JP3933226B2 - 粉体プラズマアーク肉盛溶接方法 - Google Patents

粉体プラズマアーク肉盛溶接方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマトーチから出るプラズマアークに向かって金属粉末を噴出し、プラズマアークで金属粉末を溶融させて母材上に肉盛溶接する粉体プラズマアーク肉盛溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の粉体プラズマアーク肉盛溶接方法では、肉盛溶接すべき母材をアースし、プラズマトーチを母材の肉盛溶接すべき箇所に対向させて、このプラズマトーチからプラズマアークを母材に向けて発生させ、このプラズマアークに向かってプラズマトーチから金属粉末を噴出し、これら金属粉末をプラズマアークの熱で溶融させて母材上に肉盛溶接していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のプラズマアーク肉盛溶接方法では、溶接時にプラズマトーチから母材の対向部分にプラズマアークを通ってアーク電流が流れ、このアーク電流は母材の対向部分からアース位置に向かって流れる。母材中を流れるこの電流が作る磁界は、プラズマアークに作用してプラズマアークの向きを変えたり、プラズマアークを揺らせる問題点があった。母材のアース位置は、通常、肉盛溶接位置から十分に離れた位置に設けられるが、肉盛溶接する位置が移動するにつれてアース位置との距離も変化し、肉盛溶接する位置とアース位置との距離が近くなると、両者間の抵抗値が低下して溶接電流が増加し、この溶接電流が作る磁界の強さが大きくなって、プラズマアークの向き及び揺れが増加する。また、肉盛溶接する位置が移動するにつれてアース位置に対する方位角度も変化する。このように、肉盛溶接する位置が移動するにつれて、アース位置との距離と、アース位置に対する方位角度が変化すると、プラズマアークの向きも肉盛溶接する位置が移動するにつれて種々の方向に変化する。
【0004】
このようなプラズマアークの向きの変化は、母材の表面が平坦な場合にはさほど問題にはならない。しかしながら水平向きに配置した金属管表面に肉盛溶接する場合には、母材としての金属管表面が湾曲しているため、プラズマアークの向きが管の長手方向に沿った肉盛溶接進行方向に対して交差する方向に変化すると、母材に盛られた溶接ビードがプラズマアークの力で押されて母材の湾曲した表面から流れ落ち、母材の表面に均一に肉盛り溶接を行えない問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、プラズマアークの動きを抑制しながら肉盛溶接することができる粉体プラズマアーク肉盛溶接方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、プラズマアークが伸びる方向を限定しながら肉盛溶接することができる粉体プラズマアーク肉盛溶接方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、プラズマアークを肉盛溶接進行方向に向かって曲げるようにして肉盛溶接することができる粉体プラズマアーク肉盛溶接方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、溶接ビードの高さを低くして安定した状態で肉盛溶接できる粉体プラズマアーク肉盛溶接方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、表面が平坦でない母材に安定した状態で肉盛溶接できる粉体プラズマアーク肉盛溶接方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プラズマトーチから出るプラズマアークに向かって金属粉末を噴出し、プラズマアークの熱を利用して溶融した金属粉末を母材上に肉盛溶接する粉体プラズマアーク肉盛溶接方法を改良するものである。
【0011】
本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法にあっては、プラズマトーチから出たプラズマアークの動きを抑制するようにプラズマアークに磁界を作用させながら肉盛溶接するか、または、プラズマトーチから出たプラズマアークに対して磁界を作用させてプラズマアークが延びる方向を限定しながら肉盛溶接することを特徴とする。
【0012】
このようにプラズマアークに磁界を作用させると、作用させる磁界の強さによって、プラズマアークの動きを抑制しつつ肉盛溶接することができ、または、プラズマアークが延びる方向を限定しながら肉盛溶接することができる。即ち、プラズマアークに外部から作用させる磁界の強さを、プラズマアークを発生することにより生じる磁界よりも強くすると、プラズマアークの動きを抑制しつつ肉盛溶接することができる。また、プラズマアークに外部から作用させる磁界の強さを、プラズマアークを発生することにより生じる磁界よりも十分に大きくすれば、プラズマアークが延びる方向を限定しながら肉盛溶接することができる。
【0013】
このようにプラズマアークの動きを抑制しながら、あるいはプラズマアークが延びる方向を限定しながら肉盛溶接すると、溶接電流が作る磁界の影響をできるだけ受けないようにしつつ、または排除しつつ肉盛溶接することができて、良好な肉盛溶接を行うことができる。このため母材表面が平坦でなく、例えば上に凸形に湾曲している場合でも、湾曲した母材の表面から溶接ビードが滑り落ちたりまたは垂れたりすることなく、安定したビード形状で肉盛溶接することができる。
【0014】
プラズマアークを磁界によって規制する方向は、基本的には任意である。しかしながらプラズマアークを肉盛溶接進行方向とは逆方向に向かって曲げるようにプラズマアークに対して磁界を作用させながら肉盛溶接すると、溶接ビードの高さが極端に高くなり、しかも後ろ向きにビードが押されるので、肉盛表面にとげ状の突部が生じる。そのために肉盛溶接部の表面を後加工する必要がある。そこでプラズマアークを肉盛溶接進行方向に向かって曲げるようにプラズマアークに対して磁界を作用させながら肉盛溶接すると、得られる溶接ビードの高さが極端に高くなることがなく、しかもビードの頂部にとげ状の突部が形成されない良好なビード形状が得られる。
【0015】
また、プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆方向に傾けて配置し、別の表現をすると、プラズマトーチをその先端が肉盛溶接進行方向を向き、その後部が肉盛溶接進行方向と逆の方向を向くように傾けて配置し、かかる状態でプラズマアークを肉盛溶接進行方向に向かって曲げるようにプラズマアークに対して磁界を作用させながら肉盛溶接すると、このようなプラズマトーチの姿勢からプラズマアークを肉盛溶接進行方向に向かって曲げる操作が行い易くなると共にプラズマトーチ側から溶接ビードを肉盛溶接進行方向に向かって押圧する力が強くなり、得られる溶接ビードの高さが極端に高くなるのを一層効果的に抑制しつつ肉盛することができる。また肉盛表面にとげ状の突部が生ずる事態が発生するのを一層効果的に抑制することができる。更に母材の表面が湾曲している場合でも、溶接ビードが乱れることなく、湾曲した表面に良好な溶接ビードを形成することができ、一層安定させて肉盛溶接することができる。
【0016】
この場合、プラズマトーチは、母材と直交する仮想垂直線から2〜6度肉盛溶接進行方向と逆方向に傾斜して配置することが好ましい。この角度範囲にすれば、前述した効果をより確実に得ることができる。
【0017】
プラズマトーチの方向を規制する磁界を発生する磁界発生手段は、プラズマトーチとは別に設けてもよいが、プラズマトーチに磁界発生手段を設ければ、プラズマトーチの移動に伴って磁界発生手段も一緒に移動させることができて、作業製が向上する。なおこの場合にも、前述の通り、プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆の方向に傾けて配置するのが好ましい。
【0018】
本発明の方法は、特に母材の表面が例えば円弧のように平坦でなくしかも高融点の母材に対して、粉体プラズマアークを肉盛溶接する場合に効果を発揮する。高融点の母材は溶融し難いために、溶融した金属粉末が母材の表面部に付き難い。しかも母材の表面が湾曲している場合には、表面部に付着した溶融金属が流れ易くなる。しかしながら本発明では、プラズマアークの動きを抑制しているため、溶接ビードの形状を乱すような力らが融金属に加わることがなく、母材の表面が湾曲していてしかも母材が高融点の母材であっても、良好な肉盛溶接を得ることができる。
【0019】
プラズマアークの方向の規制は、プラズマアークに磁界を作用させるだけでなく、溶接電流によって発生する磁界そのものの変動を抑制することによっても実現可能である。すなわち磁界の発生源の近くに導磁性の高い導磁路を配置すると、磁束の多くはこの導磁路を通って流れようとするため、磁界の変動が小さくなる。その結果、プラズマアークの方向の変位が少なくなる。そこで本発明では、プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆の方向に傾けて配置し、該プラズマトーチから出たプラズマアークに隣接して、該プラズマアークから発生する磁束を導入することにより該プラズマアークの動きを抑制する導磁路を配置して肉盛溶接をする。このように導磁路を用いても、プラズマアークの動きを抑制しつつ肉盛溶接することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1(A)は、本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第1例を示したものである。図示のようにプラズマトーチ1は、その軸心に沿って設けられていてトーチ先端に開口するプラズマガス供給通路2を有し、このプラズマガス供給通路2を中心とした両側にはトーチ先端に開口する第1,第2の粉末供給路3a,3bが設けられ、プラズマガス供給通路2内にはタングステン電極4が配置された構造になっている。このような構造のプラズマトーチ1では、タングステン電極4と母材5との間にプラズマアーク6を発生させ、このプラズマアーク6に向かって例えばクロム粉末の如き金属粉末を噴出し、プラズマアーク6の熱を利用して溶融した金属粉末を母材5上に肉盛7して溶接する。このとき、前述したようにプラズマアーク6には、プラズマトーチ1の電極4,プラズマアーク6,母材5,アースの経路で溶接電流が流れる。この溶接電流が作る磁界はプラズマアーク6に作用しており、こん磁界の変動でプラズマアーク6の向きが変えられることがある。
【0021】
そこで本例では、プラズマトーチ1から出たプラズマアーク6に磁界を作用させる磁界発生手段8を用い、この磁界発生手段8が作る磁界でプラズマアーク6の向きを制御する。磁界発生手段8は、鉄心9に励磁コイル10を巻装した構造になっていて、励磁コイル10に励磁電流を流して鉄心9を励磁し、この鉄心9を通る磁束によって形成される磁界でプラズマアーク6の向きを制御する。
【0022】
本例の粉体プラズマアーク肉盛溶接方法では、プラズマトーチ1から出たプラズマアーク6の動きを抑制するようにプラズマアーク6に磁界発生手段8から磁界を作用させながら肉盛溶接するか、またはプラズマトーチ1から出たプラズマアーク6に対して磁界発生手段8から磁界を作用させてプラズマアーク6が延びる方向を限定しながら肉盛溶接する。具体的には外部からプラズマアークの電流に磁界を作用させてプラズマアークに電磁力を加えることにより、プラズマアークの方向または動きを抑制する。
【0023】
このようにプラズマアーク6に磁界発生手段8から磁界を作用させると、その磁界の強さによって、プラズマアーク6の動きを抑制しつつ肉盛溶接することができ、または、プラズマアーク6が延びる方向を限定しながら肉盛溶接することができる。即ち、プラズマアーク6に外部から作用させる磁界の強さを、該プラズマアーク6が作る磁界より強くすれば、プラズマアーク6はが外部から作用する磁界によって発生する電磁力の影響を受けてその動きが抑制されう。。一方、プラズマアーク6に外部から作用させる磁界の強さを十分に強くすると、電磁力が大きくなり、プラズマアーク6が延びる方向を限定しながら肉盛溶接することができる。
【0024】
このようにプラズマアーク6の動きを抑制しながら、或いはプラズマアーク6が延びる方向を限定しながら肉盛溶接すると、溶接電流が作る磁界の影響を受けないようにして、または排除しつつ肉盛溶接することができ、良好な肉盛溶接を行うことができる。そのため母材5の表面が平坦でなく、図2に示すように、例えば上に凸形に湾曲している表面をもつ管からなる母材5´の表面に肉盛溶接する場合でも、母材5´の表面から溶接ビードを滑り落とすことなく安定させて肉盛溶接することができる。なお、図2において、11は母材5´のアース部、12は磁界発生手段8をプラズマトーチ1に支持させている電気絶縁材からなる支持手段である。
【0025】
この図1の例では、プラズマアーク6が真下に向いて延びるように磁界を作用させている。このようにプラズマアーク6を真下に指向させて肉盛溶接した場合には、溶接ビード7aは図1(B)に示すようにやや盛り上がった形状となる。このようにプラズマアーク6が真下に向いて延びるように制御したい場合には、磁界発生手段8をプラズマアーク6の周囲に複数配置し、その発生磁界の強さをそれぞれ制御することもできる。このように複数の磁界発生手段8でプラズマアーク6の向きを制御すると、その制御が一層容易になる。
【0026】
図3(A)は、本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第2例を示したものである。この例では、プラズマアーク6を肉盛溶接進行方向に向かって曲げるように、磁界発生手段8からプラズマアーク6に対して磁界を作用させながら肉盛溶接する。このようにして肉盛溶接すると、図3(B)に示すように得られる溶接ビード7aの高さを低く抑制しつつ肉盛することができ、このため肉盛表面にひげ状の突部が生ずるような事態の発生を抑制し、また例えば前述した図2に示すように、凸形に湾曲している表面をもつ管からなる母材5´の表面に肉盛溶接する場合でも、湾曲した表面から溶接金属が流れ落ちるのを防止してより一層安定した肉盛溶接を行うことができる。
【0027】
これに対し、図4(A)に示すようにプラズマアーク6を肉盛溶接進行方向とは逆方向に向かって曲げるように該プラズマアーク6に対して磁界を作用させながら肉盛溶接すると、図4(B)に示すように溶接ビード7aの高さが極端に高くなり、しかも後ろ向きに溶接ビード7aが押されるので、肉盛されたビード7aの表面にひげ状の突部7a1 が生じるので、後から肉盛溶接部の表面加工が必要になる。
【0028】
図5は、本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第3例を示したものである。この例では、プラズマアーク6を肉盛溶接進行方向に向かって曲げるようにプラズマアーク6に対して磁界を2つの磁界発生手段8a,8bで作用させながら肉盛溶接する。磁界発生手段8a,8bは、肉盛溶接進行方向に向かってプラズマアーク6の左右に配置されている。このようにして肉盛溶接すると、第3例よりもプラズマアーク6に作用させる磁界の制御が容易になり、より一層安定させて肉盛溶接することができる。
【0029】
図6は、本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第4例を示したものである。この例では、プラズマトーチ1を肉盛溶接進行方向と逆方向に傾けて配置し、別の表現をすると、プラズマトーチ1をその先端1aが肉盛溶接進行方向を向き、その後部が肉盛溶接進行方向と逆の方向を向くように傾けて配置し、かかる状態でプラズマアーク6を肉盛溶接進行方向に向かって曲げるように該プラズマアーク6に対して磁界を磁界発生手段8で作用させながら肉盛溶接する。この場合、プラズマトーチ1を母材5と直交する仮想垂直線13から傾斜させる角度θは、2〜6度が好ましい。また、磁界発生手段8は磁性材からなる支持手段12でプラズマトーチ1に取り付けられている。支持手段12は、電気絶縁材で形成されている。
【0030】
このようにして肉盛溶接すると、傾斜したプラズマトーチ1の姿勢からプラズマアーク6を肉盛溶接進行方向に向かって曲げる操作が行い易くなると共にプラズマトーチ1側から溶接ビード7を肉盛溶接進行方向に向かって押圧する力が強くなり、得られる溶接ビードの高さが極端に高くなるのを一層効果的に抑制しつつ肉盛することができる。このため肉盛表面に突部が生ずるような事態の発生を一層効果的に抑制することができる。また図2に示すように表面が円弧形のように平坦でなく、且つ高融点の母材5´の表面に肉盛溶接する場合でも、一層安定させて肉盛溶接することができる。この場合、プラズマトーチ1を母材5と直交する仮想垂直線13から2〜6度傾斜して配置すると、前述した効果を確実に得ることができる。また、プラズマトーチ1に磁界発生手段8を支持手段12で取付けておくと、磁界発生手段8で所要の磁界をプラズマアーク6に作用させつつ該磁界発生手段8をプラズマトーチ1と一緒に容易に移動させることができる。このため、作業性よく本発明を実施することができる。
【0031】
図7は、本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第5例を示したものである。この例では、プラズマトーチ1を第4例と同様に肉盛溶接進行方向と逆の方向に傾けて配置し、該プラズマトーチ1から出たプラズマアーク6に隣接して、プラズマアーク6から発生する磁束を導入することによりプラズマアーク6の動きを抑制する導磁路14を配置して肉盛溶接をする。この場合、導磁路14はフェライトの如き強磁性体で形成され、電気絶縁材からなる支持体12´でプラズマトーチ1に支持されている。この場合も、プラズマトーチ1を母材5と直交する仮想垂直線13から傾斜させる角度θは、2〜6度が好ましい。
【0032】
このように導磁路14を用いると、プラズマアーク6を通る溶接電流が作る磁路を導磁路14に導入して、プラズマアーク6の動きを抑制しつつ肉盛溶接することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法にあっては、プラズマトーチから出たプラズマアークの動きを抑制するように該プラズマアークに磁界を作用させながら肉盛溶接するので、プラズマアークの動きを該磁界で抑制しつつ肉盛溶接することができる。このようにプラズマアークの動きを抑制しながら肉盛溶接すると、溶接電流が作る磁界の影響を受けないようにして肉盛溶接することができ、良好な肉盛溶接を行うことができる。このため特に母材の表面が凸形に湾曲している場合でも、溶接ビードが乱れることなく、良好な肉盛を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第1例を示した縦断面図、(B)は本例の方法で肉盛溶接される溶接ビードの形状を示す横断面図である。
【図2】 本発明で上に凸形に湾曲している表面をもつ管からなる母材の表面に肉盛溶接する例を示す斜視図である。
【図3】 (A)は本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第2例を示した縦断面図、(B)は本例の方法で盛溶接される溶接ビードの形状を示す横断面図である。
【図4】 (A)は第2例とは逆方向にプラズマアークを曲げて肉盛溶接する例を示した縦断面図、(B)は本例の方法で盛溶接される溶接ビードの形状を示す横断面図である。
【図5】 本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第3例を示した一部縦断の斜視図である。
【図6】 本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第4例を示した縦断面図である。
【図7】 本発明に係る粉体プラズマアーク肉盛溶接方法における実施の形態の第5例を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマトーチ
2 プラズマガス供給通路
3a,3b 第1,第2の粉末供給路
4 タングステン電極
5,5´ 母材
6 プラズマアーク
7 肉盛
7a 溶接ビード
8 磁界発生手段
9 鉄心
10 励磁コイル
11 母材のアース部
12,12´ 支持手段
13 仮想垂直線
14 導磁路

Claims (4)

  1. プラズマトーチから出るプラズマアークに向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱を利用して溶融した前記金属粉末を母材上に肉盛溶接する粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であって、
    前記プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆方向に傾けて配置し、
    前記プラズマアークを前記肉盛溶接進行方向に向かって曲げるように前記プラズマアークに対して磁界を作用させながら肉盛溶接することを特徴とする粉体プラズマアーク肉盛溶接方法。
  2. 前記プラズマトーチは、母材と直交する仮想垂直線から2〜6度傾斜している請求項1に記載の粉体プラズマアーク肉盛溶接方法。
  3. プラズマトーチから出るプラズマアークに向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱を利用して溶融した前記金属粉末を表面が平坦でなく且つ高融点の母材上に肉盛溶接する粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であって、
    前記プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆の方向に傾けて配置し、
    前記プラズマトーチに磁界発生手段を取付け、
    前記プラズマアークが前記肉盛溶接進行方向に向かって曲がるように前記プラズマアークに対して前記磁界発生手段により発生した磁界を作用させながら肉盛溶接することを特徴とする粉体プラズマアーク肉盛溶接方法。
  4. プラズマトーチから出るプラズマアークに向かって金属粉末を噴出し、前記プラズマアークの熱を利用して溶融した前記金属粉末を母材上に肉盛溶接する粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であって、
    前記プラズマトーチを肉盛溶接進行方向と逆の方向に傾けて配置し、
    前記プラズマトーチから出た前記プラズマアークに隣接して、該プラズマアークから発生する磁束を導入することにより前記プラズマアークの動きを抑制する導磁路を配置して肉盛溶接をすることを特徴とする粉体プラズマアーク肉盛溶接方法。
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