JPH10107629A - 信号処理装置及びそれを備えるシステム - Google Patents

信号処理装置及びそれを備えるシステム

Info

Publication number
JPH10107629A
JPH10107629A JP26193596A JP26193596A JPH10107629A JP H10107629 A JPH10107629 A JP H10107629A JP 26193596 A JP26193596 A JP 26193596A JP 26193596 A JP26193596 A JP 26193596A JP H10107629 A JPH10107629 A JP H10107629A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sampling
signal
time
signal processing
converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26193596A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Katayama
博 片山
Shigeru Obo
茂 於保
Mitsuru Watabe
満 渡部
Mamoru Oba
衛 大場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP26193596A priority Critical patent/JPH10107629A/ja
Publication of JPH10107629A publication Critical patent/JPH10107629A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アンチエイリアシングLPFの必要個数を減ら
し、より正確なアナログ信号をサンプリングすることが
できる信号処理装置を提供する。 【解決手段】接続されたセンサ4〜6の出力を高速で切
り替える多重化ノード18と接続され、その出力を内蔵
するA/D変換器502によりデジタル化する信号処理
装置25において、サンプリング時刻をランダム化する
ランダム化処理部504と、サンプルした結果を平均化
処理するソフトウエアLPF部503とを備え、ランダ
ム化処理部504は、サンプリング時刻を設定する際に
は、その時刻がスイッチ回路509を介してアクチュエ
ータ510へ入力されるオン/オフ指令の時刻と重なら
ないようにランダム化されたサンプリング時刻を調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ信号を処
理する信号処理装置に係り、特に、多数のアナログ信号
のリアルタイムサンプリングが重要で、且つ低価格化を
必要とする信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、信号処理装置において、各種セン
サ信号や音声、映像信号などのアナログ信号をより正確
にA/D変換器でサンプリングするためには、アナログ
信号をアンチエイリアシング用ローパスフィルタ(LP
F)で不要な高周波成分を除去し、A/D変換器を用い
てディジタル信号に変換していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の信号
処理装置においては、サンプルすべきアナログ信号の各
々に必ずアンチエイリアシングLPFが必要となる。特
に、複数のアナログ信号を逐次切り替える手段から出力
されたアナログ信号を1つのA/D変換器でデジタル化
するような信号処理装置では、処理すべきアナログ信号
の数に比例してアンチエイリアシングLPFの必要個数
が増え、装置のコストアップの一要因となっていた。
【0004】また、従来の信号処理装置を含むシステム
では、上記アナログ信号を出力する各種センサの近傍
に、これらセンサに対応して動作する各種のアクチュエ
ータが設置されている場合がある。このような場合、従
来の信号処理装置では、これらアクチュエータの起動停
止タイミングに関係なく、必要な性能を満足するために
必要なサンプリングレートでアナログ信号をサンプリン
グしている。このため、アクチュエータの起動停止時に
発生するノイズにより、サンプリング値に誤差が発生す
る場合があるという問題があった。
【0005】また、従来の信号処理装置では、検出しよ
うとするアナログ信号の周波数範囲が低い場合には、用
いられるアンチエイリアシングLPFのカットオフ周波
数も低くする必要がある。しかし、このような場合には
アンチエイリアシングLPF回路の規模が大きくなり、
信号処理装置全体の小型化あるいはIC化の妨げとなっ
ていた。
【0006】本発明は、上述したような問題を鑑みてな
されたもので、その目的は、アンチエイリアシングLP
Fの必要個数あるいはその回路規模を減少させ、より正
確なアナログ信号をサンプリングすることができる信号
処理装置及び方法並びにこの装置を備えたシステムを提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべ
く、本発明に係わる信号処理装置およびその装置を備え
るシステムでは、アナログ信号のサンプリング周期を一
定周期とせず、その結果得られたサンプリング周期の最
大値より速い周期で変化をするアナログ信号のスペクト
ルを拡散して検出しないようにすること特徴としてい
る。
【0008】また、前記の目的を達成すべく、本発明に
係る信号処理装置およびその装置を備えるシステムで
は、アクチュエータの起動停止時にサンプリングを行わ
ないことによりアクチュエータの起動停止時に発生する
ノイズによるサンプリング誤差がないように構成するこ
とを特徴としている。
【0009】より具体的には、本発明では、アナログ信
号をサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D
変換器と、当該A/D変換器でのサンプリング時刻を設
定するタイミング設定部とを有する信号処理装置におい
て、前記タイミング設定部は、一定周期で設定された時
刻を含む予め定めた長さの時間範囲を設け、当該設定部
で設定された一連のサンプリング時刻によって決定され
るサンプリング周期が一定とならないように、前記予め
定めた時間範囲内でサンプリング時刻を変位させて設定
する。
【0010】また、上記本発明において、A/D変換器
は、複数のアナログ信号を切り替える信号切替手段から
出力されたアナログ信号をサンプリングする構成として
も良い。
【0011】また、上記本発明において、A/D変換器
によってサンプリングしたデータを平均化処理する手段
をさらに備える構成としても良い。
【0012】また、上記発明において、サンプリング設
定部は、前記予め定めた時間範囲内でランダムに選択さ
れた時刻を、前記サンプリング時刻として設定する構成
としても良い。
【0013】また、上記発明において、外部のアクチュ
エータを駆動するための制御指令を受け入れる手段をさ
らに備え、前記タイミング設定部は、前記受け入れた制
御指令が示す前記アクチュエータのオン及びオフ時刻の
いずれかと前記設定されたサンプリング時刻とが重なる
かを判定する手段と、重なると判定された場合に、サン
プリング時刻を再設定する手段とを備える構成としても
良い。
【0014】また、上記発明において、前記A/D変換
器へ入力するアナログ信号をフィルタリングするローパ
スフィルタをさらに備え、前記ローパスフィルタのカッ
トオフ周波数は、前記タイミング設定部で設定されたサ
ンプリング時刻に対応するサンプリング周波数の1/2
よりも高いものとしても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態を説明する。なお、以下の各実施形態を説明するため
の図において、同一機能を有する対応部材あるいは回路
には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】本発明を適用した信号処理装置25の一実
施形態の構成を図1のブロック図に示す。ここで、信号
処理装置25にデジタル化すべきアナログ信号を供給す
る多重化ノード18は、接続されたアナログセンサ4〜
6のアナログ信号を高速で切り替えてデータ線501に
出力するものである。
【0017】本実施形態の信号処理装置25は、サンプ
ルホールディング回路を備えるA/D変換器502を内
蔵し、該A/D変換器502によりデータ線501を通
して出力されたアナログ信号をサンプリングすること
で、センサ信号4〜6の値を順次得る。多重化ノード1
8でのアナログ信号の切り替えタイミングは、後述する
本実施形態によって設定されるA/D変換器502のサ
ンプリングタイミングに合わせて設定されるものとす
る。なお、本発明において、これら両タイミングの同期
方法は本質的な問題ではないため、ここでは省略する。
【0018】上記の多重化ノード18及び信号処理装置
25の構成によれば、複数のセンサ信号を時分割多重化
して伝送できるため、信号線の総量を削減でき信号処理
システムを低コストで実現できる。しかし、データ線5
01には速い周期でスイッチングされたセンサ信号が伝
送されるため、A/D変換器502の前にアンチエイリ
アシングLPFを入れることができない。従って、外来
する高周波ノイズを低減させるために、本発明であるデ
ータ取り込み方法を適用することが非常に有効になる。
【0019】本発明によるデータ取り込み方法は、信号
処理装置25において、A/D変換器502のサンプリ
ング時刻をランダムにシフトさせるランダム化処理部5
04と、サンプリング結果を平均化処理するソフトウェ
アLPF部503とをさらに設けることによって実現で
きる。なお、ここではLPF処理であるが、移動平均処
理など平均化できる処理であればどんな手法でもかまわ
ない。
【0020】本発明との比較のために、図2を用いて従
来のノイズ対策方法について説明する。従来の信号処理
装置505は、図2に示すように、アクチュエータ51
0等を駆動する高電圧や大電流のオン/オフ制御を行う
ためのスイッチ回路509を内蔵しているか、あるい
は、このようなスイッチ回路509の外部に近接して設
置されている。これは、例えば自動車用の処理装置であ
れば、点火プラグや燃料インジェクタなどのオン/オフ
を制御するスイッチ回路であり、入力されるオン/オフ
指令に応じて動作する。
【0021】アクチュエータ510がオンあるいはオフ
すると、高電圧、大電流の急峻な変化が発生して高周波
の電磁ノイズを発生する。これらの外部から放射される
高周波ノイズによるサンプリング誤差を低減するため
に、従来の信号処理装置505におけるセンサ信号のサ
ンプリング回路の構成は以下のようにしていた。
【0022】まず、アンチエイリアシングLPF506
〜508を内蔵しており、アナログセンサ4〜6のセン
サ信号に含まれる高周波ノイズによるエイリアシング現
象の対策をしている。このノイズ対策された信号をアナ
ログマルチプレクサ511でセレクトし、A/D変換器
502でディジタルデータとして取り込んでいる。従っ
て、センサ信号の取り込みタイミングとアクチュエータ
510の動作タイミングとは全く無関係である。
【0023】次に、このエイリアシング現象を図3を用
いて詳細に説明する。図3に示すように、センサ信号で
ある10Hzの正弦波信号と高周波ノイズである90H
zの正弦波信号を10ms周期でサンプリングすると全
く同じものとしてサンプリングしてしまう。これは高周
波ノイズ90Hzがあると、本来それ以外何も信号が無
くても、10Hzの信号が入力されたと誤認することを
示す。そこで、従来はこの対策としてアンチエイリアシ
ングLPFを用いた対策をしていた。図4はアンチエイ
リアシングLPFの特性を示している。アンチエイリア
シングLPFは、サンプリング周波数の半分の周波数を
カットオフ周波数にもつLPFであり、OPアンプや抵
抗、コンデンサで構成されたフィルタ回路である。
【0024】本実施形態では、このアンチエイリアシン
グLPFをセンサからの出力毎に用いることなく、高周
波ノイズを検出しないようにするものである。このため
に図1で示す信号処理装置25において、A/D変換器
502のサンプリング時刻をランダムにするランダム化
処理部504とサンプリング結果を平均化処理するソフ
トウェアLPF部503を新たに追加した。
【0025】次に、これらの新たに追加されたランダム
化処理部504およびソフトウエアLPF部503によ
って実現される本発明によるデータサンプリング方法に
ついて図3を参照して説明する。なお、本例では、サン
プリング周期を10ms、検出しようとするアナログ信
号を10Hz信号とし、入力信号には、前記アナログ信
号とこのアナログ信号のエイリアスとなる90Hz信号
とが含まれているものとして説明する。
【0026】本実施形態の方法では、ランダム化処理部
504により、例えば図3の時刻T7の部分のサンプリ
ング時刻を、図中網目領域で示された±5msの範囲
(以下ではランダム化範囲と呼ぶ)でランダムに変化さ
せ、このランダム変化されたサンプリングタイミングに
よって入力信号をサンプリングする。
【0027】上記±5msのランダム化範囲は、図3か
らも判るように、10Hz信号の周期に比較して非常に
短い。このため、この範囲内で10Hz信号の位相はあ
まり変化せず、その振幅も大きくは変化しない。よっ
て、本発明の方法によって、ランダム化処理後のタイミ
ングにより10Hz信号をサンプリングしても、そのサ
ンプリング値は、従来の方法により10ms周期でサン
プリングした値に近くなる確率が高い。本発明による方
法と従来の方法とでサンプリングした値が同じとなる確
率は、上記ランダム化範囲が検出すべきアナログ信号の
周期に比較してより小さくなると増加する。
【0028】一方、90Hz信号では、その周期と上記
±5msのランダム化範囲とが同じ程度となる。このた
め、上記ランダム化範囲内でサンプリングタイミングが
ランダム変化すると、90Hz信号の位相はほぼ±18
0°の範囲で変化し、また、その振幅は、確率的には9
0Hz信号の振幅範囲内でいずれの値でもとりうること
になる。
【0029】すなわち、本実施形態によりランダム化さ
れたサンプリングタイミングにより10Hz信号を取り
込んだ場合、得られたサンプリングデータの中に、元の
10Hz信号成分を十分に含んでいるが、90Hz信号
の場合は、サンプリングデータがほとんどホワイトノイ
ズ状になる。これは90Hz成分がスペクトル拡散され
ていることとなる。
【0030】更に、本実施形態では、ソフトウェアLP
F部503で、得られたサンプリングデータに含まれて
いる不要な高周波成分をカットすることで、高周波ノイ
ズ90Hzによる検出誤差をさらに減少させることがで
きる。
【0031】より具体的な例を用いて説明する。例えば
図5に示すように、各サンプリング毎に±5msの範囲
内でランダムにシフト量を定め、このシフト量によっ
て、従来の方法により一定の周期で設定されたサンプリ
ング時刻に乱れを与え、この故意に乱したサンプリング
時刻を用いて、振幅が±1の0.1Hzのセンサ信号を
サンプリングする。なお、図6は上記図5のシフト量に
関する周波数特性を示している。
【0032】するとサンプリング結果は、図7、図8で
示すように、多少誤差を生じるが比較的正確に0.1H
z信号をサンプリングできることがわかる。ところが、
振幅が±1の99.9Hzの高周波ノイズ信号を、上記
サンプリング時刻によりサンプリングすると、図9、図
10に示すようにスペクトルが拡散され、99.9Hz
信号のエイリアシング信号である0.1Hz成分は、1
/100以下になり、実質的には検出されなくなる。
【0033】このことにより、本実施形態の信号処理装
置25(図1参照)によれば、アンチエイリアシングL
PFを用いることなく、高周波ノイズの悪影響をカット
できることが明らかとなる。
【0034】また、ここではサンプリング時刻を図6に
示すようにホワイトノイズ的なランダム信号を用いた
が、低周波成分の少ないランダム信号を用いるように構
成しても良い。このような構成によれば、センサ信号の
誤差を小さく抑えることができる。これは、低周波成分
が本来必要とするセンサ信号の周波数成分と重なってい
るためである。
【0035】なお、多重化ノード18がなく、直接セン
サ4〜6がA/D変換器502に接続された場合でも、
サンプリング時刻をランダムにするランダム化処理部5
04とサンプリング結果を平均化処理するソフトウェア
LPF部503とを設けることにより、ハードウェアに
よるアンチエイリアシングLPFが省略可能であること
は明らかである。しかも、ランダム化処理部504とソ
フトウェアLPF部503はソフトウェアによって実現
するものであるため、装置全体のコスト低減に効果があ
る。また、取り込み信号がセンサ信号ではなく、アナロ
グの音声や映像信号であっても、本発明により低コスト
でディジタル化できることは明らかであり、有効であ
る。
【0036】また、以上は紛れ込んでしまった高周波ノ
イズに対する対応であったが、例えばエンジン制御に於
ける点火プラグやインジェクタなどの大電力を要するア
クチュエータのオン/オフ駆動を行うスイッチ回路50
9の立ち上がりや立ち下がり時点を検出して、上記サン
プリング時刻のランダム化処理に加えて、オンあるいは
オフ時にセンサ信号をサンプリングしないようにタイミ
ング調整を行なえば、高周波ノイズの紛れ混みを未然に
ふせぐことができ、更に効果を上げることができる。
【0037】具体的には、アクチュエータ510へのオ
ン/オフ指令を出力するスイッチ回路509への指令信
号をランダム化処理部504に取り込み、設定しようと
するサンプリング時刻とアクチュエータ510のオンオ
フ時刻が一致しないように構成する。特に、本発明では
サンプリング周期がランダムで良いため、アクチュエー
タのオンオフ時にサンプリングを回避することは、その
構成上、容易であり都合が良い。
【0038】また、本実施形態で設定した上記±5ms
のランダム化範囲は一例であり、本発明におけるランダ
ム化の範囲はこれに限定されるものではない。ランダム
化範囲の決定に際しては、検出しようとする周波数のア
ナログ信号をどの程度正確にサンプリングしようとする
かによって決定すると良い。
【0039】例えば、図5〜図10の例で説明したよう
に、10%程度の精度が必要であれば、上記ランダム化
範囲内で位相あるいは振幅の変化が10%以下程度と
し、かつ、当該アナログ信号のエイリアスとなる高周波
ノイズの位相が1周期程度あるいはそれ以上として、そ
の振幅が大きく変化するように、上記ランダム化範囲を
設定する。
【0040】また、本実施形態では、一定周期で設定さ
れた時刻を中心として上記ランダム化範囲を設け、この
範囲内でランダムにサンプリング時刻を設定していた
が、本発明で設定すべきサンプリング時刻を変位させる
範囲の設定方法、および、その範囲内でのサンプリング
時刻の設定方法は、これら限定されるものではない。例
えば、サンプリング時刻を変位させる範囲としては、一
定周期で設定された時刻を含むか、あるいは、それに対
応して設定されるものであれば良い。また、この範囲内
でのサンプリング時刻は必ずしもランダムに決定されな
くとも良く、検出しようとするアナログ信号あるいは排
除しようとする高周波ノイズの波形との相関性ができる
だけ低く、ランダム的にサンプリング時刻を変位させ、
サンプリング周期を一定としない設定方法であれば、他
の方法を用いても良い。
【0041】次に、本発明を適用した信号処理装置のよ
り具体的な実施形態を図11〜18を参照して説明す
る。
【0042】本実施形態の装置は、本発明を自動車の信
号処理装置に適用した、多重化ノード18と自動車用信
号処理装置25とから構成される自動車用データ多重化
処理装置であり、図11に示すようなハードウェア構成
を有する。
【0043】本実施形態では、多重化ノード18に接続
されるスイッチ1〜3およびアナログセンサ4〜7は、
コネクタ16により入力信号多重化回路17のS1〜S
7に接続される。特に、S0は多重化ノード18の物理
的に近傍のシャーシGND電圧レベルであり、S1〜S
7に接続されたセンサのGNDオフセットによる誤差を
補正するために用いられる。また、入力信号多重化回路
17はコネクタ19により多重化データバスに接続され
る。なお、この多重化ノード18はこの他にも任意に多
重化データバスに接続することが出来る。
【0044】本実施形態の自動車用信号処理装置25
は、エンジン、自動変速機やブレーキ等の自動車に搭載
される機関(アクチュエータ)を制御するための装置で
ある。コネクタ24により多重化データバスに接続さ
れ、多重化インターフェース回路26と1チップマイク
ロコンピュータ27を内蔵する。
【0045】図12に入力信号多重化回路17の詳細な
回路図を示す。センサはS0〜S7に示す端子に接続す
る。また、多重化データバスは4本あり、アドレスやセ
ンサデータを伝送するDATA線、クロック信号を伝送
するCLOCK線、バッテリ電力を供給するVB線、グ
ランドレベルであるGND線からなる。ただし、多重化
ノードの近傍にバッテリ電力の供給線があれば、ここか
ら電力を供給してもよい。
【0046】S0〜S7に入力されるセンサ信号は、セ
ンサ信号インターフェース回路101〜108によりゲ
イン調整をされた後、アナログスイッチ109〜116
に入力される。アナログスイッチ109〜116の出力
は、バッファアンプ119により増幅され、アナログス
イッチ120とダイオード126、127、抵抗128
からなるサージ保護回路を介して、多重化データバスの
DATA線に接続される。
【0047】また、バッファアンプ119にはアナログ
スイッチ117、118にも接続され、5Vまたは0V
を出力することが出来る。なお、バッファアンプ119
にはOPアンプを使用し、そのスルーレートは、標準的
なプロセス及びOPアンプ回路構成を用いれば、約0.
5V/マイクロ秒以下である。また、標準的なOPアン
プの構成は省略するが、このスルーレートの値は内蔵す
る位相補償回路の静電容量の値によって変化する。
【0048】また、DATA線より放射されるラジオノ
イズはDATA線の信号のパワースペクトルのラジオ周
波数帯域成分の大きさによる。バッファアンプ119の
出力はDATA線を使って伝送するため、このスルーレ
ートを調整することにより、DATA線の信号のパワー
スペクトル内のラジオ周波数帯域成分の大きさを変化さ
せることができ、これが減少するように調整している。
【0049】一方、コンパレータ121はCLOCK線
の電圧レベルが0.78×VB(バッテリ電圧)でオン
する。これはCLOCK線に伝送されるVB振幅のスタ
ート信号を検出するためのものである。また、コンパレ
ータ122はCLOCK線の電圧レベルが2.2V以上
でオンする。これはCLOCK線に伝送される5V振幅
のクロック信号を検出するためのものである。また、コ
ンパレータ123はDATA線の電圧レベルが2.2V
以上でオンする。これはDATA線に伝送される5V振
幅のアドレス信号を検出するためのものである。また、
これらのコンパレータはヒステリシス特性を有し、ノイ
ズの影響による誤動作を防止している。また、このよう
にパルスの振幅に情報を付加しているため、コンパレー
タと基準電圧のみの非常にシンプルな回路構成で情報を
識別することができる。
【0050】これらのコンパレータの出力信号によって
ディジタルシーケンサ124は、アナログスイッチ10
9〜118のオン/オフを制御する。なお、ディジタル
シーケンサ124は、アドレス設定スイッチ136〜1
39により設定されるアドレス信号を取り込み、他の多
重化ノードへのデータかそうでないか区別するアドレス
判別機能を有する。なお、電源125は、ディジタルシ
ーケンサ124に電力を供給するものである。また、抵
抗134とツェナーダイオード152は電源にかかるサ
ージ保護のため、コンデンサ135はディジタルシーケ
ンサ124のシーケンス遷移時に急瞬に流れる電流を供
給するためのものである。
【0051】図13は、自動車用信号処理装置25のう
ち、センサデータの多重伝送に関係する多重化インター
フェース回路26と1チップマイクロコンピュータ27
との構成例を示したものである。
【0052】ダイオード201、202と抵抗200に
よりDATA線に印加されるサージに対する保護を行
う。更にDATA線上の伝送信号は、抵抗210とコン
デンサ211により高周波ノイズをカットしてA/D変
換器を内蔵した1チップマイクロコンピュータ27のA
/D入力に入力される。この回路によりDATA線上の
アナログセンサデータを1チップマイクロコンピュータ
27に取り込むことができる。
【0053】また、1チップマイクロコンピュータ27
のDATA1出力とDATA0出力は出力ポートであ
り、ソフトウェアにより5Vまたは0Vにすることがで
きる。この出力ポートを制御することによりDATA線
を5V、0Vまたは開放することができる。DATA線
を5Vにするためには、DATA0出力を0Vにしてト
ランジスタ207をカットオフ状態にして、DATA1
出力を0Vにしてトランジスタ204をアクティブ状態
にすることにより可能となる。また、DATA線を0V
にするためには、DATA1出力を5Vにしてトランジ
スタ207をカットオフ状態にして、DATA0出力を
5Vにしてトランジスタ204をアクティブ状態にする
ことにより可能となる。同様に、DATA線を開放する
ためには、DATA1出力を5Vにしてトランジスタ2
07をカットオフ状態にして、DATA0出力を0Vに
してトランジスタ204をカットオフ状態にすることに
より可能となる。
【0054】これらの操作により、DATA線上にアド
レス信号を出力したり、DATA線を開放してアナログ
センサデータを受信したりすることが可能となる。な
お、コンデンサ206はDATA線の信号変化速度を一
定値以下に制限する緩応答作用がある。
【0055】次に、CLOCK線側の回路について説明
する。CLOCK線では、ダイオード201、202と
抵抗200によりCLOCK線に印加されるサージに対
する保護を行う。また、1チップマイクロコンピュータ
27のA/D_pulse端子は、A/D変換器のサン
プルホルダのサンプリングが完了した時点で立ち上が
り、A/D変換処理が終了した時点で立ち下がるもので
ある。なお、本A/D変換器は繰り返し連続してA/D
変換を行う連続モードを持っており、このモードを使用
することにより連続方形波を得ることが出来る。
【0056】また、Start出力端子は出力ポートで
ありソフトウェアにより5Vまたは0Vにすることがで
きる。まず、Start出力が0Vの場合、ANDゲー
ト223の出力は0VでANDゲート227の出力はA
/D_pulse端子に出力される連続方形波である。
従って、A/D_pulse端子が5Vの場合はトラン
ジスタ216、220、230がカットオフ状態、トラ
ンジスタ225がアクティブ状態となってCLOCK線
上に5Vが出力される。また、A/D_pulse端子
が0Vの場合はトランジスタ230がアクティブ状態、
トランジスタ216、220、225がカットオフ状態
となってCLOCK線上に0Vが出力される。この結
果、CLOCK線には振幅が5VのA/D_pulse
端子と相似形のパルスを出力することが出来る。
【0057】次に、Start出力が5Vの場合、AN
Dゲート227の出力は0VでANDゲート223の出
力はA/D_pulse端子に出力される連続方形波で
ある。従って、A/D_pulse端子が5Vの場合は
トランジスタ216、220がアクティブ状態、トラン
ジスタ225、230がカットオフ状態となってCLO
CK線上にVB(バッテリ電圧)が出力される。また、
A/D_pulse端子が0Vの場合は、トランジスタ
230がアクティブ状態、トランジスタ216、22
0、225がカットオフ状態となってCLOCK線上に
0Vが出力される。この結果、CLOCK線には振幅が
VBのA/D_pulse端子と相似形のパルスを出力
することが出来る。なお、コンデンサ229はCLOC
K線の信号変化速度を一定値以下に制限する緩応答作用
がある。
【0058】次に、各信号の変化をタイムチャートを用
いて説明する。図14は、図12に示した入力信号多重
化回路17により多重化されたセンサ信号を伝送する時
のタイムチャートである。自動車の制御上必要なタイミ
ングでセンサ信号取り込みタスク(SMP_TASK)
を発生させる。このタスクによりA/D変換終了割り込
み(A/D_IRQ)の割り込み処理を許可する。
【0059】まず、最初のA/D_IRQ処理で、St
art出力を立ち上げCLOCK線に振幅VBのスター
トパルスを出力する。このとき入力信号多重化回路17
のディジタルシーケンサ124は、D_ST端子にパル
スが入力され、このことによりD_EN端子をLowに
して、DATA線を開放する。また、クロック信号の立
ち下がりエッジでカウントアップするカウンタを内蔵し
ており、このクロックカウンタを1に初期設定する。
【0060】次に、図中t0からt1までで示す時間で
は、1チップマイクロコンピュータ27はDATA1出
力とDATA0出力を制御してDATA線上にアドレス
を出力し、時刻t1でDATA線を開放する。このと
き、入力信号多重化回路17のディジタルシーケンサ1
24は、DATA線のアドレス情報の受信をスタートす
る。まず、クロックカウンタが(1)のときアドレス信
号A0を受信し、同様にクロックカウンタが(2)のと
きアドレス信号A1、クロックカウンタが(3)のとき
アドレス信号A2、クロックカウンタが(4)のときア
ドレス信号A3を受信する。これは、CLOCK線の立
ち上がりに同期してDATA線の情報をシフトレジスタ
を用いて受信している。
【0061】次に、クロックカウンタが(5)のとき、
受信したアドレスデータとディジタルシーケンサ124
のD_A0〜D_A3の端子に設定にされたアドレス設
定値が等しかった場合にのみ次の処理を行う。
【0062】まず、t1〜t2で示す時間では、クロッ
クカウンタが(5)になるとD_EN端子をHiにし
て、バッファアンプ119の出力をDATA線に接続す
る。また、同時にエコーバックE0を出力するためにD
_E1端子をHiにしてバッファアンプ119に5Vを
入力する。同様にクロックカウンタが(6)になるとエ
コーバックE1を、クロックカウンタが(7)になるエ
コーバックE2を、クロックカウンタが(8)になると
エコーバックE3を出力する。なお、エコーバックE0
はディジタルシーケンサ124のD_A0端子の論理デ
ータと等しく、同様にエコーバックE1はディジタルシ
ーケンサ124のD_A1端子、エコーバックE2はデ
ィジタルシーケンサ124のD_A2端子、エコーバッ
クE3はディジタルシーケンサ124のD_A3端子と
論理データが等しい。
【0063】また、t2〜t3で示す時間では、クロッ
クカウンタが(9)になるとD_S0端子をHiにして
センサ信号S0をバッファアンプ119の入力に接続す
る。同様にクロックカウンタの値が(10)〜(16)
になるとセンサ信号S1〜S7をバッファアンプ119
の入力に接続する。
【0064】最後に時刻t3では、D_EN端子をLo
wにして、DATA線を開放する。このt1〜t3の時
間で1チップマイクロコンピュータ27は概略次の様な
処理を行う。まず、t0〜t1の時刻に送信したアドレ
スと同じデータが、t1〜t2の時刻に帰ってきている
か確認し、同じであれば、t3〜t4の時刻に送られて
くるセンサ情報を取り込むようにする。もしも、始めに
送信したアドレスと異なるアドレスが帰ってきた場合は
伝送エラーの可能性があるため、エラー処理を行う。
【0065】次に、1チップマイクロコンピュータ27
のプログラムについて説明する。図15は、データ転送
を行いたい時にまず行うSMP_TASKのフローチャ
ートである。処理301によりad_cntやerr_
cntをゼロクリアし、A/D_IRQ割り込みを許可
する。このことによりA/D変換が終了するたびに図8
及び図9に示すA/D_IRQ処理を行うようになる。
その後、処理360で次にこのSMP_TASKを起動
する時間をランダムに設定する。
【0066】本実施形態ではこの処理360により、セ
ンサ信号のサンプリング周期がランダムになり高周波ノ
イズのスペクトルが拡散される。ただし、当該処理によ
り設定された時刻が点火プラグまたは大電力電磁アクチ
ュエータのオンまたはオフの時刻であれば、巨大なノイ
ズが混入する恐れがあるためこれは設定しない。
【0067】SMP_TASKの起動時刻の設定処理3
60の一例を図16のフローチャートに示す。
【0068】本処理では最初、周知のM系列等により擬
似乱数を発生させ(処理3601)、発生した擬似乱数
に応じてシフト量を設定し、従来の方法で一定の周期で
設定されたサンプリング時刻を前記シフト量分だけシフ
トさせて、サンプリング時刻Tsを設定する(処理36
02)。次に、例えばスイッチ回路509(図1参照)
へ入力されるオン/オフ指令を取得して、アクチュエー
タのオン/オフ時刻Taを求め(処理3603)、この
オン/オフ時刻Taとサンプリング時刻Tsとが重なる
かどうかを判定する(処理3604)。
【0069】アクチュエータのオン/オフ時刻とサンプ
リング時刻とが重ならない場合(処理3604でNo)
には、サンプリング時刻TsをSMP_TASKの起動
時刻として設定して、本処理を終了する。また、両時刻
が重なる場合(処理3604でYes)には、上記サン
プリング時刻Tsを所定の遅延時間Δtだけ遅らせた時
刻を、新たなサンプリング時刻として再設定し(処理3
605)、処理3606へ進む。
【0070】図12に示した入力信号多重化回路17を
図14に示すようなタイムチャートのタイミングで使用
した場合のA/D_IRQ処理を、図17のフローチャ
ートに示す。
【0071】まず、処理302でad_cntをカウン
トアップする。その後、ad_cntの値により処理3
03〜処理320のいずれかを行う。なお、ad_cn
tの値は図5の中の(1)〜(18)に対応している。
処理303では、Start出力をHiにする。処理3
04では、Start出力をLowにすると同時にDA
TA0出力とDATA1出力を制御して、DATA線に
アドレスの最下位ビットA0を出力する。同様にして処
理305〜処理307でDATA線にアドレスのA1〜
A3ビットを出力する。処理308では、DATA0出
力とDATA1出力を制御してDATA線を開放する。
【0072】次に、処理309〜処理312ではDAT
A線上のアドレスエコーバック信号を受信し、特に処理
312では、エコーバックされた信号が処理304〜処
理307で送信したデータと等しいかどうかエラー処理
を行う。もし、エラーでなければ処理313〜処理32
0でセンサ信号を取り込み、フィルタ処理を行う。特に
処理313では、取り込んだ値が多重化ノード18の物
理的に近傍のシャーシGND電圧レベルであるため、G
NDLVLとして記憶する。また、処理320では、A
/D_IRQ割り込みを禁止し、これ以降、本A/D_
IRQが起動しないようにする。
【0073】次に、上記図17の処理314〜処理32
0で行うフィルタ処理の詳細について、図18、図19
を参照して説明する。
【0074】本フィルタ処理は上記図1のソフトウエア
LPF503を実現するためのもので、例えば図18に
示すようなブロック構成を備えている。すなわち、ブロ
ック401では、検出したアナログセンサ信号のGND
オフセットの補正を行うものである。また、ブロック4
02〜ブロック405では、検出したアナログ信号が急
激に変化した場合、これを外乱ノイズと判断し除去する
ためのフィルタブロックである。
【0075】本例では、積算要素405の出力がフィル
タ処理されたアナログデータsens(n)である。ブ
ロック402では、現在検出したアナログデータとブロ
ック406により1サンプル過去のアナログデータse
ns(n)の差分をとる。この結果をブロック403で
ゲイン調整し、ブロック404は入力があまり大きな値
である場合、これはノイズの影響であると判断し飽和さ
せる。ブロック405では入力信号を積算する。このル
ープにより徐々にブロック401の出力とブロック40
5の出力が等しくなっていく。本方式は、ブロック40
5にメモリが必要となるが、移動平均によるフィルタ処
理等に比較して、メモリの容量に対する低域通過フィル
タ効果を高くすることができる。
【0076】上記フィルタ処理のフローチャートを図1
9に示す。処理340ではGNDオフセットの補正を行
い、処理341で減算及びゲイン調整、処理342で正
側飽和処理、処理343で負側飽和処理、処理344で
積算処理を行う。
【0077】次に、図17の処理312で行うエラー処
理の詳細について説明する。なお、このエラー処理のた
めに、各多重化ノードのアドレスに2進数で0000と
1111は設定しない。従って、多重化ノードはアドレ
スが4ビットの場合、最大で14個になる。
【0078】本例によるエラー処理を図20のフローチ
ャートに示す。
【0079】まず、処理345では、エコーバックされ
た情報が期待されるものと等しいかどうかチェックす
る。もし、等しくなければ、処理346でエコーバック
の値により処理を振り分ける。もし、エコーバックが2
進数で0000であった場合、DATA線がGNDにシ
ョートしている可能性がある。このため、処理347で
GNDショートフラグをセットし、処理348でad_
cntをゼロクリアする。これは再度アドレス出力から
やり直すためである。処理349では、err_cnt
をインクリメントする。これは、処理356によりこの
値が3以上になれば復旧不可能と判断し、処理357〜
処理359のフェール対策処理を行うためである。
【0080】このフェール対策としては、処理357で
はセンサ信号が検出されなかったことから、自動車制御
に重大な影響を及ぼさないようにする。これは、例えば
自動変速機のセンサ検出不良であれば変速ギアポジショ
ンを3速に固定しリンプホームモードとし、同時に運転
手に故障であることを知らせる処理等を行うものであ
る。また、処理358では、エラーの検出及び対策処理
が済んでいることからエラーフラグをクリアし、処理3
59ではデータ取り込みを中断させる。
【0081】次に、エコーバックが2進数で1111で
あった場合、DATA線がVBにショートしている可能
性がある。このため、処理350で電源ショートフラグ
をセットし、以下GNDショートの場合と同様の処理を
行う。また、エコーバックの値が1〜14であった場
合、いずれかの多重化ノードが不良である可能性がある
ため、処理353でエラーフラグをセットし、以下GN
Dショートの場合と同様の処理を行う。
【0082】以上説明したように本実施形態によれば、
アンチエイリアシングLPFを用いることなく、より正
確なアナログ信号をサンプリングすることができる信号
処理装置及び方法を提供することができる。
【0083】本発明を適用した信号処理装置の他の実施
形態について、図21、図22を参照して説明する。な
お、以下の説明において、上記図1の実施形態と同じも
のについては同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0084】本実施形態の信号処理装置25’は、図2
1に示すように、上記図1の信号処理装置25におい
て、多重化ノード18とA/D変換器520との間にア
ナログLPF520を追加したものである。
【0085】本実施形態は、信号処理装置25’のサン
プリング時刻のランダム化処理部504が、予め定めた
最小単位時間ΔTに、生成した擬似乱数rをかけること
でシフト量を決定し、このシフト量rΔTをサンプリン
グ時刻T0から差し引くあるは加算して、最終的なラン
ダム化されたサンプリング時刻Tsを決定するという処
理(以下では擬似ランダム化処理と呼ぶ)を行なう場合
に、特に有効となるものである。
【0086】例えば図22に示すように、検出すべき1
0Hz信号と、そのエイリアス信号である90Hz信号
と、高周波ノイズ990Hz信号とが混在するアナログ
入力信号を、上記図1の実施形態による方法でサンプリ
ングする場合を考える。
【0087】サンプリングタイミングのランダム化処理
のためのシフト量を決める最小時間単位ΔTを1msと
すると、図22(b)に示すように、±5msのランダ
ム化範囲内でサンプリング時刻をランダムシフトさせる
ということは、実際には、生成した擬似乱数に応じて、
サンプリング時刻をT0から1ms(T-1)、2ms
(T-2)・・・だけ早めるか、あるいは1ms
(T+1)、2ms(T+2)・・・だけ遅らせることを意
味する。
【0088】このような処理によれば、図22(b)に
も明示されているように、位相の関係によっては10H
z信号と同様に、990Hz信号をサンプリングする場
合がある。これは、有限な時間単位を用いた擬似ランダ
ム化処理によるもので、その発生機構は、デジタル化に
伴う時間の量子化に起因した上述のエイリアシング現象
と類似している。例えば、検出しようとするアナログ信
号の周波数をfaとし、擬似ランダム化に用いる最小時
間単位をΔTとすれば、((1/ΔT)−fa)によっ
て決定される周波数を備えた高周波ノイズが、周波数f
aのアナログ信号に主に影響してくると考えられる。
【0089】本実施形態では、このような高周波ノイズ
を排除するために、LPF520をA/D変換器502
の入力側に設けている。ここで、LPF520のカット
オフ周波数は、上記擬似ランダム化処理で用いた最小時
間単位ΔTに応じて設定するもので、より具体的には例
えば(1/2ΔT)とすると良い。図22の例では、Δ
Tは1msであり、LPF520のカットオフ周波数は
500Hzとなる。
【0090】また、本実施形態の信号処理装置25’も
基本的には上記図1の装置と同じ構成を備えており、こ
の共通する構成によって、10Hz信号のエイリアシン
グ信号である90Hz信号を排除することができる。
【0091】本実施形態によれば、上記エイリアシング
現象による高周波ノイズを排除できるだけでなく、有限
な最小時間単位を用いたサンプリング時刻の擬似ランダ
ム化処理に起因して発生する、より高周波のノイズの取
り込みも防止することができる。
【0092】なお、本実施形態では多重化ノード18か
ら出力される信号を処理する場合を想定しているが、図
23に示すように、センサから出力される単一のアナロ
グ信号をデジタル化する信号処理装置についても適用で
きる。
【0093】すなわち、上記図23の装置では、サンプ
リング時刻のランダム化処理部504とソフトウエアL
PF503とを備えることで、従来の装置に設けられて
いたアンチエイリアシングLPFを不要とし、さらに、
ランダム化処理部504での擬似ランダム化処理に起因
する、エイリアス信号よりも高周波のノイズを排除する
ためのLPF520を備えている。
【0094】このような構成によれば、信号処理装置2
5’のA/D変換器502の入力側に配置するLPF5
20のカットオフ周波数を、従来のようにサンプリング
周波数に応じて設定する必要はなく、より高い周波数に
相当するランダム化処理の最小時間単位に応じて設定す
ることができる。したがって、LPF520の回路規模
を従来に比較してより小さくすることができ、信号処理
装置全体の小型化さらにはIC化の実現を図ることが可
能となる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、アンチエイリアシング
LPFの必要個数あるいは回路規模を減少させ、より正
確なアナログ信号をサンプリングすることができる信号
処理装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した信号処理装置の構成例を示す
ブロック図。
【図2】従来のエイリアシング対策方法を採用した信号
処理装置を示すブロック図。
【図3】エイリアシングの発生原理を示す説明図。
【図4】アンチエイリアシングLPFの特性を示すグラ
フ。
【図5】本発明によってランダム化されたサンプリング
時刻を示すグラフ。
【図6】図5のサンプリング時刻の周波数特性を示すグ
ラフ。
【図7】0.1Hz信号のサンプリング結果を示すグラ
フ。
【図8】図7の信号波形の周波数特性を示すグラフ。
【図9】99.9Hz信号のサンプリング結果を示すグ
ラフ。
【図10】図9の信号波形の周波数特性を示すグラフ。
【図11】本発明を適用した自動車用データ多重化処理
装置のハードウェア構成例を示す回路図。
【図12】図11の入力信号多重化回路の構成例を示す
回路図。
【図13】図11の処理装置の多重化信号送受信ユニッ
トの構成例を示す回路図。
【図14】本発明による入力信号多重化時のタイムチャ
ート。
【図15】図14のSMP_TASKのフローチャー
ト。
【図16】図15のランダム起動時刻設定処理のフロー
チャート。
【図17】図14のA/D_IRQ処理(入力)のフロ
ーチャート。
【図18】図17でのフィルタ処理部の構成例を示すブ
ロック図。
【図19】図18のフィルタ処理部での処理手順を示す
フローチャート。
【図20】図17でのエラー処理を示すフローチャー
ト。
【図21】本発明を適用した信号処理装置の他の構成例
を示すブロック図。
【図22】擬似ランダム化処理によりエイリアシングの
発生原理の説明図。
【図23】本発明を適用した信号処理装置の他の構成例
を示すブロック図。
【符号の説明】
17…入力信号多重化回路、 18…多重化ノード、 25…信号処理装置、 27…1チップマイクロコンピュータ、 504…ランダム化処理部、 503…ソフトウェアLPF処理部、 520…アナログLPF、 SMP_TASK…多重化信号伝送スタート処理、 A/D_IRQ…A/D変換終了割り込み。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大場 衛 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アナログ信号をサンプリングしてディジタ
    ル信号に変換するA/D変換器と、当該A/D変換器で
    のサンプリング時刻を設定するタイミング設定部とを有
    する信号処理装置において、 前記タイミング設定部は、一定周期で設定された時刻を
    含む予め定めた長さの時間範囲を設け、当該設定部で設
    定された一連のサンプリング時刻によって決定されるサ
    ンプリング周期が一定とならないように、前記予め定め
    た時間範囲内でサンプリング時刻を変位させて設定する
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の信号処理装置おいて、 前記A/D変換器は、複数のアナログ信号を切り替える
    信号切替手段から出力されたアナログ信号をサンプリン
    グすることを特徴とする信号処理装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の信号処理装置において、 前記A/D変換器によってサンプリングしたデータを平
    均化処理する手段をさらに備えることを特徴とする信号
    処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の信号処理
    装置において、 前記サンプリング設定部は、前記予め定めた時間範囲内
    でランダムにサンプリング時刻を設定するものであっ
    て、かつ、当該設定された一連のサンプリング時刻によ
    って決定されるサンプリング周期の周波数成分のうち、
    検出しようとするアナログ信号の周波数帯域と重なる周
    波数成分が、それよりも高い周波数の周波数成分よりも
    小さくなるように、前記サンプリング時刻を設定するこ
    とを特徴とする信号処理装置。
  5. 【請求項5】アナログ信号をサンプリングしてディジタ
    ル信号に変換するA/D変換器と、当該A/D変換器で
    のサンプリング時刻を設定するタイミング設定部とを有
    する信号処理装置において、 前記A/D変換器へ入力するアナログ信号をフィルタリ
    ングするローパスフィルタをさらに備え、 前記ローパスフィルタのカットオフ周波数は、前記タイ
    ミング設定部で設定された最小サンプリング時刻に対応
    するサンプリング周波数の1/2よりも低いことを特徴
    とする信号処理装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の信号処理装置において、 前記タイミング設定部は、擬似乱数を生成する手段を備
    え、前記予め定めた時間範囲を前記一定周期で設定され
    た時刻を中心として設定すると共に、予め定めた最小時
    間単位と生成した擬似乱数とを用いて時間のランダムシ
    フト量を決定し、前記中心時刻から前記ランダムシフト
    量分だけ変位させた時刻をサンプリング時刻として設定
    するものであり、 前記ローパスフィルタのカットオフ周波数は、前記最小
    時間単位に応じて設定されることを特徴とする信号処理
    装置。
  7. 【請求項7】アナログ信号をサンプリングしてディジタ
    ル信号に変換するA/D変換器と、当該A/D変換器で
    のサンプリング時刻を設定するタイミング設定部とを有
    する信号処理装置において、 外部のアクチュエータを駆動するための制御指令を受け
    入れる手段をさらに備え、 前記タイミング設定部は、前記受け入れた制御指令が示
    す前記アクチュエータのオン及びオフ時刻のいずれかと
    前記設定されたサンプリング時刻とが重なるかを判定す
    る手段と、重なると判定された場合に、サンプリング時
    刻を再設定する手段とを備えることを特徴とする信号処
    理装置。
  8. 【請求項8】アナログ信号をサンプリングしてディジタ
    ル信号に変換するデータサンプリング方法において、 サンプリングのタイミングを設定する際には、一定周期
    で設定された時刻を含む予め定めた長さの時間範囲を設
    け、当該処理の結果得られた一連のサンプリング時刻に
    よって決定されるサンプリング周期が一定とならないよ
    うに、前記予め定めた時間範囲内でサンプリング時刻を
    変位させて設定することを特徴とするデータサンプリン
    グ方法。
JP26193596A 1996-10-02 1996-10-02 信号処理装置及びそれを備えるシステム Pending JPH10107629A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26193596A JPH10107629A (ja) 1996-10-02 1996-10-02 信号処理装置及びそれを備えるシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26193596A JPH10107629A (ja) 1996-10-02 1996-10-02 信号処理装置及びそれを備えるシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10107629A true JPH10107629A (ja) 1998-04-24

Family

ID=17368739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26193596A Pending JPH10107629A (ja) 1996-10-02 1996-10-02 信号処理装置及びそれを備えるシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10107629A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005167972A (ja) * 2003-11-12 2005-06-23 Denso Corp A/d変換処理装置、その使用方法及び電子制御装置
JP2012103202A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Denso Corp レーダ装置
JP2013006465A (ja) * 2011-06-23 2013-01-10 Denso Corp 電子制御装置
JP2013130412A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Sanyo Electric Co Ltd 電力測定装置
WO2018147110A1 (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 アルプス電気株式会社 車両の転倒検出装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005167972A (ja) * 2003-11-12 2005-06-23 Denso Corp A/d変換処理装置、その使用方法及び電子制御装置
JP2012103202A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Denso Corp レーダ装置
JP2013006465A (ja) * 2011-06-23 2013-01-10 Denso Corp 電子制御装置
JP2013130412A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Sanyo Electric Co Ltd 電力測定装置
WO2018147110A1 (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 アルプス電気株式会社 車両の転倒検出装置
CN110177735A (zh) * 2017-02-10 2019-08-27 阿尔卑斯阿尔派株式会社 车辆的跌倒检测装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012029602A1 (ja) シリアルデータ通信方法及びシリアルデータ通信装置
JP2005228336A (ja) 多重データ出力を有するセンサ
JPH06197117A (ja) 単線式線路を持つ直列バスシステム
US8587461B1 (en) Data acquisition system with analog-to-digital converter having integrated multiplexer control
JPH10107629A (ja) 信号処理装置及びそれを備えるシステム
JPH0475121A (ja) 自動車用入力インターフエイス回路
HK1040007A1 (en) A power amplifier and its control circuit and method.
JP2004533740A (ja) サンプリング周波数に関連してフィルタ周波数を調整する装置および方法。
US6175299B1 (en) Analog signal processing system for determining airbag deployment
US20030146778A1 (en) Method and apparatus for removing digital glitches
JPH1127300A (ja) 自動車制御システム
JP3207392B2 (ja) データ格納制御回路
JPH1069337A (ja) データ処理装置及び自動車用制御装置
EP1605334A2 (en) Interface circuit for a single logic input pin of an electronic system
CN112292673A (zh) I3c从机接口、具有i3c从机接口的集成电路及用于运行i3c从机接口的方法
US10348325B2 (en) Measuring device and electrical controller
JP6102785B2 (ja) 物理量センサ
US11664792B1 (en) Electronic device and data transmission protection device thereof
JPWO2006070507A1 (ja) データ受信装置及びデータ受信方法
EP0755149B1 (en) Method and system for digitizing ccd data
JP4797961B2 (ja) Ad変換回路
EP0138709B1 (fr) Contrôle du chargement de circuits intégrés du type registre série-parallèle ayant un registre de chargement distinct des étages de sortie
JP3626365B2 (ja) クロック及びデータ再生回路
KR100305718B1 (ko) 입/출력버퍼의글리치제거회로
KR100227423B1 (ko) 고속처리가 가능한 기억장치