JPH1010899A - 発熱定着ローラ - Google Patents

発熱定着ローラ

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JPH1010899A
JPH1010899A JP8162590A JP16259096A JPH1010899A JP H1010899 A JPH1010899 A JP H1010899A JP 8162590 A JP8162590 A JP 8162590A JP 16259096 A JP16259096 A JP 16259096A JP H1010899 A JPH1010899 A JP H1010899A
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JP
Japan
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temperature
phase
phase transition
heat
exothermic
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JP8162590A
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English (en)
Inventor
Minoru Matsuo
稔 松尾
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウォーミングアップ時間の大幅な短縮化を実現
し得て、しかも、温度領域の設定が容易で、主熱源の省
電化をも実現することができる発熱定着ローラを提供す
る。 【解決手段】複数種類の相転移発熱物質12,13の積
層体を芯金11に設け、相転移発熱物質層12,13の
発熱を利用してトナー定着温度にまで発熱定着ローラ1
0を温度上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる定着ロ
ーラ、特に、トナー定着可能温度とするために相転移発
熱物質層を設けた発熱定着ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機、プリンター、ファク
シミリ等の画像形成装置には、トナーを転写紙に定着さ
せるために定着ローラが用いられている。
【0003】また、このような定着ローラには、例え
ば、電源をONした場合に、定着ローラがトナー定着可
能温度(約180℃)にまで上昇する時間、即ち、ウオ
ーミングアップ時間を短縮するために定着ローラの芯金
上に相転移発熱物質を設け、この相転移発熱物質を他の
主熱源(例えば、ハロゲンランプ)による加熱によって
相転移させることで急速に発熱させ、この発熱を利用し
てトナー定着可能温度にまで短時間で温度上昇させるよ
うにした発熱定着ローラも知られている(特開平7−1
40823号公報等参照)。
【0004】このような相転移による発熱を利用した発
熱定着ローラの原理については、特開平7−14082
3号公報に開示している。また、相転移発熱物質として
は、画像形成装置の繰り返しの使用、即ち、電源をON
する度毎に発熱する必要があるため、加熱することによ
って結晶化すると共に冷却することによって再び非晶質
化する物質であることが条件となる。
【0005】そして、このような相転移発熱物質として
は、無機系物質では周期率表(長周期型)のIIIb族
〜VIb族の属する元素は多元系で非晶質化可能領域を
有することが良く知られている。その中でも、セレン
(Se)を主成分としたのカルコゲンやカルゴケナイド
は極めて良好に結晶化して発熱する。
【0006】一方、有機高分子系においても、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタ
レート(PBT)等のポリエステル類のような結晶性熱
可塑性樹脂は非晶質化および結晶化発熱することで知ら
れている。さらに、最近、低分子の有機系物質でも効率
的な相転移発熱物質の存在が分かってきた。
【0007】これらの相転移発熱物質は、非晶質から結
晶質へ相転移する際に発熱するが、この結晶化温度は各
物質固有の温度特性を有しており、結晶化の開始温度と
終了温度も相転移発熱物質によって異なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発熱定着ロ
ーラのトナー定着温度までの加熱時間、即ち、ウォーミ
ングアップ時間を短くするためには、相転移発熱物質の
発熱を効率的に行なう必要がある。
【0009】しかしながら、その発熱領域が低い温度で
あると発熱定着ローラの表面温度がトナー定着温度にま
で昇温する間に周りに散逸して発熱の有効利用を図るこ
とができず、逆に発熱領域が高い温度であると相転移発
熱物質を発熱させるための主熱源による加熱の依存性が
高くなり、何れもウオーミングアップ時間を良好に短縮
することができないばかりでなく、発熱領域が高い温度
の場合には過剰の熱量のためにオーバーヒート現象を起
こしてしまう虞がある。
【0010】従って、所定のトナー定着温度にまで早く
到達させるためには、それに応じた結晶化温度の相転移
発熱物質を選択しなければならないが、相転移発熱物質
の結晶化開始温度から結晶化終了温度までの温度領域
と、使用環境下での常温からトナー定着温度までの温度
領域とを概略一致させるにはある程度物質が限定されて
しまうという問題があり、また、厳密に温度領域を一致
させることは困難であった。
【0011】また、主熱源の省電化を図るにはできるだ
け常温に近い低い温度領域で発熱することが好ましい
が、上述した発熱定着ローラの表面温度の散逸を考慮す
ると結晶化温度が比較的高い相転移発熱物質を使用せざ
るを得ず、主熱源の依存性が高く省電化を図ることはで
きなかった。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みて為されたもの
であって、ウォーミングアップ時間の大幅な短縮化を実
現し得て、しかも、温度領域の設定が容易で、主熱源の
省電化をも実現することができる発熱定着ローラを提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、芯金上に相転移発熱物質
層を設け、該相転移発熱物質層の発熱を利用してトナー
定着温度にまで温度上昇させるようにした発熱定着ロー
ラにおいて、前記相転移発熱物質層は、温度特性の異な
る相転移発熱物質からなるものの積層体であることを要
旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の発熱定着ローラの
実施の形態を、画像形成装置である複写機に適用し、図
面に基づいて説明する。
【0015】図1において、複写機1は、装置本体2に
着脱可能に装着された給紙カセット3と、給紙カセット
3内にセットされた転写紙Pを装置本体2内に送り出す
給紙ローラ4と、表面に感光層5aを設け且つ図示を略
すトナー供給装置から供給されたトナーが感光層5aに
形成された像に応じて付着するドラム式感光体5と、ド
ラム式感光体5に付着したトナー像を送り出された転写
紙Pの一面に転写させる転写装置6と、トナー転写後の
転写紙Pを定着部7に案内する補助ローラ8,8とを備
えている。
【0016】定着部7は、アルミニウムや鉄等の芯金の
外周にゴム等の弾性体を装着した加圧ローラ9と、加圧
ローラ9の回転に従動して回転するように加圧ローラ9
と接触する発熱定着ローラ10とを備えている。
【0017】補助ローラ8,8によって案内された転写
紙Pに転写されたトナーは、この発熱定着ローラ10の
熱によって転写紙Pに定着された後、装置本体2に形成
された排出口2aから排出される。
【0018】発熱定着ローラ10は、図1(B)に示す
ように、熱伝導率の良好なアルミニウム合金等の金属か
らなる芯金11と、芯金11の外表面に設けられた低温
域相転移発熱物質層12と、低温域相転移発熱物質層1
2の外表面に設けられた高温域相転移発熱物質層13
と、高温域相転移発熱物質層13を覆う保護層14と、
芯金11の内表面に設けられた主熱源15とを備えてい
る。尚、この主熱源15は配線15a,15aからの電
源供給により発熱するが、図に示したような筒状のもの
のほか、ハロゲンランプ等でもよい。
【0019】上記の構成において、図示を略す主電源を
ONすると、主熱源15が発熱を開始し、比較的低いレ
ベルの所定温度に達すると低温域相転移発熱物質層12
が相転移を開始し、この相転移に伴って発生する急激な
昇熱の温度が所定以上に達すると、今度は高温域相転移
発熱物質層13が相転移を開始し、この相転移に伴って
発生する急激な昇熱の温度によって発熱定着ローラ10
がトナー定着可能温度(約180℃)に達する。
【0020】このように、相転移発熱物質が固有の結晶
化温度特性を有することを積極的に利用して、主熱源1
5の昇温時間よりも急激な昇温作用を有する2種類の相
転移発熱物質によって2層の相転移発熱物質層12,1
3を形成し、低温域で結晶化する低温域相転移発熱物質
層12の発熱によって昇温で高温域で結晶化する高温域
相転移発熱物質層13の発熱を引き起こすようにしたこ
とにより、比較的低い温度から段階的に急激な昇温効果
を得ることができ、ウォーミングアップ時間の大幅な短
縮化、並びに、主熱源15の省電化を実現することがで
きる。
【0021】また、複写機を使用する環境下での常温か
らトナー定着可能温度までの温度域に昇温レベルを設定
する際、結晶化温度特性の異なるもので2層の相転移発
熱物質層12,13を形成することによってその温度域
設定や使用物質の組み合わせ等の環境設定が容易とな
る。
【0022】尚、本発明を使用する発熱定着ローラ10
は、基本的には、芯金11の外表面に各層12,13,
14の3層構造としているが、その他の接着層、通電発
熱物質層、絶縁層等を追加形成してもよい。
【0023】また、例えば、図2(A)に示すように、
低温域相転移発熱物質層21,中温域相転移発熱物質層
22,高温域相転移発熱物質層23のように、相転移発
熱物質層を温度特性の低い方から順に3層以上としても
よい。
【0024】さらに、図2(B)に示すように、低温域
相転移発熱物質層12と高温域相転移発熱物質層13と
の間に、各相転移発熱物質層12,13の溶融温度特性
に応じてその溶融時に両者が交わらないようにアルミニ
ウム合金等の熱伝導率の高い隔壁層24を介在させても
よい(3層以上の時も同様)。尚、図2(A),図2
(B)において、図1に示した発熱定着ローラ10と同
一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0025】ところで、相転移発熱物質層12,13を
形成する物質としては、下記の表1に示すように、結晶
化温度、(Tc)、融点(Tm)、結晶化発熱潜熱(L
c)が判っているものを低温域相転移発熱物質と高温域
相転移発熱物質として選択して組み合わせ、これらの物
質の相転移発熱物質層を芯金11に順次積層形成するこ
とで実現することができる。
【0026】
【表1】 この際、相転移発熱物質層12,13は、温度特性の異
なる相転移発熱物質を選択して芯金11上に層状に形成
することにより、相互反応や溶解相互拡散等を起こさず
繰り返しの使用に対して安定的に使用することができ
る。
【0027】即ち、電源OFFから再度電源ONとした
ときに相転移発熱を利用するための初期化を行う際に
は、一旦相転移発熱物質を融点以上に加熱溶融した後に
冷却するため、繰り返しの使用を可能とするためには、
これらの物質が化学反応等の相互作用をせず、しかも、
溶融時に相溶性がないことが必要であり、溶融時に相溶
してしまうと変質してしまい、非晶質化が困難、結晶化
温度の変化、結晶化が困難、融点の変化等が発生する虞
がある。
【0028】従って、相溶性や反応等の相互作用をする
物質を使用する際には、図2(B)に示したように、こ
れらの層の間にそれらの物質に対して反応しない良熱伝
導性物質の隔壁層24を形成することで相溶を回避する
ことができ、繰り返し使用に対して安定して使用するこ
とができる。
【0029】そして、適宜の相転移発熱物質を、低温で
結晶化する低温域相転移発熱物質の低温域相転移発熱物
質層12と、高温で結晶化する高温域相転移発熱物質の
高温域相転移発熱物質層13として選択組み合わせるこ
とで、図3に示すように、主熱源15の比較的早い時期
の低温加熱状態で低温域相転移発熱物質層12を結晶化
開始温度にまで急速に昇温させ、次いでその急速な結晶
化発熱によって高温域相転移発熱物質層13の結晶化を
早く起こすことができるようになり、ローラ表面温度を
素早く立ちあげることができるようになるばかりでな
く、単独物質層では狭い温度域のみで結晶化発熱する現
象が急速且つ幅広い範囲の発熱とすることができる。
【0030】図3は、従来の定着ローラにおける昇熱温
度と時間との関係(破線で示す曲線A)と、低温域相転
移発熱物質層12単体での昇熱温度と時間との関係(1
点鎖線で示す曲線B)と、高温域相転移発熱物質層13
単体での昇熱温度と時間との関係(2点鎖線で示す曲線
C)と、本発明の発熱定着ローラ10における昇熱温度
と時間との関係(実線で示すD)を比較するためのグラ
フ図である。
【0031】以下、本発明の発熱定着ローラ10各種実
施例と比較例とを説明する。
【0032】
【実施例1】外径20mmのアルミニウム合金からなる
芯金11の外表面に、イソフタル酸ジフェニールの誘導
体を分散した塗工液を塗布して低温域相転移発熱物質層
12を形成し、この物質層12が乾燥した後、真空蒸着
槽内にセットし、Te8重量%含有のセレン・テルル
(SeTe)合金を蒸発源として通電加熱して、これを
低温域相転移発熱物質層12上に蒸着して膜厚60μm
の高温域相転移発熱物質層13を形成した。
【0033】その後、ペルフルオロアルコキシフッ素樹
脂(PFA)の熱収縮チューブによって高温域相転移発
熱物質層13を被せて封止し、250℃まで加熱した
後、毎分10℃以上の冷却速度で急冷して発熱定着ロー
ラ10を作成した(表2に示すSample No
1)。
【0034】
【実施例2】外径20mmの芯金11の外表面に、2つ
の蒸発源を真空蒸着槽内にセットして、その1つにイソ
フル酸ジフェニールの誘導体を投入し、他の1つにビス
フェノールAに炭酸ジフェニールを付加した3〜5量体
の誘導体を投入し、まずイソフル酸ジフェニールの誘導
体の蒸発源を通電加熱して蒸着(低温域相転移発熱物質
層12)し終ってから、ビスフェノールAの誘導体に通
電加熱して蒸着(高温域相転移発熱物質層13)して厚
さ60μmの2層の相転移発熱物質層を形成した。
【0035】その後、PFAの熱収縮チューブを被せて
封止して保護層14とし、220℃まで加熱した後、毎
分10℃以上の冷却速度で急冷して発熱定着ローラ10
を作成した(表2に示すSample No2)。
【0036】
【実施例3】予め予備加熱カール法によってPET膜
(低温域相転移発熱物質層12)を形成した外径20m
mの芯金11の外表面にTe8重量%含有のSeTe合
金を真空蒸着して膜(高温域相転移発熱物質層13)を
形成して厚さ60μmの2層の相転移発熱物質層を形成
した。
【0037】その後、PFAの熱収縮チューブを被せて
封止して保護層14とし、285℃まで減圧加熱した
後、毎分50℃以上の冷却速度で急冷して発熱定着ロー
ラ10を作成した(表2に示すSample No
3)。
【0038】
【実施例4】外径20mmの芯金11の外表面に真空蒸
着でTe50重量%含有SeTe合金を低温域相転移発
熱物質層12として形成した後、その表面にスパッタリ
ングによってステンレス鋼膜(隔壁層24)を形成し、
さらにその上にTe8重量%含有SeTe合金を高温域
相転移発熱物質層13として形成した。
【0039】その後、PFAの熱収縮チューブを被せて
封止して保護層14とし、285℃まで減圧加熱した
後、毎分10℃以上の冷却速度で急冷して発熱定着ロー
ラ10を作成した(表2に示すSample No
4)。
【0040】
【実施例5】外径20mmの芯金11の外表面に、イソ
フタル酸ジフェニールの誘導体を分散した塗工液を塗布
して低温域相転移発熱物質層12を形成し、この物質層
12が乾燥した後、予めアルミニウム膜(隔壁層24)
を形成したPETシートを、アルミニウム膜面を内側に
して予備加熱でカールさせた後、低温域相転移発熱物質
層12を形成した芯金11の上に積層して高温域相転移
発熱物質層13を形成した。
【0041】その後、PFAの熱収縮チューブを被せて
封止して保護層14とし、250℃まで減圧加熱した
後、毎分50℃以上の冷却速度で急冷して発熱定着ロー
ラ10を作成した(表2に示すSample No
5)。
【0042】
【比較例1】実施例1〜3で使用した相転移発熱物質
を、各々単体で同実施例と同様にして芯金11支持体の
上に膜形成した。ただし、SeTe合金、イソフタル酸
ジフェニールの誘導体および炭酸ジフェニール付加ビス
フェノールA誘導体は真空蒸着により膜を形成し、PE
Tは予備加熱カール法で形成したものである(表2に示
すSample No6,7,8,9)。
【0043】
【比較例2】実施例4の2種類のSeTe合金を真空蒸
着で順次積層して低温域相転移発熱物質層12と高温域
相転移発熱物質層13とを形成し、その後、PFAの熱
収縮チューブを被せて封止して保護層14として発熱定
着ローラ10を作製した(表2に示すSample N
o10)。
【0044】
【比較例3】実施例5と同様にして低温域相転移発熱物
質層12と高温域相転移発熱物質層13との間にアルミ
ニウム被膜のない(隔壁層24のない)発熱定着ローラ
10を作製した(表2に示すSample No1
1)。
【0045】これらの実施例1〜5、比較例1〜3の発
熱定着ローラ10をリコー製電子写真複写機M210の
定着装置に組込み、ヒーター電力960Wで加熱しなが
ら各発熱定着ローラ10の表面温度の上昇状況等を調べ
てみた。尚、表2は以下に示す各実施例並びに比較例の
実験結果を示す。
【0046】
【表2】 この結果、実施例と比較例2,3では表面温度の上昇が
2つの相転移発熱物質の結晶化発熱パターンの複合化し
た形(図3の曲線D)となり、低温域相転移発熱物質1
2の結晶化開始温度から温度上昇が起こって連続的に上
昇して行き、単体の単独使用の場合は、低温域相転移発
熱物質12の結晶化昇温ではトナー定着温度付近で息切
れして昇温効果が薄れており、高温域相転移発熱物質1
3の結晶化昇温では結晶化開始温度が高い分、昇温開始
が遅れていることが判明した。
【0047】また、比較例2,3の様に相溶性のある物
質の積層では繰り返しで段々と結晶化温度がずれ、しか
も、発熱も劣化してきたが、実施例4,5の様に発熱物
質層間に緩衝膜を形成した場合は繰り返しの使用でも安
定していた。
【0048】尚、図4に示すように、各相転移発熱物質
の結晶化温度Tc、結晶化開始温度Tci、結晶化ピー
ク温度Tcp、結晶化終了温度Tcfは、熱分析装置D
TAで毎分10℃のコントロールで昇温して、発熱開始
点を結晶化開始温度Tci、発熱ピーク時の設定で昇温
した温度を結晶化ピーク温度Tcp、発熱が終了してコ
ントロール温度勾配に復帰する時の温度を結晶化終了温
度Tcfと定義している。
【0049】これらの特性値は、昇温速度が大きくなる
と若干高温側にシフトするので、毎分10℃の測定で低
温域相転移発熱物質12の結晶化終了温度TcfLと高
温域相転移発熱物質13の結晶化開始温度TciHとが
重複して(TciH<TcfL)いなくても、大きく離
れていなければ使用可能であることを示す。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発熱定着
ローラにあっては、相転移発熱物質層は、複数種類の相
転移発熱物質の積層体であることことにより、ウォーミ
ングアップ時間の大幅な短縮化を実現し得て、しかも、
温度領域の設定が容易で、主熱源の省電化をも実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係わる発熱定着ローラ
を示し、(A)は複写機の概略断面図、(B)は発熱定
着ローラの拡大断面図である。
【図2】同じく、(A)は発熱定着ローラの第1変形例
を示す拡大断面図、(B)は発熱定着ローラの第2変形
例を示す拡大断面図である。
【図3】同じく、従来の定着ローラ、低温域相転移発熱
物質層、高温域相転移発熱物質層、本発明の発熱定着ロ
ーラの各々における昇熱温度と時間との関係を比較する
ためのグラフ図である。
【図4】同じく、相転移発熱物質の温度定義を説明する
ためのグラフ図である。
【符号の説明】
10…発熱定着ローラ 11…芯金 12…低温域相転移発熱物質層 13…高温域相転移発熱物質層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯金上に相転移発熱物質層を設け、該相転
    移発熱物質層の発熱を利用してトナー定着温度にまで温
    度上昇させるようにした発熱定着ローラにおいて、 前記相転移発熱物質層は、複数種類の相転移発熱物質の
    積層体であることを特徴とする発熱定着ローラ。
  2. 【請求項2】前記複数の相転移発熱物質の積層体は、前
    記芯金から表面方向に向けて低温域相転移から高温域相
    転移の特性を有し、且つ、高温域相転移の特性を有する
    相転移発熱物質の積層体の相転移開始温度が低温域相転
    移の特性を有する相転移発熱物質の積層体の結晶化温度
    内に含まれているものを順次積層したことを特徴とする
    請求項1に記載の発熱定着ローラ。
  3. 【請求項3】前記複数の相転移発熱物質の積層体は、各
    積層体の溶融時に相互の相溶性を有しない温域特性を有
    する物質であることを特徴とする請求項2に記載の発熱
    定着ローラ。
  4. 【請求項4】前記複数の相転移発熱物質の積層体は、各
    積層体の溶融時に相互の相溶性を有する温域特性を有す
    る物質であり、且つ、各積層体間には各積層体としての
    相転移発熱物質に相溶性のない良熱伝導性物質が介在さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の発熱定着ロ
    ーラ。
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