JPH10109320A - 射出成形可能なエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

射出成形可能なエポキシ樹脂組成物

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JPH10109320A
JPH10109320A JP26728896A JP26728896A JPH10109320A JP H10109320 A JPH10109320 A JP H10109320A JP 26728896 A JP26728896 A JP 26728896A JP 26728896 A JP26728896 A JP 26728896A JP H10109320 A JPH10109320 A JP H10109320A
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JP
Japan
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epoxy resin
curing
gel time
resin composition
pts
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JP26728896A
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English (en)
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Eiki Togashi
栄樹 富樫
Tsukasa Sakuraba
司 桜庭
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形機のシリンダー内では硬化すること
なく熱安定性に優れ、金型内で急速に硬化反応が進行す
る潜在型の硬化特性を有する射出成形可能なエポキシ樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促
進剤および無機充填剤を必須成分として含有し、(1) 8
0℃におけるゲルタイムが1500秒以上;(2) 100
℃におけるゲルタイムが1000秒以上で、かつ、(3)
反応の活性化エネルギーが12000cal/mol以
上、であることを特徴とする射出成形可能なエポキシ樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形可能なエ
ポキシ樹脂組成物に関するものであって、より詳しく
は、射出成形機のシリンダー内では硬化することなく熱
安定性に優れ、金型内で急速に硬化反応が進行する潜在
型の硬化特性を有する射出成形可能なエポキシ樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂が、耐熱性、耐薬品性およ
び電気絶縁性などのさまざまな物性に優れ、多くの用途
に供されていることは良く知られている。従来よりエポ
キシ樹脂成形材料の生産性の面で適した成形法として
は、トランスファー成形法が知られている。トランスフ
ァー成形では、成形を行う前にエポキシ樹脂組成物を金
型内のポットに投入し、これをプランジャーで加圧して
金型内で流動硬化させるのが一般的である。
【0003】しかしながら、この成形法では、まず、成
形材料をタブレット化することが必要であり、さらに予
熱工程を必要とするため、成形サイクルの短縮化にはお
のずと限界があり、生産性の向上ならびに低コスト化に
はなかなか結びつかないのが現状である。さらに、トラ
ンスファー成形は、成形時にランナーの他にポット内に
残るカル部が硬化後の廃棄物として発生する問題があ
る。硬化したカル部は、通常、再利用することができず
に、そのまま廃棄されているが、廃棄されても分解する
ことがないために、環境汚染を引き起こす一因ともなっ
ている。
【0004】一方、射出成形法は、通常、熱可塑性樹脂
成形材料粉末をホッパー内に投入するだけでシリンダ内
で自動的に予熱と計量がなされた後、金型内に射出され
硬化する。したがって、この場合は、成形材料をタブレ
ット化する工程ならびに予熱の工程が不要となり、さら
に連続生産が可能であるためトランスファー成形に比べ
て著しく成形サイクルの短縮化が可能になり、生産効率
の点で優れた方法ということができる。しかしながら、
従来、トランスファー成形に使用されてきたエポキシ樹
脂成形材料は、シリンダ内での熱安定性が悪く、溶融粘
度が著しく上昇し射出成形することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下にあっ
て、シリンダ内での熱安定性に優れ、かつ、金型内で急
速に硬化する硬化特性を有する射出成形に適したエポキ
シ樹脂成形材料の出現が待望されている。
【0006】本発明者らは、かかる技術的課題の解決を
目的としたエポキシ樹脂組成物を得るべく研究を重ねて
きたところであるが、特定のゲルタイムと溶融粘度特性
を有するエポキシ樹脂組成物が上記技術的課題を解決し
得ることを見いだし、すでにと特願平8−200318
号として特許出願をした。
【0007】
【課題を解決するための手段】その後、更に、上記目的
の達成のための研究を継続する中で、特定のゲルタイム
と反応の活性化エネルギーをもつエポキシ樹脂組成物
が、上記先願発明と同様に、シリンダ内では硬化するこ
となく熱安定性に優れ、かつ金型内では急速に硬化する
硬化特性を備え、射出成形に適したものであることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、硬化促進剤および無機充填剤を必
須成分として含有し、(1) 80℃におけるゲルタイムが
1500秒以上;(2) 100℃におけるゲルタイムが1
000秒以上;かつ、(3) 反応の活性化エネルギーが1
2000cal/mol以上;であることを特徴とする
射出成形可能なエポキシ樹脂組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物は、
80℃におけるゲルタイムが1500秒以上、100℃
におけるゲルタイムが1000秒以上であり、かつ、反
応の活性化エネルギーが12000cal/mol以上
のものであることが重要な要件であり、その上限はとく
に限定されない。
【0010】本発明におけるゲルタイムとは、下記の方
法によって測定された値をいう。 測定機:(株)東洋精機製作所 ラボプラストミル 2
0R200 ローラミキサー R−30 測定樹脂量:43g ローター回転数:30rpm の条件で、図1に示した、所定の温度(80℃および1
00℃)における、試料投入後にトルクが低下する領域
(接線)、最低トルクを保持する領域(接線)を求
め、最高トルク点A(垂線)にそれぞれ線を引く。次
に、接線と接線の交点と垂線までの長さを求め、
これをゲルタイムとする。
【0011】また、エポキシ樹脂組成物の反応の活性化
エネルギーとは、下記のアレニウスの反応式(1)から
算出されるものである。K:反応速度常数 A:頻度
常数 E:反応の活性化エネルギー(cal/mo
l) R:気体常数 T:温度(°K ) G:成
形材料のゲルタイム(sec)とした時の; K=Ae-E/RT LN K=LN(1/G)=LN A−E/RT・・・(1) LN(1/G)と1/Tとのグラフの傾きからEを求め
る。
【0012】エポキシ樹脂組成物のゲルタイム特性およ
び反応の活性化エネルギーが上記特定のものであること
により、シリンダ内では硬化することなく熱安定性に優
れ、金型内での速硬化性を満足することができる。
【0013】本発明において用いられるエポキシ樹脂と
しては、かかるゲルタイム特性および反応の活性化エネ
ルギーを有するものである限り、エポキシ基を有するモ
ノマー、ポリマー全般が用いられ、例えば、オルソクレ
ゾール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナ
フタレン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹
脂の単独または併用が例示されるがこれ以外でも、上記
規定を満足するエポキシ樹脂であれば使用することがで
きる。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記エポ
キシ樹脂に硬化剤としてのフェノール樹脂、硬化促進剤
および無機充填剤を適宜配合することによって構成され
る。
【0015】硬化剤としては、フェノール性水酸基を有
するものおよび酸ヒドラジドを用いることができ、具体
的には、フェノールノボラック樹脂、ジクロルペンタジ
エン型フェノール樹脂、エイコ酸ヒドラジドなどが例示
され、これらは単独または併用して用いることができ
る。
【0016】フェノールノボラック樹脂としては、酸触
媒を用いて、フェノール、クレゾール、キシレノールな
どのフェノール類とホルムアルデヒドを反応させて得ら
れるノボラック型フェノール樹脂、ならびにその変性樹
脂、例えば、エポキシ化もしくはブチル化ノボラック型
フェノール樹脂が例示され、なかでも水酸基当量が10
0ないし150、軟化点が60ないし110℃のものが
好ましく用いられる。
【0017】硬化剤は、エポキシ樹脂100重量部に対
して、20ないし70重量部、好ましくは40ないし6
0重量部の割合で配合されるが、この配合割合は、フェ
ノールノボラック樹脂の場合を例にとると、エポキシ樹
脂中に含まれるエポキシ基1個当たり、フェノール性水
酸基が0.5ないし2.0個、好ましくは約1個となる
ような割合に相当する。
【0018】硬化促進剤としては、芳香族系および脂環
族系ジメチルウレア、ジシアンジアミドなどの、エポキ
シ樹脂と硬化剤の硬化反応を促進し、かつ、射出成形機
のシリンダー内での熱安定性と、金型部での速硬化性と
を満足させるものが使用される。
【0019】その具体的な例としては、1,8−ジアザ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7フェノール塩、フ
ェノールノボラック塩、炭酸塩などのDBU誘導体、ジ
シアンジアミドおよび式Ar−NH−CO−NR2 (A
rは置換または非置換のアリール基、Rは同一または異
なってもよいアルキル基)で表される尿素誘導体が挙げ
られるが、なかでも、物性に優れた本発明の射出可能な
エポキシ樹脂組成物を得るためには、式Ar−NH−C
O−NR2 (Arは置換または非置換のアリール基、R
は同一または異なってもよいアルキル基)で表される尿
素誘導体を使用することが好ましい。
【0020】また、下記式(a)ないし(e)で表され
るアルキル系尿素誘導体を硬化促進剤として用いること
により、100℃近辺での安定性が大幅に向上し、その
結果、射出成形機シリンダー内での熱安定性が向上す
る。
【化1】 (式中、X1 ,X2 は、水素、ハロゲン、アルキル基、
好ましくは炭素数1ないし5の低級アルキル基、アルコ
キシ基、好ましくは炭素数1ないし5の低級アルコキシ
基またはニトロ基であり、両者は同一でも異なっていて
もよい、Rのそれぞれは同一または異なっていてもよい
アルキル基であり、好ましくは炭素数1ないし10、特
に好ましくは炭素数1ないし5のアルキル基である。) これに該当する化合物としては、例えば、3−フェニル
−1,1−ジメチルウレア、3−(p−クロロフェニ
ル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロ
ルフェニル)−1,1ジメチルウレア、3−(o−メチ
ルフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(p−メ
チルフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(メト
キシフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3(ニトロ
フェニル)1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。
【0021】
【化2】 (式中、Y,Zは、水素、ハロゲンまたはアルキル基、
好ましくは炭素数1ないし5の低級アルキル基であり、
両者は同一でも異なっていてもよい。Rのそれぞれは同
一または異なっていてもよい低級アルキル基である。) これに該当する化合物としては、1,1’フェニレンビ
ス−(3,3−ジメチルウレア)、1,1’−(4−メ
チル−m−フェニレン)−ビス(3,3−ジメチルウレ
ア)などが挙げられる。
【0022】
【化3】 (式中、Rのそれぞれは同一または異なってもよい低級
アルキル基である。)
【0023】
【化4】 (式中、Pは0ないし5の整数、Rのそれぞれは同一ま
たは異なっていてもよいアルキル基であり、好ましくは
炭素数1ないし10、特に好ましくは炭素数1ないし5
のアルキル基である。)
【0024】
【化5】 (式中、Rのそれぞれは同一または異なってもよいアル
キル基であり、好ましくは炭素数1ないし10、特に好
ましくは炭素数1ないし5のアルキル基である。)
【0025】上記式(a)ないし(e)におけるX1
2 およびRのアルキル基またはアルコキシ基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基、
またはそれに相当するアルコキシ基が好ましい。また式
(e)に該当する化合物としては、2,4−トリレンジ
イソシアネートのジメチルアミン付加物が例示される
が、なかでもジメチルアミン付加物は、100℃近辺で
の安定性が大幅に向上し、本発明の射出成形に適した硬
化特性を示すために好ましく使用される。これらの硬化
促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して3ないし
20重量部、好ましくは5ないし10重量部の割合で配
合される。
【0026】なお、従来よりトランスファー成形におい
て用いられている2−メチルイミダゾール、トリフェニ
ルホスフィンなどのように、それ単独ではシリンダ内で
の熱安定性に欠け射出成形不可能であった硬化促進剤
も、金型内での硬化時間短縮のために併用することがで
きる。
【0027】無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、
窒化ケイ素、フェライト、黒鉛、ガラスファイバー、カ
ーボンファイバーなどが例示され、必要に応じてブロム
化エポキシ樹脂、三酸化アンチモンなどの難燃剤、およ
びシランカップリング剤、カーボンブラック、フタロシ
アニンなどの着色剤、天然あるいは合成ワックス、シリ
コーンオイルなどの離型剤等を配合することができる。
【0028】
【実施例】次に実施例によって本発明を説明する。この
実施例は、本発明の一実施態様を示すためのものであっ
て、これによって本発明が制限されるものではなく、発
明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜の変更が許さ
れることは理解されるべきである。
【0029】<実施例1ないし3および比較例1,2>
実施例1ないし3および比較例1および2における配
合、ならびに各組成物について80℃でのゲルタイム、
100℃でのゲルタイムおよび反応の活性化エネルギー
(cal/mol)を測定し、その射出成形性(連続成
形性)について評価し、成形法の種類、成形条件、成形
サイクル、廃棄部重量、製品部重量と共に結果を表1に
示した。連続成形性の評価は、金型スプルブッシュ部先
端とノズル先端部とをタッチして連続成形し、射出後、
ノズル先端部に残るクッション量が安定し、かつ、未充
填が発生するかしないかで評価した。
【0030】本実施例と比較例においてゲルタイムおよ
び反応の活性化エネルギーの測定は、前述した方法によ
って行った。
【0031】
【表1】
【0032】なお、実施例1および実施例2において連
続成形性を評価するためのクッション量(mm)は、下
記表2の通りであった。
【0033】実施例および比較例における成形条件等は
下記表3および表4の通りである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、射出成形機のシリンダ
ー内では硬化することなく熱安定性に優れ、金型内で急
速に硬化反応が進行する潜在型の硬化特性を有する射出
成形可能なエポキシ樹脂組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるゲルタイムの測定方法を説明す
るための図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促
    進剤および無機充填剤を必須成分として含有し、(1) 8
    0℃におけるゲルタイムが1500秒以上;(2) 100
    ℃におけるゲルタイムが1000秒以上で、かつ、(3)
    反応の活性化エネルギーが12000cal/mol以
    上、であることを特徴とする射出成形可能なエポキシ樹
    脂組成物。
JP26728896A 1996-05-29 1996-10-08 射出成形可能なエポキシ樹脂組成物 Pending JPH10109320A (ja)

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JP26728896A JPH10109320A (ja) 1996-10-08 1996-10-08 射出成形可能なエポキシ樹脂組成物
CA002206384A CA2206384A1 (en) 1996-05-29 1997-05-28 A method of injection-molding for epoxy resin moldings and an injection-moldable epoxy resin composition
KR1019970021150A KR100492664B1 (ko) 1996-05-29 1997-05-28 사출성형가능한에폭시수지조성물,및이를사용한에폭시수지성형품의사출성형방법
SG1997001782A SG52980A1 (en) 1996-05-29 1997-05-29 Method of injection-molding for epoxy resin moldings and an injection-moldable epoxy resin composition
EP97303636A EP0810248A3 (en) 1996-05-29 1997-05-29 A method of injection-molding an epoxy resin composition and an injection-moldable epoxy resin composition
CN97114998.4A CN1173423A (zh) 1996-05-29 1997-05-29 环氧树脂成型品的注射成型方法和可注射成型的环氧树脂组合物
US09/348,073 US6231800B1 (en) 1996-05-29 1999-07-06 Method for injection molding for epoxy resin moldings and an injection moldable epoxy resin composition

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040629