具に有効である。また、筆穂を形成
する各線材31に関しても、通常用いられる円形の横断
面形状をなすものに限らず、その他の断面形状をなすも
のを適用することもできる。例えば、図6(b)に示す
ように、各線材31の外面に複数の突条32を形成し、
その断面形状を星形に形成した線材31を適用しても良
く、このような表面積の大なる形状の線材を用いれば、
塗布液の保留量が各線材31の突条31a間などに保留
されて増大するため、筆穂30の乾燥を抑えることがで
き、記載可能状態を長期に亘って維持することができ
る。また、顔料等の固形成分が含まれた高粘度の塗布液
を使用した場合には、各突条31a間に塗布液が保留さ
れるため、塗布液の追従性が良くなり、筆記感覚の向上
を期待できる。なお、図6において、(a)は筆穂30
に用いられる線材31の先端部付近における側面形状を
示し、同図(b)は同図(a)に示した線材31のx1
−x1線断面、x2−x2線断面、x3−x3線断面、
及びx4−x4線断面をそれぞれ示している。
【0028】また、上記各実施の形態においては、筆穂
3の鍔部3bを挟持する固定部材5を、本体軸1に固定
されたばね受け8にて押圧固定するようにしたが、固定
部材5は先軸2に接着剤などを用いて固定しても良い
し、先軸2と固定部材5とに互いに嵌合可能な凹部及び
凸部を設け、両者の嵌合によって固定部材5と先軸2と
を抜脱不能に固定するようにしても良く、固定部材5の
固定手段としてはいかなる手段も適用可能である。この
他、本願発明は、上記各実施形態に示したバルブ機構及
びノック機構を備えた塗布具に限らず、他の構成を有す
るバルブ機構及びノック機構を備えた塗布具にも適用可
能であり、さらにはバルブ機構及びノック機構を備えて
いない塗布具にも適用可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明した通り、本願発明によれば、
先軸内に中筒を一体に形成し、かつ先軸と中筒との間に
形成される空間によって空気通路を形成するようにした
ため、中筒によって筆穂をがたつきなく保持することが
でき、しかも塗布液の消費に伴う塗布液と空気との置換
を前記空気通路によって確実に行うことができるため、
塗布液の供給を円滑に行うことができ、優れた筆記感覚
を得ることができる。また、前記筆穂の鍔部は、先軸に
一体形成された中筒の後端部と先軸内に嵌着された固定
部材とによって挟持固定するものとなっているため、鍔
部の固定構造を単純化することができ、その組み立て作
業も簡略化されるため、製造コストを大幅に低減するこ
とができる。
【0030】さらに、上記空気通路に、その内部に流入
した塗布液を筆穂に還流させる還流部を設ければ、例え
塗布液が高粘度であったとしても、空気通路内に侵入し
た塗布液が外部へと滴下されるなどして無駄に消費され
ることもなくなり、塗布具としての筆記距離を事実上増
大させることができると共に、使用者の手や用紙などが
汚れることもなくなり、取り扱い易いものとなる。
【0031】また、筆穂を構成する各線材の外面部にそ
の長手方向に沿って複数の突条を形成すれば、塗布液の
保留性を高めることができ、格別に塗布液貯留部材など
を筆穂に設けなくとも十分な筆記距離が得られると共
に、塗布液の追従性も高まり、塗布感覚は一層向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態を示す一部縦断側
面図である。
【図2】(a)は図1に示した先軸の形状を示す縦断側
面図、(b)は同図(a)に示したものの背面図であ
る。
【図3】(a)は本願発明に適用する筆穂の一部縦断側
面図、(b)は同図(a)に示したものの背面図であ
る。
【図4】本願発明の第2の実施の形態を示す一部縦断側
面図である。
【図5】(a)は図1に示した先軸の形状を示す縦断側
面図、(b)は同図(a)に示したものの背面図であ
る。
【図6】(a)は図1に示した筆穂に用いられる線材の
一部縦断側面図、(b)同図(a)に示したものx1−
x1線断面、x2−x2線断面、x3−x3線断面、及
びx4−x4線断面を示す図である。
【図7】従来用いられている塗布具の筆穂取付構造の一
例を示す一部縦断側面図である。
【図8】従来用いられている塗布具の筆穂取付構造の他
の例を示す一部縦断側面図である。
【符号の説明】
1 本体軸 1a 先端部 2 先軸 2c 中筒 3 筆穂 3a 穂首 3b 鍔部 3c 塗布液導入穴 31 突条 5 固定部材 5a 塗布液導入路 S3 空気通路 S31 還流部 S32 還流部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液を貯蔵する筒状の本体軸と、 前記本体軸の先端部に連結されると共に、本体軸の内部
    空間に連通する筒状の先軸と、 前記先軸の先方部内方に一体形成された中筒と、 前記中筒の後端より挿入されて穂首が前端より突出する
    と共に、後端部に前記中筒後端に係止される鍔部を有す
    る筆穂と、 前記先軸内に嵌合固定され、その先端部と前記中筒後端
    との間で前記筆穂の鍔部を挟持固定すると共に、内部に
    前記本体軸の内部空間と連通する塗布液導入路を形成し
    てなる筒状の固定部材と、 前記中筒外面と先軸内面との間に形成される間隙を前記
    塗布液導入路に連通させてなる空気通路とを備え、 前記本体軸から塗布液導入路へと塗布液を圧送すること
    により、前記空気通路にて液体導入路と外部空間との空
    気の流通を行いつつ、塗布液を前記筆穂へと送給するよ
    うにすることを特徴とする塗布具の筆穂取付構造。
  2. 【請求項2】 塗布液を貯蔵する筒状の本体軸と、 前記本体軸の先端部に連結されると共に、本体軸の内部
    空間に連通する筒状の先軸と、 前記先軸の先方部内方に一体形成された中筒と、 前記中筒の後端より挿入されて穂首が前端より突出する
    と共に、後端部に前記中筒後端に係止される鍔部を有す
    る筆穂と、 前記先軸内に嵌合固定され、その先端部と前記中筒後端
    との間で前記筆穂の鍔部を挟持固定すると共に、内部に
    前記本体軸の内部空間と連通する塗布液導入路を形成し
    てなる筒状の固定部材と、 前記中筒外面と先軸内面との間に形成される間隙を前記
    塗布液導入路に連通させてなる空気通路とを備え、 前記本体軸から塗布液供給路へと塗布液を圧送すること
    により、前記空気通路にて液体導入路と外部空間との空
    気の流通を行いつつ、塗布液を前記筆穂へと送給するよ
    うにする一方、 前記空気通路は、その内部に流入した塗布液を筆穂に還
    流させる還流部を有することを特徴とする塗布具の取付
    構造。
  3. 【請求項3】 還流部は、前記中筒の先端部を前記本体
    軸の先端より内方に位置させることにより形成され、前
    記空気通路先端に達した流体を筆穂へと導くことを特徴
    とする請求項1記載の塗布具の取付構造。
  4. 【請求項4】 還流部は、前記中筒の後方部に形成した
    スリットによって形成され、空気通路後方に流入した流
    体を筆穂へと導くことを特徴とする請求項1記載の塗布
    具。
  5. 【請求項5】 筆穂は、その穂首を合成樹脂からなる多
    数本の線材によって先細り形状に構成すると共に後端部
    を溶融させて円板状に成形し、その後端部中央に前記固
    定部材の塗布液導入路に連通する塗布液導入穴を形成し
    てなることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載
    の塗布具の取付構造。
  6. 【請求項6】 筆穂を構成する各線材の外周面にその長
    手方向に沿って複数の突条を形成したことを特徴とする
    請求項1ないし5いずれか記載の塗布具の取付構造。
  7. 【請求項7】 筆穂を構成する各線材は、ポリエステル
    樹脂、またはポリアミド樹脂によって形成されることを
    特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の塗布具の取
    付構造。
  8. 【請求項8】 中筒の内面は、筆穂の先細り形状に沿っ
    てテーパ形状をなすことを特徴とする請求項5ないし7
    いずれか記載の塗布具の取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013085820A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Mitsubishi Pencil Co Ltd 塗布具
WO2020209024A1 (ja) * 2019-04-08 2020-10-15 株式会社サクラクレパス 塗布具、並びに、筆穂取付具

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