JPH10107331A - 永久電流スイッチ装置及びその運転方法 - Google Patents

永久電流スイッチ装置及びその運転方法

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JPH10107331A
JPH10107331A JP8262189A JP26218996A JPH10107331A JP H10107331 A JPH10107331 A JP H10107331A JP 8262189 A JP8262189 A JP 8262189A JP 26218996 A JP26218996 A JP 26218996A JP H10107331 A JPH10107331 A JP H10107331A
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JP
Japan
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magnetic field
superconducting
permanent current
current switch
superconducting magnet
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Application number
JP8262189A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Sadakata
伸行 定方
Takashi Saito
隆 斉藤
Tsukasa Kono
宰 河野
Hitoshi Honma
仁 本間
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Fujikura Ltd
Tohoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Fujikura Ltd
Tohoku Electric Power Co Inc
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高速スイッチングを可能にすると
ともに、装置全体を小型化軽量化できる永久電流スイッ
チ装置とその運転方法の提供を目的とする。 【解決手段】 本発明は、永久電流スイッチ用超電導線
材19を超電導マグネットコイル21の漏洩磁界を受け
る位置に設置し、永久電流スイッチ用超電導線材19の
臨界磁界を前記超電導マグネットコイル21の漏洩磁界
よりも小さく設定し、制御用超電導マグネット26を、
それ自身で発生させる磁界で永久電流スイッチ用超電導
線材19の位置において前記超電導マグネットコイル2
1の発生させる漏洩磁界を弱めるように構成し、前記制
御用超電導マグネット26の発生させる磁界の強さを、
前記超電導マグネットコイル21の漏洩磁界を弱めて永
久電流スイッチ用超電導線材19に負荷される磁界を永
久電流スイッチ用超電導線材19の臨界磁界よりも小さ
くする強さに設定してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界を用いてオン
・オフのスイッチング制御を行う永久電流スイッチ装置
に関するもので、この永久電流スイッチ装置は、超電導
磁気エネルギー貯蔵装置(SMES)を初めとし、磁気
浮上輸送機器、理化学研究用超電導マグネットシステム
等に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】超電導永久電流スイッチ装置は、超電導
マグネットと組み合わせて永久電流回路を実現させるた
めに不可欠な要素となっており、超電導エネルギー貯蔵
システムなどにおいて、超電導マグネットを永久電流状
態で運転する装置にあっては、超電導マグネットコイル
と永久電流スイッチを並列接続して構成し、この並列回
路を所望の電源にパワーリードを介して接続する構成が
一般的になっている。
【0003】図4〜図6に、このような構成の超電導エ
ネルギー貯蔵装置の一例を示す。これらの図において符
号1は超電導マグネットコイルを示し、この超電導マグ
ネットコイル1と永久電流スイッチ2を並列接続し、こ
の回路にパワーリード3と開閉スイッチ4とを介して交
直変換装置5を接続し、交直変換装置5に図示略の交流
電源系統を接続して超電導エネルギー貯蔵装置が構成さ
れている。前記超電導マグネットコイル1と永久電流ス
イッチ2は、いずれも極低温において超電導状態に転移
する超電導体から形成され、液体ヘリウムなどの冷媒で
冷却されるようになっている。なお、図4〜図6におい
ては、超電導マグネットコイル1と永久電流スイッチ2
を液体ヘリウムで冷却する装置と回路については省略し
ている。
【0004】図6〜図8に示す超電導エネルギー貯蔵装
置を用いて電力の貯蔵を行うには図6に示すように開閉
スイッチ4を閉じた状態で永久電流スイッチ2をオフと
し、電流を超電導コイル1に流すことで、超電導コイル
1に磁気エネルギーとして電力を貯蔵する。次に、永久
電流スイッチ2を超電導状態とすることでオンの状態と
し、外部からの電流を減じて永久電流スイッチ2に電流
を流し込む。外部からの電流がゼロになると、超電導コ
イル1に流れる電流と同等の電流が永久電流スイッチ2
に流れ、永久電流モードとなる。この状態で開閉スイッ
チ4を開くと、超電導コイル1も永久電流スイッチ2も
共に電気抵抗がゼロであるから、図7に示すように、電
流は永久電流となって減水することなくこの並列回路中
を流れ続け、超電導コイル1に蓄積されたエネルギーが
無損失で貯蔵されたことになる。次に、この貯蔵された
エネルギーを取り出すには、図8に示すように、開閉ス
イッチ4を閉じた後に、永久電流スイッチ2を常電導状
態にもたらすことでオフとする。すると、前記の超電導
コイル1と永久電流スイッチからなる並列回路に貯蔵さ
れていたエネルギーを電力としてパワーリード線3を通
して取り出すことができる。
【0005】従来、このような永久電流スイッチのオン
・オフ制御を行なう装置の原理としては、機械方式、温
度制御方式、磁界制御方式などが提案されている。この
うち、現在実用化が進められて主流となっているのは、
温度制御方式であり、この温度制御方式の装置は、永久
電流スイッチを構成する超電導線材に加熱ヒータを沿わ
せて設け、エポキシ樹脂含浸を行って断熱構造とし、こ
の加熱ヒータにより必要に応じて永久電流スイッチの超
電導線材を臨界温度以上になるように加熱する構成にな
っている。前記構成において永久電流スイッチ用の超電
導線材は、主にNb-Ti合金線からなる超電導線材が
用いられており、その臨界温度は約9K程度である。ま
た、このスイッチ用超電導線材は、オフ時の高抵抗化の
ために、超電導材料と高抵抗金属材料からなる複合構造
とされ、非超電導状態時の線材比抵抗が高められた構造
にされているのが一般的である。ところが、この温度制
御方式の装置では、熱伝導に時間がかかる問題や、制御
系に潜熱などが影響するなどの問題があり、永久電流ス
イッチのオン・オフ制御の高速応答には適応できない問
題があった。
【0006】そこで注目されているのが、磁界制御方式
である。この磁界制御方式とは、永久電流スイッチを構
成する超電導線材が、臨界磁界を越える磁界中におかれ
ると常伝導状態に転移する現象を利用し、永久電流スイ
ッチを構成する超電導線材に別途設けた制御用超電導マ
グネットコイルにより磁界をかけることができる構成と
したものである。そしてこの磁界制御方式によれば、超
電導線材に所望の磁界をかけること、および、磁界を取
り去ることは制御用超電導マグネットコイルに対する通
電制御により瞬時に行うことができ、スイッチングに要
する時間は、原理的に磁界スイープ速度により決定され
るので、この磁界制御方式によれば永久電流スイッチの
オン・オフ制御の高速応答が可能になる。また、磁界式
永久電流スイッチであれば原理的に断熱構造を採用する
必要は無くなり、熱はけの良い巻線構造が可能となり、
高速磁界変化時に発生するスイッチ用超電導巻線の交流
損失発生に対する線材および巻線の安定性の面で有利で
ある。
【0007】この種の磁界制御方式の永久電流スイッチ
は、磁界によるオン・オフ制御を行うために、通常、ス
イッチ用の超電導巻線と制御用電磁石で構成されてい
る。そして、スイッチ用超電導線材には、磁界制御が容
易な臨界磁界を有するCu-Nb合金の線材が用いられ
ている。そして、この種のスイッチ用の超電導マグネッ
トコイルを構成する超電導線材の一例として、Nbの線
材を多数本集合してCu管、あるいはCu-Ni管に収
容したものを線引き加工して素線を形成し、この素線を
更に複数本集合してCu管あるいはCu-Ni合金管に
収容したものを線引加工することで、CuあるいはCu
-Ni合金のマトリクス部の内部にNbの極細フィラメ
ントが分散配列された多芯構造のものが使用されてい
る。なお、この種のスイッチ用超電導線材として、Cu
あるいはCu合金の基地の内部にNbの樹枝状晶が析出
されたインサイチュー線材を複数本集合し、これをCu
あるいはCu合金の管体の内部に収納してから線引加工
し、Nbの不連続フィラメントをCuあるいはCu合金
基地の内部に分散させた構造のものも使用されている。
【0008】前記従来の磁界式永久電流スイッチは、通
常、制御用電磁石を永久電流スイッチ用のコイルの近傍
に配置した構成とされていて、制御用電磁石に通電して
永久電流スイッチコイルに磁界をかけ、このコイルの臨
界磁界を超える磁界を作用させることでスイッチコイル
を超電導状態から常電導状態とすることでオン状態から
オフ状態へのスイッチングを行っている。また、現在、
このスイッチングを行うための超電導スイッチコイルを
構成する超電導線材は、前記Nbフィラメントを有する
構造のものが用いられており、この構造の場合に一般に
スイッチングに要する制御磁界として、1.0T(テス
ラ)程度を必要としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記構成の
永久電流スイッチ2は、超電導マグネットコイル1と組
み合わせて設けられるために、その設置位置は超電導マ
グネットコイル1の上、横、近傍のいずれかになるが、
いずれの位置であっても超電導マグネットコイル1で発
生される磁界の漏洩により永久電流スイッチ2の作動に
影響が出ないような位置に設置する必要があり、この理
由により永久電流スイッチ2の設置場所を超電導マグネ
ットコイル1から充分に離れた位置にしなくてはなら
ず、装置全体が大きな設置空間を必要とする問題があっ
た。このように装置全体が大型化すると、液体ヘリウム
等の冷却媒体で冷却しなくてはならない領域が大きくな
り、それが原因となって装置全体が大型化するととも
に、冷媒の必要量も多くなり、装置コストが高くなる問
題があった。
【0010】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、高速スイッチングを可能にするとともに、装置全
体を小型化軽量化できる永久電流スイッチ装置とその運
転方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は
前記課題を解決するために、超電導マグネットコイル
と、この超電導マグネットコイルに並列接続された永久
電流スイッチ用超電導線材と、前記永久電流スイッチ用
超電導線材の近傍に設置されて永久電流スイッチ用超電
導線材に磁界をかけるか磁界を減じて永久電流スイッチ
用超電導線材を超電導状態から常電導状態に、あるいは
常電導状態から超電導状態に転移させる制御用超電導マ
グネットを具備してなる永久電流スイッチ装置であっ
て、前記永久電流スイッチ用コイルが前記超電導マグネ
ットコイルの漏洩磁界を受ける位置に設置され、永久電
流スイッチ用コイルの臨界磁界が前記超電導マグネット
コイルの漏洩磁界よりも小さく設定されるとともに、前
記制御用超電導マグネットが、それ自身で発生させる磁
界で前記超電導マグネットコイルの発生させる漏洩磁界
を弱めるように構成され、前記制御用超電導マグネット
の発生させる磁界の強さが、前記超電導マグネットコイ
ルの漏洩磁界を弱めて永久電流スイッチ用超電導線材に
負荷される磁界を永久電流スイッチ用超電導線材の臨界
磁界よりも小さくする強さに設定されてなるものであ
る。
【0012】請求項2に記載の発明は前記課題を解決す
るために、超電導マグネットコイルと、この超電導マグ
ネットコイルに並列接続された永久電流スイッチ用超電
導線材と、前記永久電流スイッチ用超電導線材の近傍に
設置されて永久電流スイッチ用超電導線材に磁界をかけ
るか磁界を減じて永久電流スイッチ用超電導線材を超電
導状態から常電導状態に、あるいは常電導状態から超電
導状態に転移させる制御用超電導マグネットを具備して
なる永久電流スイッチ装置を運転する方法であって、臨
界磁界を前記超電導マグネットコイルの漏洩磁界よりも
小さく設定した永久電流スイッチ用超電導線材を前記超
電導マグネットコイルの漏洩磁界を受ける位置に設置
し、前記制御用超電導マグネットが発生させる磁界で前
記超電導マグネットコイルの発生させた漏洩磁界を弱め
て超電導スイッチ用線材の受ける磁界をその臨界磁界よ
りも小さくして超電導スイッチ用線材を超電導状態に維
持するか、制御用超電導マグネットが発生させる磁界を
弱めて超電導マグネットコイルの漏洩磁界により永久電
流スイッチ用超電導線材を常電導状態に維持するかを切
り換えて運転するものである。
【0013】「作用」超電導マグネットコイルの発生さ
せる漏洩磁界よりも臨界磁界が低い超電導線材で永久電
流スイッチを構成し、この永久電流スイッチに漏洩磁界
とは逆向きに磁界を印加する超電導マグネットを設けた
ので、永久電流スイッチ用の超電導線材を超電導マグネ
ットコイルの漏洩磁界中に配置することで、超電導マグ
ネットコイルからの漏洩磁界により永久電流スイッチの
超電導線材が常伝導状態となるとともに、超電導マグネ
ットを作動させて漏洩磁界の少なくとも一部を打ち消し
て弱めることで永久電流スイッチが超電導状態となる。
これにより、超電導マグネットへの通電の極性を切り換
えることで、永久電流スイッチのオン・オフ制御ができ
る。更に、永久電流スイッチ用超電導線材の常伝導状態
と超電導状態の切り換えに超電導マグネットコイルの漏
洩磁界を利用するので、永久電流スイッチ用超電導線材
を単独の超電導マグネットで超電導状態から常伝導状態
にあるいは常伝導状態から超電導状態に漏洩磁界を利用
することなく転移させる場合に比べて超電導マグネット
の規模を小さくでき、小型化軽量化を図ることができ
る。
【0014】また、永久電流スイッチ用の超電導線材を
超電導マグネットコイルの漏洩磁界中に配置できること
は、永久電流スイッチ用の超電導線材を超電導マグネッ
トコイルの近傍に配置できることを意味し、装置全体の
小型化が推進されると同時に永久電流スイッチ用の超電
導線材の設置場所の自由度が向上する。更に、超電導線
材の設置場所の自由度が向上することで装置全体の小型
化軽量化が進むので、永久電流スイッチと超電導マグネ
ットコイルを冷却する装置の小型化軽量化も実現する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
例について説明する。図1は永久電流スイッチが設けら
れる超電導エネルギー貯蔵装置の一例を示すものであ
り、この例の装置において、符号21は超電導線20を
図示略の巻胴等に巻回して構成された超電導マグネット
コイル、22は超電導マグネットコイル21に並列接続
された永久電流スイッチ、23は超電導マグネットコイ
ル21と永久電流スイッチ22に接続されたパワーリー
ド、24はパワーリード23に組み込まれた開閉スイッ
チ、25はパワーリード23に接続された交直変換器を
それぞれ示している。更にこの例の永久電流スイッチ2
2は、超電導線材19を無誘導巻コイル状に加工して形
成されている。
【0016】また、図1において符号26は制御磁界発
生用の超電導マグネット、27は超電導マグネット26
に通電するための電源、28は冷却容器による極低温領
域を示し、この領域を液体ヘリウム等の冷媒により極低
温に冷却することで超電導マグネットコイル21と永久
電流スイッチ22と制御磁界用超電導マグネット26を
それぞれ超電導状態にすることができるようになってい
る。なお、図面においては極低温に冷却するための装置
や収納容器は省略して記載されていないが、実際には超
電導マグネットコイル21や永久電流スイッチ22およ
び超電導マグネット26は液体ヘリウム等の冷媒が満た
された収納容器に収納されて極低温に冷却されている。
【0017】次に、この例では、前記超電導マグネット
26の中心部に永久電流スイッチ22が配置され、超電
導マグネット26と永久電流スイッチ22は、超電導マ
グネットコイル22が発生させる漏洩磁界の内側になる
ように超電導マグネットコイル21の近傍に配置される
と同時に、超電導マグネットコイル21に負荷される漏
洩磁界の強さが超電導線材19の臨界磁界を越えるよう
な位置に設定されている。次に、前記超電導マグネット
ユニット26が発生させる磁界は、超電導マグネットコ
イル21の漏洩磁界の反対向きの磁界であり、この超電
導マグネットユニット26が発生させる磁界により前記
漏洩磁界の一部を打ち消して減磁し、超電導線材19に
それ自身の臨界磁界よりも小さな環境磁界を負荷できる
ように設定されている。即ち、図2(a)に示すように
超電導マグネットコイル21による漏洩磁界Eが永久電
流スイッチ22に作用しようとする場合、超電導マグネ
ット26に通電しなければ永久電流スイッチ22に漏洩
磁界Eが直接作用し、図2(b)に示すように超電導マ
グネット26に通電して漏洩磁界Eと逆向きの磁界eを
負荷するならば、永久電流スイッチ22には漏洩磁界E
をその逆向きの磁界eで減磁して弱めた環境磁界が作用
するようになっている。
【0018】従って例えば、永久電流スイッチ22の超
電導線材19のスイッチング磁界が0.4Tである場合
に、超電導マグネットコイル21の漏洩磁界が0.5T
の位置に永久電流スイッチ22を配置するものとし、前
記超電導マグネットコイル21が発生させる漏洩磁界と
は逆向きに0.3T程度の磁界を負荷できる制御用超電
導マグネット26を用いることができる。なお、超電導
マグネットコイル21が発生させる漏洩磁界を打ち消す
ような磁界を制御用超電導マグネット26で発生させる
には、制御用超電導マグネット26の設置位置を調整し
て漏洩磁界に対して逆向きの磁界を発生させるようにす
るか、制御用超電導マグネット26内の超電導コイルの
巻線方向を超電導マグネットコイル21の超電導コイル
の巻線方向と逆向きにするか、制御用超電導マグネット
の励磁電源の極性を変えるなどの方法を適宜用いて良
い。
【0019】ここで以下に、前記永久電流スイッチ22
用の超電導線材19をCu-Nb合金を用いて製造する
方法の一例とその構造について詳細に説明する。図3は
永久電流スイッチ用超電導線材19を製造する方法の一
例について説明するためのもので、この例の方法を実施
するには、図3(a)に示すインサイチュー合金10を
製造する。このインサイチュー合金10は、所定成分の
Cu-Nb合金を溶解鋳造して得られるもので、Cuあ
るいはCu合金からなる金属基地11の内部にNbの樹
枝状晶12が分散した組織を有し、しかも縮径加工など
の塑性加工性が高いものである。前記Nbの樹枝状晶1
2は、直径数μm〜数10μm程度の大きさのものであ
り、Cuに対してNbが固溶しないことから、鋳造した
場合に、Nbが樹枝状晶としてCuまたはCu合金から
なる金属基地11の内部に析出して生成するものであ
る。
【0020】次に、前記インサイチュー合金10に圧延
加工、鍛造加工、あるいは、ダイスによる線引き加工な
どの塑性加工を施して縮径し、図3(b)に示すインサ
イチュー線材13を得る。このインサイチュー線材13
は、CuあるいはCu合金からなる金属基地14の内部
に、前記塑性加工により樹枝状晶12を加工して形成さ
れた繊維状のNbのフィラメント15が多数分散配列さ
れたものである。なお、前記塑性加工の段階において、
インサイチュー合金10の外周部を損傷させないこと、
あるいは、ダイスとの焼き付きなどを無くするなどの目
的から、インサイチュー合金10の外周にCuなどから
なる加工性の良好な管体を被せてから塑性加工しても良
い。また、前記塑性加工は、目的の永久電流スイッチ用
超電導線材に要求される線径と同等のレベルまで必要回
数繰り返すものとし、塑性加工中に中間焼鈍などの熱処
理を適宜施しても良い。この場合、インサイチュー線材
13は加工性に優れているので、加工中の断線事故など
の問題は生じにくい。
【0021】インサイチュー線材13を得たならば、こ
のインサイチュー線材13にZn、Cu-Zn合金、あ
るいは、Cu-Ni合金からなるメッキ層を形成する
か、これらの材料からなる管体を被せることにより、図
3(c)に示す被覆層16を形成して被覆複合線17を
得る。なお、被覆層16としてZn被覆層を用いた場
合、金属基地のCuに対するZnの固溶限が38.2a
t%であることから、被覆層16のインサイチュー線材
13に対する厚さを前記固溶限を越えないような厚さに
しておくことが好ましい。なおまた、インサイチュー線
材13の外周に被覆層16を形成する手段としては、管
体を被せて縮径する方法が大量生産向きで好ましいとと
もに、この方法では管体の厚さを変更することで被覆層
16の厚さを自由に調節できる利点もあるので好適であ
る。
【0022】次に、メッキ層を表層に設けた構造の線材
においては、前記被覆複合線17を加熱炉などにおいて
700〜800℃で数時間〜数10時間加熱する。この
加熱処理により被覆層16を構成する金属元素がインサ
イチュー線13側に拡散し、これによりインサイチュー
線材13の金属基地14にZnまたはNiが拡散して金
属基地14が高電気抵抗化され、図3(d)に示す永久
電流スイッチ用超電導線材19が得られる。合金管体を
被覆して製造した場合は、既に充分線材として高抵抗化
されているので、加熱処理を省略することもできる。こ
の超電導線材19は、銅マトリクスまたは、高電気抵抗
化された金属マトリクス部の内部にNbの極細のフィラ
メント19’が多数分散配列された構造を有している。
従ってNbのフィラメント19’が極低温に冷却された
場合に超電導体となり、これにより永久電流スイッチ用
としての超電導線材19が機能する。前記Nbのフィラ
メント19’は、不連続繊維の集合体状になるが、フィ
ラメント19’どうしの間隔が極めて小さいので超電導
状態では近接効果が作用して超電導電流が流れることに
なる。
【0023】更に、前記超電導線材19は、その金属基
地の一部または全部をCuなどの良導電体に比べて高電
気抵抗化しているので、スイッチイング動作を行う超電
導エネルギー貯蔵用装置の永久電流スイッチ用として好
適になっている。また、インサイチュー合金10からス
タートして製造しているので、超電導体として臨界電流
密度が高く、また、臨界磁界の比較的低いものが容易に
得られる。よって、磁界制御方式の永久電流スイッチ用
として好適である。更に前記の方法のうち、必要な線径
までインサイチュー線13の状態で縮径してから被覆層
16を形成し、それから熱処理して元素拡散させる場合
には、インサイチュー線材13の良好な加工性を維持し
ながら加工ができる。なお、前記のようにNiやZnを
拡散させて高電気抵抗化した後の金属基地は、インサイ
チュー線13に比べて硬化し、塑性加工性が低下するこ
とになる。よって、必要な線径までこれらの元素の拡散
を行なわずに最終段階で拡散させることによりインサイ
チュー線13の有する高い加工性を維持することがで
き、加工途中に断線させることなく所望の線径の超電導
線材19を得ることができる。
【0024】なお、前記インサイチュー線材13の金属
基地14に元素を拡散させてこれを高電気抵抗化する場
合、Ni被覆を形成することも考えられるが、Ni被覆
を施してこれを拡散させると、Nb濃度40重量%程度
で現われるNbNi金属間化合物、Nb濃度65重量%
程度で現われるNbNi3金属間化合物が析出し、これ
らが超電導特性と加工性に悪影響を及ぼすために、好ま
しくない。この点においてCu-Ni合金を用いれば前
記問題が生じるおそれは少なく、更に金属間化合物生成
による悪影響のおそれの少ないZnやCu-Zn合金を
用いれば問題は生じない。
【0025】また、この例ではインサイチュー線材13
を用いて永久電流スイッチ用超電導線材を製造したが、
Cu管の内部にNbロッドを複合した複合ロッドを多数
本集合してからCuあるいはCu合金管に収納し、更に
縮径加工する複合縮径加工を繰り返し施す方法を用い、
CuまたはCu合金マトリクスの内部にNbフィラメン
トが配列した構造の超電導線材を製造し、これを永久電
流スイッチ用超電導線材として用いても良いのは勿論で
ある。この場合、金属マトリクスを高抵抗化するために
は、複合途中にCu管に換えてNiを含むCu-Ni合
金管やCu-Zn管を用いれば良い。これにより先の説
明で得られたものと同等の超電導特性を発揮するスイッ
チ用の超電導線材19を得ることができる。
【0026】次に、前記構成の超電導線材19を永久電
流スイッチ22に備えた超電導エネルギー貯蔵装置にあ
っては、以下に説明する運転方法を行うことにより、図
4〜図6を基に先に説明した従来の超電導エネルギー貯
蔵装置と同様に、電力の充電と貯蔵と放出ができるもの
である。まず、充電を行なうには、図1の開閉スイッチ
24を閉じて回路を接続すると共に、電源27を作用さ
せて制御用マグネット26に通電を行い、これにより制
御用マグネット26からスイッチコイル導体19に一定
磁界以上の磁界を加えることにより、スイッチをオフに
する。このときの磁界の向きは漏洩磁界と同じ方向とす
る。スイッチ22はオフ状態であるから、外部から回路
に通電することで、超電導マグネット21に直流電流が
流れ、超電導マグネット21が励磁される。この電流に
より超電導マグネット21は制御マグネットと同じ向き
の漏洩磁界Eを発生するため、図2(a)に示すよう
に、スイッチ導体19は、制御用マグネット26により
発生する磁界eと、超電導マグネット21の漏洩磁界E
が重畳された、更に高い磁界を経験することとなり、ス
イッチのオフ状態が継続される。スイッチがオンに復帰
しない磁界を維持すれば、この過程で電源27から制御
用マグネット26に供給する電流値を減少させても良
い。超電導マグネット21の漏洩磁界Eが永久電流スイ
ッチのオフ状態が維持される磁界に到達したら、電源2
7により制御用マグネット26の磁界eを減少させる
が、漏洩磁界Eが永久電流スイッチ22に作用している
のでスイッチのオフ状態は維持される。
【0027】次に、制御用マグネット26に対し電源2
7から前記と逆向きの電流を流し、制御マグネットに漏
洩磁界Eと逆向きの磁界eを発生させる。このことによ
り、スイッチ導体19が経験する磁界は、超電導マグネ
ット21からの漏洩磁界Eと、これと逆向きの制御マグ
ネット磁界eが重畳されるため減少し、漏洩磁界Eと制
御マグネット磁界eが等しい場合にゼロとなる。従っ
て、永久電流スイッチ22は超電導状態、即ちオン状態
となる。次に、開閉スイッチ24を閉じた状態で、外部
から回路に流す電流を減少させると永久電流スイッチ2
2はオン状態であるがために、永久電流スイッチ22に
電流が流れ込む。外部からの通電電流がゼロになると、
超電導コイル21に流れる電流に等しい電流が永久電流
スイッチ22に流れ、永久電流モードとなる。この状態
で開閉スイッチ24を開く。ここで、超電導コイル21
も永久電流スイッチ22も共に電気抵抗がゼロであるか
ら、電流は永久電流となって減衰することなくこの閉回
路中を流れ続け、超電導コイル21に蓄積されたエネル
ギーが無損失で貯蔵されたことになる。
【0028】次にこの貯蔵された電力を取り出すには、
開閉スイッチ24を閉じて回路を接続すると同時に、電
源27からの通電を停止して超電導線材19に漏洩磁界
Eのみを作用させ、超電導線材19を常電導状態に転移
させスイッチ22をオフにする。これにより、超電導マ
グネットコイル21に蓄えられていた磁気エネルギーを
電力として取り出すことができる。このようにして永久
電流スイッチ22のオン・オフ制御のスイッチングを行
うことができる。なお、このような方法により永久電流
スイッチ22のオン・オフ制御のスイッチングを行なう
ならば、超電導マグネット26が発生させる磁界のオン
・オフにより超電導線材19の超電導状態と常伝導状態
を切り換えるので、短時間でオン・オフの切り換えでき
る効果がある。
【0029】また、永久電流スイッチ用超電導線材19
の超電導状態と常伝導状態の切り換えのために超電導マ
グネットコイル21の漏洩磁界Eをそのまま利用する
か、漏洩磁界Eを制御用超電導マグネット26の発生さ
せる磁界eで減磁して利用するので、永久電流スイッチ
用超電導線材19をその臨界磁界よりも若干大きな漏洩
磁界E中に配置することで、制御用超電導マグネット2
6をより小型のものにすることができる。
【0030】即ち、漏洩磁界Eを利用することなく、漏
洩磁界がゼロの場所に超電導線材19を設置すると、磁
界ゼロの状態から臨界磁界を越える磁界まで全ての磁界
を超電導マグネット26により発生させる必要を生じ、
それに必要な規模の超電導マグネット26を必要とする
が、これに比べて臨界磁界を若干越える漏洩磁界Eの一
部を打ち消して臨界磁界を下回る磁界まで減磁するため
の超電導マグネット26であれば、その規模を縮小でき
るので、超電導マグネット26の小型化軽量化を実現で
きる。また、オン・オフ制御の主体となる制御用超電導
マグネット26を小型化できることは、制御用超電導マ
グネット26のインダクタンスを小さくすることがで
き、励磁電源容量を小さくできることから、スイッチン
グ速度の向上、電源コストの低減などに寄与する。
【0031】ところで、超電導マグネットコイル21の
漏洩磁界は、超電導マグネットコイル21に近づくほど
高く、離れるほど低くなるので、永久電流スイッチ用線
材19の設置位置は、その臨界磁界に応じてそれよりも
若干高い漏洩磁界が確実に作用する位置に設定する必要
がある。漏洩磁界と臨界磁界がほぼ等しい位置であると
スイッチングが不安定になるそれがあるので、臨界磁界
よりも0.1〜1T程度高い漏洩磁界が印加されるよう
に位置設定することが好ましい。ただし、この範囲であ
っても漏洩磁界が高すぎると、その漏洩磁界を減磁して
臨界磁界以下にする制御用超電導マグネット26の規模
を大きくする必要が生じて装置の小型化とスイッチング
速度の向上効果を抑制するので、漏洩磁界が永久電流ス
イッチ用超電導線材19の臨界磁界を越える値は小さい
方が好ましい。
【0032】(製造例1)図1に示す構造を有する超電
導エネルギー貯蔵装置を以下のように構成した。1ヘン
リー(H)のインダクタンスを持つソレノイド型超電導
マグネットコイルを用い、これに対し、永久電流スイッ
チを超電導マグネットコイルの中心位置の側方(超電導
マグネットコイルの上側50cmの位置)に設置した。
この超電導マグネットコイルの定格は2Tであり、永久
電流スイッチ設置場所の漏洩磁界は、0.4Tであっ
た。永久電流スイッチは、500Aの定格を有し、スイ
ッチング磁界は0.3Tのものを用いた。ここで、超電
導マグネットコイルの漏洩磁界0.4Tは永久電流スイ
ッチのスイッチング磁界0.3Tよりも高いために、超
電導マグネットコイルに通電した状態では永久電流スイ
ッチは常電導状態となってオフ状態となった。次に、永
久電流スイッチを制御用超電導マグネットの内側に図1
に示すように設置した。この制御用超電導マグネットは
前記漏洩磁界の逆向きに0.2Tの磁界を印加できるも
のであった。永久電流スイッチの運転方法として、永久
電流スイッチの制御用超電導マグネットに漏洩磁界を打
ち消す方向に0.2Tの磁界を発生させ、永久電流スイ
ッチ用超電導線材の部分の環境磁界を0.2Tとし、永
久電流スイッチをオン状態として永久電流モードとし
た。ここで永久電流スイッチには定格の500Aを流す
ことができた。この後、スイッチをオフにするために、
制御用超電導マグネットの通電電流を急速に減少させ、
0.2秒で磁界を消滅させた。この結果、スイッチング
磁界である0.3Tまで減磁開始後0.1秒で到達し、永
久電流スイッチに流れる500Aの電流を25Aまで減
衰させることができた。以上のことから本発明を実施す
ることにより、永久電流スイッチの高速スイッチングを
実現できることが明らかになった。
【0033】(製造例2)先の製造例1と基本的に同じ
回路を用い、0.3ヘンリー(H)のインダクタンスを
持つソレノイド型超電導マグネットコイルの永久電流ス
イッチを超電導マグネットコイルの上に設置した。この
超電導マグネットコイルは定格3Tであり、永久電流ス
イッチ設置場所の漏洩磁界は、0.5Tであった。ここ
で永久電流スイッチは、200Aの定格を有し、スイッ
チング磁界は0.3Tのものを用いた。 永久電流スイ
ッチの運転方法として、永久電流スイッチの制御用超電
導マグネットに漏洩磁界を打ち消す方向に0.3Tの磁
界を発生させ、永久電流スイッチ用超電導線材の部分の
環境磁界を0.2Tとし、スイッチをオンとして永久電
流モードとした。この後、スイッチをオフにするため
に、制御用超電導マグネットの通電電流を急速に減少さ
せ、0.3秒で磁界を消滅させた。この結果、スイッチ
ング磁界の0.3Tまで減磁開始後0.1秒で到達し、永
久電流スイッチに流れる200Aの電流を10Aまで減
衰させることができた。以上のことから本発明を実施す
ることにより、永久電流スイッチの高速スイッチングを
実現できることが明らかになった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、超電導マ
グネットコイルの発生させた漏洩磁界の中に、その漏洩
磁界よりも低い臨界磁界の永久電流スイッチ用超電導線
材を設け、この永久電流スイッチに漏洩磁界とは逆向き
に磁界を印加する制御用超電導マグネットを配置したの
で、永久電流スイッチ用の超電導線材を制御用超電導マ
グネットコイルの漏洩磁界中に配置することで、超電導
マグネットコイルからの漏洩磁界により永久電流スイッ
チの超電導線材を常伝導状態にできるとともに、制御用
超電導マグネットを作動させて漏洩磁界の少なくとも一
部を打ち消して減磁することで永久電流スイッチの超電
導線材を超電導状態にできる。従って、制御用超電導マ
グネットへの通電のオン・オフを切り換えることで、永
久電流スイッチのオン・オフ制御ができる。また、この
オン・オフ制御は磁界で行うので、従来の熱式に比べて
スイッチング速度を格段に向上させることができる。
【0035】次に、永久電流スイッチ用超電導線材の常
伝導状態と超電導状態の切り換えに超電導マグネットコ
イルの漏洩磁界を利用するので、永久電流スイッチ用超
電導線材を単独の超電導マグネットで超電導状態から常
伝導状態にあるいは常伝導状態から超電導状態に漏洩磁
界を利用することなく転移させる場合に比べて制御用超
電導マグネットの規模を小さくでき、小型化軽量化を図
ることができる。
【0036】また、永久電流スイッチ用の超電導線材を
超電導マグネットコイルの漏洩磁界中に配置できること
は、永久電流スイッチ用の超電導線材を超電導マグネッ
トコイルの近傍に配置できることを意味し、コンパクト
な配置ができるので、装置全体の小型化を推進できると
同時に永久電流スイッチ用超電導線材の設置場所の自由
度を向上できる。更に、永久電流スイッチ用超電導線材
の設置場所の自由度が向上することで装置全体の小型化
軽量化が進むので、永久電流スイッチと超電導マグネッ
トコイルを冷却する装置の小型化軽量化もなし得る。
【0037】次に、臨界磁界を前記超電導マグネットコ
イルの漏洩磁界よりも小さく設定した永久電流スイッチ
用超電導線材を前記超電導マグネットコイルの漏洩磁界
を受ける位置に設置し、前記制御用超電導マグネットが
発生させる磁界で前記超電導マグネットコイルの発生さ
せた漏洩磁界を弱めて超電導スイッチ用線材の受ける磁
界を臨界磁界よりも小さくして超電導スイッチ用線材を
超電導状態に維持するか、制御用超電導マグネットが発
生させる磁界を弱めて超電導マグネットコイルの漏洩磁
界により永久電流スイッチ用超電導線材を常電導状態に
維持するかを切り換えて運転することができる。このよ
うに運転した場合、永久電流スイッチ用の超電導線材を
超電導マグネットコイルの漏洩磁界中に配置できるの
で、永久電流スイッチ用の超電導線材を超電導マグネッ
トコイルの近傍に配置することができ、コンパクトな配
置ができるので、装置の小型化に寄与する。また、制御
用超電導マグネットへの通電のオン・オフを切り換える
ことで永久電流スイッチのオン・オフ制御ができ、この
オン・オフ制御は磁界で行うので、従来の熱式に比べて
スイッチング速度を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る永久電流スイッチ装置を備えた
超電導エネルギー貯蔵装置の一例を示す構成図である。
【図2】 図2(a)は図1に示す永久電流スイッチ用
超電導線材に漏洩磁界のみを印加した状態を示す要部拡
大図、図2(b)は図1に示す永久電流スイッチ用超電
導線材に漏洩磁界に加えて制御用超電導マグネットから
の磁界を印加した状態を示す要部拡大図である。
【図3】 本発明に係る永久電流スイッチ装置用の超電
導線材を製造する方法を説明するもので、図3(a)は
インサイチュー合金の断面図、図(b)はインサイチュ
ー合金を線引き加工して得たインサイチュー線材を示す
断面図、図3(c)は図(b)のインサイチュー線材に
Zn層を被覆した被覆複合線を示す断面図、図(d)は
被覆複合線に熱処理を施して得た永久電流スイッチ用超
電導線材の断面図である。
【図4】 従来の永久電流スイッチを備えた超電導エネ
ルギー貯蔵装置の一例に充電している状態を示す構成図
である。
【図5】 従来の永久電流スイッチを備えた超電導エネ
ルギー貯蔵装置の一例に電力を保存している状態を示す
構成図である。
【図6】 従来の永久電流スイッチを備えた超電導エネ
ルギー貯蔵装置の一例から電力を取り出している状態を
示す構成図である。
【符号の説明】
19…永久電流スイッチ用超電導線材、20…超電導マ
グネットコイル用超電導線材、21…超電導マグネット
コイル、22…永久電流スイッチ、23…パワーリー
ド、24…スイッチ、25…交直変換器、26…制御用
超電導マグネット、27…電源、28…極低温領域、E
…漏洩磁界、e…磁界。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 本間 仁 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導マグネットコイルと、この超電導
    マグネットコイルに並列接続された永久電流スイッチ用
    超電導線材と、前記永久電流スイッチ用超電導線材の近
    傍に設置されて永久電流スイッチ用超電導線材に磁界を
    かけるか磁界を減じて永久電流スイッチ用超電導線材を
    超電導状態から常電導状態に、あるいは常電導状態から
    超電導状態に転位させる制御用超電導マグネットを具備
    してなる永久電流スイッチ装置であって、 前記永久電流スイッチ用超電導線材が前記超電導マグネ
    ットコイルの漏洩磁界を受ける位置に設置され、永久電
    流スイッチ用超電導線材の臨界磁界が前記超電導マグネ
    ットコイルの漏洩磁界よりも小さく設定されるととも
    に、前記制御用超電導マグネットが、それ自身で発生さ
    せる磁界で前記超電導マグネットコイルの発生させる漏
    洩磁界を弱めるように構成され、前記制御用超電導マグ
    ネットの発生させる磁界の強さが、永久電流スイッチ用
    超電導線材の位置において前記超電導マグネットコイル
    の漏洩磁界を弱めて永久電流スイッチ用超電導線材に負
    荷される磁界を永久電流スイッチ用超電導線材の臨界磁
    界よりも小さくする強さに設定されてなることを特徴と
    する永久電流スイッチ装置。
  2. 【請求項2】 超電導マグネットコイルと、この超電導
    マグネットコイルに並列接続された永久電流スイッチ用
    超電導線材と、前記永久電流スイッチ用超電導線材の近
    傍に設置されて永久電流スイッチ用超電導線材に磁界を
    かけるか磁界を減じて永久電流スイッチ用超電導線材を
    超電導状態から常電導状態に、あるいは常電導状態から
    超電導状態に転移させる制御用超電導マグネットを具備
    してなる永久電流スイッチ装置を運転する方法であっ
    て、 臨界磁界を前記超電導マグネットコイルの漏洩磁界より
    も小さく設定した永久電流スイッチ用超電導線材を前記
    超電導マグネットコイルの漏洩磁界を受ける位置に設置
    し、前記制御用超電導マグネットが発生させる磁界で前
    記超電導マグネットコイルの発生させた漏洩磁界を弱め
    て超電導スイッチ用線材の受ける磁界をその臨界磁界よ
    りも小さくして超電導スイッチ用線材を超電導状態に維
    持するか、制御用超電導マグネットが発生させる磁界を
    弱めて超電導マグネットコイルの漏洩磁界により永久電
    流スイッチ用超電導線材を常電導状態に維持するかを切
    り換えて運転することを特徴とする永久電流スイッチ装
    置の運転方法。
JP8262189A 1996-10-02 1996-10-02 永久電流スイッチ装置及びその運転方法 Pending JPH10107331A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2363255A (en) * 2000-06-07 2001-12-12 Abb Ab Superconducting magnetic energy storage using inductive couplings
JP6398134B1 (ja) * 2017-10-03 2018-10-03 北田回転機関合同会社 スイッチ素子、モータ駆動回路及びモータ駆動方法並びに電気回転機
WO2022164330A1 (en) * 2021-01-26 2022-08-04 Victoria Link Limited High-temperature superconducting switches and rectifiers

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