JPH10109178A - 粉体プラズマアーク肉盛溶接方法 - Google Patents

粉体プラズマアーク肉盛溶接方法

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JPH10109178A
JPH10109178A JP8266076A JP26607696A JPH10109178A JP H10109178 A JPH10109178 A JP H10109178A JP 8266076 A JP8266076 A JP 8266076A JP 26607696 A JP26607696 A JP 26607696A JP H10109178 A JPH10109178 A JP H10109178A
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plasma
powder
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマアークの動きを抑制しながら肉盛溶
接する。 【解決手段】 プラズマトーチ1に磁界発生手段8を取
付ける。プラズマトーチ1から出たプラズマアーク6の
動きを抑制するように、磁界発生手段8からプラズマー
ク6に磁界を作用させながら肉盛溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマトーチか
ら出るプラズマアークに向かって金属粉末を噴出し、プ
ラズマアークで金属粉末を溶融させて母材上に肉盛溶接
する粉体プラズマアーク肉盛溶接方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の粉体プラズマアーク肉盛
溶接方法では、肉盛溶接すべき母材をアースし、プラズ
マトーチを母材の肉盛溶接すべき箇所に対向させて、こ
のプラズマトーチからプラズマアークを母材に向けて発
生させ、このプラズマアークに向かってプラズマトーチ
から金属粉末を噴出し、これら金属粉末をプラズマアー
クの熱で溶融させて母材上に肉盛溶接していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のプラズマアーク肉盛溶接方法では、溶接時に
プラズマトーチから母材の対向部分にプラズマアークを
通ってアーク電流が流れ、このアーク電流は母材の対向
部分からアース位置に向かって流れる。母材中を流れる
この電流が作る磁界は、プラズマアークに作用してプラ
ズマアークの向きを変えたり、プラズマアークを揺らせ
る問題点があった。母材のアース位置は、通常、肉盛溶
接位置から十分に離れた位置に設けられるが、肉盛溶接
する位置が移動するにつれてアース位置との距離も変化
し、肉盛溶接する位置とアース位置との距離が近くなる
と、両者間の抵抗値が低下して溶接電流が増加し、この
溶接電流が作る磁界の強さが大きくなって、プラズマア
ークの向き及び揺れが増加する。また、肉盛溶接する位
置が移動するにつれてアース位置に対する方位角度も変
化する。このように、肉盛溶接する位置が移動するにつ
れて、アース位置との距離と、アース位置に対する方位
角度が変化すると、プラズマアークの向きも肉盛溶接す
る位置が移動するにつれて種々の方向に変化する。
【0004】このようなプラズマアークの向きの変化
は、母材の表面が平坦な場合にはさほど問題にはならな
い。しかしながら水平向きに配置した金属管表面に肉盛
溶接する場合には、母材としての金属管表面が湾曲して
いるため、プラズマアークの向きが管の長手方向に沿っ
た肉盛溶接進行方向に対して交差する方向に変化する
と、母材に盛られた溶接ビードがプラズマアークの力で
押されて母材の湾曲した表面から流れ落ち、母材の表面
に均一に肉盛り溶接を行えない問題点があった。
【0005】本発明の目的は、プラズマアークの動きを
抑制しながら肉盛溶接することができる粉体プラズマア
ーク肉盛溶接方法を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、プラズマアークが伸
びる方向を限定しながら肉盛溶接することができる粉体
プラズマアーク肉盛溶接方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、プラズマアークを肉
盛溶接進行方向に向かって曲げるようにして肉盛溶接す
ることができる粉体プラズマアーク肉盛溶接方法を提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、溶接ビードの高さを
低くして安定した状態で肉盛溶接できる粉体プラズマア
ーク肉盛溶接方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、表面が平坦でない母
材に安定した状態で肉盛溶接できる粉体プラズマアーク
肉盛溶接方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラズマトー
チから出るプラズマアークに向かって金属粉末を噴出
し、プラズマアークの熱を利用して溶融した金属粉末を
母材上に肉盛溶接する粉体プラズマアーク肉盛溶接方法
を改良するものである。
【0011】本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接
方法にあっては、プラズマトーチから出たプラズマアー
クの動きを抑制するようにプラズマークに磁界を作用さ
せながら肉盛溶接するか、または、プラズマトーチから
出たプラズマアークに対して磁界を作用させてプラズマ
アークが延びる方向を限定しながら肉盛溶接することを
特徴とする。
【0012】このようにプラズマークに磁界を作用させ
ると、作用させる磁界の強さによって、プラズマアーク
の動きを抑制しつつ肉盛溶接することができ、または、
プラズマアークが延びる方向を限定しながら肉盛溶接す
ることができる。即ち、プラズマアークに外部から作用
させる磁界の強さを、プラズマアークを発生することに
より生じる磁界よりも強くすると、プラズマアークの動
きを抑制しつつ肉盛溶接することができる。また、プラ
ズマアークに外部から作用させる磁界の強さを、プラズ
マアークを発生することにより生じる磁界よりも十分に
大きくすれば、プラズマアークが延びる方向を限定しな
がら肉盛溶接することができる。
【0013】このようにプラズマアークの動きを抑制し
ながら、あるいはプラズマアークが延びる方向を限定し
ながら肉盛溶接すると、溶接電流が作る磁界の影響をで
きるだけ受けないようにしつつ、または排除しつつ肉盛
溶接することができて、良好な肉盛溶接を行うことがで
きる。このため母材表面が平坦でなく、例えば上に凸形
に湾曲している場合でも、湾曲した母材の表面から溶接
ビードが滑り落ちたりまたは垂れたりすることなく、安
定したビード形状で肉盛溶接することができる。
【0014】プラズマアークを磁界によって規制する方
向は、基本的には任意である。しかしながらプラズマア
ークを肉盛溶接進行方向とは逆方向に向かって曲げるよ
うにプラズマアークに対して磁界を作用させながら肉盛
溶接すると、溶接ビードの高さが極端に高くなり、しか
も後ろ向きにビードが押されるので、肉盛表面にとげ状
の突部が生じる。そのために肉盛溶接部の表面を後加工
する必要がある。そこでプラズマアークを肉盛溶接進行
方向に向かって曲げるようにプラズマアークに対して磁
界を作用させながら肉盛溶接すると、得られる溶接ビー
ドの高さが極端に高くなることがなく、しかもビードの
頂部にとげ状の突部が形成されない良好なビード形状が
得られる。
【0015】また、プラズマトーチを肉盛溶接進行方向
と逆方向に傾けて配置し、別の表現をすると、プラズマ
トーチをその先端が肉盛溶接進行方向を向き、その後部
が肉盛溶接進行方向と逆の方向を向くように傾けて配置
し、かかる状態でプラズマアークを肉盛溶接進行方向に
向かって曲げるようにプラズマアークに対して磁界を作
用させながら肉盛溶接すると、このようなプラズマトー
チの姿勢からプラズマアークを肉盛溶接進行方向に向か
って曲げる操作が行い易くなると共にプラズマトーチ側
から溶接ビードを肉盛溶接進行方向に向かって押圧する
力が強くなり、得られる溶接ビードの高さが極端に高く
なるのを一層効果的に抑制しつつ肉盛することができ
る。また肉盛表面にとげ状の突部が生ずる事態が発生す
るのを一層効果的に抑制することができる。更に母材の
表面が湾曲している場合でも、溶接ビードが乱れること
なく、湾曲した表面に良好な溶接ビードを形成すること
ができ、一層安定させて肉盛溶接することができる。
【0016】この場合、プラズマトーチは、母材と直交
する仮想垂直線から2〜6度肉盛溶接進行方向と逆方向
に傾斜して配置することが好ましい。この角度範囲にす
れば、前述した効果をより確実に得ることができる。
【0017】プラズマトーチの方向を規制する磁界を発
生する磁界発生手段は、プラズマトーチとは別に設けて
もよいが、プラズマトーチに磁界発生手段を設ければ、
プラズマトーチの移動に伴って磁界発生手段も一緒に移
動させることができて、作業製が向上する。なおこの場
合にも、前述の通り、プラズマトーチを肉盛溶接進行方
向と逆の方向に傾けて配置するのが好ましい。
【0018】本発明の方法は、特に母材の表面が例えば
円弧のように平坦でなくしかも高融点の母材に対して、
粉体プラズマアークを肉盛溶接する場合に効果を発揮す
る。高融点の母材は溶融し難いために、溶融した金属粉
末が母材の表面部に付き難い。しかも母材の表面が湾曲
している場合には、表面部に付着した溶融金属が流れ易
くなる。しかしながら本発明では、プラズマアークの動
きを抑制しているため、溶接ビードの形状を乱すような
力らが融金属に加わることがなく、母材の表面が湾曲し
ていてしかも母材が高融点の母材であっても、良好な肉
盛溶接を得ることができる。
【0019】プラズマアークの方向の規制は、プラズマ
アークに磁界を作用させるだけでなく、溶接電流によっ
て発生する磁界そのものの変動を抑制することによって
も実現可能である。すなわち磁界の発生源の近くに導磁
性の高い導磁路を配置すると、磁束の多くはこの導磁路
を通って流れようとするため、磁界の変動が小さくな
る。その結果、プラズマアークの方向の変位が少なくな
る。そこで本発明では、プラズマトーチを肉盛溶接進行
方向と逆の方向に傾けて配置し、該プラズマトーチから
出たプラズマアークに隣接して、該プラズマアークから
発生する磁束を導入することにより該プラズマアークの
動きを抑制する導磁路を配置して肉盛溶接をする。この
ように導磁路を用いても、プラズマアークの動きを抑制
しつつ肉盛溶接することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1(A)は、本発明に係る粉体
プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第1
例を示したものである。図示のようにプラズマトーチ1
は、その軸心に沿って設けられていてトーチ先端に開口
するプラズマガス供給通路2を有し、このプラズマガス
供給通路2を中心とした両側にはトーチ先端に開口する
第1,第2の粉末供給路3a,3bが設けられ、プラズ
マガス供給通路2内にはタングステン電極4が配置され
た構造になっている。このような構造のプラズマトーチ
1では、タングステン電極4と母材5との間にプラズマ
アーク6を発生させ、このプラズマアーク6に向かって
例えばクロム粉末の如き金属粉末を噴出し、プラズマア
ーク6の熱を利用して溶融した金属粉末を母材5上に肉
盛7して溶接する。このとき、前述したようにプラズマ
アーク6には、プラズマトーチ1の電極4,プラズマア
ーク6,母材5,アースの経路で溶接電流が流れる。こ
の溶接電流が作る磁界はプラズマアーク6に作用してお
り、こん磁界の変動でプラズマアーク6の向きが変えら
れることがある。
【0021】そこで本例では、プラズマトーチ1から出
たプラズマアーク6に磁界を作用させる磁界発生手段8
を用い、この磁界発生手段8が作る磁界でプラズマアー
ク6の向きを制御する。磁界発生手段8は、鉄心9に励
磁コイル10を巻装した構造になっていて、励磁コイル
10に励磁電流を流して鉄心9を励磁し、この鉄心9を
通る磁束によって形成される磁界でプラズマアーク6の
向きを制御する。
【0022】本例の粉体プラズマアーク肉盛溶接方法で
は、プラズマトーチ1から出たプラズマアーク6の動き
を抑制するようにプラズマーク6に磁界発生手段8から
磁界を作用させながら肉盛溶接するか、またはプラズマ
トーチ1から出たプラズマアーク6に対して磁界発生手
段8から磁界を作用させてプラズマアーク6が延びる方
向を限定しながら肉盛溶接する。具体的には外部からプ
ラズマアークの電流に磁界を作用させてプラズマアーク
に電磁力を加えることにより、プラズマアークの方向ま
たは動きを抑制する。
【0023】このようにプラズマーク6に磁界発生手段
8から磁界を作用させると、その磁界の強さによって、
プラズマアーク6の動きを抑制しつつ肉盛溶接すること
ができ、または、プラズマアーク6が延びる方向を限定
しながら肉盛溶接することができる。即ち、プラズマア
ーク6に外部から作用させる磁界の強さを、該プラズマ
アーク6が作る磁界より強くすれば、プラズマアーク6
はが外部から作用する磁界によって発生する電磁力の影
響を受けてその動きが抑制されう。。一方、プラズマア
ーク6に外部から作用させる磁界の強さを十分に強くす
ると、電磁力が大きくなり、プラズマアーク6が延びる
方向を限定しながら肉盛溶接することができる。
【0024】このようにプラズマアーク6の動きを抑制
しながら、或いはプラズマアーク6が延びる方向を限定
しながら肉盛溶接すると、溶接電流が作る磁界の影響を
受けないようにして、または排除しつつ肉盛溶接するこ
とができ、良好な肉盛溶接を行うことができる。そのた
め母材5の表面が平坦でなく、図2に示すように、例え
ば上に凸形に湾曲している表面をもつ管からなる母材5
´の表面に肉盛溶接する場合でも、母材5´の表面から
溶接ビードを滑り落とすことなく安定させて肉盛溶接す
ることができる。なお、図2において、11は母材5´
のアース部、12は磁界発生手段8をプラズマトーチ1
に支持させている電気絶縁材からなる支持手段である。
【0025】この図1の例では、プラズマアーク6が真
下に向いて延びるように磁界を作用させている。このよ
うにプラズマアーク6を真下に指向させて肉盛溶接した
場合には、溶接ビード7aは図1(B)に示すようにや
や盛り上がった形状となる。このようにプラズマアーク
6が真下に向いて延びるように制御したい場合には、磁
界発生手段8をプラズマアーク6の周囲に複数配置し、
その発生磁界の強さをそれぞれ制御することもできる。
このように複数の磁界発生手段8でプラズマアーク6の
向きを制御すると、その制御が一層容易になる。
【0026】図3(A)は、本発明に係る粉体プラズマ
アーク肉盛溶接方法における実施の形態の第2例を示し
たものである。この例では、プラズマアーク6を肉盛溶
接進行方向に向かって曲げるように、磁界発生手段8か
らプラズマアーク6に対して磁界を作用させながら肉盛
溶接する。このようにして肉盛溶接すると、図3(B)
に示すように得られる溶接ビード7aの高さを低く抑制
しつつ肉盛することができ、このため肉盛表面にひげ状
の突部が生ずるような事態の発生を抑制し、また例えば
前述した図2に示すように、凸形に湾曲している表面を
もつ管からなる母材5´の表面に肉盛溶接する場合で
も、湾曲した表面から溶接金属が流れ落ちるのを防止し
てより一層安定した肉盛溶接を行うことができる。
【0027】これに対し、図4(A)に示すようにプラ
ズマアーク6を肉盛溶接進行方向とは逆方向に向かって
曲げるように該プラズマアーク6に対して磁界を作用さ
せながら肉盛溶接すると、図4(B)に示すように溶接
ビード7aの高さが極端に高くなり、しかも後ろ向きに
溶接ビード7aが押されるので、肉盛されたビード7a
の表面にひげ状の突部7a1 が生じるので、後から肉盛
溶接部の表面加工が必要になる。
【0028】図5は、本発明に係る粉体プラズマアーク
肉盛溶接方法における実施の形態の第3例を示したもの
である。この例では、プラズマアーク6を肉盛溶接進行
方向に向かって曲げるようにプラズマアーク6に対して
磁界を2つの磁界発生手段8a,8bで作用させながら
肉盛溶接する。磁界発生手段8a,8bは、肉盛溶接進
行方向に向かってプラズマアーク6の左右に配置されて
いる。このようにして肉盛溶接すると、第3例よりもプ
ラズマアーク6に作用させる磁界の制御が容易になり、
より一層安定させて肉盛溶接することができる。
【0029】図6は、本発明に係る粉体プラズマアーク
肉盛溶接方法における実施の形態の第4例を示したもの
である。この例では、プラズマトーチ1を肉盛溶接進行
方向と逆方向に傾けて配置し、別の表現をすると、プラ
ズマトーチ1をその先端1aが肉盛溶接進行方向を向
き、その後部が肉盛溶接進行方向と逆の方向を向くよう
に傾けて配置し、かかる状態でプラズマアーク6を肉盛
溶接進行方向に向かって曲げるように該プラズマアーク
6に対して磁界を磁界発生手段8で作用させながら肉盛
溶接する。この場合、プラズマトーチ1を母材5と直交
する仮想垂直線13から傾斜させる角度θは、2〜6度
が好ましい。また、磁界発生手段8は磁性材からなる支
持手段12でプラズマトーチ1に取り付けられている。
支持手段12は、電気絶縁材で形成されている。
【0030】このようにして肉盛溶接すると、傾斜した
プラズマトーチ1の姿勢からプラズマアーク6を肉盛溶
接進行方向に向かって曲げる操作が行い易くなると共に
プラズマトーチ1側から溶接ビード7を肉盛溶接進行方
向に向かって押圧する力が強くなり、得られる溶接ビー
ドの高さが極端に高くなるのを一層効果的に抑制しつつ
肉盛することができる。このため肉盛表面に突部が生ず
るような事態の発生を一層効果的に抑制することができ
る。また図2に示すように表面が円弧形のように平坦で
なく、且つ高融点の母材5´の表面に肉盛溶接する場合
でも、一層安定させて肉盛溶接することができる。この
場合、プラズマトーチ1を母材5と直交する仮想垂直線
13から2〜6度傾斜して配置すると、前述した効果を
確実に得ることができる。また、プラズマトーチ1に磁
界発生手段8を支持手段12で取付けておくと、磁界発
生手段8で所要の磁界をプラズマアーク6に作用させつ
つ該磁界発生手段8をプラズマトーチ1と一緒に容易に
移動させることができる。このため、作業性よく本発明
を実施することができる。
【0031】図7は、本発明に係る粉体プラズマアーク
肉盛溶接方法における実施の形態の第5例を示したもの
である。この例では、プラズマトーチ1を第4例と同様
に肉盛溶接進行方向と逆の方向に傾けて配置し、該プラ
ズマトーチ1から出たプラズマアーク6に隣接して、プ
ラズマアーク6から発生する磁束を導入することにより
プラズマアーク6の動きを抑制する導磁路14を配置し
て肉盛溶接をする。この場合、導磁路14はフェライト
の如き強磁性体で形成され、電気絶縁材からなる支持体
12´でプラズマトーチ1に支持されている。この場合
も、プラズマトーチ1を母材5と直交する仮想垂直線1
3から傾斜させる角度θは、2〜6度が好ましい。
【0032】このように導磁路14を用いると、プラズ
マアーク6を通る溶接電流が作る磁路を導磁路14に導
入して、プラズマアーク6の動きを抑制しつつ肉盛溶接
することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶
接方法にあっては、プラズマトーチから出たプラズマア
ークの動きを抑制するように該プラズマークに磁界を作
用させながら肉盛溶接するので、プラズマアークの動き
を該磁界で抑制しつつ肉盛溶接することができる。この
ようにプラズマアークの動きを抑制しながら肉盛溶接す
ると、溶接電流が作る磁界の影響を受けないようにして
肉盛溶接することができ、良好な肉盛溶接を行うことが
できる。このため特に母材の表面が凸形に湾曲している
場合でも、溶接ビードが乱れることなく、良好な肉盛を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛
溶接方法における実施の形態の第1例を示した縦断面
図、(B)は本例の方法で肉盛溶接される溶接ビードの
形状を示す横断面図である。
【図2】本発明で上に凸形に湾曲している表面をもつ管
からなる母材の表面に肉盛溶接する例を示す斜視図であ
る。
【図3】(A)は本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛
溶接方法における実施の形態の第2例を示した縦断面
図、(B)は本例の方法で盛溶接される溶接ビードの形
状を示す横断面図である。
【図4】(A)は第2例とは逆方向にプラズマアークを
曲げて肉盛溶接する例を示した縦断面図、(B)は本例
の方法で盛溶接される溶接ビードの形状を示す横断面図
である。
【図5】本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法
における実施の形態の第3例を示した一部縦断の斜視図
である。
【図6】本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法
における実施の形態の第4例を示した縦断面図である。
【図7】本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法
における実施の形態の第5例を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマトーチ 2 プラズマガス供給通路 3a,3b 第1,第2の粉末供給路 4 タングステン電極 5,5´ 母材 6 プラズマアーク 7 肉盛 7a 溶接ビード 8 磁界発生手段 9 鉄心 10 励磁コイル 11 母材のアース部 12,12´ 支持手段 13 仮想垂直線 14 導磁路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマトーチから出るプラズマアーク
    に向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱
    を利用して溶融した前記金属粉末を母材上に肉盛溶接す
    る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であって、 前記プラズマトーチから出た前記プラズマアークの動き
    を抑制するように前記プラズマークに磁界を作用させな
    がら肉盛溶接することを特徴とする粉体プラズマアーク
    肉盛溶接方法。
  2. 【請求項2】 プラズマトーチから出るプラズマアーク
    に向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱
    を利用して溶融した前記金属粉末を母材上に肉盛溶接す
    る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であって、 前記プラズマトーチから出た前記プラズマアークに対し
    て磁界を作用させて前記プラズマアークが延びる方向を
    限定しながら肉盛溶接することを特徴とする粉体プラズ
    マアーク肉盛溶接方法。
  3. 【請求項3】 プラズマトーチから出るプラズマアーク
    に向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱
    を利用して溶融した前記金属粉末を母材上に肉盛溶接す
    る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であって、 前記プラズマアークを肉盛溶接進行方向に向かって曲げ
    るように前記プラズマアークに対して磁界を作用させな
    がら肉盛溶接することを特徴とする粉体プラズマアーク
    肉盛溶接方法。
  4. 【請求項4】 プラズマトーチから出るプラズマアーク
    に向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱
    を利用して溶融した前記金属粉末を母材上に肉盛溶接す
    る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であって、 前記プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆方向に傾け
    て配置し、 前記プラズマアークを前記肉盛溶接進行方向に向かって
    曲げるように前記プラズマアークに対して磁界を作用さ
    せながら肉盛溶接することを特徴とする粉体プラズマア
    ーク肉盛溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記プラズマトーチは、母材と直交する
    仮想垂直線から2〜6度傾斜している請求項4に記載の
    粉体プラズマアーク肉盛溶接方法。
  6. 【請求項6】 プラズマトーチから出るプラズマアーク
    に向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱
    を利用して溶融した前記金属粉末を表面が平坦でなく且
    つ高融点の母材上に肉盛溶接する粉体プラズマアーク肉
    盛溶接方法であって、 前記プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆の方向に傾
    けて配置し、 前記プラズマトーチに磁界発生手段を取付け、 前記プラズマアークが前記肉盛溶接進行方向に向かって
    曲がるように前記プラズマアークに対して前記磁界発生
    手段により発生した磁界を作用させながら肉盛溶接する
    ことを特徴とする粉体プラズマアーク肉盛溶接方法。
  7. 【請求項7】 プラズマトーチから出るプラズマアーク
    に向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱
    を利用して溶融した前記金属粉末を基材上に肉盛溶接す
    る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であって、 前記プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆の方向に傾
    けて配置し、 前記プラズマトーチから出た前記プラズマアークに隣接
    して、該プラズマアークから発生する磁束を導入するこ
    とにより前記プラズマアークの動きを抑制する導磁路を
    配置して肉盛溶接をすることを特徴とする粉体プラズマ
    アーク肉盛溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015089552A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 株式会社ジェイテクト アーク溶接装置及びアーク溶接方法
CN112059385A (zh) * 2020-08-14 2020-12-11 湘潭大学 一种磁控等离子弧熔丝增材制造的层高实时控制方法

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